JP6615139B2 - アレーアンテナの制御装置、アンテナ装置および移動通信用無線通信装置 - Google Patents

アレーアンテナの制御装置、アンテナ装置および移動通信用無線通信装置 Download PDF

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Description

本発明は、アレーアンテナの制御装置、アンテナ装置および移動通信用無線通信装置に関する。
無線通信において、妨害波や干渉波の影響を緩和する手法として、主ビームの指向方向を制御することや、ヌル点を形成する方法が知られている。
例えば、特許文献1に開示されている無線リレー局は、複数の基地局との間の電波伝搬環境データとして受信信号の信号レベルを求める。無線リレー局は、求めた信号レベルに基づいて、最も受信レベルが高い無線基地局を選択し、主ビームの指向方向を、選択した基地局の方向に制御することにより、通信の品質を維持しつつ無線通信におけるリレーを可能とする。
また、特許文献2に開示されているMIMOアンテナ装置は、受信信号レベルとビットエラー率(BER)等の受信信号品質を計測し、受信信号レベルと信号品質とに基づいて、データストリーム数、変復調方法、主ビームの方向等を制御する。また、特許文献2は、信号系列の変調方式がディジタル位相変調の場合には、受信信号が一定振幅となるため、受信信号系列の復調にCMA(Constant Modulas Algorithm)を適用することを提案している。
特開2013−89983号公報 特開2008−86003号公報
特許文献1に開示されている無線通信装置は、受信信号レベルに基づいて主ビームの指向方向を制御し、所望方位以外からの到来信号を干渉波と判定して、ヌル点制御を実施する。しかし、移動体間通信においては、所望方位や通信距離が変動するため、一意に受信レベルや到来方向で判定することは困難である。
また、特許文献2に開示されたディジタル位相変調を用いる無線通信装置は、信号品質と受信レベルの組み合わせによって干渉波の有無を判定し、主ビームの指向方向とヌル点の制御を実施する。しかし、信号品質の測定には自動周波数制御、ビット同期等の処理が必要であり、高速干渉波到来の判定および干渉波到来方向へのヌル点制御が困難である。このため、TDMA(Time Division Multiple Access)のような時分割で高速な処理が必要な移動体間通信への適用が困難である。
本発明は、上記実状に鑑みてなされたものであり、移動体間通信において、高速に干渉波の除去を行って高品質な通信を行うことができるアレーアンテナの制御装置、アンテナ装置および移動通信用無線通信装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、この発明のアレーアンテナの制御装置は、アレーアンテナを構成する複数のアンテナ素子で受信された信号をオーバサンプリングしてディジタル化するA/D変換部と、A/D変換部の出力データの振幅と位相とを、振幅位相制御量に従って制御すると共に互いに加算して、処理信号を出力する信号処理部と、信号処理部の出力信号を直交復調する直交復調部と、直交復調部からの復調信号を複数相にダウンサンプリングするダウンサンプラと、ダウンサンプラが出力する複数相のデータ群について、振幅が閾値以下となるデータが最も少ないデータ群に基づき振幅位相制御演算を行って、振幅と位相の補正量を示す振幅位相制御量を出力する振幅位相制御量演算部と、集計部と、振幅判定部と、を備える。A/D変換部は、入力信号のサンプリング周期のm倍のサンプリング周期でサンプリングする。ダウンサンプラは、入力信号を、A/D変換部と同一のサンプリング周期でサンプリングし、サンプリングデータをm相に順次出力することによりダウンサンプリングする。集計部は、ダウンサンプラからのm相のデータ群それぞれについて、データを一定期間集計し、振幅値を求める。振幅判定部は、集計部が出力したm個の振幅値の列について、振幅が閾値以下となるデータが最も少ないデータ群を選択する。振幅位相制御量演算部は、選択したデータ群の振幅の列に基づき振幅位相制御演算を行って、振幅位相制御量を出力する。振幅位相制御量演算部は、振幅判定部により選択されたデータ群の振幅の変動が閾値以下か否かを求め、閾値以下の場合には、振幅位相制御量を受信用の振幅位相制御量として設定し、振幅の変動が閾値より大きい場合には、予め設定されている演算アルゴリズムに従って振幅位相制御量を求める。
