以下では、第一実施形態に係る電力供給システム1について説明する。
図1に示す電力供給システム1は、工場に設けられ、工場の負荷へ電力を供給するものである。電力供給システム1は、分電盤10、第一のユニット20、トランス30、切替盤40、第二のユニット50、第一のセンサ61、第二のセンサ62及び停電検知センサ70等を具備する。
分電盤10は、負荷で使用される電力量に応じて電力の供給元から供給された電力を、当該負荷に分配するものである。分電盤10は、図示せぬ漏電遮断器や、配線遮断器、制御ユニット等により構成される。分電盤10内には、負荷へ電力を供給するための一般回路90が設けられる。分電盤10は、配電線L1を介して商用電源80と接続される。配電線L1の一端部は、商用電源80と接続される。配電線L1の他端部は、分岐して一般回路90と接続される。分電盤10には、商用電源80からの電力が適宜供給される。分電盤10は、非停電時に一般回路90を介して商用電源80からの電力を負荷へ供給する。
第一のユニット20は、一般回路90(負荷)へ電力を供給するものである。第一のユニット20は、太陽光発電装置21、蓄電装置22及びパワコン23を具備する。
太陽光発電装置21は、太陽光を利用して発電する装置である。太陽光発電装置21は、枠体に複数の太陽電池を取り付けること等によって構成される太陽電池パネル等を具備する。太陽光発電装置21は、前記太陽電池パネルの太陽電池に太陽光が当たることで発電する。このような太陽光発電装置21の設置場所としては、例えば、工場の屋根等の日当たりの良い場所がある。
蓄電装置22は、太陽光発電装置21及び商用電源80からの電力を充放電可能に構成される装置である。蓄電装置22は、電力を充放電可能なリチウムイオン電池やニッケル水素電池等からなる蓄電池や、供給されてくる交流電力を整流して前記蓄電池に充電させる充電器等を具備する。このような蓄電装置22の設置場所としては、例えば、分電盤10の近傍等がある。
パワコン23は、太陽光発電装置21及び蓄電装置22と接続されるハイブリッドパワーコンディショナーである。パワコン23は、太陽光発電装置21及び蓄電装置22よりも商用電源80側に配置され、異なる二つの配電線を介して太陽光発電装置21及び蓄電装置22とそれぞれ接続される。パワコン23は、太陽光発電装置21で発電された直流電力を所定の電圧に適宜変換するコンバーターや直流電力を交流電力に変換するインバーターや動作を制御するための制御部等を具備する。パワコン23は、太陽光発電装置21で発電された電力及び蓄電装置22から放電された電力を適宜変換して分電盤10へ供給可能であると共に、商用電源80からの電力を蓄電装置22へ供給(充電)可能に構成される。また、パワコン23は、太陽光発電装置21で発電した電力を売電可能(商用電源80に逆潮流可能)に構成される。
また、パワコン23は、蓄電装置22の充放電を適宜行う。パワコン23は、例えば、予め定められた時間帯や蓄電装置22の残量が減った場合に、蓄電装置22を充電させる。また、パワコン23は、例えば、負荷の消費電力等に応じて蓄電装置22を放電させる。
このように構成されるパワコン23は、配電線L2を介して分電盤10と接続される。配電線L2の一端部は、パワコン23と接続される。配電線L2の他端部は、配電線L1の中途部(分電盤10内)と接続される。また、パワコン23は、配電線L3を介して、後述する切替盤40と接続される。配電線L3の一端部は、パワコン23と接続される。配電線L3の他端部は、切替盤40と接続される。
このようなパワコン23は、連系運転及び自立運転を行うことができる。連系運転は、商用電源80と連系して太陽光発電装置21及び蓄電装置22を運転させるものである。自立運転は、商用電源80から独立して太陽光発電装置21及び蓄電装置22を運転させるものである。連系運転及び自立運転を行う場合の電力の供給態様については後で詳述する。
トランス30は、第一のユニット20からの電力(自立運転時に出力される電力)の電圧を昇圧し、一般回路90(負荷)で使用可能にするためのものである。トランス30は、配電線L3の中途部に設けられる。
