JP6621968B1 - 水処理システムおよび水処理方法 - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、可溶化処理条件である第1量を決定した後であっても汚泥を取り巻く水処理環境は時々刻々と変化し得る。第1量を決定した後の水処理環境の変化に応じ、汚泥分解に関わる生物処理槽内の微生物の活性、資化性、種類も変化し得る。それらが変化した場合、低減できる汚泥の量(汚泥減少量)も変動し得る。低減できる汚泥の量(汚泥減少量)が変動した場合、決定した可溶化処理条件である第1量に過不足が生じ、低減する汚泥量を適量に調整できない虞があるという問題があった。
しかしながら、前述のように、汚泥分解に関わる生物処理槽内の微生物の活性、資化性、種類も変化し得え、生物処理において低減できる汚泥の量(汚泥減少量)も変動し得る。上記特許文献1のように好気性生物処理系に導入される有機性廃液のBOD濃度に応じて可溶化処理条件を調整する方法では、調整された可溶化処理条件に生物処理系におけるこれらの変動要因が加味されていない。
さらに、汚泥中にはオゾンと反応せず、微生物によって分解されない砂、重金属等の無機物が含有される場合がある。BOD濃度による汚泥の可溶化処理条件の調整では、調整された可溶化処理条件にこの無機物が加味されていない。
よって、このような可溶化処理条件を用いて注入したオゾンガスの量が、最適なオゾンガス注入量から過不足を生じ、汚泥の廃棄処分コストが増加する虞があるという問題があった。
しかしながら、測定器は曝気槽における有機物量の変動を検知している。前述のように、汚泥中にはオゾンと反応せず、微生物によって分解されない無機物が含有される場合がある。そのため、このような有機物量の変動に基づく可溶化条件の調整では、調整された可溶化処理条件にこの無機物が加味されていない。
よって、この場合においても、このような可溶化処理条件を用いて注入したオゾンガスの量が、最適なオゾンガス注入量から過不足を生じ、汚泥の廃棄処分コストが増加する虞があるという問題があった。
有機物を含有する被処理水が供給され、供給された前記被処理水に対して生物処理を行って汚泥を含有する汚泥含有水を生成する生物処理部と、
前記汚泥含有水に含有される汚泥に対して、設定された処理条件に基づいて可溶化処理を行う可溶化処理部と、
前記生物処理部内に配設され、前記汚泥含有水を汚泥と処理水とに分離する固液分離部と、
前記固液分離部が分離した汚泥の一部を、返送汚泥として前記生物処理部の前記汚泥含有水内に返送する返送配管と、
前記返送配管に接続されてあり、前記固液分離部が分離した汚泥から前記返送汚泥を除いた残りの汚泥を廃棄汚泥として前記生物処理部の外部へ廃棄する廃棄配管と、
前記廃棄配管に接続されてあり、前記廃棄汚泥の廃棄量を測定する第1測定部と、
前記生物処理部に供給される前記被処理水の有機物負荷を測定する第2測定部と、
前記可溶化処理部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記第2測定部により測定される前記有機物負荷に基づいて前記処理条件を設定し、
前記第1測定部により測定される前記廃棄量に応じて、設定された前記処理条件を調整する調整制御を行うことにより、前記廃棄量の変化を前記可溶化処理の前記処理条件に反映させる、
ものである。
また本願に開示される水処理方法は、
有機物を含む被処理水に対して生物処理を行う生物処理工程により汚泥を含有する汚泥含有水を生成し、前記汚泥含有水中の汚泥に対して、設定された処理条件に基づいて可溶化処理を行う水処理方法において、
前記生物処理工程を行う生物処理部において行われ、前記汚泥含有水を汚泥と処理水とに分離する固液分離工程と、
前記固液分離工程により分離した汚泥の一部を、返送汚泥として前記生物処理部に返送配管を介して返送する返送工程と、
前記固液分離工程により分離した汚泥から前記返送汚泥を除いた残りの汚泥を廃棄汚泥として前記返送配管に接続してある廃棄配管を介して前記生物処理部の外部へ廃棄する廃棄工程と、
前記可溶化処理が行われて、前記廃棄配管を通過する前記廃棄汚泥の廃棄量を測定する廃棄汚泥情報測定工程と、
前記生物処理部に供給される前記被処理水の有機物負荷を測定する廃水情報測定工程と、
前記廃水情報測定工程により測定される前記有機物負荷に基づいて前記処理条件を設定する処理条件設定工程と、
前記廃棄汚泥情報測定工程により検出される前記廃棄量に応じて、前記処理条件設定工程で設定された前記処理条件を調整することにより、前記廃棄量の変化を前記可溶化処理の前記処理条件に反映させる調整制御を行う処理条件調整工程と、を備えた、
ものである。
以下、実施の形態1に係る水処理システム100および水処理方法について説明する。
なお、以下に示す実施の形態は一例であり、これらの実施の形態によって本願が限定されるものではない。
図1は実施の形態1による水処理システム100の構成を示す模式図である。
図1に示すように、水処理システム100は、第2測定部としての廃水測定部10と、生物処理部としての廃水処理部20と、可溶化処理部30と、第1測定部としての廃棄汚泥測定部40と、制御部としての制御装置50と、を備える。
