JP6571599B2 - プーリ構造体におけるクラッチ係合部の耐摩耗性試験方法及び耐摩耗性試験装置 - Google Patents

プーリ構造体におけるクラッチ係合部の耐摩耗性試験方法及び耐摩耗性試験装置 Download PDF

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Description

本発明は、プーリ構造体におけるクラッチ係合部の耐摩耗性試験方法及び耐摩耗性試験装置に関する。
外輪と外輪の内側に設けられ且つ外輪に対して相対回転可能な内輪とを含むプーリ構造体において、外輪に巻回されるベルトのスリップ防止等の観点から、外輪と内輪との間に、トルクを一方向に伝達又は遮断する一方向クラッチを設ける技術が知られている。例えば、特許文献1では、一方向クラッチとして、ねじりコイルばねを含むコイルスプリング式クラッチが設けられている。特許文献2では、一方向クラッチとして、スプラグを含むスプラグ式クラッチが設けられている。
一方向クラッチは、内輪が外輪に対して正方向に相対回転するとき、係合状態となり、外輪及び内輪のそれぞれと係合して、外輪と内輪との間でトルクを伝達する一方、内輪が外輪に対して逆方向に相対回転するとき、係合解除状態となり、外輪及び内輪の少なくとも一方に対して摺動して、外輪と内輪との間でトルクを伝達しない。特許文献1において、クラッチが係合解除状態にあるとき、ねじりコイルばねは第1回転体(外輪)に対して外輪の周方向に摺動する。特許文献2において、クラッチが係合解除状態にあるとき、スプラグは内方部材(内輪)及び外輪に対して摺動する。当該摺動により、クラッチにおける内輪及び/又は外輪と接触する部分や、内輪及び/又は外輪におけるクラッチと接触する部分(以下、当該部分を「クラッチ係合部」という。)が摩耗し得る。クラッチ係合部が摩耗すると、クラッチが係合状態となるときのクラッチと内輪及び/又は外輪との接触面圧が減少することで、伝達されるトルク値が減少し得る。
そこで、プーリ構造体におけるクラッチ係合部の耐摩耗性を評価するため、様々な試験方法が提案されている。例えば、特許文献2(段落0036〜0039)には、クラッチの係合状態と係合解除状態との切替えを所定回数(負荷回数:106回)行った後、クラッチ(スプラグ)の摩耗量を測定するという方法が示されている。特許文献3(段落0035)には、プーリ構造体に接続されたエンジンに種々の条件(例えば、エンジンの減速、加速、市街地運転、高速道路運転及び他の条件)を課して、1回あたり2000時間の試験を行い、その後プーリ構造体を分解して、クラッチ係合部の摩耗度合いを検査するという方法が示されている。特許文献4(段落0032)には、所定回数(例えば50万回)のエンジン始動を含む試験形態が示されている。
特開2014−114947号公報 特開2007−132518号公報 特開2013−527401号公報 特許5677305号
上記のような方法では、耐摩耗性評価に、多大な時間がかかり、また、プーリ構造体を分解する必要があるため、手間もかかる。
本発明の目的は、耐摩耗性評価にかかる時間及び手間を共に低減可能な耐摩耗性試験方法及び耐摩耗性試験装置を提供することである。
本発明の第1観点によると、プーリ構造体におけるクラッチ係合部の耐摩耗性試験方法において、前記プーリ構造体は、外輪と、前記外輪の内側に設けられ且つ前記外輪に対して相対回転可能な内輪と、前記外輪と前記内輪との間に設けられ且つトルクを一方向に伝達又は遮断する一方向クラッチであって、前記内輪が前記外輪に対して正方向に相対回転するとき前記外輪及び前記内輪のそれぞれと係合して前記外輪と前記内輪との間でトルクを伝達し、前記内輪が前記外輪に対して逆方向に相対回転するとき前記外輪及び前記内輪の少なくとも一方に対して摺動して前記外輪と前記内輪との間でトルクを伝達しない一方向クラッチとを有し、前記外輪を回転不能に固定した状態で前記内輪を前記外輪に対して前記逆方向に相対回転させたときの前記内輪のトルク値の時系列変化を検出する検出ステップと、前記検出ステップにおいて検出されたトルク値の時系列変化に基づいて前記クラッチ係合部の耐摩耗性を評価する評価ステップとを備えたことを特徴とする、耐摩耗性試験方法が提供される。
