JP6629859B2 - 疲労軽減剤 - Google Patents

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Description

本発明は、疲労軽減剤に関する。
プロポリスは、ミツバチ科昆虫が種々の植物から集めてきた樹脂等を固めたワックス状の組成物で、古くから食品等として利用されており、様々な生理活性を有することが知られている。例えば特許文献1には、ガラナ水抽出物、プロポリス水抽出物、DHA、フォスファチジルセリン、フォスファチジルコリン及びビタミンEからなる混合物が、痴呆症、慢性疲労症候群等に対し改善効果を有することが開示されている。
プロポリスを産生するミツバチ科の蜂としては、ミツバチ属(Apis)、ハリナシミツバチ属(Trigona)又はオオハリナシミツバチ属(Melipona)に属するものが知られている。特許文献2には、ハリナシミツバチ類が産するプロポリスのエキスを有効成分とする抗疲労剤が開示されている。
特開2008−50331号公報 特開2005−281182号公報
特許文献1では、プロポリス単独での疲労に関する効果は確認されていない。また、特許文献1ではアンケートによる評価のみがなされており、身体への影響は客観的手法では確認されていない。
特許文献2にも記載されているハリナシミツバチ類は、文字どおり進化の過程で刺針を退化させたハチであり、女王蜂の寿命が10年以上と長い、巣自体をプロポリスで作る、抗菌性の高い蜂蜜を作るため病気が少ないなどの特徴がある。しかし、ハリナシミツバチ類は、低温にさらされるとコロニーが崩壊するという性質があるため生息域が熱帯に限られ、広く用いることができない。また、特許文献2では、ミツバチ属に属する蜂由来のプロポリスの疲労軽減効果は見出されていない。
本発明は、ミツバチ属に属する蜂由来のプロポリスの新規な用途を提供することを目的とする。
本発明は、ミツバチ属に属する蜂由来のプロポリス又はその処理物を有効成分として含有する、疲労軽減剤を提供する。
上記疲労軽減剤は、経口用であることが好ましい。
本発明の疲労軽減剤は、疲労軽減用食品組成物として使用することができる。食品組成物には、食品、健康食品、機能性表示食品(機能性食品)、栄養補助食品、サプリメント及び特定保健用食品が含まれる。プロポリスは、従来から食品等として使用されており、生体への安全性が確立されている。したがって、当該疲労軽減用食品組成物は、長期間に亘って継続的に摂取することもできる。
本発明は、疲労軽減に使用するための、ミツバチ属に属する蜂由来のプロポリス又はその処理物と捉えることもできる。また、本発明は、疲労軽減に使用するための、ミツバチ属に属する蜂由来のプロポリス又はその処理物を有効成分として含有する剤と捉えることもできる。
本発明は、疲労軽減剤の製造における、ミツバチ属に属する蜂由来のプロポリス又はその処理物の使用と捉えることもできる。
本発明は、ミツバチ属に属する蜂由来のプロポリス又はその処理物の有効量を、それを必要とする対象に投与することを含む、疲労を軽減する方法と捉えることもできる。
本発明によれば、プロポリス又はその処理物を有効成分として含有する、疲労軽減剤を提供することができる。
体重あたり酸素摂取量の経時変化を示すグラフである。 運動強度の経時変化を示すグラフである。 分時換気量の経時変化を示すグラフである。 最大呼気速度の経時変化を示すグラフである。 エネルギー消費量の経時変化を示すグラフである。 歩行運動後の抗疲労感の経時変化を示すグラフである。 日常生活で感じる疲労感の経時変化を示すグラフである。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本発明の疲労軽減剤は、プロポリス又はその処理物を有効成分として含有する。
プロポリスとは、ミツバチの巣の巣壁を構成する樹脂状又は蝋状の物質である。プロポリスには、桂皮酸誘導体、フラボノイド、ビタミン、ミネラル等が含まれていることが知られている。