以下、上記各部の詳細について説明する。
廃水測定部10は、この流入配管61上に設けられて、廃水処理部20に流入する廃水Xの有機物負荷を導出するための廃水情報を測定する。
第1流量計11は、廃水Xの廃水情報として、廃水Xの流量(瞬時流量あるいは積算流量)を測定する。第1流量計11の測定値は、信号線11aを介して制御装置50に入力される。第1センサ12は、廃水Xの廃水情報として、廃水Xの有機物濃度等の水質を測定する。第1センサ12の測定値は、信号線12aを介して制御装置50に入力される。
また、廃水測定部10の第1センサ12は、廃水Xの有機物濃度等の水質を測定できれば、特にその構成は限定されず、TOC計(Total Organic Carbon)、COD計(Chemical Oxygen Demand)等の公知のセンサを使用できる。TOCおよびCODは紫外吸光度と相関関係があるため、吸光光度計等を用いて間接的に有機物濃度を測定しても良い。また、手分析による手動測定でも良いし、自動測定装置を用いた自動測定でも良い。
廃水処理部20は、生物処理槽21と、固液分離槽22と、を備える。この生物処理槽21と固液分離槽22とは、配管62により接続される。
生物処理槽21内には、育成された微生物等の集合体である汚泥が貯留される。そして生物処理槽21内では、流入する廃水Xに含有される有機物を、この汚泥中の微生物により分解する生物処理が行われて、汚泥を含有する汚泥含有水(以降、汚泥含有処理水Yと称す)が生成される。生成された汚泥含有処理水Yは、後述する可溶化処理部30による可溶化処理が行われて、後段の固液分離槽22に配管62を介して移送される。
基本的には、廃水処理部20を管理する管理者が、生物処理槽21内の汚泥含有処理水Yに含まれる汚泥の濃度が、廃水処理部20ごとに決まっている管理値で一定となるように、廃水処理部20の外部に汚泥を廃棄する。
なお、処理水Zの排出方法は特に限定されないが、オーバーフロー方式を採用すると、ポンプ等の動力を必要とせずに、固液分離槽22に移送された汚泥含有処理水Yの量と、固液分離槽22から排出する処理水Zの量とを同程度にできる。
また、固液分離槽22としては、沈殿槽、または膜分離槽等を用いる。膜分離槽を用いる場合、いわゆる膜分離活性汚泥法で使用される膜モジュールを使用すれば良い。
可溶化処理部30は、反応部としてのオゾン反応槽31と、オゾン生成部としてのオゾン発生器32と、移送ポンプ82と、を備える。
オゾン反応槽31へ移送された汚泥含有処理水Yは、オゾン反応槽31に供給されたオゾンガスと反応して可溶化処理される。
生物処理槽21に返送された可溶化された汚泥は、生物処理槽21内の微生物により分解されて減容する。
固液分離槽22において分離された汚泥は、前述のように、その一部は沈殿汚泥返送配管64を介して生物処理槽21に返送され、残りは汚泥廃棄配管65を介して廃水処理部20の外部へと廃棄される。
廃棄汚泥測定部40は、第2流量計41と第2センサ42とから構成される。これら第2流量計41と第2センサ42は、それぞれ信号線41a、42aにより制御装置50に接続される。
また、第2センサ42は、廃棄される汚泥の廃棄汚泥情報として、排出される汚泥の濃度を測定する。第2センサ42の測定値は、信号線42aを介して制御装置50に入力される。
また、第2センサ42は、固液分離槽22から排出される汚泥の濃度を測定することができれば特にその構成は限定されず、SS(Suspended Solids)濃度計、濁度計等の公知のセンサを使用できる。また、手分析による手動測定でも良いし、自動測定装置を用いた自動測定でも良い。手分析の場合は、下水道試験法に則り、濾紙を使用した分析、遠心分離器を使用した分析等の公知の分析方法が利用できる。
こうして制御装置50は、廃水測定部10および廃棄汚泥測定部40から、信号線11a、12a、41a、42aを介して入力される測定情報に基づいて、信号線32aを介してオゾン発生器32を制御し、信号線82aを介して移送ポンプ82を制御する。
例えば、オゾン反応槽31が汚泥含有処理水Yを貯留できる槽であり、移送ポンプ82により汚泥含有処理水Yをオゾン反応槽31に貯留、保持し、この汚泥含有処理水Yに対してオゾン発生器32で生成したオゾンガスを散気管、エジェクタ等の気液混合器を介して供給した後、汚泥含有処理水Yを生物処理槽21に返送する場合は、バッチ方式となる。
例えば、原料として、液体酸素、又はPSA(Pressure Swing Adsorption)、若しくはPVSA(Pressure Vacuum Swing Adsorption)で生成した酸素を用いることができる。必要に応じ、供給される酸素の流量に対して0.05%〜5%の窒素、空気、又は二酸化炭素を添加する添加ガス供給部を配置しても良い。
オゾンガス濃度が上記範囲よりも低い場合、汚泥含有処理水Y中の汚泥の可溶化が効率的に進まず、生物処理槽21内において汚泥を低減させることができなかったり、必要なオゾン量が大幅に増加して、オゾン製造コストが大幅に増加したりする可能性がある。また現状では、濃度400g/Nm3以上のオゾンガスをオゾン発生器32単独で発生させることは困難である。
