JP5787947B2 - 防音装置、エレベータ用巻上機及びエレベータ - Google Patents

防音装置、エレベータ用巻上機及びエレベータ Download PDF

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Description

本発明は、防音装置、エレベータ用巻上機及びエレベータに関するものである。
従来から、エレベータ用巻上機(以下、「巻上機」と称する場合がある)から発生する騒音を低減するようにしたエレベータ用巻上機の防音装置が存在している。そのようなものとして、予測された騒音波形の位相と逆位相を有する騒音打ち消し用の音信号を生成し、この音信号を実際の音に変換して放射するようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この防音装置によれば、騒音打ち消し用の音信号から変換された音の放射により騒音を打ち消すことが可能になっている。
特許第2772149号公報(3、4ページ等)
通常、エレベータは、加速、定速、減速が繰り返されて運転されている。また、エレベータの昇降距離は、利用者次第であり、不規則なものである。その結果、巻上機からの騒音は刻一刻と著しく変化する。このため、特許文献1に記載されているような防音装置においては、消音信号を瞬時に計算しなければならず、またこの消音信号をリアルタイムで放射する消音用スピーカが多く必要となる。
この発明は、上述の課題を背景になされたもので、モータ部などの駆動源から発生する騒音を簡単な構成で低減することができる防音装置、この防音装置が搭載されたエレベータ用巻上機、及び、このエレベータ用巻上機を備えたエレベータを提供することを目的としている。
本発明に係る防音装置は、駆動源となるモータ部の外周に設けられる防音装置であって、第1吸音層と、第2吸音層と、前記第1吸音層と前記第2吸音層との間に形成される空気室と、を備え、前記第1吸音層、前記空気室、及び、前記第2吸音層は、前記駆動源に近い方から前記第1吸音層、前記空気室、前記第2吸音層の順に配置され、前記第1吸音層及び前記第2吸音層は、表面に吸音膜が形成されているものである。
本発明に係るエレベータ用巻上機は、モータ部が回転駆動されることでロープを巻き回し、前記ロープに連結されているかごを昇降するエレベータ用巻上機であって、上記の防音装置を、前記モータ部の外周に搭載したものである。
本発明に係るエレベータは、上記のエレベータ用巻上機を備えたものである。
本発明に係る防音装置によれば、簡単な構成で、駆動源に起因して発生する騒音を低減することができる。
本発明に係るエレベータ用巻上機によれば、上記の防音装置が搭載されているので、モータ部に起因して発生する騒音を、簡単な構成で低減することができる。
本発明に係るエレベータによれば、上記のエレベータ用巻上機を備えているので、エレベータ用巻上機を構成しているモータ部に起因して発生する騒音を、簡単な構成で低減することができる。
本発明の実施の形態1に係る防音装置が搭載されたエレベータ用巻上機の概略構成を示す概略側面図である。 本発明の実施の形態1に係る防音装置、巻上機、エレベータの構成を概略的に示す概略側面図である。 本発明の実施の形態1に係る巻上機を吸込み面側から見た概略構成を示す概略正面図である。 本発明の実施の形態1に係るエレベータ用巻上機のモータ部の内部を吸込み面側から見た概略内部構成図である。 本発明の実施の形態1に係るエレベータ用巻上機に搭載されている防音装置の一部を拡大して示す一部拡大図である。 本発明の実施の形態1に係るエレベータ用巻上機に搭載された防音装置の吸音率特性を説明するための説明図である。 本発明の実施の形態2に係るエレベータ用巻上機の防音装置が搭載されたエレベータ用巻上機のモータ部の内部を吸込み面側から見た概略内部構成図である。 本発明の実施の形態2に係るエレベータ用巻上機に搭載された防音装置の騒音低減効果を分析した周波数特性を説明するための説明図である。
以下、図面に基づいてこの発明の実施の形態について説明する。なお、図1を含め、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。また、図1を含め、以下の図面において、同一の符号を付したものは、同一又はこれに相当するものであり、このことは明細書の全文において共通することとする。さらに、明細書全文に表わされている構成要素の形態は、あくまでも例示であって、これらの記載に限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る防音装置(以下、防音装置100と称する)が搭載されたエレベータ用巻上機(以下、巻上機200と称する)の概略構成を示す概略側面図である。図2は、防音装置100、巻上機200、エレベータ300の構成を概略的に示す概略側面図である。図3は、巻上機200を吸込み面側から見た概略構成を示す概略正面図である。以下、図1〜図3を参照しながら、防音装置100、巻上機200及びエレベータ300について説明する。なお、図2には、冷却ファン8によって形成される空気の流路を破線矢印で表している。また、図1〜図3には、防音装置100を省略した状態を図示している。
