JP2010029749A - 脱窒処理方法及び脱窒処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、硝酸イオン、亜硝酸イオンを含む被処理水の処理において、完全混合型の脱窒槽に被処理水を連続流入させながら、脱窒菌をグラニュール化させることを可能とする水処理方法及び水処理装置を提供することにある。
【解決手段】本発明は、完全混合型の脱窒槽に被処理水を連続供給すると共に、水素供与体を供給し、被処理水中に含まれる硝酸イオン、亜硝酸イオンを脱窒菌により窒素に還元する脱窒処理方法であって、前記脱窒槽として、第1脱窒部と前記第1脱窒部の後段に第2脱窒部とを設置し、前記第1脱窒部内での被処理水の水理学的滞留時間における水素供与体の濃度と前記第2脱窒部内での被処理水の水理学的滞留時間における水素供与体の濃度との差が、前記脱窒菌の自己造粒化を誘導する濃度差となるように、少なくとも前記第1脱窒部に水素供与体を供給する。
【選択図】なし

Description

本発明は、被処理水中に含まれる硝酸イオン、亜硝酸イオンを脱窒菌により窒素に還元する脱窒処理方法及び脱窒処理装置に関する。
近年、水処理、特に排水処理の分野においては、微生物の生理活性を利用して排水中の汚濁物質を無害な物質に変化させて処理を行う生物化学的な水処理が多用されている。一般的な生物処理法として活性汚泥法が主流であるが、通常の活性汚泥法においては、槽内の微生物濃度の高濃度化が困難であり負荷を高く取ることができないため、大きな敷地面積が必要であること、生物の管理が難しくバルキング等の処理性能悪化を生じやすいこと、大規模な沈殿設備が必要であること、余剰汚泥等の廃棄物発生量が多いことなどが問題視されてきた。これらの問題を解決する技術として、活性汚泥の固液分離を膜により行う方法、スポンジや高分子担体等の微生物を付着させて処理を行う方法、微生物が自己造粒した比重の高い塊、いわゆるグラニュールを利用して処理を行う方法等が開発されてきた。中でもグラニュールを使用する方法は槽内に多量の微生物を保持しうるため、単位体積当たりの反応速度が速く、固液分離も容易なため注目されてきている。
窒素を含有した排水の処理においても同様に、生物化学的な水処理が適用される。例えば、アンモニア性窒素含有排水の処理としては、好気性条件下において、アンモニア酸化細菌および亜硝酸酸化細菌等によりアンモニウムイオンを亜硝酸イオン、硝酸イオンにまで硝化した後に、嫌気性条件及び水素供与体の存在下において、脱窒菌により亜硝酸イオン、硝酸イオンを窒素ガスにまで還元する方法がある。この際、水素供与体としては排水中に含まれている有機物等が利用できるが、水素供与体が不足する場合には外部より供給することが必要となる。このとき水素供与体は排水中の窒素濃度を元に供給量が決定され、その供給量に基づいて、水素供与体が連続的に添加される。
このうち、脱窒菌により亜硝酸イオン、硝酸イオンを窒素ガスにまで還元する脱窒処理においては、活性汚泥法の他に、脱窒菌の濃度を高め、且つ固液分離を容易にするために、スポンジやゲル状の担体を添加し、脱窒処理を行う方法がある。また、脱窒菌自体を自己造粒させて比重の高い塊、すなわちグラニュールを形成して、槽内の脱窒菌の濃度を飛躍的に高め、脱窒処理を行う方法もある。グラニュール化した脱窒菌を使用する処理方法においては、高濃度の脱窒菌を槽内に保持することができるため、槽あたりの処理速度は担体を添加した処理方法と比較しても速く、担体が不要であるため低コスト化が可能となる。さらに、グラニュールの比重が高く沈降速度が速いため、固液分離が容易である等の利点を有している。このようなグラニュールの形成は、嫌気性メタン発酵、上向流式スラッジブランケットリアクター(USB)、半回分式リアクター(SBR)で確認されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特開昭63−258695号公報 特開平1−262996号公報 特開2000−51893号公報
半回分式リアクターにおいては、脱窒槽が完全混合型であって、1つの脱窒槽で、被処理水の流入、酸素供給および被処理水と脱窒菌との接触、脱窒菌の沈降、処理水の排出、といった4つの工程を経ることによって処理が行われる。しかし、被処理水の流入と処理水の排出が共に短時間で行われるため、処理流量の変動が大きくなり、装置には大きな流量調整槽が必要となる。そのため、小規模の装置においては簡便で有利な装置となり得るが、中〜大規模の装置に適用することは困難である。また、上向流式スラッジブランケットリアクターを用いた場合には、非常に高い処理速度が得られるものの、特殊な形状の脱窒槽を用いるため、設備コストが高くなる。また、装置の構成上、脱窒槽内部の攪拌を十分に行うことができないため、被処理水のpHコントロールが困難となり、カルシウム等を含んだ被処理水においてはスケールの発生やグラニュール中に無機物が蓄積するなどの問題点を有している。
こういった問題を解決するためには従来から多くの装置で利用されている完全混合型の脱窒槽を利用し、被処理水を連続流入(及び連続排出)させる装置構成とすることが望ましいが、このような装置構成における脱窒菌のグラニュール形成に関する報告はこれまでにない。
