JP6616754B2 - プーリ構造体 - Google Patents

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Description

本発明は、ねじりコイルばねを備えたプーリ構造体に関する。
ベルトが巻回される筒状の外回転体と、外回転体の内側に設けられ、外回転体に対して外回転体と同一の回転軸を中心として相対回転可能な内回転体とを含むプーリ構造体において、外回転体と内回転体との間にねじりコイルばねを設け、ねじりコイルばねの拡径又は縮径により外回転体及び内回転体の間でトルクを伝達又は遮断するという技術が知られている(特許文献1参照)。特許文献1のねじりコイルばねは、プーリ構造体に外力が付与されていない状態(即ち、プーリ構造体が停止した状態)において、外回転体及び内回転体の回転軸に沿った軸方向に圧縮され、軸方向の一端側で外回転体及び内回転体の一方に接触する一端側領域と、軸方向の他端側で外回転体及び内回転体の他方に接触する他端側領域と、一端側領域及び他端側領域の間において外回転体及び内回転体のいずれにも接触しない中領域とを有する。また、特許文献1のプーリ構造体では、一端側及び他端側のそれぞれにおいて外回転体及び内回転体の間に介在して外回転体及び内回転体を相対回転可能に連結する一対の軸受が設けられている。
特許文献1のプーリ構造体は、例えば、自動車の補機駆動システムにおいて、オルタネータの駆動軸に取り付けられる。補機駆動システムは、エンジンのクランク軸に取り付けられた駆動プーリと、オルタネータ等の補機を駆動する従動プーリ及びプーリ構造体と、これらプーリ及びプーリ構造体に巻回されたベルトとを含む。クランク軸の回転がベルトを介して従動プーリ及びプーリ構造体に伝達されることで、オルタネータ等の補機が駆動される。
特開2014−114947号公報
エンジンが高回転領域条件(例えば、クランク軸の回転数が5000rpm以上)で使用されると、エンジンが低回転領域条件で使用される場合に比べ、エンジンブロックが高周波振動する。当該高周波振動は、エンジンブロック側面に固定されているオルタネータ等の補機の駆動軸を介して、プーリ構造体に伝達される。ここで、高周波振動領域がクランク軸の常用回転数範囲内(例えば、上限7000rpm)の場合、特許文献1のプーリ構造体では、以下の問題が生じ得る。
特許文献1のようにねじりコイルばねが中領域を有する場合、ねじりコイルばねにその固有振動数に近い周期の振動が加わると、ねじりコイルばねが共振して微小振動し易い。当該微小振動は、外回転体及び内回転体におけるねじりコイルばねの一端及び他端と接触する面に集中的に伝達され、さらに、一端側及び他端側のそれぞれに設けられた一対の軸受に伝達される。すると、特に軸受の摩擦面(例えば、滑り軸受の場合は滑り軸受部材における外回転体との接触面、転がり軸受の場合は転動体における軌道輪の外輪及び/又は内輪との接触面)にグリース等の潤滑剤が行き渡っていない場合、摩擦面にフレッチング摩耗、凝着摩耗、アブレシブ摩耗等が生じ、結果としてプーリ構造体が低寿命化するという問題が生じ得る。また、ねじりコイルばねの微小振動によって、線間接触(軸方向に隣接するコイル同士が接触する現象)が生じ、コイルの摩耗粉が発生するという問題も生じ得る。
本発明の目的は、ねじりコイルばねの共振に伴う微小振動を抑制可能なプーリ構造体を提供することである。
本発明の観点によると、ベルトが巻回される筒状の外回転体と、前記外回転体の内側に設けられ、前記外回転体に対して前記外回転体と同一の回転軸を中心として相対回転可能な内回転体と、前記外回転体と前記内回転体との間に設けられたねじりコイルばねと、前記回転軸に沿った軸方向の一端側及び他端側のそれぞれにおいて前記外回転体及び前記内回転体の間に介在して前記外回転体及び前記内回転体を相対回転可能に連結する一対の軸受とを備え、前記ねじりコイルばねの拡径又は縮径により前記外回転体及び前記内回転体の間でトルクを伝達又は遮断するプーリ構造体において、前記ねじりコイルばねは、前記プーリ構造体に外力が付与されていない状態において、前記軸方向に圧縮され、前記一端側で前記外回転体及び前記内回転体の一方に接触する一端側領域と、前記他端側で前記外回転体及び前記内回転体の他方に接触する他端側領域と、前記一端側領域及び前記他端側領域の間において前記外回転体及び前記内回転体のいずれにも接触しない中領域とを有し、前記内回転体と前記ねじりコイルばねとの間に設けられ、拡径方向の自己弾性復元力によって前記ねじりコイルばねにおける前記中領域を含む領域の内周面に接触し、前記外回転体及び前記内回転体のいずれにも接触しない制振スリーブをさらに備え、前記ねじりコイルばねが拡径方向に変形したときに、前記ねじりコイルばねの前記中領域の外周面が前記外回転体の内周面に当接するように構成されたことを特徴とする、プーリ構造体が提供される。
