JP6626869B2 - 善玉菌生産物質の製造方法及び食品 - Google Patents

善玉菌生産物質の製造方法及び食品 Download PDF

Info

Publication number
JP6626869B2
JP6626869B2 JP2017193799A JP2017193799A JP6626869B2 JP 6626869 B2 JP6626869 B2 JP 6626869B2 JP 2017193799 A JP2017193799 A JP 2017193799A JP 2017193799 A JP2017193799 A JP 2017193799A JP 6626869 B2 JP6626869 B2 JP 6626869B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
culture
species
group
bacteria
producing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017193799A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018057378A (ja
Inventor
英俊 本多
英俊 本多
菜季 松本
菜季 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
BIOGENOMICS CO.,LTD.
Original Assignee
BIOGENOMICS CO.,LTD.
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by BIOGENOMICS CO.,LTD. filed Critical BIOGENOMICS CO.,LTD.
Publication of JP2018057378A publication Critical patent/JP2018057378A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6626869B2 publication Critical patent/JP6626869B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Description

本発明は、善玉菌生産物質の製造方法及びそれによって得られる善玉菌生産物質を含有する食品に関する。
近年の食生活の多様化・大量消費化が進行するのに伴い、食生活・食習慣の改善が謳われている。特に、栄養過多や運動不足を原因とする生活習慣病やメタボリック症候群等に注目が集まっているが、これらに対する有効な予防法が確立されておらず、生活習慣の改善以外に有効な打開策が存在しない状況にある。
この状況において、摂取することで健康増進につながる健康食品に期待が高まっており、そのような健康食品として特に乳酸菌を含有するものが注目されている(特許文献1参照)。これは、外部から取り込んだ乳酸菌により腸内環境が整えられ、腸管免疫機能が向上することから得られる効果であると考えられている。
しかし、乳酸菌を摂取した場合には、その多くが胃酸や消化酵素の作用により死滅し、小腸まで届くものは僅かであると言われている。
そこで、生菌の代わりに菌を培養することによって得られる代謝物質(菌生産物質、例えば善玉菌生産物質、特に乳酸菌生産物質)に対する注目が高まっている。善玉菌生産物質は、免疫力の向上、成人病の予防等、健康維持にあたり様々な有益な効果を得られることが期待されている。
こうした善玉菌生産物質は、従来、バット等の容器内に充填された培地に種菌となる菌を植菌し所定の温度で所定の時間静置し培養した後加熱殺菌し、殺菌後の培養物を濾過し濾液を回収することで製造されている。
特開2004−018469号公報
ところで、上述した菌生産物質、例えば善玉菌生産物質、特に乳酸菌生産物質の製造方法は、菌体の培養を開始してから乳酸菌生産物質が回収されるまで3週間程度かかり、非常に長時間を必要とする。しかしながら、善玉菌生産物質に対するより多くの需要に応えるには、製造時間を短縮することが必要である。
以上のような従来技術を背景になされたのが本発明である。その目的は善玉菌生産物質の製造時間を短縮することにある。
上記目的を達成すべく本発明は以下のように構成される。
本発明は、培養槽内に大豆粉と水を含む培地原料を投入し加熱滅菌して培地を調製する培地調製工程と、培養槽内の培地に乳酸菌及び/又はビフィズス菌を添加した培養物を攪拌しつつ加温し乳酸菌及び/又はビフィズス菌を培養する培養工程とを行う善玉菌生産物質の製造方法であることを特徴とする。
培地に大豆粉を用いることで、大豆に豊富に含まれる各種の栄養素を乳酸菌及び/又はビフィズス菌に与えることができ、乳酸菌及び/又はビフィズス菌の生育、増殖速度を増すことができ、その代謝産物(善玉菌生産物質、乳酸菌生産物質)の産生を促進することができる。また、培養中に培養物を攪拌することで、乳酸菌及び/又はビフィズス菌に栄養素を満遍なく行き渡らせることができ、大量の培養物であっても迅速に培養することができる。
前記本発明の大豆粉は種皮を除去した乾燥大豆の粉体とすることができる。
大豆粉として種皮を除去した乾燥大豆を用いることで、種皮に付着した土壌細菌等の雑菌の混入を防止することができ、安全性の高い培地を得ることができる。
前記本発明の培地調製工程では110℃〜130℃の加熱滅菌を行うように構成できる。
110℃〜130℃で加熱滅菌を行うことで培地原料中の雑菌を死滅させることができる。110℃未満の温度では雑菌の死滅効果が十分ではないおそれがあり、130℃以上では培地原料が焦げたりして善玉菌生産物質の風味を損なうおそれがある。そのため110℃〜130℃で加熱滅菌を行うことで善玉菌生産物質の風味を損なうこと無く培地原料中の雑菌を死滅させることができる。
前記本発明の培地調製工程の加熱滅菌では培養槽内を蒸気で加熱するとともに培養槽を外部から加熱するように構成できる。
培地原料を内側からのみ加熱すると培養槽外部まで効率的に熱が伝わらないとともに培養槽外部において温度が低温となってしまうため迅速な加熱滅菌を行うことができず、十分に滅菌を行えない恐れもある。また、培地原料を外側からのみ加熱すると迅速に加熱滅菌を行うことができないばかりか加熱滅菌可能な温度まで昇温する際に培養槽内壁への培地原料の焦げつきを生じ善玉菌生産物質の風味を損なう恐れもある。そこで培地原料を内外から加熱することで培地原料をむら無く効果的に加熱することができ、善玉菌生産物質の風味を損なうこともなく、雑菌の混入も無い安全性の高い培地を短時間で得ることができる。
前記本発明の培養工程で用いる「善玉菌」や「有用菌」としての乳酸菌及び/又はビフィズス菌は、複数種の乳酸菌及び/又はビフィズス菌をそれぞれ単独で培養する1次培養と、1種以上の乳酸菌及び/又はビフィズス菌を含むグループを複数作り培養する2次培養と、前記グループを混合して前記乳酸菌及び/又はビフィズス菌を共棲培養する3次培養とからなる前培養を経たものとするように構成できる。
