JP6622630B2 - ステータ及び導線固定具 - Google Patents

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本発明は、複数の分割コア部を環状に配置して形成されるステータ及び導線固定具に関する。
従来から、回転電機に組み込まれるステータは、分割鉄心と、この分割鉄心の一部を囲むインシュレータと、このインシュレータを介して分割鉄心に巻回されるコイル導線と、とを有する分割コア部を環状に複数配置して形成されている。なお、コイル導線は、実際に分割鉄心に巻回される巻回部コイル導線と、コイル導線の両端部である引回し部コイル導線からなる。
特許文献1には、インシュレータの外周部に、周方向に沿って凹部(導線保持溝)を形成したステータが開示されている。この導線保持溝は、引回し部コイル導線を収納してステータの周方向に引回すためのものである。この導線保持溝を形成する2つの隣接する壁部には、導線保持溝の深さ方向に沿って凸部が形成されている。引回し部コイル導線が導線保持溝に収納されると、引回し部コイル導線が凸部によって変形(蛇行)し、コイル導線がスプリングバック効果によって凸部に保持される。
特開2012−228152号公報
しかしながら、特許文献1のステータでは、コイル導線を導線保持溝に収納する際に凸部が邪魔となり、ステータを組み立てる際の生産性が低い。また、コイル導線を導線保持溝に収容する際に、コイル導線の皮膜と凸部とが擦れ合い、皮膜を損傷させてしまう。
更には、コイル導線のスプリングバック効果による力が導線保持溝の壁部に作用し、導線保持溝が広がってしまう。このため、導線保持溝の開口側(径方向外側)の壁部間距離が大きくなり、開口側でのコイル導線の保持力が低下してしまう。保持力が低下すると、コイル導線が導線保持溝内で振動し易くなり、コイル導線の皮膜の摩耗やコイル導線自体の導線保持溝からの脱落を招いてしまう。これにより、コイル導線の皮膜が損傷して、最終的にはコイル導線の絶縁不良を引き起こしてしまう。
本発明は、このような課題を考慮してなされたものであり、コイル導線を導線保持溝に容易に収納でき、且つコイル導線が導線保持溝に確実に保持されるステータ及び導線固定具を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、第1手段では、複数の分割コア部を環状に配置して形成されるステータコアを備えるステータであって、各分割コア部は、分割鉄心と、分割鉄心の一部を囲むインシュレータと、インシュレータを介して分割鉄心に巻回される巻回部コイル導線と、この巻回部コイル導線の両端部であってインシュレータによって引き回される引回し部コイル導線と、この引回し部コイル導線をインシュレータに固定する導線固定具とを備え、インシュレータは、隣り合う2つの壁部で引回し部コイル導線の一部を保持する少なくとも1つの導線保持溝を有し、導線固定具は、引回し部コイル導線と2つの壁部の内の1つとの間に挿入される少なくとも1つの挿入部を有する、という構成を採っている。このような構成により、引回し部コイル導線を導線保持溝に収納する際には、導線保持溝には引回し部コイル導線の収納の障害になるものが無いので、容易に引回し部コイル導線を導線保持溝内に収納できる。その後、引回し部コイル導線と導線保持溝の壁部との間に導線固定具の挿入部が挿入されるため、引回し部コイル導線が壁部に押しつけられる。これにより、引回し部コイル導線は導線保持溝に確実に固定され、振動や導線保持溝からの脱落が防止される。
第2手段は、第1手段の構成に加え、導線保持溝は、相互に対向する一方及び他方の壁部により構成され、導線固定具は、引回し部コイル導線と一方の壁部との間に挿入される一方の挿入部と、一方の挿入部に対して周方向に離間して引回し部コイル導線と他方の壁部との間に挿入される他方の挿入部とを有する、という構成を採っている。このような構成により、引回し部コイル導線は導線保持溝内で蛇行する。引回し部コイル導線が蛇行すると、もとの形状に戻ろうとするスプリングバック効果が生じ、引回し部コイル導線が導線保持溝内に各自に固定される。
第3手段は、第1手段又は第2手段の構成に加え、挿入部の厚さは、導線保持溝の挿入方向の奥側よりも手前側の方が厚い、という構成を採っている。このような構成により、仮に導線保持溝を構成する壁部が変形して、導線保持溝の手前側(径方向の外側)が広がってしまった場合でも、挿入部の手前側の厚さが厚いため、挿入部が引回し部コイル導線を壁部に押しつけて、引回し部コイル導線が確実に導線保持溝に固定される。
