JP6614894B2 - 発酵乳の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は発酵乳およびその製造方法に関する。
発酵乳は、牛乳等の獣乳を原料とし、乳酸菌あるいは酵母またはその両者により発酵させたものである。近年、発酵乳の種類も豊富になり、特に発酵後に濃縮して得られる濃縮発酵乳は、濃厚な食感が得られ、高濃度のタンパク質を含み栄養価も高いことから注目されている。
特許文献1は、濃縮発酵乳の製造を目的とするものでなく、普通の発酵乳の粘度を高めることによって、安定剤を使用せずに濃厚感を付与することを課題とするもので、カードを膜処理して水分を分離する方法が開示されている。実施例には、膜処理時の処理流体の温度を10〜20℃として、濃縮倍率1.5倍とした例1、3、5と、処理流体の温度を35〜45℃として、濃縮倍率1.5倍とした例2、4、6が記載されている。いずれの例でも濃縮前に比べて濃縮後の粘度が高くなっており、処理流体の温度が高い例2、4、6の方が、例1、3、5よりも濃縮後の粘度を高くできることが示されている。
特許文献2には、無脂乳固形分9.2質量%、脂肪含量約1.7質量%の調乳液を発酵させた後、40〜45℃で限外ろ過(UF)を行って3倍濃縮することにより、無脂乳固形分が15質量%程度、脂肪含量が5質量%程度の濃縮発酵乳を製造する方法が記載されている。
特開2005−318855号公報 特開2014−161237号公報
近年、消費者の低脂肪志向から、発酵乳においても低脂肪化した製品の開発が求められる。しかし濃縮発酵乳の低脂肪化は容易ではない。
本発明者らの知見によれば、特許文献1に記載されているような、10〜20℃または35〜45℃の処理温度で1.5倍濃縮する方法においては、脂肪含量を低くするほど濃縮後の粘度が低下してしまう。すなわち低脂肪化と、特許文献1の課題である高粘度化とはトレードオフの関係にあることがわかった。
なお、特許文献1に記載の方法において濃縮倍率を高くしても、濃縮後の粘度をより高くできるわけではない。すなわち、本発明者等の知見によれば、濃縮後の固形分濃度が同じである発酵乳を濃縮倍率を変えて製造する場合、濃縮前の固形分濃度を低くして濃縮倍率を高くすると濃縮後の粘度は低くなる傾向がある。
また、特許文献2に記載されているように、40〜45℃の処理温度で3倍濃縮すれば、無脂乳固形分が高められたことによる濃厚感が得られる。しかしながら、この方法において濃縮前の脂肪含量を低くして濃縮発酵乳を低脂肪化しようとすると、食感のなめらかさが損なわれ、ざらつきが生じて粉っぽくなる場合があることを、本発明者等は知見した。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、低脂肪であり、濃厚感を有し、食感のなめらかさに優れた、新規な発酵乳およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、濃縮前の脂肪含量を低くしたときに生じる濃縮発酵乳のざらつきについて検討を重ねた結果、濃縮時の温度または濃縮倍率によって濃縮後の発酵乳の平均粒子径を制御できること、および該平均粒子径を所定の値以下に制御すれば発酵乳のざらつきが改善されることを見出して本発明に至った。
本発明は、以下の[1]〜[7]を要旨とする。
[1] 無脂乳固形分が15質量%以上、かつ脂肪含量が3質量%以下である発酵乳を製造する方法であって、乳原料を含む調乳液を発酵させ、得られた発酵物を濃縮倍率2倍以上かつ発酵物の温度5〜35℃の条件で濃縮する、発酵乳の製造方法。
[2] 前記発酵乳の脂肪含量/無脂乳固形分の質量比が0.05以上0.2以下であり、前記濃縮倍率が2倍以上かつ前記発酵物の温度が5〜35℃である、[1]に記載の発酵乳の製造方法。
[3] 前記発酵乳の脂肪含量/無脂乳固形分の質量比が0.02以上0.05未満であり、前記濃縮倍率が2.5倍以上かつ前記発酵物の温度が5〜35℃である、[1]に記載の発酵乳の製造方法。
[4] 前記発酵乳の脂肪含量/無脂乳固形分の質量比が0.03以上0.05未満であり、前記濃縮倍率が2倍以上2.5倍未満かつ前記発酵物の温度が5〜20℃である、[1]に記載の発酵乳の製造方法。
