JP6625846B2 - 野菜及び/又は果物の加工食品の製造方法 - Google Patents

野菜及び/又は果物の加工食品の製造方法 Download PDF

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本発明は、野菜及び/又は果物の加工食品の製造方法、並びに野菜及び/又は果物の加工食品に関する。
野菜や果物には、ビタミンやミネラル、食物繊維等の機能性成分が豊富に含まれ、近年、健康意識の高まりから、これらを効率的に摂取する要望が高くなっている。
野菜及び/又は果物の飲料、ペースト等の加工品は、野菜や果物を簡便且つ効率良く摂取する上で有利な形態であり、これまでに、例えば、高圧ホモジナイザー処理を受けた野菜汁及び/又は果汁に対して植物組織崩壊酵素による酵素処理を一定時間以上施す低粘度野菜汁及び/又は果汁の製造方法(特許文献1)、植物性農水産物に、水および植物組織分解酵素を添加して、溶液中で磨砕および酵素分解処理をする植物性農水産物の微細化処理方法(特許文献2)等が報告されている。
これらの技術では、摂取性等を考慮して、野菜や果物の組織を破壊することにより、植物組織に対して植物組織崩壊酵素が作用しやすい状態にしている。
特開2008−301811号公報 特開2001−61434号公報
しかしながら、野菜や果物の破壊した組織に植物組織崩壊酵素を広く作用させると、野菜や果物に含まれる食物繊維、とりわけ多く含まれる水に不溶な食物繊維は糖化されて、減少してしまう。一方で、水不溶性食物繊維を残そうとすると、野菜及び/又は果物を微細化することは難しいという問題があった。
また、前記特許文献1では、加圧下での剪断力を利用した高圧ホモジナイザーを用いることで、野菜及び/又は果物を有利に微細化しているが、超高圧での処理は設備負荷が大きく、工業生産性も低下し易いことから、汎用的な設備の利用が望まれる。
したがって、本発明は、粒径が小さく、且つ水不溶性食物繊維をより多く含有する野菜及び/又は果物の加工食品を製造する新たな方法を提供することに関する。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討したところ、野菜及び/又は果物に対して、先ず短時間の酵素処理を行い、次いで高圧ホモジナイザーによる処理又は2枚以上の刃もしくは多層櫛歯を備えた回転カッター式装置を用いた剪断処理(以下、剪断処理ともいう)を行えば、水不溶性食物繊維の糖化を抑えつつ、低い圧力でのホモジナイザー処理や剪断処理で野菜及び/又は果物を微細化することができ、粒径が小さく且つ水不溶性食物繊維をより多く含有する野菜及び/又は果物の加工食品を得られることを見出した。
食物繊維は、小腸で消化吸収されず大腸に到達すると、大腸管腔内で様々な作用を誘発し、また、大腸の腸内細菌叢により部分的或いは完全に発酵分解されて短鎖脂肪酸等の発酵産物を生成することが知られている。一般的に水不溶性食物繊維は、水溶性食物繊維と比べて腸内細菌の発酵分解を受け難いとされている。
ところが、本発明者が上記所定の処理を経た野菜及び/又は果物の加工食品について生理的特性に関する検討を進めたところ、摂取後の腸内細菌による資化性が高く、盲腸内で多くの短鎖脂肪酸が生成されて、盲腸内容物のpHの低下が認められることを見出した。また、得られた野菜及び/又は果物の加工食品の摂取により、ラット内臓脂肪重量が有意に低下することを見出した。
これらのことから、本発明者は、野菜及び/又は果物の加工食品に含まれる食物繊維、とりわけ多く含まれる水不溶性食物繊維が腸内細菌に資化され易い形態に変化しているものと考えた。
そこで本発明者は、斯かる水不溶性食物繊維へのセルラーゼの吸着特性を調べたところ、セルラーゼ吸着量は上記所定の処理を経る前の食物繊維への吸着量と比べて極めて高く、そのために腸内細菌による資化性が高まるものと考えるに至った。このセルラーゼ吸着量と、野菜及び/又は果物の加工食品摂取による盲腸内容物のpHとの関係を調べると高い相関が見られたため、セルラーゼ吸着量は腸内細菌資化性を反映する指標となり得ると考えられ、本発明では、野菜及び/又は果物の加工食品100gに対するセルラーゼ吸着量(以下、総セルラーゼ吸着量ともいう)を用いて、野菜及び/又は果物の加工食品に対する腸内細菌資化性を評価した。これまでに、粒径が小さく、水不溶性食物繊維を多く含み、そしてセルラーゼ吸着量が高い野菜及び/又は果物の加工食品は知られていない。
すなわち、本発明は、次の工程(A)及び(B):
(A)野菜及び/又は果物に対して、それらに含有される水不溶性食物繊維質量の1〜100質量%の植物組織崩壊酵素を添加し、1〜45分間の酵素処理を行う工程、
(B)前記酵素処理後の野菜及び/又は果物に、5〜120MPaの圧力で高圧ホモジナイザー処理又は2枚以上の刃もしくは多層櫛歯を備えた回転カッター式装置を用いた剪断処理を行う工程
を含む、野菜及び/又は果物の加工食品の製造方法を提供するものである。
また、本発明は、上記製造方法により得られる野菜及び/又は果物の加工食品を提供するものである。
また、本発明は、次の(i)〜(iii):
(i)平均粒径が150μm以下、
(ii)水不溶性食物繊維量が0.5g/100g−野菜及び/又は果物の加工食品以上、
(iii)以下の方法で測定される総セルラーゼ吸着量が200mg/100g−野菜及び/又は果物の加工食品以上、
を満たす野菜及び/又は果物の加工食品を提供するものである。
[総セルラーゼ吸着量の測定方法]
1.野菜及び/又は果物の加工食品(以下、試料ともいう)を超純水にて希釈し、吸引ろ過(ろ紙:H020A090C ADVANTEC製)にて固形分を得る。この固形分を乾熱器を用いて105℃において12時間以上乾燥させて水不溶性固形分とする。また、乾燥後の水不溶性固形分の重量を測定し、以下の式(1)より試料100g当たりの水不溶性固形分量を算出する。
水不溶性固形分量(g/100g−試料)=乾燥後の水不溶性固形分重量(g)/希釈前の試料重量(g)×100(%)×100(g)・・・・・・(1)
2.試料に次に示す人工胃液を添加し、37℃において1時間振とうを行う。その後水酸化ナトリウム水溶液にてpH6.5に調整した後、人工腸液を添加しさらに37℃にて4時間振とうを行う。振とう後、人工消化液に含まれる酵素を失活するために、95℃以上で5分間加熱を行い、処理液を得る。
