JP6618889B2 - シャツの製造方法及びシャツ - Google Patents
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Description
この折り伏せ縫いは、あらかじめ裁ち目に沿って地縫い線を生地に形成し、生地を中表に重ね合わせて縫い代を形成する。そして、縫い代を地縫い線に沿って本縫いミシンで本縫いする。その後、縫い代の裁ち目付近を折り返し、当該縫い代の裁ち目を一方の生地に合わせて当該裁ち目近傍を再度本縫いミシンで本縫いする。
こうすることによって、地縫い線に沿った部分の縫い目は、生地の境界部分に位置して隠され、裁ち目付近の縫い目のみが表面に現れる。
また、裁ち目を本縫いで縫う場合、表面に連続した直線状の縫い目が大きく模様として出てしまうため、縫い目が目立つという問題もあった。
(1)前身頃形成部の縫い代と後身頃形成部の縫い代が重なった重なり部であって、かつ脇線を構成する重なり部
(2)前身頃形成部の縫い代と袖形成部の縫い代が重なった重なり部であって、かつアームホールを構成する重なり部
(3)後身頃形成部の縫い代と袖形成部の縫い代が重なった重なり部であって、かつアームホールを構成する重なり部
(4)肩ヨーク形成部の縫い代と袖形成部の縫い代が重なった重なり部であって、かつアームホールを構成する重なり部
(5)袖形成部を筒状に折り曲げ、袖形成部の周方向の一方側の縫い代と他方側の縫い代が重なった重なり部であって、かつ袖下線を構成する重なり部
本発明は、少なくとも、前身頃形成部、後身頃形成部、肩ヨーク形成部、及び袖形成部を縫製して形成するシャツの製造方法であって、以下(1)〜(5)のいずれかの重なり部を形成する重なり部形成工程と、前記重なり部が、当該重なり部を構成する少なくとも一つの形成部と重なるように折り曲げた折り曲げ部を形成する折り曲げ部形成工程と、すくい縫いによって、前記折り曲げ部の折り曲げ方向の先端部と、前記一つの形成部とを縫ってすくい縫い部を形成するすくい縫い工程を含むシャツの製造方法に関連する。
(1)前身頃形成部の縫い代と後身頃形成部の縫い代が重なった重なり部
(2)前身頃形成部の縫い代と袖形成部の縫い代が重なった重なり部
(3)後身頃形成部の縫い代と袖形成部の縫い代が重なった重なり部
(4)肩ヨーク形成部の縫い代と袖形成部の縫い代が重なった重なり部
(5)袖形成部を筒状に折り曲げ、袖形成部の周方向の一方側の縫い代と他方側の縫い代が重なった重なり部
また本発明の方法によれば、製造されるシャツがすくい縫いによって、折り曲げ部の折り曲げ方向の先端部と、重なり部を構成する前身頃形成部、後身頃形成部、袖形成部のいずれかの形成部が縫い合わされているので、使用者がシャツを着用し、シャツにテンションがかかった場合でも、すくい縫い部がわずかに広がり、伸縮性に優れ、良好な着心地となる。
(1)前身頃形成部の縫い代と後身頃形成部の縫い代が重なった重なり部
(2)前身頃形成部の縫い代と袖形成部の縫い代が重なった重なり部
(3)後身頃形成部の縫い代と袖形成部の縫い代が重なった重なり部
(4)肩ヨーク形成部の縫い代と袖形成部の縫い代が重なった重なり部
(5)袖形成部を筒状に折り曲げ、袖形成部の周方向の一方側の縫い代と他方側の縫い代が重なった重なり部
すなわち、本発明は、前記重なり部を構成する少なくとも一つの縫い代は、すくい縫いの縫い方向の基端側に前記縫い方向とは逆方向に張り出した基端側張出領域を備えている。
(1)前身頃形成部の縫い代と後身頃形成部の縫い代が重なった重なり部
(2)前身頃形成部の縫い代と袖形成部の縫い代が重なった重なり部
(3)後身頃形成部の縫い代と袖形成部の縫い代が重なった重なり部
(4)肩ヨーク形成部の縫い代と袖形成部の縫い代が重なった重なり部
(5)袖形成部を筒状に折り曲げ、袖形成部の周方向の一方側の縫い代と他方側の縫い代が重なった重なり部