そこで、本発明は、被処理水に含まれる硝酸イオン、亜硝酸イオンを脱窒菌により窒素に還元する脱窒処理において、完全混合型の脱窒槽に被処理水を連続流入させながら、脱窒菌をグラニュール化させることを目的とする。
本発明は、完全混合型の脱窒槽に被処理水を連続供給すると共に、水素供与体を供給し、被処理水中に含まれる硝酸イオン、亜硝酸イオンを脱窒菌により窒素に還元する脱窒処理方法であって、前記脱窒槽として、第1脱窒部と前記第1脱窒部の後段に第2脱窒部とを設置し、前記第2脱窒部内での被処理水の水理学的滞留時間における前記第1脱窒部内での水素供与体の濃度と、前記第2脱窒部内での被処理水の水理学的滞留時間における前記第2脱窒部内での水素供与体の濃度との差が、前記脱窒菌の自己造粒化を誘導する濃度差となるように、少なくとも前記第1脱窒部に水素供与体を供給する。
また、前記脱窒処理方法において、前記第2脱窒部内での被処理水の水理学的滞留時間における第1脱窒部内での水素供与体の最大濃度と、前記第2脱窒部内での被処理水の水理学的滞留時間における第2脱窒部内での水素供与体の最小濃度との差が、50mgTOC/L以上となるように、少なくとも前記第1脱窒部に水素供与体を供給することが好ましい。
また、前記脱窒処理方法において、前記第1脱窒部の容積は前記第2脱窒部の容積の1/30〜1/3であることが好ましい。
また、前記脱窒処理方法において、前記第1脱窒部に水素供与体を間欠的に供給することが好ましい。
また、前記脱窒処理方法において、硝酸イオン、亜硝酸イオンの濃度に対して、脱窒処理に必要な水素供与体の供給量を基準とし、前記基準値より少ない量の水素供与体を前記第1脱窒部に供給する第1供給工程と、前記基準値より多い量の水素供与体を前記第2脱窒部に供給する第2供給工程とを組み合わせて、前記第1脱窒部に水素供与体を供給することが好ましい。
また、前記脱窒処理方法において、前記第1脱窒部は複数槽であることが好ましい。
また、前記脱窒処理方法において、前記第2脱窒部は複数槽であることが好ましい。
また、本発明は、完全混合型の脱窒槽と、前記脱窒槽に被処理水を連続供給する被処理水供給手段と、前記脱窒槽に水素供与体を供給する水素供与体供給手段と、を有し、前記脱窒槽内で被処理水中に含まれる硝酸イオン、亜硝酸イオンを脱窒菌により窒素に還元する脱窒処理装置であって、前記脱窒槽は、第1脱窒部と前記第1脱窒部の後段に設置される第2脱窒部とを有し、前記水素供与体供給手段は、前記第2脱窒部内での被処理水の水理学的滞留時間における前記第1脱窒部内での水素供与体の濃度と、前記第2脱窒部内での被処理水の水理学的滞留時間における前記第2脱窒部内での水素供与体の濃度との差が、前記脱窒菌の自己造粒化を誘導する濃度差となるように、少なくとも前記第1脱窒部に水素供与体を供給する。
本発明によれば、完全混合型の脱窒槽に被処理水を連続流入させながら、脱窒菌をグラニュール化させることができ、装置の小型化又は低コスト化が可能となる。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
図1は、本実施形態に係る水処理装置の一例を示す概略構成図である。図1に示すように、水処理装置1は、フッ素処理装置10と、硝化装置12と、脱窒装置14とを備える。本実施形態は、硝酸イオン、亜硝酸イオンを含有した被処理水の脱室処理方法及び脱窒処理装置に関するものであるが、例えば、半導体工場排水等の電子産業排水等には、フッ素及びアンモニア性窒素含有排水として排出されることが多く、このような場合には、上記のようにフッ素処理装置10によりフッ素を除去し、硝化装置12によりアンモニア性窒素を硝酸若しくは亜硝酸まで硝化させる必要がある。
アンモニア性窒素は、アンモニア、アンモニウム化合物、アミン系化合物、例えばテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、モノエタノールアミン、その他アミノ酸等の有機性窒素化合物に起因するものである。フッ素は、フッ酸やフッ素化合物等に起因するものである。なお、フッ素処理装置10の構成及びフッ素除去方法、硝化装置12の構成及び硝化方法について、下記にその一例を説明するが、装置構成及び方法はこれに制限されるものではない。
フッ素処理装置10は、被処理水槽と、反応槽と、沈殿槽とを備える。被処理水槽の出口と反応槽の入口、反応槽の出口と沈殿槽の入口とは配管により接続されている。
硝化装置12は、被処理水槽と、硝化槽とを備える。フッ素処理装置10の沈殿槽の出口と硝化装置12の被処理水槽の入口、硝化装置12の被処理水槽の出口と硝化槽の入口とは配管により接続されている。