<人工消化液>
・人工胃液(第十四版改正日本薬局方に準拠した崩壊試験第1液(pH1.2)及びペプシン)
・人工腸液(空腹時人工腸液*1(FaSSIF、pH6.5)、パンクレアチン及びRIA抽出液(ラット小腸抽出液))
(*1:E.Galia et al.,Pharm Res、1998年5月、第15巻第5号、p.698−705)
3.上記2.で得た処理液を低温恒温器にて1℃に冷却した後、処理液3mLに対しセルラーゼ(セルクラスト1.5LFG、700EGU/g、ノボザイムズ(株)製)を50μL〜500μLの間で任意量添加し、1℃において15分間振とうさせ、セルラーゼを吸着させる。吸着後、速やかに遠心分離機を用いて15000r/min、1℃において5分間処理を行い、遠心上精を回収する。回収した上精のタンパク量をプロテイン測定キット(Quick Startプロテインアッセイ、バイオラット社製)を用いて測定し、ラングミュアの吸着等温式より最大セルラーゼ吸着量(mg/g−水不溶性固形分)を求める。
4.上記3.で求めた最大セルラーゼ吸着量に、上記1.の試料100g当たりの水不溶性固形分量を乗じ、その値を総セルラーゼ吸着量とする。
本発明によれば、設備負荷を低減しながら、粒径が小さく、且つ水不溶性食物繊維を多く含有する野菜及び/又は果物の加工食品を生産性良く得ることができる。
本発明の野菜及び/又は果物の加工食品は、摂取後の腸内細菌による資化性が高く、腸内細菌により発酵分解を受け多くの短鎖脂肪酸が生成されて腸内pHが低下する。従って、本発明の野菜及び/又は果物の加工食品は、腸内細菌叢の改善、腸内環境の改善に有用であり、また、これに伴う様々な生理的機能が期待される。更に、本発明の野菜及び/又は果物の加工食品は、内臓脂肪の蓄積抑制、肥満の予防又は改善に有用である。
本発明の野菜及び/又は果物の加工食品の製造方法は、(A)野菜及び/又は果物に対して、それらに含有される水不溶性食物繊維質量の1〜100質量%の植物組織崩壊酵素を添加し、1〜45分間の酵素処理を行う工程、及び(B)前記酵素処理後の野菜及び/又は果物に、5〜120MPaの圧力で高圧ホモジナイザー処理又は2枚以上の刃もしくは多層櫛歯を備えた回転カッター式装置を用いた剪断処理を行う工程、を含む。
本発明に用いられる野菜及び果物としては、特に限定されず、例えば、人参、大根、アスパラガス、たまねぎ、ビート、しょうが、紫芋、ごぼう等の根菜;セロリ、ほうれん草、白菜、キャベツ、メキャベツ、ブロッコリー、小松菜、パセリ、ケール、クレソン、モロヘイヤ、あしたば、レタス等の葉菜;トマト、ピーマン、赤ピーマン、なす、かぼちゃ等の果菜;バナナ、りんご、メロン、みかん、ブドウ、パイナップル、イチゴ等の果実が例示される。これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
これら野菜及び果物には食物繊維が含まれているが、食物繊維には水に溶ける水溶性食物繊維と、水に溶けない水不溶性食物繊維とが存在する。本発明においては、水不溶性食物繊維を多く含む野菜又は果物を使用することが好ましく、具体的には、工程(A)に供する野菜及び/又は果物100g当たり水不溶性食物繊維を0.5g以上、更に0.7g以上、更に1.4g以上含むものを使用することが好ましい。また、野菜又は果物100g当たりの水不溶性食物繊維量は、7g以下、更に6.5g以下、更に6g以下、更に5g以下が好ましい。
〔前処理〕
本発明においては、後述する工程(A)及び(B)を行うに先立って、野菜及び/又は果物を、洗浄、必要により皮剥き等の準備処理、破砕処理及びブランチング処理等の前処理に付することができる。
破砕処理は、野菜及び/又は果物を摩擦により破砕しても、剪断応力の働きにより破砕してもよい。例えば、包丁、ハンドミキサー及びコミトロール(登録商標)等を必要により適宜組み合わせて機械的剪断処理する方法等を採用することができる。
破砕処理された野菜及び/又は果物の形態としては、微粒状、さいの目状、短冊状、ペースト状等が例示されるが、ペースト状であることが好ましい。必要により濃縮又は希釈して所望の水不溶性食物繊維の濃度に調整してもよい。
ブランチング処理は、野菜及び/又は果物の殺菌、酵素失活のための処理で、スチームブランチング処理、マイクロ波照射処理、湯通し処理等が含まれる。
〔工程(A)〕
工程(A)は、野菜及び/又は果物に対して、それらに含有される水不溶性食物繊維質量の1〜100質量%の植物組織崩壊酵素を添加し、1分〜45分間の酵素処理を行う工程である。
本発明で用いられる植物組織崩壊酵素は、食物繊維を分解する酵素であり、例えばセルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペクチナーゼ等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。反応効率を向上させるためには、2種以上を組み合わせて用いるのが好ましい。なかでも、セルラーゼ又はヘミセルラーゼとペクチナーゼを組み合わせるのが好ましい。
植物組織崩壊酵素は、一般に市販されている酵素製剤や下記に例示する微生物の培養物やその濾過液を使用することもできる。さらに、遺伝子組み換え技術、部分加水分解等による人工酵素であってもよい。
セルラーゼは、セルロースを分解するものであれば特に限定されず、その起源としては、例えば、トリコデルマ(Trichoderma)属、アスペルギルス(Aspergillus)属等に属する微生物が挙げられる。
セルラーゼは、エンドグルカナーゼ活性(EGU)として100〜1,300EGU/g、更には300〜1,000EGU/g、更には500〜1,000EGU/gの酵素活性を有することが好ましい。なお、エンドグルカナーゼ活性は、CMC(カルボキシメチルセルロース)水溶液を基質に用い、これをpH6.0、40℃で反応させた時の粘度低下と、ノボザイムズ社スタンダード酵素の検量線をもとに求めた値で定義する。
