JP2002128421A - エレベータ - Google Patents

エレベータ

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直昭 野口
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律 寺本
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治 関口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】シーブやプーリなどのエレベータの回転駆動部
品から発生する騒音を低減し、隣接するホールや居室に
おいて静粛な住環境を提供するエレベータを提供する。 【解決手段】プーリ1やシーブからの騒音は、これらの
側面の面外振動に起因するため、振動エネルギを吸収す
る合成樹脂4と金属プレート5を少なくとも側面の端縁
に固定することにより騒音を低減する。また、振動エネ
ルギを吸収する合成樹脂塗料を塗布することによって、
同様に騒音を低減することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エレベータの駆動
部品から発生する振動騒音の低減技術に関する。
【0002】
【従来の技術】エレベータの駆動部は、少なくとも駆動
用モータ、シーブ、ブレーキ、プーリにより構成され、
これらより発生する騒音が乗りかごや隣接居室に伝播し
て問題となりやすい。巻き上げ機の低騒音案は、減速機
を有する巻き上げ機の噛み合いより発生する騒音を低減
することを目的として、特開平7−69569号公報記
載の巻き上げ機全表面、巻き上げ機を支持するマシンベ
ッドを吸音効果のある樹脂で覆い、騒音低減を図るもの
である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来例では、シー
ブやプーリなどのエレベータの回転駆動部品から発生す
る騒音に関しては配慮がない。本発明は、回転駆動部品
であるプーリやシーブの表面から放射される騒音を低減
することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明では、エレベータ
において、プーリもしくはシーブの側面の端縁に、制振
効果のある部材を取り付けることによって、その弾性変
形の振動吸収作用により、プーリ側面の振動を抑制し、
発生する騒音を低減する。制振効果のある部材として
は、制振塗料や制振材、金属などを用いるとよい。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の適用範囲であるエレベー
タの概略図を図4に示し、対象とするプーリの概略図を
図3に示す。本発明の実施形態の一例を図1を用いて説
明する。
【0006】エレベータの昇降路内には、ガイドレール
28が設置され、このガイドレール28に沿って乗りかごが
上下に移動する。ロープ11は巻き上げ機26に連結したシ
ーブ25とプーリ1に巻かれ、一端には乗りかご23が、他
端にはつり合い重り24がそれぞれ2つの頂部に設置され
たプーリ1を介して連結されている。そして、昇降路下
部に設置された巻き上げ機26の回転に伴い、シーブ25と
プーリ1が回転し、乗りかご23が昇降する構造となって
いる。
【0007】図3は、プーリ1の組み込み状態を示す図
である。プーリ1が回転すると、ロープ11がロープ溝6に
円周接線方向に入射する。
【0008】ロープ11は、多数の線材がよられて一本の
ロープ11を形成しており、その表面は凹凸のある形状を
している。そのため、エレベータの昇降に伴って、ロー
プ11の凹凸がプーリ1のロープ溝6に入射すると、プーリ
1を連続的に加振することなる。これにより、プーリ1は
振動し、プーリ表面から音が放射されて、騒音となる。
図5は、プーリ1の固有モードの一例を示している。この
振動モードは、プーリ側面の端縁が大きく変形する面外
振動を起こすものであり、騒音に大きく影響を及ぼして
いることがわかった。
【0009】図1は本発明の実施形態の一例を示してい
る。本実施例は、プーリ1の側面に樹脂プレート4と金属
プレート5の少なくとも一方をプーリ1の側面の端縁のみ
に設置することにより、ロープ11に干渉することなく、
プーリ側面の面外振動を抑制する構造である。前記の振
動モードを抑制するため、変形量の大きい側面の端縁の
みにリング形状のプレートを取り付ける。樹脂プレート
4は、弾性変形により振動エネルギを吸収する合成樹脂
からなる。樹脂プレート4の上に、リング状の金属プレ
ート5を取付けることで、金属と合成樹脂との間のずり
変形によって制振の効果が得られる。
【0010】樹脂プレート4および金属プレート5は、エ
ポキシ系の接着剤等によってプーリ側面に強固に固定さ
れており、プーリ1の面外振動が合成樹脂に十分に伝播
し、振動エネルギが吸収されやすいようにする。
【0011】樹脂プレート4および金属プレート5の他の
取付け方法として、プーリ側面に穴をあけて、プーリ側
面にボルトで固定し、結合部のガタや摩擦により振動エ
ネルギを吸収することもできる。また、落下を防ぐた
め、端縁に貫通穴をあけて、リベット等で結合してもよ
い。
【0012】同様の作用により騒音を低減するため、制
振効果をもつ液状の合成樹脂塗料31をプーリ側面の少な
くとも端縁に塗布し、乾燥させることで、樹脂プレート
と同様に振動エネルギを吸収する構造としてもよい。合
成樹脂塗料31は、例えば、アクリルスチレンなどの熱可
塑性ポリマと無機充填材からなる制振効果を持つ塗料で
ある。
