JP6627045B2 - ステムセルファクター受容体活性化作用を呈するポリフェノール誘導体 - Google Patents

ステムセルファクター受容体活性化作用を呈するポリフェノール誘導体 Download PDF

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Description

この発明はステムセルファクター受容体活性化作用を呈するポリフェノール誘導体に関するものである。
細胞及び組織の再生に幹細胞が関与しており、一方、老化を防止する目的で幹細胞の活性化が研究されている。幹細胞は全身の組織に存在し組織の再生に関わっている。しかし、幹細胞は自己の増殖のために増殖因子であるステムセルファクター(Stem cell factor、SCFと略す)が必要となる。このSCFには臓器に特有に成分と共通した成分がある。
幹細胞にはSCF受容体が存在しており、リガンドであるSCFとSCF受容体が結合した結果、細胞に増殖のシグナル伝達系が刺激されて最終的には遺伝子が増幅される。幹細胞の増殖のためには最初にSCF受容体の活性化が不可欠である。
SCF受容体を活性化するためには、SCF受容体の結合部位の感受性の増加であるハイパーセンシタイゼーションとSCF受容体の数的な増加であるアップレギュレーションの両面が考えられる。この両面でSCF受容体を活性化することができれば、それは相乗的な効果が期待される。
ステムセルファクターに関する発明の例は少ない。たとえば、細胞の遺伝子マーキングならびに疾病の予防および治療のためのその使用に関する発明がある。そこでは、SCF受容体について言及されているもののSCF受容体を活性化する発明ではない(例えば、特許文献1参照。)。
特表2002−529080
既存の物質によるステムセルファクター受容体活性化作用は軽度であり、産業上への利用が限定されるという課題があり、また、化学合成された物質では安全性に問題があり、利用が限られている。
そこで、副作用が弱く優れたステムセルファクター受容体活性化作用を呈する天然物が望まれている。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は下記の式(1)で示されるステムセルファクター受容体活性化作用を有するポリフェノール誘導体に関するものである。
この発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。
請求項1に記載のポリフェノール誘導体はステムセルファクター受容体活性化作用に優れている。
以下、この発明を具体化した実施形態について詳細に説明する。
ステムセルファクター受容体活性化作用を呈するポリフェノール誘導体とは、下記の式(1)で示される構造からなるものである。
前記の式(1)のようにステムセルファクター受容体活性化作用を呈するポリフェノール誘導体はポリフェノールの1分子、フェルラ酸の1分子及びエタノールの1分子から構成されている。これらの分子及びその結合はすべて自然界に存在する天然型であり、各分子間はエーテル結合を介して結合している。
このポリフェノール誘導体はポリフェノール、フェルラ酸及びエタノールを原料として化学合成により得ることができる。しかし、その化学的な合成では原料の損失が多く、製造コストが高くなるため、産業への利用は限定される。化学合成された純度の高いポリフェノール誘導体は分析の標準品や微量な試供品を得るために用いられる。
このポリフェノール誘導体の構造を解析することは有効成分の特定ができる点から好ましい。また、製品や製剤に利用して販売する際の有効成分の含有量の指標として利用できることから好ましい。
このポリフェノール誘導体の構造解析の一例として化学合成された高純度(純度95%以上)の標準品を用いて重水素化ジメチルスルホキシド中の90MHzのH−NMRにより解析した場合、ピークの位置は3.255、3.420、4.286、4.521、4.587、4.622、6.096、7.431、7.612、7.752、7.844、7.884、8.234、8.405、8.417、8.860、9.873、10.891及び14.442ppmに認められる。
さらに、このポリフェノール誘導体は高速液体クロマトグラフィーや質量分析装置で解析され、その構造が同定される。
この構成成分であるポリフェノールは天然に存在している化合物であり、植物や微生物にも認められ、安全性も確認されている。特に、ユスラウメの果実、グレープフルーツや温州みかんなどのかんきつ類、蕎麦の実などに含まれ、目的とするポリフェノール誘導体を製造するための原料としてこれらの果実や穀類は好ましい。
もともと、このポリフェノールは皮膚細胞の保護作用、抗炎症作用、抗腫瘍作用、脂肪燃焼作用、神経保護作用があるものの、吸収、体内動態や薬力学的に十分ではなかった。そこで、より吸収が良く、効果の強い化合物が望まれていた。
