JP3138243B2 - アダプティブアレイ装置 - Google Patents

アダプティブアレイ装置

Info

Publication number
JP3138243B2
JP3138243B2 JP09274177A JP27417797A JP3138243B2 JP 3138243 B2 JP3138243 B2 JP 3138243B2 JP 09274177 A JP09274177 A JP 09274177A JP 27417797 A JP27417797 A JP 27417797A JP 3138243 B2 JP3138243 B2 JP 3138243B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
symbol
weighting factor
symbols
data
adaptive array
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP09274177A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11112397A (ja
Inventor
敏範 飯沼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Electric Co Ltd filed Critical Sanyo Electric Co Ltd
Priority to JP09274177A priority Critical patent/JP3138243B2/ja
Publication of JPH11112397A publication Critical patent/JPH11112397A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3138243B2 publication Critical patent/JP3138243B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Variable-Direction Aerials And Aerial Arrays (AREA)
  • Radio Transmission System (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数のアンテナに
より適応的に指向性パターンを作るアダプティブアレイ
装置に関し、特に指向性パターンを形成するための信号
処理の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ディジタル方式の通信機器におい
ては、伝送の効率化のためディジタル情報信号(ベース
バンド信号)で搬送波を変調することにより、情報の伝
送が行われている。ディジタル通信では、伝送速度向上
や同一周波数に複数の利用者を収容する多チャンネル化
により、周波数資源の有効利用が図られている。
【0003】また、移動通信においては、近年の利用者
の急激な増大によって周波数資源が切迫してきており、
この解決策としてアダプティブアレイ方式が注目されて
いる。アダプティブアレイ方式とは、複数のアンテナに
より適応的に指向性パターンを作り、送信時は特定の利
用者だけに電波が届くようにし、受信時には特定の利用
者の電波だけを受信する方式である。例えば、送信回路
と受信回路とアンテナとからなる送受信系統を4組み備
えたアダプティブアレイ装置の場合、送信時には各送信
信号の振幅及び位相を、受信時には各受信信号の振幅及
び位相を、それぞれ調整することによって、送信時、受
信時のそれぞれの指向性パターンを形成することができ
る。アダプティブアレイ方式については「空間領域にお
ける適応信号処理とその応用技術論文特集」(電子通信
学会論文誌 VOL.J75-B-II NO.11NOVEMBER)に記載され
ているので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0004】さらに、アダプティブアレイ方式を用いて
複数の利用者が同一周波数、同一時刻に利用することを
実現するパス分割多元接続(PDMA)通信方式が提案
されている。PDMA通信方式とは、物理的に異なる位
置に設置された複数の無線局が同一時刻に同一周波数を
利用する場合に、特定局の希望信号の特定マルチパス伝
播路のみを選択し、多局の不要波のマルチパス伝播路の
影響を除去・抑制することにより通信を行う方式であ
る。PDMA通信方式については「パス分割多元接続
(PDMA)移動通信方式」(電子情報通信学会 信学
技報 RSC93-84(1994-01))に記載されているのでここで
は詳細な説明を省略する。
【0005】また、移動通信にアダプティブアレイ方式
を適用した場合には、利用者の移動に伴って伝播環境が
時々刻々と変化するため、その変化に合わせて指向性パ
ターンも変化させなければならない。このような場合、
従来の位相器を用いたアナログ処理では、精度、安定
性、追従性など多方面に問題があるため、アダプティブ
アレイ方式の実現にはディジタル信号処理が現実的であ
る。
【0006】具体的なディジタル信号処理としては、上
記のように無線系統毎の振幅と位相の調整を内容とす
る。例えば、ディジタル位相変調の場合、シンボルを表
す同相成分(以下I(Inphase)成分と略す)と直交成分
(以下Q(Quadrature)成分)とに対して適切に無線系統
毎に重み付けすることによって、シンボルの振幅と位相
とが調整されることになる。よって無線系統毎に同相成
分と直交成分とに対するそれぞれの重み係数を算出する
ことが信号処理の主な内容となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、アダプティ
ブアレイ方式において、時々刻々と変化する伝播環境に
追従して指向性パターンを調整するためには、その調整
の時間間隔を伝播環境の変化よりも十分に小さくする必
要があり、例えばシンボル期間毎に行うことが望まし
い。さらに近年の移動通信システムではデータの伝送速
度が高速化されており、シンボル期間(例えばPHS(P
ersonal Handyphone System)では約5マイクロ秒)も短
くなっており、より短時間で信号処理をする必要性があ
る。
【0008】アダプティブアレイを実現するための信号
処理は、上記の重み係数の算出にマトリクス演算を必要
とすることから、その処理量が一般に非常に大きいもの
であり、信号処理をいかに実現するかが課題になってい
る。特に、周波数を有効利用するために、PDMA通信
方式により複数の利用者を同一周波数、同一時刻に収容
する場合、利用者毎の信号処理が必要になるため処理量
が利用者数に比例して増加するので、さらに信号処理の
実現がより重要になっている。
【0009】複数の利用者に同時に対処することは1つ
のDSPの信号処理能力では実現困難なので、複数のD