前培養として1次培養を行うことで保存中に不活化された乳酸菌及び/又はビフィズス菌を活性化することができ、2次培養を行うことで最終的な(例えば21種の)共棲培養に向けた混合培養を行うことができ、3次培養を行うことで更に乳酸菌及び/又はビフィズス菌を共棲環境下に慣れさせる。この前培養で得た乳酸菌及び/又はビフィズス菌の群を本培養で用いることで、本培養でより効率よく培養することができ、本培養に要する時間を短縮し善玉菌生産物質を迅速かつ、安定的に得ることができる。
前記本発明の培養工程は200kg〜400kgの容量を有する培養槽を用いて、250kg〜350kgの培養物を1分間に40回〜100回攪拌しつつ、20時間〜72時間、30℃〜40℃に加温して行うように構成できる。
200kg〜400kgの容量を有する大型の培養槽を用いて、250kg〜350kgの大量の培養物を培養する場合でも、1分間に40回〜100回攪拌しつつ、20時間〜72時間、30℃〜40℃に加温して行うことで、乳酸菌及び/又はビフィズス菌の生育、増殖速度を増すことができる。攪拌が1分間に40回を下回ると乳酸菌及び/又はビフィズス菌の生育、増殖速度を増す効果が不十分となるおそれがある。また1分間に100回を超える攪拌では培養物に濁りが生じ、産物である善玉菌生産物質の品質を損なうおそれがある。また加温の温度が30℃を下回っても40℃を上回っても乳酸菌及び/又はビフィズス菌は十分に生育、増殖し難い。従って大容量の培養物についても1分間に40回〜100回攪拌しつつ、20時間〜72時間、30℃〜40℃に加温して行うことで迅速に培養することができる。
前記本発明については、培養工程後の前記培養物を加熱殺菌する加熱殺菌工程を更に行い、加熱殺菌工程では30分〜1時間、65℃〜75℃の温度で加熱殺菌するように構成できる。
加熱殺菌工程は30分〜1時間、65℃〜75℃の温度に加熱することで、乳酸菌及び/又はビフィズス菌を殺菌し、発酵を停止することができる。加熱殺菌工程の時間を30分未満にしても十分に殺菌を行うことができないおそれがある。一方、1時間を超える殺菌時間としても殺菌効果が増すことがないだけでなく、焦げ臭さが生じてしまう等、善玉菌生産物質の風味を損なうおそれがある。また、加熱温度を65℃未満としても十分に殺菌を行うことができないおそれがある一方で、75℃を超えると焦げ臭さが生じてしまう等、善玉菌生産物質の風味を損なうおそれがある。そこで30分〜1時間、65℃〜75℃の温度に加熱することで、大容量の培養物であっても風味を損なうこと無く乳酸菌及び/又はビフィズス菌を殺菌し発酵を停止することができる。
前記本発明については、培養工程後の培養物を濾過する濾過工程を更に行い、濾過工程ではフィルタープレスで1次濾過した後、セラミック膜濾過装置で2次濾過するように構成できる。
1次濾過により大豆粉の顆粒成分を濾過するとともに、2次濾過で残存する菌体や微粒子成分、脂質等を濾過することができる。これにより滅菌を行うとともに、濁りがなく風味や口当たりに優れた善玉菌生産物質を得ることができる。
更に、本発明は、前記何れかの本発明による善玉菌生産物質の製造方法によって得られる善玉菌生産物質を含有する食品を提供する。
本発明によれば、善玉菌生産物質の製造方法によって得られる善玉菌生産物質を添加した食品を作ることができる。なお、ここでいう「食品」は、固形状、ジェル状、液状の食品のほか食品添加物を含み、さらには飲料をも含むものとする。
本発明によれば、大量の原料を用いて乳酸菌及び/又はビフィズス菌を培養する場合においても乳酸菌及び/又はビフィズス菌の生育、増殖速度を増すことができ、善玉菌生産物質を迅速かつ大量に得ることができる。そして菌生産物質の製造期間が短縮されることから製造期間中の雑菌の混入、繁殖の危険性を低下させることができ、善玉菌生産物質の品質と安全性を高めることができる。
本発明の一実施形態に係る善玉菌生産物質の製造方法に用いられる培養装置を示す模式図。 善玉菌生産物質の製造方法における前培養の各工程を示すフローチャート。 図2のフローチャートに続く善玉菌生産物質の製造方法の各工程を示すフローチャート。
以下、本発明の一実施形態に係る善玉菌生産物質の製造方法について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明における「善玉菌」や「有用菌」としての「乳酸菌等」との記載は、乳酸菌又はビフィズス菌の少なくとも何れかを含む用語として記載するものである。
製造装置[図1]
善玉菌生産物質の製造方法に用いられる製造装置1は、図1に示すように、培養槽2と、フィルタープレス3と、セラミック濾過装置4と、回収タンク5と、表示部7と、操作部8と、制御部6を備えて構成されている。
培養槽2は、培地の調製を行うとともに菌の培養を行う装置であり、培養槽本体21と、培養槽本体21の周囲を覆うジャケット部22と、ジャケット部22内の水Wの温度を調節する温調部23と、培養槽本体21内に蒸気を供給する蒸気供給部24と、培養槽本体21内に培地原料を供給する培地原料供給部25と、培養槽本体21内に菌を供給する菌供給部27と、培養槽本体21内に投入された内容物を攪拌する攪拌器28と、攪拌器28を回転する駆動部26と、pH計61と、温度計62と、溶存酸素(DO)計63を備えて構成されている。
培養槽本体21は、内部に例えばテフロン(登録商標)加工のような滑性を付与する表面処理が施されたステンレス製の培養槽であり、200〜400kg程度を収容可能な培養槽を利用することができるが、本実施形態においては300kgの培養物Cを収容可能な容量を有している。培養槽本体21の内部に前記表面加工が施されていることにより培養槽本体21の内部残存物の付着が防止されるとともに剥離も容易となるため、使用後の培養槽本体21の清掃作業をしやすくすることができる。
ジャケット部22は、培養槽本体21の周囲を覆って設けられたステンレス製の部材であり、培養槽本体21の外壁とジャケット部22との間に設けられた空隙に水Wが封入されている。
温調部23はジャケット部22内の水Wの温度を調節する機能を有する装置であり、配管231を介してジャケット部22に連結されている。温調部23はバス65を介して制御部6に接続されていて、制御部6により動作が制御される。ジャケット部22には別途、図示せぬ冷水装置が接続されていても良く、その場合には、温調部23は、水Wを加熱する機能を有するだけで事足りる。
蒸気供給部24は培養槽本体21内に蒸気を供給し培養槽本体21を加熱する装置であり、配管241を介して培養槽本体21に連結されている。蒸気供給部24から供給される蒸気の温度は100℃〜200℃とすることができる。蒸気の元になる水は図示しない配水管から蒸気供給部24へと供給され、蒸気供給部24内で加熱されることで蒸気に変換される。蒸気供給部24はバス65を介して制御部6に接続されていて、制御部6により動作が制御される。
