JP6624923B2 - エレベータ用巻上機の防音装置、エレベータ用巻上機及びエレベータ - Google Patents
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Description
ステータカバー5は、複数枚用いて、円筒状に形成されている。本実施の形態では、ステータカバー5が、ステータカバーA50と、ステータカバーB51と、で構成されている場合を例に示している。つまり、ステータカバー5は、2分割状態となっている。
ステータカバーA50及びステータカバーB51には、それぞれ複合制振材100が固着される。
吸込み面カバー6の外側表面には、複合制振材及び吸音層で構成された多段複合層材70が固着する。
なお、防音装置を構成している複合制振材100、多段複合層材70については、後段で詳細に説明する。
図4は、防音装置が利用される巻上機150のモータで発生する振動状態を説明するための説明図である。図4(a)が振動レベルを色の濃淡で示す表示例である。図4(b)がモータ部3の側面図である。図4(c)がステータカバー5の振動状態の一例を示す概略図である。図4(d)がステータカバー5の振動状態の一例を示す概略図である。
モータ部3のロータが回転すると、ステータとロータとの磁石のギャップ間で電磁振動が発生する。これらの振動は、ステータを介して、ステータカバーA50、ステータカバーB51、及び、吸込み面カバー6に伝達される。
ステータカバー5に伝搬したステータからの振動は、分割した円弧状態となっているステータカバー5の円弧の大きな部分を中心として上下振動を行う。これは、ステータカバー5の端部が固定されているために、端部では大振幅の振動が発生しにくい状況となるが、円弧の中心部分は強制的な固定が行なわれないので大振幅の振動が発生しやすい条件となっているからである。この振動状態は「縦波」でもあり、ステータカバー5は図4(c)に示すような太鼓状となって振動する。
この複合制振材100は、高分子系材料と合成ゴム系材料の2種類以上の層を成して構成されており、何れかの層の一面には、制振を行わせる材料(本実施の形態の場合はステータカバー)に固着させるための粘着層115を保有している。図6に示すように、複合制振材100は、第1の制振層111、第2の制振層112によって、構成されている。
複合制振材100を構成する各材料について説明する。
なお、第1の制振層111を構成する各材料の結合状態を強めるために、混錬及び制振材としての平板に成形するときに、150度前後の熱を掛けて(熱処理を施し)、融解を起こさせるようにしている。そして、第1の制振層111は、硬度が30度ほどになるように処理される。
第2の制振層112は、合成ゴム系材料を主成分として構成されている。
第2の制振層112は、特に横波への対応を発現、追従させるために、制振層の動きとしては柔らかめの硬度を有する。
この材料を130度前後で熱処理して混錬することで内部混錬したウレタンが混錬材料内で材料の水平方向に対して連続発泡する。
イソブチレンによる粘着性の高さと、ブチル系とウレタン樹脂との混錬により、材料は硬度20度以下の柔らかい材料構成となり、材料全体が動きやすくなる。この動き良さが、材料の横波や表面波の振動に追従し、振動吸収によって振動エネルギを熱エネルギとして消耗することで、結果的に振動減衰をもたらすことができる。
最後に、複合制振材100のどちらかの面にステータカバー5に装着するための粘着層115を固着する。
ステータカバー5に装着した複合制振材100には、ステータカバー5の振動が伝搬し、特に円弧部分での振幅が大きい低周波帯域の振動モードが発生しやすく、縦波振動が発生することとなる。この振動を第1の制振層111で振動減衰させる。
これにより、ステータカバー5から放射されるモータ部3の振動音は減衰され、これに伴う低騒音が実施できる。
但し、複合制振材100には従来のような重比重の金属材料などを含まないために、重量及び厚みは2mm〜4mm程の厚みを持つ程度のものであり、従来のような重量則に伴うような過重量になることはない。
吸込み面カバー6には複合制振材及び吸音層の多段複合層材70を用いて、面振動と遮音(=吸音)の要素を発現するようにしている。つまり、多段複合層材70は、複合制振材100、樹脂膜吸音層200により構成されている。
吸込み面カバー6からの音放射には、板振動に寄与しない『透過音』も含まれるために、複合制振材100の外周面に任意の厚みを有する樹脂膜吸音層200を保持する。
樹脂膜吸音層200は、吸音層201と吸音層201の表面となる部分に樹脂薄膜層205とで構成されている。
図9は、本実施の形態に係る防音装置に用いる複合制振材100の温度特性を説明するための説明図である。図9の横軸は材料への暴露温度を、縦軸は損失係数を、それぞれ示している。
モータの回転が多い運転時は、モータの回転に伴い、モータ自体の温度が上昇する。この際、モータ部3及びステータカバー5の表面温度は、70度以上になる。
一方、第2の制振層112は500Hz以上の高周波帯域において振動減衰効果を発揮する。これは、高周波振動は横波及び表面波振動が寄与していることが主因にある。
この2つの特性によりそれぞれの振動減衰を受け持つ制振層を複合して用いることで、複合制振材100は、広い周波数特性で減衰効果を発現できる。
Claims (11)
- モータを備えたエレベータ用巻上機の防音装置であって、
前記モータを構成するステータの外周を覆うステータカバーの外周面及び内周面の少なくとも一方に設けられた複合制振材と、
前記ステータカバーの一つの側面を覆う吸込み面カバーの外面及び内面の少なくとも一方に設けられた多段複合層材と、を有し、
前記複合制振材は、
高分子系材料を主成分とした第1の制振層と、
合成ゴム系材料を主成分とした第2の制振層と、を有し、
前記第1の制振層と前記第2の制振層とは熱溶着されており、
前記第1の制振層は、金属紛体を主原料としたフィラーを前記高分子系材料に混練させて構成されている、
エレベータ用巻上機の防音装置。 - 前記第1の制振層は、
熱処理を施して硬度が30度にされる
請求項1に記載のエレベータ用巻上機の防音装置。 - 前記第2の制振層は、
ブチル系を主原料として、ウレタン樹脂を混錬させて構成されている
請求項1又は2に記載のエレベータ用巻上機の防音装置。 - 前記第2の制振層は、
硬度が20度以下にされる
請求項3に記載のエレベータ用巻上機の防音装置。 - 前記複合制振材は、
布材を持つ粘着層で前記ステータカバーに固着される
請求項1〜4のいずれか一項に記載のエレベータ用巻上機の防音装置。 - 前記多段複合層材は、
前記複合制振材と、
樹脂薄膜層を表面に持つ吸音層と、を有し、
前記複合制振材と前記吸音層とは熱溶着されている
請求項1〜5のいずれか一項に記載のエレベータ用巻上機の防音装置。 - 前記吸音層は、
パルプ系繊維とケブラー繊維とを混ぜ合わせて構成されている
請求項6に記載のエレベータ用巻上機の防音装置。 - 前記樹脂薄膜層は、
熱溶融材を用いて前記吸音層に固着される
請求項6又は7に記載のエレベータ用巻上機の防音装置。 - 前記吸音層の端部は、
粘着剤を熱溶着することで塞いでいる
請求項6〜8のいずれか一項に記載のエレベータ用巻上機の防音装置。 - 請求項1〜9のいずれか一項に記載のエレベータ用巻上機の防音装置と、
前記ステータカバーの他側面側の上部に設けられ、回転することにより吸込み口から前記ステータカバー内に空気を進入させる冷却ファンと、
を備えた
エレベータ用巻上機。 - 請求項10に記載のエレベータ用巻上機を備え、
前記エレベータ用巻上機に備えられているモータが回転駆動されることでロープを巻き回し、前記ロープに連結されているかごを昇降する
エレベータ。
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