SPを用いて並列に処理することが考えられるが、そう
すれば必然的に機器の装置規模、コスト等の増大を招く
ことになる。本発明は上記問題点に鑑み、指向性パター
ン調整のための信号処理量を低減し、装置規模やコスト
の増大を最小限に抑えたアダプティブアレイ装置を提供
することを目的とする。
【0010】特に、利用者数が増加しても各利用者毎の
信号処理を適切に行うことができるアダプティブアレイ
装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の問題点を解決する
ため本発明に係るアダプティブアレイ装置は、送信部と
受信部とアンテナとを有する複数の無線部を備えたアダ
プティブアレイ装置であって、無線部毎に、連続するk
個(kは自然数)の受信シンボルの同相成分データと直
交成分データとを記憶するデータ記憶手段と、データ記
憶手段に記憶されたk個のシンボル中の1シンボルの同
相成分データと直交成分データとに基づいて、1つの指
向性パターンを形成するための全無線部の成分毎の重み
係数を計算する重み係数計算手段と、前記k個のシンボ
ルより過去の1シンボルについて、重み係数計算手段に
より計算された重み係数を記憶する重み係数記憶手段
と、重み係数計算手段により計算された重み係数と重み
係数記憶手段に記憶された重み係数とを用いて、現在の
k個のシンボル中の残りのk−1個のシンボルに対する
重み係数を補間する補間手段と、重み係数計算手段およ
び補間手段から得られる重み係数を用いて、データ記憶
手段に記憶された同相成分データと直交成分データとを
合成することより、前記指向性パターンに対応する現在
のk個の受信シンボルデータを得る合成手段とを備えて
いる。
【0012】また、前記重み係数計算手段は、現在のk
個のシンボル中の前記1シンボルの期間内に前記1つの
指向性パターンを形成するための全無線部の成分毎の重
み係数を計算し、次のシンボル期間内にそのシンボルの
同相成分データと直交成分データとに基づいて他の指向
性パターンを形成するための全無線部の成分毎の重み係
数を計算し、前記重み係数記憶手段は、前記重み係数計
算手段により現在のk個のシンボルよりも過去の1シン
ボルについて計算された重み係数であって、前記1つの
指向性パターンを形成するための全無線部の成分毎の重
み係数と、前記他の指向性パターンを形成するための全
無線部の成分毎の重み係数とを記憶し、前記補間手段
は、現在のk個のシンボル中の前記1シンボルの期間内
に、現在のk個のシンボル中の残りのk−1個のシンボ
ルに対する重み係数を補間し、次のシンボル期間内に過
去のk個のシンボル中のk−1個のシンボル分の前記他
の指向性をパターン形成するための全無線部の成分毎の
重み係数を補間するように構成してもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
<第1実施形態> <アダプティブアレイ装置の概略構成>図1は、本発明
の第1実施形態におけるアダプティブアレイ装置の構成
を示すブロック図である。本アダプティブアレイ装置
は、無線部10、20、30、40、アンテナ17、2
7、37、47、受信調整部18、28、38、48、
送信調整部19、29、39、49、制御部50とを備
え、ディジタル携帯電話等の移動通信における基地局と
して設置される。また、無線部10は、変調器11、送
信回路12、スイッチ13から構成される。
【0014】無線部10は、制御部50から送信調整部
19を介して入力されるベースバンド信号(シンボルデ
ータ)を中間周波数信号(以後、IF信号と略す)にま
で変調する変調器11と、変調器11からのIF信号を
高周波信号(以後、RF信号と略す)に変換し、送信出
力レベルにまで増幅する送信回路12と、アンテナの送
受信を切り替えるスイッチ13と、受信信号をIF信号
にまで変換する受信回路15と、受信回路15からのI
F信号をベースバンド信号(シンボルデータ)に復調す
る復調器16を有する。ここで変調器11、復調器16
における変復調の方式は、ディジタル変調であれば種類
を問わないが例えば、π/4シフトQPSKなどであ
る。本実施形態では、復調器16により復調されたベー
スバンド信号はシンボル毎に同相成分(以下I成分と呼
ぶ)データと直交成分(以下Q成分と呼ぶ)データとで
表される時系列データであるものとする。
【0015】受信調整部18は、アダプティブアレイと
しての指向性パターンを生成するために、復調器16か
ら入力される受信ベースバンド信号の振幅と位相とを、
制御部50から指示に従って調整する。より詳しくは、
復調器16から得られるベースバンド信号がシンボル毎
にI成分データとQ成分データとで表される場合、受信
調整部18は、Iデータ、Qデータのそれぞれに重み付
けすることによって、シンボルデータの振幅と位相とを
調整する。重み付けによるシンボルデータの調整を示す
説明図を図2に示す。同図は、I-Q座標平面に復調器1
6に復調されたシンボルデータと、重み付けによるシン
ボルデータとを示している。I1、Q1は復調器16から得
られるシンボルデータを示す。受信調整部18によりWI
1、WQ1は重み付けされたシンボルデータを示す。同図の
ように、受信調整部18はI成分データ、Q成分データ
を個別に重み付けすることにより、シンボルデータの振
幅と位相とを調整する。I成分データ、Q成分データを
個別に重み付けするための重み係数は、制御部50から
指示される送信調整部19は、アダプティブアレイとし
ての指向性パターンを生成するために、制御部50から
入力される送信ベースバンド信号の振幅と位相とを調整
する。この調整についても図2と同様にして行われる。
【0016】無線部20、30、40は、無線部10と
同じ構成になので説明を省略する。制御部50は、プロ
グラマブルなディジタルシグナルプロセッサを中心に構
成され、プログラムを実行することにより以下の機能を
実現する。すなわち制御部50は、無線部10〜40の
送受信制御とともにアダプティブアレイにおける複数の
指向性パターンを実現するための無線系統毎のI成分
用、Q成分用の重み係数をシンボル毎に算出して、受信
調整部18、送信調整部19に出力する。複数の指向性
パターンというのは、アダプティブアレイ方式を用いて
複数の利用者が同一周波数、同一時刻に利用することを
実現するパス分割多元接続(PDMA)通信方式を用い
て複数利用者が存在する場合の、利用者毎の指向性パタ
ーンのことである。複数の指向性パターンの説明図を図
3に示す。同図では、アダプティブアレイ装置の周辺に
4台のユーザ無線機a〜d(以下ユーザa〜dと略す)
が同一周波数、同一時刻に利用している場合を示してい
る。
【0017】さらに制御部50は、ユーザ毎に全無線系
統のI成分用、Q成分用の重み係数をシンボル期間毎に
算出する。シンボル期間毎に全ユーザの重み係数を算出
することは、制御部50の処理量が膨大になるため、制
御部50は、次のように処理量を減らして効率向上を図
っている。すなわち制御部50は、例えば図3のような