ヘミセルラーゼは、ヘミセルロース、すなわちキシラン、アラビノキシラン、キシログルカン、グルコマンナン等の多糖類を分解するものであれば特に限定されず、その起源としては、例えば、トリコデルマ(Trichoderma)属、アスペルギルス(Aspergillus)属等に属する微生物が挙げられる。
ヘミセルラーゼは、キシラナーゼ活性として10,000〜200,000u/g、更には30,000〜120,000u/g、更には50,000〜120,000u/gの酵素活性を有することが好ましい。なお、キシラナーゼ活性は天野エンザイム社が規定する試験方法(天野法)により求めた値で定義する。
ペクチナーゼとしては、その起源は特に限定されないが、植物、細菌および菌類に広く分布しているものを使用でき、例えばバチルス属(Bacillus)等の細菌類;トリコスポロン属(Tricosporon)、エンドマイセス属(Endomyces)、エンドマイコプシス属(Endomycopsis)、サッカロマイセス属(Saccharomyces)、シゾサッカロマイセス属(Schizosaccharomyces)、ピヒア属(Pichia)、ハンセヌラ属(Hansenula)、デバリオマイセス属(Debaryomyces)、ハンセニアスポラ属(Hanseniaspora)、トルロプシス属(Torulopsis)、カンジダ属(Candida)、クルイベロマイセス属(Kluyveromyces)等の酵母類;アスペルギルス属(Aspergillus)、リゾプス属(Rhizopus)等の糸状菌類が挙げられる。
ペクチナーゼは、4,000〜50,000PG/g、更には10,000〜35,000PG/g、更には20,000〜35,000PG/gの酵素活性を有することが好ましい。なお、ペクチナーゼ活性(PG)は、ペクチン酸水溶液を基質に用い、これをpH3.5、20℃で反応させた時の粘度低下と、ノボザイムズ社スタンダード酵素の検量線をもとに求めた値で定義する。
工程(A)における植物組織崩壊酵素の使用量は、野菜及び/又は果物に含有される水不溶性食物繊維の質量に対して1〜100質量%である。植物組織崩壊酵素の使用量は、用いる酵素の活性によっても相違するが、水不溶性食物繊維の減少を抑える点、酵素反応効率の点、風味の点から、野菜及び/又は果物に含有される水不溶性食物繊維の質量に対して1〜80質量%が好ましく、5〜70質量%がより好ましく、9〜60質量%が更に好ましい。なお、ここでの使用量は、各植物組織崩壊酵素の使用量を合計した量である。また、野菜及び/又は果物に含有される水不溶性食物繊維の質量は、後記実施例に記載した方法により求めることができる。
酵素反応時間は、1分〜45分であるが、水不溶性食物繊維の減少を抑える点、生産性の点から、5分〜40分、更に5分〜30分、更に15分〜30分、更に20分〜30分が好ましい。この酵素反応時間は、野菜及び/又は果物と植物組織崩壊酵素が接触した時点から、該植物組織崩壊酵素を失活させる時点までの時間である。
また、酵素反応温度は、酵素活性と風味を考慮して、20〜60℃が好ましく、25〜50℃がより好ましく、30〜50℃が更に好ましい。
本発明では、工程(A)の酵素処理後、工程(B)を行うに前に、加熱等により酵素を失活させる処理を行なうことが好ましい。加熱の条件は、高温短時間の加熱が好ましく、例えば、70〜98℃で1〜5分間加熱するのが好ましい。
〔工程(B)〕
工程(B)は、前記酵素処理後の野菜及び/又は果物に、5〜120MPaの圧力で高圧ホモジナイザー処理又は2枚以上の刃もしくは多層櫛歯を備えた回転カッター式装置を用いた剪断処理を行う工程である。
高圧ホモジナイザーとしては、例えば、処理液の流路が固定されたチャンバーを有するもの、処理液の流路の幅を調整しうる均質バルブを有するもの等が挙げられる。
処理液の流路が固定されたチャンバーを有する高圧ホモジナイザーとしては、例えば、マイクロフルイダイザー(マイクロフルイディクス社製)、ナノマイザー(ナノマイザー社製)、アルティマイザー((株)スギノマシン製)等が挙げられる。また、均質バルブを有する高圧ホモジナイザーとしては、高圧ホモジナイザー(APV社製)、高圧ホモジナイザー(三丸機械工業(株)製)、高圧ホモゲナイザー((株)イズミフードマシナリ社製)等が挙げられる。
工程(B)における高圧ホモジナイザーによる処理圧力は5〜120MPaである。
処理圧力が斯かる範囲であれば、汎用的な設備を用いることができ、生産性の向上を図ることもできる。
処理圧力は、設備の汎用性と生産性の点から、5〜100MPa、更に10〜80MPaが好ましい。
高圧ホモジナイザー処理温度は、加熱による風味劣化を抑制する観点から、0〜80℃、更に0〜50℃であるのが好ましい。
高圧ホモジナイザーによる処理は、1つのタンクと高圧ホモジナイザーを用いて処理液を循環させる循環方式と、2つのタンクと高圧ホモジナイザーを用いて、処理液を行き来させるパス方式の、どちらを採用しても構わない。本発明においては、すべての液を確実に剪断処理できるパス方式を用いるのが好ましい。
高圧ホモジナイザーによる処理は、1回でよいが、複数回(パス)繰り返し行ってもよい。なお、循環方式で処理する場合は、処理液量を処理流量で割った値をパス回数と定義し、この場合も1パス以上の処理を行ってもよい。
2枚以上の刃又は多層櫛歯を備えた回転カッター式装置は、回転する刃又は櫛状の歯を有する破砕装置を指し、磨砕ではなく、剪断応力の働きにより物体を微細化するものを指す。
刃の数は2〜4枚が好ましい。また、多層櫛歯は、回転軸の円周方向に複数の歯(これを歯列という)を有するものであり、かつ、半径方向に多層の歯列を備えるものである。刃又は歯の材質は特に限定されないが、金属製又はセラミック製が、強度や切れ味の点から好ましい。
2枚以上の刃又は多層櫛歯を備えた回転カッター式装置としては、例えば、ジューサー、カッターミル、ホモミキサー等の2枚以上の刃を備える回転カッター式装置;ディスパー、マイルダー等の多層櫛歯を備えた回転カッター式装置等が挙げられる。具体的には、ジューサーミキサー(MX−1500、(株)エフ・エム・アイ製)、マイルダー(MDN303V、太平洋機工(株)製)、ホモミクサー(T.K.ホモミクサーMARKII 2.5型、プライミクス(株)製)等の市販の破砕装置を使用することができる。