第4手段は、第3手段の構成に加え、挿入部は、導線保持溝への挿入方向に向かってテーパ形状を有する、という構成を採っている。このような構成により、径方向の外側へ向かうほど挿入部の厚さが厚く、壁部が変形して導線保持溝は広がった場合でも、全ての引回し部コイル導線が確実に固定される。
第5手段は、第1手段から第4手段のいずれかの構成に加え、インシュレータは複数の導線保持溝を有し、導線固定具は、板状の固定具本体と、この固定具本体から複数の導線保持溝へ延びる複数の挿入部とを有する、という構成を採っている。このような構成により、複数の導線保持溝に引回し部コイル導線が収納されている場合に、全ての引回し部コイル導線を導線保持溝に固定することができる。
第6手段は、第1手段から第5手段のいずれかの構成に加え、インシュレータは、導線固定具が係合するインシュレータ係合部を有し、導線固定具は、インシュレータ係合部に係合される導線固定具係合部を有する、という構成を採っている。このような構成により、導線固定具がインシュレータに係合されると、両係合部が係合して容易には外れない。このため、ステータに振動が発生しても引回し部コイル導線は導線保持溝内に各自に固定される。
第7手段は、第1手段から第6手段のいずれかの構成に加え、引回し部コイル導線は、断面が略長方形の平角線であり、略長方形の長辺側が導線保持溝の幅方向となるように引き回される、という構成を採っている。このような構成により、引回し部コイル導線の長辺の一端部と壁部との間に挿入部が挿入され、引回し部コイル導線の長辺の他端を壁部に押しつけることができる。
第8手段は、相互に対向する2つの壁部によってインシュレータに形成された導線保持溝に、ステータの引回し部コイル導線を固定するための導線固定具であって、導線固定具は、引回し部コイル導線と壁部の間に挿入される少なくとも1つの挿入部を有する、という構成を採っている。このような構成から、導線保持溝内に引回し部コイル導線が収納されている状態で、導線固定具を導線保持溝に係合する、引回し部コイル導線と壁部との間に挿入部が挿入され、導線保持溝内に引回し部コイル導線が確実に固定される。
本発明によれば、コイル導線を導線保持溝に容易に収納できると共に、コイル導線を導線保持溝に確実に固定することが可能となる。
本実施形態に係る回転電機に組み込まれるステータの平面図である。 図2(A)は電磁鋼板を軸方向からみた図であり、図2(B)はインシュレータを軸方向から見た図であり、図2(C)は分割コア部を軸方向から見た図である。 インシュレータを外周面側から見た図である。 分割コア部と導線固定具を示す斜視図である。 導線固定具の斜視図である。 分割コア部に導線固定具を係合する状態を説明するために、ステータの一部を図示した説明図である。 図7(A)は図6のA−A線における断面図であり、図7(B)は図6のB−B線における断面図である。 第1壁部とコイル導線との間の隙間を説明する説明図である。 図9(A)は図6のC−C線における断面図であり、図9(B)は図6のD−D線における断面図である。 挿入部の変形例を示す断面図である。 挿入部の他の変形例を示す断面図である。 導線保持溝が軸方向に向かって開口しているインシュレータを示す図である。
添付図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係るステータ1について説明する。なお、以下の説明において、「軸方向A」とはロータの回転軸に沿った方向、「周方向P」とは、ステータコア周面に沿った方向、そして「径方向R」とはステータコアの半径方向を、それぞれ意味している。また、導線保持溝の「幅」とは、隣り合う2つの壁部間の距離を意味している。
図1は、本実施形態に係るステータ1を軸方向から見た図である。ステータ1は、その内部に設けられるロータ2(仮想線で示す)と組み合わされて回転電機を構成し、例えば、電動機又は発電機として用いられる。本実施形態のステータ1は、3相Y型結線のステータであり、中空状のホルダ3と、ホルダ3に設けられた3相の各入力端子U,V,Wと、中性点を形成する中性端子Nと、ホルダ3の円形壁3aに沿って複数(図1では18個)の分割コア部5を環状に配置して形成されるステータコア7とを備えている。
