JP6613000B1 - ブラシの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、炭素繊維の炭素繊維束で成る複数のブラシ毛において、炭素繊維の折れ、破断等の損傷を抑制(低減)できるブラシの製造方法を提供することにある。【解決手段】 膜層形成工程(ST02)では、ブラシシートB1の両側のブラシ面BA,BBに軟質樹脂PAを塗布して、ブラシシートB1の各鎖編部2側の各ブラシ面BA,BBにクッション膜層3,4を形成する。金型セット工程(ST03)において、各クッション膜層3,4における各鎖編部2側の各膜層部3A,4Aを除く残りの各膜層部3B,4Bに上金型6及び下金型7を押付けて、ブラシシートB1を金型5にセットする。基台成形工程(ST04)では、各膜層部3B,4BよりブラシシートB1の各シート端BX,BY側に合成樹脂PBを充填して、基台25を成形する。切断工程(ST05)では、基台25を成形したブラシシートB1を切断して、複数のブラシXに分割する。【選択図】 図7

Description

本発明は、塵埃を除去、回収するために使用されるブラシの製造方法に関するものである。
特許文献1は、電気掃除機に用いられるブラシの製造方法を開示する。特許文献1は、毛羽体形成工程、一次基材成形工程、接着剤注入工程、及び二次基材成形工程を実施してブラシを製造する。
毛羽体成形工程では、炭素繊維の繊維束で成る複数のブラシ糸(タテ糸)、及び保持部を有する毛羽体を形成する。保持部は、複数のブラシ糸(タテ糸)と複数の織糸(ヨコ糸)とに織られた織物構造として構成される。
一次及び二次基材成形工程では、毛羽体の保持部(タテ糸、ヨコ糸)に固定金型、及び可動金型を押付けて、各金型で毛羽体の保持部(タテ糸、ヨコ糸)を挟むように型締めする。各金型の第1又は第2キャビティ内に合成樹脂を充填し、合成樹脂を硬化して、ブラシを製造する。
特開2017−64250号公報
特許文献1は、毛羽体の保持部を各金型で押付けているので、各ブラシ糸を構成する炭素繊維が折れ、破断等の損傷を受ける虞がある。
本発明は、炭素繊維の炭素繊維束で成る複数のブラシ毛において、炭素繊維の折れ、破断等の損傷を抑制(低減)できるブラシの製造方法を提供することにある。
発明に係る請求項1は、炭素繊維の繊維束で成る緯糸を前記炭素繊維の繊維方向の両側で折返して並列し、前記繊維方向の両側の折返部の夫々を前記繊維方向と直交する繊維直交方向の経糸により連結して、前記繊維直交方向に前記緯糸で成る複数のブラシ毛が並列されるブラシシートを形成するブラシシート形成工程と、前記各経糸の間において、前記繊維方向及び前記繊維直交方向と直交する前記ブラシシートのブラシ厚さ方向から前記ブラシシートの一方及び他方のブラシ面に軟質樹脂を塗布し、及び前記各ブラシ毛の前記各炭素繊維を前記軟質樹脂で覆って、前記各経糸側の一方及び他方のブラシ面の夫々にクッション膜層を形成する膜層形成工程と、前記各クッション膜層における前記各経糸側の各膜層部を除く残りの各膜層部に金型を押付けて、前記ブラシシートを前記金型にセットする金型セット工程と、前記金型を押付けた残りの各膜層部より前記ブラシシートの各ブラシ端側に合成樹脂を充填して、基台を成形する基台成形工程と、前記ブラシシートに前記各基台を成形した前記クッション膜層の間において、前記ブラシシートを前記繊維直交方向に切断する切断工程と、を含んでなることを特徴とするブラシの製造方法である。
本発明に係る請求項2は、前記膜層形成工程では、前記各経糸の間において、前記ブラシシートのブラシ厚さ方向から前記ブラシシートの一方のブラシ面に前記軟質樹脂を塗布し、及び前記各ブラシ毛の前記各炭素繊維を前記軟質樹脂で覆って、前記各経糸側の一方のブラシ面にクッション膜層を形成し、前記金型セット工程では、前記各経糸の間の他方のブラシ面、及び前記クッション膜層における前記各経糸側の各膜層部を除く残りの各膜層部に金型を押付けて、前記ブラシシートを前記金型にセットし、前記基台成形工程では、前記金型を押付けた残りの各膜層部及び他方のブラシ面より前記ブラシシートの各ブラシ端側に合成樹脂を充填して、基台を成形することを特徴とする請求項1に記載のブラシの製造方法である。
本発明に係る請求項は、炭素繊維の繊維束で成る複数のブラシ毛を前記繊維束の繊維方向と直交する繊維直交方向に並列して、ブラシ体を形成するブラシ体形成工程と、前記繊維方向及び前記繊維直交方向と直交する前記ブラシ体のブラシ厚さ方向から前記ブラシ体の一方及び他方のブラシ面に軟質樹脂を塗布し、及び前記各ブラシ毛の前記炭素繊維を前記軟質樹脂で覆って、前記ブラシ体の一方のブラシ端側の一方及び他方のブラシ面の夫々にクッション膜層を形成する膜層形成工程と、前記各クッション膜層における一方のブラシ端側の各膜層部を除く残りの各膜層部に金型を押付けて、前記ブラシ体を前記金型にセットする金型セット工程と、前記金型を押付けた残りの各膜層部より一方のブラシ端側に合成樹脂を充填して、基台を成形する基台成形工程と、を含んでなることを特徴とするブラシの製造方法である。
本発明に係る請求項は、前記膜層形成工程では、前記ブラシ体のブラシ厚さ方向から前記ブラシ体の一方のブラシ面に前記軟質樹脂を塗布し、及び前記ブラシ毛の前記各炭素繊維を前記軟質樹脂で覆って、前記ブラシ体の一方のブラシ端側の一方のブラシ面にクッション膜層を形成し、前記金型セット工程では、前記ブラシ体の他方のブラシ面、及び前記各クッション膜層における一方のブラシ端側の各膜層部を除く残りの各膜層部に金型を押付けて、前記ブラシ体を前記金型にセットし、前記基台成形工程では、前記金型を押付けた残りの各膜層部及び他方のブラシ面より一方のブラシ端側に合成樹脂を充填して、基台を成形することを特徴とする請求項に記載のブラシの製造方法である。
本発明に係る請求項は、炭素繊維及び捲縮合成繊維の複合繊維束で成る緯糸を前記複合繊維束の繊維方向の両側で折返して並列し、前記繊維方向の両側の折返部の夫々を前記繊維方向と直交する繊維直交方向の経糸により連結して、前記繊維直交方向に前記緯糸で成る複数の複合ブラシ毛が並列される複合ブラシシートを形成する複合ブラシシート形成工程と、前記各経糸の間において、前記繊維方向及び前記繊維直交方向と直交する前記複合ブラシシートのブラシ厚さ方向から前記複合ブラシシートの一方及び他方のブラシ面に金型を押付けて、前記複合ブラシシートを前記金型にセットする金型セット工程と、前記金型を押付けた一方及び他方のブラシ面より前記複合ブラシシートの一方及び他方のブラシ端側に合成樹脂を充填して、基台を成形する基台成形工程と、を含んでなることを特徴とするブラシの製造方法である。