切替盤40は、分電盤10への電力の供給元を第一のユニット20又は商用電源80に切り替えるものである。切替盤40は、配電線L1の中途部(分電盤10内における配電線L1・L2の接続部と一般回路90との間)に設けられる。切替盤40は、配電線L1・L2を介して、又は配電線L3を介して第一のユニット20と接続される。また、切替盤40は、配電線L1を介して商用電源80と接続される。
切替盤40は、内部に設けられる複数のリレーを制御することで、配電線L1の切替盤40よりも下流側を、配電線L1の切替盤40よりも上流側又は配電線L3の何れかと接続するように(電力の供給元を)切り替えることができる。切替盤40は、配電線L1の切替盤40よりも上流側と下流側とを接続することで、電力の供給元を商用電源80(より詳細には、商用電源80及び連系運転を行っている第一のユニット20)に切り替える。また、切替盤40は、配電線L3と配電線L1の切替盤40よりも下流側とを接続することで、電力の供給元を第一のユニット20(より詳細には、自立運転を行っている第一のユニット20)に切り替える。
このような切替盤40は、パワコン23と接続される。切替盤40には、パワコン23から運転状態に関する信号が送信される。切替盤40は、当該送信される信号に基づいて、電力の供給元を第一のユニット20又は商用電源80に切り替える。
第二のユニット50は、一般回路90へ電力を供給するものである。第二のユニット50は、切替盤40と一般回路90との間に配置される。第二のユニット50は、蓄電装置51及びパワコン52を具備する。
第二のユニット50の蓄電装置51は、第一のユニット20の蓄電装置22と同じように構成される。
パワコン52は、蓄電装置51と接続され、蓄電装置51よりも商用電源80側に配置される。パワコン52は、蓄電装置51から放電された直流電力を所定の電圧に適宜変換するコンバーターや直流電力を交流電力に変換するインバーターや動作を制御するための制御部等を具備する。パワコン52は、蓄電装置51から放電された電力を適宜変換して分電盤10へ供給可能であると共に、太陽光発電装置21及び商用電源80からの電力を蓄電装置51へ供給(充電)可能に構成される。
また、第二のユニットのパワコン52は、第一のユニット20のパワコン23と同様に、蓄電装置51の充放電を適宜行う。
このように構成される第二のユニット50のパワコン52は、配電線L4を介して分電盤10と接続される。配電線L4の一端部は、パワコン52と接続される。配電線L4の他端部は、配電線L1の中途部(分電盤10内における切替盤40と一般回路90との間)と接続される。
このような第二のユニット50のパワコン52は、通常モード、第一の停電モード及び第二の停電モードで動作することができる。通常モード、第一の停電モード及び第二の停電モードの内容については後で詳述する。
第一のセンサ61は、商用電源80からの電力(買電される電力)及び商用電源80へ逆潮流される電力(売電される電力)を検出するものである。第一のセンサ61は、配電線L1の中途部(分電盤10内)に設けられる。第一のセンサ61は、配電線L1・L2の接続部と商用電源80との間に配置される。第一のセンサ61の検出結果は、商用電源80からの電力を検出したときに0Wよりも大きな値(正の値)となる。また、第一のセンサ61の検出結果は、商用電源80へ逆潮流される電力を検出したときに0Wよりも小さな値(負の値)となる。第一のセンサ61は、第一のユニット20のパワコン23と接続される。第一のセンサ61は、その検出結果に関する信号をパワコン23に送信することができる。
第二のセンサ62は、第一のユニット20及び商用電源80からの電力を検出するものである。第二のセンサ62は、配電線L1の中途部(分電盤10内)に設けられる。第二のセンサ62は、切替盤40と配電線L1・L4の接続部との間に配置される。第二のセンサ62は、第二のユニット50のパワコン52と接続される。第二のセンサ62は、その検出結果に関する信号をパワコン52に送信することができる。