上記観点によれば、制振スリーブによって、ねじりコイルばねの微小振動を直ちに熱エネルギーに変換して減衰させることができる。したがって、ねじりコイルばねの共振に伴う微小振動を抑制可能である。ひいては、微小振動に起因する問題(軸受の摩擦面にフレッチング摩耗、凝着摩耗、アブレシブ摩耗等が生じ、結果としてプーリ構造体が低寿命化するという問題、及び、ねじりコイルばねの線間接触によってコイルの摩耗粉が発生するという問題)を抑制することができる。
また、上記観点によれば、前記制振スリーブは、前記外回転体及び前記内回転体のいずれにも接触しない。制振スリーブが外回転体及び/又は内回転体に接触する場合、制振スリーブに圧縮力やずり力が加わり、制振スリーブが変形又は損傷するという問題が生じ得る。これに対し、上記観点によれば、当該問題を抑制することができ、長期にわたって制振効果を維持することができる。
前記制振スリーブの外周面に、前記軸方向にそれぞれ延在し且つ前記回転軸の周方向に配列された複数の凸条が設けられてよい。この場合、ねじりコイルばねに制振スリーブを装着する作業を行い易い。具体的には、ねじりコイルばねに制振スリーブを装着する際、制振スリーブを縮径させた状態で制振スリーブの外周面とねじりコイルばねの内周面とを摺接させながらねじりコイルばねの内側に挿入する。このとき、複数の凸条が設けられている場合、凸条が設けられていない場合に比べ、制振スリーブにおけるねじりコイルばねの内周面に接触する面積が小さくなる分、摺動抵抗を受け難い。そのため、装着作業性が向上する。
前記制振スリーブは、合成ゴムからなる弾性スリーブであってよい。この場合、制振性、耐熱性、耐油性等に優れたものとなる。
本発明に係るプーリ構造体は、前記ねじりコイルばねの前記中領域の外周面が前記外回転体の内周面に当接することにより、前記ねじりコイルばねのそれ以上の拡径方向の変形が規制され、前記外回転体及び前記内回転体が一体的に回転するように構成されてよい。この場合、ねじりコイルばねの拡径方向の変形による破損を防止できる。また、上記のような構成(即ち、所定の条件が満たされることで、ねじりコイルばねのそれ以上の拡径方向の変形が規制され、外回転体及び内回転体が一体的に回転する構成)において、摩擦減衰力を利用した制振機構(例えば、軸方向においてねじりコイルばねと内回転体との間に摩擦板を設け、ねじりコイルばねの弾性力で摩擦板を内回転体に押し付けた構成において、ねじりコイルばねの微小振動を摩擦板と内回転体との摩擦抵抗で減衰させるという機構)を採用すると、外回転体及び内回転体が一体的に回転する間は、制振効果を得ることができない。これに対し、本発明の制振スリーブは、摩擦減衰力を利用した制振機構ではなく、ねじりコイルばねの微小振動を直ちに熱エネルギーに変換して減衰させるものであるため、外回転体及び内回転体が一体的に回転する間でも、制振効果が得られる。
本発明によれば、制振スリーブによって、ねじりコイルばねの微小振動を直ちに熱エネルギーに変換して減衰させることができる。したがって、ねじりコイルばねの共振に伴う微小振動を抑制可能である。
本発明の第1実施形態に係るプーリ構造体を示す、プーリ構造体の回転軸を通り且つ当該回転軸と平行な方向に沿った、断面図である。 図1のII−II線に沿った断面図である。 図1のIII−III線に沿った断面図である。 本発明の第2実施形態に係るプーリ構造体を示す、図3に対応する断面図である。 加振試験の概要を示す側面図である。 加振試験の結果を示すグラフである。 アイドル耐久試験の概要を示す構成図である。
本発明の第1実施形態に係るプーリ構造体1(図1参照)は、例えば、自動車の補機駆動システム(図示略)において、オルタネータの駆動軸Sに取り付けられる。補機駆動システムは、エンジンのクランク軸に取り付けられた駆動プーリと、オルタネータ等の補機を駆動する従動プーリ及びプーリ構造体1と、これらプーリ及びプーリ構造体1に巻回されたベルトBとを含む。クランク軸の回転がベルトBを介して従動プーリ及びプーリ構造体1に伝達されることで、オルタネータ等の補機が駆動される。クランク軸の回転速度がエンジンの燃焼に応じて変動するのに伴い、ベルトBの走行速度も変動する。
プーリ構造体1は、外回転体2と、内回転体3と、ねじりコイルばね(以下、単に「ばね」という。)4と、エンドキャップ5と、滑り軸受6及び転がり軸受7からなる一対の軸受6,7と、制振スリーブ8とを含む。
外回転体2及び内回転体3は、共に略円筒状であり、同一の回転軸(プーリ構造体1の回転軸であり、以下、単に「回転軸」という。)を有する。回転軸は、図1の左右方向(軸方向)に沿って延在し、図1の右側を一端側、図1の左側を他端側という。
外回転体2の外周面に、ベルトBが巻回される。
