JP5976966B1 - シャツの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、極めて容易に袖と身頃とを縫い合わせることができることから、非常に短時間で製造が可能であるばかりではなく、未経験者でも短期間で習得でき、従って、安価にシャツを製造することができる、袖と身頃とを別々に作製して縫い付けるシャツの製造方法を提供する。【解決手段】本発明は、シャツの袖と身頃とを別々に作製して縫い付ける、シャツの製造方法であって、(A)袖山側の周端部を折り返して、そこにコバステッチを設ける工程、(B)袖と身頃の脇線をずらして固定して、コバステッチに沿って筒型ミシンにより袖と身頃を縫い合わせる工程、(C)袖と身頃の縫い代部分を、袖と身頃との縫い目から身頃側に折り曲げる工程、(D)袖と身頃との縫い目から少し離れた身頃側の部分に、縫い目部分に沿ってステッチを設け、袖と身頃の縫い代部分を身頃に固定する工程を含むシャツの製造方法である。【選択図】なし

Description

本発明は、シャツの製造方法に関し、更に詳しくは、シャツ、例えば、ワイシャツの袖と身頃とを別々に作製し、次いで、出来上がった袖と身頃とを縫い付ける、シャツの製造方法に関する。
従来、一般的なシャツ、例えば、ワイシャツでは、図6に示されているように、身頃(5)、即ち、胴体部分と袖(1)との縫い合わせ部分(15)、即ち、脇の下の部分は一点で縫い合わさっている。このように、身頃の縫い目、即ち、身頃の脇線(7)と、袖の縫い目、即ち、袖の脇線(8)とが一本の線として形成されている。これは、シャツを製造するに際して、身頃(5)の最下部から縫い始めて、脇の下まで縫ったところで、そのまま袖(1)に移り、袖先まで一気に縫い上げて完成するためである。このような方法を採用しているのは、作業効率を高めて、シャツの製造に要するコストを削減しようとするためである。しかし、人の腕は胴体の真横ではなく、若干、前方に向いていることから、このようにして製造したシャツは着心地が良くない。
これを改良するために、シャツ、例えば、ワイシャツにおいて、図7に示されているように、身頃(5)と袖(1)との縫い合わせ部分(15)を多少ずらしているもの、いわゆる、袖付けを前振りにしたものがある。かかる構成を採用すれば、シャツを着用した人が腕を曲げるなどの動作をした際にも、シャツが良好に腕にフィットして曲げ易く、その着心地も大幅に改善される。
上記の図7に示されているようなシャツ、例えば、ワイシャツを製造するためには、まず、シャツの袖(1)と身頃(5)とを別々に作製して筒状にする。次いで、筒状の身頃の袖ぐりの中に筒状の袖(1)を挿入し、本縫いミシン(平面ミシン)、例えば、JUKI株式会社製1本針本縫ミシン(DDL−8700−7、商標)を使用して少しずつ縫い合わせていく。このようにして、シャツの袖(1)と身頃(5)とを縫い合わせたのち、同じく本縫いミシンを使用して、袖の伏せ縫いを行う。この伏せ縫いに際しては、特殊な袖伏せ用アタッチメントを使用して、袖を巻きながら少しずつ縫い上げて、身頃への袖付けを完了する。このような袖付け方法において、身頃に袖を縫い付ける作業及び袖の伏せ縫い作業は、非常に熟練を要する作業あり、かつ、極めて少しずつ縫い合わせていく必要があることから、非常に時間を要する作業である。加えて、熟練者でも時にはうまく縫えないこともあり、きれいな仕上がりのシャツを再現性良く製造するには相当な熟練が必要であった。従って、生産効率が悪く、出来上がったシャツは当然高価なものとならざるを得なかった。
