JP2004076168A - 肩継ぎ部の縫製方法及びこの縫製方法を用いた衣類 - Google Patents
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Abstract
【課題】アンダーシャツ等の衣類において、肩継ぎ部の肩継ぎテープと首回りテープの厚みが増大しないように肩継ぎテープを途中から挿入して縫製する方法とこれを使用した衣類を提供することにある。
【解決手段】首回り部1が形成され第1肩継ぎ部と第2肩継ぎ部が開放され、前身頃Fと後身頃Bとを一体に編成した衣類本体Dを裏返しにする工程と、前身頃Fと後身頃Bと積層し、前身頃Fの上に第1肩テープT1を重ねながら第1肩継ぎ部を縫製する工程と、前身頃Fと後身頃Bと一平面上に展開して首回り部1にテープT2を重ねながら1周するように縫製する工程と、首回りテープ端部をバックタック縫いBTする工程と、前身頃Fと後身頃Bとの積層端部に第2肩テープT3を斜めに挿入する工程と、首回りテープT2に第2肩テープT3の一部を重ねながら第2肩部3を首回り部から肩端部に向かって縫製する工程とからなる肩継ぎ部の縫製方法及びこの縫製方法を用いた衣類を構成する。
【選択図】 図9
【解決手段】首回り部1が形成され第1肩継ぎ部と第2肩継ぎ部が開放され、前身頃Fと後身頃Bとを一体に編成した衣類本体Dを裏返しにする工程と、前身頃Fと後身頃Bと積層し、前身頃Fの上に第1肩テープT1を重ねながら第1肩継ぎ部を縫製する工程と、前身頃Fと後身頃Bと一平面上に展開して首回り部1にテープT2を重ねながら1周するように縫製する工程と、首回りテープ端部をバックタック縫いBTする工程と、前身頃Fと後身頃Bとの積層端部に第2肩テープT3を斜めに挿入する工程と、首回りテープT2に第2肩テープT3の一部を重ねながら第2肩部3を首回り部から肩端部に向かって縫製する工程とからなる肩継ぎ部の縫製方法及びこの縫製方法を用いた衣類を構成する。
【選択図】 図9
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、衣類の肩継ぎ部の縫製方法及びこの縫製方法によって製造された衣類に関する。
【0002】
【従来の技術】
肌着等の衣類を縫製する際に、図1、図10に示すように、一般に、丸編機で編成された筒編地において、首回り部1が裁断されて形成され、第1肩継ぎ部2と第2肩継ぎ部3と袖部4,4が裁断されて開放され、前身頃Fと後身頃Bとを一体に編成した衣類本体Dを裏返しにする。
【0003】
次いで、図10、図11に示すように、前身頃Fと後身頃Bとの中心線Cで折り返して両身頃F,Bを積層し、前身頃Fの上に第1肩テープT1を重ねながら第1肩部5を肩端部Sから首回りNに向かって又は首回りNから肩端部Sに向かって縫製する。
【0004】
その後、前身頃Fと後身頃Bとを一平面上に展開し、首回りNにテープT2を挟み込むようにして重ねながら1周するように首回りを縫製し、首回りテープT2の前身頃Fと後身頃Bの積層端部からはみでた部分を適当な長さを残して切断する。
【0005】
次いで、図11、図12に示すように、前身頃Fと後身頃Bとを積層し、前身頃Fと後身頃Bとの積層端部で前身頃Fの上に第2肩テープT3を重ねながら第2肩部3を首回りNから肩端部に向かって縫製した後、第2肩テープT3の端部を首回りのテープT2上から折り返し、図13、図14に示すように、この折り返し部分に四隅が折り曲げられた4角形の当て布Pを重ねてその上から縫製している。
【0006】
しかしながら、第2肩テープT3の端部を首回りにテープT2上から折り返して縫製するので、首回りテープの重合縫着部は、重ね枚数が多く、分厚くなり、肌に対してごろつきやすく不快感を生じさせる。そこでこの折り返し部分に綿テープを適宜の大きさに裁断して両端又は四隅を折り、当て布Pを形成し縫合部に重ねて周囲を四角形に本縫いミシンで縫製する。
特に、当て布Pを当てた縫合部は、後述するように、首テープの最大重ね枚数が5枚、身生地が1枚で、合計6枚になり、これが折り重なると、合計12枚になる。更に、肩テープが2枚、肩テープの折り返しが2枚と当て布が1枚重なると5枚になり、総合計17枚の重ね合わせ枚数になる。
【0007】