本発明の第2観点によると、プーリ構造体におけるクラッチ係合部の耐摩耗性試験装置であって、前記プーリ構造体は、外輪と、前記外輪の内側に設けられ且つ前記外輪に対して相対回転可能な内輪と、前記外輪と前記内輪との間に設けられ且つトルクを一方向に伝達又は遮断する一方向クラッチであって、前記内輪が前記外輪に対して正方向に相対回転するとき前記外輪及び前記内輪のそれぞれと係合して前記外輪と前記内輪との間でトルクを伝達し、前記内輪が前記外輪に対して逆方向に相対回転するとき前記外輪及び前記内輪の少なくとも一方に対して摺動して前記外輪と前記内輪との間でトルクを伝達しない一方向クラッチとを有し、前記外輪を回転不能に固定する固定手段と、前記内輪を前記外輪に対して前記逆方向に相対回転させる回転手段と、前記固定手段によって前記外輪を回転不能に固定した状態で前記回転手段によって前記内輪を前記外輪に対して前記逆方向に相対回転させたときの前記内輪のトルク値の時系列変化を検出する検出手段と、を備えたことを特徴とする、耐摩耗性試験装置が提供される。
本発明者等は、プーリ構造体の仕様を種々変更して様々な方法で試験・評価を重ねた結果、クラッチ係合部が摩耗して、クラッチが係合状態となるときのクラッチと内輪及び/又は外輪との接触面圧が減少すると、トルクの絶対値が低下することを知見した。そして、本発明者等は、クラッチの係合状態と係合解除状態とを交互に生じさせるのではなく、クラッチを係合解除状態に維持して摺動を連続的に生じさせて、トルク値の時系列変化を検出し、検出したトルク値の時系列変化に基づいてクラッチ係合部の摩耗度合いを推測できることを見出した。
上記第1及び第2観点によれば、クラッチの係合状態と係合解除状態とを交互に生じさせるのではなく、クラッチを係合解除状態に維持して摺動を連続的に生じさせ、トルク値の時系列変化に基づいてクラッチ係合部の耐摩耗性を評価するという手法を採用したことで、比較的短時間で且つ手間をかけずに耐摩耗性評価を行うことができる。即ち、耐摩耗性評価にかかる時間及び手間を共に低減可能である。
前記一方向クラッチは、コイルスプリング式クラッチであって、前記外輪と前記内輪との間に収容され、前記内輪が前記外輪に対して前記逆方向に相対回転するとき前記外輪に対して前記外輪の周方向に摺動するねじりコイルばねを含んでよい。コイルスプリング式クラッチの場合、スプラグ式クラッチやローラ式クラッチに比べ、クラッチと内輪及び/又は外輪との接触面積が大きい。そのため、トルク値の時系列変化とクラッチ係合部の摩耗度合いとの相関関係が大きく、トルク値の時系列変化に基づいてクラッチ係合部の耐摩耗性をより高精度に評価することができる。
本発明によれば、クラッチの係合状態と係合解除状態とを交互に生じさせるのではなく、クラッチを係合解除状態に維持して摺動を連続的に生じさせ、トルク値の時系列変化に基づいてクラッチ係合部の耐摩耗性を評価するという手法を採用したことで、比較的短時間で且つ手間をかけずに耐摩耗性評価を行うことができる。即ち、耐摩耗性評価にかかる時間及び手間を共に低減可能である。
本発明の一実施形態に係る耐摩耗性試験装置を示す概略構成図である。 (a)は、プーリ構造体が設置される自動車の補機駆動システムを示す概略構成図である。(b)は、(a)の補機駆動システムにおいて、プーリ構造体と駆動プーリとの接続構成を示す部分側面図である。 本発明の一実施形態に係る耐摩耗性試験装置に設置されるプーリ構造体を示す、プーリ構造体の回転軸を通り且つ当該回転軸と平行な方向に沿った、断面図である。 図3のIV−IV線に沿った断面図である。 図3のV−V線に沿った断面図である。 図3に示すプーリ構造体のねじりコイルばねのねじり角度とねじりトルクとの関係を示すグラフである。 本発明の一実施形態に係る耐摩耗性試験方法を示すフロー図である。 (a)は、実施例1の試験初期段階におけるトルク値の時系列変化を示すグラフである。(b)は、実施例1の試験途中段階におけるトルク値の時系列変化を示すグラフである。(c)は、実施例2の試験途中段階におけるトルク値の時系列変化を示すグラフである。(d)は、実施例2の試験最終段階におけるトルク値の時系列変化を示すグラフである。
本発明の一実施形態に係る耐摩耗性試験装置100は、図1に示すように、モータ10、トルク計20、エンコーダ30、軸受40、固定具50、データロガー60及びPC(personal computer)70を含む。耐摩耗性試験の対象となるプーリ構造体1は、モータ10の軸11の先端に取り付けられる。
プーリ構造体1は、例えば、図2に示すように、自動車の補機駆動システム200において、オルタネータ220の軸221に取り付けられるものである。補機駆動システム200は、エンジン210のクランク軸211に取り付けられた駆動プーリ201と、オルタネータ220等の補機を駆動する従動プーリ202,203,204及びプーリ構造体1と、これらプーリ201〜204及びプーリ構造体1に巻回されたベルト250とを含む。クランク軸211の回転がベルト250を介して従動プーリ202,203,204及びプーリ構造体1に伝達されることで、オルタネータ220等の補機が駆動される。クランク軸211の回転速度がエンジン210の燃焼に応じて変動するのに伴い、ベルト250の走行速度も変動する。そのため、プーリ構造体1とベルト250との間でスリップが生じたり、ベルト250の張力が大きく変動したりし得る。このようなベルト250のスリップや張力の過大な変動は、ベルト250の異音の発生や寿命低下等の原因となる。特にオルタネータ220は、軸221の慣性モーメントが大きいため、ベルト250のスリップや張力変動が生じ易い。さらに、オルタネータ220の軸221にクランク軸211の回転変動が伝えられると、オルタネータ220の耐久性が低下し、また、発電効率に悪影響が生じ得る。そこで、プーリ構造体1は、後述のように、一方向クラッチを内蔵している。