培地原料供給部25は、内部に培地原料を収容する開閉可能なステンレス製の容器であるとともに、貯蔵した培地原料を培養槽本体21内に供給する供給装置である。培地原料供給部25は配管251を介して培養槽本体21に連結されている。培地原料供給部25はバス65を介して制御部6に接続されていて、制御部6により動作が制御される。培地原料供給部25の動作は手動であっても構わない。
菌供給部27は、内部に種菌としての乳酸菌等の前培養物を収容する開閉可能なポリカーボネート等の樹脂製の容器であるとともに、培養槽本体21内に供給する供給装置である。菌供給部27は配管271を介して培養槽本体21に連結されている。菌供給部27及び配管271は、HEPAフィルタ(High Efficiency Particulate Air Filter)を通った空気が送り込まれたクリーン度の高いクリーンルーム内に設置されると良い。そして、乳酸菌等の前培養物は、例えば窒素ガスによって培養槽本体21に圧送されると良い。菌供給部27はバス65を介して制御部6に接続されていて、制御部6により動作が制御される。菌供給部27の動作も培地原料供給部25と同様に手動であっても構わない。
攪拌器28は回転軸283の先端部分に複数の攪拌羽根281が設けられているとともに、攪拌羽根281の上方に泡切り羽根282が形成されているステンレス製の部材である。攪拌羽根281は培養槽本体21内に投入された培地原料や培養物Cを攪拌する羽根であり、泡切り羽根282は培養物Cが攪拌羽根281に攪拌される際に水面上に発生する泡と接触しこれを消失させる羽根である。
駆動部26は攪拌器28を回転駆動するモータであり、回転軸283の上端部に連結されている。駆動部26はバス65を介して制御部6に接続されていて、制御部6により動作が制御される。
pH計61は培養槽本体21内の培地や培養物CのpHを測定する。pH計61はバス65を介して制御部6に接続されていて、測定されたpHのデータは制御部6に送信される。
温度計62は培養槽本体21内の培地や培養物Cの温度を測定する。温度計62はバス65を介して制御部6に接続されていて、測定された温度のデータは制御部6に送信される。
DO計63は培養槽本体21内の培地や培養物C内に溶存する酸素濃度を測定する。DO計63はバス65を介して制御部6に接続されていて、測定された溶存酸素濃度は制御部6に送信される。
フィルタープレス3は、加圧した培養物Cを多孔質性の分離膜を通過させることで濾過を行う装置である。フィルタープレス3の分離膜としては、セルロース繊維、セルローストリアセテート繊維、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維及びポリエチレン繊維等の有機繊維を用いてなる織布や不織布を用いることができる。フィルタープレス3は配管31を介して培養槽本体21に接続されている。配管31にはバルブ32が設けられていて、培養槽本体21内からフィルタープレス3に培養物Cを送るとき等には当該バルブ32が開かれる。バルブ32の開閉は手動で行われる。
フィルタープレス3の分離膜の通気性は0.5cm/cm・sec以下であり、加えられる圧力は0.01〜2.0MPaで、2〜30時間かけて行われる。
セラミック濾過装置4は、多孔質性セラミック膜により濾過を行う濾過装置である。セラミック濾過装置4は配管41及び濾液を一時貯留する図示せぬタンクを介してフィルタープレス3に連結されていて、フィルタープレス3を通過した濾液がセラミック濾過装置4へと供給されるようになっている。セラミック濾過装置4は、細かい目によって固形分や油分の除去及び滅菌を大量に行うことができる。
セラミック濾過装置4の濾過に供するセラミック膜の孔径は0.1〜4.0μmで、加えられる圧力は0.1〜0.3MPaである。これにより濁りがなく風味や口当たりに優れた善玉菌生産物質を得ることができる。濁りがない善玉菌生産物質が得られることで、清涼飲料水の成分規格を満足することもできる。更にフィルタープレス3による濾過後の濾液中に含まれる油脂成分を取り除くこともできるとともに、残存する菌体がある場合にはこれを完全に除去、滅菌することができる。菌体の滅菌を加熱せずに行うことができるため、善玉菌生産物質の風味を損なうことがなく、善玉菌生産物質の品質と安全性を高めることができる。
セラミック濾過工程は、油分や固形分の除去、滅菌を同時に行う上記工程に代えて、上記孔径の中でも粗い孔径のセラミック膜を用いて固形分の除去を行い、細かい孔径のセラミック膜を用いて油分除去や滅菌を行うような2段階工程としても良い。こうした2段階工程とすることでセラミック濾過工程をより短時間で行うことができる。
回収タンク5はセラミック濾過装置4を通過した濾液を回収するためのセラミック製の開閉可能な容器であり、配管51を介してセラミック濾過装置4に連結されている。製造装置1の運転時には回収タンク5は配管51から流入するセラミック濾過装置4による濾液である善玉菌生産物質の回収を閉鎖系で行うことができる。
表示部7は温調部23、蒸気供給部24、培地原料供給部25、菌供給部27、駆動部26、pH計61、温度計62及び溶存酸素(DO)計63から制御部6に送信される各種データについて、制御部6の制御下で表示を行うディスプレイ等の表示装置である。表示部7はバス65を介して制御部6へと接続されている。
操作部8は温調部23、蒸気供給部24、培地原料供給部25、菌供給部27及び駆動部26の動作制御を行うために使用者による入力操作を受け付けるキーボードやマウス等の入力装置である。操作部8により入力された情報は制御部6へと送信され、制御部6により入力情報に基づいた各構成の動作制御が行われる。操作部8はバス65を介して制御部6へと接続されている。操作部8は、表示部7と一体のタッチパネルによって構成されていても良い。
制御部6は、温調部23、蒸気供給部24、培地原料供給部25、菌供給部27、駆動部26、pH計61、温度計62、DO計63、表示部7及び操作部8とバス65を介して接続されている。制御部6はpH計61、温度計62及びDO計63から送信される測定データを受信し、表示部7へと送信する。また制御部6は操作部8により送信される入力情報を受信し、温調部23、蒸気供給部24、培地原料供給部25、菌供給部27及び駆動部26の動作制御を行うとともに、これらの動作制御の状況を示すデータを受信し表示部7へと送信する。
培地原料
培地原料としては、水、大豆粉、グルコース、酵母エキス、及び脱脂粉乳を用いることができ、これらに加え必要によりその他の善玉菌生産物質製造の原材料として他の材料を用いることができる。ここで大豆粉には、大豆の種皮を除去し乾燥させたものを粉状にしたもの(粉体)が好ましい。