防音装置100は、巻上機200に搭載され、巻上機200を備えたエレベータ300が設置される建物の最上階に設けられている機械室500に収容されている巻上機200の回転駆動に伴う振動に起因して発生する騒音を低減するようにしたものである。エレベータ300とは、ビル等などの建物に設置され、電力等の動力を用いて人や貨物をかごを介して上下に運搬する装置である。また、巻上機200は、モータ部が回転駆動されることで、ロープを巻き回し、ロープに連結されているかごを昇降する装置である。巻上機200のモータ部の駆動により、巻上機200から騒音が発生する。
図2に示すように、エレベータ300は、巻上機200、建物構造体1の上面に設けられ、巻上機200を下方から支持する支持台座2、建物の各階を上下方向に貫いている昇降路501内に設置され、巻上機200のロープ巻上回転部4に巻き回されたロープ201の一端に取り付けられたかご302、ロープ201の他端に取り付けられたバランス錘303等により構成されている。かご302及びバランス錘303は、ロープ201によって、上下方向に走行する。このとき、かご302及びバランス錘303は、図示省略のガイドレールに案内されて上下方向に走行する。
ロープ201のうち、かご302に取り付けられるロープ201をロープ201Aと称する。ロープ201のうち、バランス錘303に取り付けられるロープ201をロープ201Bと称する。ロープ201A及びロープ201Bは、たとえば図3に示すようにそれぞれ一対ずつ設けられている。ロープ201A及びロープ201Bの本数や種類(材質)、強度等は、エレベータ300に応じて決定されるものであって、特に限定されるものではない。
なお、図示省略しているが、エレベータ300は、巻上機200を制御する加速機、定速機、減速機、インバータ電源等を有する制御装置を備えている。具体的には、制御装置は、巻上機200を構成するモータ部3の駆動を制御する。また、制御装置は、モータ部3の駆動に連動させるように冷却ファン8の駆動も制御する。
昇降路501は、建物構造体1及び支持台座2によって囲まれた空間である。一般的には、昇降路501には各階のエレベータホール502が乗降口503を介して連なっている。乗降口503にはドア504が設けられており、ドア504が開放されることによって、昇降路501とエレベータホール502とが連通することになる。ただし、ドア504が開放される際には、開放されたドア504に対応する位置にかご302が停止しているため、乗降口503を介してかご302が停止したエレベータホール502と連通することになる。なお、図1及び図2に示すように、支持台座2にダンパ装置301を設置し、ダンパ装置301を介して巻上機200を設置するとよい。
巻上機200は、支持台座2の上面に設けられる。巻上機200は、モータ部3と、モータ部3の駆動力により回転するロープ巻上回転部4を備えている。ロープ巻上回転部4が回転することにより、ロープ201の巻上げ又は巻下げが行われる。ロープ巻上回転部4によってロープ201が巻上げられた場合、エレベータ300のかご302が上昇する。これに対し、ロープ巻上回転部4によってロープ201が巻下げられた場合、かご302が下降する。この際、かご302は、利用者の都合に応じて、加速、定速、減速を繰り返す。速度制御には、上述したように一般的にはインバータ電源が用いられる。
モータ部3の内部には、モータ202(図4参照)が設けられる。そして、モータ202の外周面を覆うように、ステータカバー5が配置される。ステータカバー5は、円筒状に形成されている。そのため、ステータカバー5は、ロープ巻上回転部4側、及び、ロープ巻上回転部4側とは反対側が開放されている。ステータカバー5のロープ巻上回転部4側とは反対側の開口部は、吸込み面カバー6によって覆われる。吸込み面カバー6の中央には、吸込み口7が形成されている。ステータカバー5のロープ巻上回転部4側は、開口部を介してロープ巻上回転部4が接続されている。