本実施形態において用いられるプロポリスは、ミツバチ科ミツバチ属に属する蜂由来のものである。ミツバチ科ミツバチ属には、セイヨウミツバチ(Apis mellifera)、トウヨウミツバチ(Apis cerana)など9種が属しており、いずれの種由来のプロポリスを用いてもよい。ミツバチ属の中でもセイヨウミツバチ由来のプロポリスを用いることが好ましい。セイヨウミツバチには、24〜28の亜種があるとされており、いずれの亜種由来のプロポリスを用いてもよい。特に、セイヨウミツバチの亜種の1つであるアフリカミツバチ(A. mellifera scutellata)と他のセイヨウミツバチのヨーロッパ産亜種との交雑種であるアフリカ蜂化ミツバチ由来のプロポリスを用いることが好ましい。
プロポリスは、例えば、常法に従い養蜂産品として入手することができる。プロポリスは、例えば、日本産、ブラジル産、中国産、ヨーロッパ諸国産、オセアニア産、アメリカ産等、いずれの産地由来のものであってもよい。また、プロポリスは、アレクリン由来、ユーカリ由来、ポプラ由来、クルシア属植物由来等、いずれの植物由来であってもよい。プロポリスは、ブラウン、レッド、イエロー、グリーン、スーパーグリーン、ウルトラグリーン等いずれのランクであってもよい。プロポリスは、特に、生理活性の高さ及び入手のしやすさから、ブラジル産のアフリカ蜂化ミツバチ由来プロポリスであることが好ましい。
プロポリスは、例えばプロポリス原塊であってよい。プロポリス処理物は、例えば、プロポリス原塊に、粉砕、超臨界抽出、水又は親水性有機溶媒抽出、抽出物の濃縮又は粉末化、粉末の造粒等の処理が施されたものであってよい。これらの中でもプロポリスの親水性有機溶媒抽出により得られる親水性有機溶媒抽出物は、プロポリスの有効成分が、短時間で効率的にバランスよく抽出されたものであるため好ましい。抽出に使用する親水性有機溶媒としてはエタノールが好ましい。
プロポリス又はプロポリスの処理物は、市販されているものを用いてもよい。セイヨウミツバチ由来のプロポリス又はプロポリスの処理物を含む市販品の具体例としては、例えば、株式会社山田養蜂場のプロポリス300、プロポリス液30(ブラジル産プロポリス含有)、プロポリスヘルプ、プロポリス粒、プロポリス顆粒APC、プロポリスマイルド、プロポリスドリンク、森川健康堂株式会社製のネオプロポリス粒、プロポリス粒、プロポリス液、プロポリスマイルド液、ユーカリポリス、株式会社ラベイユ製のラベイユプロポリス(液タイプ)、ラベイユプロポリス(カプセルタイプ)、ラベイユプロポリスはちみつ等が挙げられる。
本実施形態に係る疲労軽減剤には、上述したプロポリス原塊又はプロポリスの処理物を1種のみの形態で用いてもよく、2種以上の形態を組み合わせて用いてもよい。疲労軽減剤中のプロポリス及びその処理物の含有量は、疲労軽減剤全量に対して例えば固形分で0.002質量%以上50質量%以下であってよく、0.01質量%以上45質量%以下であってもよく、0.1質量%以上40質量%以下であってもよい。
本実施形態に係る疲労軽減剤は、プロポリス又はその処理物を有効成分として含有するため、摂取することによって、運動時及び日常生活における疲労を軽減することができる。具体的には、本実施形態に係る疲労軽減剤を摂取することにより、後述の実施例において示されているように、同量の運動を行う際の、酸素摂取量、分時換気量、最大呼気速度、運動強度、エネルギー消費量等を低減することができ、運動時及び日常生活における身体的疲労感を軽減することができる。これらの中でも、分時換気量及び日常生活で感じる疲労感を軽減する効果が高い。すなわち、本実施形態に係る疲労軽減剤を摂取することによって、運動機能を向上させることができ、運動時や日常生活における身体的負担を軽減することができる。したがって、本実施形態に係る疲労軽減剤は、運動機能向上剤ということもできる。
本実施形態に係る疲労軽減剤を摂取する対象者は、疲労軽減効果を望む人であればどのような人であってもよいが、特に、日常的に運動量が不足傾向にある人に効果が高く、例えば、運動不足及び疲れやすいことが気になる40〜65歳の中高年層に効果が高い。