シャツの身頃に袖を縫い付けるための方法としては、布地自在センサと、布端ガイド機構と、引張ローラと、送り引張機構とを備えた、特殊なミシン、及び、該特殊なミシンにより、シャツの身頃に袖付けをする作業を半自動的に行うための方法が知られている(特許文献1及び2)。例えば、特許文献1には、縫製加工品の制御及び送り移動を行うための機構である縫製加工品制御送り移動機構と、マイクロプロセッサとを備えたミシンを用いて、シャツの身頃に袖付けする方法において、(a)前記縫製加工品制御送り移動機構に第1の袖とシャツの身頃とを装填し、(b)前記シャツの身頃の位置合せ点と前記第1の袖の位置合せ点とを互いに揃え、(c)押え金を上げ、(d)互いに揃えた前記位置合せ点を、上げた前記押え金の下に位置付け、(e)前記押え金を降ろし、(f)前記シャツの身頃に前記第1の袖を縫付けるための自動縫製サイクルを起動し、(g)前記自動縫製サイクルの実行中に第2の袖を装填する用意をし、(h)前記縫製加工品制御送り移動機構に前記第2の袖と前記シャツの身頃とを装填し、(i)前記シャツの身頃の位置合せ点と前記第2の袖の位置合せ点とを互いに揃え、(j)前記押え金を上げ、(k)互いに揃えた前記位置合せ点を、上げた前記押え金の下に位置付け、(l)前記押え金を降ろし、(m)前記シャツの身頃に前記第2の袖を縫付けるための自動縫製サイクルを起動する、ことを特徴とする方法が開示されている。
特開平8−103586号公報 特開平9−108467号公報
本発明は、極めて容易に袖と身頃とを縫い合わせることができることから、非常に短時間で製造が可能であるばかりではなく、未経験者でも短期間で習得でき、従って、従来法と同等のシャツを安価に製造することができる、袖と身頃とを別々に作製して縫い付けるシャツの製造方法を提供するものである。
従来、シャツの袖と身頃とを別々に作製して、次いで、出来上がった袖と身頃とを、両者の脇線をずらして縫い付ける、シャツの製造方法においては、上記背景技術の欄で述べた通り、非常に熟練を要する作業を含むことから、作業に長時間を要し生産効率が著しく悪く、かつ、作業者の養成にも相当な時間を要する故に、出来上がったシャツは高価にならざるを得ないという問題を有していた。本発明者は、かかる問題を解決すべく種々の検討を重ねた。その結果、上記のような問題が生ずるのは、予め作成された筒状の身頃と袖とを、平面ミシンで縫い合わせるためではないかと考えた。そこで、筒型ミシンを使用すれば、この問題を解決することができるのではないかと考え、筒型ミシンにより、筒状の身頃と袖との縫い合わせを試みた。しかし、筒型ミシンを使用すれば、平面ミシンを使用する場合に比べて、身頃と袖とを短時間で縫い合わせることはできるが、従来の熟練した作業者により縫い合わせる場合のように縫い目が一定にならない。それ故、筒型ミシンを使用しても、縫い目を一定にして、シャツとしての美しい仕上がりを得るためには、やはり、相当の熟練と縫い合わせのための時間が必要であることが分かった。これでは、従来の方法と比べて、より安価にシャツを製造することはできず、殆ど効果があるとは言えなかった。そこで、本発明者は、如何にすればこの問題を解決できるかについて、更なる検討を重ねた結果、予め、下記のように、袖の袖山側の周端部にコバステッチを設けることを思い付いた。そして、該コバステッチを目印にして、これに沿って筒型ミシンを使用して縫い合わせれば、従来の熟練した作業者による縫い合わせと同程度又はそれ以上に美しく、加えて、従来の熟練した作業者による縫い合わせの場合に比べて、きわめて容易かつ短時間に縫い合わせることができることを見出した。加えて、本発明者は、更なる効率化を目指して、検討を加えたところ、従来の袖伏せ縫いの作業は、特殊アタッチメントを使用して、一つの工程で縫い上げることから、一見、効率的に見えるが、これこそが、作業の効率化を妨げている大きな要因になっているのではないかという疑問を抱いた。そして、一つの工程ではなく、むしろ複数の工程に分けたとしても、夫々の工程を単純な作業に分割し得るなら、熟練した技術も不要となり、結果的には、より短時間で袖伏せ縫いの作業を完了することができ、全体としてより効率化できるのではないかと考えた。そこで、本発明者は、更に種々の検討を重ねたところ、特殊アタッチメントを使用して、袖を巻き込む作業に替えて、予め、袖と身頃の縫い代部分を、身頃側に押圧して折り曲げておけば、続く、縫い付け作業を効率化できて、結果として、従来の袖伏せ縫いの作業と比較して、きわめて容易かつ短時間に縫い付けることができるばかりではなく、その仕上がりも美しく遜色がないことを見出し、下記本発明を完成するに至ったのである。