また、ステータカバー5のロープ巻上回転部4側の上部には、2つの冷却ファン8が設けられる。モータ202の回転が多く行われる場合には、冷却ファン8が回転する。つまり、冷却ファン8は、モータ202を冷却する機能を果たす。冷却ファン8が回転することにより、空気が吸込み口7からモータ部3の内部に進入する。モータ部3の内部に進入した空気は、風となってモータ202を冷却する。モータ202を冷却した空気は、冷却ファン8の吹出口8aを介してモータ部3の外部に放射される。つまり、モータ部3は、吸込み口7及び冷却ファン8の吹出口8aを介して、外気と連通するようになっている。
なお、冷却ファン8は、軸流型送風機、遠心型送風機(代表的なものにシロッコファン)、又は多翼式送風機と呼ばれるもの、あるいはターボ型送風機の何れを用いてよく、これら全ての方式の送風機を含む概念である。また、図1では、冷却ファン8をステータカバー5のロープ巻上回転部4側の上部に設けた場合を例に図示しているが、冷却ファン8の設置位置を特に限定するものではなく、モータ部3の内部に冷却空気を吸込めるような位置に冷却ファン8を設置すればよい。さらに、冷却ファン8の個数も2つに限定するものではない。
図3を用いて、吸込み面カバー6、吸込み口7、冷却ファン8について詳しく説明する。図3に示すように、吸込み面カバー6は、環状に形成されている。つまり、吸込み面カバー6は、円筒状に形成されているステータカバー5のロープ巻上回転部4側とは反対側の開口部を覆うため外周が周状に形成され、中央に吸込み口7が形成されていることで、全体として環状になっている。
吸込み口7は、吸込み面カバー6の中央を軸方向に貫通するように形成されている。吸込み口7が形成されることによって、モータ部3の内部に空気が吸込まれることになる。そして、吸込み口7には、フィルタ7aが設けられる。このフィルタ7aは、モータ部3に吸込まれる空気に含まれている塵埃を捕集する。冷却ファン8は、たとえばステータカバー5の上部の両側に設けられる。なお、フィルタ7aの種類を特に限定するものではなく、またフィルタ7aを交換可能にしておくとよい。
図4は、巻上機200のモータ部3の内部を吸込み面側から見た概略内部構成図である。図4に基づいて、モータ部3について詳しく説明する。図4に示すように、モータ部3には、モータ202が内蔵されている。モータ202は、外周側に位置するステータ9と、ステータ9の内周側に位置するロータ10と、を備えている。
ステータ9は、円筒状に形成されている。ステータ9は、ステータカバー5の内周側の任意位置に直接固定される。ステータ9にはコイルが装着され、このコイルに流れる電流によって回転磁界を発生し、ロータ10を回転させるようになっている。
ロータ10は、ステータ9の内側でステータ9の内周面との間に隙間を空けて配置される。ロータ10は、磁石が設けられ、ステータ9に通電がされることで回転する。ロータ10の中心には、シャフト10aが固定されている。
ステータ9の一側面側(図2の紙面左側、図3の紙面手前側)には、吸込み面カバー6と吸込み口7とが配置されている。これに対し、ステータ9の他側面側(図1の紙面右側、図4の紙面奥側)には、開口部が形成されている。これにより、ロータ10とロープ巻上回転部4とがシャフト10aを介して連結される。このため、ロープ201の巻上げや巻下げのためにロータ10が回転すると、回転力がシャフト10aを介してロープ巻上回転部4に伝達され、ロープ201が巻上げられたり、巻下げられたりする。
ロータ10が回転することに伴い、ステータ9とロータ10との磁石のギャップ間で電磁振動が発生する。加えて、巻上機200からは、モータ部3の駆動に伴う回転振動も発生する。つまり、巻上機200からは、電源成分に伴う様々な周波数の固体伝播音や空気伝播音の振動が発生する。これらの振動は、ステータ9を介して、ステータカバー5、吸込み面カバー6に伝達されることになる。ステータカバー5、吸込み面カバー6に伝達された振動は、騒音となって巻上機200の外部に放射される。
そこで、巻上機200に防音装置100を搭載するようにしている。防音装置100は、モータ部3の駆動、具体的にはロータ10の回転によって発生する騒音を低減するようにしたものである。図4に示すように、防音装置100は、第1吸音層13、第2吸音層14、第1吸音層13と第2吸音層14との間に形成される空気室15を備えている。第1吸音層13は、ステータカバー5の外周面全体を外側から覆うように配置される。そして、第2吸音層14は、空気室15を介して、第1吸音層13の全体を外側から覆うように配置される。