本発明によれば、ダウンサンプリング後のデータ群の中から振幅が閾値以下となるデータが最も少ないデータ群を求める。これは、実効的にナイキスト点付近でサンプリングされたデータ群を求めることに相当する。このデータ群に基づいて振幅位相制御量を求めることにより、妨害波と所望信号を含む受信信号から、AFC(Auto Frequency Control)、ビット同期等のための時間を要することなく高速に、適切なアンテナの主ビーム方向やヌル点の制御が可能となり、受信信号の品質を高めることができる。
本発明の実施の形態1に係る無線通信装置の構成例を示す図 図1に示す演算部の詳細な構成を示す図 実施の形態1に係る無線通信装置のTDMA通信のスロット割当例を示す図 図2に示す演算部の動作フロー図
以下、本発明の実施の形態に係る無線通信装置10を説明する。
図1に示すように、本実施の形態にかかる無線通信装置10は、ディジタル位相変調信号を用いたTDMA通信を行う無線通信装置である。
無線通信装置10は、複数のアンテナ素子を備えるアレーアンテナ110と、受信信号をダウンコンバートする周波数変換部120と、受信信号をディジタル化するA/D変換部130と、受信信号の振幅と位相を制御する振幅位相制御部140と、信号加算器150と、受信信号の振幅と位相を制御する受信信号制御部160と、復調部200と、振幅位相制御量をアダプティブに演算する演算部300と、基準信号源400と、共通局所発振器410と、共通クロック信号発振器420と、TDMA制御装置500と、を備える。
各構成をより詳細に説明する。
アレーアンテナ110はアレー状に配置された複数のアンテナ素子を備える。この実施の形態においては、アンテナ素子の数を一例として5とする。従って、本実施の形態においては、アレーアンテナ110は、アンテナ素子110−1〜110−5を備え、到来する妨害波、所望信号、即ち、受信対象信号を含む信号を受信し、周波数変換部120に出力する。なお、無線通信装置10は、アンテナ素子110−1〜110−5で受信した信号を処理することにより、アンテナの主ビームの方向やヌル点の制御を行う。そのため、この無線通信装置10は、アンテナを制御するアンテナ制御装置としての機能を有する。
周波数変換部120は5つの周波数変換系統120−1〜120−5より構成される。周波数変換系統120−i(iは1〜5)は、アンテナ素子110−iが出力した受信信号と、共通局所発振器410が出力した局所発振信号と、A/D変換系統130−iが出力した振幅情報とを入力する。周波数変換系統120−iは、受信信号を振幅情報に基づいてゲインを調整して、低雑音増幅し、続いて、低雑音増幅した信号と局所発振信号とを混合して、中間周波数帯信号に周波数変換し、A/D変換系統130−iへ出力する。周波数変換系統120−iは、たとえば、低雑音増幅器とミクサとを備える低雑音周波数変換器等から構成される。
A/D変換部130は5つのA/D変換系統130−1〜130−5より構成される。A/D変換系統130−iには、周波数変換系統120−iが出力した中間周波数帯信号と共通クロック信号発振器420が出力したクロック信号とが供給される。A/D変換系統130−iは、入力信号である中間周波数帯信号を、クロック信号に応答してオーバサンプリングし、ディジタル信号に変換し、振幅位相制御部140及び受信信号制御部160に出力する。また、ディジタル信号の振幅の平均処理を行い、求めた振幅情報を周波数変換部120へ出力する。
A/D変換系統130−iのサンプリング周波数は、受信対象信号のサンプリング周波数の2倍以上の整数であるm倍の周波数である。従って、A/D変換部130は、m倍のアップサンプリング部として機能する。A/D変換部130は例えばCMOSプロセスによるA/D変換ICから構成される。
振幅位相制御部140は5つの振幅位相制御系統140−1〜140−5より構成される。振幅位相制御系統140−iは、A/D変換系統130−iの出力データと演算部300が出力した振幅位相制御量とを受信し、振幅位相制御量に基づいてディジタルデータの振幅と位相とを制御する。具体的には、振幅位相制御系統140−iは、ディジタル信号と振幅位相制御量に応じた複素数とを乗算し、積を信号加算器150に出力する。振幅位相制御部140は例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)等のディジタル演算器から構成される。