大豆粉を用いることにより、大豆に豊富に含まれる各種の栄養素を乳酸菌等に与えることができ、乳酸菌等の生育、増殖速度を増すことができる。また、大豆の種皮を除去した大豆粉を用いることにより、種皮に付着した土壌細菌等の雑菌の混入を防止することができる。
培地原料中の各構成要素の配合量(重量%)は、大豆粉が5〜30%、グルコースが0.05〜1%、酵母エキスが0.05〜1%、脱脂粉乳が2〜10%、その他材料があれば30%以下であり残部は水とすることができる。
これらの培地原料を混合し加熱滅菌することで培地が完成する。以下の説明においてこの培地を「大豆粉含有培地」と言う。
乳酸菌及びビフィズス菌
乳酸菌として、ラクトバシラス(Lactobacillus)属に属する乳酸菌と、ラクトコッカス(Lactococcus)属に属する乳酸菌と、エンテロコッカス(Enterococcus)属に属する乳酸菌から1以上の乳酸菌を選択して用いることが好ましい。また、同一種の乳酸菌で株が異なるものを含んでいても良い。
ラクトバシラス属に属する乳酸菌としては、例えばL.アシドフィラス(Lactobacillus acidophilus)、L.ブレビス(Lactobacillus brevis)、L.カゼイ(Lactobacillus casei)、L.デルブリッキィ(Lactobacillus delbrueckii)、L.デルブリッキィ亜種ブルガリクス(Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus)、L.ガセリ(Lactobacillus gasseri)、L.ヘルベティカス(Lactobacillus helveticus)、L.パラカゼイ亜種パラカゼイ(Lactobacillus paracasei subsp. paracasei)、L.プランタラム(Lactobacillus plantarum)、L.ラモナウサス(Lactobacillus rhamnosus)、L.サリバリウス(Lactobacillus salivarius)等を挙げることができる。
また、ラクトコッカス属に属する菌としては、例えばL.ガルビアエ(Lactococcus garvieae)、L.ラクティス亜種ラクティス(Lactococcus lactis subsp. lactis)等を挙げることができる。
更にエンテロコッカス属に属する菌としては、例えばE.デュランス(Enterococcus durans)、E.フェカリス(Enterococcus faecalis)、E.フェシウム(Enterococcus faecium)等を挙げることができる。
ビフィズス菌として、ビフィドバクテリウム ロンガム(Bifidobacterium longum)、ビフィドバクテリウム ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)、ビフィドバクテリウム ブレーベ(Bifidobacterium breve)、ビフィドバクテリウム アドレセンティス(Bifidobacterium adolescentis)、ビフィドバクテリウム ロンガム亜種 インファンティス(Bifidobacterium longum subsp. infantis)から1以上のビフィズス菌を選択して用いることが好ましい。
善玉菌生産物質の製造方法
善玉菌生産物質の製造は、前培養、培地の調製、本培養、加熱殺菌、1次濾過及び2次濾過の各工程を実行することで行うことができる。
前培養[図2]
前培養は、善玉菌生産物質を製造する所望の乳酸菌及び/又はビフィズス菌を、本培養工程で培養できるほどに培養するものである。一例としてラクトバシラス(Lactobacillus)属に属する乳酸菌と、ラクトコッカス(Lactococcus)属に属する乳酸菌と、エンテロコッカス(Enterococcus)属に属する乳酸菌と、ビフィズス菌とから選択された1種以上の菌について、まず前培養を行う。前培養では図2に示すように、1次培養(ステップS1)、2次培養(ステップS2)、3次培養(ステップS3)の3段階の培養工程が含まれる。この前培養は製造装置1とは別の培養設備を用いて行うことができる。
1次培養は、選択されたそれぞれの乳酸菌とビフィズス菌をそれぞれ単独で培養する単菌培養工程である。例えば乳酸菌とビフィズス菌を冷凍等により不活化させて保存している場合には、この1次培養によって活性化することができる。また、1次培養により2次培養で使用するために必要な菌数になるまで増殖することができる。
上記乳酸菌とビフィズス菌の1次培養はMRS培地等を用いて、30〜37℃で20〜48時間静置培養することで行なう。
2次培養は、1次培養が行われた乳酸菌とビフィズス菌から中でも相性の良いもの同士を複数種組み合わせたグループを複数作り、それぞれのグループで乳酸菌及び/又はビフィズス菌を混合培養させる工程である。これらの各グループに含まれる乳酸菌等の組み合わせは、各乳酸菌等を様々に組み合わせて混合培養を行い、各乳酸菌等の生存競争により何れかの種が淘汰されるという事態の生じないものの中から見いだすことができる。また、このグループを複数作る際には、同一種の乳酸菌及び/又はビフィズス菌が複数のグループに含まれていてもよい。
2次培養は、単独では増殖しにくく他の乳酸菌及び/又はビフィズス菌との混合で増殖しやすくなる乳酸菌及び/又はビフィズス菌の培養に好適である。また、グループ分けすれば、グループごとに適した原料培地、培地温度、培養時間、雰囲気条件等の培養環境下で培養することが可能となる。更に、後述する3次培養を行う前に各乳酸菌及び/又はビフィズス菌を他の乳酸菌及び/又はビフィズス菌とともに培養する条件に慣らし、3次培養への移行をスムーズに行うことができる。
2次培養は上述した大豆粉含有培地を用いて、30〜37℃で20〜48時間静置培養することで行うことができる。この2次培養の段階で全ての乳酸菌及び/又はビフィズス菌を前記大豆粉含有培地を用いて培養することにより、原料の統一を図り生産性を向上させることができるとともに、この大豆粉に由来する善玉菌生産物質以外の生成を少なくすることができる。
3次培養は、2次培養で分けたグループ毎に得られた培養物を混合し、全ての乳酸菌及び/又はビフィズス菌を同時に一つの培養器で培養する共棲培養工程である。この3次培養は、選択した全ての乳酸菌及び/又はビフィズス菌を共棲培養するものであって、各乳酸菌及び/又はビフィズス菌を共棲環境下に慣れさせ、本培養でより効率よく培養するための工程である。また、2次培養で得られた乳酸菌及び/又はビフィズス菌を直接本培養で用いる大量の培地に添加すると、乳酸菌及び/又はビフィズス菌が過剰に薄まってしまい、培養効率が悪くなることがある。そこで予備的培養として3次培養を行い、菌数を増やすことでスムーズに本培養に移行することができる。
3次培養は、大豆粉含有培地を用いて、30〜37℃で20〜48時間静置培養することで行なう。この3次培養でも大豆粉含有培地を用いることで、生産性を向上と、この大豆粉に由来する善玉菌生産物質の純度を高めることができる。