[5] 前記発酵乳の脂肪含量/無脂乳固形分の質量比が0.02以上0.03未満であり、前記濃縮倍率が2倍以上2.5倍未満かつ前記発酵物の温度が5〜15℃である、[1]に記載の発酵乳の製造方法。
[6] 無脂乳固形分が15質量%以上、脂肪含量が3質量%以下であり、レーザー回折・散乱法により求められる体積基準分布の平均径で表される平均粒子径が16μm以下である発酵乳。
[7] 10℃における粘度が5000mPa・s以上である、[6]に記載の発酵乳。
本発明によれば、低脂肪であり、濃厚感を有し、食感のなめらかさに優れた発酵乳が得られる。
<発酵乳>
本発明の発酵乳は、乳原料を含む調乳液を発酵させた発酵物を、濃縮して無脂乳固形分を高めたものである。
本発明の発酵乳は無脂乳固形分が15質量%以上と高く、かつ脂肪含量が3質量%以下と低い。また、このように低脂肪化された濃縮タイプの発酵乳でありながら、平均粒子径は16μm以下と小さい。ここで、本発明における発酵乳の平均粒子径はレーザー回折・散乱法により求められる体積基準分布の平均径である。
発酵乳の無脂乳固形分が15質量%以上であると良好な濃厚感が得られる。該無脂乳固形分の上限値は特に限定されないが良好な風味を維持する点からは25質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい。
発酵乳の脂肪含量が3質量%以下であると、低脂肪の製品イメージが充分に得られる。該脂肪含量はゼロ(無脂肪)でもよい。
発酵乳の平均粒子径が16μm以下であると、ざらつきが充分に低減された食感が得られる。該平均粒子径が15μm以下であるとなめらかさに優れる。該平均粒子径の下限は特に限定されないが、発酵乳の製造を考慮すれば下限の範囲は4μm以上である。
本発明の発酵乳の無脂乳固形分(質量%)に対する脂肪含量(質量%)の質量比(脂肪含量/無脂乳固形分)は0.2以下である。該質量比が小さいほど脂肪が相対的に少なく、濃縮後の平均粒子径が大きくなりやすい。該質量比の下限値は特に限定されずゼロでもよい。例えば風味の点からは0.01以上が好ましく、0.02以上がより好ましい。
本発明の発酵乳の10℃における粘度は5000mPa・s以上が好ましく、5500mPa・s以上がより好ましい。粘度の測定条件は後述する。
発酵乳の粘度が5000mPa・s以上であると良好な濃厚感が得られる。該粘度の上限は特に限定されないが、良好な食感が得られる点では10000mPa・s以下が好ましく、9000mPa・s以下がより好ましい。
<発酵乳の製造方法>
本発明の発酵乳は、乳原料を含む調乳液を発酵させ、得られた発酵物を特定の温度で、2倍以上の濃縮倍率で濃縮する方法で製造できる。濃縮工程における発酵物の温度および/または濃縮倍率によって濃縮後の発酵乳の平均粒子径を制御できる。
<調乳液>
調乳液は、これに乳酸菌または酵母を含む発酵菌を作用させて発酵させて発酵物とするものであり、乳原料および必要に応じて水を含む。
[乳原料]
乳原料は乳由来の原料であり、発酵乳の製造において用いられる公知の乳原料を用いることができる。例えば生乳、牛乳、水牛乳、やぎ乳、羊乳、馬乳、濃縮乳、脱脂濃縮乳、脱脂粉乳、クリーム、バター、乳清蛋白質濃縮物(WPC)、乳清蛋白質分離物(WPI)、乳蛋白質濃縮物(MPC)、ミセラカゼインアイソレート(MCI)、ミルクプロテインアイソレート(MPI)等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
[その他の成分]
調乳液には、乳原料、水以外のその他の成分を添加してもよい。その他の成分として、例えば、ショ糖、オリゴ糖等の糖類、植物性脂肪、安定剤、香料、甘味料等の発酵乳の製造において添加される公知の成分を適宜、含有させることができる。
安定剤としては、例えば寒天、ゼラチン、ペクチン等が挙げられる。
甘味料としては、例えばスクラロース、エリスリトール等が挙げられる。
調乳液における脂肪含量は1.5質量%以下であり、得ようとする発酵乳の脂肪含量および濃縮倍率に応じて決定される。調乳液の脂肪含量と発酵物の脂肪含量は同じ値である。濃縮工程で脂肪は除去されない。
