JP2007043829A - 電機子及び直流モータ - Google Patents

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Abstract

【課題】巻線の損傷を防止しながら、接続作業を容易に行うことができる電機子を提供する。
【解決手段】電機子103は、放射状に延びる複数のティースを有する電機子コアと、電機子コアに装着されたインシュレータXと、インシュレータXが装着された電機子コアの各ティースに集中巻にて巻回された巻線M1と複数の巻線を繋ぐ渡り線とを連続して構成する導線Dと、複数のセグメント1〜24及びそれらから延出する接続部116aを有する整流子108とを備える。インシュレータXには、ティースの基端部毎に対応して配置された分離部Xcと、分離部Xcの径方向内側に配置された載置凸部Xdとが設けられる。巻線M1は、最終の巻線である端巻線Ma(一部の巻線)を除いて分離部Xcの径方向外側で巻回されて径方向内側への移動が規制される。端巻線Maの一部である導線接続部Mb及び接続部116aは、載置凸部Xd上にて電気的に接続される。
【選択図】 図8

Description

本発明は、電機子及び直流モータに関するものである。
従来、直流モータの電機子においては、巻線と整流子とが電気的に接続される。そして、このような直流モータ(電機子)としては、電機子コアに巻回された巻線から延びる導線の端部(自由端)が整流子のセグメントにおける接続部に接続されたものがある(例えば、特許文献1参照)。尚、上記直流モータ(電機子)では、導線の端部と整流子の接続部とが巻線上(軸方向から見て巻線と重なる位置)で接続されている。
特開2003−299292号公報
しかしながら、上記したような直流モータ(電機子)では、巻線を巻回する工程とは別の独立した工程で、巻線から延びる導線の端部(自由端)を整流子の接続部に接続するため、その接続作業が煩雑となる。又、導線の端部と整流子の接続部とが巻線上(軸方向から見て巻線と重なる位置)で接続(はんだ付け等)されるため、その接続の際に巻線が邪魔となったり、巻線の損傷(短絡)が懸念される。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、巻線の損傷を防止しながら、接続作業を容易に行うことができる電機子及び直流モータを提供することにある。
請求項1に記載の発明では、放射状に延びる複数のティース部を有する電機子コアと、前記電機子コアに装着されたインシュレータと、前記インシュレータが装着された前記電機子コアの各ティース部に集中巻にて巻回された巻線と複数の前記巻線を繋ぐ渡り線とを連続して構成する導線と、複数のセグメント及び該セグメントから延出する接続部を有する整流子とを備えた電機子において、前記インシュレータには、前記ティース部毎に対応して配置され一部の巻線とその他の巻線とを分離するための分離部が設けられ、前記接続部は、前記一部の巻線と電気的に接続された。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の電機子において、前記分離部の径方向内側には前記一部の巻線が配置される載置部が形成され、該載置部は、前記インシュレータにおいて前記ティース部を覆うティース被覆部より軸方向に突出した。
請求項3に記載の発明では、請求項1又は2に記載の電機子において、前記分離部における前記接続部と対応した位置には、径方向外側に延びる凹部が凹設された。
請求項4に記載の発明では、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電機子において、
前記一部の巻線は、前記電機子コアにおける前記整流子側である軸方向一端側で前記接続部と電気的に接続され、前記渡り線は、前記電機子コアにおける軸方向他端側に配置された。
請求項5に記載の発明では、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電機子と、前記整流子に押圧接触される給電用ブラシと前記電機子コアを囲うように配置される複数のマグネットとを有する固定子とを備えた直流モータを要旨とする。