回転カッターの周速は、効率よく剪断できる点から、7m/s以上であるのが好ましく、10m/s以上が好ましく、14m/s以上がより好ましい。
また、回転数は、5000r/min以上であるのが好ましく、7000r/min以上がより好ましく、10000r/min以上がより好ましい。
2枚以上の刃又は多層櫛歯を備えた回転カッター式装置を用いた剪断処理は、回分式と循環式のいずれの方式で行なってもよい。
回分式における剪断処理の時間は、5分〜180分が好ましく、15分〜150分がより好ましく、30分〜120分がより好ましい。
一方、循環式における剪断処理の時間は、5分〜180分が好ましく、15分〜150分がより好ましく、30分〜120分がより好ましい。この時間は、せん断場の体積と処理量及び処理流量により求める。
剪断処理の温度は、加熱による風味劣化を抑制する観点から、0〜80℃、更に0〜50℃であるのが好ましい。
更に、本発明においては、前記の工程(B)を行った後、再度野菜及び/又は果物に対して植物組織崩壊酵素による酵素処理を行うと、加工食品の喉越しをより向上できるため好ましい。再度酵素処理を行う場合の酵素反応時間は、10分以下が好ましく、5分以下がより好ましく、3分以下が更に好ましい。再度の酵素処理後に加熱等により酵素を失活させることが好ましい。
かくして、粒径が小さく、且つ水不溶性食物繊維を多く含有する野菜及び/又は果物の加工食品が得られる。
野菜及び/又は果物の加工食品の形態は、ペースト状でもよく、水溶液の状態でもよい。また、水分を除去して粉末状、顆粒状、固形状等の固体物の状態とすることもできる。水分を調整、除去する手段としては、凍結乾燥、蒸発乾固、噴霧乾燥等が挙げられる。
本発明の野菜及び/又は果物の加工食品は、平均粒径が150μm以下、更に120μm以下であるのが、飲食時の食感の点から好ましい。
また、野菜及び/又は果物の加工食品の水不溶性食物繊維の残存率は、水不溶性食物繊維の機能をできる限り維持する点から高いのが好ましく、上記所定の処理後の水不溶性食物繊維量が0.5g/100g−野菜及び/又は果物の加工食品以上、更に0.7g/100g−野菜及び/又は果物の加工食品以上、更に0.73g/100g−野菜及び/又は果物の加工食品以上となるのが好ましい。例えば、後述するトマトの場合、水不溶性食物繊維の残存率は70%以上であるのが好ましく、72%以上がより好ましく、75%以上がより好ましい。また、ニンジンの場合、水不溶性食物繊維の残存率は40%以上であるのが好ましく、45%以上がより好ましく、47%以上がより好ましく、50%以上がより好ましい。
なかでも、本発明の野菜及び/又は果物の加工食品は、生理効果の点から、次の(i)〜(iii):
(i)平均粒径が150μm以下、
(ii)水不溶性食物繊維量が0.5g/100g−野菜及び/又は果物の加工食品以上、
(iii)以下の方法で測定される総セルラーゼ吸着量が200mg/100g−野菜及び/又は果物の加工食品以上、
を満たすものが好ましい。
本発明の野菜及び/又は果物の加工食品の(i)平均粒径は、上記と同様、150μm以下、更に120μm以下であるのが飲食時の食感の点から好ましい。この平均粒径は後記実施例に記載したように、レーザー回折・散乱法により体積基準に従って求められるメジアン径である。
また、野菜及び/又は果物の加工食品の算術平均径は150μm以下であるのが好ましく、120μm以下であるのがより好ましい。
本発明の野菜及び/又は果物の加工食品の(ii)水不溶性食物繊維量は、腸内細菌資化性の点から、0.5g/100g−野菜及び/又は果物の加工食品以上であるのが好ましく、0.7g/100g−野菜及び/又は果物の加工食品以上であるのがより好ましい。
野菜及び/又は果物の加工食品の水不溶性食物繊維はセルロースが好ましい。野菜及び/又は果物の加工食品のセルロース量は0.5g/100g−野菜及び/又は果物の加工食品以上であるのが好ましく、0.7g/100g−野菜及び/又は果物の加工食品以上であるのがより好ましい。
本発明の野菜及び/又は果物の加工食品は、(iii)以下の方法で測定される総セルラーゼ吸着量が腸内細菌資化性の点から、200mg/100g−野菜及び/又は果物の加工食品以上であるのが好ましく、220mg/100g−野菜及び/又は果物の加工食品以上であるのがより好ましく、250mg/100g−野菜及び/又は果物の加工食品以上であるのがより好ましい。
後記実施例に示すように、本発明の野菜及び/又は果物の加工食品に含まれる水不溶性食物繊維へのセルラーゼの吸着量は本発明の処理を経る前の水不溶性食物繊維への吸着量と比べて極めて高い。従って、詳細は不明であるが、本発明の処理により水不溶性食物繊維はセルラーゼが吸着しやすい形態に変化すると考えられる。また、このセルラーゼ吸着量と、野菜及び/又は果物の加工食品摂取による盲腸内容物のpHとの関係を調べると高い相関が見られる。このことから、水不溶性食物繊維へのセルラーゼ吸着量を指標として腸内細菌資化性を評価できると考えられる。
本発明では、以下の方法で測定される野菜及び/又は果物の加工食品100gに対するセルラーゼ吸着量を総セルラーゼ吸着量と定義し、これを用いて野菜及び/又は果物の加工食品に対する腸内細菌資化性を評価する。
[総セルラーゼ吸着量の測定方法]
1.野菜及び/又は果物の加工食品(以下、試料ともいう)を超純水にて希釈し、吸引ろ過(ろ紙:H020A090C ADVANTEC製)にて固形分を得る。この固形分を乾熱器を用いて105℃において12時間以上乾燥させて水不溶性固形分とする。また、乾燥後の水不溶性固形分の重量を測定し、以下の式(1)より試料100g当たりの水不溶性固形分量を算出する。
水不溶性固形分量(g/100g−試料)=乾燥後の水不溶性固形分重量(g)/希釈前の試料重量(g)×100(%)×100(g)・・・・・・(1)
2.試料に次に示す人工胃液を添加し、37℃において1時間振とうを行う。その後水酸化ナトリウム水溶液にてpH6.5に調整した後、人工腸液を添加しさらに37℃にて4時間振とうを行う。振とう後、人工消化液に含まれる酵素を失活するために、95℃以上で5分間加熱を行い、処理液を得る。
<人工消化液>
・人工胃液(第十四版改正日本薬局方に準拠した崩壊試験第1液(pH1.2)及びペプシン)