プーリ構造体1は、図3〜図5に示すように、外輪2、内輪3、ねじりコイルばね(以下、単に「ばね」という。)4及びエンドキャップ5を含む。エンドキャップ5は、外輪2及び内輪3の前端(図3において左側を前、右側を後という。)に配置されている。
外輪2及び内輪3は、共に略円筒状であり、同一の回転軸を有する。外輪2及び内輪3の回転軸は、プーリ構造体1の回転軸であり、以下、単に「回転軸」という。内輪3は、外輪2の内側に設けられ、外輪2に対して相対回転可能である。外輪2の外周面に、ベルト250が巻回される。内輪3は、モータ10の軸11(図1参照)又はオルタネータ220の軸221(図2(b)参照)が嵌合される筒本体3a、及び、筒本体3aの前端の外側に配置された外筒部3bを有する。
外輪2の後端の内周面と、筒本体3aの外周面との間に、転がり軸受6が介設されている。外輪2の前端の内周面と、外筒部3bの外周面との間に、滑り軸受7が介設されている。軸受6,7によって、外輪2及び内輪3が相対回転可能に連結されている。
外輪2及び内輪3の間であって、転がり軸受6よりも前方に、空間8が形成されている。空間8に、ばね4が収容されている。空間8は、外輪2の内周面及び外筒部3bの内周面と、筒本体3aの外周面との間に形成されている。
外輪2の内径は、後方に向かって2段階で小さくなっている。最も小さい内径部分における外輪2の内周面を圧接面2a、2番目に小さい内径部分における外輪2の内周面を環状面2bという。圧接面2aにおける外輪2の内径は、外筒部3bの内径よりも小さい。環状面2bにおける外輪2の内径は、外筒部3bの内径と同じかそれよりも大きい。
筒本体3aは、前端において外径が大きくなっている。この部分における内輪3の外周面を接触面3cという。
ばね4は、左巻き(前端から後端に向かって反時計回り)であり、外力を受けていない状態において、全長に亘って径が一定である。外力を受けていない状態でのばね4の外径は、圧接面2aにおける外輪2の内径よりも大きい。ばね4は、後端側領域が縮径された状態で、空間8に収容されている。ばね4における後端側領域の外周面は、ばね4の拡径方向の自己弾性復元力によって、圧接面2aに押し付けられている。また、プーリ構造体1が停止しており、ばね4における後端側領域の外周面がばね4の拡径方向の自己弾性復元力によって圧接面2aに押し付けられた状態において、ばね4の前端側領域4bは、若干拡径された状態で、接触面3cと接触している。つまり、プーリ構造体1が停止している状態において、ばね4における前端側領域4bの内周面は、接触面3cに押し付けられている。
前端側領域4bは、ばね4の前端から半周以上(回転軸回りに180°以上)の領域をいう。また、前端側領域4bのうち、ばね4の前端から回転軸回りに90°離れた位置付近を第2領域4b2、第2領域4b2よりも前端側の部分を第1領域4b1、残りの部分を第3領域4b3という(図4参照)。
図4に示すように、内輪3の前端部分には、ばね4の前端面4aと対向する当接面3dが形成されている。また、外筒部3bの内周面には、外筒部3bの径方向内側に突出して前端側領域4bの外周面と対向する突起3eが設けられている。突起3eは、第2領域4b2と対向している。
次いで、プーリ構造体1の動作について説明する。
先ず、外輪2の回転速度が内輪3の回転速度よりも大きくなった場合(即ち、外輪2が加速する場合)について説明する。
この場合、外輪2は、内輪3に対して正方向(図4及び図5の矢印方向)に相対回転する。外輪2の相対回転に伴って、ばね4の後端側領域が、圧接面2aと共に移動し、内輪3に対して相対回転する。これにより、ばね4が拡径方向にねじれる。ばね4の後端側領域の圧接面2aに対する圧接力は、ばね4の拡径方向のねじり角度が大きくなるほど増大する。第2領域4b2は、ねじり応力を最も受け易く、ばね4の拡径方向のねじり角度が大きくなると、接触面3cから離れる。このとき、第1領域4b1及び第3領域4b3は、接触面3cに圧接している。第2領域4b2が接触面3cから離れると略同時に、又は、ばね4の拡径方向のねじり角度がさらに大きくなったときに、第2領域4b2の外周面が突起3eに当接する。第2領域4b2の外周面が突起3eに当接することで、前端側領域4bの拡径方向の変形が規制され、ねじり応力がばね4における前端側領域4b以外の部分に分散され、特にばね4の後端側領域に作用するねじり応力が増加する。これにより、ばね4の各部に作用するねじり応力の差が低減され、ばね4全体で歪エネルギーを吸収できるため、ばね4の局部的な疲労破壊を防止できる。