図2は、本実施形態に係る脱窒装置の構成の一例を示す模式図である。図2に示すように、脱窒装置14は、脱窒槽(第1脱窒部16a、第2脱窒部16b)と、酸化槽18と、沈殿槽20と、被処理水第1流入管22、被処理水第2流入管23、汚泥返送管24、処理水取出管26a,26b,26c、水素供与体供給装置28、pH調整装置30、とを備える。脱窒槽は、第1脱窒部16aと、第1脱窒部16aの後段に設置される第2脱窒部16bと、を有する。図1に示す硝化装置12の硝化槽の出口と図2に示す第1脱窒部16aの被処理水供給口とは、被処理水第1流入管22により接続されている。第1脱窒部16aの被処理水排出口と第2脱窒部16bの被処理水供給口とは、被処理水第2流入管23により接続されている。第2脱窒部16bの処理水出口と酸化槽18の入口とは処理水取出管26aにより接続され、酸化槽18の出口と沈殿槽20の入口とは処理水取出管26bにより接続され、沈殿槽20の処理水出口には、処理水取出管26cが接続されている。沈殿槽20の汚泥排出口と第1脱窒部16aの汚泥流入口とは、ポンプ25を介して、汚泥返送管24により接続されている。第1脱窒部16a及び第2脱窒部16b内には、槽内の水の攪拌を行う攪拌装置32a,32bが設けられている。
水素供与体供給装置28は、少なくとも第1脱窒部16aに水素供与体を供給するものであり、水素供与体が収容される水素供与体タンク34、水素供与体を第1脱窒部16aに送水するポンプ36、水素供与体の流路となる水素供与体流入管38、ポンプ36の駆動を制御し、水素供与体の供給量をコントロールする制御装置40とを備える。水素供与体タンク34の出口と第1脱窒部16aの水素供与体供給口とは、ポンプ36を介して、水素供与体流入管38により接続されている。ポンプ36と制御装置40とは電気的に接続されている。なお、第2脱窒部16bにも水素供与体を供給する場合には、水素供与体を第2脱窒部16bに送水するポンプ、水素供与体の流路となる水素供与体流入管、ポンプの駆動を制御し、水素供与体の供給量をコントロールする制御装置を別途設ければよい。
pH調整装置30は、第1脱窒部16a及び第2脱窒部16b内の被処理水のpHを調整するものであり、塩酸等の酸剤又は水酸化ナトリウム等のアルカリ剤等のpH調整剤が収容されるpH調整剤タンク42と、pH調整剤を第1脱窒部16a及び第2脱窒部16bに送水するポンプ44a,44bと、pH調整剤の流路となるpH調整剤流入管46a,46bと、第1脱窒部16a及び第2脱窒部16b内の被処理水pH値を測定するpHセンサ48a,48bと、ポンプ44aの駆動を制御し、第1脱窒部16aに供給するpH調整剤の供給量をコントロールする制御装置50aと、ポンプ44bの駆動を制御し、第2脱窒部16bに供給するpH調整剤の供給量をコントロールする制御装置50bとを備える。pH調整剤タンク42の第1出口と第1脱窒部16aのpH調整剤供給口とは、ポンプ44aを介して、pH調整剤流入管46aにより接続されている。また、pH調整剤タンク42の第2出口と第2脱窒部16bのpH調整剤供給口とは、ポンプ44bを介して、pH調整剤流入管46bにより接続されている。pHセンサ48aと制御装置50a、制御装置50aとポンプ44a、pHセンサ48bと制御装置50b、制御装置50bとポンプ44bとは電気的に接続されている。
次に、本実施形態に係る水処理方法及び水処理装置1の動作について説明する。まず、フッ素及びアンモニア性窒素を含有する被処理水を図1に示すフッ素処理装置10の被処理水槽に送液する。該被処理水槽にて被処理水の流量及び濃度を平均化し、pHを調整した後、被処理水をフッ素処理装置10の反応槽に送液する。また、反応槽にカルシウム化合物を供給する。そして、フッ素処理装置10の反応槽で、被処理水中のフッ素とカルシウム化合物とを反応させ、フッ化カルシウム(CaF)を生成させる。ここで、被処理水中のフッ素の処理効率を上げるために、カルシウム化合物と共に、凝集剤をフッ素処理装置10の反応槽に供給して、上記生成するフッ化カルシウムをフロック化させてもよい。そして、フッ素処理装置10の沈殿槽で(フロック化した)フッ化カルシウムを含む被処理水の個液分離を行い、被処理水からフッ素(及びフッ化カルシウム)を除去する。
また、フッ素処理装置10は、反応槽を複数備えるものであってもよい。例えば、第1反応槽と第2反応槽とを備え、第1反応槽でフッ素及びアンモニア性窒素を含有する処理水とカルシウム化合物とを反応させて、フッ化カルシウムを生成させ、第2反応槽で凝集剤を添加してフッ化カルシウムをフロック化させてもよい。なお、反応槽には槽内の水の撹拌を行う撹拌機構が設けられてもよい。
フッ素処理装置10の反応槽に供給するカルシウム化合物は、フッ素をフッ化カルシウムとして折出できるものであれば特に制限されるものではなく、例えば、水酸化カルシウム(Ca(OH))、塩化カルシウム(CaCl)、硫酸カルシウム(CaSO)等が挙げられる。また、凝集剤としては、例えば、ポリ塩化アルミニウムや硫酸アルミニウム等の無機系凝集剤や陰イオン性ポリマー等の有機高分子凝集剤等を用いることができる。
次に、フッ素が除去されたアンモニア性窒素を含有する被処理水を図1に示す硝化装置12の被処理水槽に送液する。該被処理水槽にて被処理水の流量及び濃度を平均化し、pHを調整した後、被処理水を硝化槽に送液する。硝化槽には、担体に硝化菌を含む微生物膜を担持させてなる微生物担持担体が充填されている。また、硝化槽には、空気導入管(不図示)が接続されており、硝化槽内の被処理水に空気を供給することができる構造になっている。そして、硝化槽で、微生物担持担体の硝化菌の働きにより、被処理水中のアンモニア性窒素を硝酸性窒素、亜硝酸性窒素に硝化させる。ここで、硝化菌は、被処理水中に含まれるアンモニア性窒素を亜硝酸性窒素に硝化する独立栄養性細菌のアンモニア酸化細菌、亜硝酸性窒素を硝酸性窒素に硝化する独立栄養性細菌の亜硝酸酸化細菌等である。