3次培養後の乳酸菌及び/又はビフィズス菌は、製造装置1の菌供給部27に投入し、以降の工程に移る。
培地の調製、本培養、加熱殺菌、1次濾過、2次濾過[図3]
本培養に用いられる培地の調製から2次濾過までは、製造装置1を用いて行なう。
まず、培地原料供給部25に培地原料を投入する(ステップS11)。
次に、培地原料を培地原料供給部25から培養槽本体21内に投入し、加熱滅菌とその後の冷却を行なう(ステップS12)。
加熱滅菌は110℃〜130℃の温度で10分〜30分培地原料を加熱することで行なう。110℃〜130℃で加熱滅菌を行うことで培地中の雑菌を死滅させることができる。110℃未満の温度では雑菌の死滅効果が十分ではなく、130℃以上では培地原料が焦げたりして善玉菌生産物質の風味を損なうおそれがある。
加熱滅菌は、培養槽本体21内に投入された培地原料について、攪拌器28で培地原料を攪拌しつつ、温調部23からジャケット部22内に熱水を導入するとともに、蒸気供給部24から培養槽2内に高温の蒸気を導入することで行なう。
このように培地原料を内部から蒸気で過熱するとともに、外部から熱水で加熱することで培地原料をむら無く効率的に加熱することができ、迅速に滅菌を行うことができる。
こうして培地原料の加熱滅菌を行い培地が完成する。そして加熱滅菌後、培地は30〜37℃まで冷却する。冷却は温調部23からジャケット部22内に冷水を導入することで行なう。
培養槽本体21内への乳酸菌及び/又はビフィズス菌の添加は、前培養物を菌供給部27へ添加することで行なう(ステップS13)。添加する前培養物の量は、培地300kgに対して10〜20kgである。以後、最終産物である善玉菌生産物質が回収タンク5に回収されるまでの間、全ての製造工程が閉鎖系で行われる。そのため装置外部からの雑菌の混入を防止することができる。
次に、本培養を行なう(ステップS14)。本培養は培養物Cを1分間に40回〜100回攪拌しつつ、20時間〜72時間、30℃〜40℃に加温して行なう。
より具体的には、温調部23によりジャケット部22内の水Wを加温することで、培養槽本体21の外部から培養物Cを所定の温度に加温し、攪拌器28により培養物Cを攪拌して本培養を行う。本培養中はpH計61、温度計62及びDO計63により常に乳酸菌及び/又はビフィズス菌の生育状況や生育環境の監視が行なわれ、pH、温度、溶存酸素量が表示部7に表示される。また、必要に応じて操作者が操作部8を介して制御部6に製造装置1の運転状態、すなわち温調部23、培地原料供給部25、菌供給部27及び駆動部26の動作の状態を調節する情報を送信し、制御部6がこれらの動作制御を行う。
そして、本培養後の培養物Cについて、乳酸菌及び/又はビフィズス菌の加熱殺菌を行なう(ステップS15)。加熱殺菌を行なうことで乳酸発酵の進行を停止することができる。この加熱殺菌は30分〜1時間、65℃〜75℃の温度に加熱することで行なうことができる。加熱殺菌時の加熱は、温調部23からジャケット部22内に熱水を導入することで行なう。
次の濾過工程は、加熱殺菌が行われた培養物Cについて、まずフィルタープレス3を用いた1次濾過を行う(ステップS16)。1次濾過の際には、加熱殺菌が行われた培養物C全量の5〜20%に相当する滅菌水を添加することが好ましい。この滅菌水は、別途培地原料供給部25から培養物Cに添加する。そして1次濾過後の濾液はセラミック濾過装置4に送られるとともに、残渣は濾布から回収され、他の健康食品の原材料等に有効利用することができる。
フィルタープレス3による1次濾過に引き続き、その濾液についてセラミック濾過装置4による2次濾過を行なう(ステップS17)。この2次濾過では雑菌が残存した場合でも完全に滅菌することができる。
2次濾過後の濾液は、回収タンク5に送られ、残渣はセラミック膜から回収される。こうして、善玉菌生産物質の製造方法の一連の工程が終了する。
以下に実施例を挙げて本発明について更に具体的に説明する。なお、この実施例は例示的に示されるもので限定的に解釈されるべきものではない。
[実施例1]
培地の調製
培養槽2の培地原料供給部25を開放し、この中に種皮を除去した乾燥大豆からなる大豆粉を46kg、グルコースを1.25kg、酵母エキスを1.25kg、及び脱脂粉乳を11.5kg、そして水を170kg投入した。これらの培地原料の投入後、最終的に「善玉菌生産物質」としての乳酸菌生産物質が回収タンク5内に回収されるまでの工程は全て閉鎖系で行なった。
培地原料供給部25から培養槽本体21内に投入された培地原料は、121℃で15分加熱することで加熱滅菌を行った。こうして大豆粉含有培地が完成した。
完成した大豆粉含有培地は培養槽本体21内で32℃まで冷却した。
前培養
L.アシドフィラス、L.ブレビス、L.カゼイ、L.デルブリッキィ、L.デルブリッキィ亜種ブルガリクス、L.ガセリ、L.ヘルベティカス、L.パラカゼイ亜種パラカゼイ、L.プランタラム、L.ラモナウサス、L.サリバリウス、L.ガルビアエ、L.ラクティス亜種ラクティス、E.デュランス、E.フェカリス、E.フェシウムの16種の各乳酸菌について1次培養を行った。
これらの各乳酸菌は、冷凍保存された常法により得た乳酸菌であり、MRS培地に個別に植菌し、好気環境下において34℃で、24時間、単独培養した。
次に、以下のAグループ〜Iグループの組み合わせについて2次培養を行なった。このグループは、腸内環境において複数種の乳酸菌が各細菌叢を形成し、共棲した状態にあることを再現できるように発明者らが組み合わせたものである。
この乳酸菌の組み合わせは、各乳酸菌を効率的に培養し、乳酸菌生産物質を得ることができるものである。しかし、継代培養しても各乳酸菌の割合が一定に保たれる組み合わせであれば、これらの組み合わせに限定されるものではない。
まず、L.アシドフィラスを単独でAグループとした。
またL.カゼイと、L.ラクティス亜種ラクティスの2種をBグループとし、L.デルブリッキィ亜種ブルガリクスと、L.パラカゼイ亜種パラカゼイの2種をCグループとし、E.デュランスと、E.フェシウムの2種をDグループとした。
更に、L.ブレビスと、L.プランタラムと、E.フェシウムの3種をEグループとし、L.デルブリッキィと、L.ヘルベティカスと、E.フェカリスの3種をFグループとし、L.ガセリと、L.ラモナウサスと、E.フェシウムの3種をGグループとし、L.ガセリと、L.サリバリウスと、E.デュランスの3種をHグループとし、L.ガルビアエと、E.デュランスと、E.フェシウムの3種をIグループとした。
これらの各組合せは以下の〔表1〕にまとめた。なお、表中のAはAグループを示し、B〜Iについても同様にBグループ〜Iグループを示すものとする。
なお、Aグループは、L.アシドフィラスを単独で培養するものであり共棲培養ではないが、後述する3次培養以降でL.アシドフィラスの混合を忘れないために、一つのグループとした。