即ち、本発明は、
(1)シャツの袖と身頃とを、別々に筒状に縫い上げて脇線を形成して、次いで、このように筒状に縫い上げた袖と身頃とを、両者の脇線をずらして縫い付ける、シャツの製造方法であって、
(A)上記袖の袖山側の周端部を、該袖山側の周に沿って3〜15mm幅で、袖の裏面が外側になるように折り返し、該折り返しにより形成された周端部から0.5〜5mm離れた部分に、該周端部に沿って略平行にかつ略全周に亘ってコバステッチを設ける工程、
(B)工程(A)において作製した袖を、上記身頃の袖ぐりの中に収め、両者の脇線の間隔が10〜35mmになるようにずらして、かつ、工程(A)において折り返した部分の内側の面と、身頃の袖ぐりの周端部近傍の身頃の裏面とが接するように固定して、該身頃の裏面側から上記コバステッチに沿って筒型ミシンにより両者を縫い合わせる工程、
(C)上記工程(B)において縫い合わされた袖と身頃の縫い代部分を、袖と身頃との縫い目から、身頃側に押圧して折り曲げる工程、及び
(D)上記袖と身頃との縫い目から5〜15mm離れた身頃側の部分に、該縫い目部分に沿って略平行にかつ略全周に亘ってステッチを設けるとともに、上記袖と身頃の縫い代部分を身頃に固定する工程
を含むことを特徴とするシャツの製造方法である。
好ましい態様として、
(2)上記工程(A)における周端部の折り返しが、5〜10mm幅でなされる、上記(1)記載のシャツの製造方法、
(3)上記工程(A)における周端部の折り返しが、7〜9mm幅でなされる、上記(1)記載のシャツの製造方法、
(4)上記工程(A)におけるコバステッチが、折り返しにより形成された周端部から0.5〜3mm離れた部分に設けられる、上記(1)〜(3)のいずれか一つに記載のシャツの製造方法、
(5)上記工程(A)におけるコバステッチが、折り返しにより形成された周端部から1〜2mm離れた部分に設けられる、上記(1)〜(3)のいずれか一つに記載のシャツの製造方法、
(6)上記工程(B)における袖と身頃との脇線の間隔が、15〜30mmである、上記(1)〜(5)のいずれか一つに記載のシャツの製造方法、
(7)上記工程(C)における押圧による折り曲げが、アイロンにより行われる、上記(1)〜(6)のいずれか一つに記載のシャツの製造方法、
(8)上記工程(D)におけるステッチが、袖と身頃との縫い目から8〜10mm離れた部分に設けられる、上記(1)〜(7)のいずれか一つに記載のシャツの製造方法、
(9)上記シャツがワイシャツである、上記(1)〜(8)のいずれか一つに記載のシャツの製造方法
を挙げることができる。
本発明のシャツの製造方法によれば、袖と身頃とを別々に作製して縫い付けるシャツの製造方法において、極めて容易に袖と身頃とを縫い合わせることができことから、非常に短時間でシャツの製造が可能であるばかりではなく、未経験者でも短期間で習得でき、従って、従来法と同等のシャツを安価に製造することができる。
図1は、本発明の工程(A)を示した説明図である。 図2は、本発明の工程(B)において袖(1)が、身頃(5)の袖ぐり(6)の中に収められるまでの工程を示した説明図である。 図3は、本発明の工程(B)において袖(1)と身頃(5)とを筒型ミシン(9)により縫い合わせる工程を示した説明図である。 図4は、本発明の工程(C)を示した説明図である。 図5は、本発明の工程(D)を示した説明図である。 図6は、従来の一般的なシャツの袖と身頃の縫い合わせ部分(15)を示した説明図である。 図7は、従来の、袖と身頃とを別々に作製して縫い付けるシャツの製造方法により作製したシャツの袖と身頃の縫い合わせ部分(15)を示した説明図である。 図8は、従来の、袖と身頃とを別々に作製して縫い付けるシャツの製造方法における袖と身頃の縫い合わせを示した説明図である。 図9は、従来の、袖と身頃とを別々に作製して縫い付けるシャツの製造方法における伏せ縫いを示した説明図である。