図5は、巻上機200に搭載されている防音装置100の一部を拡大して示す一部拡大図である。図5に基づいて、防音装置100の消音機構について詳しく説明する。上述したように、防音装置100は、第1吸音層13、第2吸音層14、空気室15を備えている。空気室15は、例えばパルプ系繊維によるハニカム状に成形した任意の厚みを持つ壁面形態16を成している。具体的には、任意の厚みを持つパルプ系繊維に複数の開口を形成して所定の容積を有する空気室15を形成している。そして、壁面形態16は、開口と開口との間に形成されている各開口の壁面で構成されている。
この配置により、任意の空間容積を持つ空気室15を、第1吸音層13と第2吸音層14との間に形成することが可能になっている。空気室15に位置する壁面形態16によって、第2吸音層14を空気室15の外周側に保持している。
各吸音層(第1吸音層13、第2吸音層14)は、パルプを主原料とした繊維と、ケイ素などの無機繊維とで織り込んだ、難燃特性を有する綿状態となっている。各繊維の線径は10ミクロン以下、繊維長は100ミクロン以上で構成しており、任意の厚みになるように繊維を積層させて各吸音層を形成している。また、各吸音層の両表面(モータ部3に向かう面とその面の反対面)には、1mm厚前後に成形した吸音膜17を固着している。この吸音膜17は、例えばパルプ及びPP(ポリプロピレン)の少なくとも1つ等を主原料とした繊維状の材料を膜状に成形したものであり、比較的低い周波数帯域への吸音率の拡大を図るものである。
騒音は以下のようにして低減される。
巻上機200では、モータ部3の駆動に伴う振動や、電源成分に伴う様々な周波数の振動が騒音となってステータカバー5側から放射される。そこで、巻上機200は、ステータカバー5の外周に防音装置100を搭載している。そのため、ステータカバー5側から放射された様々な周波数の騒音の音波(固体伝播音や空気伝播音)は、防音装置100に入射することになる。
音波は、第1吸音層13に最初に入射して、第1吸音層13の厚みに応じた比較的高い周波数帯域が減衰される。第1吸音層13は、吸音(消音)したい周波数の少なくとも1/4波長以上の厚みを持って構成する。例えば、5kHz前後の周波数の音波を第1吸音層13で消音したい場合、5kHzの波長は以下のようになる。
λ(一波長)=C(音速)/f(周波数)・・・・・式(1)
ここで、C=331.5+0.6t、t=温度である。
使用している温度環境が40℃の場合、C=331.5+0.6*40で、C=355.5m/Sとなる。そして、式(1)から、λ=355.5/5000≒0.07となる。つまり、一波長は0.07mとなり、1/4波長は0.0175mとなる。よって、第1吸音層13の厚みは、寸法公差も考慮して、少なくとも0.0175m(約2cm)必要となる。
次に音波は、空気室15に入射する。空気室15は、吸音材(第1吸音層13、第2吸音層14)によって両面を塞がれた空間となっており、外部の空気環境とは一応の遮断が行われている。この空気室15に入射してきた「音」は空気室15の空間全体に放射するが、空気の圧力によって「音」のエネルギーが消耗される。そのため、第1吸音層13を透過した比較的低い周波数の音響エネルギーは、空気室15の空気に暴露され、音響エネルギーが消耗することになる。よって、空気室15を大きく確保できれば、消音したい周波数帯域と音圧レベルを調整することができる。
次に、空気室15を通過した音波は、更なる第2吸音層14に入射する。第2吸音層14の厚みを第1吸音層13と同じ厚みにした場合、防音装置100の全体の厚みは0.5m前後となる。そのため、1/4波長とした場合の対応周波数は、200Hz前後の周波数帯域から音響エネルギーを減衰する消音効果を期待できる特性傾向を有する。
以上のように、防音装置100では、2つの吸音層と1つの空気室に音波を通過させることで、モータ部3のロータ10回転時の騒音の音響エネルギーを減衰することが可能になる。
各吸音層の表面に固着成形した吸音膜17は、両面が同仕様の膜で成形する場合と、両面が別仕様の膜で成形する場合がある。なお、従来にも、吸音材の表面にゴム材を固着して、遮音効果を出させるような吸音材が存在していたが、吸音材としての重量ばかりが増加するだけで、コストアップの遮音効果を十分発揮できるような仕様にはなっていなかった。
また、遮音できるとの理由からゴム材を吸音材に貼り付けた表面処理を行っている場合が多い。しかしながら、駆動時に温度上昇を伴うモータ部等への搭載は、モータ部の放熱ができなくなってしまう問題や、振動と共にゴム材も一緒に振動してしまい、共振現象のために振動音が低減できない問題などが発生してしまい、異種材料を用いての効果はなかった。
各吸音層の両面を同仕様の吸音膜17で構成した場合、基本的には、流体を伴う構造体に設置しても各吸音層が飛散防止の目的も兼ねている。