次に、各分割コア部5のうち、1個の分割コア部5の構成について、図2〜図9を参照しながら説明する。なお、ここで説明する分割コア部5の構成は、他の分割コア部5の構成と同様である。分割コア部5は、プレスにより打ち抜いた略T字状の電磁鋼板9を複数枚積層して構成される分割鉄心11と、分割鉄心11の一部を囲むインシュレータ13と、インシュレータ13の巻回部13aを介して分割鉄心9に巻回される巻回部コイル導線17aとを有している。また、巻回部コイル導線17aの両端部は、引回し部コイル導線17bとなっている。これら巻回部コイル導線17aと引回し部コイル導線17bによって、1本のコイル導線17となる。コイル導線17は、長辺と短辺をする平角線であり、断面形状は略長方形である。
分割鉄心11は、ステータコア7の径方向Rの外側において、ステータコア7の周方向Pに沿って延びるヨーク部9aと、ヨーク部9aからステータコア7の径方向Rの内側に向かって延びる磁極部(ティース部)9bとから構成される。ヨーク部9aの最外周部はステータコア7の外周面を構成し、磁極部9bの径方向Rの内側端部は、ロータ2に対向するようになっている。
インシュレータ13は、樹脂等の電気絶縁材料で構成されている。インシュレータ13は、巻回部コイル導線17が巻回される巻回部13aと、巻回部コイル導線17aの両端部(始端部又は終端部)である引回し部コイル導線17bを、ステータコア7の周方向Pに沿って各相の入力端子U,V,W及び中性端子Nの箇所にまで引き回すための引き回し部13bとを有している。
引き回し部13bは、図3に示すように、軸方向Aに関して一方(上端)から他方(下端)に向かって順に、第1壁部14aと、第2壁部14bと、第3壁部14cと、第4壁部14dと、第5壁部14eとを有している。第1壁部14a、第2壁部14b及び第3壁部14cは、それぞれ周方向Pに離間する2つの壁部14a1と14a2,14b1と14b2,14c1と14c2に分離されている。但し、壁部を分離することは本発明に必須では無い。すなわち、全ての壁部を第5壁部14eのように、1つの壁部で構成してもよい。各壁部14a〜14eは、背面壁14fから径方向Rの外側に向かって立設されている。
[導線保持溝]
各壁部14a〜14eは互いに略並行に延びており、これらの壁部のうち径方向Rに関して隣り合う2つの壁部の間に、導線保持溝15a1,15a2,15b1,15b2,15c1,15c2,15dが形成されている。図7に示すように、導線保持溝15a1〜15dは、平角線の引回し部コイル導線17bを収納可能な幅X1(軸方向Aに沿った幅)及び深さ(径方向Rに沿った奥行き)を有する。このとき、引回し部コイル導線17の長辺側が導線保持溝15a1〜15dの幅方向となるように、コイル導線が引き回される。このため、多数の引回し部コイル導線17bが導線保持溝15a1〜15dに収納されると、隣接する引回し部コイル導線17bの長辺が相互に接触する。なお、各導線保持溝15a1〜15dは、互いに略同一の幅で形成されている。この導線保持溝15a1〜15dの幅は、引回し部コイル導線17bの幅よりも僅かに広く形成されており、導線保持溝15a1〜15dの長さ方向にわたって一定である。これは、後記するように、引回し部コイル導線17bを導線保持溝15a1〜15dに容易に収納できるようにするためである。
また、図7に示すように、各導線保持溝15a1〜15dのうち、最上部の導線保持溝15a1,15a2の深さ(径方向Rの奥行き)は、他の導線保持溝15b1〜15dの深さよりも深い。これは、他の導線保持溝15b1〜15dと異なり、導線保持溝15a1,15a2が多数のコイル導線17を収納する役割を有するからである。具体的には、中性端子Nに接続するために、最高で18本の引回しコイル導線17bが収納される。また、導線保持溝15b1,15b2には、U相の引回し部コイル導線17bが収納される。このU相の引回し部コイル導線17bは、最高で6本である。また、導線保持溝15c1,15c2には、V相の引回し部コイル導線17bが収納される。このV相の引回し部コイル導線17bも、最高で6本である。更に、また、導線保持溝15dには、W相の引回し部コイル導線17bが収納される。このW相の引回し部コイル導線17bも、最高で6本である。なお、導線保持溝15b1〜15dの深さは、略同一である。なお、図7は、インシュレータ13のうち、引回し部13bのみを示しているが、実際には巻回部も備えている。