本発明のシャツの製造方法は、シャツの袖と身頃とを、別々に筒状に縫い上げて脇線を形成して、次いで、このように筒状に縫い上げた袖と身頃とを、両者の脇線をずらして縫い付けるものである。ここで、シャツとは、好ましくはワイシャツであるが、本発明の方法を適用するために適しているシャツであれば特に制限はない。本発明の方法において、シャツの袖と身頃とを、別々に筒状に縫い上げて脇線を形成する方法に特に制限はなく、従来から行われている方法を適用することができる。
本発明の方法においては、下記の
(A)上記袖の袖山側の周端部を、該袖山側の周に沿って3〜15mm幅で、袖の裏面が外側になるように折り返し、該折り返しにより形成された周端部から0.5〜5mm離れた部分に、該周端部に沿って略平行にかつ略全周に亘ってコバステッチを設ける工程、及び
(B)工程(A)において作製した袖を、上記身頃の袖ぐりの中に収め、両者の脇線の間隔が10〜35mmになるようにずらして固定して、該身頃の裏面側から上記コバステッチに沿って筒型ミシンにより両者を縫い合わせる工程
により、筒状に縫い上げられた袖と身頃とを、両者の脇線をずらして縫い付けるのである。
上記工程(A)においては、図1に示すように、まず、上記のようにして筒状に縫い上げられた袖(1)の袖山側の周端部(2)を、該袖山側の周に沿って3〜15mm、好ましくは5〜10mm、より好ましくは7〜9mm幅で、袖の裏面が外側になるように折り返す。次いで、該折り返しにより形成された周端部(3)から0.5〜5mm、好ましくは0.5〜3mm、より好ましくは1〜2mm離れた部分に、該周端部(3)に沿って略平行にかつ略全周に亘ってコバステッチ(4)を設ける。上記の操作は、段階的に行うこともできるが、図1に示すように連続的に、例えば、袖(1)の袖山側の周端部(2)を、所定幅で折り返しながら、折り返しと同時に、所定箇所にコバステッチ(4)を設けることが好ましい。これにより、該工程をより短時間で行うことができる。ここで、袖山とは、袖付けの山形になった部分全体を言う。なお、図1においては、コバステッチ(4)は、ミシンの針の部分の裏側に形成される故、図1からは確認することができない。
上記工程(B)においては、図2の左図に示すように、まず、上記のようにしてコバステッチ(4)が設けられた袖(1)が、身頃(5)の袖ぐり(6)の中に収められ、次いで、右図に示すように、身頃の脇線(7)と袖の脇線(8)との間隔が10〜35mm、好ましくは15〜30mmになるようにずらして固定される。ここでは、もちろん、図2に示すように、袖ぐり(6)の周端部と袖の袖山側の周端部(3)とがほぼ一致するようにして固定される。次いで、図3に示すように、身頃(5)の裏面側から、上記のようにして袖(1)の周縁部に設けられたコバステッチ(4)に沿って、即ち、コバステッチ(4)に略平行に筒型ミシン(9)により両者を縫い合わせる。このように、筒型ミシン(9)による両者の縫い合わせを、コバステッチ(4)を目印にして、それに沿って実施することにより、該縫い合わせをきわめて容易かつ短時間に行うことができるとともに、その縫い合わせを、従来の熟練した作業者による縫い合わせと同程度又はそれ以上に美しく仕上げることができる。ここで、筒型ミシン(9)としては、好ましくは、筒型1本針ミシンを使用することができ、例えば、JUKI株式会社製DSC−246(商標)等を使用することができる。該ミシンは、本来、革などの厚地を縫うためのものである故、一部のパーツ、例えば、押え及び送り歯等を交換してシャツ地を縫うことができるようにしているものである。
本発明のシャツの製造方法は、上記工程(A)及び(B)に加えて、更に、下記の
(C)上記工程(B)において縫い合わされた袖と身頃の縫い代部分を、袖と身頃との縫い目から、身頃側に押圧して折り曲げる工程、及び
(D)上記袖と身頃との縫い目から5〜20mm離れた身頃側の部分に、該縫い目部分に沿って略平行にかつ略全周に亘ってステッチを設けるとともに、上記袖と身頃の縫い代部分を身頃に固定する工程