硝化菌が担持される担体は、特に制限されるものではないが、例えば、スポンジ、ゲル、プラスチック成型品等を利用することができる。具体的には、親水性のポリウレタンスポンジ、ポリビニルアルコールゲル等を利用することが好ましい。
次に、上記硝化処理された硝化処理液、すなわち、硝酸性窒素、亜硝酸性窒素を含む被処理水を被処理水第1流入管22を介して脱窒装置14の第1脱窒部16aに送液する。ここで、第1脱窒部16aは完全混合型の槽であり、脱窒処理の際には、第1脱窒部16aに被処理水を連続供給する。また、ポンプ36を稼働させ、水素供与体タンク34内の水素供与体を水素供与体流入管38を介して第1脱窒部16aに供給する。第1脱窒部16a内(及び第2脱窒部16b内)には、脱窒菌を含む汚泥が水中に浮遊した状態で収容されている。第1脱窒部16aで被処理水中の硝酸イオン、亜硝酸イオンを脱窒菌に接触させた後、被処理水、脱窒菌、水素供与体を被処理水第2流入管23を介して第2脱窒部16bに送液する。また、第2脱窒部16bも完全混合型の槽であり、第2脱窒部16bに第1脱窒部16aから排出された被処理水を連続供給する。
第1脱窒部16a及び第2脱窒部16b内では、脱窒菌の働きによって、被処理水中の硝酸イオン、亜硝酸イオンが窒素ガスに還元される。水素供与体としてメタノールを使用した場合、被処理水中の硝酸イオン、亜硝酸イオンは、下記反応式に示す反応により、窒素ガスに還元される。
2NO + CHOH → N + CO + HO + 2OH
6NO + 5CHOH → 3N + 5CO + 7HO + 6OH
次に、処理水取出管26aを介して、脱窒処理により硝酸イオン、亜硝酸イオンが除去された処理水を酸化槽18に送液し、酸化槽18で、処理水中に残存する水素供与体等の有機物を酸化させる。次に、処理水取出管26bを介して、水素供与体が除去された処理水を沈殿槽20に送液する。そして、沈殿槽20の下部に、被処理水中に含まれる(本実施形態では自己造粒化した)脱窒菌が汚泥として堆積し、沈殿槽20の上部の上澄水を処理水取出管26cから取り出す。また、ポンプ25を稼働させ、沈殿槽20の下部に堆積した汚泥を汚泥返送管24から再度第1脱窒部16a内へ返送する。なお、硝化装置12で行う硝化処理も浮遊式の汚泥で行う場合、硝化槽へ汚泥を返送してもよい。
図3は、本発明の他の実施形態に係る脱窒装置の構成の一例を示す模式図である。脱窒装置14においては、必ずしも沈殿槽20を脱窒槽と独立して設ける必要はなく、図3に示すように、第2脱窒部16b内に、下部開口の隔壁52を設け、脱窒室54及び沈殿室56を形成してもよい。また、個液分離は、図2に示す沈殿槽20、図3に示す沈殿室56によらず、ガスソリッドセパレータ(GSS)、膜分離装置等の任意の手段で行ってもよい。
酸化槽18は、被処理水中に含まれる水素供与体等の有機物を微生物の働きにより酸化分解するためのものである。酸化槽18は、図2に示すように、沈殿槽20より上流側に設置してもよいし、沈殿槽20より下流側に設置してもよい。
次に、水素供与体の供給方法について詳述する。通常、水素供与体は、脱窒槽に供給される被処理水中の硝酸イオン、亜硝酸イオンの濃度から、脱窒処理に必要な水素供与体の供給量を算出し、その量を変化させることなく連続的に脱窒槽に供給する。そのため、脱窒槽内の水素供与体の濃度は、低濃度でほぼ一定である。なお、脱窒処理を効率的に行うために、脱窒槽内の硝酸イオン及び亜硝酸イオンの脱窒処理に必要な水素供与体の供給量(水素供与体必要理論量)の1.2倍前後を脱窒槽に供給する。
しかし、本実施形態では、第2脱窒部16b内での被処理水の水理学的滞留時間(HRT)における第1脱窒部16a内での水素供与体の濃度と、第2脱窒部16b内での被処理水の水理学的滞留時間における第2脱窒部16b内での水素供与体の濃度との差が、脱窒菌の自己造粒化を誘導する(グラニュール化する)濃度差となるように、少なくとも第1脱窒部16aに水素供与体を供給する。具体的には、制御装置40に、水理学的滞留時間における第1脱窒部16a及び第2脱窒部16b内での水素供与体の濃度変動マップを予め記録させておき、濃度変動マップに基づいて、第1脱窒部16a内での水素供与体の濃度と第2脱窒部16b内での濃度との差が、脱窒菌の自己造粒化を誘導する濃度差となるように、ポンプ36の稼働を制御し、水素供与体の供給量を調節する。