また、第3領域4b3の接触面3cに対する圧接力は、ばね4の拡径方向のねじり角度が大きくなるほど低下する。第2領域4b2が突起3eに当接すると同時に、又は、ばね4の拡径方向のねじり角度がさらに大きくなったときに、第3領域4b3の接触面3cに対する圧接力が略ゼロとなる。このときのばね4の拡径方向のねじり角度をθ1(例えば、θ1=3°)とする。ばね4の拡径方向のねじり角度がθ1を超えると、第3領域4b3は、拡径方向に変形することで、接触面3cから離れていく。しかし、第3領域4b3と第2領域4b2との境界付近において、ばね4が湾曲(屈曲)することはなく、前端側領域4bは円弧状に維持される。つまり、前端側領域4bは、突起3eに対して摺動し易い形状に維持されている。そのため、ばね4の拡径方向のねじり角度が大きくなって前端側領域4bに作用するねじり応力が増加すると、前端側領域4bは、第2領域4b2の突起3eに対する圧接力及び第1領域4b1の接触面3cに対する圧接力に抗して、突起3e及び接触面3cに対して外輪2の周方向に摺動する。そして、前端面4aが当接面3dを押圧することにより、外輪2と内輪3との間で確実にトルクを伝達できる。
なお、ばね4の拡径方向のねじり角度がθ1以上且つθ2(例えば、θ2=45°)未満の場合、第3領域4b3は、接触面3cから離隔し且つ外筒部3bの内周面に接触しておらず、第2領域4b2は、突起3eに圧接されている。そのため、この場合、ばね4の拡径方向のねじり角度がθ1未満の場合に比べて、ばね4の有効巻数が大きく、ばね定数(図6に示す直線の傾き)が小さい。また、ばね4の拡径方向のねじり角度がθ2になると、ばね4の中領域(前端側領域4bと後端側領域との間の領域)の外周面が環状面2bに当接するか、又は、ばね4の拡径方向のねじり角度が限界に達することで、ばね4のそれ以上の拡径方向の変形が規制されて、外輪2及び内輪3が一体的に回転する。これにより、ばねの拡径方向の変形による破損を防止できる。
次に、外輪2の回転速度が内輪3の回転速度よりも小さくなった場合(即ち、外輪2が減速する場合)について説明する。
この場合、外輪2は、内輪3に対して逆方向(図4及び図5の矢印方向と逆の方向)に相対回転する。外輪2の相対回転に伴って、ばね4の後端側領域が、圧接面2aと共に移動し、内輪3に対して相対回転する。これにより、ばね4が縮径方向にねじれる。ばね4の縮径方向のねじり角度がθ3(例えば、θ3=10°)未満の場合、後端側領域の圧接面2aに対する圧接力は、ねじり角度がゼロの場合に比べて若干低下するものの、後端側領域は圧接面2aに圧接している。また、前端側領域4bの接触面3cに対する圧接力は、ねじり角度がゼロの場合に比べて若干増大する。ばね4の縮径方向のねじり角度がθ3以上の場合、後端側領域の圧接面2aに対する圧接力は略ゼロとなり、後端側領域は圧接面2aに対して外輪2の周方向に摺動する。したがって、外輪2と内輪3との間でトルクは伝達されない(図6参照)。
このように、ばね4は、コイルスプリング式クラッチであって、トルクを一方向に伝達又は遮断する一方向クラッチとして機能する。ばね4は、内輪3が外輪2に対して正方向に相対回転するとき外輪2及び内輪3のそれぞれと係合して外輪2と内輪3との間でトルクを伝達する一方、内輪3が外輪2に対して逆方向に相対回転するとき外輪2及び内輪3の少なくとも一方(本実施形態では、圧接面2a)に対して摺動(本実施形態では、外輪2の周方向に摺動)して外輪2と内輪3との間でトルクを伝達しない。即ち、圧接面2aと、ばね4における後端側領域の外周面とが、本発明の「クラッチ係合部」に該当する。
次いで、図1に戻り、耐摩耗性試験装置100の各部について、具体的に説明する。
モータ10の軸11の先端には、雄螺子部が設けられている。当該雄螺子部に内輪3の筒本体3aの内周面に形成された雌螺子部が嵌合されることで、軸11の先端にプーリ構造体1が取り付けられる。
トルク計20は、軸11に取り付けられており、データロガー60及びPC70と電気的に接続されている。トルク計20は、軸11のトルク値を示すトルク信号をデータロガー60及びPC70に送信する。
エンコーダ30は、軸11に取り付けられており、データロガー60及びPC70と電気的に接続されている。エンコーダ30は、軸11の回転角度を示す回転角度信号をデータロガー60及びPC70に送信する。エンコーダ30は、軸11のトルクロスを抑制するという観点から、低摺動抵抗タイプを採用することが好ましい。