信号加算器150は振幅位相制御系統140−1〜140−5が出力した各ディジタル信号を受信し、それらのディジタル信号を互いに加算し、加算結果であるDBF(Digital BeamForming)処理信号を演算部300に出力する。信号加算器150は例えばFPGAから構成されたディジタル演算器から構成される。
振幅位相制御部140と信号加算器150とは、A/D変換部130の出力データの振幅と位相とを、振幅位相制御量に従って制御すると共に互いに加算して、処理信号を出力する信号処理部として機能する。
基準信号源400は基準周波数の基準信号を発生し、共通局所発振器410および共通クロック信号発振器420に基準信号を出力する。基準信号源400は例えばTCXO(Temperature Compensated Crystal Oscillator )、OCXO(Oven Controlled Xtal Oscillator)等の水晶発振器などから構成される。
共通局所発振器410は基準信号源400から供給された基準信号と内部発振器を位相同期させ、局所発振信号を生成し、周波数変換系統120−iにそれぞれ出力する。共通局所発振器410は例えばMMIC(Monolithic Microwave Integrated Circuit)を用いたPLL(Phase Locked Loop)−IC(Integrated Circuit)、VCO(Voltage-Controlled Oscillator)等を備える。なお、図1は、共通局所発振器410をPLL回路から構成した例を示している。
共通クロック信号発振器420は基準信号源400が出力した基準信号と内部発振器を位相同期させ、サンプリング周波数、即ちm倍のアップサンプリング周波数に相当する周波数を有するクロック信号を生成し、A/D変換系統130−1〜130−5に出力する。共通クロック信号発振器420は例えばMMICを用いたPLL−IC、VCOを用いて実現される。なお、図1は、共通クロック信号発振器420をPLL回路で構成した例を示している。
演算部300は、信号加算器150からのDBF処理信号と、復調部200からのデータ周期信号と、TDMA制御装置500からのスロット情報とを受信し、受信用振幅位相制御量と振幅位相制御量とを出力する。
演算部300の詳細を図2を参照して説明する。
図2に示すように、演算部300は、DBF処理信号に直交復調処理を施す直交復調部301と、連続する正弦波信号を出力するCW発生器302と、I信号の帯域を制限するI相用のフィルタ303、Q信号の帯域を制限するQ相用のフィルタ304、I信号とQ信号をサンプリングして複数相に順次振り分けることによりダウンサンプリングを行う多相ダウンサンプラ310と、各相のデータ群の振幅を集計する集計部320−1〜320−mと、集計された振幅と閾値とを比較し、いずれかの相のデータ群を選択する振幅判定部330と、選択したデータ群に基づいて振幅位相制御量を求める振幅位相制御量演算部340と、を備える。なお演算部300は、例えばFPGA等のディジタル演算器から構成される。
各部の構成をより詳細に説明する。
直交復調部301は、CW発生器302が出力するCW信号を内部で90度位相差を設けて、信号処理部の出力信号、即ち、DBF処理信号を、直交復調し、I信号、Q信号を生成し、それぞれのフィルタ303、フィルタ304へ出力する。より具体的には、直交復調部301は、CW発生器302が発生したCW信号から位相差が90度の2つの信号を生成し、生成した2つの信号とDBF処理信号とをミキシングしてI信号とQ信号を生成し、それぞれのフィルタ303、フィルタ304へ出力する。
CW発生器302は予め設定された周波数に基づいて正弦信号を生成し、直交復調部301へ出力する。
フィルタ303及びフィルタ304は入力されたI信号、Q信号の2倍波とDC成分を除去して帯域制限した後、多相ダウンサンプラ310へ出力する。フィルタ303とフィルタ304は同じ通過特性を示し、遅延も同じである。フィルタ303、304は例えばルートコサインフィルタで実現される。
多相ダウンサンプラ310には、フィルタ303、304が出力する復調信号、即ち、フィルタ303が出力するI信号とフィルタ304が出力するQ信号及び復調部200より出力されたデータ周期Tが入力される。多相ダウンサンプラ310は、入力信号であるI信号とQ信号とをA/D変換部130と同一のサンプリング周期でサンプリングし、サンプリングデータをm相に順次出力することによりダウンサンプリングする。これにより、多相ダウンサンプラ310は、データ周期Tの周期で、異なるm個の位相で間引き処理を実施する。データ周期Tは、受信対象信号のデータのサンプリング周期を意味する。多相ダウンサンプラ310は、間引き処理の結果得られるm個のデータ群を集計部320−1〜320−mへ出力する。