・人工腸液(空腹時人工腸液*1(FaSSIF、pH6.5)、パンクレアチン及びRIA抽出液(ラット小腸抽出液))
(*1:E.Galia et al.,Pharm Res、1998年5月、第15巻第5号、p.698−705)
3.上記2.で得た処理液を低温恒温器にて1℃に冷却した後、処理液3mLに対しセルラーゼ(セルクラスト1.5LFG、700EGU/g、ノボザイムズ(株)製)を50μL〜500μLの間で任意量添加し、1℃において15分間振とうさせ、セルラーゼを吸着させる。吸着後、速やかに遠心分離機を用いて15000r/min、1℃において5分間処理を行い、遠心上精を回収する。回収した上精のタンパク量をプロテイン測定キット(Quick Startプロテインアッセイ、バイオラット社製)を用いて測定し、ラングミュアの吸着等温式より最大セルラーゼ吸着量(mg/g−水不溶性固形分)を求める。
4.上記3.で求めた最大セルラーゼ吸着量に、上記1.の試料100g当たりの水不溶性固形分量を乗じ、その値を総セルラーゼ吸着量とする。
本発明の野菜及び/又は果物の加工食品は、摂取後、盲腸内で多くの短鎖脂肪酸が生成され、内容物のpHの低下が認められる。すなわち、本発明の野菜及び/又は果物の加工食品は、摂取後の腸内細菌による資化性が高い。また、本発明の野菜及び/又は果物の加工食品の摂取により、ラット内臓脂肪(後腹膜脂肪及び腎周囲脂肪)の重量が有意に低下する。
腸内細菌による発酵分解と短鎖脂肪酸の生成は、腸内細菌叢を好ましい状態に改善するため、本発明の野菜及び/又は果物の加工食品は、腸内細菌叢の改善、腸内環境の改善に有用である。また、これに伴う様々な生理的機能が期待される。更に、本発明の野菜及び/又は果物の加工食品は、内臓脂肪の蓄積抑制、肥満の予防又は改善に有用である。
従って、本発明の野菜及び/又は果物の加工食品は、腸内短鎖脂肪酸産生促進剤、腸内細菌叢改善剤、腸内環境改善剤、内臓脂肪蓄積抑制剤、肥満の予防又は改善剤等となり得、またこれらの剤を製造するために使用することができる。すなわち、野菜及び/又は果物の加工食品は、ヒトを始めとする哺乳動物に、腸内短鎖脂肪酸の産生促進、腸内細菌叢の改善、腸内環境の改善、内臓脂肪の蓄積抑制、肥満の予防又は改善のために使用することができる。
また、本発明の野菜及び/又は果物の加工食品は、腸内短鎖脂肪酸の産生促進、腸内細菌叢の改善、腸内環境の改善、内臓脂肪の蓄積抑制又は肥満の予防もしくは改善等をコンセプトとし、必要に応じてその旨を表示した食品となり得、また、当該食品に配合して使用される素材又は製剤になり得る。食品には、機能性食品、病者用食品、特定保健用食品、サプリメントが包含される。これらの食品は機能表示が許可された食品であるため、一般の食品と区別することができる。
本発明の野菜及び/又は果物の加工食品は、必要に応じて一般に用いられる原料を添加して、例えば、飲料、スープ、ソース、ルー等の食品、錠剤形態、カプセル形態とすることができる。
本発明の野菜及び/又は果物の加工食品は、特に限定されないが、反復・連続して摂取することが好ましく、5日間以上連続して摂取することがより好ましく、15日間以上連続して摂取することが更に好ましい。
[分析方法]
1.粒径の測定
試料の粒径の測定には、レーザー回折・散乱法粒径分布測定装置(LA−920、(株)堀場製作所製)を用いた。フローセルを使用し水を溶媒として体積基準の粒度分布を測定し、得られた粒度分布より、LA−920付属のソフトウェアを用いてメジアン径(累積50%に相当する粒径)を求め、平均粒径とした。また、同様にして、算術平均径(頻度分布を算術平均した値)を算出した。
2.水不溶性食物繊維(IDF)量の測定
試料中の水不溶性食物繊維量は、プロスキー変法(酵素−重量法)(分析実務者が書いた五訂日本食品標準成分表 分析マニュアルの解説、編集者:財団法人日本食品分析センター、発行者:中央法規出版(株)、2001年発行、66〜72頁)により定量分析した。
3.水不溶性食物繊維(IDF)残存率
水不溶性食物繊維残存率は以下の式(2)により算出した。
IDF残存率[%]=(高圧ホモジナイザー処理又は剪断処理後の野菜及び/又は果物中の水不溶性食物繊維量)/(酵素処理前の野菜及び/又は果物中の水不溶性食物繊維量)×100・・・・・・(2)
4.水不溶性固形分量の測定
上記[総セルラーゼ吸着量の測定方法]記載の1.より求めた。
5.最大セルラーゼ吸着量及び総セルラーゼ吸着量の測定
上記[総セルラーゼ吸着量の測定方法]より求めた。
実施例1
6倍濃縮トマトペースト(カゴメ(株)製、以下同じ)333.3gにイオン交換水665.0gを加え、約2倍濃縮のトマト汁を調製した。トマト汁100g中の水不溶性食物繊維量は0.98gであった。
このトマト汁にセルラーゼ(セルクラスト1.5LFG、700EGU/g、ノボザイムズ(株)製、以下同じ)1.2g、および、ペクチナーゼ(ペクチネックスウルトラSPL、26,000PG/mL、ノボザイムズ(株)製、以下同じ)0.5gを添加し、アンカー翼を用いて150r/minの撹拌下、30℃において15分間酵素処理した。95℃まで急速加熱を行った後、3分間保持することにより酵素を完全に失活させた。
得られた処理物を20℃まで冷却した後、高圧ホモジナイザー(LAB2000、APV社製、以下同じ)を用いて20MPaの圧力で1パス処理して、ペースト状の加工品を得た。この時の処理速度は14kg/hであった。
実施例2〜3
酵素反応時間を5分又は30分にした以外は実施例1と同様にして処理を行い、ペースト状の加工品を得た。高圧ホモジナイザーによる処理速度はいずれも14kg/hであった。
比較例1
実施例1と同様に調製したトマト汁(処理前温度20℃)を、酵素処理を行わずに、高圧ホモジナイザーを用いて20MPaの圧力で1パス処理して、ペースト状の加工品を得た。この時の処理速度は13kg/hであった。
IDF残存率(%)は、高圧ホモジナイザー処理後のトマト中の水不溶性食物繊維量を、高圧ホモジナイザー処理前のトマト中の水不溶性食物繊維量で除することで求めた。
比較例2
実施例1と同様に調製したトマト汁に、セルラーゼ1.2g、および、ペクチナーゼ0.5gを添加し、アンカー翼を用いて150r/minの撹拌下、30℃において15分間酵素処理した。95℃まで急速加熱を行った後、3分間保持することにより酵素を完全に失活させて、ペースト状の加工品を得た。