内回転体3は、外回転体2の内側に設けられ、外回転体2に対して相対回転可能である。内回転体3は、オルタネータの駆動軸Sが嵌合される筒本体3aと、筒本体3aの他端の外側に配置された外筒部3bと、筒本体3aの他端と外筒部3bの他端とを連結する円環板部3cとを有する。駆動軸Sは、筒本体3aの内周面のネジ溝に螺合される。
ばね4は、外回転体2と内回転体3との間(具体的には、外回転体2の内周面及び内回転体3の外筒部3bの内周面と、内回転体3の筒本体3aの外周面と、内回転体3の円環板部3cとによって画定された、転がり軸受7よりも他端側にある空間V)に収容されている。ばね4は、断面が正方形状の線材(例えば、ばね用オイルテンパー線(JISG3560に準拠)等)で構成されており、左巻き(ばね4の他端から一端に向かって反時計回り)である。
空間Vには、グリース等の潤滑剤が封入されている。潤滑剤は、プーリ構造体1の組み付け時に、ペースト状の塊の状態で、空間Vに投入される。投入量は、例えば0.2g程度である。プーリ構造体1を動作させると、空間Vの温度上昇やせん断発熱(摩擦熱)によって、潤滑剤の粘度が下がり、潤滑剤が空間V全体に拡散する。
エンドキャップ5は、外回転体2及び内回転体3の他端に配置されている。
一対の軸受6,7は、一端側及び他端側のそれぞれにおいて、外回転体2及び内回転体3の間に介在している。具体的には、外回転体2の他端の内周面と内回転体3の外筒部3bの外周面との間に、滑り軸受6が介在している。外回転体2の一端の内周面と内回転体3の筒本体3aの一端の外周面との間に、転がり軸受7が介在している。一対の軸受6,7によって、外回転体2及び内回転体3が相対回転可能に連結されている。外回転体2及び内回転体3は、他端から一端に向かう方向から見て時計回り(図2の矢印方向。以下、「正方向」という。)に回転する。
滑り軸受6は、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂等の合成樹脂で形成された、弾性を有するC字状の部材である。滑り軸受6は、若干拡径された状態で内回転体3の外筒部3bの外周面に装着されており、自己弾性復元力によって外筒部3bの外周面に密着している。外筒部3bの外周面における滑り軸受6の両側には、滑り軸受6の抜けを防止する突起が設けられている。滑り軸受6は、当該突起の間で、微小に軸方向に移動可能である。滑り軸受6と外回転体2の内周面との間には、例えば0.1mm程度の隙間(図示略)が存在する。当該隙間に空間Vに封入された潤滑剤が入り込むことで、滑り軸受6の摩擦面(滑り軸受部材6における外回転体2との接触面)の摩耗が抑制される。なお、潤滑剤がこの隙間から他端側に漏れ出すことはほとんどない。
転がり軸受7は、接触シール式の密閉形玉軸受であって、外回転体2の内周面に固定された外輪7aと、内回転体3の筒本体3aの外周面に固定された内輪7bと、外輪7aと内輪7bとの間に転動自在に配置された複数の玉(転動体)7cと、複数の玉7cの軸方向両側に配置された環状の接触シール部材7dとを有する。転がり軸受7の内部にグリース等の潤滑剤(例えば、空間Vに封入された潤滑剤と同じ潤滑剤)が封入されることで、転がり軸受7の摩擦面(玉7における外輪7a及び/又は内輪7bとの接触面)の摩耗が抑制される。
外回転体2の内径は、他端から一端に向かって2段階で小さくなっている。最も小さい内径部分における外回転体2の内周面を圧接面2a、2番目に小さい内径部分における外回転体2の内周面を環状面2bという。圧接面2aにおける外回転体2の内径及び環状面2bにおける外回転体2の内径は、共に、内回転体3の外筒部3bの内径よりも小さい。
内回転体3の筒本体3aは、他端側において外径が大きくなっている。この部分における内回転体3の筒本体3aの外周面を接触面3axという。
ばね4は、一端側で外回転体2に接触する一端側領域4aと、他端側で内回転体3に接触する他端側領域4bと、一端側領域4a及び他端側領域4bの間において外回転体2及び内回転体3のいずれにも接触しない中領域4cとを有する。一端側領域4a及び他端側領域4bは、それぞれ、ばね4の一端及び他端から半周以上(回転軸回りに180°以上)に亘った領域をいう。また、他端側領域4bのうち、ばね4の他端から回転軸回りに90°離れた位置付近を第2領域4b2、第2領域4b2よりも他端側の部分を第1領域4b1、残りの部分を第3領域4b3という(図2参照)。
ばね4は、外力を受けていない状態において、全長に亘って径が一定であり、このときのばね4の外径は、環状面2bにおける外回転体2の内径よりも小さく、圧接面2aにおける外回転体2の内径よりも大きい。ばね4は、一端側領域4aが縮径された状態で、空間Vに収容されている。