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、インシュレータには、ティース部毎に対応して配置され一部の巻線とその他の巻線とを分離するための分離部が設けられるため、巻線が一部の巻線とその他の巻線とに分離されることになる。そして、接続部は、前記一部の巻線と電気的に接続されるため、一部の巻線と接続部との接続の際にその他の巻線が邪魔になることが防止される。又、前記一部の巻線は巻回されることで動き難く安定した状態となるので、その安定した状態で接続作業を行うことができる。これらのことから、巻線(その他の巻線)の損傷(短絡)を防止しながら、接続作業を容易に行うことができる。
請求項2に記載の発明によれば、前記分離部の径方向内側には前記一部の巻線が配置される載置部が形成され、該載置部は、前記インシュレータにおいて前記ティース部を覆うティース被覆部より軸方向に突出する。よって、載置部がティース被覆部より軸方向に突出していない場合に比べて、一部の巻線と接続部とを接続する際の作業(例えば溶接)を容易に行うことができる。即ち、載置部がティース被覆部より軸方向に突出していない場合では、分離部が邪魔で接続作業(例えば溶接)が煩雑となるが、上記構成では載置部がティース被覆部より軸方向に突出し分離部との軸方向の高さの差が小さくなるため、これが低減される。
請求項3に記載の発明によれば、分離部における接続部と対応した位置には、径方向外側に延びる凹部が凹設されるため、分離部が邪魔で接続作業(例えば溶接)が煩雑となることが低減される。即ち、分離部全体の剛性を保ちながら、接続作業を容易に行うことができる。
請求項4に記載の発明によれば、一部の巻線は電機子コアにおける整流子側である軸方向一端側で接続部と電気的に接続され、渡り線は電機子コアにおける軸方向他端側に配置されるため、一部の巻線と接続部との接続の際に渡り線が邪魔になることが防止される。よって、渡り線の損傷を防止しながら、接続作業を容易に行うことができる。
請求項5に記載の発明によれば、直流モータにおいて、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の発明の効果を得ることができる。
本発明によれば、巻線の損傷を防止しながら、接続作業を容易に行うことができる電機子及び直流モータを提供することができる。
以下、本発明を具体化した一実施の形態を図1〜図10に従って説明する。
図1に示すように、本実施形態の直流モータ101は、固定子102と電機子(回転子)103とを備えている。固定子102は、略筒形状のヨークハウジング104と、該ヨークハウジング104の内周面に等角度間隔で配置固着された複数(本実施形態では6つ)のマグネット105とを備えている。本実施の形態では、マグネット105は6個(6極)設けられ、磁極数が6とされている。
電機子103は、図1及び図2に示すように、回転軸106と、該回転軸106に固定された電機子コア107と、同じく回転軸106に固定された整流子108等とを備える。電機子103は、図2に示すように、回転軸106の両端側がヨークハウジング104を含むハウジング(詳しくはヨークハウジング104及びその開口部を塞ぐエンドハウジングE)に保持された軸受Gにて回転可能に支持されている。尚、この状態で整流子108の外周には前記エンドハウジングEに保持され給電を行うための陽極側及び陰極側ブラシ109a,109bが摺接可能に押圧接触される。又、この状態で電機子コア107はマグネット105と対向して周囲を囲まれるように配置される。
電機子コア107は回転軸106を中心として放射状に延びる8個のティース部としてのティースT1〜T8を有し、該ティースT1〜T8間にはそれぞれスロットS1〜S8が形成されている(図1及び図4(a)参照)。