停電検知センサ70は、第二のユニット50のパワコン52で停電を検知するためのものである。停電検知センサ70は、配電線L1の中途部(分電盤10内)に設けられる。停電検知センサ70は、配電線L1・L2の接続部と第一のセンサ61との間に配置され、商用電源80からの電力を検出する。停電検知センサ70は、第二のユニット50のパワコン52と接続され、その検出結果に関する信号をパワコン52に送信することができる。パワコン52は、停電検知センサ70の検出結果に基づいて停電を検知する。
次に、このように構成される電力供給システム1において、一般回路90(負荷)へ電力を供給する流れについて説明する。
まず、図1を用いて、非停電時において一般回路90へ電力を供給する流れについて説明する。なお、図1に示す状態において、切替盤40は、電力の供給元を商用電源80に切り替えているものとする。
非停電時において、分電盤10には、商用電源80からの電力が配電線L1を介して供給される。分電盤10へ供給される電力は、切替盤40を流通して一般回路90へ供給される。これにより、商用電源80からの電力が負荷へ供給される。第一のセンサ61は、このような商用電源80からの電力を検出し、当該検出結果に関する信号を第一のユニット20のパワコン23に送信する。
第一のユニット20のパワコン23は、第一のセンサ61から送信される信号に基づいて、停電が発生していないと判断する。パワコン23は、停電が発生していないと判断すると、連系運転を行う。パワコン23は、連系運転を行う場合に、太陽光発電装置21で発電した電力及び蓄電装置22から放電した電力を、配電線L2へ流通させる。これにより、パワコン23は、配電線L1・L2を介して一般回路90へ電力を供給する。
第一のユニット20のパワコン23は、連系運転を行う場合に、第一のセンサ61の検出結果(商用電源80から供給される電力量)に基づいて、一般回路90へ供給する電力量を調整する負荷追従運転を行う。この際、パワコン23は、第一のセンサ61の検出結果が所定の値となるように、供給する電力量を調整する。
第二のセンサ62は、このような第一のユニット20からの電力及び商用電源80からの電力を検出し、当該検出結果に関する信号を第二のユニット50のパワコン52に送信する。また、停電検知センサ70は、第一のセンサ61と同様に、商用電源80からの電力を検出し、当該検出結果に関する信号をパワコン52に送信する。
第二のユニット50のパワコン52は、第二のセンサ62及び停電検知センサ70から送信される信号に基づいて、停電が発生していないと判断する。パワコン52は、停電が発生していないと判断すると、通常モードで動作する。
通常モードは、非停電時に選択されるモードであり、商用電源80と連系して第二のユニット50の蓄電装置51の充放電を行うことを目的としたモードである。パワコン52は、通常モードで動作する場合、蓄電装置51の充放電を許可する。また、パワコン52は、通常モードにおいて連系運転を行う。このとき、パワコン52は、蓄電装置51から放電した電力を、配電線L4へ流通させる。これにより、パワコン52は、配電線L1・L4を介して一般回路90へ電力を供給する。
第二のユニット50のパワコン52は、連系運転を行う(通常モードで動作する)場合に、第二のセンサ62の検出結果(商用電源80等から供給される電力量)に基づいて、一般回路90へ供給する電力量を調整する負荷追従運転を行う。この際、パワコン52は、第二のセンサ62の検出結果が所定の値となるように、供給する電力量を調整する。
このような非停電時において、第一のユニット20のパワコン23は、太陽光発電装置21で発電した電力を蓄電装置22に充電する。また、パワコン23は、太陽光発電装置21で発電した電力が余った場合に、当該余った電力を商用電源80へ逆潮流させる。また、第二のユニット50のパワコン52は、非停電時において、太陽光発電装置21及び商用電源80からの電力を蓄電装置51に適宜充電する。
次に、図2及び図3を用いて、停電時において一般回路90へ電力を供給する流れについて説明する。
第二のユニット50のパワコン52は、第二のセンサ62及び停電検知センサ70から送信される信号に基づいて、停電が発生したと判断する。この場合、パワコン52は、第一の停電モードで動作する(通常モードから第一の停電モードに切り替える)。