第1壁部15a1,15a2の上面には、インシュレータ係合部19が形成されている。このインシュレータ係合部19は、図4に示す導線固定具31をインシュレータ13に係合するためのものである。インシュレータ係合部19は、ステータコア7の径方向Rにおいて、外側から内側に向かって高さが上昇する突起である(図4参照)。このインシュレータ係合部19の平面視形状は四角形である。但し、このインシュレータ係合部19の形状は一例であって、特に限定されるものではない。なお、図4において、分割鉄心11は仮想線で記載している。
[導線固定具]
次に、導線固定具31について説明する。導線固定具31は樹脂材料で作られており、所定の外力によって弾性変形する場合がある。図5に示すように、導線固定具31は、板状の固定具本体33と、この固定具本体33から径方向Rの内側へ延びる複数の挿入部35a1,35a2,35b1,35b2,35c1,35c2,35d1,35d2とを有している。固定具本体33は、ステータコア7の外周面に対応して、周方向Pに沿って僅かに湾曲している。また、固定具本体33の一端(軸方向Aの上端)には、導線固定具係合部37が設けられている。この導線固定具係合部37は、前記インシュレータ係合部19と係合する部分である。
導線固定具係合部37は、図7に示すように、インシュレータ13の第1壁部14a1,14a2の表面に沿うように、ステータコア7の径方向Rの内側に向かって延びている。導線固定具係合部37の先端領域には、略四角形の係合穴37aが形成されている。この係合穴37aは、インシュレータ係合部19である突起を受け入れるためのものである。このため、係合穴37aの寸法は、インシュレータ係合部19の突起よりも大きい。なお、本実施形態の係合穴37aは貫通穴である。しかし、貫通穴を形成することは必須ではなく、インシュレータ係合部19に対応して、下面が凹んだ凹部としてもよい。
また、挿入部35a1〜35d2は、各導線保持溝15a1〜15d内に挿入されるように、軸方向Aにおける位置が設定されている。本実施形態では、インシュレータ13は4つの導線保持溝15a1〜15dを備えているので、挿入部35a1〜35d2も4組設けられている。本実施形態の挿入部35a1〜35d2は、全て同じ形状である。しかないながら、形状が異なる挿入部を設けるようにしてもよい。なお、本実施形態では、1つの導線保持溝に対して、周方向Pに離間して配置される2つの挿入部が設けられている。これは、後記するように、引回し部コイル導線17bを導線保持溝15a1〜15d内で蛇行させるためである。このため、挿入部35a1〜35d2は全部で8個設けられている。
挿入部35a1〜35d2は所定の厚さを有する板状部材である。挿入部35a1〜35d2の厚さは、径方向Rの外側が厚く、内側に向かって徐々に薄くなっている。すなわち、挿入部35a1〜35d2はテーパ形状を有している。換言すると、導線固定具31がインシュレータ13に係合された状態において、挿入部35a1〜35d2の厚さは、導線保持溝15a1〜15dへの挿入方向の奥側よりも手前側が厚くなっている。また、本実施形態の挿入部35a1〜35d2は、軸方向Aにおける上面と下面が所定の平面となっている。しかしながら、挿入部の上下両面に平面を形成することは必須ではない。例えば、挿入部35a1〜35d2の径方向から見た断面形状を半円形や半楕円形にしてもよい。
図6は、インシュレータ13に係合される前の導線固定具31と、インシュレータ13に固定された後の導線固定具31の両方を示している。図に示すように、導線固定具31は、導線固定具係合部37が径方向Rの内側となるような姿勢で、インシュレータ13の外周面に装着される。導線固定具31がインシュレータ13に装着されると、導線固定具係合部37の係合穴37aにインシュレータ係合部19が入り込み、導線固定具31がインシュレータ13と一体となる。なお、図5に示す導線固定具31の挿入部35a1〜35d2は、径方向Rの長さが全て同じである。しかしながら、図7に示すように、挿入部35a1及び35b1を、導線保持溝15a1,15a2の奥行きに合わせて、他の挿入部よりも長く形成するようにしてもよい。
[作用]