すなわち、本発明は、記重なり部を構成する少なくとも一つの縫い代は、すくい縫いの縫い方向の先端側に縫い方向に張り出した先端側張出領域を備えている。
(6)前身頃の縫い代と後身頃の縫い代の重なり部であって、かつ脇線を構成する重なり部
(7)前身頃、後身頃、及び肩ヨークの縫い代と、袖の縫い代の重なり部であって、かつアームホールを構成する重なり部
(8)袖の周方向における袖の一方側の縫い代と袖の他方側の縫い代の重なり部であって、かつ袖下線を構成する重なり部
本発明は、以下(6)〜(8)のいずれかの重なり部が、前記重なり部を構成する前身頃、後身頃、肩ヨーク、袖のいずれかの重なり部構成部材と重なるように折り曲げられた折り曲げ部を有し、前記折り曲げ部は、帯状に延びるものであって、少なくとも前記重なり部が本縫いされた本縫い部を備えており、前記本縫い部は、前記折り曲げ部の折り曲げ方向の基端部又はその近傍に設けられ、2本以上の糸によって前記折り曲げ部の延び方向に沿って設けられており、前記折り曲げ部の折り曲げ方向の先端部と、前記重なり部構成部材の境界部分に跨って設けられたすくい縫い部を備え、前記本縫い部と前記すくい縫い部との最大間隔が2mm以上6cm以下であるシャツに関連する。
(6)前身頃の縫い代と後身頃の縫い代の重なり部
(7)前身頃、後身頃、及び肩ヨークの縫い代と、袖の縫い代の重なり部
(8)袖の周方向における袖の一方側の縫い代と袖の他方側の縫い代の重なり部
本発明の構成によれば、すくい縫い部によって折り曲げ部が重なり部構成部材と縫い合わされているので、使用者が着用し、シャツにテンションがかかった場合でも、すくい縫い部がわずかに広がり、伸縮性に優れ、良好な着心地となる。
本発明の構成によれば、本縫い部によって重なり部が縫い合わせているので、使用者がシャツを着用し、シャツに過剰にテンションがかかった場合でも、重なり部の縫い目がほつれにくい。
(9)前記一方の前身頃の前記折り返し部と、前記一方の前身頃の前記本体部とに跨るすくい縫い部を備えている。
(10)前記他方の前身頃の前記折り返し部と、前記他方の前身頃の前記本体部とに跨るすくい縫い部を備えている。
本発明は、本体部と前立てを有した前身頃を備え、前記前立ては、前記本体部の縁に沿って帯状に延びるものであって、複数回裏側に折り返されて形成された折り返し部を有し、前記折り返し部と、前記本体部とに跨るすくい縫い部を備えているシャツに関連する。
本発明の構成によれば、すくい縫い部によって本体部と折り返し部が縫い合わされているので、使用者が着用し、シャツにテンションがかかった場合でも、すくい縫い部がわずかに広がり、伸縮性に優れ、良好な着心地となる。
本発明のシャツによれば、従来に比べて、伸縮性があり、着心地が良好となる。
前身頃10,11は、ともにシャツ1の前面側を構成する部分である。
一方の前身頃10は、前立て20と、ボタン21を有しており、他方の前身頃11は、前立て22と、ボタンホール23と、必要に応じてポケット25とを有している。
本実施形態の前身頃10,11の前立て20,22は、図4,図5から読み取れるように、裏前立てであり、前身頃形成部35,36の裁ち目側の部位を裏側に2回折り返し、すくい縫いによって2回目の折り返し部分の縁と各前身頃10,11が接続されている。
後身頃12は、シャツ1の後面側を構成し、肩ヨーク3下から裾までの部分である。
袖5,6は、使用者の腕を覆う部位であり、筒状に延びた部位である。
衿7は、肩ヨーク3及び前身頃10,11に取り付けられ、使用者の首の周囲を囲む部位である。
袖口布8,9は、袖5,6の袖口に縫い付けられ、袖5,6の袖口を補強する部位である。
身頃形成部30、肩ヨーク形成部31a,31b、袖形成部32,33、及び袖口布8,9は、いずれも布状の生地を裁断したものである。
前身頃形成部35,36は、前身頃10,11を形成するものであり、図5に示されるように、本体部40と、第1縫い代部41と、第2縫い代部42と、第3縫い代部43と、第4縫い代部45を備えている。
第1縫い代部41は、図5に示されるように、縫い代本体50と、張出部51,52を備えている。
縫い代本体50は、裁ち目(外側縁)に沿って延びる帯状部位である。
張出部51,52は、縫い代本体50の延び方向の延長上に設けられ、縫い代本体50の両端部から延び方向に張り出した部位である。
第4縫い代部45は、縫い代本体55と、張出部56,57を備えている。
縫い代本体55は、裁ち目(内側縁)に沿って延びる帯状部位である。
張出部56,57は、縫い代本体55の延び方向(長手方向)の延長上に設けられ、縫い代本体55の両端部から延び方向に張り出した部位である。
第1縫い代部61a,61bは、縫い代本体70と、張出部71,72を備えている。
縫い代本体70は、裁ち目に沿って延びる帯状部位である。
張出部71,72は、縫い代本体70の延び方向(長手方向)の延長上に設けられ、縫い代本体70の両端部から延び方向に張り出した部位である。
肩ヨーク形成部31a,31bは、図6に示されるように、本体部80と、第1縫い代部81a,81bと、第2縫い代部82a,82bと、第3縫い代部83を備えている。
第1縫い代部81a,81bは、前身頃形成部35,36と縫い合わせる部位である。
第2縫い代部82a,82bは、裁ち目に沿って曲線状に延びた部位であり、図9に示されるようにシャツ1を縫製する際に、アームホール145a,145bの一部を構成し、袖形成部32,33と縫い合わされる部位である。
第3縫い代部83は、後身頃形成部37と縫い合わせる部位である。
第1縫い代部91は、図7に示されるように、縫い代本体100と、張出部101,102を備えている。
縫い代本体100は、縁に沿って延びる帯状部位である。
張出部101,102は、縫い代本体100の延び方向(長手方向)の延長上に設けられ、縫い代本体100の両端部から延び方向に張り出した部位である。
第3縫い代部93は、縫い代本体110と、張出部111,112を備えている。
縫い代本体110は、裁ち目に沿って延びる帯状部位である。
張出部111,112は、縫い代本体110の延び方向(長手方向)の延長上に設けられ、縫い代本体100の両端部から延び方向に張り出した部位である。
なお、前立て側すくい縫い部125は、後述するすくい縫い部156と同様の縫い目となっている。
具体的には、図8(a)に示されるように、2枚の肩ヨーク形成部31a,31bの第3縫い代部83,83で後身頃形成部37の第3縫い代部63を挟み、肩ヨーク形成部31a,31b及び後身頃形成部37の3枚の生地に対して本縫いミシンによって本縫いし、肩ヨーク形成部31a,31bを開く。そして、図8(b)に示されるように、肩ヨーク形成部31a,31bの第1縫い代部81a,81b,81a,81bと前身頃形成部35,36の第3縫い代部43,43を本縫いミシンによって本縫いして縫い合わせる。
すなわち、前身頃形成部35,36と後身頃形成部37は、重なり部151,152を構成する重なり部構成部材である。
またこのとき、折り曲げ部153,154では、図12に示されるように、縫い領域160a,160bと、一方側張出領域161a,161bと、他方側張出領域162a,162bが形成されている。
縫い領域160a,160bは、前身頃形成部35,36の縫い代本体50,50と後身頃形成部37の縫い代本体70,70が重なった領域である。
一方側張出領域161a,161bは、縫い領域160a,160bの一方側端部から張り出した張出領域であり、前身頃形成部35,36の張出部51,51と後身頃形成部37の張出部71,71が重なった領域である。
他方側張出領域162a,162bは、縫い領域160a,160bの他方側端部から張り出した張出領域であり、前身頃形成部35,36の張出部52,52と後身頃形成部37の張出部72,72が重なった領域である。
一方、縫い方向先端側に位置する張出領域161b,162aは、折り曲げ部153,154を右側に見て、張出領域161a,162bとは逆方向に張り出した先端側張出領域であり、すくい縫いミシンの生地を保持し、縫い方向における縫い領域160a,160bの先端部まですくい縫い部156,156を設けるための縫い代用張出領域として機能する。
基端側張出領域161a,162bの縫い領域160a,160bからの張出長さは、1cm以上6cm以下であることが好ましい。
この範囲であれば、作業の邪魔になりにくく、すくい縫いミシンで基端部から縫いやすい。
先端側張出領域161b,162aの縫い領域160a,160bからの張出長さは、1cm以上6cm以下であることが好ましい。
この範囲であれば、作業の邪魔になりにくく、すくい縫いミシンで先端部まで縫いやすい。
またこのとき、基端側張出領域161a,162b及び先端側張出領域161b,162aが設けられている。すなわち、すくい縫いミシンの押さえは、図13(a)に示されるように、基端側張出領域161a,162bを押さえた状態から開始し、図13(b)に示されるように、先端側張出領域161b,162aを押さえた状態で終了する。
そのため、すくい縫い部156,156は縫い領域160a,160b全体に亘って形成される。すなわち、すくい縫い部156の延び方向の一方の端部は、折り曲げ部153,154の延び方向の一方の端部(縫い領域160a,160bの端部)から1cm以内の範囲に形成され、他方の端部は、折り曲げ部153,154の延び方向の他方の端部から1cm以内の範囲に形成されている。本縫い部155とすくい縫い部156の最大間隔は、2mm以上6cm以下であることが好ましく、1cm以上6cm以下であることがより好ましい。
そして、図14(b)のように、すくい縫い部156,156の端部が縫い領域160の端部近傍まで解かれると、糸の端部をすくい縫い部156,156の裏側傾斜部177を構成する環状部165に通してすくい縫い部156,156が解けないように結ぶ。
張出領域161a,161b,162a,162bは、全体の80%以上を切り取ることが好ましく、全体の95%以上を切り取ることがより好ましい。
そして、この袖形成工程においても、上記と同様、本発明の特徴の一つである折り伏せ縫い工程を実施する。なお、上記の脇線形成工程と同様のものについては、同様の付番を付けて説明を省略する。
具体的には、形成部35,37,31a,31bの第2縫い代部42,62a,82a,82aと袖形成部32,33の第2縫い代部92を縫い合わせ、形成部36,37,31a,31bの第2縫い代部42,62b,82b,82bと袖形成部32,33の第2縫い代部92を縫い合わせる。
そして、この袖接続工程においても、上記と同様、本発明の特徴の一つである折り伏せ縫い工程を実施する。
同様に、袖形成部33の第2縫い代部92の一部が形成部36,37,31a,31bの第2縫い代部42,62b,82b,82bから張り出した第2張出部150が形成されるように、袖形成部33の第2縫い代部92と、形成部36,37,31a,31bの第2縫い代部42,62b,82b,82bを重ねて重なり部152を形成する(重なり部形成工程)。
すなわち、形成部32,33,35,36,37,31a,31bは、いずれも重なり部151,152を構成する重なり部構成部材である。
具体的には、脇線15と袖下線16が周方向に0mm以上35mm以下の範囲でずれるように重ねる。脇線15と袖下線16が周方向に10mm以上35mm以下の範囲でずれるように重ねることが好ましい。
なお、「脇線15と袖下線16が周方向に0mmずれる」とは、脇線15と袖下線16の直線状に並んでおり、端部同士が一致していることをいう。