第一の停電モードは、停電が発生したときに選択されるモードであり、商用電源80から独立して動作することを目的としたモードである。パワコン52は、第一の停電モードで動作する場合、自立運転を行う。このとき、パワコン52は、蓄電装置51から放電した電力を自立運転コンセントから出力することができる。これによって、第二のユニット50においては、配電線L4を介した電力の流通を禁止して、前記自立コンセントに接続された特定の負荷だけに電力を供給することができる。
第一のユニット20のパワコン23は、第一のセンサ61から送信される信号に基づいて、停電が発生したと判断する。この場合、パワコン23は、連系運転から自立運転に切り替える(自立運転を行う)。パワコン23は、自立運転を行う場合に、配電線L3へ電力を流通させる。
第一のユニット20のパワコン23は、このような自立運転を行うときに(例えば、停電が発生していると判断した直後や配電線L3に電力を流通させた後で)、運転状態に関する信号を切替盤40に送信する。切替盤40は、パワコン23から送信される信号に基づいて、パワコン23が自立運転を行っていることを検知する。そして、切替盤40は、電力の供給元を第一のユニット20に切り替える。
これにより、図3に示すように、第一のユニット20からの電力(自立運転時に出力される電力)は、配電線L3を流通するときにトランス30で昇圧されて切替盤40へ供給され、配電線L1から一般回路90へ供給される。
これによって、第一のユニット20は、停電時に自立コンセントに接続された特定の負荷だけに電力を供給するのではなく、非停電時と同じ電路(配電線L1)を用いて一般回路90(すなわち全ての負荷)へ電力を供給することができる。これにより、運用性を向上することができる。
第一のユニット20からの電力が配電線L1を流通するようになると、第二のセンサ62は、当該電力を検出する。第二のセンサ62は、当該検出結果に関する信号を第二のユニット50のパワコン52に送信する。また、停電検知センサ70は、停電発生時と同じ検出結果に関する信号を引き続きパワコン52に送信する。
第二のユニット50のパワコン52は、このような第二のセンサ62及び停電検知センサ70から送信される信号に基づいて、第一のユニット20が自立運転を行っていると判断する。パワコン52は、第一のユニット20が自立運転を行っていると判断すると、第二の停電モードで動作する(第一の停電モードから第二の停電モードに切り替える)。
第二の停電モードは、第一のユニット20が自立運転を行っているときに選択されるモードであり、商用電源80と擬似的に連系して第二のユニット50の蓄電装置51の放電のみを行うことを目的としたモードである。パワコン52は、第二の停電モードにおいて、第一のユニット20を商用電源80と見立てて連系運転を行う。これにより、パワコン52は、実際には、停電となっている商用電源80とは連系していないものの、あたかも商用電源80と連系しているかのように、配電線L1に配置された第二のセンサ62の検出結果に基づいて負荷追従運転を行う。
また、第二のユニット50のパワコン52は、第二の停電モードで動作する場合、蓄電装置51の充電を禁止する(放電のみ許可する)。すなわち、パワコン52は、商用電源80と擬似的に連系した(自立運転を行っている第一のユニット20と連係した)場合に蓄電装置51の充電を禁止するように、蓄電装置51の動作を制御する。
これによれば、第一のユニット20が自立運転を行った場合に、配電線L1を流通する電力を蓄電装置51に充電することを防止できる。これによって、第一のユニット20が自立運転を行った場合に、第一のユニット20からの電力を、蓄電装置51に奪われることなく一般回路90へ供給することができる。このため、停電時に負荷へ供給される電力量が減少してしまう事態を回避することができる。
また、第二のユニット50のパワコン52は、第二の停電モードで動作するときに、第二のセンサ62の検出結果に応じて蓄電装置51を放電させ、当該放電させた電力を配電線L4に流通させる。これにより、パワコン52は、蓄電装置51から放電させた電力を一般回路90へ供給することができる。これによって、第一のユニット20及び第二のユニット50からの電力を、配電線L1を介して一般回路90へまとめて供給することができる。これによれば、停電時に使用される電力を第一のユニット20及び第二のユニット50で賄うことができるため、停電時に一般回路90へ長期間電力を供給することができる。