軸受40は、軸11の先端近傍において、軸11を回転可能に支持している。軸受40についても、軸11のトルクロスを抑制するという観点から、低摺動抵抗タイプを採用することが好ましい。
固定具50は、一対のブロック51,52を含む。各ブロック51,52は、例えば金属からなり、図4及び図5に示すように、V字状の凹面を有する。一対のブロック51,52は、凹面同士が対向するように配置され、軸11の先端に取り付けられたプーリ構造体1を挟持した状態で、凹面同士の対向方向に互いに近づく方向に押圧されることにより、プーリ構造体1の外輪2を回転不能に固定する。即ち、固定具50は、本発明の「固定手段」に該当する。
次いで、図7を参照し、耐摩耗性試験装置100を用いたプーリ構造体1におけるクラッチ係合部の耐摩耗性試験方法について説明する。
先ず、プーリ構造体1を、モータ10の軸11の先端に取り付ける(S1)。このとき、軸11の先端に設けられた雄螺子部を内輪3の筒本体3aの雌螺子部に嵌合する。
S1の後、固定具50により、外輪2を回転不能に固定する(S2)。
S2の後、モータ10を駆動し、軸11と共に内輪3を回転させる(S3)。このとき、内輪3は外輪2に対して逆方向に相対回転される。即ち、モータ10は本発明の「回転手段」に該当する。また本実施形態では、雰囲気温度を25±5℃(常温)とし、軸11の回転数を、常温雰囲気下でクラッチ係合部に焼付きが発生しない回転数(例えば、400rpm)とする。
S3の後、トルク計20を用いて、外輪2を回転不能に固定した状態で内輪3を外輪2に対して逆方向に相対回転させたときの内輪3のトルク値の時系列変化を検出する(S4)。S4は、本発明の「検出ステップ」に該当する。トルク計20は、本発明の「検出手段」に該当し、固定具50によって外輪2を回転不能に固定した状態でモータ10によって内輪3を外輪2に対して逆方向に相対回転させたときの内輪3のトルク値の時系列変化を検出する。本実施形態では、クラッチ係合部に対して実車寿命(例えば、目標エンジン始動回数=50万回)に相当する摺動のストレスを強制的かつ連続的に与え、この間の内輪3のトルク値(摺動抵抗)を時系列に沿って検出する。トルク値の時系列変化は、トルク計20から送信されたトルク信号に基づき、データロガー60に記録される。
S4の後、S4で検出されたトルク値の時系列変化に基づいて、クラッチ係合部の耐摩耗性を評価する(S5)。S5は、本発明の「評価ステップ」に該当する。本実施形態では、データロガー60に記録されたトルク値の時系列変化をPC70で処理し、グラフ(図8(a)〜(d)参照)を作成する。そして、作成されたグラフにおいて、試験開始時点から試験終了時点までの間、トルク値の振幅がT0(試験初期段階におけるトルク値の振幅)と同水準(即ち、T0との差が所定値未満)に維持されている場合(図8(c),(d)参照)や、トルク値が所定範囲内(例えば、−1.0N・m以下)に維持されている場合は、クラッチ係合部の耐摩耗性に問題がない(摩耗が生じないか、又は、摩耗が生じても許容範囲内である)と判断する。一方、試験開始時点から試験終了時点までの間に、トルク値の振幅がT0と異なる水準に(即ち、T0よりも所定値以上大きく)なった場合(例えば、図8(b)において、試験途中段階でのトルク値の振幅T1>T0)や、トルク値が所定範囲外となった場合(例えば、−1.0N・mを超えた場合)には、クラッチ係合部の耐摩耗性に問題があると判断する。S5の評価は、試験を行う作業者(人)によって行われる。
また、本実施形態では、エンコーダ30から送信された回転角度信号に基づいて、軸11の回転量の時系列データがデータロガー60に記録される。S5において、データロガー60に記録された軸11の回転量の時系列データをPC70で処理し、回転量とトルク値の関係を表すグラフの作成、回転量からエンジン始動回数への変換を行ってもよい。
また、トルクリミッタの制御回路を設け、トルク値の上限及び下限を設定して、トルク値が上限を上回った場合又は下限を下回った場合に、モータ10の駆動を停止させ、試験を強制的に終了してもよい。
以上に述べたように、本実施形態によれば、クラッチの係合状態と係合解除状態とを交互に生じさせるのではなく、クラッチを係合解除状態に維持して摺動を連続的に生じさせ、トルク値の時系列変化に基づいてクラッチ係合部の耐摩耗性を評価するという手法を採用したことで、比較的短時間で且つ手間をかけずに耐摩耗性評価を行うことができる。即ち、耐摩耗性評価にかかる時間及び手間を共に低減可能である。