IDF残存率(%)は、酵素処理後のトマト中の水不溶性食物繊維量を、酵素処理前のトマト中の水不溶性食物繊維量で除することで求めた。
比較例3
実施例1と同様に調製したトマト汁(処理前温度20℃)を、高圧ホモジナイザーを用いて20MPaの圧力で1パス処理した。得られた処理物に、セルラーゼ1.2g、および、ペクチナーゼ0.5gを添加し、アンカー翼を用いて150r/minの撹拌下、30℃において15分間酵素処理した。95℃まで急速加熱を行った後、3分間保持することにより酵素を完全に失活させて、ペースト状の加工品を得た。この時の処理速度は13kg/hであった。
IDF残存率(%)は、酵素処理後のトマト中の水不溶性食物繊維量を、高圧ホモジナイザー処理前のトマト中の水不溶性食物繊維量で除することで求めた。
比較例4
酵素反応時間を60分にした以外は実施例1と同様にして処理を行い、ペースト状の加工品を得た。高圧ホモジナイザーによる処理速度は14kg/hであった。
各実施例及び比較例の処理条件及び分析結果を表1に示す。
Figure 0006625846
実施例4〜7
高圧ホモジナイザーによる処理圧力をそれぞれ10MPa、50MPa、100MPa又は120MPaとした以外は実施例1と同様にして処理を行い、ペースト状の加工品を得た。高圧ホモジナイザーによる処理速度はそれぞれ15kg/h(実施例4)、12kg/h(実施例5と6)、10kg/h(実施例7)であった。
実施例8
酵素反応温度を50℃、酵素反応時間を5分にした以外は実施例1と同様にして処理を行い、ペースト状の加工品を得た。高圧ホモジナイザーによる処理速度は14kg/hであった。
実施例9
6倍濃縮トマトペースト333.3gにイオン交換水661.7gを加え、約2倍濃縮のトマト汁を調製した。このトマト汁にセルラーゼ3.5g、および、ペクチナーゼ1.5gを添加し、酵素反応時間を5分にした以外は実施例1と同様にして処理を行い、ペースト状の加工品を得た。高圧ホモジナイザーによる処理速度は14kg/hであった。
比較例5
6倍濃縮トマトペースト333.3gにイオン交換水646.7gを加え、約2倍濃縮のトマト汁を調製した。このトマト汁にセルラーゼ14.0g、および、ペクチナーゼ6.0gを添加し、酵素反応時間を5分にした以外は実施例1と同様にして処理を行い、ペースト状の加工品を得た。高圧ホモジナイザーによる処理速度は14kg/hであった。
各実施例及び比較例の処理条件及び分析結果を表2に示す。
Figure 0006625846
実施例10
ニンジンペースト(カゴメ(株)製、100g中の水不溶性食物繊維量1.80g)998.3gに、セルラーゼ1.2g、および、ペクチナーゼ0.5gを添加し、アンカー翼を用いて150r/minの撹拌下、30℃において15分間酵素処理した。95℃まで急速加熱を行った後、3分間保持することにより酵素を完全に失活させた。
得られた処理物を20℃まで冷却した後、高圧ホモジナイザーを用いて20MPaの圧力で1パス処理してペースト状の加工品を得た。この時の処理速度は13kg/hであった。
比較例6
実施例10と同様のニンジンペースト(処理前温度20℃)を、酵素処理を行わずに、高圧ホモジナイザーを用いて20MPaの圧力で1パス処理して、ペースト状の加工品を得た。この時の処理速度は12kg/hであった。
各実施例及び比較例の処理条件及び分析結果を表3に示す。
Figure 0006625846
表1〜3より明らかなように、先ず所定量の酵素を用いて短時間の酵素処理を行い、次いで高圧ホモジナイザーによる処理を行うことで、水不溶性食物繊維の残存率が高く、粒径が小さいトマト及びニンジンの加工品を得ることができた。これに対し、酵素処理又は高圧ホモジナイザー処理のどちらかだけ行った場合、高圧ホモジナイザー処理を行った後に酵素処理を行った場合では、水不溶性食物繊維を多く残そうとすると微細化できなかった。
また、高圧ホモジナイザーの処理圧力が低いと、処理速度が向上し、生産性が高くなる傾向が見られた。
次に、試料としてニンジンを用いて、各実施例及び比較例の最大セルラーゼ吸着量及び総セルラーゼ吸着量を比較した。処理条件及び分析結果を表4に示す。
実施例11
ニンジンペースト(100g中の水不溶性固形分2.94g、以下同じ)995gに、セルラーゼ3.5g、および、ペクチナーゼ1.5gを添加し、アンカー翼を用いて100r/minの撹拌下、30℃において30分間酵素処理をした。その後95℃まで急速加熱を行った後、3分間保持することにより酵素を完全に失活させた。
得られた酵素処理物を30℃まで冷却した後、ホモミキサー(T.K.ロボミックス プライミクス社製、以下同じ)を用いて13000r/min、周速19m/sの剪断下、30℃において120分処理を行い、加工品を得た。
実施例12
ニンジンペーストを実施例11と同様の酵素処理及び加熱失活を行い、酵素処理物を得た。
得られた酵素処理物を30℃まで冷却した後、高圧ホモジナイザー(LAB2000、APV社製、以下同じ)を用いて100MPaの圧力で1パス処理をして、加工品を得た。
実施例13
ニンジンペースト995gに、セルラーゼ3.5g、および、ペクチナーゼ1.5gを添加し、アンカー翼を用いて100r/minの撹拌下、50℃において30分間酵素処理をした。その後95℃まで急速加熱を行った後、3分間保持することにより酵素を完全に失活させた。
得られた酵素処理物を30℃まで冷却した後、高圧ホモジナイザーを用いて100MPaの圧力で1パス処理をして、加工品を得た。
比較例7
ニンジンペーストを、酵素処理及びホモミキサー処理又は高圧ホモジナイザー処理を行わずに、評価に用いた。
比較例8
ニンジンペーストを、酵素処理を行わずに、高圧ホモジナイザーを用いて100MPaの圧力で1パス処理をして、加工品を得た。
IDF残存率(%)は、高圧ホモジナイザー処理後のニンジン中の水不溶性食物繊維量を、高圧ホモジナイザー処理前のニンジン中の水不溶性食物繊維量で除することで求めた。
比較例9
ニンジンペーストを、酵素処理を行わずに、ホモミキサーを用いて13000r/minの剪断下、30℃において120分処理を行い、加工品を得た。
IDF残存率(%)は、ホモミキサー処理後のニンジン中の水不溶性食物繊維量を、ホモミキサー処理前のニンジン中の水不溶性食物繊維量で除することで求めた。
比較例10
ニンジンペースト995gに、セルラーゼ3.5g、および、ペクチナーゼ1.5gを添加し、アンカー翼を用いて100r/minの撹拌下、25℃において30分間酵素処理をした。その後95℃まで急速加熱を行った後、3分間保持することにより酵素を完全に失活させ、加工品を得た。
比較例10〜17では、IDF残存率(%)は、酵素処理後のニンジン中の水不溶性食物繊維量を、酵素処理前のニンジン中の水不溶性食物繊維量で除することで求めた。
比較例11
ニンジンペースト995gに、セルラーゼ3.5g、および、ペクチナーゼ1.5gを添加し、アンカー翼を用いて100r/minの撹拌下、30℃において30分間酵素処理をした。その後95℃まで急速加熱を行った後、3分間保持することにより酵素を完全に失活させ、加工品を得た。
比較例12
ニンジンペースト995gに、セルラーゼ3.5g、および、ペクチナーゼ1.5gを添加し、アンカー翼を用いて100r/minの撹拌下、30℃において60分間酵素処理をした。その後95℃まで急速加熱を行った後、3分間保持することにより酵素を完全に失活させ、加工品を得た。
比較例13
ニンジンペースト995gに、セルラーゼ3.5g、および、ペクチナーゼ1.5gを添加し、アンカー翼を用いて100r/minの撹拌下、30℃において120分間酵素処理をした。その後95℃まで急速加熱を行った後、3分間保持することにより酵素を完全に失活させ、加工品を得た。
比較例14
ニンジンペースト995gに、セルラーゼ3.5g、および、ペクチナーゼ1.5gを添加し、アンカー翼を用いて100r/minの撹拌下、50℃において15分間酵素処理をした。その後95℃まで急速加熱を行った後、3分間保持することにより酵素を完全に失活させ、加工品を得た。
比較例15
ニンジンペースト995gに、セルラーゼ3.5g、および、ペクチナーゼ1.5gを添加し、アンカー翼を用いて100r/minの撹拌下、50℃において30分間酵素処理をした。その後95℃まで急速加熱を行った後、3分間保持することにより酵素を完全に失活させ、加工品を得た。
比較例16
ニンジンペースト995gに、セルラーゼ3.5g、および、ペクチナーゼ1.5gを添加し、アンカー翼を用いて100r/minの撹拌下、50℃において60分間酵素処理をした。その後95℃まで急速加熱を行った後、3分間保持することにより酵素を完全に失活させ、加工品を得た。
比較例17
ニンジンペースト995gに、セルラーゼ3.5g、および、ペクチナーゼ1.5gを添加し、アンカー翼を用いて100r/minの撹拌下、50℃において120分間酵素処理をした。その後95℃まで急速加熱を行った後、3分間保持することにより酵素を完全に失活させ、加工品を得た。
比較例18
ニンジンペースト995gに、セルラーゼ3.5g、および、ペクチナーゼ1.5gを添加し、アンカー翼を用いて100r/minの撹拌下、30℃において60分間酵素処理をした。その後95℃まで急速加熱を行った後、3分間保持することにより酵素を完全に失活させた。得られた酵素処理物を30℃まで冷却した後、高圧ホモジナイザーを用いて100MPaの圧力で1パス処理をして、加工品を得た。
比較例19
ニンジンペースト995gに、セルラーゼ3.5g、および、ペクチナーゼ1.5gを添加し、アンカー翼を用いて100r/minの撹拌下、30℃において120分間酵素処理をした。その後95℃まで急速加熱を行った後、3分間保持することにより酵素を完全に失活させた。得られた酵素処理物を30℃まで冷却した後、高圧ホモジナイザーを用いて100MPaの圧力で1パス処理をして、加工品を得た。
比較例20
ニンジンペースト995gに、セルラーゼ3.5g、および、ペクチナーゼ1.5gを添加し、ホモミキサーを用いて13000r/minの剪断下、30℃において120分間酵素処理と剪断処理を行った。その後95℃まで急速加熱を行った後、3分間保持することにより酵素を完全に失活させ、加工品を得た。
比較例21
ニンジンペースト995gに、セルラーゼ3.5g、および、ペクチナーゼ1.5gを添加し、アンカー翼を用いて100r/minの撹拌下、50℃において60分間酵素処理をした。その後95℃まで急速加熱を行った後、3分間保持することにより酵素を完全に失活させた。得られた酵素処理物を30℃まで冷却した後、高圧ホモジナイザーを用いて100MPaの圧力で1パス処理をして、加工品を得た。
比較例22
ニンジンペースト995gに、セルラーゼ3.5g、および、ペクチナーゼ1.5gを添加し、アンカー翼を用いて100r/minの撹拌下、50℃において120分間酵素処理をした。その後95℃まで急速加熱を行った後、3分間保持することにより酵素を完全に失活させた。得られた酵素処理物を30℃まで冷却した後、高圧ホモジナイザーを用いて100MPaの圧力で1パス処理をして、加工品を得た。
Figure 0006625846
表4より、本発明のニンジン加工品は、最大セルラーゼ吸着量及び総セルラーゼ吸着量が大きいことが確認された。これに対し、酵素処理又は高圧ホモジナイザー処理のどちらかだけ行った場合と酵素処理時間が長い場合は、最大セルラーゼ吸着量及び総セルラーゼ吸着量が小さかった。また、酵素処理と剪断処理を同時に行った場合も、最大セルラーゼ吸着量及び総セルラーゼ吸着量は小さかった。
試験例1
実施例11、比較例7及び比較例20で得たニンジン加工品をそれぞれ用いて、摂取後の盲腸内短鎖脂肪酸生成、盲腸内容物pH及び内臓脂肪重量の比較を行なった。
(試験用動物)
日本クレア(株)より購入した、成長期ラット(SD−IGS系、雄性(4週齢))を用いた。
(試験飼料)
飼料はセルロース不含の餌とし、AIN93G配合に基づき調製を行った。組成を表5に示す。
Figure 0006625846
(実験方法)