また、極低温下で冷却を行う場合には、冷凍機を用いても良い。冷却媒体としては、一例として、一般的な水道水を用いても良い。その他、不凍液又はスケール除去剤等が混入された水、イオン交換水、又は純水を用いても良い。更に、エチレングリコール又はエタノール等を用いても良い。
図2は、実施の形態1に係る水処理システム100の水処理方法の動作フローを説明するフロー図である。
本実施の形態1に係る水処理方法は、廃水情報測定工程、否減容汚泥予測工程、処理条件設定工程、可溶化処理工程、廃棄汚泥情報測定工程、汚泥減少量算出工程、処理条件調整工程、を含む。
以降、この可溶化処理部30で汚泥を可溶化しない場合に、廃棄する必要があると予測される汚泥の量を、予測排出汚泥量Mと称す。
より具体的には、制御装置50は、次の関係式により、予測排出汚泥量Mを演算する。
M(kg/日)=係数α×廃水Xの流量(m3/日)×廃水Xの有機物濃度(kg/m3)・・・式(1)
なお、微生物の増殖率は、生物処理槽21が設置されている環境によって異なる。例えば生物処理槽21が気温の高い地域に設置される場合と、気温の低い地域に設置される場合とで微生物の増殖率は異なる。よって上記係数αは、生物処理槽21が設置されている環境情報を加味した、生物処理槽21ごとの固有の値が予め設定される。
なお、係数αには、上記の微生物の増殖、無機物量以外の、他の汚泥量変動要因を示す値を加味させてもよく、係数αは、生物処理槽21内における汚泥の変化量を示すことができれば良い。
以降、この可溶化処理を行う際の処理条件を可溶化処理条件と称す。
具体的には、制御装置50は、可溶化処理条件として、生物処理槽21からオゾン反応槽31に移送する汚泥含有処理水Yの量と、オゾン反応槽31において汚泥含有処理水Yに注入するオゾンガスの量と、を決定する。
そして制御装置50は、算出された処理汚泥量P1から、生物処理槽21からオゾン反応槽31に移送する汚泥含有処理水Yの量(P2とする)を演算する。
P2(kg/日)=P1(kg/日)×(100/濃度(%))・・・式(3)
汚泥減容率が大きいほど汚泥の廃棄処分コストを低減することができるが、生物処理槽21内に蓄積する無機物の割合は大きくなる。逆に、汚泥減容率が小さいほど汚泥の廃棄処分コストが増加するが、生物処理槽21内に蓄積する無機物の割合は小さくなる。そのため、汚泥減容率には、廃水X中に含まれる無機物の量、汚泥の廃棄処分コストの低減目標値等によって、廃水処理部20ごとに適当な固有の値を設定しておく。
減容能力は、生物処理槽21が設置される環境、可溶化処理部30の構成、等に依存するため、これらを考慮して適当な固有の値を設定しておく。
=P1(kg/日)×係数φ・・・式(4)
具体的には、制御装置50は、生物処理槽21からオゾン反応槽31に移送する汚泥含有処理水Yの量が、設定された量P2(kg/日)となるように移送ポンプ82の稼働を制御する。
また、制御装置50は、オゾン反応槽31において汚泥含有処理水Yに注入するオゾンガスの量が、設定された実行量B(kg/日)となるようにオゾン発生器32の稼働を制御する。
具体的には、先ず制御装置50は、以下関係式により、測定された廃棄汚泥の流量および濃度から、可溶化処理した結果として実際に汚泥廃棄配管65から廃棄した汚泥の量を算出する。この算出された汚泥の量を排出汚泥量Qと称す。
具体的には、制御装置50は、以下に示すように、把握した汚泥減少量Tと、可溶化処理部30で汚泥を可溶化しない場合に廃棄する必要があると予測される予測排出汚泥量Mに対して汚泥減容率を乗じた値を100で除算した値と、の大小関係により可溶化処理条件を調整する調整制御を行う。
T(kg/日)= M(kg/日)×汚泥減容率(%)/100
T(kg/日)< M(kg/日)×汚泥減容率(%)/100
制御装置50は、T(kg/日)= M(kg/日)×汚泥減容率(%)/100の場合は、可溶化処理条件の調整は行わない。
制御装置50は、T(kg/日)< M(kg/日)×汚泥減容率(%)/100の場合は、可溶化処理条件である、汚泥含有処理水Yの量P2とオゾンガスの量である実行量Bとを大きくする調整を行う。
なお、制御装置50が、可溶化処理の調整として可溶化処理条件である汚泥含有処理水Yの量P2とオゾンガスの量である実行量Bの両方を同時に調整する例を示したがこれに限定するものではなく、汚泥含有処理水Yの量P2、オゾンガスの量である実行量Bの少なくとも一方を調整できれば良い。
また、T(kg/日)= M(kg/日)×汚泥減容率(%)/100の場合、係数βと係数φを調整せず、その値を維持することで、汚泥含有処理水Yの量P2と、オゾンガスの量である実行量Bの調整がなされない。
また、T(kg/日)< M(kg/日)×汚泥減容率(%)/100の場合、式(3)および式(4)の係数βと係数φを所定量だけ大きくすることで、汚泥含有処理水Yの量P2と、オゾンガスの量である実行量Bを大きくする調整を実行できる。
例えば、制御装置50はステップS2の否減容汚泥予測工程の式(1)において、廃水Xの流量と有機物濃度とから廃水Xの有機物負荷を導出し、これに係数αを乗じて予測排出汚泥量Mを算出した。しかしながら予測排出汚泥量Mの算出はこの方法に限定するものではない。