調乳液の脂肪含量が1.5質量%以下であると、濃縮倍率2倍以上で脂肪含量3質量%以下の発酵乳を得ることができる。
調乳液における無脂乳固形分は、得ようとする発酵乳の無脂乳固形分に応じて、濃縮倍率および濃縮工程で除去される量を加味して決定される。調乳液の無脂乳固形分と発酵物の無脂乳固形分は同じ値である。
<発酵工程>
発酵菌は、発酵乳の製造において公知の、乳酸菌、ビフィズス菌、または酵母を使用できる。発酵菌は2種以上組み合せて使用することができる。
発酵菌として乳酸菌スターターを用いることが好ましい。例えば、ラクトバチルス・ブルガリクス(L.bulgaricus)、ラクトコッカス・ラクチス(L.lactis)、ストレプトコッカス・サーモフィラス(S.thermophilus)等のヨーグルト製造に通常用いられている乳酸菌スターターの1種または2種以上を用いることが好ましい。乳酸菌スターターを用いる場合、ビフィズス菌スターター、例えば、ビフィドバクテリウム・ロンガム(B.longum)等を併用してもよい。これらのスターターは市販品から入手可能である。
具体的には、調乳液に発酵菌を添加し(発酵開始)、所定の発酵温度に保持して発酵させ、発酵物を得る。発酵によりカードが形成される。
調乳液は、通常、発酵菌を作用させる前に加熱処理により殺菌される。殺菌後、発酵菌を添加する前に、予め調乳液の温度を所定の発酵温度に調整しておくことが好ましい。発酵菌として、上記に例示した乳酸菌スターターを用いる場合の発酵温度は37〜45℃が好ましい。
乳酸菌による発酵においては酸が生成されるため、発酵が開始された後の調乳液のpHは経時的に低下する。発酵工程における到達pHは、組織がなめらかで良好なカードが形成されやすい点で4.6〜4.9が好ましい。発酵工程における調乳液のpHは、発酵菌の種類、添加量および発酵時間によって調整できる。
pHが目標の値に達したら、10℃以下に冷却して発酵物を得る。冷却することにより、発酵菌の活性が低下し発酵が抑えられる。10℃以下に冷却された時点を発酵工程の終了時とする。発酵物を次の濃縮工程に供する前に、撹拌してカードを粉砕することが好ましい。
<濃縮工程>
次いで発酵物を濃縮して目的の発酵乳を得る。濃縮後は10℃以下に冷却することが好ましい。
濃縮工程は公知の濃縮方法を適宜用いて行うことができる。例えば遠心分離法または膜分離法を用いることができる。よりなめらかな発酵乳が得られるという点で膜分離法が好ましい。膜分離法としては、例えば限外ろ過膜(UF膜)を用いる方法、精密濾過膜を用いる方法等が挙げられる。
濃縮工程において、濃縮される発酵物の温度は5〜35℃とする。発酵物の温度が高い方が濃縮効率は向上するが、発酵物の温度を低くすることにより濃縮後の発酵乳の平均粒子径を小さくできる。濃縮工程における発酵物の温度が35℃以下であると、発酵乳の平均粒子径を16μm以下に制御しやすい。5℃以上であると粘度が下がりすぎず、良好な粘度が得られやすい。
濃縮前の質量を、濃縮後の質量で除した値で表される濃縮倍率は、2倍以上であり、2.5倍以上が好ましい。濃縮倍率が低い方が短時間で濃縮できるが、濃縮倍率を高くすることにより濃縮後の発酵乳の平均粒子径を小さくできる。濃縮倍率が2倍以上であると、発酵乳の平均粒子径を16μm以下に制御しやすい。濃縮倍率の上限は特に限定されないが、製造効率の点からは4倍以下が好ましく、3.5倍以下がより好ましい。
濃縮工程における条件を、濃縮後の発酵乳の平均粒子径が16μm以下となるように設定することが好ましく、これにより食感のなめらかさに優れる発酵乳が得られる。
例えば、予め下記の方法で濃縮条件を設定し、該濃縮条件で発酵物を濃縮することが好ましい。
まず、調乳液を発酵させた発酵物を濃縮する方法で、無脂乳固形分および脂肪含量が所定の設計値である発酵乳を試作する。このとき濃縮される発酵物の温度は5〜35℃、濃縮倍率は2倍以上の範囲内で試作条件を設定する。
得られた試作発酵乳の平均粒子径を測定し、16μm以下であれば前記試作条件を濃縮条件とする。