本実施形態のプーリ構造体1は、一方向クラッチとして、ねじりコイルばね4を含む。ばね4は、コイルスプリング式クラッチであって、外輪2と内輪3との間に収容され、内輪3が外輪2に対して逆方向に相対回転するとき外輪2に対して外輪2の周方向に摺動する。コイルスプリング式クラッチの場合、スプラグ式クラッチやローラ式クラッチに比べ、クラッチと内輪3及び/又は外輪2との接触面積が大きい。そのため、トルク値の時系列変化とクラッチ係合部の摩耗度合いとの相関関係が大きく、トルク値の時系列変化に基づいてクラッチ係合部の耐摩耗性をより高精度に評価することができる。
本発明者等は、実施例1,2として、上述の実施形態に係る耐摩耗性試験装置100に、上述の実施形態のプーリ構造体1と同じ構成のプーリ構造体を設置し、上述の実施形態に係る耐摩耗性試験方法(図7参照)を実施した。また、比較例として、図2に示す補機駆動システム200と同じ構成の耐摩耗性試験装置に、上述の実施形態のプーリ構造体1と同じ構成のプーリ構造体を設置し、上述の実施形態に係る耐摩耗性試験方法とは異なる耐摩耗性試験方法を実施した。
実施例1,2及び比較例で使用したプーリ構造体は、共に、上述の実施形態のプーリ構造体1と同じ構成であり、より詳細には、ばね4の材質をばね用オイルテンパー線、外輪2の材質をS45Cとし、必要に応じて圧接面2a(クラッチ係合部)に表面硬度を向上させる処理(例えば、軟窒化処理、高周波焼入れ等)を施したものである。実施例1,2及び比較例で使用したプーリ構造体においては、クラッチ係合部のうち圧接面2aの方がばね4における後端側領域の外周面よりも表面硬度が低く、圧接面2aにおいて特に摩耗が生じ易いと考えられる。
実施例2で使用したプーリ構造体と、比較例で使用したプーリ構造体とは、全く同一の構成である。実施例1で使用したプーリ構造体と、実施例2及び比較例で使用したプーリ構造体との違いは、圧接面2aにおける外輪2の内径のサイズのみである。当該サイズは、実施例1で40+αmm、実施例2及び比較例で40mmである。
実施例1,2の試験方法は、上述の実施形態に係る方法と同じであり、具体的な試験条件は下記表1のとおりである。なお、表1において、「摺動角度」及び「摺動距離」は、クラッチ係合部の「摺動角度」及び「摺動距離」をいい、エンコーダ30から送信された回転角度信号に基づいて算出される。また、実施例1,2の冷間と温間とで、エンジン始動1回当たりの摺動角度及び摺動距離が異なるのは、エンジン始動によるクランキング動作時間(間欠的)が温間時よりも冷間時の方が長いためである。
実施例1では、図8(a)に示すように、試験初期段階において、トルク値に一定の振幅T0(−3.0〜−1.6N・m,±0.7N・m程度)が認められた。これは、圧接面2aの断面形状は略真円(図5参照)であるが、圧接面2aに対して摺動するばね4の外周面の形状は、ばね4がコイルばねであるがゆえ、真円でないことから、ばね4における後端側領域の外周面が圧接面2a上を1回転摺動する間の接触面圧が変動するためである。
実施例1では、図8(b)に示すように、試験途中段階において、トルク値の振幅がT1>T0(T1は、T0(試験初期段階におけるトルク値の振幅)よりも所定値以上大きい)(T0:±0.7N・m→T1:±1.2N・m)となった。また、トルク(振幅の中心値)の絶対値が小さくなった。
実施例1では、トルクリミッタの制御回路を設け、トルク値の上限及び下限を設定して、トルク値が上限を上回った場合又は下限を下回った場合、所定時間(例えば、5秒)経過後に、モータ10の駆動を停止させ、試験を強制的に終了する(即ち、耐摩耗性試験装置100を自動停止させる)ようにした。図8(b)には、トルク値が上限(−1.0N・m)を上回った5秒後に耐摩耗性試験装置100が自動停止したことが示されている。トルク値の振幅がT1となり、トルク値が上限(−1.0N・m)を上回ったのは、試験開始時点から1491秒後であった。1491秒は、エンジン始動回数に換算すると10.9万回である(表1参照:実施例1の試験時間である1.9時間がエンジン始動回数50万回に相当することから)。
実施例1において、グラフ(図8(a),(b))からクラッチ係合部の耐摩耗性を評価すると、クラッチ係合部の耐摩耗性に問題があると判断される。
実施例1において、試験途中段階でトルク値の振幅がT1>T0となった原因は、クラッチ係合部の設計段階において、ばね4の圧接面2aに対する接触面圧(トルク値と相関あり)を調整するため、圧接面2aにおける外輪2の内径のサイズを、実施例2に比べて若干大きくしたことにあると推察される。具体的には、圧接面2aにおける外輪2の内径のサイズを大きくしたことで、ばね4のねじり角度が小さくなり、それにより、圧接面2aに対して摺動するときのばね4の圧接面2aに対する接触状態がアンバランスになった。そして、接触面圧が総じて低下したにもかかわらず、ばね4の外周面の一部に接触面圧が高くなる部分(圧接面2aの曲率と対応しない部分)が存在したため、試験途中段階で圧接面2aに局部的な摩耗が一気に進行したと考えられる。