を含むことが好ましい。
上記工程(C)においては、図4の左下図に示すように、例えば、シャツの裏側が外側になるようにして、シャツの袖(1)を、アイロン作業台(10)の先の細くなった部分に通す。そして、図4の右図に示すように、袖と身頃の縫い代部分(12)を、袖と身頃との縫い目(11)から、身頃(5)側に、好ましくはアイロン(13)を使用して押圧して折り曲げる。なお、図4の右図において身頃(5)は、矢印で示されている暗色化した部分である。
上記工程(C)が終了した後、アイロン台(10)からシャツを取り除き、シャツの表側が外側になるようにする。次いで、上記工程(D)において、図5に示すように、袖と身頃との縫い目(11)から5〜15mm、好ましくは8〜10mm離れた身頃(5)側の部分に、該縫い目(11)部分に沿って略平行にかつ略全周に亘ってステッチ(14)を設ける。そして、これにより、シャツの裏面側に存在する、工程(C)において折り曲げた袖と身頃の縫い代部分(12)が身頃(5)に固定される。
本発明の方法においては、上記のようにして、シャツの袖と身頃とが縫い合わされる。その後、常法に従って、シャツを完成することができる。
以下の実施例において、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
(実施例1)
ワイシャツの袖(1)と身頃(5)とを、いずれも常法に従って、別々に筒状に縫い上げた。次いで、図1に示すように、工程(A)に従って、筒状に縫い上げられた袖(1)の袖山側の周端部(2)を、該袖山側の周に沿って略8mm幅で、袖(1)の裏面が外側になるように折り返しつつ、折り返しにより形成された周端部(3)から略1mm離れた部分に、JUKI株式会社製1本針本縫ミシン(DDL−8700−7、商標)を使用して、周端部(3)に沿って略平行にかつ袖(1)の略全周に亘ってコバステッチ(4)を設けた。次いで、図2及び3に示すように、工程(B)に従って、コバステッチ(4)が設けられた袖(1)が、身頃(5)の袖ぐり(6)の中に収められ、両者の脇線(7,8)の間隔が20mmになるようにずらして固定した。その後、JUKI株式会社製筒型1本針本縫ミシン(DSC−246、商標)を使用して、身頃(5)の裏面側から、袖(1)の周縁部に設けられたコバステッチ(4)に沿って両者を縫い合わせた。ここで、上記の筒型ミシンは、シャツを縫うことができるように一部のパーツ、即ち、押え及び送り歯を交換したものである。
上記のようにして、袖(1)と身頃(5)とが縫い合わされたワイシャツを、図4に示すように、工程(C)に従って、アイロン(13)を使用して、袖と身頃の縫い代部分(12)を、袖と身頃との縫い目(11)から、身頃(5)側に押圧して折り曲げた。次いで、図5に示すように、工程(D)に従って、袖と身頃との縫い目(11)から略10mm離れた身頃(5)側の部分に、縫い目(11)部分に沿って略平行にかつ全周に亘ってステッチ(14)を設けた。該ステッチ(14)により、袖と身頃の縫い代部分(12)が身頃(5)に固定された。
このようにして、ワイシャツの袖(1)と身頃(5)とが完全に縫い合わされた。工程(A)の開始から工程(D)の完了までは、約200秒であった。また、袖と身頃の縫い合わせ部分を目視にて観察したところ、しわが殆どできていなかった。
(比較例1)
別々に筒状に縫い上げられた、ワイシャツの袖(1)と身頃(5)とを、従来法を使用して縫い合わせた。まず、実施例1と同様に、袖(1)を身頃(5)の袖ぐり(6)の中に収め、両者の脇線(7,8)の間隔が20mmになるようにずらして固定した。次いで、図8に示すように、JUKI株式会社製1本針本縫ミシン(平面ミシン)(DDL−8700−7、商標)を使用して、袖(1)と身頃(5)とを縫い合わせた。縫い合わせは、上記の平面ミシンを使用して、袖(1)と身頃(5)とを両手で支えて、両手で少しずつ回転移動させることにより実施した。袖(1)と身頃(5)との縫い合わせが終了した後、図9に示すようにアタッチメント(16)を袖と身頃との縫い目(11)の裏側にセットして袖(1)を巻き込むように移動しながら、表側から、上記のミシンを使用してステッチを設けて袖伏せを完了した。図9の下図は、袖(1)がアタッチメント(16)により巻き込まれるところを示したものである。