次に、図4を用いて、復電時における電力供給システム1の動作について説明する。
第一のユニット20のパワコン23は、第一のセンサ61から送信される信号に基づいて、復電したと判断する。パワコン23は、復電したと判断すると、連系運転を再開する(自立運転から連系運転に切り替える)。
また、第一のユニット20のパワコン23は、連系運転を再開するときに(復電したと判断した直後や配電線L2に電力を流通させた後で)、運転状態に関する信号を切替盤40に送信する。切替盤40は、パワコン23から送信される信号に基づいて、連系運転を再開したことを検知する。そして、切替盤40は、電力の供給元を商用電源80に切り替える。
第二のユニット50のパワコン52は、第二のセンサ62及び停電検知センサ70から送信される信号に基づいて、復電したと判断する。パワコン52は、復電したと判断すると、通常モードで蓄電装置51を動作させる。すなわち、パワコン52は、商用電源80と実際に連係しつつ、蓄電装置51の充電を許可する。
これによって、第二のユニット50のパワコン52は、復電したときに、太陽光発電装置21及び商用電源80からの電力を蓄電装置51に適宜充電させたり、蓄電装置51を適宜放電させることができる。
以上によって、復電時の動作が完了し、非停電時の運転に戻る。
以上の如く、第一実施形態に係る電力供給システム1は、商用電源80からの電力を負荷へ供給可能な分電盤10と、前記商用電源80からの電力を充放電可能な蓄電装置22(第一の蓄電装置)、及び前記蓄電装置22の充放電を制御するパワコン23(第一のパワーコンディショナー)を含み、前記商用電源80と連系して前記分電盤10へ電力を供給する連系運転と、前記商用電源80から独立して前記分電盤10へ電力を供給する自立運転とを行う第一のユニット20と、前記第一のユニット20の出力側に配置され、前記第一のユニット20が前記自立運転時に出力した電力の電圧を昇圧するトランス30と、前記トランス30の出力側に配置され、前記分電盤10への電力の供給元を前記商用電源80又は前記第一のユニット20に切り替える切替盤40と、前記商用電源80からの電力を充放電可能な蓄電装置51(第二の蓄電装置)、及び前記蓄電装置51の充放電を制御するパワコン52(第二のパワーコンディショナー)を含み、前記切替盤40よりも前記負荷側に配置されて前記分電盤10へ電力を供給する第二のユニット50と、前記第二のユニット50に設けられ、停電を検知可能なパワコン52(停電検知部)と、を具備し、前記第一のユニット20は、停電が発生すると前記自立運転を行い、前記切替盤40は、前記第一のユニット20が前記自立運転を行っている間、前記電力の供給元を前記第一のユニット20に切り替え、前記第二のユニット50は、前記パワコン52が停電を検知している場合に、前記パワコン52で前記蓄電装置51の充電を禁止するものである。
このように構成することにより、第二のユニット50は、第一のユニット20が自立運転を行っているのか復電したのかを判別することが可能となる。また、第一のユニット20が自立運転を行っている間、第二のユニット50の蓄電装置51の放電を禁止することができる。これによって、第一のユニット20が自立運転しているときに出力した電力を第二のユニット50の蓄電装置51で充電してしまうことを防止できるため、停電時に負荷へ供給される電力量が減少してしまう事態を回避することができる。
また、前記パワコン52は、前記第一のユニット20及び前記切替盤40と前記商用電源80との間の電流及び/又は電圧に関する検出結果に基づいて停電を検知するものである。
このように構成することにより、簡易な構成により、停電を正しく検知することができる。具体的には、第一のユニット20及び切替盤40と商用電源80との間の一箇所の電力等を検出するだけで停電を検知することができるため、電力等の検出箇所を減らして構成を簡素化することができる。また、停電時に第一のユニット20の蓄電装置22から放電された電力が(非停電時にも使用される)配電線L1に流通した場合であっても、当該流通した電力を検出しないため、停電を正しく検知することができる。