テープの重ね縫い作業に加えて当て布を重ねて縫合することによる作業は、製造工程が煩雑で作業能率が悪く、製造コストがかさむ欠点があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記のような課題を解決するためになされたものであって、アンダーシャツ等の衣類において、肩継ぎ部の肩継ぎテープと首回りのテープの厚みが増大しないように肩継ぎテープを途中から挿入して縫製する方法とこれを使用した衣類を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の課題解決の手段は、首回り部が形成され第1肩継ぎ部と第2肩継ぎ部が開放され、前身頃と後身頃とを一体に編成した衣類本体を裏返しにする工程と、前記前身頃と後身頃と積層し、前記前身頃の上に第1肩テープを重ねながら第1肩継ぎ部を縫製する工程と、前記前身頃と後身頃と一平面上に展開して前記首回りにテープを重ねながら1周するように縫製する工程と、前記首回りテープ端部をバックタック縫いする工程と、前記前身頃と後身頃との積層端部に第2肩テープを斜めに挿入する工程と、前記首回りテープに前記第2肩テープの一部を重ねながら第2肩部を首回り部から肩端部に向かって縫製する工程とからなる肩継ぎ部の縫製方法にある。
【0010】
本発明の第2の課題解決の手段は、前記前身頃と後身頃との積層端部に第2肩テープを斜めに挿入する工程と、前記首回りテープに前記第2肩テープの一部を重ねながら第2肩部を首回り部から肩端部に向かって縫製する際に、前記首回り端部と第2肩テープ端部を切断しながらオーバーロック縫いしてなることにある。
【0011】
本発明の第3の課題解決の手段は、前身頃の上に第1肩テープを重ねながら肩継ぎ部が縫製された第1肩部と、首回りにテープを重ねながら1周するように縫製されバックタック縫いされた首回り部と、前記前身頃と後身頃との積層端部に第2肩テープを斜めに挿入され、前記首回りテープに前記第2肩テープの一部を重ねながら縫製された第2肩部とからなる衣類にある。
【0012】
本発明は、上記のように構成したので、肩継ぎ部の肩継ぎテープと首回りのテープの重なりが少ないので、薄く仕上げて縫製され、ごろつきが減少し、作業工程が減少することにより従来の問題点が解消されることになったのである。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の肩継ぎ部の縫製方法及びこの縫製方法を用いた衣類を図示しながら説明する。
図1に示すように、丸編機で編成された、又は前身頃と後身頃とを脇縫いにて一体とした筒編地を首回り部1を円形に裁断する。また、首回り部1に連続して第1肩部2と第2肩部3と袖付部4,4を肩及び袖の形状に応じて裁断し、首回り部1、第1肩部2、第2肩部3、袖付部4,4で前身頃Fと後身頃Bとが分断されて開放された形状に形成される。
【0014】
次いで、前身頃Fと後身頃Bとを編成した衣類本体Dを裏返しに、図3に示すように、前身頃Fと後身頃Bと積層し、前身頃Fの上に第1肩テープT1を二つ折にして重ねながら縫製する。この際、図3に示すように、二つ折にした第1肩テープT1の端部を切断するメスが付設されたオーバーロックミシンで縫い目から所定の幅に第1肩テープT1の端部を切断しながら端部をかがり縫製して包み縫いする。縫製された部分の断面は図4に示すように、前身頃Fと後身頃Bとが積層され、前身頃Fの上に第1肩テープT1を二つ折にして重ね合わされたところへ縫い目ループLが前身頃Fと後身頃Bと第1肩テープT1との端部を包被するように形成される。
【0015】
ここで、肩テープは肩継ぎ部の補強のために添える伸縮性編地からなるテープ生地からなり、通常二つ折して使用され、1本針オーバーロックミシンで縫製される。このミシンは、生地端を切断するメスが付いており、縫い目から所定の幅に生地端を切断しながら生地端を包縫いをするものである。
【0016】
その後、図1に示すように、積層した前身頃Fと後身頃Bとを一平面上に展開し、図1に示すように、首回り部1の生地を挟んでテープT2を重ねながら首回りNを1周するようにかがり縫いする。
首テープT2は首回り部1に添える伸縮性編地からなるテープ生地からなり、首回りのだれ防止とともに外観上のデザインを構成する。通常、首回りの生地とテープT2との間に芯地Sを介在させて使用され、図5に示すように、表側を折り重ね、または裏面とも折り重ねて、首回り身生地を挟みこんで縫着される。縫着には片面2本針ミシンが使用される。これは2本の針で縫い目を構成し、針糸による2列の縫い目ができ、裏側は縫い目間で下糸による編目ループが構成され、裏面の生地間を押え込む作用をする。重ね枚数及び折り方は、デザインや設計によって異なる。
【0017】