次に、図7に基づいて、導線固定具31の作用について説明する。図7(A)は、図6のA−A線における断面図であり、図7(B)は、図6のB−B線における断面図である。図7において、各導線保持溝15a1〜15dには引回し部コイル導線17bが収納されている。引回し部コイル導線17bの軸方向Aの幅X2は、導線保持溝X1の幅よりも狭くなっている。また、導線保持溝15a1〜15d内には、引回し部コイル導線17bを収納するのに障害となるような凸部も形成されていない。このため、引回し部コイル導線17bを導線保持溝15a1〜15dに容易に収納できる。なお、図示した各導線保持溝15a1〜15d内の引回し部コイル導線17bの数は一例である。
図7(A)に示すように、導線固定具31がインシュレータ13に係合されると、挿入部35a1〜35d1が導線保持溝15a1〜15d内に挿入される。このとき、図7(A)における挿入部35a1は、導線保持溝15a1を構成する第1壁部14a1と14b1のうち、一方(上方)の第1壁部14a1に接触するように、軸方向Aの位置が設定されている。換言すると、固定具係合部37と挿入部35a1との軸方向Aの隙間は、第1壁部14a1の厚さと略同等である。このため、導線固定具係合部37と挿入部35a1とは、第1壁部14a1を挟むような位置関係となる。この結果、挿入部35a1は引回し部コイル導線17bと第1壁部との間に挿入されることになる。このため、引回し部コイル導線17bは、挿入部35a1によって他方(下方)の第2壁部14b1に押し付けられる。引回し部コイル導線17bが第2壁部14b1に押しつけられることで、導線保持溝15a1内で引回し部コイル導線17bが確実に固定される。
また、挿入部35a1は、径方向Rに関してテーパ形状を有している。すなわち、挿入部35a1の厚さは、導線保持溝15a1への挿入方向の手前側(径方向Rの外側)が厚く奥側(径方向Rの内側)が薄い。このため、径方向Rの外側の引回し部コイル導線17bには、第2壁部14b1に向かう大きな押しつけ力が発生する。このことは、以下のような特別な効果を奏する。
すなわち、導線保持溝15a1内に挿入部35a1を挿入すると、第1壁部14a1及び第2壁部14b1との間には、前記したような押しつけ力に起因して、両壁部14a1及び第2壁部14b1を相互に離間させる力が発生する。このため、導線保持溝15a1の開口部側(径方向Rの外側)が軸方向Aに沿って僅かに広がってしまう。このとき、挿入部35a1がテーパ形状を有していないと、径方向Rの外側の引回し部コイル導線17bが第2壁部14b1に押しつけられる力が、径方向Rの内側の引回し部コイル導線17bが第2壁部14b1に押しつけられる力よりも小さくなってしまう。従って、径方向Rの外側での引回し部コイル導線17bの固定が不十分となる。しかしながら、本実施形態では、挿入部35a1がテーパ形状を有していることから、径方向Rの外側の引回し部コイル導線17bに対し、挿入部35a1の厚い部分が接触することで、径方向Rの外側の引回し部コイル導線17bも、十分に大きな力で他方の第2壁部14b1に押しつけられる。以上の作用は、他の導線保持溝15b1〜15dでも同様に生じている。
一方、図7(B)において、挿入部35b2は導線保持溝15a2を形成する他方(下方)の第2壁部14b2に接触している。このため、挿入部35a2は、引回し部コイル導線17bと第2壁部14b2との間に挿入される。この場合、挿入部35a2によって引回し部コイル導線17bには、第1壁部14a2に押しつけられる力が加わる。このため、径方向Rの外側の引回し部コイル導線17bは、挿入部35a2と第1壁部14a1との接触によって固定される。なお、以上のような作用は、他の導線保持溝15b2〜15d内でも同様に生じている。
上記作用について、図8に基づいて、更に詳細に説明する。図8は、導線保持溝15a1が径方向Aの幅X1を有し、幅X2の引回し部コイル導線17bを収納している場合を示している。そして、導線保持溝15a1が径方向Rの外側で僅かに広がっている状態を示している。但し、説明の便宜上、各部を誇張して記載している。この図に示すように、導線保持溝15a1の幅X1と引回し部コイル導線17bの幅X2との間には、Δh1=X1−X2の隙間がある。また、導線保持溝15a1を構成する第1壁部14a1が軸方向Aに広がることで、第1壁部14a1と第2壁部14b1の径方向Rの外側の相互間距離は、Δh2の分だけ拡大する。このため、導線保持溝15a1の径方向Rの最外側においては、全体としてΔh=Δh1+Δh2の隙間が、第1壁部14a1と引回し部コイル導線17bとの間に生じる。しかしながら、挿入部35a1の厚さが前記隙間Δhよりも厚ければ、引回し部コイル導線17bを導線保持溝15a1内に確実に固定することが可能である。なお、第1壁部14a1又は第2壁部14b1が変形しないと仮定すると、導線コイル17と第1壁部14a1との距離はΔh1である。このため、挿入部35a1の厚さが最低Δh1よりも厚ければ、引回し部コイル導線17bを導線保持溝15a1に固定することができる。