例えば、生物処理槽21に流入する廃水Xの水質が安定しており、通年でほぼ一定である場合は、廃水測定部10を第1流量計11のみで構成することもできる。その場合、制御装置50は、予測排出汚泥量Mを次のように算出しても良い。
但し、係数αには廃水Xの有機物濃度を示す値を加味させる。
但し、係数αには廃水Xの流量を示す値を加味させる。
したがって、制御装置50の処理条件調整工程において、係数φの値を変数として書き換える調整方法の場合、0.02以上0.03以下の範囲に初期値を設定し、0.01を最小値、0.05を最大値として係数φの値を書き換えることが好ましい。
汚泥1kgを十分に可溶化するのに必要なオゾンガスの量は、基本的には、オゾン反応槽31の構成、オゾン反応槽31内におけるオゾンガスと汚泥の反応方式(バッチ方式、CSTR方式、PFR方式)、あるいはオゾン発生器32が発生させるオゾンガスの濃度、等によって一意に決まる値である可能性が高い。したがって、オゾン反応槽31の構成、オゾン反応槽31内におけるオゾンガスと汚泥との反応方式、あるいはオゾン発生器32が発生させるオゾンガスの濃度が固定されているのであれば、汚泥1kgを十分に可溶化するのに必要なオゾンガスの量である係数φの値は固定値とできる場合がある。
その場合、式(3)、式(4)に示される係数βのみを変数として書き換えても、汚泥含有処理水Yの量P2と、オゾンガスの量である実行量Bの調整は可能である。
したがって、係数βの値を変数として書き換える場合、3.0以上3.4以下の範囲に初期値を設定し、2.5を最小値、4.0を最大値として係数βの値を書き換える調整を行うことが好ましい。
この場合、制御装置50は、汚泥減少量Tと、固定値の予測排出汚泥量Mに対して汚泥減容率を乗じた値を100で除算した値と、の大小関係により、可溶化処理条件を調整する。
有機物を含有する被処理水が供給され、供給された前記被処理水に対して生物処理を行って汚泥を含有する汚泥含有水を生成する生物処理部と、
前記汚泥含有水に含有される汚泥に対して、設定された処理条件に基づいて可溶化処理を行う可溶化処理部と、
前記可溶化処理部による前記可溶化処理が行われて前記生物処理部の外部に排出される汚泥の排出汚泥量を測定する第1測定部と、
前記可溶化処理部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
測定された前記排出汚泥量に応じて、設定された前記処理条件を調整する調整制御を行うことにより、前記排出汚泥量の変化を前記可溶化処理の前記処理条件に反映させる、
ものである。
これにより、可溶化処理条件を決定した後において、汚泥を取り巻く水処理環境の変化に応じて可溶化処理により低減できる汚泥の量が変動する場合であっても、水処理環境の変化が反映される排出汚泥量Qに基づいて可溶化処理条件を調整することで、過不足のない可溶化処理が確保できる。これにより、廃棄する汚泥の量を適量に調整できると共に、汚泥の廃棄処分コスト、廃棄に係るエネルギー、廃棄用地の削減等が可能となる。
前記被処理水の有機物負荷を測定する第2測定部を備え、
前記制御部は、
前記処理条件を、測定される前記有機物負荷に基づいて設定し、
前記調整制御において、測定される前記有機物負荷と、測定される前記排出汚泥量とに応じて、設定された前記処理条件を調整する、
ものである。
また、制御装置50は、調整制御において、測定された排出汚泥量Qに加え、供給される廃水Xの有機物負荷に応じて可溶化処理条件を調整する。これにより、更に精度よい可溶化処理条件の調整が可能となる。
前記制御部は、
測定される前記有機物負荷に基づいて、前記可溶化処理部による前記可溶化処理が行われない場合に前記生物処理部の外部に排出される汚泥の予測排出汚泥量Mを予測演算し、
演算された前記予測排出汚泥量に基づいて、前記可溶化処理の前記処理条件を設定し、
前記調整制御において、演算された前記予測排出汚泥量と測定される前記排出汚泥量との差分に応じて、設定された前記処理条件を調整する、
ものである。
そしてこのように制御装置50は、調整制御において、予測排出汚泥量Mと測定された排出汚泥量Qとの差分である排出汚泥量Qに応じて可溶化処理条件を調整する。
このように、可溶化処理条件に基づいて汚泥の可溶化処理を行った結果として実際に低減された汚泥減少量Tを把握し、把握した汚泥減少量Tに基づいて可溶化処理条件を調整する。こうして、水処理環境の変化が反映される汚泥減少量Tに基づいて可溶化処理条件を調整することで、過不足のない更に精度良い可溶化処理が確保できる。これにより、廃棄する汚泥の量を更に適量に調整できると共に、汚泥の廃棄処分コスト、廃棄に係るエネルギー、廃棄用地の更なる削減が可能となる。
前記制御部は、
前記予測排出汚泥量に基づき、前記可溶化処理部による前記可溶化処理により減容する、前記汚泥含有水に含有される汚泥の減容目標量を設定し、
前記調整制御において、演算された前記予測排出汚泥量と測定される前記排出汚泥量との差分が前記減容目標量になるように、設定された前記処理条件を調整する、
ものである。
前記汚泥含有水に含有される汚泥の、前記生物処理部内における変化量を示す設定された第1調整値を用いて前記予測排出汚泥量を予測演算し、