本発明に係る請求項は、前記各基台の間において、前記複合ブラシシートを前記繊維直交方向に切断する切断工程を含んでなることを特徴とする請求項に記載のブラシの製造方法である。
本発明に係る請求項は、炭素繊維及び捲縮合成繊維の複合繊維束で成る複数の複合ブラシ毛を前記複合繊維束の繊維方向と直交する繊維直交方向に並列して、複合ブラシ体を形成する複合ブラシ体形成工程と、前記繊維方向及び前記繊維直交方向と直交する前記複合ブラシ体のブラシ厚さ方向から前記複合ブラシ体の一方及び他方のブラシ面に金型を押付けて、前記複合ブラシ体を前記金型にセットする金型セット工程と、前記金型を押付けた一方及び他方のブラシ面より前記複合ブラシ体の一方のブラシ端側に合成樹脂を充填して、基台を成形する基台成形工程と、を含んでなることを特徴とするブラシの製造方法である。
本発明に係る請求項は、炭素繊維及び軟質合成繊維の複合繊維束で成る緯糸を前記複合繊維束の繊維方向の両側で折返して並列し、前記繊維方向の両側の折返部の夫々を前記繊維方向と直交する繊維直交方向の経糸により連結して、前記繊維直交方向に前記緯糸で成る複数の複合ブラシ毛が並列される複合ブラシシートを形成する複合ブラシシート形成工程と、前記各経糸の間において、前記繊維方向及び前記繊維直交方向と直交する前記複合ブラシシートのブラシ厚さ方向から前記複合ブラシシートの一方及び他方のブラシ面に軟質樹脂を塗布し、及び前記複合ブラシ毛の前記炭素繊維及び前記軟質合成繊維を前記軟質樹脂で覆って、前記各経糸側の一方及び他方のブラシ面にクッション膜層を形成する膜層形成工程と、前記クッション膜層における前記各経糸側の各膜層部を除く残りの各膜層部に金型を押付けて、前記複合ブラシシートを前記金型にセットする金型セット工程と、前記金型を押付けた残りの各膜層部より前記複合ブラシシートの一方及び他方のブラシ端側に合成樹脂を充填して、基台を成形する基台成形工程と、前記複合ブラシシートに前記各基台を成形した前記各クッション膜層の間において、前記複合ブラシシートを前記繊維直交方向に切断する切断工程と、を含んでなることを特徴とするブラシの製造方法である。
本発明に係る請求項は、前記膜層形成工程では、前記各経糸の間において、前記複合ブラシシートのブラシ厚さ方向から前記複合ブラシシートの一方のブラシ面に前記軟質樹脂を塗布し、前記各複合ブラシ毛の前記炭素繊維及び前記軟質合成繊維を前記軟質樹脂で覆って、前記各経糸側の一方のブラシ面にクッション膜層を形成し、前記金型セット工程では、前記各経糸の間の他方のブラシ面、及び前記クッション膜層における前記各経糸側の各膜層部を除く残りの各膜層部に金型を押付けて、前記複合ブラシシートを前記金型にセットし、前記基台成形工程では、前記金型を押付けた残りの各膜層部及び他方のブラシ面より前記複合ブラシシートの一方及び他方のブラシ端側に前記合成樹脂を充填して、基台を成形することを特徴とする請求項に記載のブラシの製造方法である。
本発明に係る請求項10は、炭素繊維及び軟質合成繊維の複合繊維束で成る複数の複合ブラシ毛を前記複合繊維束の繊維方向と直交する繊維直交方向に並列して、複合ブラシ体を形成する複合ブラシ形成工程と、前記繊維方向及び前記繊維直交方向と直交する前記複合ブラシ体のブラシ厚さ方向から前記複合ブラシ体の一方及び他方のブラシ面に軟質樹脂を塗布し、前記複合ブラシ毛の前記炭素繊維及び前記軟質合成繊維を前記軟質樹脂で覆って、前記複合ブラシ体の一方のブラシ端側の一方及び他方のブラシ面にクッション膜層を形成する膜層形成工程と、前記各クッション膜層の前記一方のブラシ端側の各膜層部を除く残りの各膜層部に金型を押付けて、前記複合ブラシ体を前記金型にセットする金型セット工程と、前記金型を押付けた残りの各膜層部より前記一方のブラシ端側に合成樹脂を充填して、基台を成形する基台成形工程と、を含んでなることを特徴とするブラシの製造方法である。
本発明に係る請求項11は、前記膜層形成工程では、前記複合ブラシ体のブラシ厚さ方向から前記複合ブラシ体の一方のブラシ面に前記軟質樹脂を塗布し、及び前記各複合ブラシ毛の前記炭素繊維及び前記軟質合成繊維を前記軟質樹脂で覆って、前記複合ブラシ体の一方のブラシ端側の一方のブラシ面にクッション膜層を形成し、前記金型セット工程では、前記複合ブラシ体の他方のブラシ面、及び前記各クッション膜層の一方のブラシ端側の各膜層部を除く残りの各膜層部に金型を押付けて、前記複合ブラシ体を前記金型にセットし、前記基台成形工程では、前記金型を押付けた残りの各膜層部及び他方のブラシ面より一方のブラシ端側に合成樹脂を充填して、基台を成形することを特徴とする請求項10に記載のブラシの製造方法である。
本発明に係る請求項12は、前記軟質合成繊維は、捲縮合成繊維でなることを特徴とする請求項乃至請求項11の何れかに記載のブラシの製造方法である。
本発明に係る請求項1では、金型セット工程において、各金型による押付力は、各クッション膜層の残りの各膜層部の変形によって吸収される。
これにより、各ブラシ毛の各炭素繊維は、各金型の押付力によって折れ、破断等の損傷を受けない。
請求項1では、基台成形工程において、ブラシシートの各ブラシ端側に充填された合成樹脂は、各金型にて変形された残りの膜層部によって堰き止められ、各ブラシ端側から各クッション膜層の間の各ブラシ毛に流れ込まない。
これにより、合成樹脂がブラシシートの各ブラシ端側から流れ込んで、各クッション膜層の間の各ブラシ毛(各炭素繊維)に侵入することを防止でき、各ブラシ毛のしなやかさを確保して、各ブラシ毛の機能を発揮することができる。
本発明に係る請求項1では、切断工程において、ブラシシートを切断することで、複数(一対)のブラシを製造できる。
本発明に係る請求項2では、金型セット工程において、各金型による押付力は、一方のブラシ面の各クッション膜層の残りの各膜層部の変形によって吸収される。
これにより、各ブラシ毛の各炭素繊維は、各金型の押付力によって折れ、破断等の損傷を受け難くなる。
本発明に係る請求項では、金型セット工程において、各金型による押付力は、各クッション膜層の残りの各膜層部の変形によって吸収される。
これにより、各ブラシ毛の各炭素繊維は、各金型の押付力によって折れ、破断等の損傷を受けない。
請求項では、基台成形工程において、ブラシ体の各ブラシ端側に充填された合成樹脂は、各金型にて変形された残りの膜層部によって堰き止められ、各ブラシ端側から各クッション膜層の間の各ブラシ毛に流れ込まない。
これにより、合成樹脂がブラシ体の各ブラシ端側から流れ込んで、各クッション膜層の間の各ブラシ毛(各炭素繊維)に侵入することを防止でき、各ブラシ毛のしなやかさを確保して、各ブラシ毛の機能を発揮することができる。
本発明に係る請求項では、金型セット工程において、各金型による押付力は、一方のブラシ面の各クッション膜層の残りの各膜層部の変形によって吸収される。