実際に、実施例1において、プーリ構造体1を分解し、圧接面2aの摩耗度合いを検査したところ、目視によっても、圧接面2aが局部的に(具体的には、圧接面2aのうち、外輪2の回転軸に沿った方向の一部が、外輪2の周方向に沿って線状に)摩耗していること、及び、圧接面2aの当該摩耗部分(線状摩耗痕、凹溝)に、他の箇所に比べて多くの摩耗粉(金属粉)が発生していること、が認められた。
実施例2では、図8(c),(d)に示すように、試験途中段階・試験最終段階においてもトルク値の振幅に変化が認められず、試験開始時点から試験終了時点までの間、トルク値の振幅はT0(試験初期段階におけるトルク値の振幅)と同水準(即ち、T0との差が所定値未満)に維持された。試験終了直後の外輪2の外周面の表面温度は74〜76℃であった。
実施例2において、グラフ(図8(c),(d))からクラッチ係合部の耐摩耗性を評価すると、クラッチ係合部の耐摩耗性に問題がないと判断される。
実施例2において、試験開始時点から試験終了時点までの間、トルク値の振幅がT0と同水準に維持された原因は、圧接面2aにおける外輪2の内径のサイズが適正値であった(実施例1に比べて当該サイズが小さい)ことにあると推察される。具体的には、圧接面2aにおける外輪2の内径のサイズが適正値であったため、実施例1に比べて接触面圧が総じて上昇したものの(図8(a),(c)参照)、ばね4の外周面と圧接面2aとの接触状態が終始安定しており、ばね4の外周面において接触面圧のばらつきがあまり生じなかった。また、圧接面2aの摩耗により圧接面2a上に摩耗粉が一旦は発生したが、当該摩耗粉は圧接面2a以外の部分(接触面圧が作用しない部分)に移動したと考えられる。
実際に、実施例2において、プーリ構造体1を分解し、圧接面2aの摩耗度合いを検査したところ、目視によっても、圧接面2aの摩耗が穏やかで、外輪2の周方向に沿った線状の凹溝となるような摩耗が生じていないことが認められた。また、圧接面2aの摩耗量を測定したところ、磨耗量は、圧接面2aにおいて均一であり、許容範囲内であった。
なお、実施例2では、試験開始時点から試験終了時点までの間に、トルク値は若干ではあるが右肩上がりの傾向(トルクの絶対値が若干小さくなる傾向)を呈した。これは、圧接面2aの摩耗が穏やかではあるが進行したためと推察される。
実施例1,2では、上述のようにエンコーダ30及び軸受40を低摺動抵抗タイプとしたことで、軸11のトルクロスを0.05N・m以下に抑制することができた。軸11のトルクロスに関して、モータ10の摺動抵抗は、略ゼロであり、無視することができる。
比較例の試験方法は、上述の実施形態に係る耐摩耗性試験方法と異なり、実車寿命に相当する短時間のエンジン始動と停止とを交互に行い、一方向クラッチの係合状態と係合解除状態とを交互に生じさせるものであり、具体的な試験条件は下記表2のとおりである。また、比較例では、ベルト250(図2参照)の張力を1500Nとし、オルタネータ220とプーリ構造体1と駆動プーリ201とを恒温槽で覆って雰囲気温度を110℃とした。
比較例では、プーリ構造体1を耐摩耗性試験装置に設置する際に、外輪2にベルト250を巻回する作業、ベルト250の張力を設定する作業等が必要であること、また、エンジン210の排気ガスの処理が必要であることから、実施例1,2に比べて、手間がかかった。また、実車寿命に相当する短時間のエンジン始動と停止とを交互に行うという手法のため、連続運転によっても1回当たりの試験に58日間という長時間を要した。さらに、比較例では、試験後にプーリ構造体を分解して、クラッチ係合部の摩耗度合いを検査する必要があるため、手間がかかった。さらに、特にコイルスプリング式クラッチの場合、比較例に係る試験中にクラッチ係合部の摩耗が進行しても、外観や異音の変化が生じ難いため、試験が中断されずに続行される傾向にある。
換言すると、実施例1,2は、比較例に比べ、作業を簡素化することができ、手間をかけずに、短時間で、クラッチ係合部の耐摩耗性を評価できることがわかった。
以上、本発明の好適な実施の形態及び実施例について説明したが、本発明は上述の実施形態及び実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な設計変更が可能なものである。
・プーリ構造体は、オルタネータの軸に取り付けられるものに限定されず、例えばオルタネータ以外の補機の軸に取り付けられるものであってもよい。