ばね4は、プーリ構造体1に外力が付与されていない状態(即ち、プーリ構造体1が停止した状態)において、軸方向に圧縮されている。このとき、ばね4の一端側領域4aの外周面はばね4の拡径方向の自己弾性復元力によって圧接面2aに押し付けられ、ばね4の他端側領域4bは若干拡径された状態で接触面3axと接触している。つまり、ばね4の他端側領域4bの内周面は、ばね4の縮径方向の自己弾性復元力によって、接触面3axに押し付けられている。
図2に示すように、内回転体3の他端部分には、ばね4の他端面4bxと対向する当接面3dが形成されている。また、外筒部3bの内周面には、外筒部3bの径方向内側に突出して他端側領域4bの外周面と対向する突起3eが設けられている。突起3eは、第2領域4b2と対向している。
ばね4の他端側領域4bの内周面が接触面3axと接触している状態において、ばね4の他端側領域4bの外周面と内回転体3の外筒部3bの内周面との間には、隙間が形成されている。また、外回転体2の環状面2bとばね4の外周面との間には、隙間が形成されている。本実施形態では、プーリ構造体1に外力が付与されていない状態において、図2に示すように、ねじりコイルばね4の外周面と突起3eとは、互いに離隔しており、両者の間に隙間が形成されているが、互いに接してもよい。
ここで、プーリ構造体1の動作について説明する。
先ず、外回転体2の回転速度が内回転体3の回転速度よりも大きくなった場合(即ち、外回転体2が加速する場合)について説明する。
この場合、外回転体2は、内回転体3に対して正方向(図2の矢印方向)に相対回転する。外回転体2の相対回転に伴って、ばね4の一端側領域4aが、圧接面2aと共に移動し、内回転体3に対して相対回転する。これにより、ばね4が拡径方向にねじれる。ばね4の一端側領域4aの圧接面2aに対する圧接力は、ばね4の拡径方向のねじり角度が大きくなるほど増大する。第2領域4b2は、ねじり応力を最も受け易く、ばね4の拡径方向のねじり角度が大きくなると、接触面3axから離れる。このとき、第1領域4b1及び第3領域4b3は、接触面3axに圧接している。第2領域4b2が接触面3axから離れると略同時に、又は、ばね4の拡径方向のねじり角度がさらに大きくなったときに、第2領域4b2の外周面が突起3eに当接する。第2領域4b2の外周面が突起3eに当接することで、他端側領域4bの拡径方向の変形が規制され、ねじり応力がばね4における他端側領域4b以外の部分に分散され、特にばね4の一端側領域4aに作用するねじり応力が増加する。これにより、ばね4の各部に作用するねじり応力の差が低減され、ばね4全体で歪エネルギーを吸収できるため、ばね4の局部的な疲労破壊を防止できる。
また、第3領域4b3の接触面3axに対する圧接力は、ばね4の拡径方向のねじり角度が大きくなるほど低下する。第2領域4b2が突起3eに当接すると同時に、又は、ばね4の拡径方向のねじり角度がさらに大きくなったときに、第3領域4b3の接触面3axに対する圧接力が略ゼロとなる。このときのばね4の拡径方向のねじり角度をθ1(例えば、θ1=3°)とする。ばね4の拡径方向のねじり角度がθ1を超えると、第3領域4b3は、拡径方向に変形することで、接触面3axから離れていく。しかし、第3領域4b3と第2領域4b2との境界付近において、ばね4が湾曲(屈曲)することはなく、他端側領域4bは円弧状に維持される。つまり、他端側領域4bは、突起3eに対して摺動し易い形状に維持されている。そのため、ばね4の拡径方向のねじり角度が大きくなって他端側領域4bに作用するねじり応力が増加すると、他端側領域4bは、第2領域4b2の突起3eに対する圧接力及び第1領域4b1の接触面3axに対する圧接力に抗して、突起3e及び接触面3axに対して外回転体2の周方向に摺動する。そして、他端面4bxが当接面3dを押圧することにより、外回転体2と内回転体3との間で確実にトルクを伝達できる。
なお、ばね4の拡径方向のねじり角度がθ1以上且つθ2(例えば、θ2=45°)未満の場合、第3領域4b3は、接触面3axから離隔し且つ内回転体3の外筒部3bの内周面に接触しておらず、第2領域4b2は、突起3eに圧接されている。そのため、この場合、ばね4の拡径方向のねじり角度がθ1未満の場合に比べて、ばね4の有効巻数が大きく、ばね定数が小さい。また、ばね4の拡径方向のねじり角度がθ2になると、ばね4の中領域4cの外周面が環状面2bに当接すること又は、本発明の参考例では、ばね4の拡径方向のねじり角度が限界に達することにより、ばね4のそれ以上の拡径方向の変形が規制され、外回転体2及び内回転体3が一体的に回転する。これにより、ばねの拡径方向の変形による破損を防止できる。
次に、外回転体2の回転速度が内回転体3の回転速度よりも小さくなった場合(即ち、外回転体2が減速する場合)について説明する。