これにより、各ブラシ毛の各炭素繊維は、各金型の押付力によって折れ、破断等の損傷を受け難くなる。
本発明に係る請求項は、金型セット工程において、各金型による押付力は、複合ブラシ毛の各軟質合成繊維に変形によって吸収される。
これにより、各複合ブラシ毛の各炭素繊維は、各金型の押付力によって折れ、破断等の損傷を受け難くなる。
請求項5では、金型セット工程において、各金型の押付力は、捲縮合成繊維の変形によっても吸収できる。
本発明に係る請求項では、切断工程において、複合ブラシシートを切断することで、複数(一対)のブラシを製造できる。
本発明に係る請求項では、金型セット工程において、各金型による押付力は、複合ブラシ毛の各軟質合成繊維の変形によって吸収される。
これにより、各複合ブラシ毛の各炭素繊維は、各金型の押付力によって折れ、破断等の損傷を受け難くなる。
請求項7では、金型セット工程において、各金型の押付力は、捲縮合成繊維の変形によっても吸収できる。
本発明に係る請求項では、金型セット工程において、各金型の押付力は、各クッション膜層の残りの各膜層部の変形、及び各複合ブラシ毛の各軟質合成繊維の変形によって吸収される。
これにより、各複合ブラシ毛の炭素繊維は、各金型の押付力によって折れ、破断等の損傷を受けない。
請求項では、基台成形工程において、複合ブラシシートの各ブラシ端側に充填された合成樹脂は、各金型にて変形された残りの膜層部によって堰き止められ、各ブラシ端側から各クッション膜層の間の各ブラシ毛に流れ込まない。
これにより、合成樹脂が複合ブラシシートの各ブラシ端側から流れ込んで、各クッション膜層の間の各複合ブラシ毛(各炭素繊維)に侵入することを防止でき、各複合ブラシ毛のしなやかさを確保して、各複合ブラシ毛の機能を発揮することができる。
本発明に係る請求項8では、切断工程において、複合ブラシシートを切断することで、複数(一対)のブラシを製造できる。
本発明に係る請求項では、金型セット工程において、各金型の押付力は、一方のブラシ面の各クッション膜層の残りの各膜層部の変形、及び各複合ブラシ毛の各軟質合成繊維の変形によって吸収される。
これにより、各複合ブラシ毛の炭素繊維は、各金型の押付力によって折れ、破断等の損傷を受け難くなる。
本発明に係る請求項10では、金型セット工程において、各金型の押付力は、各クッション膜層の残りの各膜層部の変形、及び各複合ブラシ毛の各軟質合成繊維に変形によって吸収される。
これにより、各複合ブラシ毛の炭素繊維は、各金型の押付力によって折れ、破断等の損傷を受けない。
請求項10では、基台成形工程において、複合ブラシ体の各ブラシ端側に充填された合成樹脂は、各金型にて変形された残りの膜層部によって堰き止められ、各ブラシ端側から各クッション膜層の間の各複合ブラシ毛に流れ込まない。
これにより、合成樹脂が複合ブラシ体の各ブラシ端側から流れ込んで、各クッション膜層の間の各複合ブラシ毛(各炭素繊維)に侵入することを防止でき、各複合ブラシ毛のしなやかさを確保して、各複合ブラシ毛の機能を発揮することができる。
本発明に係る請求項11では、金型セット工程において、各金型の押付力は、一方のブラシ面の各クッション膜層の残りの各膜層部の変形、及び各複合ブラシ毛の各軟質合成繊維の変形によって吸収される。
これにより、各複合ブラシ毛の各炭素繊維は、各金型の押付力によって折れ、破断等の損傷を受け難くなる。
本発明に係る請求項12では、金型セット工程において、各金型の押力は、捲縮合成繊維の変形によっても吸収できる。
本発明によれば、各ブラシ毛の炭素繊維、又は各複合ブラシ毛の炭素繊維の折れ、破断等の損傷を抑制(低減)できるブラシを製造することが可能となる。
第1実施形態のブラシの製造方法のブラシシート形成工程(ST01)において、形成したブラシシートの表平面図である。 図1のA断面拡大図である。 第1実施形態のブラシの製造方法の膜層形成工程(ST02)において、ブラシシートの各ブラシ面に各クッション膜層を形成したブラシシート(膜層・ブラシシート)の表平面図である。 (a)は、図3のB矢視図、(b)は、図4(a)の一部拡大図である。 (a)は、図4(a)のC矢視拡大図及びD矢視拡大図、(b)は、図5(a)のE−E断面拡大図である。 第1実施形態のブラシの製造方法の金型セット工程(ST03)において、各ブラシ面のクッション膜層を形成したブラシシート(膜層・ブラシシート)を金型にセットした断面図である。 図6の一部拡大図である。 図7のF―F断面拡大図である。 第1実施形態のブラシの製造方法の成形工程(ST04)において、各ブラシ面に各クッション膜層を形成し、及び各ブラシ端側の基台を成形したブラシシートの斜視図である。 ブラシX1を示す斜視図である。 ブラシX1を示す図であって、図10の断面図である。 第1実施形態のブラシの製造方法の膜層形成工程(ST02)において、(a)は、ブラシシートの一方のブラシ面にクッション膜層を形成したブラシシート(膜層・ブラシシート)の側面図、(b)は、図12(a)の一部拡大図である。 (a)は、図12(a)のG矢視拡大図及びH矢視拡大図、(b)は図12(a)のI―I断面拡大図である。 第1実施形態のブラシの製造方法の金型セット工程(ST03)において、一方のブラシ面にクッション膜層を形成したブラシシート(膜層・ブラシシート)を金型にセットした断面図である。 図14の一部拡大図である。 図15のJ−J断面拡大図である。 第1実施形態のブラシの製造方法において、一方のブラシ面にクッション膜層を形成し、及び各ブラシ端側の夫々に基台を成形したブラシシートの斜視図である。 ブラシX2を示す斜視図である。 ブラシX2を示す図であって、図18の断面図である。 第2実施形態のブラシの製造方法のブラシシート形成工程(ST21)において、形成したブラシ体を示す表平面図である。 第2実施形態のブラシの製造方法の膜層形成工程(ST22)において、各ブラシ面に各クッション膜層を形成したブラシ体(膜層・ブラシ体)の表平面図である。 図21のK矢視拡大図である。 (a)は、図22のL矢視図、(b)は、図23(a)のM−M断面拡大図である。 第2実施形態のブラシの製造方法の金型セット工程(ST23)において、各ブラシ面の各クッション膜層を形成したブラシ体(膜層・ブラシ体)を金型にセットした断面図である。 図24のN−N断面拡大図である。 第2実施形態のブラシの製造方法の膜層工程(ST22)において、一方のブラシ面にクッション膜層を形成したブラシ体(膜層・ブラシ体)を示す側面図である。 (a)は、図26のO矢視図、(b)は、図27(a)のP−P断面拡大図である。 