・プーリ構造体の構成は、上述の実施形態のものに限定されない。例えば、当接面3dが、円弧状ではなく、内輪3の径方向に沿った直線状であってもよいし、また、内周側の部分が内輪3の径方向に対して傾斜した直線状または円弧状であって、外周側の部分が内輪3の径方向に沿った直線状であってもよい。ばね4の線材の断面は、正方形状に限定されず、長方形状や円形状であってもよい。外力を受けていない状態でのばね4の径は、全長に亘って一定でなくてもよい。突起3eが、内輪3の周方向に沿って、当接面3dまで延在してもよい。突起3eとばね4の外周面との間に隙間がなくてもよい。突起3eを省略してもよい。
・一方向クラッチは、コイルスプリング式クラッチに限定されず、例えば、スプラグ式クラッチ、ローラ式クラッチ等でもよい。スプラグ式クラッチは、例えば上記特許文献2に示されるように、外輪と内輪との間にスプラグと呼ばれるだるま形の輪留めが組み込まれた構造を持ち、内輪が外輪に対して正方向に回転するとスプラグがかみ合ってトルクを伝達し、内輪が外輪に対して逆方向に回転するとスプラグのかみ合いが外れてトルクを伝達しない。ローラ式クラッチは、カム式クラッチともいい、ローラ及びスプリングで構成され、外輪の内側又は内輪の外側にカム面を持ったポケットが設けられる。ローラは、ポケットの内部に配置され、スプリングの付勢力により、外輪のカム面と内輪の外側、又は、内輪のカム面と外輪の内側に、接触するように保たれている。内輪が外輪に対して正方向に回転すると、カム面とローラとの接触面圧が増大し、トルクが伝達される。内輪が外輪に対して逆方向に回転すると、カム面とローラとの接触面圧が減少し、トルクが伝達されない。
・一方向クラッチがトルクを伝達する方向は、外輪から内輪へ、及び、内輪から外輪へ、のいずれの方向でもよい。
1 プーリ構造体
2 外輪
3 内輪
4 ねじりコイルばね(一方向クラッチ,コイルスプリング式クラッチ)
10 モータ(回転手段)
20 トルク計(検出手段)
50 固定具(固定手段)
100 耐摩耗性試験装置

Claims (4)

  1. プーリ構造体におけるクラッチ係合部の耐摩耗性試験方法において、
    前記プーリ構造体は、外輪と、前記外輪の内側に設けられ且つ前記外輪に対して相対回転可能な内輪と、前記外輪と前記内輪との間に設けられ且つトルクを一方向に伝達又は遮断する一方向クラッチであって、前記内輪が前記外輪に対して正方向に相対回転するとき前記外輪及び前記内輪のそれぞれと係合して前記外輪と前記内輪との間でトルクを伝達し、前記内輪が前記外輪に対して逆方向に相対回転するとき前記外輪及び前記内輪の少なくとも一方に対して摺動して前記外輪と前記内輪との間でトルクを伝達しない一方向クラッチとを有し、
    前記外輪を回転不能に固定した状態で前記内輪を前記外輪に対して前記逆方向に相対回転させたときの前記内輪のトルク値の時系列変化を検出する検出ステップと、
    前記検出ステップにおいて検出されたトルク値の時系列変化に基づいて前記クラッチ係合部の耐摩耗性を評価する評価ステップと
    を備えたことを特徴とする、耐摩耗性試験方法。
  2. 前記一方向クラッチは、コイルスプリング式クラッチであって、前記外輪と前記内輪との間に収容され、前記内輪が前記外輪に対して前記逆方向に相対回転するとき前記外輪に対して前記外輪の周方向に摺動するねじりコイルばねを含むことを特徴とする、請求項1に記載の耐摩耗性試験方法。
  3. プーリ構造体におけるクラッチ係合部の耐摩耗性試験装置であって、
    前記プーリ構造体は、外輪と、前記外輪の内側に設けられ且つ前記外輪に対して相対回転可能な内輪と、前記外輪と前記内輪との間に設けられ且つトルクを一方向に伝達又は遮断する一方向クラッチであって、前記内輪が前記外輪に対して正方向に相対回転するとき前記外輪及び前記内輪のそれぞれと係合して前記外輪と前記内輪との間でトルクを伝達し、前記内輪が前記外輪に対して逆方向に相対回転するとき前記外輪及び前記内輪の少なくとも一方に対して摺動して前記外輪と前記内輪との間でトルクを伝達しない一方向クラッチとを有し、
    前記外輪を回転不能に固定する固定手段と、
    前記内輪を前記外輪に対して前記逆方向に相対回転させる回転手段と、
    前記固定手段によって前記外輪を回転不能に固定した状態で前記回転手段によって前記内輪を前記外輪に対して前記逆方向に相対回転させたときの前記内輪のトルク値の時系列変化を検出する検出手段と、
    を備えたことを特徴とする、耐摩耗性試験装置。
  4. 前記一方向クラッチは、コイルスプリング式クラッチであって、前記外輪と前記内輪との間に収容され、前記内輪が前記外輪に対して前記逆方向に相対回転するとき前記外輪に対して前記外輪の周方向に摺動するねじりコイルばねを含むことを特徴とする、請求項3に記載の耐摩耗性試験装置。
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