試作発酵乳の平均粒子径が16μmより大きい場合は、試作条件における発酵物の温度を低くする、および/または濃縮倍率を高くすることによって、試作発酵乳の平均粒子径を小さくし、平均粒子径16μm以下となったときの試作条件を濃縮条件とする。
例えば下記の条件で濃縮工程を行うと、発酵乳の平均粒子径を16μm以下に制御しやすい点で好ましい。
(1)得ようとする発酵乳の無脂乳固形分が15質量%以上、脂肪含量が3質量%以下、かつ脂肪含量/無脂乳固形分の質量比が0.05以上0.2以下であるとき、濃縮倍率が2倍以上、かつ発酵物の温度が5〜35℃。
(2)得ようとする発酵乳の無脂乳固形分が15質量%以上、脂肪含量が3質量%以下、かつ脂肪含量/無脂乳固形分の質量比が0.02以上0.05未満であるとき、濃縮倍率が2.5倍以上、かつ発酵物の温度が5〜35℃。
(3)得ようとする発酵乳の無脂乳固形分が15質量%以上、脂肪含量が3質量%以下、かつ脂肪含量/無脂乳固形分の質量比が0.03以上0.05未満であるとき、濃縮倍率が2倍以上2.5倍未満、かつ発酵物の温度が5〜20℃。
(4)得ようとする発酵乳の無脂乳固形分が15質量%以上、脂肪含量が3質量%以下、かつ脂肪含量/無脂乳固形分の質量比が0.02以上0.03未満であるとき、濃縮倍率が2倍以上2.5倍未満、かつ発酵物の温度が5〜15℃。
本発明によれば、濃縮倍率を高くすることにより、または濃縮される発酵物の温度を低くすることにより、濃縮後の発酵乳の平均粒子径を小さく制御して、食感のなめらかさに優れる発酵乳を製造することができる。
その理由は明確ではないが、濃縮倍率が高いと濃縮工程におけるせん断力が大きくなり、粒子径が大きいカードが粉砕されるためと考えられる。また発酵物の温度が低いと、濃縮中にカード形成が進んで粒子径が大きくなるのが防止されるためと考えられる。
また発酵乳の脂肪含量/無脂乳固形分の質量比が大きいほど、濃縮後の平均粒子径が小さくなりやすい。その理由は明確ではないが、該質量比が大きいということは、脂肪が相対的に多く存在することを意味し、脂肪球がクッションのように作用してカードの凝集が抑えられるためと考えられる。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。以下において、含有割合を表す「%」は特に断りのない限り「質量%」である(表も同様。)。
<測定方法>
以下の測定方法を用いた。
本明細書において、脂肪含量は以下の測定方法により得られる値である。無脂乳固形分は固形分から脂肪含量を差し引いた値である。
[脂肪]
脂肪はレーゼゴットリーブ法を用いて測定する。具体的には、マジョニア管に試料3gを採取し、水7ml、フェノールフタレイン1滴、アンモニア水2mlを加えて軽く振とうする。その後、エタノール10ml、エチルエーテル25ml、石油エーテル25mlを加え、各液を添加する毎に栓をして2、3回振とうする。マジョニア管を遠心分離した後に溶媒層をディッシュに移し、溶媒を揮発させる。この残留物が脂肪であるので、当該残留物を秤量する。
[固形分]
固形分(%)=100−水分(%)にて求める。
[水分]
水分は混砂乾燥法を用いて定量する。具体的には、試料を一定条件で恒量となるまで乾燥し、乾燥物質量を求め算出した乾燥減量を水分量とする。
具体的には、以下の手順である。
(1)アルミニウム製秤量管に精製硅砂25gとガラス棒を入れ、乾燥機で恒量になるまで乾燥し、デシケーターに移し30分間室温で放冷し秤量する。
(2)秤量管を傾け、硅砂を一方に寄せ、試料を精秤し、机上に秤量管を写し、温湯5mlを加えガラス棒で試料を硅砂とよく撹拌均一に分散させる。
(3)沸騰した水浴上で撹拌しながら、ほとんどの水分を蒸発させる、サラサラになった所で99±1℃の乾燥機に3時間入れ、デシケーターで30分間放冷し秤量する。
乾燥、冷却、秤量を恒量になるまで繰り返し行い、以下の計算式により水分を算出する。
(水分量計算式)水分(%)=乾燥減量(g)/試料採取量(g)×100
[平均粒子径]
平均粒子径は、レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置 LA−950(HORIBA社製)を用いて粒度分布を測定し、体積基準分布の平均径の値を平均粒子径とした。