その後、図18(a)に示されるように、すくい縫い部156,156の基端部の位置がすくい縫い部156,156の先端部の位置と揃うまで糸を解く。そして、すくい縫い部156,156の基端部の位置がすくい縫い部156,156の先端部の位置が揃うまで解かれると、糸の端部をすくい縫い部156,156の環状部165に通し、すくい縫い部156,156が解けないように、すくい縫い部156,156の基端部分166と先端部分167を複数回固結びで結ぶ。
その後、図18(b)に示されるように、縫い針によって、すくい縫い部156,156の基端部と先端部を折り曲げ部154の内側から通す。
裏側直線部171は、折り曲げ部153,154の各形成部(例えば、前身頃形成部35と後身頃形成部36)間の境界部分に沿って直線状に並んでおり、いずれの裏側直線部171の長さも等しい。
裏側直線部171の長さは、表側直線部170の長さと実質的に等しく、0.5mm以上3mm以下であることが好ましい。すなわち、本縫い部155の針目のピッチは、0.5mm以上3mm以下であることが好ましい。
これらの範囲であれば、使用者がシャツ1を着て動作を行い力が加わっても折り曲げ部153,154が外れにくい。
すくい縫い部156は、図19(a)に示されるように、表側から平面視したときに、複数の表側縫い部175から構成されている。
表側縫い部175は、点状であって、折り曲げ部153(154)の縁と実質的に平行に配されている。
表側縫い部175の並設方向の長さは、0mm超過1mm以下であることが好ましい。
表側縫い部175の並設方向の間隔は、表側縫い部175の並設方向の長さよりも大きく、4mm以上15mm以下であることが好ましい。
この範囲であれば、表側から縫い目が目立ちにくく、折り曲げ部153,154が外れにくい。
裏側直線部176は、折り曲げ部153,154の縁(輪奈部)に沿って直線状に並んでおり、いずれの裏側直線部176の長さも等しい。
裏側直線部176の長さは、4mm以上15mm以下であることが好ましい。
裏側傾斜部177は、裏側直線部176,176間の境界付近から裏側直線部176の並設方向に対して交差する方向に延びており、折り曲げ部153,154の縁(輪奈部)を跨って形成されている。すなわち、裏側傾斜部177は、裏側直線部176の延び方向成分と、裏側直線部171の延び方向に対して直交する成分を持っている。
裏側傾斜部177の先端部分は、裏側直線部171よりも基端側に位置しており、それぞれ実質的に平行になるように並んでいる。
また、第1実施形態のシャツ1によれば、形成部間をすくい縫いの他に本縫いによっても縫い合わせているため、使用者がシャツ1を着用し、シャツ1のアームホール145a,145b付近に過剰にテンションがかかった場合でも、縫い目がほつれにくい。
すなわち、図20に示されるヨーク接続工程によって、前身頃形成部35,36と、肩ヨーク形成部31a,31bと、後身頃形成部37を接続する。
その後、図21に示される袖接続工程によって、前身頃形成部35と、後身頃形成部37と、肩ヨーク形成部31a,31bとの第2縫い代部42,62a,82a,82aに対して袖形成部32の第2縫い代部92を縫い合わせ、アームホール145に袖形成部32を接続する。同様に、前身頃形成部36と、後身頃形成部37と、肩ヨーク形成部31a,31bとの第2縫い代部42,62b,82b,82bに対して袖形成部33の第2縫い代部92を縫い合わせ、アームホール145に袖形成部33を接続する。
この袖接続工程において、第1実施形態と同様、折り伏せ縫い工程を実施する。すなわち、重なり部形成工程、折り曲げ部形成工程、本縫い工程、及びすくい縫い工程を行う。
この脇線・袖下線接続工程においても、折り伏せ縫い工程を実施する。すなわち、重なり部形成工程、折り曲げ部形成工程、折り曲げ部形成工程、及びすくい縫い工程を行う。
折り曲げ部形成工程において、重なり部151,152の縁を他方の形成部側に来るように折り曲げてもよい。例えば、脇線形成工程では、図23に示されるように重なり部151,152の先端縁が後身頃形成部37側に位置するように配してもよい。
例えば、脇線形成工程では、図24に示されるように第1縫い代部41の端部と第1縫い代部61aの端部を揃えて、これを端部とする重なり部を形成してもよい。この場合、この端部にすくい縫いを行うことになる。
片方の張出部につき、1回折り曲げられ、張出部同士を重ね合わせて張出領域を形成してもよい。
同様に、上記した第1実施形態では、第1縫い代部61a,61bの延び方向に張出部71,71が形成された後身頃形成部37について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。図25(b)に示されるように、張出部71,71は、第1縫い代部61a,61bの延び方向に対して交差する方向に張り出していてもよい。
さらに、上記した第1実施形態では、第1縫い代部91の延び方向に張出部101が形成された袖形成部32,33について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。図25(c)に示されるように、張出部101は、第1縫い代部91の延び方向に対して交差する方向に張り出していてもよい。
3 肩ヨーク
5,6 袖
10,11 前身頃
12 後身頃
30 身頃形成部
31 肩ヨーク形成部
32,33 袖形成部
35,36 前身頃形成部
37 後身頃形成部
145a,145b アームホール
151,152 重なり部
153,154 折り曲げ部
155 本縫い部
156 すくい縫い部
160 縫い領域
161,162 張出領域
Claims (9)
- 少なくとも、前身頃形成部、後身頃形成部、肩ヨーク形成部、及び袖形成部を縫製して形成するシャツの製造方法であって、
以下(1)〜(5)のいずれかの重なり部を形成する重なり部形成工程と、
前記重なり部が、当該重なり部を構成する少なくとも一つの形成部と重なるように折り曲げた折り曲げ部を形成する折り曲げ部形成工程と、
すくい縫いによって、前記折り曲げ部の折り曲げ方向の先端部と、前記一つの形成部とを縫ってすくい縫い部を形成するすくい縫い工程を含むことを特徴とするシャツの製造方法。
(1)前身頃形成部の縫い代と後身頃形成部の縫い代が重なった重なり部であって、かつ脇線を構成する重なり部
(2)前身頃形成部の縫い代と袖形成部の縫い代が重なった重なり部であって、かつアームホールを構成する重なり部
(3)後身頃形成部の縫い代と袖形成部の縫い代が重なった重なり部であって、かつアームホールを構成する重なり部
(4)肩ヨーク形成部の縫い代と袖形成部の縫い代が重なった重なり部であって、かつアームホールを構成する重なり部
(5)袖形成部を筒状に折り曲げ、袖形成部の周方向の一方側の縫い代と他方側の縫い代が重なった重なり部であって、かつ袖下線を構成する重なり部 - 本縫いによって、前記重なり部を構成する縫い代間を縫い合わせて本縫い部を形成する本縫い工程を含み、
前記すくい縫い工程は、前記本縫い工程後に実施することを特徴とする請求項1に記載のシャツの製造方法。 - 少なくとも、前身頃形成部、後身頃形成部、肩ヨーク形成部、及び袖形成部を縫製して形成するシャツの製造方法であって、
以下(1)〜(5)のいずれかの重なり部を形成する重なり部形成工程と、
前記重なり部が、当該重なり部を構成する少なくとも一つの形成部と重なるように折り曲げた折り曲げ部を形成する折り曲げ部形成工程と、
すくい縫いによって、前記折り曲げ部の折り曲げ方向の先端部と、前記一つの形成部とを縫ってすくい縫い部を形成するすくい縫い工程を含み、
前記重なり部を構成する少なくとも一つの縫い代は、すくい縫いの縫い方向の基端側に前記縫い方向とは逆方向に張り出した基端側張出領域を備えていることを特徴とするシャツの製造方法。
(1)前身頃形成部の縫い代と後身頃形成部の縫い代が重なった重なり部
(2)前身頃形成部の縫い代と袖形成部の縫い代が重なった重なり部