演算された前記予測排出汚泥量に基づき、前記汚泥含有水中の汚泥の内、前記可溶化処理を行う汚泥の量である処理汚泥量を、前記可溶化処理部の減容能力を示す設定された第2調整値を用いて決定し、
前記処理汚泥量に基づいて、前記可溶化処理の実行量を、設定された第3調整値を用いて決定し、
前記調整制御における設定された前記処理条件の調整として、前記第1調整値、前記第2調整値、前記第3調整値、の少なくとも1つを調整する、
ものである。
さらに、処理汚泥量P1を、精度良く算出された予測排出汚泥量Mと、実際の可溶化処理部の減容能力を示す係数βとに基づいて算出するため、更に精度良い値とできる。
さらに可溶化処理の実行量Bを、精度良く算出された処理汚泥量P1に基づいて決定するため、可溶化処理における過剰なオゾンガス使用等を抑止できる。また、その後の調整制御における可溶化処理条件の調整量を小さくして、水処理システム100を構成する各装置の負担を低減できる。
オゾンガスを生成するオゾン生成部を備え、
前記可溶化処理部による前記可溶化処理は、前記汚泥含有水に対して生成されたオゾンガスを供給する、
ものである。
有機物を含む被処理水に対して生物処理を行って汚泥を含有する汚泥含有水を生成し、前記汚泥含有水中の汚泥に対して、設定された処理条件に基づいて可溶化処理を行う水処理方法において、
前記可溶化処理が行われて、前記生物処理を行う生物処理部の外部に排出される汚泥の排出汚泥量を測定する廃水情報測定工程と、
検出される前記排出汚泥量に応じて、設定された前記処理条件を調整することにより、前記排出汚泥量の変化を前記可溶化処理の前記処理条件に反映させる調整制御を行う処理条件調整工程と、を備えた、
ものである。
以下、本願の実施の形態2を、上記実施の形態1と異なる箇所を中心に図を用いて説明する。上記実施の形態1と同様の部分は同一符号を付し、特に必要のない限り説明を省略する。
図3は、実施の形態2による水処理システム200の構成を示す模式図である。
図4は、実施の形態2に係る水処理システム200の水処理方法の動作フローを説明するフロー図である。
可溶化処理部30により、生物処理槽21内から移送した汚泥含有処理水Y中の汚泥を可溶化し続けると、廃水Xの浄化を行う生物処理槽21内の微生物の活性が低下することが明らかとなった。生物処理槽21内の微生物の活性が低下すると、可溶化された汚泥を微生物が分解できなくなり、汚泥を低減できなくなる虞がある。しかし、汚泥を可溶化しない時間帯を設けると、可溶化しない時間帯において微生物の活性が回復するため、生物処理槽21内の微生物の活性の低下を抑制できる。
本実施の形態3に係る水処理方法は、廃水情報測定工程、否減容汚泥予測工程、処理条件設定工程、可溶化処理工程、可溶化処理停止工程、廃棄汚泥情報測定工程、汚泥減少量算出工程、処理条件修正工程を含む。
実施の形態1と同様のステップS1の廃水情報測定工程、ステップS2の否減容汚泥予測工程を経て、制御装置50は、本実施の形態のステップS203の処理条件設定工程を行う。
なお、このように一日あたりの可溶化処理の実行回数と、可溶化処理の実行時間とが設定されることに従い、可溶化処理を行わない時間、即ち、可溶化処理の実行間隔も同時に設定される。
可溶化処理を行った累積実行回数が、設定された可溶化処理実行回数に達していない場合は(図4のステップS204b、NO)、間欠制御部251はステップS4に戻り可溶化処理を行う。
こうして、ステップS203で設定した可溶化処理の実行回数と可溶化処理の実行時間とに従って、ステップS4とステップS204aとは交互に実行される。そして、その実行中、あるいは実行後において、実施の形態1と同様の廃棄汚泥情報測定工程を行う(図4のステップS5)。
T(kg/日)> M(kg/日)×汚泥減容率(%)/100
T(kg/日)= M(kg/日)×汚泥減容率(%)/100
T(kg/日)< M(kg/日)×汚泥減容率(%)/100
間欠制御部251は、T(kg/日)= M(kg/日)×汚泥減容率(%)/100の場合は、可溶化処理条件の調整は行わない。
間欠制御部251は、T(kg/日)< M(kg/日)×汚泥減容率(%)/100の場合は、可溶化処理条件である、可溶化処理の実行回数と可溶化処理の実行時間の少なくとも一方を大きくする調整を行う。
しかしながら、単位時間当たりの汚泥含有処理水Yの量P2と、オゾンガスの量である実行量Bとが固定でない場合においても、汚泥減少量Tに基づいて、制御装置50による汚泥含有処理水Yの量P2と、オゾンガスの量である実行量Bとを調整しつつ、間欠制御部251による可溶化処理の実行回数と可溶化処理の実行時間の調整を行うことも可能である。
前記調整制御における設定された前記処理条件の調整として、前記可溶化処理を間欠的に実行する、
ものである。
また、可溶化処理条件の調整として、微生物の活性を制御可能な、間欠的な可溶化処理を行う。これにより、生物処理槽21内の微生物の活性の低下を抑制しつつ、廃棄する汚泥の量を適量に調整できる。また、可溶化された汚泥を、活性が維持された微生物が効率的に分解するため、汚泥の廃棄処分コスト、廃棄に係るエネルギー、廃棄用地の更なる削減が可能となる。
前記調整制御における設定された前記処理条件の調整として、間欠的に実行される前記可溶化処理の実行間隔と、前記可溶化処理の実行1回あたりの実行時間との比率が目標範囲内となるように、前記可溶化処理の実行間隔、前記実行時間、の少なくとも一方を調整する、