各データ群Djを構成するデータは、各データ周期T中の同一位相でのデータの列に相当する。
集計部320は、m個の集計部320−1〜320−mを備える。
各集計部320−jは、多相ダウンサンプラ310の出力する第jもデータ群D(jは1〜mの整数)の振幅を演算により求め、求めた振幅を一定時間集計する。例えば、直近n個のデータ周期Tで得られたデータの振幅の平均値を求める。各集計部320−jは、得られた集計結果を出力する。
振幅判定部330は集計部320−1〜320−mの集計結果を順次入力し、集計結果のデータ列より、振幅が閾値を下回るデータが最も少ないデータ列を選択する。これは、受信信号を一定時間観測し、I,Q平面上において、ゼロクロスするデータが最も少ないデータ列を選択することによって、簡易的にナイキスト点付近をサンプルしたデータ列を選択することに相当する。振幅判定部330は、選択したデータ列を振幅位相制御量演算部340へ出力する。
振幅位相制御量演算部340はTDMA制御装置500より出力されたスロット情報と振幅判定部330が出力したデータ列とを受信する。振幅位相制御量演算部340は、スロット情報が更新された場合には、それまで出力していた5系統分の振幅位相制御量、即ち、振幅と位相の補正量を次のフレームで使用するために更新前のスロット情報に対応付けて保管し、更新後のスロット情報に対応付けて先のフレームで予め保管しておいた5系統分の振幅位相制御量を振幅位相制御部140に出力する。また、スロット情報が更新されていない場合においては、選択されて入力されたデータ列の各データの振幅を閾値と比較して、振幅が閾値以下となるデータが最も少ないデータ群を選択し、選択したデータ群の振幅変動量を求め、求めた振幅変動量と予め設定されている閾値とを比較し、振幅変動量が閾値以下の場合には、現状の振幅位相制御量を継続して振幅位相制御部140へ出力する。振幅変動量が閾値より大きい場合には例えばCMAのような演算アルゴリズムを用いて振幅位相制御演算を行って、振幅と位相の補正量を示す振幅位相制御量を出力する。振幅変動量は、例えば、単位期間内の振幅の最大値と最小値の差の絶対値、振幅の分散等からもとめられる。
振幅位相制御量演算部340は、振幅位相制御部140に出力した5系統分の振幅位相制御量と同一の5系統分の振幅位相制御量を受信用として、受信信号制御部160に出力する。
図1に示す受信信号制御部160はA/D変換部130の出力するディジタル信号と演算部300の振幅位相制御量演算部340の出力する受信用振幅位相制御量を入力し、A/D変換系統130−1〜130−5が出力するディジタル信号に、系統分の受信用振幅位相制御量に応じた複素数を入力された各ディジタル信号に乗算し、加算した結果であるDBF受信信号を復調部200へ出力する。具体的には、受信信号制御部160は振幅位相制御部140及び信号加算器150と同様の構成を有する。5系統の振幅位相制御部がA/D変換系統130−1〜130−5が出力したディジタル信号に系統分の受信用振幅位相制御量に応じた複素数を乗算し、加算器が5系統分の乗算値を加算して、DBF受信信号を生成し、復調部200へ出力する。
復調部200は受信信号制御部160が出力するDBF受信信号を受信し、それらのDBF受信信号を用いて復調し復調結果を図示せぬ上位装置へ出力する。また、予め設定されているデータ周期Tのクロックを図2に示す多相ダウンサンプラ310へ出力する。復調部200は例えばFPGA等のディジタル演算器を用いて実現する。このTは、A/D変換部130のサンプリング周期と同一の周期である。
図1に示すTDMA(Time Division Multiple Access)制御装置500は通信相手と時刻同期した時刻情報と予め設定されたスケジュールとによりスロット情報を生成して演算部300内の振幅位相制御量演算部340へ出力する。
次に、図3を参照して、無線通信装置10を適用するTDMA通信におけるスロットの割当例を説明する。
ここでは、この無線通信装置10の受信対象はK(Kは2以上の整数)個であり、移動体であるとする。