この場合、外回転体2は、内回転体3に対して逆方向(図2の矢印方向と逆の方向)に相対回転する。外回転体2の相対回転に伴って、ばね4の一端側領域4aが、圧接面2aと共に移動し、内回転体3に対して相対回転する。これにより、ばね4が縮径方向にねじれる。ばね4の縮径方向のねじり角度がθ3(例えば、θ3=10°)未満の場合、一端側領域4aの圧接面2aに対する圧接力は、ねじり角度がゼロの場合に比べて若干低下するものの、一端側領域4aは圧接面2aに圧接している。また、他端側領域4bの接触面3axに対する圧接力は、ねじり角度がゼロの場合に比べて若干増大する。ばね4の縮径方向のねじり角度がθ3以上の場合、一端側領域4aの圧接面2aに対する圧接力は略ゼロとなり、一端側領域4aは圧接面2aに対して外回転体2の周方向に摺動する。したがって、外回転体2と内回転体3との間でトルクは伝達されない。
このように、ばね4は、内回転体3が外回転体2に対して正方向に相対回転するとき外回転体2及び内回転体3のそれぞれと係合して外回転体2と内回転体3との間でトルクを伝達する一方、内回転体3が外回転体2に対して逆方向に相対回転するとき外回転体2及び内回転体3の少なくとも一方(本実施形態では、圧接面2a)に対して摺動(本実施形態では、外回転体2の周方向に摺動)して外回転体2と内回転体3との間でトルクを伝達しない。また、プーリ構造体1は、ばね4の拡径又は縮径により外回転体2及び内回転体3の間でトルクを伝達又は遮断するように構成されている。
制振スリーブ8(図1及び図3参照)は、合成ゴム(例えば、クロロプレンゴム、ウレタンゴム、ニトリルゴム、水素添加ニトリルゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等のゴム成分を含むゴム組成物)からなる円筒状の弾性スリーブであって、内回転体3とばね4との間に設けられ、外回転体2及び内回転体3のいずれにも接触せず、拡径方向の自己弾性復元力によってばね4における中領域4cを含む領域の内周面に接触している。制振スリーブ8は、外力を受けていない状態において、軸方向に沿った全長に亘って径が一定であり、このときの制振スリーブ8の外径は、外力を受けていない状態でのばね4の内径よりも大きく、ばね4が外回転体2の環状面2bに当接した状態(ロック状態)でのばね4の内径よりも若干大きい。つまり、制振スリーブ8は、プーリ構造体1がロック状態のときでも、ばね4における中領域4cを含む領域の内周面に、拡径方向の自己弾性復元力により接触する。
制振スリーブ8の厚み等は、例えば後述する加振試験等で制振効果を確認した上で、決定されてよい。
以上に述べたように、本実施形態によれば、制振スリーブ8によって、ばね4の微小振動を直ちに熱エネルギーに変換して減衰させることができる。したがって、ばね4の共振に伴う微小振動を抑制可能である。ひいては、微小振動に起因する問題(軸受6,7の摩擦面にフレッチング摩耗、凝着摩耗、アブレシブ摩耗等が生じ、結果としてプーリ構造体1が低寿命化するという問題、及び、ばね4の線間接触によってコイルの摩耗粉が発生するという問題)を抑制することができる。
制振スリーブ8は、外回転体2及び内回転体3のいずれにも接触しない。制振スリーブ8が外回転体2及び/又は内回転体3に接触する場合、制振スリーブ8に圧縮力やずり力が加わり、制振スリーブ8が変形又は損傷するという問題が生じ得る。これに対し、上記構成によれば、当該問題を抑制することができ、長期にわたって制振効果を維持することができる。
制振スリーブ8は、合成ゴムからなる弾性スリーブである。この場合、制振性、耐熱性、耐油性等に優れたものとなる。
プーリ構造体1は、ばね4の中領域4cの外周面が外回転体2の内周面に当接すること又は、本発明の参考例では、ばね4の拡径方向のねじり角度が限界に達することにより、ばね4のそれ以上の拡径方向の変形が規制され、外回転体2及び内回転体3が一体的に回転するように構成されている。この場合、ばね4の拡径方向の変形による破損を防止できる。また、上記のような構成(即ち、所定の条件が満たされることで、ばね4のそれ以上の拡径方向の変形が規制され、外回転体2及び内回転体3が一体的に回転する構成)において、摩擦減衰力を利用した制振機構(例えば、軸方向においてばね4と内回転体3との間に摩擦板を設け、ばね4の弾性力で摩擦板を内回転体3に押し付けた構成において、ばね4の微小振動を摩擦板と内回転体3との摩擦抵抗で減衰させるという機構)を採用すると、外回転体2及び内回転体3が一体的に回転する間は、制振効果を得ることができない。これに対し、本実施形態の制振スリーブ8は、摩擦減衰力を利用した制振機構ではなく、ばね4の微小振動を直ちに熱エネルギーに変換して減衰させるものであるため、外回転体2及び内回転体3が一体的に回転する間でも、制振効果が得られる。
続いて、本発明の第2実施形態について説明する。
本発明の第2実施形態に係るプーリ構造体201(図4参照)は、制振スリーブ8の外周面に8つの凸条8aが設けられた点において第1実施形態のプーリ構造体1と異なり、その他は第1実施形態のプーリ構造体1と同様の構成である。8つの凸条8aは、軸方向にそれぞれ延在し、回転軸の周方向に等間隔に配列されている。本実施形態では、制振スリーブ8の各凸条8aの先端面が、ばね4における中領域4cを含む領域の内周面に接触している。
