JP6620451B2 - 自立性フィルム容器 - Google Patents
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Description
特に、下側に折り込み部を設けた自立性容器は、自立性も高く、製造し易い上に、内容物を収納前ではコンパクトに畳められることから、ボトル代替用包装体として、積極的に利用されている。
これらは、シャンプーやリンス、液体洗剤などのトイレタリーの詰め替え容器としても用いられると共に、醤油など一次容器としても使用されるようになっている。
例えば、縦断面が図5−1のように、満充填状態において、容器は表フィルムや裏フィルムに内圧が掛かり、充分に自立することができる。しかし、半分以上排出した場合には、図5−2のように、表フィルムや裏フィルムに対する内圧が低下し、容器の中央部分で折れてしまい、上部が垂れてくる。このように上部が垂れると、下端の底近傍の折り込み部近傍がピンと踏ん張る力が無く、重心が垂れた注出口の方に寄ってしまうので、バランスがとれず、容器が倒れてしまう問題があった。
さらに、自立性が無くなると、注出する為に容器を傾ける時にも、形状を保てず、注出口近傍と共に、底部側も持ち上げなければならず、両手を使用しないと注出しにくいなどの問題も発生する。
その為、内容物が少なくなって来ると、詰め替え容器は全体に折れ曲がり、自立性がなくなってしまうという問題があった。
取っ手機能を有する前記室と内容物収納部とは、両者の間の外縁シール部に設けられた開口部を介して連通していて、内容物収納部から開口部を通してこの室に気体を送り込み、開口部をシールすることによりこの室を独立気室とすることができるように構成されていることを特徴とする自立袋を提案している。
しかしながら、外縁シール部内に独立気室を設けている。容器から内容物を注出する時、独立気室の周囲をつかんで持ち上げることになる。この時、図4−4に示すように、外縁シール部は表裏二枚のフィルムをシールして形成している為に、フィルム端部600が鋭利で硬い角部を形成していて、この鋭利で固い角部が手に当たり、容器を持ち上げる時に、痛いという問題が発生していた。特に、そのような外縁シール長さ620は、通常、7mm以上のシール部を必要としていたので、硬く、強度も高かくなり、痛かったのである。
さらに、内容物の保護性能を向上させる為に、アルミ箔やエチレン・酢酸ビニル共重合体鹸化物、ポリアミドなどのバリア性を高めるフィルム構成にすることが多い。しかし、バリア性が高いフィルムで容器を製造した場合、フィルム硬度が高まり、外形を切断されたフィルム端部は非常に硬い鋭利な角部を生じる。そのような側面の外縁シール端部は、鋭い鋭利な角部を発生し、手に当たると、特に痛い問題が発生していた。
上面融着部の左端部、あるいは右端部いずれか一方に注出口を設け、
他方の側面融着部に気体を封じた独立気室を設け、
独立気室は、底面折り込みフィルムの融着上端位置から、上面折り込みフィルムの融着下端位置との間に、気体を封じた中空部からなり、
かつ、独立気室を設けた側面融着部を表裏フィルムの折り返しで形成した自立性フィルム容器であって、
該独立気室を設けた側面融着部の外側端部は、表裏フィルムの未シール部が形成されている
または該独立気室を設けた側面融着部の独立気室外側端部は、表裏フィルムの融着部が無く、折り返しだけで独立気室を形成されている
ことを特徴とする自立性フィルム容器である。
融着フィルムの切断端面がないので、非常に扱いしやすい容器である。
図1は本発明の自立性容器の一例で、その外観を示す斜視図である。
フィルム容器のおもて部1と、うら部2との間には、底部側に底面折り込みフィルム3が挟み込まれるように融着している。
この為、底面折り込みフィルム3が広がることによって、底部が形成される。それと共に、底面折り込みフィルム3と表裏フィルムのおもて部1とが重なった底表融着部31と、底面折り込みフィルム3と表裏フィルムのうら部2とが重なって融着された底裏融着部32が、底側に突き出して形成され、安定的な底部になっている。
この注出口5が融着されている所は、上面と側面との境に面取りをし、その面取りした傾斜部に注出口を融着している。
もちろん、上面の端部や中央に、注出口5を融着してもかまわないが、面取りした上面融着部4と側面融着部6との境に注出口5を設けると、残留する内容物の量を最小にすることができる。
注出口5は、熱可塑性の融着可能な樹脂で成形されていて、かつ、融着部は断面が船形になっていて、融着時に表裏フィルムとの隙間が発生しにくいように形成されている。
この側面融着部6の下方は底面折り込みフィルム3に左右とも融着して底面部を形成している。
底面部の左右では、一部底面折り込みフィルム3に穴を開け、表フィルム1と裏フィルム2が直接融着して、底表融着部31と底裏融着部32が繋がるようにすると、より底面部近傍の強度が向上できる。
10mm以下の場合、容器の自立性が小さくなって、内容物が少なくなって来ると、自立できなくなってしまう。
また、50mm以上になると、独立気室61をつかんで容器を傾け、注出する場合、大きすぎて、つかみにくい問題が発生するので、独立気室61の太さは、直径が10mm〜5
0mmが良い。