(3)後身頃形成部の縫い代と袖形成部の縫い代が重なった重なり部
(4)肩ヨーク形成部の縫い代と袖形成部の縫い代が重なった重なり部
(5)袖形成部を筒状に折り曲げ、袖形成部の周方向の一方側の縫い代と他方側の縫い代が重なった重なり部 - 前記基端側張出領域の大部分又は全部を除去する張出領域除去工程を含むことを特徴とする請求項3に記載のシャツの製造方法。
- 少なくとも、前身頃形成部、後身頃形成部、肩ヨーク形成部、及び袖形成部を縫製して形成するシャツの製造方法であって、
以下(1)〜(5)のいずれかの重なり部を形成する重なり部形成工程と、
前記重なり部が、当該重なり部を構成する少なくとも一つの形成部と重なるように折り曲げた折り曲げ部を形成する折り曲げ部形成工程と、
すくい縫いによって、前記折り曲げ部の折り曲げ方向の先端部と、前記一つの形成部とを縫ってすくい縫い部を形成するすくい縫い工程を含み、
前記重なり部を構成する少なくとも一つの縫い代は、すくい縫いの縫い方向の先端側に縫い方向に張り出した先端側張出領域を備えていることを特徴とするシャツの製造方法。
(1)前身頃形成部の縫い代と後身頃形成部の縫い代が重なった重なり部
(2)前身頃形成部の縫い代と袖形成部の縫い代が重なった重なり部
(3)後身頃形成部の縫い代と袖形成部の縫い代が重なった重なり部
(4)肩ヨーク形成部の縫い代と袖形成部の縫い代が重なった重なり部
(5)袖形成部を筒状に折り曲げ、袖形成部の周方向の一方側の縫い代と他方側の縫い代が重なった重なり部 - 以下(6)〜(8)のいずれかの重なり部が、前記重なり部を構成する前身頃、後身頃、肩ヨーク、袖のいずれかの重なり部構成部材と重なるように折り曲げられた折り曲げ部を有し、
前記折り曲げ部は、帯状に延びるものであって、少なくとも前記重なり部が本縫いされた本縫い部を備えており、
前記本縫い部は、前記折り曲げ部の折り曲げ方向の基端部又はその近傍に設けられ、2本以上の糸によって前記折り曲げ部の延び方向に沿って設けられており、
前記折り曲げ部の折り曲げ方向の先端部と、前記重なり部構成部材の境界部分に跨って設けられたすくい縫い部を備え、
前記本縫い部と前記すくい縫い部との最大間隔が2mm以上6cm以下であることを特徴とするシャツ。
(6)前身頃の縫い代と後身頃の縫い代の重なり部であって、かつ脇線を構成する重なり部
(7)前身頃、後身頃、及び肩ヨークの縫い代と、袖の縫い代の重なり部であって、かつアームホールを構成する重なり部
(8)袖の周方向における袖の一方側の縫い代と袖の他方側の縫い代の重なり部であって、かつ袖下線を構成する重なり部 - 前記すくい縫い部は、1本の糸によって構成されていることを特徴とする請求項6に記載のシャツ。
- 前記すくい縫い部は、全体として前記折り曲げ部の延び方向に沿って延びるものであり、
前記すくい縫い部の延び方向の一方の端部は、前記折り曲げ部の延び方向の一方の端部から1cm以内の範囲に位置しており、
前記すくい縫い部の延び方向の他方の端部は、前記折り曲げ部の延び方向の他方の端部から1cm以内の範囲に位置していることを特徴とする請求項6又は7に記載のシャツ。 - 本体部と前立てを有した一対の前身頃を備え、
前記一対の前身頃のうち一方の前身頃は、前立てにボタンが設けられ、他方の前身頃は、前立てにボタンホールが設けられており、
前記前立ては、前記本体部の縁に沿って帯状に延びるものであって、複数回裏側に折り返されて形成された折り返し部を有し、
以下の(9)又は(10)を満たすことを特徴とするシャツ。
(9)前記一方の前身頃の前記折り返し部と、前記一方の前身頃の前記本体部とに跨るすくい縫い部を備えている。
(10)前記他方の前身頃の前記折り返し部と、前記他方の前身頃の前記本体部とに跨るすくい縫い部を備えている。
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