次いで、首回りテープT2の第2肩部3の端部Eをバックタック縫いBTをする。即ち、図6に矢印で示すように、縫い始めの縫い糸端がはみ出ないように、また縫いほつれが生じないように、縫い始めを端部Eのやや内側から首回りテープT2の折り返し端部に向かって縫い、ピッチを細かくして縫い始め、折り返し端部でUターンして縫い、首回りテープT2の第2肩部3の端部Eからはみでたテープをミシンメスによって切断しながらピッチを元に戻してかがり縫いした縫い終わりに向かって縫う。
【0018】
ここで、図7に示すように、上記のバックタック縫いで折り返し端部でUターンして縫い終わる直前に、前身頃Fと後身頃Bとを中心線Cから二つ折した積層端部に、二つ折りしたテープT3を縫合部に供給するガイド装置が付設されたオーバーロックミシンにより、前身頃Fの上に斜めに挿入し、図8に示すように、首回りテープT2に第2肩テープT3の一部を重ねながら積層端部に首回り部から肩端部に向かってかがり縫いする。そして、第2肩テープT3の首回りテープT2に一部重なった部分からはみ出た部分を切断する。この際、第2肩テープT3と首回りテープT2の重なりの範囲は、図8に示すように首回りテープT2の上端から2mm以上のところから首回りテープT2の下端までの範囲である。
【0019】
この結果、図9に示すように、首回りのバックタック部BTには第2肩テープT3が一部重ね合わされているが、分厚くならず、同一厚みを有する第2肩テープT3が第2肩継ぎ部に連続して縫合される。なお、ミシン縫いは、第2肩継ぎ部をこえて空環が生じるが、この部分は切断される。
【0020】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1,2によれば、首テープ部をバックタックにより返し縫いしながら、肩テープを自動供給して肩テープを縫製し、首テープと肩テープの残余をミシンカッターで切断するので、作業が1工程で完了し、作業能率が向上する。
【0021】
請求項3によれば、首テープ部と肩テープとの重なりが少ないので、首回り及び肩部が薄く仕上がり、ごろつき感を減少させる衣類を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての裁断された肌着を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態としての第1肩部と首回り部にテープを縫着した状態を示す斜視図である。
【図3】第1肩部にテープを重ねてテープ端を切断しながら縫製する状態を示す斜視図である。
【図4】図9のY−Y断面図である。
【図5】図9のX−X断面図である。
【図6】首回りテープにバックタック縫いした状態を示す斜視図である。
【図7】バックタック縫いで折り返し端部でUターンして縫い終わる直前に、二つ折りしたテープを前身頃Fの上に斜めに挿入した状態を示す斜視図である。
【図8】首回りテープに第2肩テープの一部を重ねながら肩から首回りに向かってかがり縫いした状態を示す斜視図である。
【図9】首回りテープに第2肩テープの一部を重ねながら首回りから肩端部に向かってかがり縫いした状態を示す模式図である。
【図10】従来の第1肩部と首回り部にテープを縫着した状態を示す斜視図である。
【図11】従来の首回りテープに第2肩継ぎ部を縫製した状態を示す斜視図である。
【図12】従来の首回りテープに第2肩継ぎ部を折り返し縫製した状態を示す斜視図である。
【図13】従来の第2肩継ぎ部を折り返し当て布を縫製する状態を示す斜視図である。
【図14】従来の当て布を縫製した状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 首回り部
2 第1肩部
3 第2肩部
4 袖付部
F 前身頃
B 後身頃
D 衣類本体
T1 第1肩テープ
S 肩端部
L 縫い目ループ
T2 首回りテープ
N 首回り
S 首テープの芯地
E 第2肩部3の端部
BT バックタック縫い
C 中心線
T3 第2肩テープ
【発明の属する技術分野】
本発明は、衣類の肩継ぎ部の縫製方法及びこの縫製方法によって製造された衣類に関する。
【0002】
【従来の技術】
肌着等の衣類を縫製する際に、図1、図10に示すように、一般に、丸編機で編成された筒編地において、首回り部1が裁断されて形成され、第1肩継ぎ部2と第2肩継ぎ部3と袖部4,4が裁断されて開放され、前身頃Fと後身頃Bとを一体に編成した衣類本体Dを裏返しにする。
【0003】
次いで、図10、図11に示すように、前身頃Fと後身頃Bとの中心線Cで折り返して両身頃F,Bを積層し、前身頃Fの上に第1肩テープT1を重ねながら第1肩部5を肩端部Sから首回りNに向かって又は首回りNから肩端部Sに向かって縫製する。