また、独立気室61は、底面折り込みフィルムの融着上端位置から、上面折り込みフィルムの融着下端位置との間に、気体を封じた中空部を設けている。
独立気室61の下端を底面折り込みフィルムの融着上端位置より低い位置まで設けると、折り込みフィルムの融着が非常に難しくなり、落下強度や耐荷重強度に問題が発生し易い。
逆に、独立気室61の下端を底面折り込みフィルムの融着上端位置よりかなり高い位置にしてしまうと、自立性が低下し、内容物が少なくなると、倒れてしまいやすい。
独立気室61の上端は、上面折り込みフィルムの融着下端位置近傍にする。できるだけ、高い位置にすることによって、内容物が少なくなっても、注出口5の重みで、容器が折れて、その荷重で倒れにくくする。
表裏フィルムのおもて部1とうら部2が底部側は底面折り込みフィルム3を介在して融着され、底面折り込みフィルム3が前後に広がり、安定した底面部を形成している。
また、上面融着部4と側面融着部6とが交差する端部近傍には、おもて部1とうら部2のフィルム間に注出部5が入って融着されている。
図3−1は注出口を設けた上面部の上方におけるaの上方から見た平面図で、表裏フィルムのおもて部1とうら部2とのシール部の右端部に注出口5を融着している。
独立気室61のある側面融着部6端部が、表裏フィルムを折り曲げて形成されているので、先端は丸くなっている。
この独立気室61には空気を充填しているが、窒素ガスやヘリウムガスなど、他の気体であってもかまわない。もちろん、水のような液体でもかまわないが、重くなると、内容物が減少した時に、倒れ易い問題が発生し易いので、気体が好ましい。
折り込みフィルムは、折り込んで合わさる内層表面は2軸延伸されたポリエチレンテレフタレートフィルムや2軸延伸ポリプロピレンフィルムなどを用い、融着しにくいフィルムにしておく。
そして、表裏フィルムに合う面には低密度ポリエチレンなどの融着性の高い材料を外層に使用している。
その為、折り込みフィルムを挟んで表裏フィルムのおもて部1とうら部2を融着すると、折り込まれた折り込みフィルムの内面同士は融着せず、折り込みフィルムの外側の融着性の高い外層とおもて部1やうら部2との間だけが融着する。
そして、折り込みフィルムがない左右端部では、直接、おもて部1とうら部2が融着している。
これらのフィルムは、通常のドライラミネーション機、エクストルーダーラミネート機などを使用して、貼り合わせることにより製造することができる。
また、折り込みフィルムにおいて、左右の一部に折り込みフィルム穴を開け、部分的に表フィルム1と裏フィルム2を融着して、底表融着部31と底裏融着部32が直接融着するようにしても良い。
底面折り込みフィルム3と表裏フィルムのおもて部1との底表融着部31や、底面折り込みフィルム3と表裏フィルムのうら部2との底裏融着部32と、底面折り込みフィルム3のない左右の側面融着部6で構成されて、それらが繋がっている。
繋がっていて、かつ、厚みもあるので、強度の高い底面を形成している。
図4−1は、本発明の一例で、表裏フィルムのおもて部1とうら部2を融着して独立気室61を形成しているが、独立気室61のある側面融着端部60が、折り返し部12になっていて、表裏フィルムを折り曲げて形成されているので、先端は丸くなっていて、強く手でつかんでも痛くない。
未シール部63は、あくまでシールが無く、表裏フィルムが折り返しているだけになり、独立気室61から離れて形成されているので、側面端部は柔らかく、丸みも帯びている。その為、独立気室61全体を強くつかんでも全く痛くない。
表裏フィルムがおもて部1とうら部2を形成するよう、シーラント層が内側になるようにして、折り返し部12で折り曲げられる。
表裏フィルムの上部において、折り曲げられていないフィルム端部の側面部との境に、大きな面取りをし、その面取りした傾斜部に注出口を融着できるようにしている。
又、表裏フィルムのおもて部1とうら部2との間に、下方から底面折り込みフィルム3を折り線33側が容器の中央に向けて折り込まれた状態で挿入される。
表裏フィルムのおもて部1とうら部2の間に挟みこまれた底面折り込みフィルム3の底シール部は、その表裏フィルムのおもて部1とうら部2との間でシールされる。
この時、底面折り込みフィルム3は、折り込まれた内側同士は融着性が弱い素材を使用しているので、おもて部1と底面折り込みフィルム3、うら部2と底面折り込みフィルム3との間のみ融着する。その為、容器完成後には、折り込まれた底面折り込みフィルム3を広げて、底面を設けることが出来る。
また、表裏フィルムの側面部や上部などの容器の外周周囲のシール部では、おもて部1とうら部2を融着する。
この時、面取りされた表裏フィルムの傾斜部において、おもて部1とうら部2の間に注出口5が挿入され、傾斜融着部41で一体に融着される。
他方、おもて部1とうら部2に折れ返し部12の側面部分では、中空の未シール部63が形成され、シールで囲まれた空間には、空気又は、窒素などの気体を封印して、独立気室になる。
表裏フィルムにおけるおもて部1下端に、底面折り込み部30をつなげた状態で設けている。すなわち、表裏フィルムが、おもて部1とうら部2、底面折り込み部30と一体で形成され、互いにシーラント層が内側になるように、底面折り込み部30がおもて部1とうら部2との間に挿入され、挟まれるように折り畳まれる。もちろん、底面折り込み部30は、おもて部1の下端の代わりに、うら部2の下端に設けていても良い。