【0013】図6および図7は合成樹脂塗料31の塗布方法
を示している。ハケもしくは吹き付けで塗装を行う場
合、合成樹脂塗料31の塗布厚さは、塗布対象物に対して
ある程度の厚さが必要であるため、何度か重ねて塗らな
ければならない。
【0014】作業工程を少なくするため、図6において
は、プーリ側面の端縁部を切削加工して溝34を作り、合
成樹脂塗料31を溝34に片側ずつ流し込む方法である。こ
れにより、一度に安定した厚さの塗布作業が可能とな
る。
【0015】また、図7に示すように、紙やプラスチッ
ク、金属などにより構成される外周リング壁32と内周リ
ング壁33をプーリ側面に設置し、片側づつ塗料を流し込
むことで、一度の塗布が可能であり、溝部6への塗料の
流入を防ぐこともできる。
【0016】稼動中のエレベータに対しては、接着固定
するため、頂部の狭いスペースにおいてもプーリ側面へ
の取付作業ができる。
【0017】図2は、本実施例の他の実施例を説明する
図である。プーリ側面において、少なくともボス部を除
く全面を覆う円盤形状の樹脂プレート4と金属プレート5
の少なくとも一方をプーリ側面に取り付ける。これによ
り、プーリ1の面外振動を低減し、樹脂プレート4と金属
プレート5の透過損失によって、プーリ1から発生した音
の透過を妨げることができる。
【0018】プーリ1は、巻き上げ機26とロープ11を介
して、巻き上げ機26と離れた位置に設置されており、巻
き上げ機26の発熱が伝播しにくい。よって、巻き上げ機
26の発熱によってプーリ1に設置された制振材の特性が
大きく変化することはない。樹脂プレート4の厚さ、お
よび合成樹脂塗料31の塗布厚さは、プーリ1の肉厚対し
て約1/10の厚さで振動が吸収され、騒音低減効果が得ら
れる。本実施形態例をシーブ25に適用することで、シー
ブ25から発生する騒音を低減することができる。
【0019】
【発明の効果】プーリもしくはシーブの側面の端縁に、
制振効果のある部材を取り付けることによって、プーリ
やシーブから発生する騒音を低減できる。製品出荷の状
態から樹脂プレートおよび金属プレートを接着、もしく
は合成樹脂塗料を塗布することで、従来構造と同様の取
付け、組立が可能であり、稼動中のエレベータに対して
も本発明を適用し、騒音の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を説明するための図で
ある。
【図2】本発明の第2の実施形態を説明するための図で
ある。
【図3】プーリ組立図である。
【図4】エレベータ概略図である。
【図5】プーリの固有モ−ドの一例を示す図である。
【図6】合成樹脂塗料の塗布方法を示す図である。
【図7】合成樹脂塗料の塗布方法を示す図である。
【符号の説明】
1…プーリ、2…スポーク部、3…ボス部、4…樹脂プレー
ト、5…金属プレート、6…ロープ溝、7…樹脂円盤プレ
ート、9…円盤プレート、11…ロープ、12…シャフト、1
3…吊りビーム、14…プーリ支持台、21…つり合い重り
プーリ、22…かご下プーリ、23…乗りかご、24…つり合
い重り、25…シーブ、26…駆動用モータ、27…ブレー
キ、28…ガイドレール、29…エレベータホールハッチド
ア、31…合成樹脂塗料、32…外周リング壁、33…内周リ
ング壁、34…溝。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 関口 治 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 宮田 弘市 茨城県ひたちなか市市毛1070番地 株式会 社日立製作所ビルシステムグループ内 Fターム(参考) 3F305 BC15 BC18 CA08 CA12 3F306 AA13 BB01 BB02 3J031 AA02 BA00 BC07 BC08 CA05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】巻き上げ機、プーリを有し、ロープにより
    乗りかごを昇降させるエレベータにおいて、プーリもし
    くはシーブ側面の端縁にリング形状のプレートを取付け
    たことを特徴とするエレベータ。
  2. 【請求項2】巻き上げ機、プーリを有し、ロープにより
    かごを昇降させるエレベータにおいて、プーリもしくは
    シーブ側面の端縁に弾性変形により振動を吸収する合成
    樹脂塗料を塗布したことを特徴とするエレベータ。
  3. 【請求項3】巻き上げ機、プーリを有し、ロープにより
    かごを昇降させるエレベータにおいて、プーリもしくは
    シーブ側面に全面を覆う円盤形状のプレートを取付けた
    ことを特徴とするエレベータ。
  4. 【請求項4】請求項1又は3に記載のエレベータにおい
    て、前記プレートは、弾性変形により振動エネルギを吸
    収する合成樹脂と金属の両方、もしくはいずれか一方に
    より構成されることを特徴とするエレベータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006182469A (ja) * 2004-12-27 2006-07-13 Toshiba Elevator Co Ltd エレベータ用滑車装置
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CN113581985A (zh) * 2021-07-30 2021-11-02 江苏利德尔新材料科技有限公司 离心聚合一体式钢芯尼龙轮

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