ものである。
また、可溶化処理の実行間隔と、可溶化処理の実行時間との比率が目標範囲となるように調整を行うことで、可溶化処理の実行時間に応じた微生物の活性の回復期間を設定できる。これにより、生物処理槽21内の微生物の活性の低下を更に抑制できる。
以下、本願の実施の形態3を、上記実施の形態2と異なる箇所を中心に図を用いて説明する。上記実施の形態2と同様の部分は同一符号を付し、特に必要のない限り説明を省略する。
図5は、実施の形態3による水処理システム300の構成を示す模式図である。
図6は、実施の形態3に係る水処理システム300の水処理方法の動作フローを説明するフロー図である。
オゾン濃縮器333とオゾン発生器32とは、酸素ガス返送配管72により接続される。さらに、間欠制御部251は、開閉弁334と減圧装置335とに、信号線32aにより接続される。
そして間欠制御部251が、濃縮されたオゾンガスをオゾン反応槽31内に間欠的に供給するように、これらオゾン濃縮器333と、開閉弁334と、減圧装置335とを制御する点が異なる。
また、このオゾン濃縮器333とオゾン反応槽31との間に減圧装置335は設けられる。また、開閉弁334は、オゾン濃縮器333と減圧装置335との間に設けられる。
また、減圧装置335は、出力側が正圧となる構成を有する。これにより濃縮オゾンガスの供給対象のオゾン反応槽31内の圧力よりも、オゾン濃縮器333内の圧力が低い状態であっても、オゾンガスをオゾン反応槽31内に供給できる。ただし、オゾン反応槽31内、あるいはオゾンガス配管68内の圧力よりも、オゾン濃縮器333内の圧力が常に高い状態である等、減圧装置335が、出力側が正圧となる構成を有していなくとも濃縮オゾンガスをオゾン反応槽31に供給できる場合は、出力側が正圧となる構成を有していなくてもよい。
また、開閉弁334が開いて、減圧装置335が稼働している時間が、濃縮オゾンガスがオゾン反応槽31内に供給されて、オゾン反応槽31で汚泥を可溶化する時間となる。
本実施の形態3に係る水処理方法は、廃水情報測定工程、否減容汚泥予測工程、処理条件設定工程、オゾン吸着工程、可溶化処理工程、可溶化処理停止工程、廃棄汚泥情報測定工程、汚泥減少量算出工程、処理条件調整工程、を含む。
設定される可溶化条件は、可溶化処理の実行回数としての一日あたりの開閉弁334が開く回数および減圧装置335が稼働する回数と、可溶化処理の実行時間としての開閉弁334が開く時間および減圧装置335が稼働する稼働時間と、である。
この時、オゾンガスが既に吸着された状態であれば、このステップS303aは実行せずに後段の工程に移っても良い。
また、制御装置50は、オゾン反応槽31において汚泥含有処理水Yに注入する濃縮オゾンガスの量が、設定された単位時間あたりの実行量B(kg/時)となるように、開閉弁334を開くと共に減圧装置335を稼働させて、濃縮オゾンガスを汚泥含有処理水Yに注入する(図6のステップS304、可溶化処理工程)。
なお、この可溶化処理の実行時間は、ステップS303で設定した開閉弁334が開く時間と、減圧装置335が稼働する稼働時間とに従って行う。
このステップS304aの実行中、即ち、可溶化処理の停止中に並行して、オゾン吸着工程(図6のステップS303b)を実行することが好ましい。
可溶化処理を行った累積実行回数が、設定された可溶化処理の実行回数に達していない場合は(図6のステップS304b、NO)、間欠制御部251はステップS304に戻り可溶化処理を行う。
こうして、ステップS303で設定した可溶化処理の実行回数としての開閉弁334が開く回数、および減圧装置335が稼働する回数と、可溶化処理の実行時間としての開閉弁334が開く時間、および減圧装置335が稼働する時間と、に従って、ステップS304とステップS304aは交互に実行される。そしてその実行中、あるいは実行後において、実施の形態1と同様の廃棄汚泥情報測定工程を行う(図6のステップS5)。
また、このように開閉弁334が開いて、減圧装置335が稼働している時間は、移送ポンプ82を稼働させ、生物処理槽21内の汚泥含有処理水Yをオゾン反応槽31へ移送する。
前記可溶化処理部は、オゾンガスを生成するオゾン生成部と、該オゾン生成部により生成されたオゾンガスを濃縮する濃縮部と、を備え、
前記可溶化処理部による前記可溶化処理は、前記汚泥含有水に対して濃縮されたオゾンガスを供給する、
ものである。
前記可溶化処理部は、前記生物処理部内の前記汚泥含有水の内から、前記可溶化処理を行う量の前記汚泥含有水を移送して前記可溶化処理を行う反応部と、
前記反応部と前記濃縮部との間に設けられ、前記濃縮部内を減圧する減圧装置と、を備え、
前記濃縮部は、前記オゾン生成部により生成されたオゾンガスを該濃縮部の内部において吸着剤に吸着させ、
前記制御部は、間欠的に実行される前記可溶化処理において、
前記可溶化処理の実行中において前記減圧装置を稼働させることで前記濃縮部内で前記吸着剤に吸着されたオゾンガスを濃縮させ、濃縮されたオゾンガスを前記反応部内の前記汚泥含有水に供給し、
前記可溶化処理の停止中において前記減圧装置を停止させる、