第2実施形態のブラシの製造方法の金型セット工程(ST23)において、一方のブラシ面にクッション膜層を形成したブラシ体(膜層・ブラシ体)を金型にセットした断面図である。 図28のQ−Q断面拡大図である。 第3実施形態のブラシの製造方法の複合ブラシシート形成工程(ST31)において、形成した複合ブラシシートを示す表平面図である。 図30のa断面拡大図である。 第3実施形態のブラシの製造方法の金型セット工程(ST33)において、複合ブラシシートを金型にセットした断面図である。 図32の一部拡大図である。 図33のb−b断面拡大図である。 第3実施形態のブラシの製造方法の成形工程(ST34)において、各ブラシ端側の夫々に基台を成形した複合ブラシシートの斜視図である。 (a)は、ブラシX3の斜視図、(b)は、図36(a)の一部拡大斜視図である。 ブラシX3を示す図であって、図36(a)の断面図である。 第4実施形態のブラシの製造方法の複合ブラシ体形成工程(ST41)において、形成した複合ブラシ体を示す表平面図である。 第4実施形態のブラシの製造方法の金型セット工程(ST43)において、複合ブラシ体を金型にセットした断面図である。 図39のc−c断面図である。 第5実施形態のブラシの製造方法の膜層形成工程(ST52)において、各ブラシ面に各クッション膜層を形成した複合ブラシシート(膜層・複合ブラシシート)を示す表平面図である。 (a)は、図41のd矢視図、(b)は、図42(a)の一部拡大図である。 (a)は、図42(a)のe矢視拡大図及びf矢視拡大図、(b)は、図43(a)のg−g断面拡大図である。 第5実施形態のブラシの製造方法の金型セット工程(ST53)において、各ブラシ面に各クッション膜層を形成した複合ブラシシートを金型にセットした断面図である。 図44の一部拡大断面図である。 図45のh−h断面拡大図である。 第5実施形態のブラシの製造方法の成形工程(ST54)において、各ブラシ面に各クッション膜層を形成し、及び各ブラシ端側の夫々に基台を成形した複合ブラシシートの斜視図である。 (a)は、ブラシX4の斜視図、(b)は、図48(a)の一部拡大斜視図である。 ブラシX4を示す図であって、図48(a)の断面図である。 第5実施形態のブラシの製造方法の膜層工程(ST52)において、(a)は、一方のブラシ面にクッション膜層を形成した複合ブラシシート(膜層・複合ブラシシート)を示す側面図、(b)は、図50(a)の一部拡大図である。 (a)は、図50(a)のi矢視拡大図及びj矢視拡大図、(b)は、図51(a)のk−k断面拡大図である。 第5実施形態のブラシの製造方法の金型セット工程(ST53)において、一方のブラシ面にクッション膜層を形成した複合ブラシシートを金型にセットした断面図である。 図52の一部拡大断面図である。 図53のl−l断面拡大図である。 第5実施形態のブラシの製造方法の成形方法(ST54)において、一方のブラシ面にクッション膜層を形成し、及び各ブラシ端側の夫々に基台を成形した複合ブラシシートの斜視図である。 (a)は、ブラシX5の斜視図、(b)は、図56(a)の一部拡大斜視図である。 ブラシX5を示す図であって、図56(a)の断面図である。 第6実施形態のブラシの製造方法の膜層形成工程(ST62)において、各ブラシ面の各クッション膜層を形成した複合ブラシ体(膜層・複合ブラシ体)を示す側面図である。 図58のm矢視図である。 (a)は、図59のn矢視図、(b)は、図60(a)のo−o断面拡大図である。 第6実施形態のブラシの製造方法の金型セット工程(ST63)において、各ブラシ面に各クッション膜層を形成した複合ブラシ体を金型にセットした断面図である。 図61のp−p断面拡大図である。 第6実施形態のブラシの製造方法の膜層形成工程(ST62)において、一方のブラシ面にクッション膜層を形成した複合ブラシ体(膜層・複合ブラシ体)の側面図である。 (a)は、図63のq矢視図、(b)は、図64(a)のr−r断面拡大図である。 第6実施形態のブラシの製造方法の金型セット工程(ST63)において、一方のブラシ面にクッション膜層を形成した複合ブラシ体を金型にセットした断面図である。 図65のs−s断面拡大図である。 掃除機を示す斜視図である。 回転清掃具(ブラシ、回転軸、歯車軸)を示す斜視図である。 図68のT−T断面図である。 掃除機の吸込具(ヘッド)を示す概略断面図である。
本発明に係るブラシの製造方法について、図1乃至図70を参照して説明する。
以下、第1実施形態乃至第6実施形態のブラシの製造方法を説明する。
<第1実施形態>
以下、第1実施形態のブラシの製造方法について、図1乃至図19を参照して説明する。
第1実施形態のブラシの製造方法は、図1乃至図19に示すように、ブラシシート形成工程(ST01)、膜層形成工程(ST02)、金型セット工程(ST03)、基台成形工程(ST04)、及び切断工程(ST05)含んでなる。
第1実施形態のブラシの製造方法は、ブラシシート形成工程(ST01)、膜層形成工程(ST01)、金型セット工程(ST03)、基台成形工程(ST04)、及び切断工程(ST05)の順に実施して、ブラシX1(図10及び図11参照)を製造する。
<ブラシシート形成工程(ST01)>
ブラシシート形成工程(ST01)は、図1及び図2に示すように、緯糸HTで成る複数のブラシ毛BFが並列されるブラシシートB1(ブラシシート部材)を形成する。
ブラシシートB1において、緯糸HTは、図2に示すように、多数の炭素繊維cfの炭素繊維束CB(繊維束)で成る。
炭素繊維cfは、PAN系炭素繊維、又はピッチ系炭素繊維とする繊維直径fdの長繊維(フィラメント)であって、例えば、PAN系炭素繊維の長繊維(フィラメント)を用いる(以下、同様)。PAN系炭素繊維は、アクリル繊維を高温焼成して、炭素分子を規則正しく複数層に配列して形成される。
炭素繊維束CB(繊維束)は、例えば、繊維直径fd=5〜7μmのPAN系炭素繊維の多数を、密度1.74〜1.95g/cmで集合して構成される。
ブラシシート形成工程(ST01)において、ブラシシートB1は、例えば、ラッセル編機やトリコット編機等の経編機(図示しない)により各種繊維を編込んで形成される。
ブラシシート形成工程(ST01)において、経編機は、図1及び図2に示すように、炭素繊維cfの炭素繊維束CB(繊維束)で成る緯糸HTを炭素繊維束CBの繊維方向FLの両側でU字状に折返して並列し、繊維方向FLの両側の折返部TU(各折返部TUの付近)の夫々を繊維方向FLと直交する繊維直交方向VLの経糸VTに編込んで、緯糸HTの各折返部TU(各折返部TUの付近)を経糸VTにより連結(拘束)する。