4ユーザの場合に、4シンボル期間中の1シンボル期間
をユーザaのための信号処理期間として割り当てて、割
り当てられたシンボル期間においてそのシンボル期間の
重み係数を受信したシンボルデータに基づいて重み係数
を算出するとともに、そのユーザの残りの3シンボル期
間分の重み係数を他の重み係数から補間することにより
算出する。以下、受信したシンボルデータに基づいて重
み係数を算出することを直接演算処理と呼び、他の重み
係数から重み係数を補間すること間接演算処理と呼ぶ。
【0018】同様に4シンボル期間中の次のシンボル期
間をユーザbに割り当てて、割り当てられたシンボル期
間において、ユーザbのための重み係数を直接演算処理
と間接演算処理とにより計算する。ユーザc、dに関し
ても同様である。ユーザ毎に重み係数の計算が必要なの
は、図3に示したようにユーザa〜d個別に異なる指向
性パターンを持たせるからである。異なる複数の指向性
パターンを表すそれぞれの重み係数を効率良く信号処理
するために、制御部50は、各ユーザに循環的にシンボ
ル期間を割り当てている。 <アダプティブアレイ装置の主要部の構成>図4は、図
1に示したアダプティブアレイ装置の各受信調整部と制
御部とをより詳しく示したブロック図である。
【0019】受信調整部18、28、38、48はいず
れも同じ構成なので、受信調整部18を代表として説明
する。受信調整部18は、Iバッファ101、Qバッフ
ァ102、乗算器103、104を備える。Iバッファ
101は、復調器16から得られる最新の4シンボル分
のI成分データを順次更新しながら保持する。これらの
I成分データをI1(t-3*Δt),I1(t-2*Δt),I1(t-Δt),I1
(t)と表す。ここで、I1の1は、第1無線系統の1であ
り、tはシンボルのタイミング、Δtはシンボル期間を
意味する。Iバッファ101は、最新のシンボルのI成
分データI1(t)を出力し、また、制御部50からランダ
ムに読み出し可能である。なお、保持するデータ個数
は、後述する補間処理(間接演算処理)がなされるシン
ボル数+1個を少なくとも保持していればよく、本実施
形態では4個としている。
【0020】Qバッファ102は、Iバッファ101と
同様に、復調器16から得られる最新の4個分のシンボ
ルのQ成分データを保持する。これらのQ成分データを
Q1(t-3*Δt),Q1(t-2*Δt),Q1(t-Δt),Q1(t)と表す。乗
算器103は、I成分データの重み付け、つまり復調器
16から入力されるI成分データと制御部50から与え
られる重み係数とを乗算する。
【0021】乗算器104は、Q成分データの重み付
け、つまり復調器16から入力されるQ成分データと制
御部50から与えられる重み係数とを乗算する。受信調
整部28、38、48についても同様である。制御部5
0は、内部にWバッファ51を有し、シンボル期間を複
数のユーザに循環的に割り当てて、当該シンボル期間に
おいて、そのシンボルに対する重み係数を上記の直接演
算処理により、直接演算処理では求められていないシン
ボルに対する重み係数を間接演算処理により求める。W
バッファ51は、直接演算処理により過去に計算された
1シンボル分の全無線部の成分毎の重み係数を記憶する
ためのバッファであり、間接演算処理において用いられ
る。
【0022】具体的な制御部50の演算処理タイミング
を以下に述べる。 <制御部50の演算処理タイミング>図5は、制御部5
0の演算処理タイミングを示す図である。同図では、本
アダプティブアレイ装置においてPDMA通信方式によ
り4ユーザを収容している場合を演算処理タイミングを
図示している。
【0023】同図において、「シンボル時間」は、シン
ボルタイミングt0,t1,t2,・・・を示す。1シンボル期
間は、本アダプティブアレイ装置がPHS(Personal Ha
ndyphone System)の基地局として運用される場合には、
約5マイクロ秒である。「全Iバッファ、全Qバッファ
の出力」の欄は、各シンボルタイミングにおける全Iバ
ッファと全Qバッファの出力データD(t)を表している。
例えばタイミングt0における出力データD(t0)は次のよ
うになる。 D(t0)=[I1(t0),I2(t0),I3(t0),I4(t0),Q1(t0),Q2(t0),Q
3(t0),Q4(t0)] 「制御部50の演算処理」の欄は、シンボル期間に割り
当てられているユーザと、直接演算処理により算出され
る重み係数とを示している。この例ではシンボル期間に
対して循環的にユーザa,b,c,d,a,b,c,d
・・・と割り当てられている。例えば、シンボルタイミ
ングt4のシンボル期間は、ユーザaの指向性パターンを
形成するための全無線部の各成分の重み係数重み係数算
出するために割り当てられている。このシンボル期間内
に、制御部50は、シンボルタイミングt1,t2,t3,t4の
4シンボル分について、直接演算処理と間接演算処理に
より重み係数を算出する。具体的には4シンボル中の1
シンボルについては直接演算処理により、他の3シンボ
ルについては間接演算処理により重み係数を算出する。
【0024】「ユーザaの重み係数」の欄は、ユーザa
の指向性パターン形成用に算出されたシンボル毎の重み
計数を示す。例えばシンボルタイミングt1〜t4の4シ
ンボルについての重み係数は、シンボルタイミングt4の
シンボル期間において算出された結果を記してある。こ
の例では、シンボルタイミングt4の重み係数は直接演算
処理により算出され、シンボルタイミングt1〜t3の重み
係数は間接演算処理により算出されている。図中のWIa1
(t)〜WIa4(t) , WQa1(t)〜WQa4(t)は直接演算処理によ
る重み係数であり、X3(=XIa1(t)〜XIa4(t) , XQa1(t)〜
XQa4(t))は間接演算処理による重み係数である。
【0025】「ユーザbの重み係数」の欄は、ユーザb
の指向性パターン形成用に算出されたシンボル毎の重み
計数を示す。例えばシンボルタイミングt2〜t5の4シン
ボルについての重み係数は、シンボルタイミングt5のシ
ンボル期間において算出された結果を記してある。「ユ
ーザcの重み係数」「ユーザdの重み係数」の欄につい
ても同様である。 <制御部50の全体処理フロー>図6は、図5に示した
演算処理タイミングを実現する制御部50の概略処理を
示すフローチャートである。同図でも本アダプティブア
レイ装置がPDMA通信方式により4ユーザを収容して
いる場合を示している。
【0026】図中の各ステップに示した基本フローとい
うのは、1シンボル期間内に制御部50が行う信号処理
であって、制御部50が複数シンボル分について1ユー
ザの指向性パターン形成用の重み係数を求めるため直接
演算処理と間接演算処理とを行う信号処理を示す。制御
部50は、シンボル期間毎に、演算対象のユーザを循環
的に切り替えながた基本フローの処理を行う(ステップ
61〜64)。基本フローの内容を以下に詳述する。 <制御部50の1シンボル期間に信号処理(基本フロ