【0004】
その後、前身頃Fと後身頃Bとを一平面上に展開し、首回りNにテープT2を挟み込むようにして重ねながら1周するように首回りを縫製し、首回りテープT2の前身頃Fと後身頃Bの積層端部からはみでた部分を適当な長さを残して切断する。
【0005】
次いで、図11、図12に示すように、前身頃Fと後身頃Bとを積層し、前身頃Fと後身頃Bとの積層端部で前身頃Fの上に第2肩テープT3を重ねながら第2肩部3を首回りNから肩端部に向かって縫製した後、第2肩テープT3の端部を首回りのテープT2上から折り返し、図13、図14に示すように、この折り返し部分に四隅が折り曲げられた4角形の当て布Pを重ねてその上から縫製している。
【0006】
しかしながら、第2肩テープT3の端部を首回りにテープT2上から折り返して縫製するので、首回りテープの重合縫着部は、重ね枚数が多く、分厚くなり、肌に対してごろつきやすく不快感を生じさせる。そこでこの折り返し部分に綿テープを適宜の大きさに裁断して両端又は四隅を折り、当て布Pを形成し縫合部に重ねて周囲を四角形に本縫いミシンで縫製する。
特に、当て布Pを当てた縫合部は、後述するように、首テープの最大重ね枚数が5枚、身生地が1枚で、合計6枚になり、これが折り重なると、合計12枚になる。更に、肩テープが2枚、肩テープの折り返しが2枚と当て布が1枚重なると5枚になり、総合計17枚の重ね合わせ枚数になる。
【0007】
テープの重ね縫い作業に加えて当て布を重ねて縫合することによる作業は、製造工程が煩雑で作業能率が悪く、製造コストがかさむ欠点があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記のような課題を解決するためになされたものであって、アンダーシャツ等の衣類において、肩継ぎ部の肩継ぎテープと首回りのテープの厚みが増大しないように肩継ぎテープを途中から挿入して縫製する方法とこれを使用した衣類を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の課題解決の手段は、首回り部が形成され第1肩継ぎ部と第2肩継ぎ部が開放され、前身頃と後身頃とを一体に編成した衣類本体を裏返しにする工程と、前記前身頃と後身頃と積層し、前記前身頃の上に第1肩テープを重ねながら第1肩継ぎ部を縫製する工程と、前記前身頃と後身頃と一平面上に展開して前記首回りにテープを重ねながら1周するように縫製する工程と、前記首回りテープ端部をバックタック縫いする工程と、前記前身頃と後身頃との積層端部に第2肩テープを斜めに挿入する工程と、前記首回りテープに前記第2肩テープの一部を重ねながら第2肩部を首回り部から肩端部に向かって縫製する工程とからなる肩継ぎ部の縫製方法にある。
【0010】
本発明の第2の課題解決の手段は、前記前身頃と後身頃との積層端部に第2肩テープを斜めに挿入する工程と、前記首回りテープに前記第2肩テープの一部を重ねながら第2肩部を首回り部から肩端部に向かって縫製する際に、前記首回り端部と第2肩テープ端部を切断しながらオーバーロック縫いしてなることにある。
【0011】
本発明の第3の課題解決の手段は、前身頃の上に第1肩テープを重ねながら肩継ぎ部が縫製された第1肩部と、首回りにテープを重ねながら1周するように縫製されバックタック縫いされた首回り部と、前記前身頃と後身頃との積層端部に第2肩テープを斜めに挿入され、前記首回りテープに前記第2肩テープの一部を重ねながら縫製された第2肩部とからなる衣類にある。
【0012】
本発明は、上記のように構成したので、肩継ぎ部の肩継ぎテープと首回りのテープの重なりが少ないので、薄く仕上げて縫製され、ごろつきが減少し、作業工程が減少することにより従来の問題点が解消されることになったのである。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の肩継ぎ部の縫製方法及びこの縫製方法を用いた衣類を図示しながら説明する。
図1に示すように、丸編機で編成された、又は前身頃と後身頃とを脇縫いにて一体とした筒編地を首回り部1を円形に裁断する。また、首回り部1に連続して第1肩部2と第2肩部3と袖付部4,4を肩及び袖の形状に応じて裁断し、首回り部1、第1肩部2、第2肩部3、袖付部4,4で前身頃Fと後身頃Bとが分断されて開放された形状に形成される。
【0014】