このようにして、ワイシャツの袖(1)と身頃(5)とが完全に縫い合わされた。袖(1)と身頃(5)とを固定してから縫い合わせ完了までに、約400秒を要した。袖と身頃の縫い合わせ部分を目視にて観察したところ、多少しわができていた。
上記の通り、本発明の方法を使用した実施例1では、従来法を使用した比較例1に比べて、その作業時間が半分の約200秒に短縮することができた。加えて、ワイシャツの袖と身頃との縫い合わせ部分に殆どしわが認められず、より美しい仕上がりとなった。また、従来法を使用した比較例1では、袖と身頃とを少しずつ縫い合わせる必要があり、加えて、袖伏せにおいて、特殊なアタッチメントを使用する等、非常に熟練を要する作業を必要としていることから、再現性良く美しい仕上がりを得るためには相当の熟練が必要であった。従って、作業者の養成に著しく時間と費用を要する。
本発明のシャツの製造方法によれば、極めて容易に袖と身頃とを縫い合わせることができることから、非常に短時間でシャツの製造が可能であるばかりではなく、未経験者でも短期間で習得でき、従って、従来法と同等のシャツを安価に製造することができる故に、袖と身頃とを別々に作製して縫い付けるシャツの製造方法において、今後、大いに利用されることが期待される。
1 袖
2 袖山側の周端部
3 折り返しにより形成された周端部
4 コバステッチ
5 身頃
6 身頃の袖ぐり
7 身頃の脇線
8 袖の脇線
9 筒型ミシン
10 アイロン作業台
11 袖と身頃の縫い目
12 袖と身頃の縫い代部分
13 アイロン
14 ステッチ
15 袖と身頃の縫い合わせ部分
16 アタッチメント

Claims (5)

  1. シャツの袖と身頃とを、別々に筒状に縫い上げて脇線を形成して、次いで、このように筒状に縫い上げた袖と身頃とを、両者の脇線をずらして縫い付ける、シャツの製造方法であって、
    (A)上記袖の袖山側の周端部を、該袖山側の周に沿って3〜15mm幅で、袖の裏面が外側になるように折り返し、該折り返しにより形成された周端部から0.5〜5mm離れた部分に、該周端部に沿って略平行にかつ略全周に亘ってコバステッチを設ける工程、
    (B)工程(A)において作製した袖を、上記身頃の袖ぐりの中に収め、両者の脇線の間隔が10〜35mmになるようにずらして、かつ、工程(A)において折り返した部分の内側の面と、身頃の袖ぐりの周端部近傍の身頃の裏面とが接するように固定して、該身頃の裏面側から上記コバステッチに沿って筒型ミシンにより両者を縫い合わせる工程、
    (C)上記工程(B)において縫い合わされた袖と身頃の縫い代部分を、袖と身頃との縫い目から、身頃側に押圧して折り曲げる工程、及び
    (D)上記袖と身頃との縫い目から5〜15mm離れた身頃側の部分に、該縫い目部分に沿って略平行にかつ略全周に亘ってステッチを設けるとともに、上記袖と身頃の縫い代部分を身頃に固定する工程
    を含むことを特徴とするシャツの製造方法。
  2. 上記工程(A)における周端部の折り返しが、7〜9mm幅でなされ、かつ、コバステッチが、折り返しにより形成された周端部から1〜2mm離れた部分に設けられる、請求項1記載のシャツの製造方法。
  3. 上記工程(B)における袖と身頃との脇線の間隔が、15〜30mmである、請求項1又は2記載のシャツの製造方法。
  4. 上記工程(D)におけるステッチが、袖と身頃との縫い目から8〜10mm離れた部分に設けられる、請求項1〜3のいずれか一つに記載のシャツの製造方法。
  5. 上記シャツがワイシャツである、請求項1〜4のいずれか一つに記載のシャツの製造方法。
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