経編機は、図1及び図2に示すように、緯糸HT(炭素繊維束CB)の折返部TUの夫々を、経糸VTで形成される複数の経糸組織、例えば、複数の鎖編部1,2に挿入して、緯糸HT(炭素繊維束CB)の各折返部TU(各折返部TUの付近)を各鎖編部1,2により連結(拘束)する。
経編機は、例えば、図1に示すように、炭素繊維束CBの繊維方向FLの両側の折返部TU(各折返部TUの付近)の夫々に、2列の鎖編部1,2(各経糸VT)形成して、緯糸HT(炭素繊維束CB)の各折返部TUを各鎖編部1,2により連結(拘束)する。各鎖編部2(内側鎖編部/内側経糸)は、炭素繊維束CBの繊維方向FLにおいて、各鎖編部1(外側鎖編部/外側経糸)に隣接して、各鎖編部1の内側(各鎖編部1の間)に形成される。
なお、炭素繊維束CBの繊維方向FLは、緯糸HTの延びる緯方向であり、繊維直交方向VLは、緯方向と直交する経方向(経糸VTの延びる方向)である。
ブラシシート形成工程(ST01)において、経編機は、緯糸HTの折返し、及び各折返部TUの各鎖編部1,2(経糸VT/経糸組織)への挿入(編込み)を繰返して、帯状のブラシシートB1(ブラシシート部材)を形成する。
これにより、ブラシシート形成工程(ST01)では、図1に示すように、繊維直交方向VLに緯糸HTで成る複数のブラシ毛BFが並列されるブラシシートB1を形成する。
各ブラシ毛BFは、図1に示すように、炭素繊維束CBの繊維方向FLにおいて、各鎖編部2の間(各内側鎖編部の間)に形成されて、繊維直交方向VLに並列して形成される。
なお、ブラシシート形成工程(ST01)では、緯糸VT(炭素繊維束CB)の両側の折返部TUの夫々に経糸VTを織込んで、ブラシシートB1(平織りブラシシート)を形成しても良い。
<膜層形成工程(ST02)>
膜層形成工程(ST02)は、図3乃至図5に示すように、ブラシシートB1に軟質樹脂PAを塗布して、ブラシシートB1にクッション膜層3,4を形成する。
軟質樹脂PA(軟質材/軟質材料)は、柔軟性及び弾性の材料を意味し、軟質ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂、軟質ポリ塩化ビニル樹脂、軟質ポリエチレン樹脂、ポリアミド樹脂(ナイロン樹脂)、軟質エポキシ樹脂等を含む熱可塑性又は熱硬化性の軟質合成樹脂、スチレン・ブタジエンゴム等の合成ゴム、ラテックスゴム系樹脂、熱可塑性エラストマー(ポリオレフィン系エラストマ―、ポリエステル系エラストマ―、ポリ塩化ビニル系エラストマ―、スチレン系エラストマ―、ポリウレタン系エラストマ―)等であって、例えば、水溶性の軟質ポリウレタン樹脂を用いる(以下、同様)。
膜層形成工程(ST02)では、図3乃至図5に示すように、各鎖編部2(各内側鎖編部2/各内側経糸VT)の間において、炭素繊維束CBの繊維方向FL及び繊維直交方向VLと直交するブラシシートB1のブラシ厚さ方向HLからブラシシートB1の一方のブラシ面BA(ブラシ表面)及び他方のブラシ面BB(ブラシ裏面)に軟質樹脂PA(軟質ポリウレタン樹脂)を塗布する。
膜層形成工程(ST02)では、ブラシシートB1の各ブラシ面BA,BBの夫々に軟樹脂PA(軟質ポリウレタン樹脂)を塗布し、及び各ブラシ毛BFの各炭素繊維cfを軟質樹脂PAで覆って、各鎖編部2(各内側鎖編部2/各経糸VT)側の一方のブラシ面BA及び他方のブラシ面BBにクッション膜層3,4を形成する。
各クッション膜層3,4は、図3及び図4に示すように、炭素繊維束CBの繊維方向FLにおいて、各ブラシ毛BF(ブラシシートB1)のブラシ中心A(ブラシ中心位置)からブラシシートB1の一方及び他方のブラシ端BX,BY側にブラシ長L1を隔てる膜層始点B(膜層始点位置)、及びブラシシートB1の各ブラシ端BX,BYの間に膜層幅CHを有して形成される。
ブラシ長L1は、図3及び図4に示すように、炭素繊維束CBの繊維方向FLにおいて、ブラシ中心A及び各鎖編部2(各内側鎖編部2/各経糸VT)の間をブラシ毛長L2とすると、0を超えてブラシ毛長L2未満の長さにする(0<L1<L2)。
これにより、各クッション膜層3,4の各膜層始点Bは、図3乃至図5に示すように、炭素繊維束CBの繊維方向FLにおいて、各鎖編部2(各内側鎖編部2/各経糸VT)の内側に位置(各鎖編部2の間に位置)されて、各クッション膜層3,4は、各鎖編部2の内側(各鎖編部2の間)に形成される。
膜層形成工程(ST02)において、各クッション膜層3,4は、例えば、図3乃至図5に示すように、各鎖編部2の内側(各鎖編部2の間)の膜層始点B、及び各鎖編部1(各外側鎖編部1/各経糸VT)の間に膜層幅CHを有して形成される。
各クッション膜層3,4は、図3及び図5に示すように、膜層幅CHを有して、繊維直交方向VLに延在して形成される。
膜層形成工程(ST02)において、軟質樹脂PAは、図3乃至図5に示すように、繊維直交方向VLにおいて、ブラシシートB1の一方及び他方のブラシ面BA,BBから各ブラシ毛BF、及び各ブラシ毛BFの間に塗布されて、繊維直交方向VLに連続して各クッション膜層3,4を形成する。
軟質樹脂PAは、ブラシシートB1の各ブラシ面BA,BBの各ブラシ毛BFにおいて、同一又は略同一の厚さで塗布される。
各クッション膜層3,4において、軟質樹脂PAは、図5(b)に示すように、ブラシシートB1の一方及び他方のブラシ面BA,BBから炭素繊維束CB(緯糸HT)の各炭素繊維cfの間に浸透(含浸)されて、炭素繊維束CBの各炭素繊維cfを覆う。
膜層形成工程(ST02)では、軟質樹脂PA(水溶性の軟質ポリウレタン樹脂)をブラシシートB1の各ブラシ面BA,BBに塗布した後、常温で放置して、軟質樹脂PA(水溶性の軟質ポリウレタン樹脂)を乾燥(硬化)して、軟質樹脂PA(軟質ポリウレタン樹脂)及び炭素繊維束CBの各炭素繊維cfを一体に結合する。
このように、膜層形成工程(ST02)では、図3乃至図5に示すように、炭素繊維束CBの繊維方向FLにおいて、ブラシ中心A及び各膜層始点Bの間に軟質樹脂PAを塗布しないブラシ毛領域(ブラシ長L1のブラシ毛BF/炭素繊維cf)と、各膜層始点B及び各鎖編部1の間に軟質樹脂PAを塗布した塗布領域(各クッション膜層3,4)を形成する。
<金型セット工程(ST03)>
金型セット工程(ST03)は、図6乃至図8に示すように、各クッション膜層3,4を形成したブラシシートB1を金型5にセットする。
金型セット工程(ST03)において、金型5は、図6乃至図8に示すように、上金型6及び下金型7で構成される。上金型6及び下金型7は、図6及び図7に示すように、ブロック体に形成される。
上金型6は、図6及び図7に示すように、ブラシ挟み凹所8、複数(一対)の成形凹所9、及び複数(一対)の樹脂注入穴10を有する。