このポリフェノール誘導体は吸収と効果の両面で優れ、その構造の特徴としてポリフェノールは側鎖のベンゼン環のパラ位の水酸基とエタノールがエーテル結合している。また、側鎖のベンゼン環のメタ位の水酸基とフェルラ酸のメタ位のメトキシ基からメチルが離脱した結果、エーテル結合で結合している。
このポリフェノールとフェルラ酸の結合によりこのポリフェノール誘導体は安定的に、かつ、吸収率と反応性が高くなる。つまり、ベンゼン環による疎水性とフェルラ酸の水酸基による水溶性が加わり、両親媒性を呈することにより吸収が高まる。吸収率はポリフェノール単体と比較して約3倍に増加する。
この誘導体の構成成分であるフェルラ酸は化学式C10H10O4、分子量194.18で天然に存在する桂皮酸の一種である。このフェルラ酸は植物や動物に保持され、フェニルアラニンなどから生合成される。
フェルラ酸はもともとシナモンなどの植物の葉や果実から採取される成分であり、抗酸化作用が強いことから防腐剤、抗菌剤、抗アレルギー剤として利用されており、その安全性は確認されている。
このポリフェノール誘導体ではフェルラ酸部分は抗酸化作用の他に、DNAの分子を加齢、酸化、活性酸素や紫外線から防御して遺伝子を保護する働きがある。特に、ステムセルファクター受容体のプロモーター部位に働き、mRNAの転写を促進することによりmRNAレベルでのアップレギュレーションが行われることは好ましい。
さらに、フェルラ酸のカルボン酸部分は弱酸性に荷電していることから、耐酸性が強く、経口摂取された場合に、胃酸に対して抵抗性を示し、吸収率が高まることは好ましい。また、弱酸性であるため、皮膚に塗布した場合、皮膚に対して刺激性がないことは好ましい。
この誘導体のもう一つの構成成分はエタノールであり、ポリフェノールの側鎖ベンゼン環のパラ位でエーテル結合している。もともと、フェノール性の水酸基である部分にエタノールのメチル基が反応して脱水して結合されている。
このエタノールの結合によりこの誘導体に抗菌作用及び抗真菌作用が発揮されることは好ましい。
さらに、このポリフェノール誘導体は両親媒性であることにより細胞膜に馴染みやすく、細胞内に浸透して核膜内に到達しやすく、遺伝子に直接作用することは好ましい。
このポリフェノール誘導体のステムセルファクター受容体の活性化の様式は2つのタイプがある。一つはステムセルファクター受容体のmRNAレベルでの転写の増幅による数的な増加である。この活性化には特にフェルラ酸部分が関与し、プロモーター部位に働き、転写を促進させる。
もう一つの活性化の様式はハイパーセンシタイゼーションであり、ステムセルファクター受容体とリガンドの結合の親和性を増加させ、反応性を亢進させる。このポリフェノール誘導体のステムセルファクター受容体の反応性レベルの亢進にかかわる部位はポリフェノール部位である。
すなわち、このポリフェノール誘導体のポリフェノール部位はステムセルファクター受容体の活性中心の近傍に存在するSH基を還元状態に維持する。ポリフェノールの水酸基がSH基と反応してSH基を安定化させることによりステムセルファクターとの結合性が増加する。この様式は拮抗型であり、低濃度のリガンドとも結合し細胞の増殖を促進する。
ステムセルファクター受容体のリガンドとしてはステムセルファクター、EGF(上皮由来成長因子)、IL−3(インターロイキン−3)、IGF−1(インスリン様成長因子−1)などがある。
ステムセルファクター受容体は各臓器の幹細胞に存在しており、反応性は臓器に特異的であり、年齢、性別の他に遺伝子多型による差異も認められる。しかし、ポリフェノール誘導体によるステムセルファクター受容体の活性化は2つの異なるメカニズムにより発現するため、遺伝子多型や病的な状態などを含めたすべての状態とすべての組織に対して働くことが可能である。
特に、皮膚基底層の幹細胞及び神経細胞の幹細胞のステムセルファクター受容体に対してはこのポリフェノール誘導体の反応性は高い。したがって、このポリフェノール誘導体は皮膚や神経の増殖効果や皮膚疾患や神経疾患の治療効果及び予防効果に優れている。
また、このポリフェノール誘導体は脂溶性と水溶性の両方の性質を呈することから動物の細胞膜及び植物や酵母の細胞壁を通過し、細胞内に吸収されやすい。植物に対するステムセルファクター受容体としては植物ホルモンがある。オーキシン、サイトカイニン、アブシシン酸、ジベレリンなどの反応性を高めて植物の生育を促進させる。
このポリフェノール誘導体は植物生育剤として発芽、成長、開花、結実、収穫などの植物の全体的な成長を促進することから農業分野の発展と食糧の増産に寄与できる点は好ましい。特に、蘭やマツバランなどの貴重な花や盆栽などの生育に利用できることは好ましい。
また、有用な微生物の成長を促進できる点では発酵工程の短縮化と合理化に利用できる。酒造、みそ、しょうゆ、納豆などの製造などの増産と製造期間の短縮に活用できる点は好ましい。
このポリフェノール誘導体は皮膚の角質細胞膜も通過しやすく、角質層のバリア機能を維持することは皮膚の健康や美容の点から好ましい。
また、このポリフェノール誘導体は両親媒性であり、水溶性の化粧水と油性のクリームのいずれにも配合できる点は好ましい。
このポリフェノール誘導体は幹細胞の増殖、コラーゲンやエラスチン産生を促進することにより皮膚細胞機能を促進することは好ましい。さらに、EGF(Epidermal Growth Factor)との併用により相乗的な効果が得られることは好ましい。EFGとの併用により約3倍の皮膚幹細胞の増殖が得られる。
神経細胞においても幹細胞のステムセルファクター受容体を活性化して増殖を活性化する。神経細胞は認知症、アルツハイマー症などで活性酸素やアミロイドβたんぱく質による細胞機能を低下させるという弱点がある。そのため、このポリフェノール誘導体によるステムセルファクター受容体活性化作用により神経細胞の働きを回復させることは神経疾患の防御と回復の目的で好ましい。
また、神経終末からの神経伝達物質の放出を促進して神経伝達を高めることは好ましい。さらに、NGFとの併用により相乗的な効果が得られることは好ましい。NFGとの併用により約3倍の神経細胞の増殖が得られることはさらに好ましい。
運動神経細胞の神経末端からのアセチルコリンの放出を高めることにより筋肉の収縮を高めて神経と筋肉の活動性を増すことは好ましい。
このポリフェノール誘導体は心筋梗塞においては冠状動脈の梗塞や虚血状態でも心筋幹細胞のステムセルファクター受容体を活性化して心筋細胞を増殖させ、障害部位の再生を促進することは好ましい。
特に、梗塞部位の血管においてはこのポリフェノール誘導体は血管新生を促進し、血流を改善し、血圧を低下させる。
また、このポリフェノール誘導体はアスリートや運動時、筋肉を増強したい場合、筋肉幹細胞のステムセルファクター受容体を活性化し、骨格筋細胞の消失に対して骨格筋細胞を増殖させることにより筋肉組織を増強させることは好ましい。
このポリフェノール誘導体は生体内では腎臓や肝臓のエステラーゼにより分解され、尿中に排泄される。分解されて構成成分である安全性の高いポリフェノール、フェルラ酸及びエタノールに分解される。したがって、このポリフェノール誘導体は体内に蓄積されることはなく、分解も生体内酵素で行われ、分解物も天然物であることから安全性が高い。
このポリフェノール誘導体は天然にも存在しており、ユスラウメの果実、温州ミカン、キンカンやマルキンカンなどのかんきつ類や蕎麦などの植物にも極微量認められる。
このポリフェノール誘導体を精製により上記の植物から抽出することは可能である。ただし、精製には大量の原料を必要とし、有機溶媒などを利用することから産業上への利用は制限される。
このポリフェノール誘導体はユスラウメの果実やかんきつ類、蕎麦の実などを発酵法などにより増加させ、製造することは好ましい。発酵法としては大豆と混合して納豆菌やベニコウジ菌により発酵させて得る。用いる菌体は食用に利用できるものであるため、安全性が高い。
この製造方法は食経験がある発酵法であり、低分子ポリフェノール誘導体の産生に適していることから好ましい。得られたポリフェノール誘導体を医薬品素材として利用する場合、目的とするポリフェノール誘導体を精製することは、目的とするポリフェノール誘導体の純度が高まり、不純物を除去できる点から好ましい。
医薬品としては注射剤または経口剤または塗布剤などの非経口剤として利用され、医薬部外品としては錠剤、カプセル剤、ドリンク剤、石鹸、塗布剤、ゲル剤、歯磨き粉等に配合されて利用される。
経口剤としては錠剤、カプセル剤、散剤、シロップ剤、ドリンク剤等が挙げられる。前記の錠剤及びカプセル剤に混和される場合には、結合剤、賦形剤、膨化剤、滑沢剤、甘味剤、香味剤等とともに用いることができる。前記の錠剤はシェラックまたは砂糖などで被覆することもできる。
また、前記のカプセル剤の場合には、上記の材料にさらに油脂等の液体担体を含有させることができる。前記のシロップ剤及びドリンク剤の場合には、甘味剤、防腐剤、色素香味剤等を添加することができる。
非経口剤としては、軟膏剤、クリーム剤、水剤等の外用剤の他に、注射剤が挙げられる。外用剤の基材としては、ワセリン、パラフィン、油脂類、ラノリン、マクロゴールド等が用いられ、通常の方法によって軟膏剤やクリーム剤等とすることができる。
注射剤には、液剤があり、その他、凍結乾燥剤がある。これは使用時、注射用蒸留水や生理食塩液等に無菌的に溶解して用いられる。
また、食品製剤として皮膚の再生、神経の再生などの組織の再生を目的とした食品に利用できる。保健機能食品として栄養機能食品や特定保健用食品に利用することは好ましい。