各吸音層の両面で別仕様の吸音膜17で構成した場合、後述する、低減したい低周波帯域の幅を広げるときに、膜の厚みを、例えば2mm厚にすることなどがある。
また、音の入射を妨げないように、吸音膜17は、線径が10ミクロン以上、繊維長が500ミクロン以上の繊維を織り上げ、1mm厚程に圧縮成形しており、空気の通過量を確保している。
また、吸音膜17を各吸音層に固着する方法としては、例えば、製造工程的に各吸音層に膜を載せた段階で、吸音膜17の上面から鈎針状の針を任意間隔で差し込むことで、各吸音層と吸音膜17の繊維同士を絡ませるように処理するとよい。こうすることで、各吸音層に載せた吸音膜17が脱落しないように処理できる。よって、処理時に接着剤は用いない。これは、接着剤による膜が音の進入を防いでしまい、音の低減効果の減少を防ぐためである。
各吸音層と吸音膜17とは、繊維同士の結合手段により、各吸音層の表面では吸音膜17が振動しやすい状況が起きる。音の圧力変動が吸音膜17に到着した時点で、膜全体の振動が発生する。吸音膜17は、本来、比較的太い繊維径と繊維長で成形しており、膜全体に空気層を保持している。吸音膜17への音響エネルギーの進入は、膜振動と膜内の空気層の両方で、エネルギー消耗が発生するが、面全体の振動による固有振動分に近似する周波数前後での音響エネルギーの消耗が行われ、音響減衰効果が発揮される。吸音膜17は、比較的広い面を有しているために、吸音膜17で低減する周波数は、比較的狭い帯域での吸音効果を発揮する。
図6は、巻上機200に搭載された防音装置100の吸音率特性を説明するための説明図である。図6に基づいて、防音装置100の吸音効果について説明する。なお、図6の縦軸に示す吸音効果は吸音率と称し、最大100%で提示する。また、図6の横軸は、周波数を示している。
図6において、実線は各吸音層(第1吸音層13、第2吸音層14)だけの吸音に関する周波数特性を、破線は吸音膜17を各吸音層(第1吸音層13、第2吸音層14)に固着した場合の吸音に関する周波数特性を、それぞれ表している。この図6からもわかるように、実線で示す各吸音層単体の場合は、比較的高周波帯域での低減効果を発揮している。具体的には、各吸音層単体の場合は、比較的高周波帯域である電磁騒音成分(図6に示すf2)の低減に大きく寄与する。
一方、破線で示す各吸音層単体+吸音膜17の場合は、吸音が低い周波数帯域から発生し、比較的高周波帯域までの低減効果を発揮していることが確認できる。具体的には、各吸音層単体+吸音膜17の場合は、比較的高周波帯域である電磁騒音成分(図6に示すf2)だけでなく、比較的低周波数である回転振動成分(図6に示すf1)の低減にも大きく寄与する。
以上より、防音装置100は、両表面に吸音膜17が固着された第1吸音層13、両表面に吸音膜17が固着された第2吸音層14、第1吸音層13と第2吸音層14との間に形成される空気室15と、で構成され、巻上機200のモータ部3のステータ9の外周を覆うステータカバー5の外周面に設けられる。これにより、巻上機200のステータカバー5の外周面から放射される様々な周波数の騒音(固体伝播音や空気伝播音)の音響エネルギーを消耗することができる。よって、防音装置100によれば、簡単な構成で、巻上機200の騒音を低減できる。
また、巻上機200によれば、防音装置100が搭載されることによって、防音のための構成を複雑なものにすることなく、騒音の低減化を図れることになる。
さらに、エレベータ300によれば、巻上機200を備えているので、騒音の発生が低減されたものになっている。
本実施の形態1では、ステータカバー5の外周表面に防音装置100を搭載しており、外観的に防音装置100を構成している吸音層等が露出している。これにより、既に設置した巻上機200に対して、後付け処理も行えるようになっており、防音装置100を構成している吸音膜等の表面を様々に着色することなどが可能で、モータ部3のデザイン処理も行える。
なお、第1吸音層13と第2吸音層14との中間に位置する空気室15の壁面形態16をハニカム状に形成した場合を例に説明したが、空気室15が確保できれば、壁面形態16をハニカム状以外の形状で構成してもよい。例えば、PP(ポリプロピレン)やPET(ポリエチレンテレフタレート)等の樹脂線材等で織り上げた骨材で所定の容積を有する空気室15を確保するようにしてもよい。この場合の骨材は、外部からの圧縮行為等で空気室15が潰れないように、空気室15が確保できる材料選択が必要であり、10mmから50mm前後の繊維長で、繊維径を1mm前後に成形した樹脂線材を選択するとよい。
実施の形態2.