第1脱窒部16aの容積は、第2脱窒部16bの容積の1/30〜1/3の範囲であることが好ましく、第2脱窒部16bの容積の1/20〜1/5の範囲であることが好ましい。第1脱窒部16aの容積が第2脱窒部16bの容積の1/3超であると、第1脱窒部16a内での水素供与体の濃度と第2脱窒部16b内での水素供与体の濃度との差を脱窒菌の自己造粒化を誘導する濃度差とすることが困難となる場合がある。また、第1脱窒部16aの容積が第2脱窒部16bの容積の1/30未満であると、第1脱窒部16a内のHRTが短くなりすぎるため、流入してくる被処理水中の溶存酸素の消費が追いつかず、第1脱窒部16aが好気性条件となり、脱窒処理が効率的に行われない場合がある。被処理水中の硝酸イオン、亜硝酸イオン濃度、溶存酸素濃度にもよるが、第1脱窒部16aは数分以上のHRTを確保することができる大きさ(第2脱窒部16bの容積の1/30以上)であることが好ましい。
ここで、第2脱窒部16b内の被処理水の水理学的滞留時間(HRT)における第1脱窒部16a内での水素供与体の最大濃度と、第2脱窒部16b内の被処理水の水理学的滞留時間における第2脱窒部16b内での水素供与体の最小濃度との差は、50mgTOC/L以上となるように、少なくとも第1脱窒部16a内に水素供与体を供給することが好ましく、100mgTOC/L以上となるように、少なくとも第1脱窒部16a内に水素供与体を供給することがより好ましい。第1脱窒部16a内での水素供与体の最大濃度と第2脱窒部16b内での水素供与体の最小濃度との差が、50mgTOC/Lより小さいと、脱窒菌の自己造粒化を充分に誘導することができない場合がある。
本実施形態では、水素供与体を第1脱窒部16aに連続的に供給してもよい(第2脱窒部16bにも供給してよい)が、被処理水中の硝酸イオン、亜硝酸イオンの濃度が低い場合には、脱窒処理に必要な水素供与体の濃度も低くなるため、第1脱窒部16aと第2脱窒部16bとの間で、水素供与体の濃度差を形成することが困難となる。そこで、水素供与体を間欠的に第1脱窒部16aに供給することが好ましい。すなわち、水素供与体の供給時では、第1脱窒部16a内の水素供与体の濃度を増加させ、水素供与体の供給停止時では、後段の第2脱窒部16b内の水素供与体の濃度を低下させることができるため(脱窒処理により水素供与体が消費されるため)、第1脱窒部16aと第2脱窒部16bとの間で、水素供与体の濃度差を容易に形成することができる。但し、水素供与体の供給及び停止時間、水素供与体の供給量は、第1脱窒部16a内での水素供与体の最大濃度と第2脱窒部16b内での水素供与体の最小濃度との差が、例えば50mgTOC/L以上となるように設定されることが好ましい。
第1脱窒部16aでの水素供与体の供給及び停止のサイクルを複数行う場合、後段の第2脱窒部16b内での水素供与体の濃度を平均化することができる点で、1サイクル(供給−停止)の時間は、第2脱窒部16b内での被処理水の水理学的滞留時間の50%より短いこと、すなわち第2脱窒部16b内での被処理水の水理学的滞留時間に対して2サイクル以上行うことが好ましい。
また、本実施形態では、脱窒槽に供給される硝酸イオン及び亜硝酸イオンの濃度に対して、脱窒処理に必要な水素供与体の供給量(水素供与体必要理論量)を基準として、基準値より少ない量の水素供与体を第1脱窒部16aに供給する第1供給工程と、前記基準値より多い量の水素供与体を第1脱窒部16aに供給する第2供給工程とを組み合わせて、第1脱窒部16aに水素供与体を供給することによっても、第1脱窒部16aと第2脱窒部16bとの間で、水素供与体の濃度差を容易に形成することができる。但し、水素供与体の供給及び停止時間、水素供与体の供給量は、第1脱窒部16a内での水素供与体の最大濃度と第2脱窒部16b内での水素供与体の最小濃度との差が、例えば50mgTOC/L以上となるように設定されることが好ましい。
第1脱窒部16aでの第1供給工程及び第2供給工程のサイクルを複数行う場合、後段の第2脱窒部16b内での水素供与体の濃度を平均化することができる点で、1サイクル(第1供給工程−第2供給工程)の時間は、第2脱窒部16b内での被処理水の水理学的滞留時間の50%より短いこと、すなわち第2脱窒部16b内での被処理水の水理学的滞留時間に対して2サイクル以上行うことが好ましい。
本実施形態では、少なくとも第1脱窒部16aに水素供与体を供給すればよいが、第2脱窒部16b内での被処理水の水理学的滞留時間における第1脱窒部16a内での水素供与体の濃度と、第2脱窒部16b内での被処理水の水理学的滞留時間における第2脱窒部16b内での水素供与体の濃度との差が、脱窒菌の自己造粒化を誘導する(グラニュール化する)濃度差となれば、第2脱窒部16bにも水素供与体を供給(供給−停止の間欠供給、多量供給−少量供給等も含む)してよい。しかし、第2脱窒部16bに水素供与体を供給することとなると、上記濃度差を確保するために、第1脱窒部16aの水素供与体の供給量を増加させる必要があり、水素供与体の使用量の増加、装置のランニングコストが高くなる場合がある。よって、第1脱窒部16aのみに水素供与体を供給することが好ましい。