ものである。
前記可溶化処理部は、前記減圧装置と前記濃縮部との間に開閉弁を備え、
前記制御部は、
間欠的に実行される前記可溶化処理における、前記減圧装置の稼働あるいは停止に応じて、前記開閉弁の開閉を制御する、
ものである。
以下、本願の実施の形態4を、上記実施の形態3と異なる箇所を中心に図を用いて説明する。上記実施の形態3と同様の部分は同一符号を付し、特に必要のない限り説明を省略する。
図7は、実施の形態4による水処理システム400の構成を示す模式図である。
この三方弁434の第1、第2、第3の接続口はそれぞれ、オゾンガス配管68a、オゾンガス配管68b、一端470Eが大気開放された大気開放配管470、に接続される。
このように三方弁434は、減圧装置335と当該三方弁434との間を接続する流路であるオゾンガス配管68aを、オゾン濃縮器333に連通させる経路と、大気開放させる経路と、を選択的に確保可能としている。
以下、この三方弁434の切り替えにより、オゾン反応槽31内にオゾンガスの供給を行う制御を説明する。
前記開閉弁は、
前記減圧装置と前記開閉弁との間を接続する流路を、前記濃縮部に連通させる経路と、大気開放させる経路と、を選択的に確保する三方弁であり、
前記制御部は、間欠的に実行される前記可溶化処理において、
前記可溶化処理の実行中に前記流路を前記濃縮部に連通させ、前記可溶化処理の実行停止中に前記流路を大気開放させるように前記三方弁を制御する、
ものである。
前記制御部は、前記可溶化処理の実行停止中に、前記三方弁の制御により、一端が大気に開放された大気開放配管に前記流路を連通させ、
前記大気開放配管の一端は、前記反応部から前記流路内に流入した前記汚泥含有水を、該大気開放配管を介して前記生物処理部内へ移送可能な位置に配置される、
ものである。
以下、本実施の形態5を、上記実施の形態1と異なる箇所を中心に図を用いて説明する。上記実施の形態1と同様の部分は同一符号を付し、特に必要のない限り説明を省略する。
図8は、実施の形態5による水処理システム500aの構成を示す模式図である。
図9は、実施の形態5による水処理システム500bの構成を示す模式図である。
本実施の形態5に係る水処理システム500bは、基本的な構成および動作が水処理システム500bと同様であるが、可溶化処理部30は、嫌気性微生物が生育される嫌気性消化槽533を備える。そしてオゾン反応槽31において可溶化された汚泥が移送される返送配管67は、生物処理槽21の代わりに嫌気性消化槽533に接続される。また、嫌気性消化槽533は消化汚泥廃棄配管71と接続され、この消化汚泥廃棄配管71は汚泥廃棄配管65に接続される。
前記可溶化処理部は、前記生物処理部の外部に排出された汚泥に対して、嫌気性微生物による分解を行う嫌気性消化槽を備える、
ものである。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
Claims (14)
- 有機物を含有する被処理水が供給され、供給された前記被処理水に対して生物処理を行って汚泥を含有する汚泥含有水を生成する生物処理部と、
前記汚泥含有水に含有される汚泥に対して、設定された処理条件に基づいて可溶化処理を行う可溶化処理部と、
前記生物処理部内に配設され、前記汚泥含有水を汚泥と処理水とに分離する固液分離部と、
前記固液分離部が分離した汚泥の一部を、返送汚泥として前記生物処理部の前記汚泥含有水内に返送する返送配管と、
前記返送配管に接続されてあり、前記固液分離部が分離した汚泥から前記返送汚泥を除いた残りの汚泥を廃棄汚泥として前記生物処理部の外部へ廃棄する廃棄配管と、
前記廃棄配管に接続されてあり、前記廃棄汚泥の廃棄量を測定する第1測定部と、
前記生物処理部に供給される前記被処理水の有機物負荷を測定する第2測定部と、
前記可溶化処理部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記第2測定部により測定される前記有機物負荷に基づいて前記処理条件を設定し、
前記第1測定部により測定される前記廃棄量に応じて、設定された前記処理条件を調整する調整制御を行うことにより、前記廃棄量の変化を前記可溶化処理の前記処理条件に反映させる、
水処理システム。 - 前記制御部は、
測定される前記有機物負荷に基づいて、前記可溶化処理部による前記可溶化処理が行われない場合の廃棄汚泥の予測廃棄量を予測演算し、
演算された前記予測廃棄量に基づいて、前記可溶化処理の前記処理条件を設定し、
前記調整制御において、演算された前記予測廃棄量と測定される前記廃棄量との差分に応じて、設定された前記処理条件を調整する、
請求項1に記載の水処理システム。 - 前記制御部は、
前記予測廃棄量に基づき、前記可溶化処理部による前記可溶化処理により減容する、前記汚泥含有水に含有される汚泥の減容目標量を設定し、
前記調整制御において、演算された前記予測廃棄量と測定される前記廃棄量との差分が前記減容目標量になるように、設定された前記処理条件を調整する、
請求項2に記載の水処理システム。 - 前記制御部は、
前記汚泥含有水に含有される汚泥の、前記生物処理部内における変化量を示す設定された第1調整値を用いて前記予測廃棄量を予測演算し、