詳述すると、電機子コア107は、図5に示すように、前記ティースT1〜T8の基端部を周方向に連結する周方向連結部107aと、回転軸106が内嵌される環状の固定部107bと、周方向連結部107aの周方向の一部(90°毎)から径方向内側に延出し周方向連結部107aと固定部107bとを連結する径方向連結部107cとを備える。
電機子コア107における整流子108が配置される側である軸方向一端側(図2中、上側)にはインシュレータX(図5参照)が装着され、軸方向他端側(図2中、下側)にはインシュレータY(図6参照)が装着されている。
インシュレータXには、図5に示すように、前記周方向連結部107aを覆う環状被覆部Xaと、ティースT1〜T8を覆うティース被覆部Xbと、ティースT1〜T8の基端部毎に対応して配置された分離部Xcと、その分離部Xcの径方向内側(即ち環状被覆部Xa上)に配置された載置部としての載置凸部Xdとが設けられている。このインシュレータXは、樹脂製であって、前記各部(環状被覆部Xa、ティース被覆部Xb、分離部Xc及び載置凸部Xd)が一体形成されている。環状被覆部Xaは、周方向連結部107aを軸方向から覆う軸方向被覆部Xeと、周方向連結部107aにおける外周面(隣り合うティースT1〜T8の間)を径方向から覆う径方向被覆部Xfとを有する。径方向被覆部Xfは、周方向に隣り合うティースT1〜T8の間の中央ほど径方向外側に突出すべく軸方向から見て角状に形成され、その角に径方向内側に凹設された形状で軸方向に延びる溝Xgが形成されている。尚、前記角状の角度は正八角形に対応した角度である。又、溝Xgは略円弧形状に凹設されている。又、分離部Xcは、ティース被覆部Xbより軸方向に突出している。分離部Xcは、ティースT1〜T8の基端部において、ティース被覆部Xb側と載置凸部Xd側とを仕切るように形成されている。又、分離部Xcには、径方向内側から径方向外側に延びる凹部Xhが凹設されている。又、載置凸部Xdは、ティース被覆部Xbより軸方向に突出し、分離部Xcより突出量が小さく設定されている。本実施の形態の載置凸部Xdは、径方向から見て略台形形状(平行な2辺の内の短い方が先端(頂面)に設定された略台形形状)に形成されている(図7参照)。
インシュレータYには、図6に示すように、前記周方向連結部107aを覆う環状被覆部Yaと、ティースT1〜T8を覆うティース被覆部Ybと、ティースT1〜T8の基端部毎に対応して周方向に断続的に軸方向に突出した外側壁Ycと、外側壁Ycの内側(環状被覆部Yaの内縁)で略円筒状に軸方向に突出した内側壁Ydとが設けられている。尚、本実施の形態では、外側壁Yc及び内側壁Ydがガイド部を構成している。このインシュレータYは、樹脂製であって、前記各部(環状被覆部Ya、ティース被覆部Yb、外側壁Yc及び内側壁Yd)が一体形成されている。環状被覆部Yaは、周方向連結部107aを軸方向から覆う軸方向被覆部Yeと、周方向連結部107aにおける外周面(隣り合うティースT1〜T8の間)を径方向から覆う径方向被覆部Yfとを有する。径方向被覆部Yfは、周方向に隣り合うティースT1〜T8の間の中央ほど径方向外側に突出すべく軸方向から見て角状に形成され、その角に径方向内側に凹設された形状で軸方向に延びる溝Ygが形成されている。尚、前記角状の角度は正八角形に対応した角度である。又、溝Ygは略円弧形状に凹設されている。
そして、電機子103には、インシュレータX,Yが装着された電機子コア107のティースT1〜T8に(スロットS1〜S8内を通るように)集中巻にて巻回された巻線M1〜M8と、複数の巻線M1〜M8を繋ぐ渡り線110(図2、図9及び図10参照)とを連続して構成する導線Dが設けられている。尚、図4(a)は、電機子103を平面状に展開した模式図である。又、巻線M1〜M8は、ティースT1〜T8に巻回されることで該ティースT1〜T8の径方向に全体的に配設されるものであって、(ティースT1〜T8に対して)緊縛力を有するように配設されるものである。又、渡り線110は、周方向に複数配置されるティースT1〜T8の2つを結ぶように少なくとも1つの前記ティースを跨いで(越えて)配設されるものであって、(軸直交方向に対して)緊張力を有するように配設されるものである。
