JP6619262B2 - 複合粒子、化粧料組成物、及び、複合粒子の製造方法 - Google Patents

複合粒子、化粧料組成物、及び、複合粒子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、複合粒子に関する。具体的には、赤外線を良好に遮断する複合粒子、前記複合粒子を含む化粧料組成物、及び、前記複合粒子の製造方法に関する。
皮膚老化の原因の一つとして、光照射が知られている。太陽光には、様々な波長の光が混在しており、なかでも、紫外線、及び、近赤外線は、皮膚のたるみ、シワ等の形成に影響を及ぼすと言われている。紫外線は、可視光よりも波長が短く、エネルギーが高く、皮膚に悪影響を及ぼすことが知られており、紫外線を遮断するための化粧用材料等について広く研究されている。
一方、近赤外線は、波長が約800〜2000nm程度の光であり、波長が長く、肌の真皮層まで到達し、発熱性をもつ。そのため、肌が近赤外線に長期間暴露されると、真皮層の網状弾力構造が損傷し、水分の蒸散が高まることで、肌の老化が促進されるおそれがある。近赤外線は、太陽光の熱エネルギーの約50%を占めており、光照射による皮膚への悪影響を抑制するためには、紫外線のみならず、近赤外線を遮断することも極めて重要である。
近赤外線の肌への到達を抑制するために、赤外線を遮断するための材料の研究が行われている。
例えば、特許文献1では、周期律表のIIa族、IIIa族、IVa族、Va族、VIa族から選ばれる元素の1種または2種以上のホウ化物、複合ホウ化物、またはこれらの混合物のいずれかからなるホウ化物微粒子とIn、Sn、Sb、Zn、Tiから選ばれる元素の1種または2種以上の酸化物、複合酸化物、またはこれらの混合物のいずれかからなる酸化物微粒子を配合してなる、赤外線遮蔽性能に優れた化粧料が開示されている。
また例えば、特許文献2では、窒化ホウ素粉末、及び、酸化セリウム、酸化チタン、タルク、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化亜鉛及びマイカからなる群から選択された一つ以上の粉末を含有する化粧料組成物が開示されている。
また例えば、特許文献3では、平均粒径が0.5〜2.0μmである二酸化チタンと、屈折率が1.60以上でありグロス値が9.0以下である無機板状粉体とを含む、近赤外線から皮膚を効果的に保護することができる皮膚外用剤が開示されている。
また例えば、特許文献4では、特定範囲の一次粒子粒径、横径、縦径を有する紡錘形状の二酸化チタン粉末と、特定範囲の一次粒子粒径を有する酸化亜鉛粉末を含む近赤外線透過遮蔽剤を含む近赤外線損傷の防止剤が開示されている。
特開2004−331509号公報 特表2013−511515号公報 特開2015−86157号公報 特許第4406040号公報
しかしながら、例えば、従来の赤外線遮断剤である二酸化チタンを使用する場合、十分な赤外線遮断効果を奏するためには、二酸化チタンを多量に添加する必要があり、塗布した箇所が白くなるといった問題があった。また、赤外線遮断剤を肌へ適用する場合、安全性や使用感が未だ不十分であり、改善する余地があった。
本発明は、前記現状に鑑み、優れた赤外線遮断効果を有する新たな複合粒子を提供することを目的とする。また、前記複合粒子を含む化粧料組成物を提供することを目的とする。更に、前記複合粒子の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記の課題に鑑み鋭意研究を重ねた結果、薄片状粒子を基板とし、前記薄片状粒子に赤外線吸収物質を固着させた複合粒子とすることにより、優れた赤外線遮断効果を有する複合粒子となり得ることを見出した。また、本発明の複合粒子は、安全性が高く、使用感が良い化粧料材料として使用することができることを見出した。また、本発明の複合粒子を含むことにより、優れた赤外線遮断効果を有する化粧料組成物を提供できることを見出した。また、そのような複合粒子を安価で容易に製造することができる方法を見出した。本発明は、これらの知見に基づいて更に検討を重ねることにより完成したものである。
すなわち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1.薄片状粒子に、赤外線吸収物質が固着してなることを特徴とする、複合粒子。
項2.薄片状粒子のアスペクト比が、20〜150である項1に記載の複合粒子。
項3.薄片状粒子の平均粒子径が、0.1〜50μmである項1又は2に記載の複合粒子。
項4.前記薄片状粒子が、マイカ、タルク、セリサイト、硫酸バリウム、合成金雲母、酸化チタン、窒化ホウ素、酸化亜鉛、及び、ホウケイ酸塩からなる群より選択される少なくとも一種の無機粒子である項1〜3のいずれか一項に記載の複合粒子。
項5.前記赤外線吸収物質が、水酸基、カルボニル基、ニトロ基、カルボキシル基、アミノ基、エステル基、チオール基、アミド基、エーテル基、スルホ基、及び、オキソ基からなる群より選択される少なくとも一種の官能基を有する物質である項1〜4のいずれか一項に記載の複合粒子。
項6.赤外線遮断剤である項1〜5のいずれか一項に記載の複合粒子。
項7.項1〜6のいずれか一項に記載の複合粒子を含むことを特徴とする化粧料組成物。
項8.薄片状粒子に赤外線吸収物質が固着してなる複合粒子の製造方法であって、薄片状粒子、赤外線吸収物質、及び、溶剤を混合する工程、及び、前記混合工程で得られた混合物を加熱する工程
を含む、複合粒子の製造方法。
項9.前記混合工程と前記加熱工程の間に、前記混合工程で得られた混合物を混練する工程を更に含む、項8に記載の複合粒子の製造方法。