図3に示すように、各フレーム内には、1からKまでの受信対象毎にスロットが割り当てられている。例えば、第Nフレームは、K個のスロット分割されており、第1から第Kの受信対象に割り当てられている。さらに、所望信号の到来方位はθ1、θ2…、θKと異なる。また、次のフレームN+1ではフレームN同様、K個のスロットから構成されている。ただし、所望信号の到来方向はθ’1、θ’2、…、θ’Kへ変化することが示されている。
図3に示された通り、スロット毎に所望信号の到来方向が異なることから、無線通信装置10は電気的に制御してアンテナの主ビームの指向方向を切り替え、好適な受信を可能としている。
また、一般に無線通信における干渉波及び妨害波の存在は信号の品質を劣化させるものであるため、その影響を除去、もしくは緩和することが望ましい。このため、無線通信装置10は、アレーアンテナ110により受信した妨害波と所望信号を含む受信信号をA/D変換後に各系統に振幅、位相制御を行い、それらの和信号を用いて振幅位相制御を行うことで、特定の方向より受信する信号を最大化し、妨害波到来方向へヌルを形成して最小化することで信号の品質を高めている。
次に、係る無線通信装置10の動作について説明する。
一例として、現時点が、図3に示したフレームN+1内のスロット2の時点であると仮定する。
この時点では、無線通信装置10は、方位θ’2から到来する所望の信号と妨害波を含む受信信号をアレーアンテナ110,即ち、アンテナ素子110−1〜110−5で並列に受信している。
アンテナ素子110−iで受信された信号は周波数変換系統120−iで復調され、A/D変換系統130−iでm倍のサンプリング周波数でオーバサンプリングされ、振幅位相制御系統140−iに供給される。
振幅位相制御系統140−iは、演算部300から供給された振幅位相制御量に相当する複素数を乗算することにより、受信データの振幅と位相を制御して、信号加算器150に出力する。信号加算器150は、振幅位相制御系統140−1〜140−5が出力した乗算値を加算してDBF処理信号を生成し、演算部300に出力する。
受信信号制御部160も振幅位相制御部140と信号加算器150と同様の動作を行って、DBF受信信号を生成し、復調部200に出力する。
このとき、演算部300の振幅位相制御量演算部340は、当初は、前フレームであるフレームNのスロット2における振幅位相制御量を振幅位相制御部140と受信信号制御部160に設定する。
演算部300は、直交復調部301によりDBF信号を直交復調し、フィルタ303,304によりI信号とQ信号をそれぞれ帯域制限する。
多相ダウンサンプラ310は、周期Tのクロックに応答して、1つのデータについて、m個の異なる位相でI信号とQ信号をダウンサンプリングし、それをm相に順次出力することでデータ列から構成されるデータ群D1〜Dmを出力する。
集計部320−1〜320−mは、対応するデータ群の一定期間、例えば、1〜100データ期間内のデータを集計して振幅値を求め、振幅判定部330にて、振幅が閾値を下回るデータが最も少ないデータ列を判別する。これは、演算部300は、一定時間観測した受信信号のうち、I,Q平面上において、ゼロクロスするデータが最も少ないデータ列を判別することによって、簡易的にナイキスト点付近をサンプルしたデータ列を見出すことに相当する。
振幅位相制御量演算部340は、判別されたデータ群を選択し、選択したデータ群の振幅の変動が閾値以下か否かを判別する。閾値以下の場合は、ノイズが少なくビームフォーミングが適切と考えられるため、そのデータ群を選択し、振幅と移動の制御量を示す振幅位相制御量を求める。振幅位相制御量演算部340は、求めた振幅位相制御量を振幅位相制御部140と受信信号制御部160に供給する。振幅位相制御量演算部340は、判別されたデータ群を選択し、振幅と移動の制御量を示す振幅位相制御量を求める。選択したデータ群の振幅の変動が閾値より大きい場合、ノイズが多くビームフォーミングが不適切と考えられるため、CMA等のアルゴリズムに従って、振幅位相制御量を求める。振幅位相制御量演算部340は、求めた振幅位相制御量を振幅位相制御部140に供給する。
このように、振幅位相制御部140に出力する振幅位相制御量はアダプティブなものであり、刻々と変化しうるが、受信信号制御部160に出力する振幅位相制御量は、基本的に、前フレームの同一スロットで求められていた振幅位相制御量であり、基本的には、そのスロットの間変化しない。区別のため、振幅位相制御部140に出力するものを単に振幅位相制御量、受信信号制御部160に出力するものを受信用振幅位相制御量と呼ぶ。なお、どちらも5系統分の信号である。