図7は、本発明の実施の形態2に係るエレベータ用巻上機の防音装置(以下、防音装置100Aと称する)が搭載されたエレベータ用巻上機(以下、巻上機200Aと称する)のモータ部3の内部を吸込み面側から見た概略内部構成図である。図7に基づいて、防音装置100A及び巻上機200Aについて説明する。この実施の形態2では、実施の形態1と同一部分には同一符号を付し、実施の形態1との相違点を中心に説明するものとする。
実施の形態1に係る防音装置100は、ステータカバー5の外周面に設置されるようにしていたが、実施の形態2に係る防音装置100Aは、ステータカバー5の内周面に設置されるようにしている。その点で、巻上機200Aは、巻上機200と相違しているが、それ以外の構成については実施の形態1と同様である。そのため、便宜的に実施の形態1に係る巻上機200と区別するために、巻上機200Aと称して説明する。また、防音装置100Aの構成は、実施の形態1に係る防音装置100と同様であるが、搭載位置が相違しているために、防音装置100Aと称して説明する。
具体的には、図7に示すように、巻上機200Aは、モータ部3のステータ9の周囲に防音装置100Aを搭載して、防音装置100の最も外周となる部分にステータカバー5を設置している。これは、モータ部3の設計段階から、モータ部3の内部に防音装置100を形成するものであり、外観的に防音装置100を構成している吸音層等が見えないものになっている。
図8は、巻上機200Aに搭載された防音装置100Aの騒音低減効果を分析した周波数特性を説明するための説明図である。図8に基づいて、防音装置100Aの吸音効果について説明する。なお、図8の縦軸は音圧レベルレスポンス(dB)を示し、図8の横軸は周波数(Hz)を示している。
図8では、f1の帯域は、モータ部3の回転周期やモータ部3の回転に伴う筐体振動成分が主のピーク周波数成分を、f2の帯域は、モータ部3を駆動するインバータ電源が起因して発生するピーク周波数成分を、それぞれ示している。また、図8では、実線が騒音対策前の周波数特性を、破線が騒音対策後の周波数特性を、それぞれ示している。図8から、防音装置100Aの搭載により、周波数特性のピーク周波数成分が減衰していることがわかる。
なお、各吸音層(第1吸音層13、第2吸音層14)の主原料は、実施の形態1で説明したようにパルプ系であり、温度変化には寄与しない。そのため、モータ部の回転時の温度上昇は、場合によっては80度以上の高温にあるが、従来の樹脂系繊維では、モータ部の発熱による高温に曝されて、樹脂が柔くなる等の影響から、吸音層の形態変化やこれによる吸音効果の減少があった。それに対し、防音装置100Aでは、自然界の材料による繊維を各吸音層(第1吸音層13、第2吸音層14)に用いることで、周囲温度への影響を殆ど受けることがなくなった。よって、防音装置100Aによれば、吸音効果の維持ができ、且つ、熱変動による材料劣化の影響も無くなった。
また、自然素材であるパルプ系樹脂は、パルプそのものの「匂い」を含んでおり、木の香りを自然発散する。そのため、モータ部3の各吸音層(第1吸音層13、第2吸音層14)からはパルプの匂いが発散し、空間(図1に示した機械室500)の快適性向上にも貢献する。
以上より、防音装置100Aは、両表面に吸音膜17が固着された第1吸音層13、両表面に吸音膜17が固着された第2吸音層14、第1吸音層13と第2吸音層14との間に形成される空気室15と、で構成され、巻上機200Aのモータ部3のステータ9の外周を覆うステータカバー5の内周面に設けられる。これにより、巻上機200Aのモータ部3から放射される様々な周波数の騒音(固体伝播音や空気伝播音)の音響エネルギーを消耗することができる。よって、防音装置100Aによれば、簡単な構成で、巻上機200Aの騒音を低減できる。
また、巻上機200Aによれば、防音装置100Aが搭載されることによって、防音のための構成を複雑なものにすることなく、騒音の低減化を図れることになる。