本実施形態に係る疲労軽減剤は、毎日の継続摂取を開始してから遅くとも約4週間後には顕著な効果を奏し、摂取を継続することによって、更に高い効果を奏する。また、一般的に、日常的にフィットネス、有酸素運動等のトレーニングを重ねることによって運動機能を向上させ、疲れやすさを軽減することができると考えられるが、本実施形態に係る疲労軽減剤を摂取することにより、特にトレーニングを行わなくても、摂取開始から約4週間後〜8週間後という早期において、運動機能向上、疲労軽減等の効果を奏する。したがって、トレーニングに依存せずに早期に運動機能を向上させ、疲労を軽減することを望む人に特に適している。また、本実施形態に係る疲労軽減剤の摂取は、トレーニングと並行して行ってもよい。
本実施形態に係る疲労軽減剤は、有効成分であるプロポリス又はプロポリスの処理物のみを含有するものであってもよく、本発明による効果を妨げない限り、他の成分を更に含有していてもよい。他の成分としては、例えば、薬学的に許容される成分(例えば、賦形剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、乳化剤、界面活性剤、基剤、溶解補助剤、懸濁化剤)、食品として許容される成分(例えば、ミネラル類、ビタミン類、フラボノイド類、キノン類、ポリフェノール類、アミノ酸、核酸、必須脂肪酸、清涼剤、結合剤、甘味料、崩壊剤、滑沢剤、着色料、香料、安定化剤、防腐剤、徐放調整剤、界面活性剤、溶解剤、湿潤剤)を挙げることができる。
本実施形態に係る疲労軽減剤は、有効成分量換算で、体重60kgの成人に一日当たり1mg以上550mg以下の用量で用いることができ、3mg以上500mg以下の用量で用いることが好ましく、5mg以上450mg以下の用量で用いることがより好ましく、7mg以上400mg以下の用量で用いることが更に好ましい。当該容量は、摂取する人の健康状態、投与方法及び他の剤との組み合わせ等の因子に応じて、上記範囲内で適宜設定することができる。また、本実施形態に係る疲労軽減剤は、体重60kgの成人に一日当たり有効成分換算量で460mg以下、300mg以下又は230mg以下の用量であっても充分に疲労軽減効果を奏する。
本実施形態に係る疲労軽減剤は、経口投与(摂取)されてもよく、非経口投与されてもよい。本実施形態に係る疲労軽減剤は、一日当たりの有効成分量が上述した範囲内にあれば、一日一回投与されてもよいし、一日二回、一日三回等、複数回に分けて投与されてもよい。
本実施形態に係る疲労軽減剤は、経口投与されることが好ましい。経口投与することによってプロポリスの機能成分を効率的に体内に摂取することができ、より高い生理活性をもたらすことができる。したがって、本実施形態に係る疲労軽減剤は、経口用であることが好ましい。
本実施形態に係る疲労軽減剤は、固体、液体、ペースト等のいずれの形状であってもよい。本実施形態に係る疲労軽減剤の形態は、例えば、素錠、糖衣錠、顆粒、粉末、タブレット、カプセル(ハードカプセル、ソフトカプセル、シームレスカプセル)であってもよい。本実施形態に係る疲労軽減剤は、例えば、有効成分であるプロポリス又はプロポリスの処理物と、必要に応じて他の成分とを混合して上記剤形に成形することによって調製することができる。
本実施形態に係る疲労軽減剤は、医薬品、医薬部外品及び食品組成物そのものとして、並びに医薬品、医薬部外品及び食品組成物に添加して使用することができる。食品組成物としては、食品の3次機能(体調調節機能。すなわち、疲労軽減機能、運動機能向上機能等。)が強調されたものであることが好ましい。食品の3次機能が強調された食品組成物としては、例えば、健康食品、機能性表示食品(機能性食品)、栄養補助食品、サプリメント及び特定保健用食品を挙げることができる。
本実施形態に係る疲労軽減剤からなる医薬品、医薬部外品若しくは食品組成物、又は本実施形態に係る疲労軽減剤を含む医薬品、医薬部外品若しくは食品組成物は、疲労軽減用、運動機能向上用であってよい。また、上記医薬品、医薬部外品又は食品には、疲労を軽減する旨、運動機能を向上させる旨等の表示が付されていてもよい。