即ち、本実施の形態の導線Dは、例えば、まずティースT1に集中巻にて巻回されて巻線M1を構成し、次にティースT8,T7を跨いでティースT6まで達する渡り線110を構成し、次にティースT6に集中巻にて巻回されて巻線M6を構成するといったパターンを繰り返して設けられる(図10参照)。尚、図10は、前述したような導線Dの配設工程における途中段階を図示している。
ここで、各巻線M1〜M8は、それぞれにおいて最終の巻線(最後のひと巻き)である一部の巻線としての端巻線Ma(図1及び図7参照)を除いて前記分離部Xcの径方向外側でティースT1〜T8に巻回されて該分離部Xcにて径方向内側への移動が規制される。又、前記端巻線Maの一部である導線接続部Mbは、前記載置凸部Xd上に配置される。即ち、各巻線M1〜M8は、分離部Xcによって端巻線Ma(一部の巻線)とその他の巻線とに分離されている。
又、各渡り線110は、前記載置凸部Xd上を避けて配置される。本実施の形態では、図2、図9及び図10に示すように、各渡り線110は、電機子コア107における軸方向他端側(整流子108が配置される側の反対側)に配置される。各渡り線110は、ガイド部(外側壁Yc及び内側壁Yd)によって、ティースT1〜T8より径方向内側で周方向に沿って案内される。詳しくは、各渡り線110は、外側壁Ycによって径方向外側への移動が規制され、内側壁Ydによって径方向内側への移動が規制される。
又、導線Dにおいて前記導線接続部Mb(前記軸方向一端側)と前記渡り線110(前記軸方向他端側)とを連結する導線連結部Mc(図9参照)は前記溝Xg,Ygに配置(略半分が収容)される。
整流子108は、図2に示すように、整流子本体111と短絡部材112とからなる。整流子本体111は、略円筒形状の本体絶縁材113と、本体絶縁材113の外周面に周方向に24個配設されるセグメント1〜24(図4(a)参照)とを備える。尚、このセグメント1〜24は本体絶縁材113の外周で略円筒状をなし、その径方向外側から前記陽極側及び陰極側ブラシ109a,109bが当接(押圧接触)されることになる。
短絡部材112は、整流子本体111の軸方向端部に固定され、図4(a)に示すように、24個のセグメント1〜24を120度間隔に電気的に接続し、例えば、セグメント1,9,17の組や、セグメント5,13,21の組を短絡された(同電位)状態とする。詳しくは、短絡部材112は、図3に示すように、絶縁層(絶縁紙)114を挟む2つの層にそれぞれ24個ずつ配置された短絡片115,116を備える。一方(図3中、紙面手前側の層)の各短絡片115は、その径方向内側端部が径方向外側端部に対して周方向一方(図3中、時計回り方向)に60°ずれるように形成されている。又、他方(図3中、紙面奥側の層であって、破線で示す)の各短絡片116は、その径方向内側端部が径方向外側端部に対して周方向他方(図3中、反時計回り方向)に60°ずれるように形成されている。そして、2つの層の各短絡片115,116は、互いに径方向内側端部同士、及び径方向外側端部同士が(絶縁層114を挟まずに)それぞれ電気的に接続されている。これにより、短絡部材112における短絡片115,116の径方向外側端部は、120度間隔に電気的に接続されることになる。そして、短絡部材112は、その各径方向外側端部がセグメント1〜24にそれぞれ電気的に接続されるように整流子本体111に固定されている。又、本実施の形態では、他方(図3中、紙面奥側の層であって、破線で示す)の短絡片116における径方向外側端部に前記セグメント1〜24から径方向外側に延出する接続部116a(図8参照)が形成されている。この接続部116aは、前記端巻線Maの一部である導線接続部Mbと前記載置凸部Xd上で電気的に接続固定される。尚、本実施の形態では、導線接続部Mb及び接続部116aは、載置凸部Xd上に軸方向に重ねて、詳しくは接続部116aが載置凸部Xdと共に導線接続部Mbを挟むように配置される。又、接続部116aは、前記凹部Xhと周方向に対応した位置に配置される。又、この接続部116aは、24個の短絡片116において、周方向に3つおきに(即ち全体で8個)形成されている。