さらに、エレベータ300によれば、巻上機200Aを備えているので、騒音の発生が低減されたものになっている。
また、各吸音層(第1吸音層13、第2吸音層14)の厚みを確保できる場合は、一つの吸音層と空気室15との組合せによる消音構造により、巻上機200A(巻上機200も同様)の騒音低減を行うことができる。
なお、実施の形態1、2では、防音装置(防音装置100、防音装置100A)を巻上機(巻上機200、巻上機200A)のモータ部3へ搭載した例を説明したが、モータ部3を用いる各種製品、例えば家電製品の掃除機のモータ周囲、空調機の室外機の圧縮機周囲などに取り付けてもよい。
実施の形態1、2においては、騒音の発生要因別に複数のパッシブ対策手段が用いられる。このため、防音装置(防音装置100、防音装置100A)の軽量化、低コスト化、制御の安定化が実現される。その結果、巻上機(巻上機200、巻上機200A)の信頼性維持期間である例えば20年間、騒音対策が維持される。
1 建物構造体、2 支持台座、3 モータ部、4 ロープ巻上回転部、5 ステータカバー、6 吸込み面カバー、7 吸込み口、7a フィルタ、8 冷却ファン、8a 吹出口、9 ステータ、10 ロータ、10a シャフト、13 第1吸音層、14 第2吸音層、15 空気室、16 壁面形態、17 吸音膜、100 防音装置、100A 防音装置、200 巻上機、200A 巻上機、201 ロープ、201A ロープ、201B ロープ、202 モータ、300 エレベータ、301 ダンパ装置、302 かご、303 バランス錘、500 機械室、501 昇降路、502 エレベータホール、503 乗降口、504 ドア。

Claims (8)

  1. 駆動源となるモータ部の外周に設けられる防音装置であって、
    第1吸音層と、
    第2吸音層と、
    前記第1吸音層と前記第2吸音層との間に形成される空気室と、を備え、
    前記第1吸音層、前記空気室、及び、前記第2吸音層は、
    前記駆動源に近い方から前記第1吸音層、前記空気室、前記第2吸音層の順に配置され
    前記第1吸音層及び前記第2吸音層は、
    表面に吸音膜が形成されている
    防音装置。
  2. 前記モータ部の外周にはステータカバーが取り付けられており、
    前記第1吸音層、前記空気室、及び、前記第2吸音層は、
    前記ステータカバーの内周面側又は外周面側に配置される
    請求項1に記載の防音装置。
  3. 前記第1吸音層及び前記第2吸音層は、
    パルプを主原料とした繊維と、無機繊維と、を織り込んで形成されている
    請求項1又は2のいずれか一項に記載の防音装置。
  4. 前記第1吸音層及び前記第2吸音層は、
    難燃特性を有する綿状態に形成されている
    請求項に記載の防音装置。
  5. 前記吸音膜は、
    パルプ及びポリプロピレンの少なくとも1つを主原料とした繊維状の材料を膜状に成形して形成されている
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の防音装置。
  6. 前記空気室は、
    パルプ系繊維で形成した壁面形態又は樹脂線材で形成した骨材によって、前記第1吸音層と前記第2吸音層との間に容積を確保することで形成されている
    請求項1〜のいずれか一項に記載の防音装置。
  7. モータ部が回転駆動されることでロープを巻き回し、前記ロープに連結されているかごを昇降するエレベータ用巻上機であって、
    請求項1〜のいずれか一項に記載の防音装置を、
    前記モータ部の外周に搭載した
    エレベータ用巻上機。
  8. 請求項に記載のエレベータ用巻上機を備えた
    エレベータ。
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