ブラシ挟み凹所8は、上金型6の幅方向LR(左右方向)の中央部に形成される。ブラシ挟み凹所8は、上金型6の下面11から矩形状に凹んで、下面11に開口される。ブラシ挟み凹所8は、矩形状の上底平面12を有する。
各成形凹所9は、図6及び図7に示すように、上金型6の幅方向LR(左右方向)において、ブラシ挟み凹所8の両側の夫々に形成される。各成形凹所9は、ブラシ挟み凹所8に連続して形成され、本体成形凹部13及び鍔成形凹部14を有する。各成形凹所9において、本体成形凹部13は、図6及び図7に示すように、ブラシ挟み凹所8の両側の夫々に連続して形成される。各成形凹所9において、本体成形凹部13は、ブラシ挟み凹所8の上底平面12から凹んで、上金型6の下面11及びブラシ挟み凹所8の上底平面12に開口される。各成形凹所9において、鍔成形凹部14は、図6及び図7に示すように、上金型6の幅方向LR(左右方向)において、本体成形凹部13に連続して形成される。各成形凹所9において、鍔成形凹部14は、本体成形凹部13から凹んで、上金型6の下面11及び本体成形凹部13に開口される。
各樹脂注入穴10は、図6及び図7に示すように、上金型6に形成される。各樹脂注入穴10は、各成形凹所9の本体成形凹部13に開口される。
下金型7は、図6及び図7に示すように、ブラシ挟み凹所16、複数(一対)の成形凹所17を有する。
ブラシ挟み凹所16は、図6及び図7に示すように、下金型7の幅方向LR(左右方向)の中央部に形成される。ブラシ挟み凹所16は、下金型7の上面18から矩形状に凹んで、上面18に開口される。ブラシ挟み凹所16は、矩形状の下底平面19を有する。
各成形凹所17は、図6及び図7に示すように、下金型7の幅方向LR(左右方向)において、ブラシ挟み凹所16の両側の夫々に形成される。各成形凹所17は、ブラシ挟み凹所16に連続して形成され、本体成形凹部20及び鍔成形凹部21を有する。各成形凹所17において、本体成形凹部20は、図6及び図7に示すように、ブラシ挟み凹所16の両側の夫々に連続して形成される。各成形凹所17において、本体成形凹部20は、ブラシ挟み凹所16の下底平面19から凹んで、下金型7の上面18及びブラシ挟み凹所16の下底平面19に開口される。各成形凹所17において、鍔成形凹部21は、図6及び図7に示すように、下金型7の幅方向LR(左右方向)において、本体成形凹部20に連続して形成される。各成形凹所17において、鍔成形凹部21は、本体成形凹部20から凹んで、下金型7の上面18及び本体成形凹部20に開口される。
金型セット工程(ST03)におて、各クッション膜層3,4を形成したブラシシートB1(以下、「膜層・ブラシシートB2」という)は、図6乃至図8に示すように、一方のブラシ面BA及び各クッション膜層3を上金型6のブラシ挟み凹所8及び各成形凹所9に向け、他方のブラシ面BB及び各クッション膜層4を下金型7のブラシ挟み凹所16及び各成形凹所17に向けて、上金型6及び下金型7の間に配置される。
膜層・ブラシシートB2は、図7に示すように、各クッション膜層3,4における各鎖編部2側(各内側鎖編部2側/各経糸VT側)の各膜層部3A,4Aを各成形凹所9,17に位置し、及び各膜層部3A,4Aを除く残りの各膜層部3B,4Bを各ブラシ挟み凹所8,16に位置して、上金型6及び下金型7の間に配置される。
これにより、膜層・ブラシシートB2は、各ブラシ端BX,BY及び各鎖編部1,2を含む各膜層部3A,4A(各クッション膜層3,4の一部)を各成形凹所9,16に対峙し、各膜層部3A,4Aを除く残りの各膜層部3B,4Bを各ブラシ挟み凹所8,16に対峙して配置される。上金型6及び下金型7の間において、膜層・ブラシシートB2の各膜層部3B,4Bは、上底平面12及び下底平面19に対峙して配置される。
金型セット工程(ST03)では、図6乃至図8に示すように、上金型6及び下金型7を閉じて、上金型6及び下金型7を膜層・ブラシシートB2に押付けて、膜層・ブラシシートB2を挟持する。
金型セット工程(ST03)では、図6乃至図8に示すように、各鎖編部2(各経糸VT)の間において、膜層・ブラシシートB2のブラシ厚さ方向HLから、各クッション膜層3,4における各鎖編部2側(各内側鎖編部2側/各経糸VT側)の膜層部3A,3Bを除く残りの各膜層部3B,4Bに上金型6及び下金型7を押付けて、膜層・ブラシシートB2を金型5にセットする。
上金型6おいて、ブラシ挟み凹所8の上底平面12は、図7及び図8に示すように、膜層・ブラシシートB2のブラシ厚さ方向HLから各膜層部3Bに面接触して押付けられる。下金型7において、ブラシ挟み凹所16の下底平面19は、図7及び図8に示すように、膜層・ブラシシートB2のブラシ厚さ方向HLから各膜層部4Bに面接触して押付けられる。
上金型6及び下金型7において、上底平面12及び下底平面19は、図8に示すように、膜層・ブラシシートB2の繊維直交方向VLにおいて、全てのブラシ毛BFの各炭素繊維cfを覆い、及び全てのブラシ毛BFの間に位置する各膜層部3B,4Bを変形しつつ、繊維直交方向VLにわたって各膜層部3B,4Bに液密に面接触して押付けられる。
上金型6及び下金型7による押付力は、各クッション膜層3,4(各膜層部3B,4B)の変形によって吸収される。
上金型6及び下金型7において、上底平面12及び下底平面19は、各クッション膜層3,4の各膜層部3B,4Bを変形しつつ、各膜層部3B,4Bに面接触して押付けられる。
これにより、上金型6及び下金型7の押付力は、各ブラシ毛BF(炭素繊維束CB)の各炭素繊維cfに集中荷重として作用することを防止でき、各ブラシ毛BFの各炭素繊維cfは、上金型6及び下金型7の押付けによって折れ、破断等の損傷を受けない。
金型セット工程(ST03)において、上金型6及び下金型7は、図6及び図7に示すように、各クッション膜層3,4を押付けつつ、下面11及び上面18を当接して閉じられる。
上金型6及び下金型7を閉じると、各成形凹所9,18は、図8に示すように、密閉の各成形空間23を形成する。各成形空間23は、ブラシX1の基台25(図10及び図11参照)を成形する空間である。
上金型6及び下金型7を閉じると、各ブラシ挟み凹所8,16は、図7に示すように、各ブラシ空間24を形成する。各ブラシ空間24は、上金型6の上底平面12及び下金型7の下底平面19を各膜層部3B,4B(各クッション膜層3,4の一部)に面接触して押付けることで、各成形空間23から液密に密閉される。
上金型6及び下金型7を閉じると、膜層・ブラシシートB2の各ブラシ端BX,BY、及び各鎖編部1,2(各経糸VT)は、図8に示すように、各成形空間23内に配置される。
また、各膜層部3A,4A(各クッション膜層3,4の一部)は、図7に示すように、炭素繊維束CBの繊維方向FLにおいて、ブラシ空間24から各成形空間23内に突出して、各成形空間23内に配置される。なお、各クッション膜層3,4において、各膜層部3A,4Aの突出量は、0.5mm以上とする。各膜層部3A,4Aの突出量とは、炭素繊維束CBの繊維方向FLにおいて、ブラシ空間24から各成形空間23に突出される長さである(以下、同様)。
これにより、各クッション膜層3,4は、図7に示すように、炭素繊維束CBの繊維方向FLにおいて、ブラシ空間24及び各成形空間23に連続して配置される。
<基台成形工程(ST04)>
基台成形工程(ST04)は、図6及び図7に示すように、上金型6及び下金型7を押付けた残りの各膜層部3B,4Bより膜層・ブラシシートB2の各ブラシ端3X,3Y側に合成樹脂PBを充填して、膜層・ブラシシートB2の各ブラシ端BX,BY側の夫々に基台25を成形する。
基台成形工程(ST04)では、図6及び図7に示すように、各樹脂注入穴10から合成樹脂PBを各成形空間23内に充填する。
基台成形工程(ST04)おいて、合成樹脂PBは、図6及び図7に示すように、膜層・ブラシシートB2の各ブラシ端BX,BY、各鎖編部1,2(各経糸VT)、及び各膜層部3A,4A(各クッション膜層3,4の一部)を覆って、各成形空間23内に充填される。
各成形空間23内に充填された合成樹脂PBは、図6及び図7に示すように、上底平面12及び下底平面19に面接触して変形される各膜層部3B,4Bによって堰き止められ、各成形空間23内から液密のブラシ空間24に流れ込まない。
これにより、合成樹脂PBがブラシ空間24に流れ込んで、各ブラシ毛BF(炭素繊維束CB)の各炭素繊維cfに侵入することを防止でき、各ブラシ毛のしなやかさを確保して、各ブラシ毛の機能を発揮することができる。
基台成形工程(ST04)では、各成形空間23内に合成樹脂PBを充填すると、金型5(上金型6及び下金型7)を冷却して、合成樹脂PBを硬化して、膜層・ブラシシートB1の各ブラシ端BX,BY側の夫々に基台25を固着(固定)する。
基台成形工程(ST04)では、各成形空間23に充填した合成樹脂PBを硬化すると、上金型6及び下金型7を開いて、各基台25を成形した膜層・ブラシシートB1を金型5から取出す。
<切断工程(ST05)>
切断工程(ST05)は、図9及び図10に示すように、膜層・ブラシシートB2に各基台25を成形した各クッション膜層3,4の間において、ブラシシートB1を繊維直交方向VLに切断する。
切断工程(ST05)において、各基台25を成形した膜層・ブラシシートB2は、図9に示すように、各クッション膜層3,4の間のブラシシートB1のブラシ中心Aにおいて、繊維直交方向VLに切断される。
ブラシシートB1の全てのブラシ毛BFは、ブラシシートB1のブラシ中心Aにおいて、繊維直交方向VLに切断される。
これにより、切断工程(ST05)において、ブラシシートB1を切断することで、図10及び図11に示すように、複数(一対)のブラシX1に分割する。
<ブラシX1>
ブラシX1は、図10及び図11に示すように、基台25、ブラシ体C1を備える。
基台25は、図10及び図11に示すように、台本体27、及び複数(一対)の鍔部28を有する。
台本体27は、断面矩形の直方体に形成される。
各鍔部28は、断面矩形の直方体に形成される。各鍔部28は、台本体27に一体に形成される。各鍔部28は、基台25の台高さ方向FD(繊維方向FL)において、台本体27の一方の台端27A側に位置して、台高さ方向FDと直交する台幅方向HDにおいて、台本体27から突出して形成される。
ブラシ体C1は、図10及び図11に示すように、複数のブラシ毛BF、複数(一対)の鎖編部1,2(各経糸VT)、及び複数(一対)のクッション膜層3,4を有する。
各ブラシ毛BFは、U字状に折返された炭素繊維cfの炭素繊維束CBを、繊維方向FLと直交する繊維直交方向VLに多数並列して形成される。
鎖編部1(経糸VT)は、繊維直交方向VLに延在される。鎖編部1は、各ブラシ毛BF(炭素繊維束CB)の折返部TU(折返部TUの付近)を拘束して、各ブラシ毛BFを連結する。
鎖編部2(経糸VT)は、繊維直交方向VLに延在される。鎖編部2は、ブラシ体C1の他方のブラシ端CX(ブラシ先端)及び鎖編部1の間に位置して、鎖編部1に隣接して配置される。鎖編部2は、各ブラシ毛BF(炭素繊維束CB)を拘束して、各ブラシ毛BFを連結する。
クッション膜層3は、図10及び図11に示すように、繊維方向FL及び繊維直交方向VLと直交するブラシ体C1のブラシ厚さ方向HLからブラシ体C1の一方のブラシ面BA(ブラシ表面)に形成される。
クッション膜層4は、図10及び図11に示すように、ブラシ体C1のブラシ厚さ方向HLからブラシ体C1の他方のブラシ面BB(ブラシ裏面)に形成される。
各クッション膜層3,4は、軟質樹脂PA(軟質ポリウレタン樹脂)で形成される。各クッション膜層3,4は、図10及び図11に示すように、繊維方向FLにおいて、ブラシ体C1の他方のブラシ端CX(ブラシ先端)からブラシ体C1の一方のブラシ端BX側にブラシ長L1を隔てる膜層始点B(膜層始点位置)、及びブラシ体C1の一方のブラシ端BXの間に膜層幅CHを有して形成される。
各クッション膜層3,4は、図10に示すように、例えば、鎖編部2よりブラシ端CX側(鎖編部2及びブラシ先端CXの間)の膜層始点B、及び鎖編部1の間に膜層幅CHを有して形成される。
各クッション膜層3,4は、図10に示すように、膜層幅CHを有して、繊維直交方向に延在して形成される。
各クッション膜層3,4は、ブラシ体C1の各ブラシ面BA,BB、及び各ブラシ毛BF(炭素繊維束CB)の各炭素繊維Cfの間に配置(形成)され、炭素繊維束CBの各炭素繊維cfを覆う。
各クッション膜層3,4は、図10に示すように、繊維直交方向VLにおいて、ブラシ体C1の各ブラシ面BA,BB、及び各ブラシ毛BFの間にわたって連続して形成(配置)される。
このように、ブラシ体C1は、炭素繊維束CBの繊維方向FLにおいて、他方のブラシ端CX(ブラシ先端)及び膜層始点Bの間に各クッション膜層3,4を形成しないブラシ毛領域(ブラシ長L1のブラシ毛BF/炭素繊維cf)と、膜層始点B及び鎖編部1の間に各クッション膜層3,4の領域(クッション領域)を形成する。
ブラシ体C1は、図10及び図11に示すように、基台25の台幅方向HDの中心において、各ブラシ毛BF(炭素繊維束CB)を台長手方向VDに並列して配置される。ブラシ体C1は、一方のブラシ端BXから基台25内に埋設されて、基台25に固定される。