このように構成された電機子103においては、前記巻線M1〜M8は、全部で1つの閉ループを構成する。尚、本実施の形態の巻線M1〜M8は、M1、M4、M7、M2、M5、M8、M3、M6、M1…の順で閉ループを構成している。即ち、図4(a)における巻線M1〜M8によって形成される回路を視覚的に分かり易く展開すると図4(b)のようになる。
次に、上記実施の形態の特徴的な作用効果を以下に記載する。
(1)インシュレータXには、ティースT1〜T8の基端部毎に対応して分離部Xcが配置され、最終の巻線である端巻線Ma(一部の巻線)を除いた巻線M1〜M8(その他の巻線)は、分離部Xcによって径方向内側への移動が規制される。又、インシュレータXにおける分離部Xcの径方向内側には載置凸部Xdが配置され、端巻線Maの一部である導線接続部Mb及び整流子108の接続部116aは、載置凸部Xd上にて電気的に接続される。よって、導線接続部Mbと接続部116aとの接続の際に端巻線Maを除く巻線M1〜M8が邪魔になることが防止される。又、端巻線Ma(導線接続部Mb)は載置凸部Xd上を通るように巻回されることになるので、載置凸部Xd上にて電気的に接続する際に、導線接続部Mbが動き難くなり安定した状態で接続作業を行うことができる。これらのことから、巻線M1〜M8(端巻線Maを除く)の損傷(短絡)を防止しながら、接続作業を容易に行うことができる。
(2)載置凸部Xdは、インシュレータXにおいてティースT1〜T8を覆うティース被覆部Xbより軸方向に突出しているため、軸方向に突出していない場合に比べて、導線接続部Mbと接続部116aとを接続する際の作業(例えば溶接)を容易に行うことができる。即ち、載置凸部Xdがティース被覆部Xbより軸方向に突出していない場合では、分離部Xcが邪魔で接続作業(例えば溶接)が煩雑となるが、上記構成では載置凸部Xdと分離部Xcとの軸方向の高さの差が小さくなるため、これが低減される。
(3)分離部Xcにおける接続部116aと対応した位置には、径方向外側に延びる凹部Xhが凹設されるため、分離部Xcが邪魔で接続作業(例えば溶接)が煩雑となることが低減される。即ち、分離部Xc全体を径方向に薄くするのではなく、部分的に凹部Xhを形成したので、分離部Xc全体の剛性を保ちながら、接続作業を容易に行うことができる。
(4)渡り線110は、載置凸部Xd上を避けて配置されている。詳しくは、渡り線110は電機子コア107における軸方向他端側(整流子108が配置される側の反対側)に配置されている。よって、導線接続部Mbと接続部116aとの接続の際に渡り線110が邪魔になることが防止される。よって、渡り線110の損傷を防止しながら、接続作業を容易に行うことができる。
(5)載置凸部Xdは、径方向から見て略台形形状(平行な2辺の内の短い方が先端(頂面)に設定された略台形形状)に形成されるため、端巻線Maの急激な曲げが抑制され、その損傷が防止される。又、径方向から見て先端(頂面)の幅を小さくしながら載置凸部Xdの剛性を強くすることができる。
(6)導線接続部Mb及び接続部116aは、載置凸部Xd上に軸方向に重ねて配置されるため、例えば導線接続部Mbと接続部116aとを容易に押圧接触させることができ、それらの接続作業が容易となる。本実施の形態では、接続部116aが載置凸部Xdと共に導線接続部Mbを挟むように配置されるため、例えば、電機子コア107が固定された回転軸106に対して整流子108を圧入によって固定する際に、同時に、接続部116aと導線接続部Mbとを容易に押圧接触させることができる。よって、それらの接続作業が容易となる。
上記実施の形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・上記実施の形態では、接続部116aが載置凸部Xdと共に導線接続部Mbを挟むように配置されるとしたが、これに限定されず、接続部116aと導線接続部Mbとが載置凸部Xd上で電気的に接続されれば、他の構成に変更してもよい。
例えば、図11に示すように、導線接続部Mbが載置凸部Xdと共に接続部116bを挟むように配置される構成に変更してもよい。尚、この場合、上記実施の形態とは異なり回転軸106に電機子コア107及び整流子108を固定した後に(固定した状態で)導線Dによって巻線M1〜M8及び渡り線110を構成する(導線の配設工程を行う)必要がある。
・上記実施の形態において導線接続部Mb及び接続部116aが載置されそれらが電気的に接続される載置凸部Xdは、ティース被覆部Xbより軸方向に突出するとしたが、これに限定されず、分離部Xcによって単に仕切られたのみの突出していない載置部に変更してもよい。又、載置凸部Xdは、径方向から見て略台形形状に形成されるとしたが、勿論、ティース被覆部Xbより軸方向に突出する他の形状の載置凸部に変更してもよい。
・上記実施の形態では、分離部Xcにおける接続部116aと対応した位置には、径方向外側に延びる凹部Xhが凹設されるとしたが、これに限定されず、凹部Xhが形成されていない分離部に変更してもよい。言い換えると、分離部Xcは、一部の巻線(端巻線Ma)とその他の巻線とを分離することができれば他の形状や構成に変更してもよい。
・上記実施の形態では、渡り線110は電機子コア107における軸方向他端側(整流子108が配置される側の反対側)に配置されるとしたが、これに限定されず、渡り線を電機子コア107における軸方向一端側(整流子108が配置される側)に配置してもよい。尚、この場合でも渡り線110は、載置凸部Xd上を避けて、例えば分離部Xcより径方向外側に配置することが望ましい。又、このようにした場合、前記溝Xg,Yg等を形成しなくてもよい。
・上記実施の形態では、インシュレータXに分離部Xcや載置凸部Xdが一体形成されるとしたが、これらは別体で設けてもよい。
・上記実施の形態では、各巻線M1〜M8は、それぞれにおいて最終の巻線(最後のひと巻き)である端巻線Ma(図1及び図7参照)を除いて分離部Xcの径方向外側でティースT1〜T8に巻回され、端巻線Maの一部である導線接続部Mbが載置凸部Xd上に配置されるとしたが、端巻線を最初の巻線(最初のひと巻き)に変更してもよい。即ち、各巻線M1〜M8は、それぞれにおいて最初の巻線(最初のひと巻き)である一部の巻線としての端巻線を除いて分離部Xcの径方向外側でティースT1〜T8に巻回され、端巻線(最初の巻線)の一部である導線接続部が載置凸部Xd上に配置されるように変更してもよい。
・上記実施の形態の短絡部材112は、所定のセグメント同士を電気的に接続することができれば、他の構成のものに変更してもよい。
・上記実施の形態では、整流子108の接続部116aが短絡部材112(その短絡片116)に形成されるとしたが、整流子のセグメントから延出する構成であれば、これに限定されず、例えば、整流子本体111のセグメントに一体形成された接続部としてもよい。又、接続部116aは、セグメントから径方向外側に延出する形状であるとしたが、これに限定されず、軸方向に延出した形状としてもよい。
・上記実施の形態では、マグネット105の数が6、スロットS1〜S8の数が8、セグメント1〜24の数が24であるとしたが、これに限定されず、それぞれの値を変更して実施してもよい。例えば、マグネットの数を8、スロットの数を9、セグメントの数を36とした直流モータや、マグネットの数を10、スロットの数を12、セグメントの数を60とした直流モータ等に具体化してもよい。
上記各実施の形態から把握できる技術的思想について、以下にその効果とともに記載する。
(イ)請求項2に記載の電機子において、前記載置部は、径方向から見て略台形形状(平行な2辺の内の短い方が先端(頂面)に設定された略台形形状)に形成されたことを特徴とする電機子。このようにすると、端巻線の急激な曲げが抑制される。又、径方向から見て先端(頂面)の幅を小さくしながら載置部の剛性を強くすることができる。
(ロ)請求項1乃至3、及び上記(イ)のいずれか1つに記載の電機子において、前記渡り線は、分離された前記一部の巻線が配置される箇所(前記載置部上)を避けて配置されたことを特徴とする電機子。このようにすると、端巻線の一部と接続部との接続の際に渡り線が邪魔になることが防止される。又、よって、渡り線の損傷を防止しながら、接続作業を容易に行うことができる。
(ハ)請求項1乃至4、及び上記(イ)(ロ)のいずれか1つに記載の電機子において、前記一部の巻線及び前記接続部は、軸方向に重ねて配置されたことを特徴とする電機子。このようにすると、例えば一部の巻線と接続部とを容易に押圧接触させることができ、それらの接続作業が容易となる。
(ニ)上記(ハ)に記載の電機子において、前記接続部は、分離された前記一部の巻線が配置される箇所(前記載置部)と共に前記一部の巻線を挟むように配置されたことを特徴とする電機子。このようにすると、例えば、電機子コアが固定された回転軸に対して整流子を圧入によって固定する際に、同時に、接続部と一部の巻線とを容易に押圧接触させることができる。よって、それらの接続作業が容易となる。
本実施の形態におけるモータの概略構成図。 本実施の形態におけるモータの要部断面図。 本実施の形態における短絡部材の平面図。 (a)本実施の形態の電機子を平面状に展開して説明するための説明図。(b)本実施の形態の電機子の巻線によって形成される回路図。 本実施の形態の軸方向一端側のインシュレータ及び電機子コアの平面図。 本実施の形態の軸方向他端側のインシュレータ及び電機子コアの底面図。 本実施の形態における電機子を説明するための要部拡大斜視図。 本実施の形態における電機子を説明するための要部拡大斜視図。 本実施の形態における電機子を説明するための要部拡大底面図。 本実施の形態における電機子を説明するための斜視図。 別例における電機子を説明するための要部拡大斜視図。
符号の説明
1〜24…セグメント、102…固定子、103…電機子、105…マグネット、107…電機子コア、108…整流子、109a,109b…陽極側及び陰極側ブラシ(給電用ブラシ)、110…渡り線、116a,116b…接続部、D…導線、M1〜M8…巻線、Ma…端巻線(一部の巻線)、T1〜T8…ティース(ティース部)、X…インシュレータ、Xb…ティース被覆部、Xc…分離部、Xd…載置凸部(載置部)、Xh…凹部。

Claims (5)

  1. 放射状に延びる複数のティース部を有する電機子コアと、
    前記電機子コアに装着されたインシュレータと、
    前記インシュレータが装着された前記電機子コアの各ティース部に集中巻にて巻回された巻線と複数の前記巻線を繋ぐ渡り線とを連続して構成する導線と、
    複数のセグメント及び該セグメントから延出する接続部を有する整流子と
    を備えた電機子において、
    前記インシュレータには、前記ティース部毎に対応して配置され一部の巻線とその他の巻線とを分離するための分離部が設けられ、
    前記接続部は、前記一部の巻線と電気的に接続されたことを特徴とする電機子。
  2. 請求項1に記載の電機子において、
    前記分離部の径方向内側には前記一部の巻線が配置される載置部が形成され、該載置部は、前記インシュレータにおいて前記ティース部を覆うティース被覆部より軸方向に突出したことを特徴とする電機子。
  3. 請求項1又は2に記載の電機子において、
    前記分離部における前記接続部と対応した位置には、径方向外側に延びる凹部が凹設されたことを特徴とする電機子。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電機子において、
    前記一部の巻線は、前記電機子コアにおける前記整流子側である軸方向一端側で前記接続部と電気的に接続され、
    前記渡り線は、前記電機子コアにおける軸方向他端側に配置されたことを特徴とする電機子。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電機子と、
    前記整流子に押圧接触される給電用ブラシと前記電機子コアを囲うように配置される複数のマグネットとを有する固定子と
    を備えたことを特徴とする直流モータ。
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