各凸条8aの突出高さや幅、凸条8aの数、制振スリーブ8全体の厚み等は、例えば後述する加振試験等で制振効果を確認した上で、決定されてよい。
本実施形態によれば、制振スリーブ8の外周面に、軸方向にそれぞれ延在し且つ回転軸の周方向に配列された複数の凸条8aが設けられている。この場合、ばね4に制振スリーブ8を装着する作業を行い易い。具体的には、ばね4に制振スリーブ8を装着する際、制振スリーブ8を縮径させた状態で制振スリーブ8の外周面とばね4の内周面とを摺接させながらばね4の内側に挿入する。このとき、凸条8aが設けられている場合、凸条8aが設けられていない場合に比べ、制振スリーブ8におけるばね4の内周面に接触する面積が小さくなる分、摺動抵抗を受け難い。そのため、装着作業性が向上する。
以下、本発明の実施例1,2及び比較例1を用いて行った試験の概要及びその結果について説明する。
実施例1,2は、それぞれ上述の第1実施形態及び第2実施形態に係るプーリ構造体1,201に対応するものである。比較例1は、上述の第1実施形態に係るプーリ構造体1から制振スリーブ8を省略したものである。
実施例1,2では、制振スリーブ8を、以下のように成形してばね4に装着した。先ず、ゴム成分として水素添加ニトリルゴムを含むゴム組成物をバンバリーミキサーで混練し、圧延ロールを用いてゴムシートにした。当該ゴムシートを中芯及び二ツ割外型からなる組み金型のキャビティ内に投入し、プレス成形機を用いて型締めすると共に、熱及び圧力を加えて加硫成形した。加硫成形後の制振スリーブ8のデュロメータA硬さは70であった。そしてこのように成形した制振スリーブ8を、縮径させた状態で、制振スリーブ8の外周面とばね4の内周面とを摺接させながらばね4の内側に挿入し、外回転体2及び内回転体3のいずれにも接触せず、且つ、拡径方向の自己弾性復元力によってばね4における中領域4cを含む領域の内周面に接触する位置に配置した。
実施例1,2では、制振スリーブ8の内径、外径及び軸方向の長さを同一にした。即ち、実施例2では、制振スリーブ8における凸状8aを含む部分の厚みを、実施例1の制振スリーブ8の厚みと同一にした。また、実施例2では、凸状8aの突出高さの制振スリーブ8全体の厚みに対する割合を63%とした。
<加振試験>
加振試験では、実車エンジン高回転領域条件(例えば、クランク軸の回転数が5000rpm以上)での高周波振動が補機の駆動軸を介してプーリ構造体に伝播してプーリ構造体が加振される状態を想定し、以下のように条件を設定した。(具体的には、入力加速度を一定にして周波数を増加させることで、振幅が周波数の増加に応じて小さくなり、高回転領域条件での高周波振動が再現されるようにした。)
・入力加速度=一定(30G): 30Gは、自動車エンジン又は自動車エンジン用部品に対する振動試験において入力する振動の強さとして当業者間で妥当とされている水準である。
・周波数=下限30Hz・上限300Hz(掃引): 一定の変化率(掃引速度=0.5Hz/sec)で下限から上限に周波数を変化(掃引)させた。
・雰囲気温度=23℃(常温)
ここで、周波数をクランク軸の回転数に換算してみる。
換算式: クランク軸の回転数(rpm)=60×周波数(Hz)/基本次数i(ここで、基本次数iは、6気筒:3、4気筒:2)
a)4サイクル4気筒エンジンの場合
周波数の下限30Hzはクランク軸の回転数900rpmに相当し、周波数の上限300Hzはクランク軸の回転数9000rpmに相当し、応答加速度の上昇起点と見なされる250Hzはクランク軸の回転数7500rpmに相当する。
b)4サイクル6気筒エンジンの場合
周波数の下限30Hzはクランク軸の回転数600rpmに相当し、周波数の上限300Hzはクランク軸の回転数6000rpmに相当し、応答加速度の上昇起点と見なされる250Hzはクランク軸の回転数5000rpmに相当する。
加振試験では、先ず、実施例1,2及び比較例1に係る供試体1xを、図5に示すように、エンドキャップ5を取り外した状態にして、治具51に固定した。治具51にはオルタネータの駆動軸Sと同様の軸Sxが設けられており、当該軸Sxを供試体1xにおける内回転体3の筒本体3aの内周面のネジ溝に螺合した。そして、供試体1xが固定された治具51を、加振器52の振動台52x上に螺子止めした。その後、応答加速度センサ53を内回転体3の円環板部3cの他端面(図1参照:内回転体3におけるばね4の他端と接触する面の近傍であり、軸方向に加振した場合にばね4の微小振動が集中的に伝達されると想定される面)に取り付け、加振器52を作動させて、サンプリング周波数毎の応答加速度を測定した。具体的には、応答加速度を示す信号を応答加速度センサ53からFFTアナライザー54に送信し、FFTアナライザー54に記録された応答加速度をPC(personal computer)55で処理し、図6のグラフを得た。