本実施形態では、第1脱窒部16a及び第2脱窒部16bを単槽として例示したが、これに制限されるものではない。すなわち、第1脱窒部16aと第2脱窒部16bとの間で、脱窒菌の自己造粒化を誘導する(グラニュール化する)水素供与体の濃度差を形成することができれば、第1脱窒部16aを複数槽、第2脱窒部16bを複数槽としてもよい。例えば、第1脱窒部16aは小槽A,Bを備え、第2脱窒部16bは小槽C,Dを備えてもよい。この場合、第2脱窒部16b内での被処理水の水理学的滞留時間における第1脱窒部16aの小槽Aの濃度と小槽Bの濃度との差が、自己造粒化を誘導する(グラニュール化する)水素供与体の濃度差でなく、第2脱窒部16b内での被処理水の水理学的滞留時間における第1脱窒部16aの小槽Aの濃度と第2脱窒部16bの小槽Cの濃度との差又は第2脱窒部16b内での被処理水の水理学的滞留時間における第1脱窒部16aの小槽Bの濃度と第2脱窒部16bの小槽Cの濃度との差が脱窒菌の自己造粒化を誘導する(グラニュール化する)水素供与体の濃度差であればよい。この際、水素供与体は少なくとも第1脱窒部16aの小槽A又は第1脱窒部16aの小槽A及び小槽Bに供給されていればよい。なお、脱窒部が複数槽ある場合、例えば、第2脱窒部16bが小槽C,Dを備える場合、第2脱窒部16b内での被処理水の水理学的滞留時間とは、小槽C,D内での被処理水の水理学的滞留時間の和である。第1脱窒部16aの容積、第2脱窒部16bの容積も同様であり、例えば、第1脱窒部16aは小槽A,Bを備え、第2脱窒部16bは小槽C,Dを備える場合、小槽A,Bの容積の和(第1脱窒部16aの容積)は、小槽C,Dの容積の和(第2脱窒部16bの容積)の1/30〜1/3の範囲であることが好ましく、小槽C,Dの容積の和(第2脱窒部16bの容積)の1/20〜1/5の範囲であることが好ましい。
本実施形態では、第1脱窒部16aに全ての被処理水を流入させているが、これに制限されるものではない。例えば、第1脱窒部16a内での被処理水の水理学的滞留時間をコントロールしたい場合等には、第1脱窒部16a及び第2脱窒部16bの両方に被処理水を流入させてもよいし、第1脱窒部16aへの被処理水の流入と第2脱窒部16bへの被処理水の流入を時間によって切り替えてもよい。
なお、脱窒菌をグラニュール化させる際には、一部の金属類の添加が良好な結果をもたらす場合がある。これらは、一般的にグラニュール化促進物質として位置付けられ、イオン類としてカルシウムイオン、鉄イオン、化合物類としてフライアッシュ、酸化鉄、炭酸カルシウム等が挙げられる。このうちイオン類に関しては、脱窒処理期間に渡って、もしくは装置の立ち上げ期に連続又は間欠的に添加されることが好ましい。また、化合物類に関しては、装置立ち上げ時に汚泥の添加と共に添加されることが好ましい。
本実施形態で用いられる水素供与体は、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、酢酸、水素ガス、アセトン、グルコース、エチルメチルケトン等が挙げられるが、これに制限されるものではなく、水素供与体として従来公知のもの全てを使用することができる。
硝酸イオン、亜硝酸イオンから窒素ガスへの還元反応は、水素供与体の種類により若干異なるが、いずれにしても硝酸イオン、亜硝酸イオンと等モルの水酸化物イオンが生成するため、槽内の被処理水pHは上昇する。一般的に、脱窒処理における被処理水のpHは8〜9の範囲に調整することが好適である。但し、水素供与体由来の炭酸イオン濃度が高くなって、被処理水中に含まれるカルシウムイオン等によるスケール発生が懸念される場合には、槽内の被処理水pHは6〜7.5の範囲に調整することが好ましく、6.3〜7.0の範囲に調整することがより好ましい。具体的には、pH調整装置30のpHセンサ48a,48bにより第1脱窒部16a、第2脱窒部16bの被処理水のpHを検出し、検出したpHに基づいて、第1脱窒部16a、第2脱窒部16b内の被処理水pHが上記pH範囲となるように、制御装置50a,50bによりポンプ44a,44bを稼働させ、pH調整剤タンク42からpH調整剤を第1脱窒部16a、第2脱窒部16b内に供給し、槽内の被処理水のpHを調節する。
脱窒槽(第1脱窒部16a、第2脱窒部16b)内のMLSS濃度としては特に制限されるものではないが、充分な脱窒処理速度を達成するために、5000〜100000mgMLSS/L程度とすることが好ましい。
以上のように、第2脱窒部16b内での被処理水の水理学的滞留時間(HRT)における第1脱窒部16a内での水素供与体の濃度と、第2脱窒部16b内での被処理水の水理学的滞留時間における第2脱窒部16b内での水素供与体の濃度との差が、脱窒菌の自己造粒化を誘導する(グラニュール化する)濃度差となるように、好ましくは、第1脱窒部16a内での水素供与体の最大濃度と第2脱窒部16b内での水素供与体の最小濃度との差が50mgTOC/L以上となるように、少なくとも第1脱窒部16aに水素供与体を供給することにより、脱窒菌をグラニュール化させることができる。脱窒菌をグラニュール化させることにより、脱窒槽内の微生物濃度(汚泥濃度)を増加させることができるため、脱窒処理の処理速度の向上、装置の小型化又は低コスト化が可能となる。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1においては、図2に示したものと同様の装置を用い、下記表1に示す水質の被処理水を脱窒槽に連続通水した。第1脱窒部の容積を4Lとし、第2脱窒部の容積を40Lとした。