次に、図9(A)及び図9(B)に基づいて、導線保持溝35a1〜35d内に引回し部コイル導線17bが収納された場合の、スプリングバック効果について説明する。図9(A)は図6のC−C線における分割コア部5の断面図であり、導線固定具31が係合される前の状態を示す。図9(B)は図6のD−D線における分割コア部5の断面図であり、導線固定具31が係合される前の状態を示す。図9(A)に示すように、導線固定具31が係合される前は、導線保持溝35a1〜35dには凸部等の障害物が無く、引回し部コイル導線17bを直線状のまま導線保持溝35a1〜35d内に収納できる。このため、収納時における引回し部コイル導線17bの皮膜と各壁部14a1〜14eとの擦れも防止できる。また、導線保持溝35a1〜35d内に引回し部コイル導線17bを収納する作業性も良い。
一方、図9(B)に示すように、引回し部コイル導線17bと各壁部14a1〜14eとの間に挿入部35a1〜35d2が挿入されると、引回し部コイル導線17bは蛇行する。これは、周方向Pに関して相互に離間して配置された挿入部(例えば、35a1と35b1)が、引回し部コイル導線17bと第1壁部14a1との間及び引回し部コイル導線17bと第2壁部14b1との間に挿入され、引回し部コイル導線17bを上から及び下から押すからである。引回し部コイル導線17bが蛇行すると、引回し部コイル導線17bは元の形状に戻ろうとするため、引回し部コイル導線17bにはスプリングバック効果が生じる。このスプリングバック効果によって、引回し部コイル導線17bはより強い力で各壁部14a1〜14e又は挿入部35a1〜35d2に押しつけられる。従って、本実施形態によれば、振動が発生しても、引回し部コイル導線17bを導線保持溝35a1〜35dに確実に固定することが可能となる。
[変形例]
次に、図10に基づいて、導線固定具の第1変形例について説明する。この変形例は、挿入部35Bの形状に特徴を有している。このため、図では導線固定具の1つの挿入部35Bのみを示している。この挿入部35Bは、引回し部コイル導線17bと接触する側の面が階段状となっている。そして、挿入部35Bの厚さは、径方向Rに関して、外側の厚さが厚く、内側が薄くなっている。このような階段状の形状でも、引回し部コイル導線17bを導線保持溝15a1内に確実に固定することができる。それに加え、次のような効果も奏する。すなわち、前記実施形態のようなテーパ形状では、引回し部コイル導線17bとの接触によって挿入部35a1に、導線保持溝15a1から抜け出る方向に力が加わる場合がある。しかし、階段状とすることで、挿入部35Bと引回し部コイル導線17bとは傾斜面で接触しないため、挿入部35Bが導線保持溝15a1から抜け出る方向に加わる力を低減することができる。
次に、図11に基づいて、導線固定具の第2変形例について説明する。この変形例は、挿入部35Cにおける引回し部コイル導線17bと接触する面が凹んだ曲面形状になっている点が特徴である。挿入部35Cの厚さは、前記実施形態及び第1変形例と同様に、径方向Rに関して、外側の厚さが厚く、内側が薄くなっている。このような曲面形状でも、引回し部コイル導線17bを導線保持溝15a1内に確実に固定することができる。それに加え、次のような効果も奏する。すなわち、挿入部35cの先端部から径方向Rの所定範囲では、挿入部35Cの厚さは殆ど変化していない。このため、挿入部35Cを引回し部コイル導線17bと第1壁部14a1との間に挿入する際に、初期段階では小さな力で挿入できる。また、挿入部35Cの先端部は厚さが変化していないことから、挿入部とコイル導線とは傾斜面で接触せず、挿入部35Cが導線保持溝15a1から抜け出る方向の力をより低減することができる。