加振試験の結果及び評価を下記表1に示す。
表1において、「評価」は、周波数範囲(下限〜上限)の全域に亘って応答加速度が略フラットであれば「○(問題なし)」、応答加速度に突出したピーク(山)が出現し且つそのピーク(山)の周波数帯が対象エンジンのクランク軸の常用回転数範囲内に相当すれば「×(問題あり)」、応答加速度に突出したピーク(山)が出現し且つそのピーク(山)の周波数帯が対象エンジンのクランク軸の常用回転数範囲外に相当すれば「△(実質的には問題なし)」とした。
図6に示すように、制振スリーブ8の有無及び凸条8aの有無によらず、実施例1,2及び比較例1の全てにおいて、周波数範囲30〜250Hzでは応答加速度が上昇せず略フラットであった。これは、周波数範囲30〜250Hzではばね4が共振しなかったためと推察される。
また、図6に示すように、比較例1(制振スリーブ無し)の場合、周波数範囲250〜300Hzで応答加速度が上昇した。これは、制振スリーブ8がない場合、共振に伴うばね4の微小振動が円環板部3cの他端面に集中的に伝達されたためと推察される。
比較例1(制振スリーブ無し)のプーリ構造体を4サイクル4気筒エンジンの補機(例えばオルタネータ)のプーリに適用する場合、共振に伴う微小振動が想定される周波数範囲250〜300Hzは、表1に示すとおり、常用回転数範囲外(7500〜9000rpm)に相当するため、ばね4の微小振動に関する問題は実質的には生じないと考えられる。
比較例1(制振スリーブ無し)のプーリ構造体を4サイクル6気筒エンジンの補機(例えばオルタネータ)のプーリに適用する場合、共振に伴う微小振動が想定される周波数範囲250〜300Hzは、表1に示すとおり、常用回転数範囲内(5000〜6000rpm)に相当するため、ばね4の微小振動に関する問題が生じ得ると考えられる。
実施例1,2(制振スリーブ有り)の場合、図6に示すように、比較例1(制振スリーブ無し)の場合に応答加速度が上昇した周波数範囲250〜300Hzにおいても、応答加速度が増加せず、周波数範囲(下限〜上限)の全域に亘って応答加速度が略フラットであった。これは、制振スリーブ8を設けたことで、ばね4の共振に伴う微小振動を抑制できたためと推察される。
また、実施例1(凸条8a無し)及び実施例2(凸条8a有り)では、図6に示すように、周波数範囲(下限〜上限)の全域に亘って、応答加速度に差がなかった。
各供試体1xを試験後に分解し、各部材の異常の有無を目視で確認したところ、比較例1にばね4の線間接触の痕跡が認められたが、実施例1,2にはばね4の線間接触の痕跡が認められなかった。また、実施例1,2には制振スリーブ8の変形や損傷等の異常が全く認められなかった。一対の軸受6,7についても、実施例1,2では異常が全く認められなかった。
<アイドル耐久試験>
実施例1,2について、図7に示すアイドル耐久試験機80を用いてアイドル耐久試験を行った。アイドル耐久試験機80は、オルタネータ81と、オルタネータ81の駆動軸Sに取り付けられた実施例1,2に係る供試体1xと、クランクプーリ83と、クランクプーリ83と供試体1xとに巻回されたVリブドベルト84と、クランクプーリ83と同軸に固定されたタイミングプーリ85と、モータ86と、モータ86の駆動軸に連結されたタイミングプーリ87と、タイミングプーリ85,87に巻回されたタイミングベルト88とを含む。また、オルタネータ81、供試体1x、クランクプーリ83及びVリブドベルト84を含む空間を、恒温槽82とし、雰囲気温度を一定に保った。
アイドル耐久試験では、実車アイドリング状態(雰囲気温度が最も高く、回転体2,3間の回転変動が最も大きいとされる、アイドリング状態)を想定し、以下の条件でアイドル耐久試験機80を作動させた。
・クランクプーリ83の回転数=500〜800rpm
・オルタネータ81及び供試体1xの回転数=2000〜2500rpm
・オルタネータ81及び供試体1xの表面温度=130℃(恒温槽82を実車アイドリング状態と同じ130℃に保った。)
上記の条件でアイドル耐久試験機80を2000時間連続して作動させた後、供試体1xを室温まで冷却させてから分解し、制振スリーブ8の状態を目視で確認したところ、実施例1,2共に、制振スリーブ8の変形や損傷等の異常が認められず、また、制振スリーブ8のばね4への装着状態にも異常(浮き、ずれ等)が認められなかった。一対の軸受6,7、その他の部材についても、実施例1,2共に、異常が認められなかった。
以上、本発明の好適な実施の形態及び実施例について説明したが、本発明は上述の実施形態及び実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な設計変更が可能なものである。