以下に、本発明について、詳細に説明する。
本発明によれば、優れた赤外線遮断効果を有する複合粒子、化粧料組成物、及び、前記複合粒子の製造方法を提供することができる。
複合粒子
本発明の複合粒子は、薄片状粒子に、赤外線吸収物質が固着してなるものである。
(薄片状粒子)
本発明の複合粒子は、薄片状粒子を基板として用いたものである。薄片状粒子を用いることにより、少量で塗布面を覆うことができ、赤外線を効率良く遮断することができる。
薄片状粒子のアスペクト比(直径/厚み)としては、複合粒子の赤外線遮断効果が優れて、体質顔料として化粧品に多量に配合しても良好な使用感を表すために、20〜150が好ましく、20〜100がより好ましく、30〜80が更に好ましい。
アスペクト比は、薄片状粒子の形状を走査型電子顕微鏡SEMにて観察し、得られた電子顕微鏡写真より、無作為に数百個抽出した薄片状粒子の直径及び厚みを測定して算出した平均の値である。
薄片状粒子の平均粒子径としては、複合粒子の赤外線遮断効果が優れる点で、0.1〜50μmが好ましく、0.5〜40μmがより好ましく、1〜30μmが更に好ましい。
薄片状粒子の平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(例えば、SALD−2200 島津製作所製)で測定して得られる値である。
薄片状粒子としては、例えば、無機粉末、有機粉末、又はこれらの複合体などの粉末を挙げることができる。
前記無機粉末としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、群青、酸化セリウム、タルク、マイカ、セリサイト、カオリン、ベントナイト、クレー、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、含フッ素金雲母、合成金雲母、雲母チタン、酸化チタン被覆合成金雲母、合成タルク、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、窒化ホウ素、オキシ塩化ビスマス、アルミナ、シリカ、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化クロム、ホウケイ酸、カラミン、炭酸マグネシウム、又はこれらの複合体等が挙げられる。
前記有機粉末としては、例えば、シリコーン粉末、シリコーン弾性粉末、ポリウレタン粉末、セルロース粉末、ナイロン粉末、PMMA粉末、スターチ、ポリエチレン粉末、又は、これらの複合体等が挙げられる。
これらの薄片状粒子は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
薄片状粒子としてはまた、例えば、酸化チタン被覆ガラス末(メタシャインMC1080シリーズ、メタシャイン MC1120シリーズ(日本板硝子社)、リフレックス シリーズ(BASF社)など)、酸化チタン処理合成金雲母(プロミネンス シリーズ(日本光研工業社))、酸化チタン被覆雲母(プレステージ スパークリングシリーズ(エッカート社))、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化鉄被覆雲母チタン(プレステージ ジャズリング ゴールド(エッカート社))、紺青処理雲母チタン(クロイゾネ スパークルブルー(BASF社))、カルミン処理雲母チタン(クロイゾネ スパークル レッド(BASF社))、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等の光輝性粉体、酸化鉄被覆雲母(コロロナグリッターシリーズ(メルク社))、酸化鉄被覆ガラス末(メタシャインMC1080Tシリーズ(日本板硝子社)、リフレックスシリーズ(BASF社)など)、酸化鉄・酸化チタン被覆ガラス末(メタシャインMC1080TY(日本板硝子社)、リフレックス ギルデッドゴールド(BASF社)など)、有機顔料処理雲母チタン、アルミニウムパウダー、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末(ホログラムパウダーシリーズ(ダイヤ工業社))アルミニウム蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム末(ホログラムパウダーSシリーズ(ダイヤ工業社)、ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層フィルム末(オーロラフレークシリーズ(BASF社))等を使用することができる。これらの薄片状粒子は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なかでも、薄片状粒子としては、薄片状無機粒子であることが好ましい。
薄片状無機粒子としては、無機粒子であれば特に限定されないが、なかでも、優れた赤外線遮断効果を有する点で、マイカ、タルク、セリサイト、硫酸バリウム、合成金雲母、酸化チタン、窒化ホウ素、酸化亜鉛、及び、ホウケイ酸塩からなる群より選択される少なくとも一種の無機粒子が好ましい。
本発明の複合粒子における薄片状粒子の含有量としては、30〜99.9質量%が好ましく、60〜98質量%がより好ましい。
(赤外線吸収物質)
本発明の複合粒子で用いられる赤外線吸収物質としては、赤外線を吸収しうる物質であれば、特に限定されないが、水と親和性のある官能基をもつ物質であることが好ましい。
前記水と親和性のある官能基をもつ物質とは、水と結合する官能基を有する物質であり、例えば、水酸基、カルボニル基、ニトロ基、カルボキシル基、アミン基、エステル基、チオール基、アミド基、エーテル基、スルホ基、オキソ基等を有する物質が挙げられる。なかでも、水和力に優れる点で水酸基、又は、カルボニル基を有する物質が好ましい。
なかでも、赤外線吸収物質としては、タンパク質、糖類、脂質、核酸、及び、これらの複合物からなる群より選択される少なくとも一種が好ましい。
タンパク質としては、例えば、大豆由来タンパク質、小麦由来タンパク質、米由来タンパク質、酵母由来タンパク質、ケラチン、ゼラチン、コラーゲン等が挙げられる。なかでも、ケラチン、又はコラーゲンが好ましい。
糖類としては、例えば、ブドウ糖、ショ糖、D−ソルビトール、マルトース、トレハロース、ポリオキシプロピレンメチルグルコシド、グリセリルグルコシド、グリコシルトレハロース、ローカストビーンガム、グアーガム、タマリンドガム、クインスシード由来ガム、アラビアガム、トラガカントガム、カラヤガム、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、デンプン、ペクチン、キトサン、ヒドロキシプロピルグアーガム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びカルボキシメチルセルロース、キサンタンガム、デキストラン、プルラン、ムコ多糖及びヒアルロン酸等の多糖類等が挙げられる。なかでも、アルギン酸ナトリウム、ムコ多糖又はヒアルロン酸が好ましい。
脂質としては、例えば、レシチン、水添レシチン等のリン脂質、グルコシルセラミド等のスフィンゴ糖脂質等が挙げられる。また、動物油、植物油、合成油等の起源、及び、固形油、半固形油、液体油等の性状を問わず、油脂類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、ラノリン誘導体類、油性ゲル化剤類、油溶性樹脂等が挙げられる。具体的には、オリーブ油、ヒマシ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の油脂類、ホホバ油、セチルイソオクタネート、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリオクタン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸ポリグリセリル、トリベヘン酸グリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、コレステロール脂肪酸エステル、ステロールアミノ酸エステル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル・コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)等のエステル類、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体、オクタン酸デキストリン、ラウリン酸デキストリン、パルミチン酸デキストリン、ミリスチン酸デキストリン、ステアリン酸デキストリン、ベヘニン酸デキストリン、ヤシ油脂肪酸デキストリン、(パルミチン酸/オクタン酸)デキストリン、蔗糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル、12−ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸カルシウム等の油性ゲル化剤類、水添ロジン酸ペンタエリスリチル等が挙げられる。なかでも、脂質としては、リン脂質、ラノリン誘導体類、又は、エステル類が好ましい。
核酸としては、例えば、デオキシリボ核酸、デオキシリボ核酸塩、加水分解DNA、リボ核酸、リボ核酸塩、加水分解RNAなどが挙げられる。
これらの赤外線吸収物質は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なかでも、赤外線吸収物質としては、化粧料に適用できる点で、ケラチン、コラーゲン、アルギン酸ナトリウム、レシチン、ラノリン、加水分解水添デンプン、ムコ多糖、トリイソステアリン酸ポリグリセリル、ミリストイル−β−アラニン(フィトステリル/オクチドデシル)、及び、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチドデシル)からなる群より選択される少なくとも一種を含むことがより好ましい。
本発明の複合粒子における赤外線吸収物質の含有量としては、0.1〜60質量%が好ましく、1〜40質量%がより好ましい。
本発明の複合粒子は、前記薄片状粒子に前記赤外線吸収物質が固着されてなる。前記薄片状粒子に赤外線吸収物質を固着させる方法としては、薄片状粒子、赤外線吸収物質、及び、溶剤を混合し、混練して、加熱する方法等が挙げられる。本発明の複合粒子を製造する方法については後述する。
前記薄片状粒子に前記赤外線吸収物質が固着していることは、複合粒子からなる被膜を形成した場合に、その被膜表面のぬれで判断することができる。例えば、薄片状粒子に赤外線吸収物質が固着された複合粒子からなる被膜表面の水の接触角は、薄片状粒子に赤外線吸収物質が固着されていない粒子からなる被膜表面の水の接触角よりも大きな値となる。赤外線吸収物質が薄片状粒子に固着することにより前記被膜表面の水の接触角が大きくなる程度は、赤外線吸収物質の親水化程度に依存するが、一般に10°から90°である。本発明においては、薄片状粒子に赤外線吸収物質が固着してなる複合粒子からなる被膜表面の水の接触角が、固着していない粒子からなる被膜表面の水の接触角よりも10°〜40°大きくなることが好ましい。
また、本発明の複合粒子からなる被膜表面の水の接触角は、20°以上が好ましく、赤外線吸収と保湿の観点からは、30°以上がより好ましく、30°〜60°が更に好ましい。
なお、本明細書において、前記被膜表面の水の接触角とは、透明テープ上に複合粒子を塗布して被膜量0.3mg/cm2の被膜を形成し、前記被膜の表面に水滴を置き、1分後の水滴の形状をマイクロスコープで撮影し、画像分析により測定した値である。
本発明の複合粒子は、本発明の効果に影響を与えない範囲で他の成分を含んでいてもよい。本発明の複合粒子に含まれ得る他の成分としては、酸化塩、固着成分等が挙げられる。
酸化塩としては、屈折率が1.7以上で白色系のものが好ましい。好ましい酸化塩としては、二酸化チタンや酸化亜鉛等が挙げられる。二酸化チタンは、ルチル型であってもよいし、アナターゼ型であってもよい。
固着成分としては、例えば、炭化水素類、ロウ類、硬化油類、フッ素系油類、揮発性油剤等が挙げられる。具体的には、例えば、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、パラフィンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、エチレンプロピレンコポリマー、モンタンワックス、フィッシャトロプスワックス等の炭化水素類、モクロウ、ミツロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ゲイロウ等のロウ類、メチルフェニルポリシロキサン、フッ素変性オルガノポリシロキサン等のシリコーン類、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油剤類、特定のアクリル酸アルキルメチルポリシロキサンエステル等の油溶性樹脂、軽質流動イソパラフィン、イソドデカン等の炭化水素油、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、メチルトリメチコン、低重合度ジメチルポリシロキサン等のシリコーン類等の揮発性油剤等が挙げられる。
本発明の複合粒子の嵩密度としては、複合粒子を肌へ適用した場合の使用感が良好となる点で、0.4〜1.0g/mlが好ましく、0.45〜0.8g/mlが好ましい。前記嵩密度は、複合粒子2.0gを秤量し、目盛付試験管で体積が一定になるまでタップした後、2.0g/体積mlで算出して得られる値である。
本発明の複合粒子の動摩擦係数(MIU)としては、複合粒子を肌へ適用した場合の使用感が良好となる点で、0.3〜0.9が好ましく、0.4〜0.8がより好ましい。動摩擦係数(MIU)は、動摩擦係数測定機(例えば、トライボマスター Type:TL201Ts、トリニティーラボ社製)で粉体の滑り性を測定して得られる値である。
本発明の複合粒子の平均粒径としては、用途に応じて適宜選択すればよいが、例えば、化粧料材料である場合、0.1〜50μmが好ましく、5〜20μmがより好ましい。なお、平均粒径は、レーザー回折式 粒度分布測定装置(例えば、SALD−2200 島津製作所製)で測定して得られる値である。
複合粒子の製造方法
本発明の複合粒子の製造方法は、
薄片状粒子、赤外線吸収物質、及び、溶剤を混合する工程、及び、
前記工程で得られた混合物を加熱する工程を含む。
各工程について、以下に詳述する。
本発明の複合粒子の製造方法は、薄片状粒子、赤外線吸収物質、及び、溶剤を混合する工程を有する。薄片状粒子及び赤外線吸収物質としては、複合粒子の項で前述した薄片状粒子及び赤外線吸収物質が挙げられる。
溶剤としては、薄片状粒子と赤外線吸収物質を混合した際に、赤外線吸収物質を分散させて薄片状粒子に付着させることができるものであれば、特に限定されないが、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール溶剤、ヘキサン、アセトン、トルエン等の有機溶剤、ジメチコン、シクロペンタシロキサン、シクロヘキサシロキサン等の揮発性シリコーン油剤などが挙げられる。なかでも、薄片状粒子と赤外線吸収物質を分散させて赤外線吸収物質を薄片状粒子により効率よく固着させることができる点で、アルコール溶剤が好ましい。
溶剤の添加量は、薄片状粒子及び赤外線吸収物質の合計量100質量部に対し、100〜2000質量部が好ましく、150〜300質量部がより好ましい。
また、前記混合工程において、薄片状粒子、赤外線吸収物質、及び、溶剤に加えて、更に、酸化塩、又は、固着成分等を添加してもよい。酸化塩、及び、固着成分としては、前述した酸化塩、及び、固着成分と同様のものが挙げられる。
前記混合としては、前述した各成分を混合できる方法であれば、特に限定されず、例えば、乳鉢と乳棒を用いて混合する方法や、ミキサーを用いた方法等の公知の方法で行うことができる。
また、前記混合は、前述した各成分を混合して混練することが好ましい。すなわち、前記混合工程と後述する加熱工程の間に、前記混合工程で得られた混合物を混練する工程を更に含むことが好ましい。混練することにより、赤外線吸収物質を薄片状粒子に十分に固着させることができる。
前記混練は、例えば、乳鉢と乳棒を用いて行う方法や、混練機を用いて行う方法が挙げられる。なかでも、動摩擦係数がより低い複合粒子が得られる点で、混練機を用いて行うことが、好ましい。
前記混練機としては、日本コークス工業MP−5等の混合機、ロールミル等が挙げられる。
本発明の複合粒子の製造方法では、次いで、前記混合工程で得られた混合物(又は混練物)を加熱する工程を含む。
加熱温度は、赤外線吸収物質が溶融する温度以上であれば特に限定されないが、例えば、40〜200℃が好ましく、50〜150℃がより好ましく、60〜100℃が更に好ましい。
加熱時間は、特に限定されないが、例えば、30分〜2日間が好ましく、60分〜180分がより好ましい。
加熱は、特に限定されず、加熱器を用いる等の公知の方法で行うとよい。
加熱された混合物(又は混練物)は、その後室温(例えば、1〜30℃程度)まで冷まされることにより、赤外線吸収物質が薄片状粒子に固着した複合粒子が得られる。
得られた複合粒子は更に、解砕して、篩に通して粒度を調整してもよい。複合粒子の解砕は、特に限定されず、乳鉢と乳棒を用いて行う等、公知の方法により行うことができる。複合粒子の粒度は、複合粒子の用途に応じて適宜調整するとよい。
こうして得られる本発明の複合粒子は、優れた赤外線遮断効果を有する。
用途
本発明の複合粒子は、優れた赤外線遮断効果を有する。そのため、本発明の複合粒子は、赤外線遮断剤として適用することができる。本発明の複合粒子は、特に限定されないが、例えば、塗料、化粧料、医薬品、医薬部外品等に適用することができる。なかでも、本発明の複合粒子は、安全性が高く、肌に塗布した場合の使用感も良好であるため、化粧料材料として好適に使用することができる。以下に、本発明の複合粒子を用いた化粧料組成物について説明する。
化粧料組成物
本発明の化粧料組成物は、前述の複合粒子を含むことを特徴とする。
本発明の化粧料組成物は、前述の複合粒子を含むので、赤外線遮断効果に優れる。また、肌に安全であり、多量に添加しても前記化粧料組成物を肌に適用した際に肌が白くなり過ぎない。
本発明の化粧料組成物における前記複合粒子の含有量としては、赤外線遮断効果を奏するのであれば特に限定されないが、一般的には、固形分で1〜90質量%が挙げられ、5〜60質量%が好ましく、10〜30質量%がより好ましい。
本発明の化粧料組成物はまた、前述の複合粒子の他に、通常化粧料に使用される成分、例えば、粉体成分、油性成分、界面活性剤、保湿としての水性成分、紫外線吸収剤、保湿剤、褪色防止剤、酸化防止剤、消泡剤、美容成分、防腐剤、香料などを本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することができる。
粉体成分としては、前述の複合粒子以外の粉体であって、化粧料に使用されるものであれば特に限定されず、板状、紡錘状、針状等の形状、粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、複合粉体類等が挙げられる。具体的には、カーボンブラック、コンジョウ、群青、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マイカ、合成マイカ、合成セリサイト、セリサイト、タルク、カオリン、炭化珪素、硫酸バリウム、ベントナイト、スメクタイト、窒化硼素等の無機粉体類、オキシ塩化ビスマス、雲母チタン、酸化鉄被覆雲母、酸化鉄被覆雲母チタン、無水ケイ酸被覆雲母チタン、有機顔料処理雲母チタン、酸化チタン被覆ガラス末、酸化チタン・酸化鉄被覆ガラス末、酸化チタン・無水ケイ酸被覆ガラス末、アルミニウムパウダー等の光輝性粉体類、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、N−アシルリジン、ナイロン等の有機粉体類、有機タール系顔料、有機色素のレーキ顔料等の色素粉体類、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有二酸化珪素、酸化亜鉛含有二酸化珪素等の複合粉体、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層フィルム末等が挙げられ、これらを1種又は2種以上を用いることができる。
また、これら粉体は1種又は2種以上の複合化したものを用いても良く、フッ素化合物、シリコーン系油剤、金属石ケン、ロウ、界面活性剤、油脂、炭化水素等を用いて公知の方法により表面処理を施したものであっても良い。
油性成分としては、動物油、植物油、合成油等の起源、及び、固形油、半固形油、液体油等の性状を問わず、炭化水素類、油脂類、ロウ類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類、油性ゲル化剤類、油溶性樹脂、揮発性油剤等が挙げられる。具体的には、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、パラフィンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、エチレンプロピレンコポリマー、モンタンワックス、フィッシャトロプスワックス等の炭化水素類、モクロウ、オリーブ油、ヒマシ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の油脂類、ミツロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ゲイロウ等のロウ類、ホホバ油、セチルイソオクタネート、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリオクタン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリベヘン酸グリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、コレステロール脂肪酸エステル、ステロールアミノ酸エステル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル・コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)等のエステル類、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、メチルフェニルポリシロキサン、フッ素変性オルガノポリシロキサン等のシリコーン類、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油剤類、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体、オクタン酸デキストリン、ラウリン酸デキストリン、パルミチン酸デキストリン、ミリスチン酸デキストリン、ステアリン酸デキストリン、ベヘニン酸デキストリン、ヤシ油脂肪酸デキストリン、(パルミチン酸/オクタン酸)デキストリン、蔗糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル、12−ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸カルシウム等の油性ゲル化剤類、水添ロジン酸ペンタエリスリチル、特定のアクリル酸アルキルメチルポリシロキサンエステル等の油溶性樹脂、軽質流動イソパラフィン、イソドデカン等の炭化水素油、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、メチルトリメチコン、低重合度ジメチルポリシロキサン等のシリコーン類等の揮発性油剤等が挙げられる。
界面活性剤としては、粉体分散や感触調整の目的で配合され、化粧料一般に用いられている界面活性剤であれば特に限定されず、例えば、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。界面活性剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、蔗糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシアルキレンアルキル共変性オルガノポリシロキサン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、レシチン等が挙げられる。
水性成分としては、水に可溶な成分であれば特に限定されず、例えば、エチルアルコール、ブチルアルコール等の低級アルコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類、アロエベラ、ウイッチヘーゼル、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、ローズ等の植物抽出液が挙げられる。水溶性高分子としては、グアーガム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、アラビアガム、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン等の天然系のもの、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の半合成系のもの、カルボキシビニルポリマー、アルキル付加カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム等の合成系のものを挙げることができる。タンパク質、ムコ多糖、コラーゲン、エラスチン、ケラチン等の他の保湿剤を含有する事もできる。
紫外線吸収剤としては、サリチル酸ホモメンチル、サリチル酸オクチル、サリチル酸トリエタノールアミン等のサリチル酸系;パラアミノ安息香酸、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、エチルジヒドロキシプロピルパラアミノ安息香酸、グリセリルパラアミノ安息香酸、オクチルジメチルパラアミノ安息香酸、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、パラジメチルアミノ安息香酸2−エチルへキシル等のPABA系;4−(2−β−グルコピラノシロキシ)プロポキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノンジスルホン酸ナトリウム、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−硫酸、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2、2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−N−オクトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系;ジパラメトキシケイ皮酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、2,5−ジイソプロピルケイ皮酸メチル、2,4,6−トリス[4−(2−エチルへキシルオキシカルボニル)アニリノ]−1,3,5−トリアジン、トリメトキシケイ皮酸メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルイソペンチル、メトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル・ジイソプロピルケイ皮酸エステル混合物、p−メトキシハイドロケイ皮酸ジエタノールアミン塩等のケイ皮酸系;2−フェニル−ベンズイミダゾール−5−硫酸、4−イソプロピルジベンゾイルメタン、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン等のベンゾイルメタン系;2−シアノ−3,3−ジフェニルプロパン−2−エン酸2−エチルヘキシルエステル(別名;オクトクリレン)、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸2−エチルへキシル、1−(3,4−ジメトキシフェニル)−4,4−ジメチル−1,3−ペンタンジオン、シノキサート、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、3−(4−メチルベンジリデン)カンフル、オクチルトリアゾン、4−(3,4−ジメトキシフェニルメチレン)−2,5−ジオキソ−1−イミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシル、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニル、これらの高分子誘導体、及びシラン誘導体等が挙げられ、目的に応じて1種又は2種以上を用いることができる。
保湿剤としては、蜂蜜、タンパク質、ムコ多糖、コラーゲン、エラスチン、ケラチン等が挙げられる。
本発明の化粧料組成物の剤型としては、例えば、乳化ファンデーション、パウダーファンデーション、油性ファンデーション、化粧下地、アイシャドウ、チークカラー、ボディパウダー、フェースカラー、乳液、化粧水、クリーム、日焼け止め等が挙げられる。
本発明の化粧料組成物の使用量としては、特に限定されないが、肌への赤外線の到達を遮断することができる点で、複合粒子の量で0.05〜0.5mg/cm2が好ましく、0.5〜3mg/cm2がより好ましい。
本発明の化粧料組成物は、公知の方法で製造される。こうして得られる本発明の化粧料組成物は、優れた赤外線遮断効果を有する。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
実施例において測定した各項目の測定方法は、以下のとおりである。
(平均粒子径)
レーザー回折式 粒度分布測定装置 SALD−2200(島津製作所製)を用いて測定した。
(アスペクト比(直径/厚み))
薄片状粒子の形状を走査型電子顕微鏡SEMにて観察し、得られた電子顕微鏡写真より、無作為に数百個抽出した薄片状粒子の直径及び厚みを測定して得られた平均値から算出した。
(テープサンプルの作製)
透明粘着テープ(セロハンテープ)の粘着面9cm2(幅18mm×長さ50mm)に、複合粒子を0.3mg/cm2の量で付着させてテープサンプルを調製した。
(吸光度)
テープサンプルを分光光度計(UV−1280、島津製作所社製)の光路に装着し、波長280〜1100nmの範囲で吸光スペクトル分析を行った。
(光沢)
テープサンプルの複合粒子が付着した面の光沢度を、光沢度計(グロスチェッカIG−320、HORIBA社製)を用いて光の入射角60°の条件で測定した。
(カバー力)
テープサンプルを、複合粒子隠蔽率試験紙(JIS K5400 7.2(2)(f))の白地面と黒地面におき、色差計(CR−10、コニカミノルタ社製)を用いて、D65光源及び10度の視野条件でL***を測定し、下記式にてカバー力を算出した。
カバー力%=(黒地面のL*値 )/(白地面のL*値)
(摩擦係数)
動摩擦係数(MIU)測定機(トライボマスター Type:TL201Ts、トリニティーラボ社製)により複合粒子の滑り性を測定した。
(嵩密度)
複合粒子2.0gを秤量し、目盛り付試験管で体積が一定になるまでタップした後、2.0g/体積(ml)で算出した。
(接触角)
テープサンプル表面にマイクロピペットで水滴を置き、1分後の水滴の形状をマイクロスコープで撮影し、画像分析により水の接触角を測定した。
(撥水)
水50mlに対し、粒子0.2gを浮かし、10分間放置した。浮遊状態を比較し、下記の基準にて5段階で評価した。
評価基準
5:全ての粒子が沈む
4:粒子の半分程度が浮遊し、残り半分が沈んでいる
3:粒子の大部分が浮遊している
2:粒子の一部が水面に残り、大部分が浮遊している
1:粒子の半分以上が水面に残っている
実験例1〜39
<複合粒子の製造>
薄片状粒子として、マイカ(TM−10、ヤマグチマイカ社製、アスペクト比100〜130、平均粒子径11μm)5.0gを乳鉢に投入し、これに、表1又は2に示す配合量にて、赤外線吸収物質、二酸化チタン、固着成分を添加し、エタノールを10ml加え、約10分間乳棒で混練した。混練後、得られた混練物を80℃で2時間加熱した。加熱後、混練物を乳棒で解砕した後、ふるい(目開き0.5mm、JIS Z 8801−1に基づく)に通して、複合粒子を得た。
得られた複合粒子について、吸光度(波長280nm、1100nm)、光沢度、カバー力、摩擦係数、嵩密度、接触角、撥水性を評価した。結果を表1〜2に示す。
実施例40〜45
<複合粒子の製造>
薄片状粒子として、マイカ(TM−10、ヤマグチマイカ社製、アスペクト比100〜130、平均粒子径11μm)1.0kg、又は、タルク(talcMMR、浅田製粉製、アスペクト比30、平均粒子径4.4μm)1.0kgを、粉砕混合機(日本コークス工業製 MP5)に投入し、これに、表3に示す配合量となるよう、赤外線吸収物質、二酸化チタン、固着成分を添加し、イソプロピルアルコール(IPA)を10ml加え、1000回転で6分間混練した。得られた混練物を80℃で24〜72時間加熱した。加熱後、得られた粉体を粉砕混合機で4000rpm×3分間粉砕し、ふるい(目開き0.5mm、JIS Z 8801−1に基づく)に通して、複合粒子を得た。
得られた複合粒子について、吸光度(波長280nm、1100nm)、光沢度、カバー力、摩擦係数、嵩密度、接触角、撥水性を評価した。結果を表3に示す。
比較例1〜2
表3に示す配合量となるように、赤外線吸収物質及び二酸化チタンを添加せず、固着成分を添加した以外は、実施例40と同様の方法で粒子を得、得られた粒子について、吸光度(波長1100nm)を評価した。結果を表3に示す。
実施例46〜51
<複合粒子の製造>
薄片状粒子として、マイカ(TM−10、ヤマグチマイカ社製、アスペクト比100〜130、平均粒子径11μm)1.0kgを、粉砕混合機(日本コークス工業製 MP5)に投入し、これに、表4に示す配合量となるよう、赤外線吸収物質を添加し、イソプロピルアルコール(IPA)を10ml加え、1000回転で6分間混練した。得られた混練物を80℃で24〜72時間加熱した。加熱後、得られた粉体を粉砕混合機で4000rpm×3分間粉砕し、ふるい(目開き0.5mm、JIS Z 8801−1に基づく)に通して、複合粒子を得た。
得られた複合粒子について、吸光度(波長1100nm)、光沢度、カバー力、摩擦係数、嵩密度、接触角を測定した。結果を表4に示す。
比較例3〜8
薄片状粒子として、マイカ(TM−10、ヤマグチマイカ社製、アスペクト比100〜130、平均粒子径11μm)5.0gと、赤外線吸収物質として、表4に示す配合量となるよう各成分をミキサーに入れて撹拌し、混合した後、加熱を行わず混合粒子を得た。
得られた混合粒子について、吸光度(波長1100nm)、光沢度、カバー力、摩擦係数、嵩密度、接触角を測定した。結果を表4に示す。
Figure 0006619262
Figure 0006619262
Figure 0006619262
Figure 0006619262
表1〜4より、赤外線吸収物質が薄片状粒子に固着されてなる複合粒子は、薄片状粒子と固着成分のみからなる粒子と比べて波長1100nmの吸光度が高く、より高い赤外線遮断効果を有することがわかる。また、薄片状粒子に赤外線吸収物質が固着されてなる複合粒子は、光沢が優れ、摩擦係数も低く、肌に適用する場合、つけ心地等の使用感が良好となる。
また、表4より、赤外線吸収物質が薄片状粒子に固着されてなる複合粒子は、赤外線吸収物質が薄片状粒子に固着されていない粒子と比べて、波長1100nmの吸光度が高く、その粒子からなる被膜表面の水の接触角がより高くなることがわかる。また、摩擦係数が低くなることがわかる。
実施例52
実施例51の複合粒子20質量部、マイカ(TM−10、ヤマグチマイカ社製、アスペクト比100〜130、平均粒子径11μm)72質量部、ジメチコン8質量部を混合して粉体組成物Aを調製した。得られた粉体組成物の波長1100nmにおける吸光度は、0.28であった。
比較例9
比較例8の粒子20質量部、マイカ(TM−10、ヤマグチマイカ社製、アスペクト比100〜130、平均粒子径11μm)72質量部、ジメチコン8質量部を混合して粉体組成物Bを調製した。得られた粉体組成物の波長1100nmにおける吸光度は、0.23であった。
実施例53
<化粧料組成物の製造>
上述の実施例51の複合粒子を用いて、下記に示す処方で化粧料組成物(ファンデーション組成物)を製造した。
Figure 0006619262
本発明の複合粒子は、赤外線遮断剤として、化粧料組成物などに適用できる。

Claims (7)

  1. 片状粒子、赤外線吸収物質、及び、溶剤を混合する工程、及び、
    記混合工程で得られた混合物を60〜200℃で加熱し解砕する工程を含み、
    前記赤外線吸収物質が、大豆由来タンパク質、ケラチン、コラーゲン、グリセリルグルコシド、グリコシストレハロース、アルギン酸ナトリウム、加水分解水添デンプン、キトサン、ムコ多糖、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸ポリグリセリル、ラノリン、ミリストイル−β−アラニン(フィトステリル/オクチドデシル)、及びラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチドデシル)からなる群より選択される、赤外線遮断材である複合粒子の製造方法。
  2. 前記混合工程と前記加熱工程の間に、前記混合工程で得られた混合物を混練する工程を更に含む、請求項に記載の複合粒子の製造方法。
  3. 前記薄片状粒子のアスペクト比が、20〜150である請求項1又は2に記載の複合粒子の製造方法。
  4. 前記薄片状粒子の平均粒子径が、0.1〜50μmである請求項1〜3のいずれかに記載の複合粒子の製造方法。
  5. 前記薄片状粒子が、マイカ、タルク、セリサイト、硫酸バリウム、合成金雲母、酸化チタン、窒化ホウ素、酸化亜鉛、及び、ホウケイ酸塩からなる群より選択される少なくとも一種の無機粒子である請求項1〜4のいずれか一項に記載の複合粒子の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の複合粒子の製造方法を行う工程を含む、赤外線遮断用の化粧料組成物の製造方法。
  7. 前記化粧料組成物が日焼け止めである、請求項6に記載の製造方法。
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