次いで、前身頃Fと後身頃Bとを編成した衣類本体Dを裏返しに、図3に示すように、前身頃Fと後身頃Bと積層し、前身頃Fの上に第1肩テープT1を二つ折にして重ねながら縫製する。この際、図3に示すように、二つ折にした第1肩テープT1の端部を切断するメスが付設されたオーバーロックミシンで縫い目から所定の幅に第1肩テープT1の端部を切断しながら端部をかがり縫製して包み縫いする。縫製された部分の断面は図4に示すように、前身頃Fと後身頃Bとが積層され、前身頃Fの上に第1肩テープT1を二つ折にして重ね合わされたところへ縫い目ループLが前身頃Fと後身頃Bと第1肩テープT1との端部を包被するように形成される。
【0015】
ここで、肩テープは肩継ぎ部の補強のために添える伸縮性編地からなるテープ生地からなり、通常二つ折して使用され、1本針オーバーロックミシンで縫製される。このミシンは、生地端を切断するメスが付いており、縫い目から所定の幅に生地端を切断しながら生地端を包縫いをするものである。
【0016】
その後、図1に示すように、積層した前身頃Fと後身頃Bとを一平面上に展開し、図1に示すように、首回り部1の生地を挟んでテープT2を重ねながら首回りNを1周するようにかがり縫いする。
首テープT2は首回り部1に添える伸縮性編地からなるテープ生地からなり、首回りのだれ防止とともに外観上のデザインを構成する。通常、首回りの生地とテープT2との間に芯地Sを介在させて使用され、図5に示すように、表側を折り重ね、または裏面とも折り重ねて、首回り身生地を挟みこんで縫着される。縫着には片面2本針ミシンが使用される。これは2本の針で縫い目を構成し、針糸による2列の縫い目ができ、裏側は縫い目間で下糸による編目ループが構成され、裏面の生地間を押え込む作用をする。重ね枚数及び折り方は、デザインや設計によって異なる。
【0017】
次いで、首回りテープT2の第2肩部3の端部Eをバックタック縫いBTをする。即ち、図6に矢印で示すように、縫い始めの縫い糸端がはみ出ないように、また縫いほつれが生じないように、縫い始めを端部Eのやや内側から首回りテープT2の折り返し端部に向かって縫い、ピッチを細かくして縫い始め、折り返し端部でUターンして縫い、首回りテープT2の第2肩部3の端部Eからはみでたテープをミシンメスによって切断しながらピッチを元に戻してかがり縫いした縫い終わりに向かって縫う。
【0018】
ここで、図7に示すように、上記のバックタック縫いで折り返し端部でUターンして縫い終わる直前に、前身頃Fと後身頃Bとを中心線Cから二つ折した積層端部に、二つ折りしたテープT3を縫合部に供給するガイド装置が付設されたオーバーロックミシンにより、前身頃Fの上に斜めに挿入し、図8に示すように、首回りテープT2に第2肩テープT3の一部を重ねながら積層端部に首回り部から肩端部に向かってかがり縫いする。そして、第2肩テープT3の首回りテープT2に一部重なった部分からはみ出た部分を切断する。この際、第2肩テープT3と首回りテープT2の重なりの範囲は、図8に示すように首回りテープT2の上端から2mm以上のところから首回りテープT2の下端までの範囲である。
【0019】
この結果、図9に示すように、首回りのバックタック部BTには第2肩テープT3が一部重ね合わされているが、分厚くならず、同一厚みを有する第2肩テープT3が第2肩継ぎ部に連続して縫合される。なお、ミシン縫いは、第2肩継ぎ部をこえて空環が生じるが、この部分は切断される。
【0020】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1,2によれば、首テープ部をバックタックにより返し縫いしながら、肩テープを自動供給して肩テープを縫製し、首テープと肩テープの残余をミシンカッターで切断するので、作業が1工程で完了し、作業能率が向上する。
【0021】
請求項3によれば、首テープ部と肩テープとの重なりが少ないので、首回り及び肩部が薄く仕上がり、ごろつき感を減少させる衣類を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての裁断された肌着を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態としての第1肩部と首回り部にテープを縫着した状態を示す斜視図である。
【図3】第1肩部にテープを重ねてテープ端を切断しながら縫製する状態を示す斜視図である。
【図4】図9のY−Y断面図である。
【図5】図9のX−X断面図である。
【図6】首回りテープにバックタック縫いした状態を示す斜視図である。