Figure 0006626869
上記のIグループは、DグループにL.ガルビアエを加えた組み合わせである。このL.ガルビアエは大豆粉含有培地の含有成分である大豆イソフラボンを分解し、高い健康増進効果を有するエクオールを産生することが知られている。そこで特にL.ガルビアエと共棲培養しやすいE.デュランス、E.フェシウム(Dグループの組み合わせ)にL.ガルビアエを追加することで、前記のエクオール含有量の多い乳酸菌生産物質を得やすいIグループを設けた。
そして上記グループの何れについても同一の大豆粉含有培地を用い、全グループを34℃で24時間培養し、2次培養を行った。
次に、各グループの2次培養物を等量ずつ混入し、34℃で24時間静置培養することで3次培養を行った。
本培養
3次培養で得られた培養物C(乳酸菌を含む)の12kgを製造装置1の菌供給部27に投入し、培地原料供給部25から投入された大豆粉含有培地230kgとともに培養槽本体21内で本培養を行った。具体的な条件は、攪拌羽根281を60回/分の速度で攪拌しつつ、32℃での24時間培養とした。
加熱殺菌
本培養後の培養物Cについて、65℃で30分間の加熱処理を行ない発酵を停止した。こうして242kgの培養物Cを得た。加熱滅菌後は、培養物Cを10℃まで冷却し、攪拌を停止した状態で一日静置した。
1次濾過
次に、フィルタープレス3を用いて1次濾過を行った。フィルタープレス3は通気性が0.5cm/cm・secのろ布を用いて行った。1次濾過の際には加熱殺菌後の培養物Cの10%に相当する24.2kgの滅菌水を添加した。
2次濾過
次にセラミック濾過装置4による2次濾過を行った。セラミック濾過装置4には孔径が0.2μmのセラミック膜を用い、0.2MPaの圧力を加えて行った。
回収
2次濾過後、濾液である乳酸菌生産物質を約180〜230kg回収した。得られた乳酸菌生産物質は回収タンク5内に蓄えた。このとき得られた乳酸菌生産物質は、加熱処理及び2次濾過により滅菌された状態であり、そのまま経口摂取することが可能なものであるが、更に摂取しやすくするために甘味料等を添加し味付けを行った。そしてこれを添加した食品や飲料を作ることができた。
乳酸菌の1次培養の開始から所定の有機酸量とアミノ酸量を含む乳酸菌生産物質を得るまでに要した時間は11日間であり、その製造時間は、従来の製造時間に要する3週間から大幅に短縮することができた。
[実施例2]
培地の調製
培地の調製は、上述された実施例1と同様の方法で行なった。
前培養
上述された実施例1の16種の各乳酸菌に加え、ビフィドバクテリウム ロンガム、ビフィドバクテリウム ビフィダム、ビフィドバクテリウム ブレーベ、ビフィドバクテリウム アドレセンティス、ビフィドバクテリウム ロンガム亜種 インファンティスの5種の各ビフィズス菌について1次培養を行った。
これらの各乳酸菌及び各ビフィズス菌は、冷凍保存された常法により得た乳酸菌及びビフィズス菌であり、MRS培地に個別に植菌し、好気環境下において34℃で、24時間、単独培養した。
次に、以下のaグループ〜jグループの組み合わせについて2次培養を行なった。このグループは、腸内環境において複数種の乳酸菌及び/又はビフィズス菌が各細菌叢を形成し、共棲した状態にあることを再現できるように発明者らが組み合わせたものである。
この乳酸菌及び/又はビフィズス菌の組み合わせは、各乳酸菌及び/又はビフィズス菌を効率的に培養し、善玉菌生産物質を得ることができるものである。しかし、継代培養しても各乳酸菌及び/又はビフィズス菌の割合が一定に保たれる組み合わせであれば、これらの組み合わせに限定されるものではない。
まず、ビフィドバクテリウム ロンガムと、エンテロコッカス フェシウムと、エンテロコッカス デュランスとの3種をaグループとした。
またラクトバチラス パラカゼイ種パラカゼイと、ラクトバチラス デルブリッキ亜種ブルガリクスとの2種をbグループとし、エンテロコッカス フェシウムと、ラクトバチラス ブレビスと、ラクトバチラス プランタラムとの3種をcグループとし、エンテロコッカス フェシウムと、ビフィドバクテリウム ビフィダムと、ビフィドバクテリウム ブレーベとの3種をdグループとした。
更に、ビフィドバクテリウムアドレセンティスと、ラクトバチラス アシドフィルスと、ビフィドバクテリウム ロンガム 亜種 インファンティスとの3種をeグループとし、エンテロコッカス デュランスと、ラクトバチラス ガセリと、ラクトバチラス サリバリウスとの3種をfグループとし、ラクトバチラス ガセリと、エンテロコッカス フェシウムと、ラクトバチラス ラムノーサスとの3種をgグループとし、エンテロコッカス フェカリスと、ラクトバチラス デルブリッキと、ラクトバチラス ヘルベティカスとの3種をhグループとし、ラクトバチラス カゼイと、ビフィドバクテリウムアドレセンティスと、ラクトコッカス ラクティス亜種 ラクティスとの3種をiグループとし、エンテロコッカス フェシウムと、エンテロコッカス デュランスと、ラクトコッカス ガルビエとの3種をjグループとした。
これらの各組合せは以下の〔表2〕にまとめた。なお、表中のaはaグループを示し、b〜jについても同様にbグループ〜jグループを示すものとする。
Figure 0006626869
上記グループの何れについても同一の大豆粉含有培地を用い、全グループを34℃で24時間培養し、2次培養を行った。
次に、各グループの2次培養物を等量ずつ混入し、34℃で24時間静置培養することで3次培養を行った。
なお、以後の本培養、加熱殺菌、1次濾過、2次濾過、回収の工程については、上述された実施例1と同様に行った。そして、実施例1と同様に、この製造方法によって得られた善玉菌生産物質を添加した食品や飲料を作ることができた。
乳酸菌及びビフィズス菌の1次培養の開始から所定の有機酸量とアミノ酸量を含む善玉菌生産物質を得るまでに要した時間は11日間であり、その製造時間は、従来の製造時間に要する3週間から大幅に短縮することができた。
変形例
上述した実施形態においては培養槽本体21の外部からの加熱はジャケット部22内の水Wを加熱することで行っていたが、本発明においてはこれに限らず、ジャケット部22内に電熱線を設けてこの電熱線によりジャケット部22の内部を加熱する態様としてもよい。この場合ジャケット部22は安全性の面から断熱性を備え、熱が培養槽本体21にのみ伝わるようにすることが好ましい。
1 製造装置
2 培養槽
3 フィルタープレス
4 セラミック濾過装置(セラミック膜濾過装置)
5 回収タンク
6 制御部
7 表示部
8 操作部
21 培養槽本体
22 ジャケット部
23 温調部
24 蒸気供給部
25 培地原料供給部
26 駆動部
27 菌供給部
28 攪拌器
61 pH計
62 温度計
63 溶存酸素(DO)計
65 バス
31、41、51、231、241、251、271 配管
281 攪拌羽根
282 泡切り羽根
283 回転軸
W 水
C 培養物