なお、第一実施形態に係る蓄電装置22は、第一の蓄電装置の実施の一形態である。
また、第一実施形態に係るパワコン23は、第一のパワーコンディショナーの実施の一形態である。
また、第一実施形態に係る蓄電装置51は、第二の蓄電装置の実施の一形態である。
また、第一実施形態に係るパワコン52は、第二のパワーコンディショナー及び停電検知部の実施の一形態である。
次に、第二実施形態に係る電力供給システム101について説明する。なお、以下においては、第一実施形態に係る電力供給システム1と同様に構成される部材については、第一実施形態と同様の符号を付し、その説明を省略する。
図5に示すように、第二実施形態に係る電力供給システム101は、第一実施形態に係る電力供給システム1の構成に加えて、第二のユニット150及び第三のセンサ63を具備する。
第二のユニット150は、配電線L1・L4の接続部と一般回路90との間、すなわち第二のユニット50よりも下流(負荷)側に配置される。第二のユニット150は、蓄電装置151及びパワコン152を具備する。第二のユニット150の蓄電装置151及びパワコン152は、第二のユニット50の蓄電装置51及びパワコン52と同じように構成される。パワコン152は、配電線L5を介して分電盤10と接続される。配電線L5の一端部は、パワコン152と接続される。配電線L5の他端部は、配電線L1の中途部(分電盤10内における配電線L1・L4の接続部と一般回路90との間)と接続される。パワコン152は、停電検知センサ70と接続され、停電検知センサ70から検出結果に関する信号が送信される。
第三のセンサ63は、第一のユニット20、第二のユニット50及び商用電源80からの電力を検出するものである。第三のセンサ63は、配電線L1・L4の接続部と配電線L1・L5の接続部との間に配置される。第三のセンサ63は、下流側の第二のユニット150のパワコン152と接続され、その検出結果に関する信号をパワコン152に送信することができる。
下流側の第二のユニット150のパワコン152は、第三のセンサ63及び停電検知センサ70の検出結果に基づいて停電を検知する。仮に、停電を検知しなかった場合、パワコン152は、通常モードで動作する。このとき、パワコン152は、第三のセンサ63の検出結果に基づいて、一般回路90へ供給する電力量を調整する負荷追従運転を行う。一方、停電を検知した場合、パワコン152は、第一の停電モードで動作する。
また、第三のセンサ63が配電線L1を流通する電力を検出すると共に停電検知センサ70が配電線L1を流通する電力を検出していない場合、第二のユニット150のパワコン152は、第一のユニット20のパワコン23が自立運転を行っていると判断し、第二の停電モードで動作する。このとき、図6に示すように、パワコン152は、第二の停電モードで動作する上流側の第二のユニット50と共に、配電線L1を介して電力を一般回路90へ供給する。一方、第三のセンサ63及び停電検知センサ70が配電線L1を流通する電力をそれぞれ検出した場合、パワコン152は、復電したと判断し、通常モードで動作する。
以上によれば、下流側の第二のユニット150のパワコン152は、停電時(第一のユニット20の自立運転時)に蓄電装置151の充電を禁止することができる。これによって、第一のユニット20及び上流側の第二のユニット50からの電力を、蓄電装置151に奪われることなく一般回路90へ供給することができる。また、パワコン152は、第一のユニット20が自立運転を行っているときに、第三のセンサ63の検出結果に応じて蓄電装置151を放電させることができる。これによって、停電時に第一のユニット20及び第二のユニット50・150で一般回路90の電力を賄うことができるため、停電時に負荷へ長期間電力を供給することができる。
なお、電力供給システム101においては、最も下流側に配置される第二のユニット150の蓄電装置151から優先的に放電させる。また、電力供給システム101においては、図7に示すように、下流側の第二のユニット150の蓄電装置151の残量がなくなったとき(電力を供給することができなくなったとき)等に、蓄電装置51から優先的に放電させる。このように、複数の第二のユニット(第二実施形態においては、第二のユニット50・150)が設けられた場合、下流側に配置される第二のユニットからの電力が、上流側に配置される第二のユニットからの電力に優先して一般回路90へ供給される。
以上の如く、第二実施形態に係る電力供給システム101において、前記第二のユニット50・150は、配電線L1(前記商用電源80と前記負荷とを結ぶ電路)に複数配置されるものである。
このように構成することにより、第二のユニット50・150の蓄電装置51・151のように設置台数を増やすことができるため、第二のユニット50・150から負荷へ供給可能な電力量を増やすことができる。
なお、第二実施形態に係る第二のユニット50・150は、複数の第二のユニットの実施の一形態である。
また、第二実施形態に係る配電線L1は、商用電源と負荷とを結ぶ電路の実施の一形態である。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、電力供給システム1の適用対象は、工場に限定されるものでない。すなわち、電力供給システム1は、工場以外の場所にも適用可能である。具体的には、事業所や集合住宅等に適用することができる。
また、第一のユニット20及び第二のユニット50・150は、発電能力の有無を問わない。すなわち、第一のユニット20は、太陽光発電装置21を具備していなくてもよい。また、第二のユニット50・150は、太陽光発電装置を具備していてもよい。
また、切替盤40は、停電を検知して電力の供給元を切り替えてもよい。この場合、切替盤40は、停電が発生したことを検知すると電力の供給元を第一のユニット20に切り替えると共に、復電を検知すると電力の供給元を商用電源80に切り替えることとしてもよい。
また、第二のユニット50・150のパワコン52・152は、第一の停電モードで動作する場合に、自立運転を行わなくてもよい。すなわち、パワコン52は、自立運転機能を有しないものであってもよい。
また、第二のユニット50のパワコン52は、停電検知センサ70からの信号に基づいて第一のユニット20のパワコン23が自立運転を行っているのか復電したのかを判断したが、自立運転と復電とを判断するためのセンサは、停電検知センサ70に限定されるものでない。すなわち、自立運転と復電とを判断するためのセンサは、例えば、第一のセンサ61であってもよい。この場合、第一のセンサ61は、パワコン52と接続され、その検出結果に関する信号をパワコン52に送信する。これによって、第一のセンサ61は、停電検知部として機能する。これによれば、第一のセンサ61(一つのセンサ)の検出結果に基づいてパワコン23・52を動作させることができるため、センサの設置台数を減らしてコストを低減することができる。
また、停電検知センサ70は、配電線L1を流通する電力を検出するものとしたが、停電検知センサ70の検出対象は、電力に限定されるものでなく、電圧や電流であってもよい。
また、停電検知センサ70は、配電線L1・L2の接続部と第一のセンサ61との間に配置されるものとしたが、停電検知センサ70が配置される位置は、これに限定されるものでない。停電検知センサ70は、第一のユニット20及び切替盤40と商用電源80との電力等を検出可能であれば、その配置を適宜変更することが可能である。具体的には、停電検知センサ70は、分電盤10内における第一のセンサ61よりも上流側や分電盤10と商用電源80との間に配置されていてもよい。
また、本実施形態においては、停電検知センサ70からの信号に基づいて第二のユニット50・150のパワコン52・152が停電を検知するものとしたが、これに限定されるものでなく、停電検知センサ70自身により停電を検知してもよい。この場合、停電検知センサ70が停電検知部として機能する。
また、第二実施形態に係る電力供給システム101は、二つの第二のユニット50・150を具備するものとしたが、第二のユニットの個数はこれに限定されるものでなく、三つ以上であってもよい。