水素供与体としてメタノールを使用し、第2脱窒部内での被処理水のHRTにおける第1脱窒部内でのメタノールの最大濃度と、第2脱窒部内での被処理水のHRTにおける第2脱窒部内でのメタノールの最小濃度との差が50mgTOC/L以上となるように、第1脱窒部に当該メタノールを連続供給した。メタノールの供給量は、処理窒素量に対して3kgメタノール/kg窒素とした。また、試験開始時には約500mgMLSS/Lとなるように脱窒を行っている活性汚泥を第1脱窒部及び第2脱窒部に供給した。また、塩酸を用いて、第1脱窒部及び第2脱窒部の被処理水のpHを6.5となるように調整した。また、脱窒槽後段に設置した沈殿槽に溜まった汚泥を第1脱窒部に返送した。試験は33日間行った。
Figure 2010029749
(比較例1)
比較例1においては、第1脱窒部を設置せず、第2脱窒部内での被処理水のHRTにおけるメタノールの最大濃度と最小濃度との差を50mgTOC/L未満に維持したこと以外は実施例1と同様の条件で試験を行った。
図4は、実施例1の試験経過日数に対するMLSS濃度の変化を示す図である。図5は、実施例1の試験経過日数に対する脱窒処理の処理速度の変化を示す図である。図6は、実施例1の試験経過日数に対する処理水の硝酸イオン濃度の推移を示す図である。図7は、実施例1の試験経過日数に対するSVIの変化を示す図である。図4に示すように、実施例1では、日数の経過と共にMLSS濃度が上昇し、試験開始から33日目には、MLSS濃度が8000mgMLSS/Lに達した。また、図5に示すように、MLSS濃度の上昇と共に、脱窒処理の処理速度も上昇し、試験開始から33日目には、約2kgN/m/dayまで達し、高い処理速度が得られることを確認した。また、図6に示すように、処理水中の硝酸イオン濃度は低く、試験期間中安定した処理が行われることを確認した。また、図7に示すように、汚泥沈降性の指標としてのSVIが、日数の経過と共に減少し、非常にSVIの値が小さい(沈降性のよい)グラニュールが形成されることを確認した。なお、一般的な活性汚泥のSVIは120〜150mL/gである。一方、比較例1においては、試験開始から33日目で、MLSS濃度が2000mgMLSS/L程度までしか達せず、脱窒処理の処理速度も、0.4kgN/m/dayであった。
(実施例2)
実施例2においては、第1脱窒部の容積を20L,12L,4L,2L,1Lとしたこと以外は、実施例1と同様の条件で試験を行った。そして、試験開始から25日後において、脱窒槽内の脱窒菌を含む汚泥がグラニュール化しているかを以下の基準で評価し、それを表2にまとめた。
○:脱膣菌を含む汚泥全体がグラニュール化した
△:脱膣菌を含む汚泥の一部がグラニュール化した
×:脱膣菌を含む汚泥のグラニュール化が起こらなかった
Figure 2010029749
表2から判るように、第1脱窒部を設置しない(上記比較例)場合、試験開始から33日経過しても脱膣菌のグラニュール化は起こらなかった。また、第1脱窒部の容積/第2脱窒部の容積を3/10,1/10,1/20とすることにより、試験開始から33日経過後には、脱膣菌を含む汚泥全体をグラニュール化させることができ、良好な結果が得られた。
(実施例3)
実施例3においては、図2に示したものと同様の装置を用い、下記表3に示す水質の被処理水を脱窒槽に連続通水した。水素供与体としてメタノールを使用し、第2脱窒部内での被処理水のHRTにおける第1脱窒部内でのメタノールの最大濃度と、第2脱窒部内での被処理水のHRTにおける第2脱窒部内でのメタノールの最小濃度との差が50mgTOC/L以上となるように、第1脱窒部に当該メタノールを間欠的に供給した。水素供与体の停止時間と供給時間の比を1:4に固定し、供給−停止の1サイクルの時間はHRTの1/5として流入窒素負荷によってサイクル時間を変化させた。それ以外は、実施例1と同様の条件で試験を行った。試験は50日間行った。
Figure 2010029749
(比較例2)
比較例2においては、第1脱窒部にメタノールを連続供給した。第2脱窒部内での被処理水のHRTにおける第1脱窒部内でのメタノールの最大濃度と、第2脱窒部内での被処理水のHRTにおける第2脱窒部内でのメタノールの最小濃度との差を50mgTOC/L未満に維持した。それ以外は、実施例3と同様の条件で試験を行った。
図8は、実施例3の試験経過日数に対するMLSS濃度の変化を示す図である。図9は、実施例3の試験経過日数に対する脱窒処理の処理速度の変化を示す図である。図10は、実施例3の試験経過日数に対する処理水の硝酸イオン濃度の推移を示す図である。図11は、実施例3の試験経過日数に対するSVIの変化を示す図である。図8に示すように、実施例3では、日数の経過と共にMLSS濃度が上昇し、試験開始から50日目には、MLSS濃度が8000mgMLSS/Lに達した。また、図9に示すように、脱窒処理の処理速度も上昇し、試験開始から50日目には、約2kgN/m/dayまで達し、高い処理速度が得られることを確認した。また、図10に示すように、処理水中の硝酸イオン濃度は低く、試験期間中安定した処理が行われることを確認した。また、図11に示すように、汚泥沈降性の指標としてのSVIが、日数の経過と共に減少し、非常にSVIの値が小さい(沈降性のよい)グラニュールが形成されることを確認した。一方、比較例2においては、試験開始から50日目で、MLSS濃度が1000mgMLSS/L程度までしか達せず、脱窒処理の処理速度も、0.25kgN/m/dayであった。また、このときの第1脱窒部内におけるTOC濃度は、30〜40mgTOC/L、第2脱窒部では15mgTOC/L以下で全期間を通じてほぼ同様の値であった。