振幅位相制御量演算部340は、TDMA制御装置500からのスロット情報によりスロットの切り替えが指示されると、振幅位相制御量を次フレームの変更前スロットの振幅位相制御量として記憶し、予め記憶していた前フレームの変更後スロットの振幅位相制御量を次スロットの振幅位相制御量及び受信用振幅位相制御量として出力する。
次に、図4を参照して演算部300の動作をより詳細に説明する。
演算部300は、無線通信装置10の動作中、プロセッサが、図4に示す処理を繰り替えして実行することにより実現される。
処理を開始すると、演算部300は、TDMA制御装置500より入力されたスロット情報に基づき、前フレームの同一スロットに対応付けて格納されている受信用振幅位相制御量を一時メモリに読み込む(ステップS100)。
次に、演算部300は、スロット情報を確認し、前回入力されたスロットより変更がないか否かを判別する(ステップS101)。スロットの変更があった場合には(ステップS101;No)、ステップS100へ遷移し、変更後のスロットに応じた前フレームの受信用振幅位相制御量を読み込む。一方、スロットの変更が無い場合(ステップS101;Yes)、ステップS102へ遷移する。
ステップS102では現在読み込んでいる振幅位相制御量を振幅位相制御部140に設定する。
続いて、ステップS103で、受信信号を集計し、振幅が閾値以下となるデータが最も少ないデータ群、望ましくは、振幅が閾値以下となるデータ列を選択する。換言すると、振幅が安定して大きいデータ群を選択する。この操作により、ナイキスト点付近をサンプルされたデータ群が選択される。
次に、ステップS104では選択したデータ群の振幅変動を計算し、閾値と比較し、閾値以下の場合(ステップS104;Yes)、ステップS105へ遷移する。一方、振幅変動が閾値より大きい場合(ステップS104;No)、ステップS110へ遷移する。振幅変動は受信した信号の信号品質を反映するため、信号品質が良い場合については、次フレームに適用する受信用振幅位相制御量の候補とする。信号品質が悪い場合については、CMA等の演算アルゴリズムを用いて振幅位相制御演算を行って、現在の振幅位相制御量から変更する。
ステップS105では、当該スロットの初期振幅制御量としてメモリへ格納する。振幅変動量が閾値以下であることから、妨害波が抑圧され、所望の通信相手の方位を指向できていると判定し、現在の振幅位相制御量を受信用振幅位相制御量として保存する。
一方、ステップS110ではCMA等の演算アルゴリズムに従って振幅位相制御演算を行って、振幅と位相の補正量を示す振幅位相制御量を算出して出力する。即ち、振幅変動量が閾値より大きいことから、妨害波が抑圧されておらず、所望の通信相手の方位を指向できていないと判定し、CMAの演算アルゴリズムに従って振幅位相制御演算を行って、次の振幅制御量を求める。
ステップS111では、演算で求めた振幅位相制御量を設定用のメモリに格納する。
また、受信信号制御部160へは、前フレームの当該スロットにおける演算結果である受信用振幅位相制御量が設定されている。フレームの周期が移動体の移動速度に対して十分短い場合には、前フレームと当該フレームにおける、相対位置関係は変わらないと見做せる。このため、主ビーム指向方向は当該スロットにおける通信相手の方位へ、ヌル点は妨害波の到来方向に形成されている。
また、受信信号制御部160を通過した受信信号であるDBF受信信号は復調部200へ入力され。復調処理がなされる。
なお、この受信用振幅位相制御量は同スロット内においては変動させないため、復調処理に対して影響をあたえるものではない。
以上説明したように、A/D変換部130により予めオーバサンプリングした受信信号から、多相ダウンサンプラ310にてクロックをずらしたデータ列を生成し、ゼロクロスが最も少ないデータ列を選択する。従って、AFCやビット同期を省略可能となり、高速にアレーアンテナの主ビーム指向方向とヌル点制御を実施することが可能となる。
また、スロットと同期させて復調処理と振幅位相制御量演算を個別に実施することにより、スロット内に得た振幅位相制御量を次フレームにおける当該スロットへ適用することにより、通信時間の限られるTDMA通信においてもアレーアンテナのビーム制御を適用することが可能となり、通信の伝送効率を向上させることが可能となる。
なお、この発明は上記実施の形態に限定されず、種々の変形及び応用が可能である。