Claims (7)

  1. 培養槽内に大豆粉と水を含む培地原料を投入し加熱滅菌して培地を調製する培地調製工程と、前記培養槽内の前記培地に乳酸菌及び/又はビフィズス菌を添加した培養物を攪拌しつつ加温し前記乳酸菌及び/又はビフィズス菌を培養する培養工程とを行い、
    前記培養工程で用いる前記乳酸菌及び/又はビフィズス菌は、複数種の乳酸菌及び/又はビフィズス菌をそれぞれ単独で培養する1次培養と、1種以上の乳酸菌及び/又はビフィズス菌を含むグループを複数作り培養する2次培養と、前記グループを混合して前記乳酸菌及び/又はビフィズス菌を共棲培養する3次培養とからなる前培養を経たものであり、
    前記2次培養は、L.アシドフィラスを単独でAグループ、L.カゼイとL.ラクティス亜種ラクティスの2種をBグループ、L.デルブリッキィ亜種ブルガリクスとL.パラカゼイ亜種パラカゼイの2種をCグループ、E.デュランスとE.フェシウムの2種をDグループ、L.ブレビスとL.プランタラムとE.フェシウムの3種をEグループ、L.デルブリッキィとL.ヘルベティカスとE.フェカリスの3種をFグループ、L.ガセリとL.ラモナウサスとE.フェシウムの3種をGグループ、L.ガセリとL.サリバリウスとE.デュランスの3種をHグループ、L.ガルビアエとE.デュランスとE.フェシウムの3種をIグループとしてなるA〜Iグループを用いる、または、
    前記2次培養は、ビフィドバクテリウム ロンガムとエンテロコッカス フェシウムとエンテロコッカス デュランスとの3種をaグループ、ラクトバチラス パラカゼイ種パラカゼイとラクトバチラス デルブリッキ亜種ブルガリクスとの2種をbグループ、エンテロコッカス フェシウムとラクトバチラス ブレビスとラクトバチラス プランタラムとの3種をcグループ、エンテロコッカス フェシウムとビフィドバクテリウム ビフィダムとビフィドバクテリウム ブレーベとの3種をdグループ、ビフィドバクテリウムアドレセンティスと、ラクトバチラス アシドフィルスとビフィドバクテリウム ロンガム 亜種 インファンティスとの3種をeグループ、エンテロコッカス デュランスとラクトバチラス ガセリとラクトバチラス サリバリウスとの3種をfグループ、ラクトバチラス ガセリとエンテロコッカス フェシウムとラクトバチラス ラムノーサスとの3種をgグループ、エンテロコッカス フェカリスとラクトバチラス デルブリッキとラクトバチラス ヘルベティカスとの3種をhグループ、ラクトバチラス カゼイとビフィドバクテリウムアドレセンティスとラクトコッカス ラクティス亜種 ラクティスとの3種をiグループ、エンテロコッカス フェシウムとエンテロコッカス デュランスとラクトコッカス ガルビエとの3種をjグループとしてなるa〜jグループを用いる善玉菌生産物質の製造方法。
  2. 前記大豆粉は種皮を除去した乾燥大豆の粉体である
    請求項記載の善玉菌生産物質の製造方法。
  3. 前記培地調製工程では110℃〜130℃の加熱滅菌を行う
    請求項又は記載の善玉菌生産物質の製造方法。
  4. 前記培地調製工程の前記加熱滅菌では前記培養槽内を蒸気で加熱するとともに前記培養槽を外部から加熱する
    請求項の何れか1項記載の善玉菌生産物質の製造方法。
  5. 前記培養工程後の前記培養物を加熱殺菌する加熱殺菌工程を更に行い、前記加熱殺菌工程では、30分〜1時間、65℃〜75℃の温度で加熱殺菌する
    請求項の何れか1項記載の善玉菌生産物質の製造方法。
  6. 前記培養工程後の前記培養物を濾過する濾過工程を更に行い、前記濾過工程ではフィルタープレスで1次濾過した後、セラミック膜濾過装置で2次濾過する
    請求項の何れか1項記載の善玉菌生産物質の製造方法。
  7. 請求項の何れか1項記載の善玉菌生産物質の製造方法によって得られる善玉菌生産物質を含有する食品。
JP2017193799A 2016-10-03 2017-10-03 善玉菌生産物質の製造方法及び食品 Active JP6626869B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016195556 2016-10-03
JP2016195556 2016-10-03

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018057378A JP2018057378A (ja) 2018-04-12
JP6626869B2 true JP6626869B2 (ja) 2019-12-25

Family

ID=61907593

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017193799A Active JP6626869B2 (ja) 2016-10-03 2017-10-03 善玉菌生産物質の製造方法及び食品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6626869B2 (ja)

Family Cites Families (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63169984A (ja) * 1987-01-07 1988-07-13 Hitachi Ltd 培養装置
JP2624714B2 (ja) * 1987-10-21 1997-06-25 株式会社日立製作所 培養装置の制御方法
JPH05103663A (ja) * 1991-10-15 1993-04-27 Toyobo Co Ltd 動物細胞の培養制御方法
JPH0654679A (ja) * 1992-06-12 1994-03-01 Sankyo Co Ltd 微生物菌体の培養生産方法
JP4163276B2 (ja) * 1998-02-05 2008-10-08 独立行政法人理化学研究所 機能性組成物
JP2001347249A (ja) * 2000-06-08 2001-12-18 Kiyomoto Bio Co Ltd 有機廃棄物高速処理方法
FR2816321B1 (fr) * 2000-11-09 2003-01-24 Roquette Freres Procede de preparation d'un milieu de fermentation a partir d'une matiere premiere renouvelable
JP2003310245A (ja) * 2002-04-24 2003-11-05 Asake Seiko Kk 有用微生物群の増殖方法およびその増殖装置
JP2005218390A (ja) * 2004-02-06 2005-08-18 Enen Yo 乳酸菌スターター、並びに豆乳発酵食品の製造方法及び豆乳発酵食品
JP4540376B2 (ja) * 2004-03-24 2010-09-08 有限会社アーク技研 乳酸菌生産物質
JP2006129765A (ja) * 2004-11-05 2006-05-25 Tokyo Rika Kikai Kk 培養装置及びその滅菌方法
JP4761213B2 (ja) * 2006-12-28 2011-08-31 株式会社アズビオ 微生物培養装置
JP5777287B2 (ja) * 2009-09-18 2015-09-09 大塚製薬株式会社 エクオール産生能が維持されたエクオール産生微生物を含む発酵製品、及びその製造方法
JP5760330B2 (ja) * 2010-05-24 2015-08-05 三菱化学フーズ株式会社 多糖類の製造方法
IT1405780B1 (it) * 2010-07-12 2014-01-24 Giuliani Spa Miscela arricchita di isoflavoni-agliconi, equolo e lunasina a base di soia fermentata, procedimento per la sua preparazione e relativi usi in campo alimentare, medico e cosmetico.
KR101322227B1 (ko) * 2011-09-30 2013-10-28 일동제약주식회사 스트렙토코커스 디스갈락티애 id9103 균주 및 이를 이용한 히알루론산 생산 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018057378A (ja) 2018-04-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4683881B2 (ja) 抗腫瘍活性剤
JP4524801B2 (ja) 玄米発酵物の製造方法及び発酵発芽玄米の製造方法
CN105567669B (zh) 益生菌微胶囊制剂及其制备方法
CN103179863A (zh) 高产维生素k2的乳酸乳球菌菌株
CN106578064A (zh) 一种阿胶乳酸菌饮品及其制备方法
CN109294940A (zh) 玉米乳杆菌诱变菌及高产乳酸的用途
CN101869139A (zh) 一种乳酸菌细胞高通透性微胶囊的制备方法及应用
CN101637290A (zh) 一种葡萄益生菌发酵饮料及制作方法
Alfano et al. Lactobacillus plantarum: microfiltration experiments for the production of probiotic biomass to be used in food and nutraceutical preparations
RU2009127386A (ru) Ферментированные продукты на основе пищевых волокон и способы их получения
JP2007082403A (ja) ユッカ抽出物、キラヤ抽出物及び乳酸菌の複合組成物を含有する飲食品及びその製造法
KR20120127634A (ko) 비피더스균 함유 발효 식품의 제조 방법
JP6626869B2 (ja) 善玉菌生産物質の製造方法及び食品
CN106617095B (zh) 一种阿胶益生菌口服液及其制备方法
JP5561642B2 (ja) ヨーグルト
JP2008295348A (ja) 大豆発酵食品
ES2626385T3 (es) Proceso de fabricación de un producto lácteo fermentado
CN106900944B (zh) 一种益生菌发酵的即冲枇杷叶袋泡茶的制备方法
CN112662586B (zh) 一种益生菌培养基及益生菌制剂
JP6330237B2 (ja) ラクトバチルス属乳酸菌培養用食品グレード培地、ラクトバチルス属乳酸菌の培養方法及びラクトバチルス属乳酸菌培養物の製造方法
TWM620061U (zh) 乳酸菌快速增殖的潔淨裝置
JP5329924B2 (ja) 乳酸菌含有発酵食品およびその製造方法
CN111903885A (zh) 一种具有润肠通便功能的枸杞酵素饮料及其制备方法
JP2015167500A (ja) 発酵した西瓜種子を含有した健康食品
TW201825005A (zh) 微生物的加熱處理方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180806

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20180806

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20181107

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181108

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181204

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190122

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190326

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190508

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190709

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191105

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191202

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6626869

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250