ー)>図7は、図6中の基本フローの処理内容を詳細に
示すフローチャートである。ここではユーザaに対する
基本フローを処理を行っているものとする。
【0027】同図において、まず制御部50は、現在の
シンボルタイミングtにおける全無線部のI成分データ
及びQ成分データ(I1(t)〜I4(t),Q1(t)〜Q4(t))を全
てのIバッファ及びQバッファから読み出し(ステップ
71)、これらのI成分データ及びQ成分データに基づ
いて直接演算処理によって現在のシンボルに対する重み
係数を計算し(ステップ72)、計算結果(WIa1(t)〜W
Ia4(t) , WQa1(t)〜WQa4(t))をWバッファ51に格納
し(ステップ73)、その重み係数を用いて現在のシン
ボルtのユーザaに対する合成信号を、図4に示した全
ての乗算器を用いて計算する(ステップ74)。ユーザ
aに対するシンボルタイミングtの合成信号YIa(t)、YQ
a(t)は次式により得られる。 YIa(t)=ΣWIai(t)*Ii(t) , YQa(t)=ΣWQai(t)*Qi(t) 但し、iは1から4まで。この合成信号は、ユーザaの
指向性パターンによって受信したシンボルタイミングt
における受信シンボルを表している。すなわち他のユー
ザの受信信号を除去した受信シンボルを表している。
【0028】次に、制御部50は、過去に直接演算処理
により算出された重み係数をWバッファ51から読み出
す(ステップ75)。図5の処理タイミングでは、4シ
ンボル前の重み係数がWバッファ51に格納されている
ので、それらの重み係数WIa1(t-4*Δt)〜WIa4(t-4*Δ
t) , WQa1(t-4*Δt)〜WQa4(t-4*Δt)を読み出す。こ
こでΔtは1シンボル期間である。制御部50は、Wバ
ッファ51から読みだされた重み係数と、上記の直接演
算処理により算出された重み係数とを用いて、シンボル
タイミング(t-Δt),(t-2*Δt) ,(t-3*Δt)の3シン
ボルに対する重み係数を間接演算処理つまり補間により
算出する(ステップ76)。
【0029】ここでは、線形補間を用いる例を図8に示
す。同図ではシンボルタイミングt4において実行される
間接演算処理のうち、無線部10に対するI成分データ
用の重み係数WIa1(t4)とWIa1(t0)とを用いて、シンボル
タイミングt1,t2,t3の各シンボルに対する重み係数XIa1
(t1),XIa1(t2),XIa1(t3)を図示している。無線部10に
対するQ成分データ用の重み係数XQ1(t1),XQ1(t2),XQ1
(t3)についても同様である。無線部20、30、40に
対するI成分データ用、Q成分データ用の重み係数につ
いても同様に補間する。
【0030】さらに、制御部50は、現在のシンボルタ
イミングより過去のシンボルデータ、すなわちタイミン
グ(t-Δt),(t-2*Δt) ,(t-3*Δt)の3シンボル分に
ついての全無線部のI成分データ及びQ成分データを全
てのIバッファ及びQバッファから読み出し(ステップ
77)、これらのI成分データ及びQ成分データに間接
演算処理により算出された重み係数を用いて以下に示す
合成信号を計算する。但し、iは1から4までである。
1シンボル前の合成信号は、 YIa(t-Δt)=ΣXIi(t-Δt)*Ii(t-Δt) 、 YQa(t-Δt)=ΣXQi(t-Δt)*Qi(t-Δt)であり、2シン
ボル前の合成信号は、 YIa(t-2*Δt)=ΣXIi(t-2*Δt)*Ii(t-2*Δt) YQa(t-2*Δt)=ΣXQi(t-2*Δt)*Qi(t-2*Δt)であり、
3シンボル前の合成信号は、 YIa(t-3*Δt)=ΣXIi(t-3*Δt)*Ii(t-3*Δt) YQa(t-3*Δt)=ΣXQi(t-3*Δt)*Qi(t-3*Δt)である。
【0031】上記のようにして、制御部50は、シンボ
ルタイミングtのシンボル期間内ににユーザaに対する
基本フローの処理を行う。シンボルタイミング(t+1)、
(t+2)、(t+3)のシンボル期間内におけるユーザb、c、
dに対する基本フローの処理も同様である。 <直接演算処理の詳細フロー>図9は、図7のステップ
72の現在シンボルの重み係数の計算(直接演算処理)
の内容を詳細に示すフローチャートである。
【0032】同図の処理は、カルマンフィルタを用いた
アダプティブアレイに関する公知技術を応用している。
「カルマンフィルタを用いたアダプティブアンテナの検
討」(電子情報通信学会誌 B-II Vol.J75-B-II No.11
pp835-843 1992年11月)に記載されているので、ここで
は簡単に説明する。制御部50は、初期設定済みでなけ
れば初期設定を行う(ステップ91、92)。この初期
設定では、カルマンフィルタの推定誤差分散行列の初期
値P(0)と、重み係数行列の初期値W(0)とを設定する。
本実施形態では、初期値P(0)=C*I(Cは定数、I
は4×4の単位行列)、初期値W(0)は同図に示した4
×1列ベクトルとしている。この場合、重み係数行列W
(t)は、同図に示した4×1列ベクトルとして表現され
る。
【0033】次に制御部50は、入力信号として、Iバ
ッファ及びQバッファから得られるシンボルタイミング
tのI成分データ、Q成分データを設定し(ステップ9
3)、さらに参照信号d(t)を設定する(ステップ9
4)。ここで参照信号d(t)は、特定ユーザから得るべ
き受信信号の推定波形である。制御部50は、推定波形
として、当該シンボルタイミングtにおける受信信号が
既知のデータ、例えば受信データのプリアンブル部分や
ユーザidなどであれば、その波形を設定し、未知のデ
ータである場合には、受信シンボル受信データを仮判定
してその波形を設定する。ここで仮判定による受信信号
Y(t)は、シンボルタイミングtのI成分データ、Q成分
データのそれぞれに、過去の重み係数を乗算して合成す
ることにより得られる。
【0034】次いで、制御部50は、同図に示したよう
にカルマンゲインの計算、事前推定誤差の計算、重み係
数の更新、相関行列の更新(ステップ95〜98)を行
う。ステップ95〜98は、カルマンフィルタにおいて
再帰的最小二乗法(RLS(Recursive Least Square)ア
ルゴリズム)を用いた公知技術であるので、ここでは省
略する。
【0035】このようにして直接演算処理による重み係
数が計算される。以上の説明してきたように、本実施形
態のアダプティブアレイ装置によれば、PDMA通信方
式を用いた場合の複数のユーザに循環的にシンボル期間
を割り当てて、当該シンボル期間において、そのシンボ
ルに対する重み係数を上記の直接演算処理により、直接
演算処理では求められていない他のシンボルに対する重
み係数を間接演算処理により求める。これにより、重み
係数を計算する信号処理量を大幅に低減することがで
き、しかも全ユーザに対してシンボル単位の精度で重み
係数を更新することができる。 <第2実施形態>本実施形態におけるアダプティブアレ
イ装置の構成を示すブロック図の概略構成は図1、図3