例えば、上記実施の形態においては、受信動作のみを説明したが、受信時に得られたスロット毎の振幅位相制御量に基づいて或いは他の基準により、送信時にビームフォーミングを行っても良い。
上記実施の形態においては、振幅位相制御量演算部340は、振幅位相制御量と受信用振幅位相制御量を区別したが、振幅位相制御量をそのまま受信用振幅位相制御量として使用することも可能である。
上記実施の形態においては、アンテナ素子の数を5としたが、この数は任意であり、同様に、周波数変換部120、A/D変換系統130、位相振幅変換系統140の数も任意である。
110 アレーアンテナ、110−1〜110−5 アンテナ素子、120 周波数変換部、120−1〜120−5 周波数変換系統、130 A/D変換部、130−1〜130−5 A/D変換系統、140 振幅位相制御部、140−1〜140−5 振幅位相制御系統、150 信号加算器、160 受信信号制御部、200 復調部、300 演算部、301 直交復調部、302 CW発生器、303 I相用のフィルタ、304 Q相用のフィルタ、310 多相ダウンサンプラ、320 集計部、330 振幅判定部、340 振幅位相制御量演算部、400 基準信号源、410 共通局所発振器、420 共通クロック信号発振器、500 TDMA制御装置。

Claims (5)

  1. アレーアンテナを構成する複数のアンテナ素子で受信された信号をオーバサンプリングしてディジタル化するA/D変換部と、
    前記A/D変換部の出力データの振幅と位相とを、振幅位相制御量に従って制御すると共に互いに加算して、処理信号を出力する信号処理部と、
    前記信号処理部の出力信号を直交復調する直交復調部と、
    前記直交復調部からの復調信号を複数相にダウンサンプリングするダウンサンプラと、
    前記ダウンサンプラが出力する複数相のデータ群について、振幅が閾値以下となるデータが最も少ないデータ群に基づき振幅位相制御演算を行って、振幅と位相の補正量を示す前記振幅位相制御量を出力する振幅位相制御量演算部と、
    を備え、
    前記A/D変換部は、入力信号のサンプリング周期のm倍のサンプリング周期でサンプリングし、
    前記ダウンサンプラは、入力信号を、前記A/D変換部と同一のサンプリング周期でサンプリングし、サンプリングデータをm相に順次出力することによりダウンサンプリングし、
    前記ダウンサンプラからのm相のデータ群それぞれについて、データを一定期間集計し、振幅値を求める集計部と、前記集計部が出力したm個の振幅値の列について、振幅が閾値以下となるデータが最も少ないデータ群を選択する振幅判定部と、を更に備え、
    前記振幅位相制御量演算部は、選択したデータ群の振幅の列に基づき振幅位相制御演算を行って、前記振幅位相制御量を出力し、
    前記振幅位相制御量演算部は、
    前記振幅判定部により選択されたデータ群の振幅の変動が閾値以下か否かを求め、閾値以下の場合には、前記振幅位相制御量を受信用の振幅位相制御量として設定し、
    振幅の変動が閾値より大きい場合には、予め設定されている演算アルゴリズムに従って前記振幅位相制御量を求める、
    アレーアンテナの制御装置。
  2. 請求項1に記載のアレーアンテナの制御装置と、
    前記アレーアンテナの制御装置に接続された複数のアンテナ素子を備えるアレーアンテナと、
    を備えるアンテナ装置。
  3. 請求項1に記載のアレーアンテナの制御装置と、
    前記A/D変換部の出力データの振幅と位相とを、前記受信用の振幅位相制御量に従って制御すると共に互いに加算して、処理信号を出力する受信信号制御部と、
    前記受信信号制御部の出力から、受信信号を復調する復調部と
    を備える移動通信用無線通信装置。
  4. 前記振幅位相制御量演算部は、TDMA制御装置より出力されたスロット情報によりスロットの切り替えが指示されると、前記振幅位相制御量を次フレームの変更前スロットの振幅位相制御量として記憶し、予め記憶していた前フレームの変更後スロットの振幅位相制御量を次スロットの振幅位相制御量として出力する、
    請求項3に記載の移動通信用無線通信装置。
  5. 通信相手と時刻同期した時刻情報と予め設定されたスケジュールとにより前記スロット情報を生成して前記振幅位相制御量演算部へ出力する前記TDMA制御装置をさらに備えた、
    請求項4に記載の移動通信用無線通信装置。
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