[粘度]
B型粘度計にて、No.4ローターを使用し、回転数60rpmで測定したときの、測定開始から10秒後の値(単位:mPa・s)を粘度の測定値とした。
<原料>
以下の原料を用いた。
脱脂濃縮乳:森永乳業社製、脂肪0.3%、蛋白質12.4%、無脂乳固形分34.6%。
クリーム:森永乳業社製、脂肪45.5%、蛋白質1.6%、無脂乳固形分4.5%。
乳酸菌スターター:クリスチャン・ハンセン社製。ラクトバチルス・ブルガリクス(L.bulgaricus)とストレプトコッカス・サーモフィラス(S.thermophilus)の混合培養物。
[例1]
(発酵物の製造)
脱脂濃縮乳、クリームおよび水を混合して、脂肪含量0.09%、無脂乳固形分8.2%の調乳液を調製した。これを90℃で10分間殺菌し、38℃まで冷却した後、乳酸菌スターターを濃度が1%となるように添加して、38℃で発酵させた。pHが4.8となった時点で、10℃に冷却して発酵を終了させた後、撹拌してカードを粉砕して発酵物を得た。発酵時間は約4.5時間であった。
(濃縮工程)
上記で得た発酵物に対して、限外ろ過膜(Alfa−laval社製、分画分子量25000Da)を用い、液温が15℃の状態で限外ろ過処理を行い、濃縮倍率が3.5倍になるまで濃縮した後、容器に充填し10℃まで冷却して発酵乳を得た。容器に充填後、10℃で24時間静置した後の粘度を測定した。
得られた発酵乳の脂肪含量は0.3%、無脂乳固形分は15.1%であった。平均粒子径を測定したところ6μmであった。10℃における粘度は5580mPa・sであった。測定結果と主な製造条件を表1に示す。
[例2〜80]
表1〜5に示すように製造条件を変更したほかは例1と同様にして発酵乳を製造し、同様に測定した。結果を表1〜5に示す。いずれの例も濃縮後の発酵乳の無脂乳固形分を15.1%とした。
表6〜10は表1〜5の平均粒子径の測定結果を濃縮倍率毎にまとめたものであり、表11〜15は表1〜5の粘度の測定結果を濃縮倍率毎にまとめたものである。
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表6〜10に示されるように、無脂乳固形分が15質量%以上、かつ脂肪含量が3質量%以下である濃縮された発酵乳を製造する際に、濃縮される発酵物の温度を5〜35℃、濃縮倍率を2倍以上とすることにより、平均粒子径が16μm以下の発酵乳を得ることができる。かかる発酵乳は無脂乳固形分を多く含むことによる濃厚感を有するとともに、低脂肪であり、なめらかな食感に優れる。
一方、濃縮倍率が1.5倍である表10に記載の例では、いずれも濃縮後の発酵乳の平均粒子径が18μm以上であり、ざらつきが感じられるものであった。
また、表11〜15の結果より、低脂肪化と高粘度化とはトレードオフの関係にあることがわかる。さらに濃縮倍率が高いほど濃縮後の粘度は低くなることがわかる。

Claims (3)

  1. 無脂乳固形分が15質量%以上、脂肪含量が3質量%以下、かつ脂肪含量/無脂乳固形分の質量比が0.02以上0.05未満である発酵乳を製造する方法であって、
    乳原料を含む調乳液を発酵させ、得られた発酵物を濃縮倍率が2.5倍以上かつ前記発酵物の温度が5〜35℃の条件で濃縮する、発酵乳の製造方法。
  2. 無脂乳固形分が15質量%以上、脂肪含量が3質量%以下、かつ脂肪含量/無脂乳固形分の質量比が0.03以上0.05未満である発酵乳を製造する方法であって、
    乳原料を含む調乳液を発酵させ、得られた発酵物を濃縮倍率が2倍以上2.5倍未満かつ前記発酵物の温度が5〜20℃の条件で濃縮する、発酵乳の製造方法。
  3. 無脂乳固形分が15質量%以上、脂肪含量が3質量%以下、かつ脂肪含量/無脂乳固形分の質量比が0.02以上0.03未満である発酵乳を製造する方法であって、
    乳原料を含む調乳液を発酵させ、得られた発酵物を濃縮倍率が2倍以上2.5倍未満かつ前記発酵物の温度が5〜15℃の条件で濃縮する、発酵乳の製造方法。
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