得られた食品製剤をイヌやネコなどのペットや家畜動物に利用する場合、皮膚障害や神経障害の回復、老化の抑制と運動能力の向上を目的とした飼料やペット用サプリメントとして利用される。
化粧料として常法に従って界面活性化剤、溶剤、増粘剤、賦形剤等とともに用いることができる。例えば、クリーム、毛髪用ジェル、洗顔剤、美容液、化粧水等の形態とすることができる。
化粧料の形態は任意であり、溶液状、クリーム状、ペースト状、ゲル状、ジェル状、固形状または粉末状として用いることができる。
ここで製造された化粧料は障害された皮膚の修復やコラーゲンやエラスチンなどの増加及び肌の健康維持の目的で利用される。
また、このポリフェノール誘導体は老化により減少した歯肉細胞の増殖と機能の維持を目的とした歯磨き剤、洗口液や歯磨きペーストなどに利用できる。
次に、ユスラウメの果実、大豆粉末と納豆本舗製の納豆菌を添加して発酵させた発酵液を紅麹本舗製のベニコウジ菌で発酵した後、プラズマ還元処理する工程からなるステムセルファクター受容体活性化作用を呈するポリフェノール誘導体の製造方法について説明する。
ここでいうポリフェノール誘導体とはポリフェノールの1分子、フェルラ酸の1分子及びエタノールの1分子から構成されている。
これらの結合はすべて天然型であり、物質の間はエーテル結合を介して結合している。
このポリフェノール誘導体のポリフェノール、フェルラ酸及びエタノールは天然に存在し、食経験も豊富であり、安全性が認められていることから好ましい。
このポリフェノール誘導体のステムセルファクター受容体の活性化の様式は2つのタイプがある。一つはステムセルファクター受容体のmRNAレベルでの転写の増幅による数的な増加である。
この活性化には特にフェルラ酸部分が関与し、プロモーター部位に働き、転写を促進させる。この誘導体は皮膚、神経、骨、筋肉、肝臓や腎臓などにも働き、障害された細胞を再生させ、身体機能を回復させる。
この製造方法とはユスラウメの果実、大豆粉末と納豆本舗製の納豆菌を添加して発酵させた発酵液を紅麹本舗製のベニコウジ菌で発酵した後、プラズマ還元処理する工程からなる工程からなる。
原料となる物質はユスラウメの果実、大豆粉末、納豆本舗製の納豆菌及び紅麹本舗製のベニコウジ菌である。製造の手段としては発酵及びプラズマ還元法である。
ここでいうユスラウメは学名Prunus tomentosaは、バラ科サクラ属の落葉低木の果樹でその果実はサクランボに似た赤い小さな形状である。ユスラゴともいわれる。原産地は中国北西部、朝鮮半島、モンゴル高原原産であり、日本には平安時代に輸入され、食用として栽培されている。また、庭木としても利用される。
ユスラウメの果実は食用であり、一部は化粧品や化学品の原料としても利用されている。その成分としてはビタミン類、有機酸、ポリフェノール類、桂皮酸類、色素及びミネラル類である。
使用するのはユスラウメの果実であり、種子を含有していても良い。果肉と果実の両方を含むことはコスト的に好ましい。ユスラウメの果実は日本、モンゴル、アメリカ、アジア、その他の国で採取されたいずれのものでも良いが、品質が高く、価格の点から、日本産は品質が良いことから好ましい。
ユスラウメの果実は乾燥され、粉末化されることが好ましく、発酵の前にオートクレーブ滅菌されることは発酵をスムーズに行うることから好ましい。
3マイクロメーター以下の粒子サイズの粉末が発酵の工程を実施しやすくすることから好ましい。
原料となる大豆粉末は、日本産、中国産、アメリカ産、ロシア産などいずれの産地の大豆でも利用できるが、トレーサビリティーが確実であり、生産者が明確である日本産が好ましい。
このうち、有機栽培や無農薬で栽培された大豆は有害な農薬や金属を含有しないことから、さらに好ましい。
大豆は使用に際して、株式会社奈良機械製作所製の自由ミル、スーパー自由ミル、サンプルミル、ゴブリン、スーパークリーンミル、マイクロス、減圧乾燥機として東洋理工製の小型減圧乾燥機、株式会社マツイ製の小型減圧伝熱式乾燥機DPTH−40、エーキューエム九州テクノス株式会社製のクリーンドライVD−7、VD−20、中山技術研究所製DM−6などの粉砕機で粉砕される。これにより発酵の工程が効率的に進行されやすい。
さらに、ユスラウメの果実と大豆は粉砕後、オートクレーブなどにより滅菌されることは雑菌の繁殖を防御できることから好ましい。
用いる納豆本舗製の納豆菌は学名バチルス サブチリスで日本では納豆の製造に汎用され、食経験が豊富で有用な食用菌である。沖縄や鹿児島などの日本産、中国や台湾の東南アジア原産の菌種が用いられる。用いる納豆菌は納豆本舗製であり、高い発酵性を呈する。
この納豆菌はユスラウメの果実と大豆からなるポリフェノールとフェルラ酸の結合反応を促進する。