プーリ構造体は、オルタネータの軸に取り付けられるものに限定されず、例えばオルタネータ以外の補機の軸に取り付けられるものであってもよい。
プーリ構造体の構成は、上述の実施形態のものに限定されない。例えば、当接面3dが、円弧状ではなく、内回転体3の径方向に沿った直線状であってもよいし、また、内周側の部分が内回転体3の径方向に対して傾斜した直線状または円弧状であって、外周側の部分が内回転体3の径方向に沿った直線状であってもよい。ばね4の線材の断面は、正方形状に限定されず、長方形状や円形状であってもよい。外力を受けていない状態でのばね4の径は、全長に亘って一定でなくてもよい。突起3eが、内回転体3の周方向に沿って、当接面3dまで延在してもよい。突起3eとばね4の外周面との間に隙間がなくてもよい。突起3eを省略してもよい。
プーリ構造体に外力が付与されていない状態でのばね4の一端及び他端における圧接面2a及び接触面3axとの接触範囲は、一端及び他端から半周以上に割った範囲に限定されず、これより長くても短くてもよい。
転がり軸受7は、接触シール式の密閉形玉軸受に限定されず、シールド式又は非接触シール式の密閉形転がり軸受であってもよいし、転動体として玉ではなくころを用いたころ軸受であってもよい。
軸受の種類は、滑り軸受や転がり軸受に限定されず、任意である。
凸条の数は、2つ以上であればよい。また、制振スリーブのねじりコイルばねに対する位置決めのため、複数の凸条を、軸方向から見て制振スリーブの対角線上に配置することが好ましい。
制振スリーブは、実施例1,2ではプレス成形により成形したが、任意の方法(例えば、ゴム射出成形、ゴム移送成形、ゴム押出成形等)で成形してよい。
上述の加振試験では、実車エンジン高回転領域条件での高周波振動が補機の駆動軸を介してプーリ構造体に伝播してプーリ構造体が加振される状態を想定して試験を行い、実施例1,2でばね4の共振に伴う微小振動が抑制されることを説明したが、本発明は、このような振動形態に限定されず、例えば回転体2,3間の回転変動に応じてばね4がねじれたりねじり戻されたりする際のばね4の微小振動をも抑制することができる。
1;201 プーリ構造体
2 外回転体
3 内回転体
4 ねじりコイルばね
4a 一端側領域
4b 他端側領域
4c 中領域
6,7 軸受
8 制振スリーブ
8a 凸条
B ベルト

Claims (4)

  1. ベルトが巻回される筒状の外回転体と、
    前記外回転体の内側に設けられ、前記外回転体に対して前記外回転体と同一の回転軸を中心として相対回転可能な内回転体と、
    前記外回転体と前記内回転体との間に設けられたねじりコイルばねと、
    前記回転軸に沿った軸方向の一端側及び他端側のそれぞれにおいて前記外回転体及び前記内回転体の間に介在して前記外回転体及び前記内回転体を相対回転可能に連結する一対の軸受とを備え、
    前記ねじりコイルばねの拡径又は縮径により前記外回転体及び前記内回転体の間でトルクを伝達又は遮断するプーリ構造体において、
    前記ねじりコイルばねは、前記プーリ構造体に外力が付与されていない状態において、前記軸方向に圧縮され、前記一端側で前記外回転体及び前記内回転体の一方に接触する一端側領域と、前記他端側で前記外回転体及び前記内回転体の他方に接触する他端側領域と、前記一端側領域及び前記他端側領域の間において前記外回転体及び前記内回転体のいずれにも接触しない中領域とを有し、
    前記内回転体と前記ねじりコイルばねとの間に設けられ、拡径方向の自己弾性復元力によって前記ねじりコイルばねにおける前記中領域を含む領域の内周面に接触し、前記外回転体及び前記内回転体のいずれにも接触しない制振スリーブをさらに備え
    前記ねじりコイルばねが拡径方向に変形したときに、前記ねじりコイルばねの前記中領域の外周面が前記外回転体の内周面に当接するように構成されたことを特徴とする、プーリ構造体。
  2. 前記制振スリーブの外周面に、前記軸方向にそれぞれ延在し且つ前記回転軸の周方向に配列された複数の凸条が設けられたことを特徴とする、請求項1に記載のプーリ構造体。
  3. 前記制振スリーブは、合成ゴムからなる弾性スリーブであることを特徴とする、請求項1又は2に記載のプーリ構造体。
  4. 前記ねじりコイルばねの前記中領域の外周面が前記外回転体の内周面に当接することにより、前記ねじりコイルばねのそれ以上の拡径方向の変形が規制され、前記外回転体及び前記内回転体が一体的に回転するように構成されたことを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載のプーリ構造体。
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