に示したと同じであるので、以下異なる点を主として説
明する。
【0036】異なる点は、複数のユーザに循環的にシン
ボル期間を割り当てる割り当てかたである。本実施形態
のアダプティブアレイ装置では、複数のユーザに循環的
に2シンボル期間ずつを割り当てるように構成してい
る。そのため、各Iバッファ、Qバッファは、復調器か
ら得られる最新の8シンボル分のデータを順次更新しな
がら保持する点が異なる。
【0037】また、制御部50は、連続する2シンボル
期間内において、1シンボルに対する直接演算処理と、
残りの7シンボルに対する間接演算処理とを行う点が異
なる。図10は、制御部50の演算処理タイミングを示
す図である。同図は、図5に対して、各ユーザに対して
2シンボル期間ずつを割り当てている点が異なってい
る。例えばユーザaはシンボルタイミングt0、t1の2シ
ンボル期間が割り当てられている。ユーザbにはシンボ
ルタイミングt2、t3の2シンボル期間が割り当てられて
いる。ユーザc、dについても同様である。
【0038】したがって、制御部50は、2シンボル期
間内において、8シンボル中の1シンボルを直接演算処
理により、残りの7シンボルを間接演算処理により重み
係数を計算することになる。間接演算処理によるシンボ
ルの割合が増えるものの、第1実施形態に比べて1ユー
ザに対する信号処理期間が2倍になるので、制御部50
がより処理能力の低いDSPである場合であっても、複
数ユーザのシンボル毎の重み係数を直接演算処理と間接
演算処理とによって計算することができる。 <第3実施形態>本実施形態では、本発明のアダプティ
ブアレイ装置をパスダイバーシチに適用する場合を説明
する。パスダイバーシチとは、到達時刻の異なる信号
(ここでは最初に到達した信号を直接波、それ以降に到
達する信号を遅延波とする)を分離受信した後、さら
に、それらを合成して受信信号を生成することをいう。
【0039】本実施形態におけるアダプティブアレイ装
置の構成を示すブロック図の概略構成は図1、図3に示
したと同じであるので、以下異なる点を主として説明す
る。異なる点は、複数のユーザの指向性パターンを形成
する代わりに、1ユーザの直接波と遅延波とを受信する
ための指向性パターンを形成する点である。遅延波は、
ユーザから放射された電波がビルや電車、自動車などに
反射して本アダプティブアレイ装置に到来するので、直
接波とは異なる指向性パターンを持つ。そこで、本実施
例のアダプティブアレイ装置では、直接波の指向性パタ
ーンと遅延波の指向性パターンとを発生させて、遅延波
も積極的に選別して受信し直接波と合成するように構成
されている。
【0040】図11は、制御部50の演算処理タイミン
グを示す図である。同図は、図5のユーザa、b、c、
dの代わりに、直接波、遅延波1、遅延波2、遅延波3
の指向性パターンを形成する点が異なっているが、制御
部50の演算処理タイミングは図5と全く同じである。
そのため、図9に示した参照信号の設定(ステップ9
4)処理の内容が異なっている。制御部50は、直接波
に対する参照信号d(t)としては、第1実施形態と同様
に1ユーザに対する推定波形を設定する。さらに、各遅
延波に対する参照信号d(t)については、直接波のシン
ボルデータを仮判定して得られる受信信号に対して推定
遅延時間を与えた推定波形を設定する。
【0041】さらに、このようにして得られる直接波と
遅延波1〜3それぞれの重み係数を用いて合成される直
接波と遅延波1〜3の受信信号は、さらに合成された後
受信シンボルの判定に用いられる。上記のように本実施
形態では直接波以外に複数の遅延波を積極的に選別して
受信し、それらを合成した結果に対して最終的な受信シ
ンボルとして判定するので、C/N比が向上するので、
フェージングにより無線波の伝播環境が劣悪な場合であ
っても信頼性を向上させることができる。
【0042】以上のように、上記各実施形態では、直接
演算処理だけでは信号処理量が膨大になるので、間接演
算処理(補間処理)を適切な割合で利用することにより
信号処理量を大きく低減している。次に、補間処理によ
る特性劣化の可能性について説明する。一般に、補間に
よりデータを算出する場合には、全データを直接演算に
より算出する場合と比べて特性が劣化する可能性があ
る。これは、補間によるデータと直接演算によるデータ
との誤差に起因するので、補間によるデータ数が多いほ
ど特性劣化の可能性も大きくなる。
【0043】しかし、上記各実施形態において補間によ
り重み係数を得ている期間において、重み係数の変化が
十分に小さいものであれば、上記誤差の影響が小さくな
り、特性劣化が発生しなくなる。つまり、重み係数の変
化の速さに応じて、補完しても特性劣化を生じさせない
期間が決定される。重み係数の変化はユーザの移動によ
る伝播環境の変化によりもたらされるものであり、その
変化の速さは概ね移動速度に比例する。従ってユーザの
移動速度の上限から、重み係数の変化の速さの上限が分
かるので、それにより補間による期間の上限が求められ
る。このことから、伝送速度が高速であっても補間によ
る期間がその上限を越えない範囲であれば、特性劣化は
生じない。
【0044】さらに、このことは本発明のアダプティブ
アレイ装置による補間による期間が、重み係数の変化の
速さの上限を越えない範囲であれば、基本的には伝送速
度によらず適用が可能であることを示している。なお、
本発明のアダプティブアレイ装置は、上記各実施形態の
処理タイミングや、ユーザや遅延波を組み合わせについ
ても適用可能である。以下に、上記実施形態の場合も含
めて、それらの組み合わせを図12に示す。
【0045】同図では、4のシンボル期間を1周期とし
て、各シンボル期間をタイムスロット1〜4の繰り返し
としている。同図においてNo.1のケースは、第1実施
形態を示している。No.2のケースは、第3実施形態を
示している。No.3のケースは、1ユーザについてタイ
ムスロット1と3では直接波を、タイムスロット2、4
では遅延波を求める場合を示している。この場合、2シ
ンボル中の1シンボルが直接演算処理により他の1シン
ボルが間接演算処理により重み係数が計算される。
【0046】No.4のケースは、1ユーザついてタイム
スロット1では直接波を、タイムスロット3では遅延波
を求める場合を示している。この場合、直接波は、2シ
ンボル中の1シンボルが直接演算処理により他の3シン
ボルが間接演算処理により重み係数が計算される。No.
5のケースは、1ユーザについてタイムスロット1で直
接波を、タイムスロット3ではその遅延波を求める場合
を示している。この場合、直接波、遅延波ともに、4シ
ンボル中の1シンボルが直接演算処理により他の3シン
ボルが間接演算処理により重み係数が計算される。
【0047】No.6のケースは、2ユーザについてタイ
ムスロット1、3でユーザ1に、タイムスロット2、4
でユーザ2に対する重み係数を求める場合を示してい
る。この場合、各ユーザともに、2シンボル中の1シン