前記の発酵に関するそれぞれの添加量はユスラウメの果実の乾燥粉末1重量に対し、大豆粉末は0.02〜7重量及び納豆本舗製の納豆菌は0.001〜0.07重量が好ましい。納豆菌は発酵される前に、前培養することは、発酵の初発時間を短縮し、発酵時間が短縮されることから好ましい。
前記の発酵は清浄な培養用タンクで実施され、滅菌された水道水により前記の材料を混合することは好ましい。
また、この発酵は40〜44℃に加温され、発酵は1日間から28日間行われる。目的とするポリフェノール誘導体をHPLCやTLCにより定量することならびに菌体の増殖性を確認することにより、発酵の工程管理を実施することは産生量が調整されることから好ましい。
前記の発酵は清浄な培養用タンクで実施され、滅菌された水道水により前記の材料を混合することは好ましい。
この発酵の工程によって生成されるポリフェノール誘導体はその結合が不安定であり、分解されやすいことから次の紅麹本舗製のベニコウジ菌による発酵を行い、目的とするポリフェノール誘導体の結合を安定化させる。
用いる紅麹本舗製のベニコウジ菌は学名Monascus purpureusの糸状菌であり、古くから日本、中国や台湾において紅酒や豆腐ようなどの発酵食品に利用されている。また、沖縄や鹿児島などの日本産、中国や台湾の東南アジア原産の菌種が用いられる。紅麹本舗製のベニコウジ菌は発酵効率に優れており、また、安全性も高い。
前記の発酵に関するそれぞれの添加量は前記の発酵物1重量に対してベニコウジ菌は0.0001〜0.08重量が好ましい。紅麹本舗製のベニコウジ菌は発酵される前に、前培養することは、発酵の初発時間を短縮し、発酵時間が短縮されることから好ましい。
前記の発酵は清浄な培養用タンクで実施され、滅菌された水道水により前記の材料を混合することは好ましい。
また、この発酵は40〜45℃に加温され、発酵は1日間から23日間行われる。この発酵の工程によってベニコウジ菌の酸化及び還元作用によりこのポリフェノール誘導体の構造が安定化される。
前記の発酵物は含水エタノールで抽出されることは、生成物を効率良く回収し、菌を滅菌でき、次の工程が実施しやすいことから、好ましい。また、得られた発酵物を超音波処理することは、生成物が分離しやすいことから、好ましい。また、凍結乾燥などにより、濃縮することは、以下の工程が短時間に実施できることから好ましい。
さらに、上記の発酵液はプラズマ還元処理される。プラズマ還元処理とはブラズマという電子線を原料に処理することにより酸化が防止できるという処理であり、化学物質を利用しない還元処理である。
このプラズマ還元処理により目的とするポリフェノール誘導体の分解が防止され、使用可能な期間が2倍以上に長くなる。つまり、新規物質の利用において保存性が高くなることは優位である。
このプラズマを用いた還元処理はまず、発酵液を酸化チタンの金属プレートの上に塗布する。これを水素還元プラズマ処理する。つまり、株式会社ニッシン製 マイクロLabo−PSにより圧縮空気0.4〜0.7MPa1NL/分の条件下、4℃の低温下、3時間プラズマ処理する。
このようにプラズマを低温で処理することにより発酵液の還元状態を維持することができる。さらに、前記の還元反応物から、目的とするポリフェノール誘導体を分離し、精製することは純度の高い物質として摂取量を減少させることができる点から好ましい。この精製の方法としては、分離用の樹脂などの精製操作を利用することが好ましい。
例えば、分離用担体または樹脂により分離され、分取されることにより目的とするポリフェノール誘導体が得られる。分離用担体または樹脂としては、表面が後述のようにコーティングされた、多孔性の多糖類、酸化珪素化合物、ポリアクリルアミド、ポリスチレン、ポリプロピレン、スチレン−ビニルベンゼン共重合体等が用いられる。0.1〜300μmの粒度を有するものが好ましく、粒度が細かい程、精度の高い分離が行なわれるが、分離時間が長い欠点がある。
例えば、逆相担体または樹脂として表面が疎水性化合物でコーティングされたものは、疎水性の高い物質の分離に利用される。陽イオン物質でコーティングされたものは陰イオン性に荷電した物質の分離に適している。また、陰イオン物質でコーティングされたものは陽イオン性に荷電した物質の分離に適している。特異的な抗体をコーティングした場合には、特異的な物質のみを分離するアフィニティ担体または樹脂として利用される。
アフィニティ担体または樹脂は、抗原抗体反応を利用して抗原の特異的な調製に利用される。分配性担体または樹脂は、シリカゲル(メルク社製)等のように、物質と分離用溶媒の間の分配係数に差異がある場合、それらの物質の単離に利用される。
これらのうち、製造コストを低減することができる点から、吸着性担体または樹脂、分配性担体または樹脂、分子篩用担体または樹脂及びイオン交換担体または樹脂が好ましい。さらに、分離用溶媒に対して分配係数の差異が大きい点から、逆相担体または樹脂及び分配性担体または樹脂はより好ましい。