次に、図12に基づいて、インシュレータの変形例について説明する。分割コア部5Dにおいて、インシュレータ13Dは、図2(C)に示す分割コア部5のインシュレータ13と比較して、導線保持溝15Dの向き及び形状が異なっている。すなわち、インシュレータ13Dは、ステータコアの周方向Pに沿って湾曲する複数の壁部14Dを備えており、各壁部14Dの間に湾曲した導線保持溝15Dを有している。このような導線保持溝15Dの場合でも、引回し部コイル導線17bと壁部14Dとの間に、導線固定具31Dの挿入部35Dを挿入することで、引回し部コイル導線17bを導線保持溝15D内に固定することができる。この場合、導線固定具31Dの挿入部35Dも、壁部14Dの湾曲に対応するように、角度をつけて設ける必要がある。導線固定具31Dをインシュレータ13Dに係合する際には、インシュレータ係合部19Dに導線固定具係合部37Dを係合すればよい。
なお、本発明は上記した実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることは当然可能である。例えば、前記説明では、分割コア部からなるステータを例にして説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、環状のステータコアを備えたステータに本願発明を適用してもよい。また、インシュレータも分割されたものではなく、環状に形成されたインシュレータを備えるステータコアに本発明の導線固定具を適用してもよい。
1 ステータ
2 ロータ
3 ホルダ
5,5D 分割コア部
7 ステータコア
11 分割鉄心
13,13D インシュレータ
13a 巻回部
13b 引回し部
14a〜14e、14D 壁部
15a1〜15d、15D 導線保持溝
17 コイル導線
17a 巻回部コイル導線
17b 引回し部コイル導線
19,19D インシュレータ係合部
31,31D 導線固定具
35a1〜35d2,35D 挿入部
37,37D 導線固定具係合部
X1 導線保持溝の幅
X2 コイル導線の長辺の幅

Claims (7)

  1. 複数の分割コア部を環状に配置して形成されるステータコアを備えるステータであって、
    前記各分割コア部は、分割鉄心と、前記分割鉄心の一部を囲むインシュレータと、前記インシュレータを介して前記分割鉄心に巻回される巻回部コイル導線と、この巻回部コイル導線の両端部であって前記インシュレータによって引き回される引回し部コイル導線と、この引回し部コイル導線を前記インシュレータに固定する導線固定具とを備え、
    前記インシュレータは、隣り合う2つの壁部で前記引回し部コイル導線の一部を保持する少なくとも1つの導線保持溝を有し、
    前記導線固定具は、前記引回し部コイル導線と前記2つの壁部の内の1つとの間に挿入される少なくとも1つの挿入部を有し、
    前記インシュレータは、前記導線固定具が係合するインシュレータ係合部を有し、前記導線固定具は、前記インシュレータ係合部に係合される導線固定具係合部を有する、ステータ。
  2. 前記導線保持溝は、相互に対向する一方及び他方の前記壁部により構成され、
    前記導線固定具は、前記引回し部コイル導線と前記一方の壁部との間に挿入される一方の挿入部と、前記一方の挿入部に対して周方向に離間して前記引回し部コイル導線と前記他方の壁部との間に挿入される他方の挿入部とを有する、請求項1記載のステータ。
  3. 前記挿入部の厚さは、前記導線保持溝への挿入方向の奥側よりも手前側の方が厚い、請求項1又は2記載のステータ。
  4. 前記挿入部は、前記導線保持溝への挿入方向に向かってテーパ形状を有する、請求項3記載のステータ。
  5. 前記インシュレータは複数の前記導線保持溝を有し、
    前記導線固定具は、板状の固定具本体と、この固定具本体から複数の前記導線保持溝へ延びる複数の前記挿入部とを有する、請求項1から4のいずれか一項記載のステータ。
  6. 前記引回し部コイル導線は、断面が略長方形の平角線であり、前記略長方形の長辺側が前記導線保持溝の幅方向となるように引き回される、請求項1からのいずれか一項記載のステータ。
  7. 相互に対向する2つの壁部によってインシュレータに形成された導線保持溝に、ステータの引回し部コイル導線を固定するための導線固定具であって、
    前記導線固定具は、前記引回し部コイル導線と前記壁部の間に挿入される少なくとも1つの挿入部と、前記インシュレータに形成されたインシュレータ係合部に係合される導線固定具係合部とを有する、導線固定具。
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