本実施形態に係る水処理装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係る脱窒装置の構成の一例を示す模式図である。 本発明の他の実施形態に係る脱窒装置の構成の一例を示す模式図である。 実施例1の試験経過日数に対するMLSS濃度の変化を示す図である。 実施例1の試験経過日数に対する脱窒処理の処理速度の変化を示す図である。 実施例1の試験経過日数に対する処理水の硝酸イオン濃度の推移を示す図である。 実施例1の試験経過日数に対するSVIの変化を示す図である。 実施例3の試験経過日数に対するMLSS濃度の変化を示す図である。 実施例3の試験経過日数に対する脱窒処理の処理速度の変化を示す図である。 実施例3の試験経過日数に対する処理水の硝酸イオン濃度の推移を示す図である。 実施例3の試験経過日数に対するSVIの変化を示す図である。
符号の説明
1 水処理装置、10 フッ素処理装置、12 硝化装置、14 脱窒装置、16a 第1脱窒部、16b 第2脱窒部、18 酸化槽、20 沈殿槽、22 被処理水第1流入管、23 被処理水第2流入管、24 汚泥返送管、25,36,44a,44b ポンプ、26a,26b,26c 処理水取出管、28 水素供与体供給装置、30 pH調整装置、32a,32b 攪拌装置、34 水素供与体タンク、38 水素供与体流入管、40,50a,50b 制御装置、42 pH調整剤タンク、46a,46b pH調整剤流入管、48a,48b pHセンサ、52 隔壁、54 脱窒室、56 沈殿室。

Claims (8)

  1. 完全混合型の脱窒槽に被処理水を連続供給すると共に、水素供与体を供給し、被処理水中に含まれる硝酸イオン、亜硝酸イオンを脱窒菌により窒素に還元する脱窒処理方法であって、
    前記脱窒槽として、第1脱窒部と前記第1脱窒部の後段に第2脱窒部とを設置し、
    前記第2脱窒部内での被処理水の水理学的滞留時間における前記第1脱窒部内での水素供与体の濃度と、前記第2脱窒部内での被処理水の水理学的滞留時間における前記第2脱窒部内での水素供与体の濃度との差が、前記脱窒菌の自己造粒化を誘導する濃度差となるように、少なくとも前記第1脱窒部に水素供与体を供給することを特徴とする脱窒処理方法。
  2. 請求項1記載の脱窒処理方法であって、前記第2脱窒部内での被処理水の水理学的滞留時間における前記第1脱窒部内での水素供与体の最大濃度と、前記第2脱窒部内での被処理水の水理学的滞留時間における前記第2脱窒部内での水素供与体の最小濃度との差が、50mgTOC/L以上となるように、少なくとも前記第1脱窒部に水素供与体を供給することを特徴とする脱窒処理方法。
  3. 請求項1記載の脱窒処理方法であって、前記第1脱窒部の容積は前記第2脱窒部の容積の1/30〜1/3であることを特徴とする脱窒処理方法。
  4. 請求項2記載の脱窒処理方法であって、前記第1脱窒部に水素供与体を間欠的に供給することを特徴とする脱窒処理方法。
  5. 請求項2記載の脱窒処理方法であって、硝酸イオン、亜硝酸イオンの濃度に対して、脱窒処理に必要な水素供与体の供給量を基準とし、前記基準値より少ない量の水素供与体を前記第1脱窒部に供給する第1供給工程と、前記基準値より多い量の水素供与体を前記第1脱窒部に供給する第2供給工程とを組み合わせて、前記第1脱窒部に水素供与体を供給することを特徴とする脱窒処理方法。
  6. 請求項1記載の脱窒処理方法であって、前記第1脱窒部は複数槽であることを特徴とする脱窒処理方法。
  7. 請求項1記載の脱窒処理方法であって、前記第2脱窒部は複数槽であることを特徴とする脱窒処理方法。
  8. 完全混合型の脱窒槽と、前記脱窒槽に被処理水を連続供給する被処理水供給手段と、前記脱窒槽に水素供与体を供給する水素供与体供給手段と、を有し、前記脱窒槽内で被処理水中に含まれる硝酸イオン、亜硝酸イオンを脱窒菌により窒素に還元する脱窒処理装置であって、
    前記脱窒槽は、第1脱窒部と前記第1脱窒部の後段に設置される第2脱窒部とを有し、
    前記水素供与体供給手段は、前記第2脱窒部内での被処理水の水理学的滞留時間における前記第1脱窒部内での水素供与体の濃度と、前記第2脱窒部内での被処理水の水理学的滞留時間における前記第2脱窒部内での水素供与体の濃度との差が、前記脱窒菌の自己造粒化を誘導する濃度差となるように、少なくとも前記第1脱窒部に水素供与体を供給することを特徴とする脱窒処理装置。
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