4週令の雄性SDラットを1週間、環境馴化した後に、個々の観察や制限給餌を行うために5連ケージで個別飼育した。次にセルロース不含の餌を1週間摂取させた後、体重を揃えるようにコントロール群、実施例11群、比較例7群、比較例20群の4つに群分けした(6週令;平均体重190g、各群15匹)。表5に示す各餌を、4週間にわたり摂取させた。1〜2週目は1匹あたり18g/日、3〜4週目は20g/日の制限給餌とし、週に5回、餌を交換した。
(評価方法)
実験終了後、ラットを屠殺し、脂肪(後腹膜脂肪、腎周囲脂肪)を採取し、重量測定を行った。さらに盲腸を採取して、盲腸内容物のpH、及び短鎖脂肪酸量(コハク酸、乳酸、酢酸、プロピオン酸、n−酪酸の総量)を測定した。群間の統計学的有意差については、t検定を行った。結果を表6に示す。
・盲腸内容物のpH測定;盲腸より内容物を一部取り出し、蒸留水で10倍に希釈した後、ラコムテスターpH計でpHを測定した。
・短鎖脂肪酸の測定;一定量の試料をビーズチューブ中に精秤、抽出溶液で懸濁した後、80℃で15分間滅菌を行った。ビーズにより試料を粉砕した後、13000r/minで10分間遠心を行った。上精を0.45μmのメンブレンフィルターでろ過し、これを試料溶液として定量した。
HPLC条件は以下のとおりである。
装置 島津有機酸分析システム(島津製作所)
カラム Shim−pack SCR−102(H)
300mm×8mmID 2本直列で使用
ガードカラム Shim−pack SCR−102(H)
50mm × 6mmID
溶離液 5mmol/L p−トルエンスルホン酸
反応液 5mmol/L p−トルエンスルホン酸
流速 0.8ml/min
オーブン温度 45℃
分析時間 60min
検出器 電気伝導度検出器 CDD−10A
Figure 0006625846
表6より、実施例11で得たニンジン加工品を配合した飼料を摂取したラットでは、比較例7で得たニンジン加工品又は比較例20で得たニンジン加工品を配合した飼料を摂取したマウスに比較して、有意に盲腸内短鎖脂肪酸濃度が高く(p<0.05 vs比較例7)、腸内pHが低くなることが確認された。
また、実施例11で得たニンジン加工品を配合した飼料を摂取したラットでは、内臓脂肪重量が有意に低下した(p<0.05 vs比較例7)。
上記表4と表6より、実施例11、比較例1及び比較例20で得たニンジン加工品の総セルラーゼ吸着量と盲腸内容物のpHとの関係を調べると、総セルラーゼ吸着量が大きい程に盲腸内容物のpHは低く、両者には相関関係があることが確認された。

Claims (6)

  1. 次の工程(A)及び(B):
    (A)野菜及び/又は果物に対し、エンドグルカナーゼ活性として100〜1,300EGU/gのセルラーゼ及び/又は4,000〜50,000PG/gのペクチナーゼを、野菜及び/又は果物に含有される水不溶性食物繊維質量の1〜100質量%添加し、1〜45分間の酵素処理を行う工程、
    (B)前記酵素処理後の野菜及び/又は果物に、5〜120MPaの圧力で高圧ホモジナイザー処理又は2枚以上の刃もしくは多層櫛歯を備えた回転カッター式装置を用いた剪断処理を行う工程
    を含む、野菜及び/又は果物の加工食品の製造方法。
  2. 工程(A)における酵素反応温度が20〜60℃である請求項1記載の野菜及び/又は果物の加工食品の製造方法。
  3. 工程(B)における高圧ホモジナイザー処理の処理圧力が5〜100MPaである請求項1又は2記載の野菜及び/又は果物の加工食品の製造方法。
  4. 請求項1〜のいずれか1項記載の方法により得られた野菜及び/又は果物の加工食品を含む食品。
  5. 次の(i)〜(iii):
    (i)平均粒径が150μm以下、
    (ii)水不溶性食物繊維量が0.5g/100g−野菜及び/又は果物の加工食品以上、
    (iii)以下の方法で測定される総セルラーゼ吸着量が200mg/100g−野菜及び/又は果物の加工食品以上、
    を満たす野菜及び/又は果物の加工食品。
    [総セルラーゼ吸着量の測定方法]
    1.野菜及び/又は果物の加工食品(以下、試料ともいう)を超純水にて希釈し、吸引ろ過(ろ紙:H020A090C ADVANTEC製)にて固形分を得る。この固形分を乾熱器を用いて105℃において12時間以上乾燥させて水不溶性固形分とする。また、乾燥後の水不溶性固形分の重量を測定し、以下の式(1)より試料100g当たりの水不溶性固形分量を算出する。
    水不溶性固形分量(g/100g−試料)=乾燥後の水不溶性固形分重量(g)/希釈前の試料重量(g)×100(%)×100(g)・・・・・(1)
    2.試料に次に示す人工胃液を添加し、37℃において1時間振とうを行う。その後水酸化ナトリウム水溶液にてpH6.5に調整した後、人工腸液を添加しさらに37℃にて4時間振とうを行う。振とう後、人工消化液に含まれる酵素を失活するために、95℃以上で5分間加熱を行い、処理液を得る。
    <人工消化液>
    ・人工胃液(第十四版改正日本薬局方に準拠した崩壊試験第1液(pH1.2)及びペプシン)
    ・人工腸液(空腹時人工腸液*1(FaSSIF、pH6.5)、パンクレアチン及びRIA抽出液(ラット小腸抽出液))
    (*1:E.Galia et al.,Pharm Res、1998年5月、第15巻第5号、p.698−705)
    3.上記2.で得た処理液を低温恒温器にて1℃に冷却した後、処理液3mLに対しセルラーゼ(セルクラスト1.5LFG、700EGU/g、ノボザイムズ(株)製)を50μL〜500μLの間で任意量添加し、1℃において15分間振とうさせ、セルラーゼを吸着させる。吸着後、速やかに遠心分離機を用いて15000r/min、1℃において5分間処理を行い、遠心上精を回収する。回収した上精のタンパク量をプロテイン測定キット(Quick Startプロテインアッセイ、バイオラット社製)を用いて測定し、ラングミュアの吸着等温式より最大セルラーゼ吸着量(mg/g−水不溶性固形分)を求める。
    4.上記3.で求めた最大セルラーゼ吸着量に、上記1.の試料100g当たりの水不溶性固形分量を乗じ、その値を総セルラーゼ吸着量とする。
  6. ニンジン加工品である請求項記載の野菜及び/又は果物の加工食品。
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