医薬品、医薬部外品及び食品組成物における本実施形態に係る疲労軽減剤の含有量は、一日当たり摂取する有効成分量が上述した範囲内となるように、医薬品、医薬部外品及び食品組成物の種類等に応じて適宜設定すればよい。
本実施形態に係る疲労軽減剤を食品組成物そのものとして、又は食品組成物に添加して使用する場合、食品組成物の形態は特に限定されず、例えば、飲料類(コーヒー、ジュース、茶飲料、ゼリー飲料等の清涼飲料、乳飲料、乳酸菌飲料、ヨーグルト飲料、炭酸飲料等)、スプレッド類(カスタードクリーム等)、ペースト類(フルーツペースト等)、洋菓子類(チョコレート、ドーナツ、パイ、シュークリーム、ガム、ゼリー、キャンデー、クッキー、ケーキ、プリン等)、和菓子類(大福、餅、饅頭、カステラ、あんみつ、羊羹等)、氷菓類(アイスクリーム、アイスキャンデー、シャーベット等)、食品類(カレー、牛丼、雑炊、味噌汁、スープ、ミートソース、パスタ、漬物、ジャム等)、調味料類(ドレッシング、ふりかけ、旨味調味料、スープの素等)であってもよい。
本実施形態に係る疲労軽減剤を食品の3次機能が強調された食品組成物(例えば、健康食品、機能性表示食品(機能性食品)、栄養補助食品、サプリメント又は特定保健用食品)そのものとして、又は食品組成物の3次機能が強調された食品に添加して使用する場合、食品の3次機能が強調された食品組成物の形態は、上述した食品組成物の形態に加えて、例えば、素錠、糖衣錠、顆粒、粉末、タブレット、カプセル(ハードカプセル、ソフトカプセル、シームレスカプセル)であってもよい。
本実施形態に係る疲労軽減剤を医薬品若しくは医薬部外品そのものとして、又は医薬品若しくは医薬部外品に添加して使用する場合、医薬品又は医薬部外品の形態は特に限定されず、例えば、素錠、糖衣錠、顆粒、粉末、タブレット、カプセル(ハードカプセル、ソフトカプセル、シームレスカプセル)であってもよい。
本実施形態に係る疲労軽減剤を添加した医薬品、医薬部外品又は食品組成物の製法は特に限定されず、適宜公知の方法に従うことができる。例えば、医薬品、医薬部外品又は食品組成物の製造工程における中間製品又は最終製品に、本実施形態に係る疲労軽減剤を混合等して、上記の用途に用いられる医薬品、医薬部外品又は食品組成物を得ることができる。
上述した本発明は、疲労軽減に使用するための、プロポリス又はその処理物と捉えることもできる。本発明はまた、疲労軽減に使用するための、プロポリス又はその処理物を有効成分として含有する剤と捉えることもできる。本発明は、疲労軽減剤の製造における、プロポリス又はその処理物の使用と捉えることもできる。
上述した本発明はまた、プロポリス又その処理物の有効量を、それを必要とする対象に投与することを含む、疲労を軽減する方法と捉えることもできる。
以下、本発明を実施例に基づいてより具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<試験方法>
事前アンケートの設問にて「普段あまり運動をしていない」と回答した40〜65歳の男女45名を選抜して被験者とした。年齢及び男女比がなるべく等しくなるよう15名ずつの3群に分け、それぞれ(A)プロポリス摂取及び歩行運動群、(B)プロポリス摂取群、(C)歩行運動群とした。
(A)群及び(B)群は、プロポリスエキスのソフトカプセル(商品名「プロポリス300」、山田養蜂場社製、ブラジル産プロポリスエキス、アフリカ蜂化ミツバチ由来、75.6mg/粒)を1日3粒、毎日摂取した。(A)群及び(C)群は、30分以上/日の歩行運動を、週3日以上、12週間継続した。試験開始直前(0週)、試験開始後4週間目及び8週間目に下記の呼気ガス代謝測定を実施し、試験開始後12週間目にアンケートを実施して、健康及び体力への影響を調べた。
〔呼気ガス代謝測定〕
各被験者は、呼気ガス代謝測定用マスクを装着した状態で、トレッドミル上で15分間の歩行運動を行った。歩行運動は、安静2分間、ウォームアップ1分間、分速60m、80m、100mを各3分間の計9分間、クールダウン1分間、回復期2分間の計15分間とした。
呼気ガス代謝測定装置(METALYZER 3B、コールテックス社製)を用いて、歩行運動中の呼気中の酸素量及び二酸化炭素濃度を経時的に測定した。また、歩行運動中の呼吸数(歩行運動中の呼吸回数)、分時換気量(歩行運動中の呼吸速度)、最大呼気速度(歩行運動中の最大の呼吸速度)及びエネルギー消費量を測定した。酸素消費量及びエネルギー消費量については、各被験者の体重あたりの値を算出した。なお、最大呼気速度は、値が小さいほど、息が上がることなく運動できていることを示し、エネルギー消費量は、値が小さいほど、より少ないエネルギーで同程度の運動ができていることを示すものである。
測定した二酸化炭素排出量及び酸素摂取量から運動強度を算出した。運動強度は、運動中の酸素摂取量及び静時の酸素摂取量から算出される値であり、数値が大きいほど、行った運動に対してより大きな負荷が生じていることを示す。
上記各項目について歩行運動中の15分間の平均値を算出した。試験開始直前(0週)の各項目の値を基準(100%)とし、4週間後以降の経時変化を記録した。結果を図1〜5に示す。図中、*印はp値が対0週で0.05未満であることを示す。
〔アンケート〕
試験開始直前(0週)及び試験開始後12週間目に、歩行運動後の抗疲労感、及び日常生活で感じる疲労感についてアンケートを実施した。歩行運動後の抗疲労感は、視覚的評価スケール(VAS)法により、何もできないほど疲れ切った最悪の感覚を0、疲れを全く感じない最良の感覚を100として評価し、数値による回答を得た。日常生活で感じる疲労感は、感じないと思う場合を0、感じる場合はその程度を5段階(1:軽い、5:重い)で評価した。結果を図6、7に示す。図中、*印はp値が対0週で0.05未満であることを示す。
<結果>
呼気ガス代謝測定の結果、(A)プロポリス摂取+歩行群では、体重あたり酸素摂取量(図1)、運動強度(図2)、エネルギー消費量(図5)において、試験開始4週間後に有意な数値の低下が見られた。(C)歩行群ではこれらの数値は上昇する傾向にあり、数値の有意な低下は見られなかった。(B)プロポリス摂取群ではこれらの数値は4週間後から8週間後にわたって有意に低下していた。これに加え、(B)プロポリス摂取群では分時換気量(図3)、最大呼気速度(図4)も有意に低下していた。
また、アンケート結果では、(B)プロポリス摂取群において運動時疲労感(図6)及び日常生活での疲労感(図7)が有意に改善していた。
以上の結果から、プロポリス摂取によって、運動量が不十分である場合にも運動機能を向上させ、同じ運動量に対する相対的な負荷が軽減され、疲労を軽減する効果があることが示された。また、プロポリス摂取と歩行運動を併用した場合においても、運動機能を向上させ、疲労を軽減する効果があることが示されたが、これらの効果は歩行運動を伴わないプロポリス摂取の場合の方が高いことが示された。

Claims (6)

  1. ミツバチ属に属する蜂由来のプロポリス又はその処理物を有効成分とする、運動機能向上及びそれに伴う疲労軽減のための剤であって、前記処理物が、プロポリス原塊に、粉砕、超臨界抽出、水又は親水性有機溶媒抽出、抽出物の濃縮又は粉末化、粉末の造粒からなる群から選ばれる少なくとも1種の処理が施されたものであり、前記疲労が日常生活における疲労である、剤(ただし、前記疲労が眼精疲労であるもの、並びに、ガラナ水抽出物、DHA、フォスファチジルセリン、フォスファチジルコリン及びビタミンEを含むものを除く。)。
  2. 運動不足の人のための、請求項1に記載の剤
  3. 中高年層のための、請求項1又は2に記載の剤。
  4. ヒト免疫系賦活用であるものを除く、請求項1〜3のいずれか一項に記載の剤。
  5. 経口用である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の剤
  6. 請求項1〜のいずれか一項に記載の剤を含む、運動機能向上及びそれに伴う疲労軽減のための食品組成物
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