【図7】バックタック縫いで折り返し端部でUターンして縫い終わる直前に、二つ折りしたテープを前身頃Fの上に斜めに挿入した状態を示す斜視図である。
【図8】首回りテープに第2肩テープの一部を重ねながら肩から首回りに向かってかがり縫いした状態を示す斜視図である。
【図9】首回りテープに第2肩テープの一部を重ねながら首回りから肩端部に向かってかがり縫いした状態を示す模式図である。
【図10】従来の第1肩部と首回り部にテープを縫着した状態を示す斜視図である。
【図11】従来の首回りテープに第2肩継ぎ部を縫製した状態を示す斜視図である。
【図12】従来の首回りテープに第2肩継ぎ部を折り返し縫製した状態を示す斜視図である。
【図13】従来の第2肩継ぎ部を折り返し当て布を縫製する状態を示す斜視図である。
【図14】従来の当て布を縫製した状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 首回り部
2 第1肩部
3 第2肩部
4 袖付部
F 前身頃
B 後身頃
D 衣類本体
T1 第1肩テープ
S 肩端部
L 縫い目ループ
T2 首回りテープ
N 首回り
S 首テープの芯地
E 第2肩部3の端部
BT バックタック縫い
C 中心線
T3 第2肩テープ
Claims (3)
- 首回り部が形成され第1肩継ぎ部と第2肩継ぎ部が開放され、前身頃と後身頃とを一体に編成した衣類本体を裏返しにする工程と、前記前身頃と後身頃と積層し、前記前身頃の上に第1肩テープを重ねながら第1肩継ぎ部を縫製する工程と、前記前身頃と後身頃と一平面上に展開して前記首回りにテープを重ねながら1周するように縫製する工程と、前記首回りテープ端部をバックタック縫いする工程と、前記前身頃と後身頃との積層端部に第2肩テープを斜めに挿入する工程と、前記首回りテープに前記第2肩テープの一部を重ねながら第2肩部を首回り部から肩端部に向かって縫製する工程とからなることを特徴とする肩継ぎ部の縫製方法。
- 前記前身頃と後身頃との積層端部に第2肩テープを斜めに挿入する工程と、前記首回りテープに前記第2肩テープの一部を重ねながら第2肩部を首回り部から肩端部に向かって縫製する際に、前記首回り端部と第2肩テープ端部を切断しながらオーバーロック縫いしてなる請求項1に記載の肩継ぎ部の縫製方法。
- 前身頃の上に第1肩テープを重ねながら第1肩継ぎ部が縫製された第1肩部と、首回りにテープを重ねながら1周するように縫製されバックタック縫いされた首回り部と、前記前身頃と後身頃との積層端部に第2肩テープを斜めに挿入され、前記首回りテープに前記第2肩テープの一部を重ねながら縫製された第2肩部とからなることを特徴とする衣類。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002234062A JP2004076168A (ja) | 2002-08-09 | 2002-08-09 | 肩継ぎ部の縫製方法及びこの縫製方法を用いた衣類 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002234062A JP2004076168A (ja) | 2002-08-09 | 2002-08-09 | 肩継ぎ部の縫製方法及びこの縫製方法を用いた衣類 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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---|---|---|---|---|
KR102186806B1 (ko) * | 2020-04-28 | 2020-12-07 | 김상만 | 러닝셔츠 및 그 제조방법 |
WO2022059771A1 (ja) * | 2020-09-17 | 2022-03-24 | 国立大学法人岡山大学 | 下肢部用伸縮性衣料 |
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2002
- 2002-08-09 JP JP2002234062A patent/JP2004076168A/ja active Pending
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KR102186806B1 (ko) * | 2020-04-28 | 2020-12-07 | 김상만 | 러닝셔츠 및 그 제조방법 |
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