ボルが直接演算処理により他の1シンボルが間接演算処
理により重み係数が計算される。No.7のケースは、2
ユーザについてタイムスロット1でユーザ1の直接波
を、タイムスロット2でユーザ2の遅延波を、タイムス
ロット3でユーザ2の直接波を、タイムスロット4でユ
ーザ2の遅延波を求める場合を示している。この場合、
各直接波、遅延波について、4シンボル中の1シンボル
が直接演算処理により他の3シンボルが間接演算処理に
より重み係数が計算される。
【0048】No.8、9についても同図に示した組み合
わせに対応する重み係数が計算される。なお上記各実施
例では、間接演算処理における補間に線形補間を用いる
例を示したが、非線形補間であってもよい。また、上記
各実施例では、図5、図10、図11において、制御部
50が割り当てられたシンボル期間内に、特定のユーザ
の直接波又は遅延波に対する重み係数を計算している
が、シンボル期間に同期することは必須でない。すなわ
ち、ホン発明のアダプティブアレイ装置は、実施形態で
示したようにシンボルデータ(I、Q成分データ)の受
信タイミングに同期してリアルタイムに動作させてもよ
いし、シンボルデータをある期間分だけまとめて記憶し
ておき、一括に処理する用にしてもよい。
【0049】
【発明の効果】本発明のアダプティブアレイ装置は、送
信部と受信部とアンテナとを有する複数の無線部を備え
たアダプティブアレイ装置であって、無線部毎に、連続
するk個(kは自然数)の受信シンボルの同相成分デー
タと直交成分データとを記憶するデータ記憶手段と、デ
ータ記憶手段に記憶されたk個のシンボル中の1シンボ
ルの同相成分データと直交成分データとに基づいて、1
つの指向性パターンを形成するための全無線部の成分毎
の重み係数を計算する重み係数計算手段と、前記k個の
シンボルより過去の1シンボルについて、重み係数計算
手段により計算された重み係数を記憶する重み係数記憶
手段と、重み係数計算手段により計算された重み係数と
重み係数記憶手段に記憶された重み係数とを補間するこ
とにより、現在のk個のシンボル中の残りのk−1個の
シンボルに対する重み係数を計算する補間手段と、重み
係数計算手段および補間手段から得られる重み係数を用
いて、データ記憶手段に記憶された同相成分データと直
交成分データと合成することより、前記指向性パターン
に対応する現在のk個の受信シンボルデータを得る合成
手段とを備える。
【0050】これにより、k個のシンボル中の1シンボ
ルについては重み係数計算手段が重み係数を計算し、残
りのk−1個のシンボルについては補間手段が重み係数
を補間するので、指向性パターン調整のための信号処理
量を低減することができるという効果がある。また装置
規模やコストの増大を最小限に抑えることができる。
【0051】また、本アダプティブアレイ装置におい
て、前記重み係数計算手段は、現在のk個のシンボル中
の前記1シンボルの期間内に前記1つの指向性パターン
を形成するための全無線部の成分毎の重み係数を計算
し、次のシンボル期間内にそのシンボルの同相成分デー
タと直交成分データとに基づいて他の指向性パターンを
形成するための全無線部の成分毎の重み係数を計算し、
前記重み係数記憶手段は、前記重み係数計算手段により
現在のk個のシンボルよりも過去の1シンボルについて
計算された重み係数であって、前記1つの指向性パター
ンを形成するための全無線部の成分毎の重み係数と、前
記他の指向性パターンを形成するための全無線部の成分
毎の重み係数とを記憶し、前記補間手段は、現在のk個
のシンボル中の前記1シンボルの期間内に、現在のk個
のシンボル中の残りのk−1個のシンボルに対する重み
係数を補間し、次のシンボル期間内に過去のk個のシン
ボル中のk−1個のシンボル分の前記他の指向性をパタ
ーン形成するための全無線部の成分毎の重み係数を補間
するように構成されている。
【0052】この構成によれば、上記1つの指向性パタ
ーンを形成するための全無線部の成分毎の重み係数と、
他の指向性パターンを形成するための全無線部の成分毎
の重み係数とを、重み係数計算手段と補間手段とが計算
するので、上記効果に加えて、信号処理量を大幅に増加
させることなく、2以上の指向性パターンを生成するこ
とができるという効果がある。
【0053】また、本アダプティブアレイ装置におい
て、前記1つの指向性パターンと前記他の指向性パター
ンとは、同一周波数を同一時刻に使用する異なる移動無
線機に対応する構成としたので、PDMA通信における
複数の移動無線機に対して、信号処理量を大幅に増加さ
せることがないという効果がある。さらに、本アダプテ
ィブアレイ装置において、前記1つの指向性パターンと
前記他の指向性パターンは、特定の移動無線機からの到
来する直接波と間接波に対応する構成としたので、パス
ダイバーシチを容易に実現することができるという効果
がある。
【0054】また、本アダプティブアレイ装置におい
て、前記重み係数計算手段および前記補間手段は、プロ
グラマブルなディジタル信号処理用プロセッサで構成し
たので、上記効果に加えて、装置規模やコストの増大を
最小限に抑えることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態におけるアダプティブア
レイ装置の構成を示すブロック図である。
【図2】重み付けによるシンボルデータの調整を示す説
明図である。
【図3】複数の利用者が同一周波数を同一時刻に利用す
る場合の複数の指向性パターンの説明図を示す。
【図4】アダプティブアレイ装置の各受信調整部と制御
部とをより詳しく示したブロック図である。
【図5】制御部50の演算処理タイミングを示す図であ
る。
【図6】図5の演算処理タイミングを実現する制御部の
概略処理を示すフローチャートである。
【図7】図6中の基本フローの処理内容を詳細に示すフ
ローチャートである。
【図8】線形補間を用いる例を示す。
【図9】図7のステップ72の現在シンボルの重み係数
の計算(直接演算処理)の内容を詳細に示すフローチャ
ートである。
【図10】第2実施形態における制御部50の演算処理
タイミングを示す図である。
【図11】第3実施形態における制御部50の演算処理
タイミングを示す図である。
【図12】ユーザ数及び直接波遅、延波の組み合わせを
示す図である。
【符号の説明】
10〜40 無線部 11 変調器 12 送信回路 13 スイッチ 15 受信回路 16 復調器 17 アンテナ 18、28、38、48 受信調整部 19、29、39、49 送信調整部 50 制御部 51 Wバッファ 101、201、301、401 Iバッファ 102、202、302、402 Qバッファ 103、203、303、403 乗算器 104、204、304、404 乗算器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01Q 3/00 - 3/46 H01Q 21/00 - 25/04 H04B 7/00 H04B 7/02 - 7/12 H04L 1/02 - 1/06