分離用溶媒として有機溶媒を用いる場合には、有機溶媒に耐性を有する担体または樹脂が用いられる。また、医薬品製造または食品製造に利用される担体または樹脂は好ましい。
これらの点から吸着性担体としてダイヤイオン(三菱化学(株)社製)及びXAD−2またはXAD−4(ロームアンドハース社製)、分子篩用担体としてセファデックスLH−20(アマシャムファルマシア社製)、分配用担体としてシリカゲル、イオン交換担体としてIRA−410(ロームアンドハース社製)、逆相担体としてDM1020T(富士シリシア社製)がより好ましい。
これらのうち、ダイヤイオン、セファデックスLH−20及びDM1020Tはさらに好ましい。
得られた抽出物は、分離前に分離用担体または樹脂を膨潤化させるための溶媒に溶解される。その量は、分離効率の点から抽出物の重量に対して2〜40倍量が好ましく、4〜20倍量がより好ましい。分離の温度としては物質の安定性の点から10〜30℃が好ましく、12〜25℃がより好ましい。
分離用溶媒には、水、または、水を含有する低級アルコール、親水性溶媒、親油性溶媒が用いられる。低級アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールが用いられるが、食用として利用されているエタノールが好ましい。
セファデックスLH−20を用いる場合、分離用溶媒には低級アルコールが好ましい。シリカゲルを用いる場合、分離用溶媒にはクロロホルム、メタノール、酢酸またはそれらの混合液が好ましい。
ダイヤイオン及びDM1020Tを用いる場合、分離用溶媒はメタノール、エタノール等の低級アルコールまたは低級アルコールと水の混合液が好ましい。
ポリフェノール誘導体を含む画分を採取して乾燥または真空乾燥により溶媒を除去し、目的とするポリフェノール誘導体を粉末または濃縮液として得ることは溶媒による影響を除外できることから好ましい。
また、最終的な抽出を食用油や化粧料に用いる油脂で実施することは、得られるポリフェノール誘導体が安定に維持されることから好ましい。例えば、大豆油、米ぬか油、グレープシード油、オリーブ油、ホホバ油で抽出することは好ましい。
また、このポリフェノール誘導体を粉末化することは防腐と保存期間を長くする目的から好ましい。
以下、前記実施形態を実施例及び試験例を用いて具体的に説明する。なお、これらは一例であり、素材、原料や検体の違いに応じて常識の範囲内で条件を変更させることが可能である。
静岡県で栽培されたユスラウメ(学名Prunus tomentosa)の果実をクラギ株式会社(三重県)から購入して用いた。この果実を水道水で水洗後、天日で乾燥させ、粉砕機(株式会社奈良機械製作所製のスーパー自由ミル)にて粉砕し、ユスラウメの果実の乾燥粉末粉砕物を1.0kg得た。なお、種皮及び種子も含有していた。
また、北海道産の大豆(学名Glycine max)をミキサー(クイジナート製)に供し、大豆の粉砕物1.0kgを得た。前記のユスラウメの果実と大豆の粉砕物をオートクレーブ(SDL−320、トミー製)に供し、121℃、20分間、滅菌した。
これらを清浄な発酵タンク(滅菌された発酵用丸形40リットルタンク、遠藤科学製)に入れ、滅菌された水道水5kgを添加し、攪拌した。
これとは別に、納豆本舗製の粉末納豆菌(学名Bacillus subtilis)の10gを上記の発酵タンクに供し、滅菌した大豆粉末と前培養させた発酵準備液を用意した。
前記の前培養した納豆菌の発酵準備液とユスラウメの果実の乾燥粉末と大豆とを入れた発酵タンクに添加し、攪拌後、42〜43℃の温度範囲で加温し、発酵させた。
発酵過程では通気によりバブリングと攪拌を行いつつ、発酵液のサンプリングを行い、10日間発酵させた。発酵終了後、発酵タンクより発酵物を取り出し、煮沸滅菌した。この発酵物を濾過布により濾過して、納豆菌による発酵液1.2kgを得た。この発酵液1kgに対して紅麹本舗製のベニコウジ菌(学名Monascus purpureus)の10gを添加して41〜42℃で6日間発酵させた。
この発酵物にエタノールを添加して発酵を停止した。これをプラズマ還元処理した。すなわち、前記の発酵液を酸化チタンの金属プレート(ニッシン製)の上に均一に塗布した。株式会社ニッシン製 マイクロLabo−PSにより圧縮空気0.4〜0.7MPa1NL/分の条件下、4℃の低温下で3時間プラズマ処理した。
この処理により目的とする誘導体が還元されて安定化した。これを目的とするポリフェノール誘導体とした。これを検体1とした。
さらに、構造解析及び実験の目的で精製物を得た。つまり、前述の検体1のポリフェノール誘導体の100gに10%エタノール含有精製水の2Lを添加し、ダイヤイオン(AMP03型、三菱化学製)500gを10%エタノール液に懸濁して充填したガラス製カラム(遠藤科学製)に供した。
これに10Lの10%エタノール液を添加して清浄し、さらに、30%エタノール液を1L添加して洗浄した。また、70%エタノール液を1L添加して目的とするポリフェノール誘導体を溶出させ、この溶出液を濃縮して精製した。精製されたポリフェノール誘導体を減圧蒸留により、エタノール部分を除去し、水溶液とした。これを真空乾燥させ、ポリフェノール誘導体の精製物66gを得てこれを検体2とした。収率は約6.6%であり、天然物から製造するには十分な収量であり、この製造方法が優れた製法であることが確認された。
以下に、ポリフェノール誘導体の構造解析に関する試験方法及び結果について説明する。
(試験例1)
上記のように得られた検体2をエタノールに溶解し、質量分析器付き高速液体クロマトグラフィ(HPLC、島津製作所)で分析した。
さらに、これを核磁気共鳴装置(90MHz、H−NMR、ブルカー製)で解析した結果、検体1と検体2からポリフェノールの1分子、フェルラ酸の1分子及びエタノールの1分子からなるポリフェノール誘導体が検出された。
すなわち、重水素化ジメチルスルホキシド中のH−NMR測定の結果、ピークの位置は3.255、3.420、4.286、4.521、4.587、4.622、6.096、7.431、7.612、7.752、7.844、7.884、8.234、8.405、8.417、8.860、9.873、10.891及び14.442ppmに認められた。
上記の解析結果から化学的に合成した標準品と同一構造を呈することが判明した。すなわち、検体2からポリフェノール1分子、フェルラ酸の1分子とエタノールの1分子がエーテル結合した目的とするポリフェノール誘導体であると確認できた。
以下にヒト皮膚表皮細胞を用いた皮膚作用試験について述べる。なお、この試験方法は生化学的に成分の効果を検証できる再現性のある常法である。
(試験例2)
クラボウより購入したヒト由来表皮細胞(表皮由来、エピーダーセル)を用いた。培養液として5%牛胎児血清含有MEM培地(Sigma製)を用いて培養した1000個の細胞を35mm培養シャーレ(FALCON製)に播種し、5%炭酸ガス下、37℃で培養した。ここに紫外線照射装置(クオークテクノロジー製)により280nmの紫外線を1時間照射した。ここに、前記の検体1、検体2及び陽性対照としてEGF(フナコシ製、表皮成長因子)およびリコンビナントSCFタンパク質(R&Dsystems社)をいずれも0.1mg/mlの最終濃度で添加した。同時に、EGF(フナコシ製、商品コードNO20)との併用による働きを調べた。これを48時間培養して試験した。
培養液を採取後、表皮細胞の生存率をトリパンブルー法により計数した。その後、表皮細胞の懸濁液を調製した。この細胞懸濁液を用いてステムセルファクター受容体の活性化状態を測定した。
ステムセルファクター受容体との結合親和性は上記のリコンビナントSCFタンパク質との結合性を測定することにより測定した。測定にはBIA(GE社製、T200型)を用いた。
BIAとはBiophysical Interaction Analysisのことである。つまり、生物物理学的相互作用解析法であり、生体内での分子間相互作用を測定する方法である。
さらに、細胞懸濁液からmRNAを核酸抽出キット(フナコシ製)により抽出した。常法に従い、タカラバイオ製のプライマーを使用しRT−PCR法(タカラバイオ株式会社、microRNA Ready−to−Use PCR Panel)によりステムセルファクター受容体のmRNA量を定量した。
R&Dsystems社から購入したヒト由来の組換え体リコンビナントSCFタンパク質(No.255−SC−050)をステムセルファクター受容体のリガンドとして用いた。
ステムセルファクター受容体との結合親和性は上記のリコンビナントSCFタンパク質との結合性を測定することにより測定した。測定には前記のBIAを用いた。
なお、シャーレは5枚を用いてその平均値を算出した。溶媒を添加した溶媒対照群と比較した。
その結果、検体1の0.1mg/mlの添加によりヒト由来表皮細胞数は溶媒対照群に比して平均値として210%に増加した。また、検体2では281%に増加した。一方、EGF添加では160%となり、SCF添加では205%となった。この結果、検体1及び検体2の方がEGF及びSCFよりも優れたヒト由来表皮細胞増殖作用を呈した。さらに、検体2とEGFとの併用により溶媒対照群に比して870%に増加し、EGFとの相乗的な効果が認められた。
BIAによるステムセルファクター受容体との結合親和性の測定の結果、溶媒対照群に比して検体1添加では平均値として220%に増加した。また、検体2では310%に増加した。一方、EGF添加では110%となり、SCF添加では122%となった。この結果、検体1及び検体2の方がEGF及びSCFよりも優れたステムセルファクター受容体との結合性を示した。これはステムセルファクター受容体との親和性を高めたということである。さらに、検体2とEGFとの併用により950%となり、EGFとの併用による相乗効果が認められた。