演算された前記予測廃棄量に基づき、前記汚泥含有水中の汚泥の内、前記可溶化処理を行う汚泥の量である処理汚泥量を、前記可溶化処理部の減容能力を示す設定された第2調整値を用いて決定し、
前記処理汚泥量に基づいて、前記可溶化処理の実行量を、設定された第3調整値を用いて決定し、
前記調整制御における設定された前記処理条件の調整として、前記第1調整値、前記第2調整値、前記第3調整値、の少なくとも1つを調整する、
請求項2または請求項3に記載の水処理システム。 - 前記可溶化処理部は、オゾンガスを生成するオゾン生成部を備え、
前記可溶化処理部による前記可溶化処理は、前記汚泥含有水に対して生成されたオゾンガスを供給する、
請求項1から請求項4のいずれか1項記載の水処理システム。 - 前記制御部は、
前記調整制御における設定された前記処理条件の調整として、前記可溶化処理を間欠的に実行する、
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の水処理システム。 - 前記制御部は、
前記調整制御における設定された前記処理条件の調整として、間欠的に実行される前記可溶化処理の実行間隔と、前記可溶化処理の実行1回あたりの実行時間との比率が目標範囲内となるように、前記可溶化処理の実行間隔、前記実行時間、の少なくとも一方を調整する、
請求項6に記載の水処理システム。 - 前記可溶化処理部は、オゾンガスを生成するオゾン生成部と、該オゾン生成部により生成されたオゾンガスを濃縮する濃縮部と、を備え、
前記可溶化処理部による前記可溶化処理は、前記汚泥含有水に対して濃縮されたオゾンガスを供給する、
請求項6または請求項7に記載の水処理システム。 - 前記可溶化処理部は、前記生物処理部内の前記汚泥含有水の内から、前記可溶化処理を行う量の前記汚泥含有水を移送して前記可溶化処理を行う反応部と、
前記反応部と前記濃縮部との間に設けられ、前記濃縮部内を減圧する減圧装置と、を備え、
前記濃縮部は、前記オゾン生成部により生成されたオゾンガスを該濃縮部の内部において吸着剤に吸着させ、
前記制御部は、間欠的に実行される前記可溶化処理において、
前記可溶化処理の実行中において前記減圧装置を稼働させることで前記濃縮部内で前記吸着剤に吸着されたオゾンガスを濃縮させ、濃縮されたオゾンガスを前記反応部内の前記汚泥含有水に供給し、
前記可溶化処理の停止中において前記減圧装置を停止させる、
請求項8に記載の水処理システム。 - 前記可溶化処理部は、前記減圧装置と前記濃縮部との間に開閉弁を備え、
前記制御部は、
間欠的に実行される前記可溶化処理における、前記減圧装置の稼働あるいは停止に応じて、前記開閉弁の開閉を制御する、
請求項9に記載の水処理システム。 - 前記開閉弁は、
前記減圧装置と前記開閉弁との間を接続する流路を、前記濃縮部に連通させる経路と、大気開放させる経路と、を選択的に確保する三方弁であり、
前記制御部は、間欠的に実行される前記可溶化処理において、
前記可溶化処理の実行中に前記流路を前記濃縮部に連通させ、前記可溶化処理の実行停止中に前記流路を大気開放させるように前記三方弁を制御する、
請求項10に記載の水処理システム。 - 前記制御部は、前記可溶化処理の実行停止中に、前記三方弁の制御により、一端が大気に開放された大気開放配管に前記流路を連通させ、
前記大気開放配管の一端は、前記反応部から前記流路内に流入した前記汚泥含有水を、該大気開放配管を介して前記生物処理部内へ移送可能な位置に配置される、
請求項11に記載の水処理システム。 - 前記可溶化処理部は、前記生物処理部の外部に排出された汚泥に対して、嫌気性微生物による分解を行う嫌気性消化槽を備える、
請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の水処理システム。 - 有機物を含む被処理水に対して生物処理を行う生物処理工程により汚泥を含有する汚泥含有水を生成し、前記汚泥含有水中の汚泥に対して、設定された処理条件に基づいて可溶化処理を行う水処理方法において、
前記生物処理工程を行う生物処理部において行われ、前記汚泥含有水を汚泥と処理水とに分離する固液分離工程と、
前記固液分離工程により分離した汚泥の一部を、返送汚泥として前記生物処理部に返送配管を介して返送する返送工程と、
前記固液分離工程により分離した汚泥から前記返送汚泥を除いた残りの汚泥を廃棄汚泥として前記返送配管に接続してある廃棄配管を介して前記生物処理部の外部へ廃棄する廃棄工程と、
前記可溶化処理が行われて、前記廃棄配管を通過する前記廃棄汚泥の廃棄量を測定する廃棄汚泥情報測定工程と、
前記生物処理部に供給される前記被処理水の有機物負荷を測定する廃水情報測定工程と、
前記廃水情報測定工程により測定される前記有機物負荷に基づいて前記処理条件を設定する処理条件設定工程と、
前記廃棄汚泥情報測定工程により検出される前記廃棄量に応じて、前記処理条件設定工程で設定された前記処理条件を調整することにより、前記廃棄量の変化を前記可溶化処理の前記処理条件に反映させる調整制御を行う処理条件調整工程と、を備えた、
水処理方法。
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