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送信部と受信部とアンテナとを有する複
    数の無線部を備えたアダプティブアレイ装置であって、 無線部毎に、連続するk個(kは自然数)の受信シンボ
    ルの同相成分データと直交成分データとを記憶するデー
    タ記憶手段と、 データ記憶手段に記憶されたk個のシンボル中の1シン
    ボルの同相成分データと直交成分データとに基づいて、
    1つの指向性パターンを形成するための全無線部の成分
    毎の重み係数を計算する重み係数計算手段と、 前記k個のシンボルより過去の1シンボルについて、重
    み係数計算手段により計算された重み係数を記憶する重
    み係数記憶手段と、 重み係数計算手段により計算された重み係数と重み係数
    記憶手段に記憶された重み係数とを用いて、現在のk個
    のシンボル中の残りのk−1個のシンボルに対する重み
    係数を補間する補間手段と、 重み係数計算手段および補間手段から得られた重み係数
    を用いて、データ記憶手段に記憶された同相成分データ
    と直交成分データとを合成することより、前記指向性パ
    ターンに対応する現在のk個の受信シンボルデータを得
    る合成手段とを備えることを特徴とするアダプティブア
    レイ装置。
  2. 【請求項2】 前記重み係数計算手段は、現在のk個の
    シンボル中の前記1シンボルの期間内に前記1つの指向
    性パターンを形成するための全無線部の成分毎の重み係
    数を計算し、次のシンボル期間内にそのシンボルの同相
    成分データと直交成分データとに基づいて他の指向性パ
    ターンを形成するための全無線部の成分毎の重み係数を
    計算し、 前記重み係数記憶手段は、前記重み係数計算手段により
    現在のk個のシンボルよりも過去の1シンボルについて
    計算された重み係数であって、前記1つの指向性パター
    ンを形成するための全無線部の成分毎の重み係数と、前
    記他の指向性パターンを形成するための全無線部の成分
    毎の重み係数とを記憶し、 前記補間手段は、現在のk個のシンボル中の前記1シン
    ボルの期間内に、現在のk個のシンボル中の残りのk−
    1個のシンボルに対する重み係数を補間し、次のシンボ
    ル期間内に過去のk個のシンボル中のk−1個のシンボ
    ル分の前記他の指向性パターンを形成するための全無線
    部の成分毎の重み係数を補間することを特徴とする請求
    項1記載のアダプティブアレイ装置。
  3. 【請求項3】 前記1つの指向性パターンと前記他の指
    向性パターンとは、同一周波数を同一時刻に使用する異
    なる移動無線機に対応することを特徴とする請求項2記
    載のアダプティブアレイ装置。
  4. 【請求項4】 前記1つの指向性パターンと前記他の指
    向性パターンとは、特定の移動無線機からの到来する直
    接波と間接波に対応することを特徴とする請求項2記載
    のアダプティブアレイ装置。
  5. 【請求項5】 前記重み係数計算手段および前記補間手
    段は、プログラマブルなディジタル信号処理用プロセッ
    サであることを特徴とする請求項1から4に記載の何れ
    かのアダプティブアレイ装置。
JP09274177A 1997-10-07 1997-10-07 アダプティブアレイ装置 Expired - Fee Related JP3138243B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09274177A JP3138243B2 (ja) 1997-10-07 1997-10-07 アダプティブアレイ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09274177A JP3138243B2 (ja) 1997-10-07 1997-10-07 アダプティブアレイ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11112397A JPH11112397A (ja) 1999-04-23
JP3138243B2 true JP3138243B2 (ja) 2001-02-26