第一の実施形態と同じように、表裏フィルムの上部と、折り曲げられていないフィルム端部の側面部との境には、大きな面取りをし、その面取りした傾斜部に注出口5を融着できるようにしている。
表裏フィルムのおもて部1とうら部2の間に挟みこまれて挿入された底面折り込み部30は、その表裏フィルムのおもて部1とうら部2との間でシールされる。
この時、底面折り込み部30の合わさった内側同士は融着性が無い素材を使用したいので、表裏フィルムの外側面も融着性が無い素材を使用する。その為、折り込まれた底面折り込み部30を広げて、底面を設けることが出来る。
面取りされた表裏フィルムの傾斜部においても、第一の実施形態と同じように、おもて部1とうら部2の間に注出口5が挿入され、一体に融着され、おもて部1とうら部2に折れ曲がった側面部分では、端部に未シール部63と、中空未シール部610が形成され、シールで囲まれた空間には、空気又は、窒素などの気体を封印して、独立気室になる。
また、外層には、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートや2軸延伸ポリアミド、2軸延伸ポリプロピレン、などのような融着性の低い2軸延伸フィルムが好ましい。
例えば、外側から、
2軸延伸ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレン、
2軸延伸ポリアミド/ポリエチレン/無機酸化物蒸着ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレン、
2軸延伸ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレン/エチレン酢酸ビニル共重合体鹸化物/ポリエチレン、
2軸延伸ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレン/接着樹脂/ポリアミド/接着樹脂/ポリエチレン、
2軸延伸ポリエチレンテレフタレート/ポリアミド/接着樹脂/ポリエチレン/アルミ箔/ポリエチレン、
2軸延伸ポリエチレンテレフタレート/ポリアミド/接着樹脂/ポリエチレン、
2軸延伸ポリプロピレン/ポリアミド/接着樹脂//ポリエチレン、
などの一般的な構成が考えられる。
これらのフィルムは、通常のドライラミネーション機、エクストルーダーラミネート機などで貼り合わせるなどして製造することができる。
12・・・・・・・・折り返し部(表裏フィルム)
2・・・・・・・・・うら部(表裏フィルム)
3・・・・・・・・・底面折り込みフィルム
30・・・・・・・・底面折り込み部
31・・・・・・・・底表融着部
32・・・・・・・・底裏融着部
33・・・・・・・・折り線
4・・・・・・・・・上面融着部
41・・・・・・・・傾斜融着部
5・・・・・・・・・注出口
6・・・・・・・・・側面融着部
60・・・・・・・・側面融着端部
600・・・・・・・フィルム端部(側面融着端部)
61・・・・・・・・独立気室(側面)
610・・・・・・・中空未シール部
62・・・・・・・・フィルム端部長さ(独立気泡の先からの折り返し部長さ)
620・・・・・・・外縁シール長さ(独立気泡から切断先までの長さ)
621・・・・・・・フィルム端部シール幅(折り返し部と独立気泡の間のシール幅)
63・・・・・・・・未シール部(折り返し部)
7・・・・・・・・・内容物
Claims (4)
- 底面に折り込み部を有し、左側面と右側面と上面とに融着部を有するフィルム製容器において、
上面融着部の左端部、あるいは右端部いずれか一方に注出口を設け、
他方の側面融着部に気体を封じた独立気室を設け、
独立気室は、底面折り込みフィルムの融着上端位置から、上面折り込みフィルムの融着下端位置との間に、気体を封じた中空部からなり、
かつ、独立気室を設けた側面融着部を表裏フィルムの折り返しで形成した自立性フィルム容器であって、
該独立気室を設けた側面融着部の外側端部は、表裏フィルムの未シール部が形成されていることを特徴とする自立性フィルム容器。 - 底面に折り込み部を有し、左側面と右側面と上面とに融着部を有するフィルム製容器に
おいて、
上面融着部の左端部、あるいは右端部いずれか一方に注出口を設け、
他方の側面融着部に気体を封じた独立気室を設け、
独立気室は、底面折り込みフィルムの融着上端位置から、上面折り込みフィルムの融着下端位置との間に、気体を封じた中空部からなり、
かつ、独立気室を設けた側面融着部を表裏フィルムの折り返しで形成した自立性フィルム容器であって、
該独立気室を設けた側面融着部の独立気室外側端部は、表裏フィルムの融着部が無く、折り返しだけで独立気室を形成されていることを特徴とする自立性フィルム容器。 - 注出口は、上面と側面との境に面取りをし、前記面取りした傾斜部に注出口を融着したことを特徴とする請求項1または2に記載の自立性フィルム容器。
- 気体を封じた独立気室の太さを直径10mm以上、50mm以下としたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の自立性フィルム容器。
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