上記の細胞中のステムセルファクター受容体のmRNA発現量(コピー数)は溶媒対照群では18コピー、検体1処理群では209コピー、検体2処理群では523コピ−、EGF処理群では114コピー及びSCF処理群では133コピーであった。さらに、検体2とEGFとの併用により1422コピーとなった。これは検体2とEGFが相乗的に作用したことを示している。
ステムセルファクター受容体のmRNA発現量は検体1及び検体2で著しく、EGF及びSCFより優っていた。これは検体1及び検体2によるステムセルファクター受容体のmRNA誘導作用を示していた。また、EGFとの併用による相乗効果が認められた。
一方、安全性試験の一環として人工皮膚であるEpiSkin(SkinEthic社製)を用いた皮膚刺激性実験では、検体1及び検体2の添加により刺激性は認められず、安全性が確認された。なお、この人口皮膚を用いる安全性試験法は細胞を用いる皮膚刺激性試験評価法として動物を使用しない動物実験の代替法として確立されている。
以下にヒト神経細胞の障害モデルを用いた障害に対する試験について述べる。なお、この試験方法は生化学的に成分の働きを検証できる再現性のある常法である。
(試験例3)
コスモバイオから購入したヒト神経細胞(Human Neurons(HN))を用いた。培養液として専用の培養液(神経細胞増殖培地)を用いて培養した1000個の細胞を35mm培養シャーレに播種し、5%炭酸ガス下、37℃で培養した。これに1%の神経毒であるアクリルアミド水溶液を添加して神経細胞を刺激した。
ここに、前記の実施例1で得られた検体1及び検体2、陽性対照としてNGF(フナコシ(株)、ヒトタイプ)及びヒト由来SCFをいずれも0.1mg/mlの最終濃度で添加した。これを48時間培養した。さらに、NGF(フナコシ製、β型、商品コード450−01)と検体2を併用して実験した。
培養終了後、神経細胞数を顕微鏡的に計数した。さらに、上記と同様の方法により、ステムセルファクター受容体の働き(BA法)とmRNAの発現量をRT−PCR法(タカラバイオ株式会社、microRNA Ready−to−Use PCR Panel)により測定した。
その結果、検体1の0.1mg/mlの添加により神経細胞数は溶媒対照群に比して平均値として199%に増加した。また、検体2では252%に増加した。一方、NGFでは160%となった。SCFの添加では182%となった。この結果、検体1及び検体2の方がNGF及びSCFよりも優れた細胞活性化作用を呈した。また、NGFと検体2の併用により細胞数は788%となり、相乗的な増殖効果が認められた。
BIAによるステムセルファクター受容体との結合親和性の測定の結果、溶媒対照群に比して検体1添加では平均値として209%に増加した。また、検体2では288%に増加した。一方、NGF添加では118%となり、SCF添加では130%となった。この結果、検体1及び検体2の方がNGF及びSCFよりも優れたステムセルファクター受容体との結合性を示した。これはステムセルファクター受容体との親和性を高めたということである。さらに、検体2とNGFとの併用により811%となり、相乗的効果が認められた。
上記の細胞中のステムセルファクター受容体のmRNA発現量(コピー数)は溶媒対照群では10コピー、検体1処理群では123コピー、検体2処理群では290コピ−、NGF処理群では110コピー及びSCF処理群では122コピーであった。また、検体2とNGFとの併用により866コピーとなり、NGFとの相乗的な効果が認められた。
ステムセルファクター受容体のmRNA発現量は検体1及び検体2で著しく、NGF及びSCFより優っていた。これは検体1及び検体2によるステムセルファクター受容体のmRNA誘導作用を示していた。また、NGFとの併用による相乗的な効果が認められた。
本発明で得られるポリフェノール誘導体はステムセルファクター受容体を活性化させ、皮膚細胞や神経細胞などの細胞機能を増進させる。これにより国民のQOLを改善し、健康な労働人口を増加させ、かつ、医療費を削減できる。
本発明で得られるポリフェノール誘導体は皮膚の幹細胞を増加させ、化粧料としてシワやタルミなどの皮膚トラブルに悩む方の皮膚の改善に貢献し、化粧品業界の発展に寄与する。
本発明で得られるポリフェノール誘導体は神経細胞を増加させ、認知症やアルツハイマー症の治療のために利用でき、国民の健康維持に貢献する。

Claims (1)

  1. 下記の式(1)で示されるステムセルファクター受容体活性化作用を呈するポリフェノール誘導体。
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