Family

ID=17538117

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP09274177A Expired - Fee Related JP3138243B2 (ja) 1997-10-07 1997-10-07 アダプティブアレイ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3138243B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001203617A (ja) * 2000-01-18 2001-07-27 Matsushita Electric Ind Co Ltd アレーアンテナ基地局装置およびアレーアンテナ受信方法
JP2001285189A (ja) * 2000-04-03 2001-10-12 Sanyo Electric Co Ltd 無線基地局、プログラム記憶媒体
JP4894561B2 (ja) * 2007-03-06 2012-03-14 住友電気工業株式会社 通信装置及びウェイト更新方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11112397A (ja) 1999-04-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3526196B2 (ja) アダプティブアンテナ
US7031368B1 (en) Adaptive transmitter/receiver
JP4299083B2 (ja) 無線通信装置及び無線通信方法
CN101057421B (zh) 无线电设备和发送控制方法
JP3591581B2 (ja) 適応アンテナ受信装置
JP2001223516A (ja) 適応アンテナ装置
WO1999050965A1 (fr) Recepteur radio et procede de reception
JP3213601B2 (ja) 無線基地局
Yasin et al. Performance analysis of LMS and NLMS algorithms for a smart antenna system
JP3341701B2 (ja) アレーアンテナ送信装置
JP3328930B2 (ja) 適応受信装置
US6317611B1 (en) Communication device with adaptive antenna
JP3138243B2 (ja) アダプティブアレイ装置
JP2004343282A (ja) アレイアンテナ通信装置
JP3869738B2 (ja) 無線基地装置、送信電力制御方法、および送信電力制御プログラム
JPH1051221A (ja) アダプティブアレーアンテナ
US7110480B1 (en) Adaptive array apparatus
JP4426398B2 (ja) アレイアンテナ受信装置
JP3423659B2 (ja) 無線受信装置
JP2003087039A (ja) アダプティブアレイアンテナ装置
CN113395098B (zh) 一种多天线信号合并和发射信号赋形的方法及装置
JP2001223623A (ja) デジタル無線通信システム
JP4592662B2 (ja) 無線基地装置、送信電力制御方法、および送信電力制御プログラム
JP4489460B2 (ja) 適応アレーアンテナシステム及び適応アレーアンテナ制御方法、無線装置
JP2001285164A (ja) 無線受信装置および応答ベクトル推定方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081208

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081208

Year of fee payment: 8

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081208

Year of fee payment: 8

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081208

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091208

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101208

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees