JP6619255B2 - 1,3−ブタジエン合成用触媒、1,3−ブタジエンの製造装置及び1,3−ブタジエンの製造方法 - Google Patents
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(ii)マグネシウムシリケート構造を有する触媒にエタノールを接触させて1,3−ブタジエンを得る方法(特許文献1)。
しかし、方法(i)、(ii)でも、エタノールからエチレンを介して1−ブテンが副生するため、1−ブテンを除去するには精製過程が煩雑になり経済性が劣る問題がある。
前記成分(C)は、B、Ba、Ca、Ge、K、Li、Na及びWからなる群から選ばれる1種以上であることが好ましい。
前記成分(C)は、B、Ba、Ca及びGeからなる群から選ばれる1種以上であることがより好ましい。
本発明の1,3−ブタジエンの製造装置を用いれば、1−ブテンの副生を充分に抑制しつつエタノールから1,3−ブタジエンを製造することができる。
本発明の1,3−ブタジエンの製造方法によれば、1−ブテンの副生を充分に抑制しつつエタノールから1,3−ブタジエンを製造することができる。
「1,3−ブタジエンの選択率」とは、合成用触媒を用いた反応で消費されたエタノールのモル数のうち、1,3−ブタジエンへ変換されたエタノールのモル数が占める百分率を意味する。
「1−ブテンの選択率」とは、合成用触媒を用いた反応で消費されたエタノールのモル数のうち、1−ブテンへ変換されたエタノールのモル数が占める百分率を意味する。
本発明の1,3−ブタジエン合成用触媒(以下、単に「合成用触媒」という。)は、エタノールから1,3−ブタジエンを合成するための触媒である。本発明の合成用触媒は、成分(A):Cuと、成分(B):Znと、成分(C):B、Ba、Ca、Ge、K、Li、Mg、Na、Ta及びWからなる群から選ばれる1種以上と、を含む。本発明の合成用触媒が成分(A)〜(C)を含むことで、1−ブテンの副生を充分に抑制しつつエタノールから1,3−ブタジエンを合成することができる。
aCu・bZn・cM1 ・・・・(1)
ただし、(1)式中、M1は、B、Ba、Ca、Ge、K、Li、Mg、Na、Ta及びWからなる群から選ばれる1種以上を表し、a、b及びcは多孔質担体に対する質量百分率を表す。
(1)式中のbは、10〜0.01が好ましく、5〜0.05がより好ましく、1〜0.1がさらに好ましい。bが前記下限値未満であれば、副生物であるエチレンの生成量が増加する(1,3−ブタジエンの選択率が減少する)。bが前記上限値超であれば、副生物であるプロピレンの生成量が増加する(1,3−ブタジエンの選択率が減少する)。
(1)式中のcは、10〜0.01が好ましく、5〜0.1がより好ましい。cが前記下限値未満であれば、原料転化率(エタノールが反応物へ変化する割合)が減少する。cが前記上限値超であれば、C4以上の副生物質が増加する(1,3−ブタジエンの選択率が減少する)。
なお、多孔質担体の全細孔容積は、水滴定法により測定される値である。水滴定法とは、多孔質担体の表面に水分子を吸着させ、分子の凝縮から細孔分布を測定する方法である。
なお、前記比表面積は、窒素を吸着ガスとし、BET式ガス吸着法により測定されるBET比表面積である。
溶媒としては、水、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ヘキサン、ベンゼン、トルエン等が挙げられる。
本発明の1,3−ブタジエンの製造装置は、本発明の合成用触媒が充填された反応管と、エタノールを前記反応管内に供給する供給手段と、前記反応管から生成物を排出する排出手段と、を備える。以下、本発明の1,3−ブタジエンの製造装置の一例について、図1に基づいて説明する。
希釈材としては、例えば、合成触媒の担体と同様のものや、石英砂、アルミナボール、アルミボール、アルミショット等が挙げられる。
反応床2に希釈材を充填する場合、希釈材/合成用触媒で表される質量比は、それぞれの種類や比重等を勘案して決定され、例えば、0.5〜5が好ましい。
供給管3は、材料ガスを反応管1内に供給する供給手段であり、例えば、ステンレス製等の配管が挙げられる。
排出管4は、反応床2で合成された生成物を含むガスを排出する排出手段であり、例えば、ステンレス製等の配管が挙げられる。
圧力制御部6は、反応管1内の圧力を任意の圧力にできるものであればよく、例えば、公知の圧力弁等が挙げられる。
なお、製造装置10は、マスフロー等、ガスの流量を調整するガス流量制御部等の周知の機器を備えていてもよい。
本発明の1,3−ブタジエンの製造方法は、前記した本発明の合成用触媒を用いてエタノールから1,3−ブタジエンを製造する方法である。本発明の1,3−ブタジエンの製造方法では、本発明の合成用触媒にエタノールを接触させる。これにより、エタノールの二量化反応を経て1,3−ブタジエンが得られる。
成分(A)の原料化合物である硝酸銅三水和物(和光純薬社製)0.0761gと、成分(B)の原料化合物である硝酸亜鉛六水和物(和光純薬社製)0.0455gと、を含む水溶液2.10gを調製した(一次含浸溶液)。次いで、該水溶液を多孔質担体(シリカ、粒子径:1.18〜2.36mm、平均細孔直径:14.7nm、全細孔容積:0.99mL/g、比表面積:195m2/g)2.0gに滴下して含浸させた(一次含浸工程)。次いで、該多孔体担体を110℃で3時間乾燥し、さらに400℃で4.5時間焼成して一次担持体を得た(一次担持工程)。続いて、成分(C)の原料である塩化ハフニウム(和光純薬社製)0.107gを含む水溶液2.09gを調製した。該水溶液を用いて、一次担持体に一次含浸工程と同様の処理を行い、合成用触媒(1−1)を得た。
得られた合成用触媒(1−1)における成分(A)〜(C)の割合は、多孔質担体の質量に対して、成分(A)が1質量%、成分(B)が0.5質量%、成分(C)が3.0質量%であった。
成分(C)の原料化合物を変更し、多孔質担体の質量に対する成分(A)〜(C)の割合を表1に示すとおりにした以外は、比較例1と同様にして各合成用触媒を得た。各実施例の成分(C)の原料化合物としては、以下に示すものを使用した。
実施例1:酢酸バリウム(和光純薬社製)。
実施例2:硝酸カルシウム四水和物(和光純薬社製)。
実施例3:硝酸カリウム(和光純薬社製)。
実施例4:硝酸リチウム(和光純薬社製)。
実施例5:硝酸ナトリウム(和光純薬社製)。
各例の合成用触媒0.0500gを直径1/16インチ(0.159cm)、長さ11インチ(27.9cm)のステンレス製の円筒型の反応管に充填して反応床を形成した。
次いで、反応床の温度(反応温度)を400℃、425℃、又は450℃として、空間速度500L/L−触媒/hr、常圧でガス状のエタノールを反応管に供給し、反応床を通過させて生成ガスを得た。それぞれの反応温度での反応中に回収した生成ガスをガスクロマトグラフィーにより分析し、1−ブテンの選択率を求めた。
各例においては、時間経過とともに反応温度を400℃、425℃、450℃の順に変化させ、各反応温度において2回ずつ1−ブテンの選択率を測定した。
2 反応床
3 供給管
4 排出管
5 温度制御部
6 圧力制御部
10 1,3−ブタジエンの製造装置
Claims (3)
- エタノールから1,3−ブタジエンを合成するための1,3−ブタジエン合成用触媒であって、
成分(A):Cuと、成分(B):Znと、成分(C):Ba、Ca、K、Li及びNaからなる群から選ばれる1種以上と、を含む、1,3−ブタジエン合成用触媒。 - 請求項1に記載の1,3−ブタジエン合成用触媒が充填された反応管と、エタノールを前記反応管内に供給する供給手段と、前記反応管から生成物を排出する排出手段と、を備える、1,3−ブタジエンの製造装置。
- 請求項1に記載の1,3−ブタジエン合成用触媒にエタノールを接触させて1,3−ブタジエンを得る、1,3−ブタジエンの製造方法。
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