ブラシ体C1は、各クッション膜層3,4の鎖編部2(経糸VT)側の各膜層部3A,4Aを基台25内に埋設し、及び各膜層部3A,4Aを除く残りの膜層部3B,4Bを台本体27の他方の台端27Bから突出して、基台25に固定される。各クッション膜層3,4において、各膜層部3A,4Aは、図11に示すように、基台25(合成樹脂PB)で覆われて、基台25に一体に固定される。
これにより、ブラシX1は、ブラシ体C1の一方のブラシ端BX、各鎖編部1,2(各経糸VT)及び各膜層部3A,4A(各クッション膜層3,4の一部)を基台25内に埋設し、及びブラシ体C1の一方のブラシ端CX側(ブラシ先端側)、及び各膜層部3B,4Bを台本体27の他方の台端27B(基台25の台端)から突出して形成される。
ブラシX1は、 図10及び図11に示すように、各ブラシ毛BF(炭素繊維束CB)の各炭素繊維cfを、軟質樹脂PAの各クッション膜層3,4で覆って保護している。ブラシX1において、各クッション膜層3,4(軟質樹脂PA)は、基台25(台本体27)の台端27Bを境として、基台25の内部、及び基台25の外側にわたって連続配置されている。
これにより、ブラシX1において、各ブラシ毛FB(各炭素繊維cf)が多方向(繊維直交方向VL、ブラシ厚さ方向HL)に曲げられても、曲げによる力は、各クッション膜層3,4(軟質樹脂PA/軟質ポリウレタン樹脂)の変形によって吸収されるので、各ブラシ毛BFの各炭素繊維cfは、基台25(台本体27)の台端27Bを起点(基点)として折れ、破断することが抑制(低減)される。
第1実施形態のブラシの製造方法では、図12乃至図19に示すように、ブラシシートB1の両側の各ブラシ面BA,BBのうち一方のブラシ面BA(又はブラシ面BB)にクッション膜層3(又はクッション膜層4)を形成して、ブラシX2(図18及び図19参照)を製造してもよく、以下に説明する。
なお、図12乃至図19において、図1乃至図11と同一符号は、同一部材、及び同一構成であるので、詳細な説明は省略する。
<膜層形成工程(ST02)>
膜層形成工程(ST02)は、図12及び図13に示すように、ブラシシートB1に軟質樹脂PAを塗布して、ブラシシートB1にクッション膜層3(又はクッション膜層4)を形成する。
膜層形成工程(ST02)では、図3乃至図5で説明したと同様に、各鎖編部2(各経糸VT)の間において、ブラシシートB1のブラシ厚さ方向HLからブラシシートB1の一方のブラシ面BAに軟質樹脂PA(軟質ポリウレタン樹脂)を塗布する(図12及び図13参照)。
膜層形成工程(ST02)では、図12及び図13に示すように、ブラシシートB1の一方のブラシ面BAに軟質樹脂PA(軟質ポリウレタン樹脂)を塗布し、各ブラシ毛BFの炭素繊維cfを軟質樹脂PAで覆って、各鎖編部2(各内側鎖編部2/経糸VT)側の一方のブラシ面BAにクッション膜層3を形成する。
膜層形成工程(ST02)において、クッション膜層3は、図3乃至図5で説明したと同様に、例えば、各鎖編部2の内側(各鎖編部2の間)の膜層始点B、及び各鎖編部1(各外側鎖編部1/各経糸VT)の間に膜層幅CHを有して形成される(図12及び図13参照)。
膜層形成工程(ST02)において、軟質樹脂PAは 、図3乃至図5で説明したと同様に、繊維直交方向VLにおいて、ブラシシートB1の一方のブラシ面BAから各ブラシ毛BF、及び各ブラシ毛BFの間に塗布されて、繊維直交方向VLに連続してクッション膜層3を形成する。
軟質樹脂PAは、ブラシシートB1の一方のブラシ面BAにおいて、同一又は略同一の厚さで塗布される。
クッション膜層3において、軟質樹脂PAは、図13(b)に示すように、ブラシシートB1の一方のブラシ面BAから炭素繊維束CB(緯糸VT)の各炭素繊維cfの間に浸透(含浸)されて、炭素繊維束CBの各炭素繊維cfを覆う。
このように、膜層形成工程(ST02)では、図12及び図13に示すように、炭素繊維束CBの繊維方向FLにおいて、ブラシ中心A及び各膜層始点Bの間に軟質樹脂PAを塗布しないブラシ毛領域と、各膜層始点B及び各鎖編部1の間に軟質樹脂PAを塗布した塗布領域(クッション膜層3)を形成する。
<金型セット工程(ST03)>
金型セット工程(ST03)は、図14乃至図16に示すように、クッション膜層3を形成したブラシシートB1を金型5にセットする。
金型セット工程(ST03)において、クッション膜層3を形成したブラシシートB1(以下、「膜層・ブラシシートB3」という)は、図14乃至図16に示すように、一方のブラシ面BA及び各クッション膜層3を上金型6のブラシ挟み凹所8及び各成形凹所9に向け、他方のブラシ面BBを下金型7のブラシ挟み凹所16お予B各成形凹所17に向けて、上金型6及び下金型7の間に配置される。
膜層・ブラシシートB3は、図15に示すように、クッション膜層3における各鎖編部2側(各内側鎖編部2側/各経糸VT側)の膜層部3Aを各成形凹所9,17に位置し、及び各膜層部3Aを除く残りの膜層部3Bをブラシ挟み凹所8,16に位置して、上金型6及び下金型7の間に配置される。
これにより、膜層・ブラシシートB3は、各ブラシ端BX,BY及び各鎖編部1,2を含む膜層部3A(クッション膜層3の一部)を各成形凹所9,16に対峙し、膜層部3Aを除く残りの膜層部3Bを各ブラシ挟み凹所8,16に対峙して配置される。上金型6及び下金型7において、膜層・ブラシシートB3の膜層部3Bは、各ブラシ挟み凹所8の上底平面12に対峙して配置される。
金型セット工程(ST03)では、図14乃至図16に示すように、上金型6及び下金型7を閉じて、上金型6及び下金型7を膜層・ブラシシートB3に押付けて、膜層・ブラシシートB2を挟持する。
金型セット工程(ST03)では、図14乃至図16に示すように、膜層・ブラシシートB3のブラシ厚さ方向HLから、クッション膜層3における各鎖編部2側(各内側鎖編部2側/各経糸VT側)の膜層部3Aを除く残りの膜層部3Bに上金型6を押付ける。
金型セット工程(ST03)では、図14乃至図16に示すように、膜層・ブラシシートB3のブラシ厚さ方向HLから、各鎖編部2(各経糸VT)の間の膜層・ブラシシートB3の他方のブラシ面BBに下金型7を押付けて、膜層・ブラシシートB3を金型5にセットする。
上金型6において、ブラシ挟み凹所8の上底平面12は、図15に示すように、膜層・ブラシシートB3のブラシ厚さ方向HLから各膜層部3Bに面接触して押付けられる。下金型7において、ブラシ挟み凹所16の下底平面19は、図15に示すように、膜層・ブラシシートB3のブラシ厚さ方向HLから他方のブラシ面BB(ブラシ裏面)に押付けられる。
上金型6及び下金型7において、上底平面12及び下底平面19は、図16に示すように、全てのブラシ毛BFの一部の各炭素繊維cfを覆い、及び全てのブラシ毛BFの間に位置する膜層部3Bを変形しつつ、繊維直交方向VLにわたって膜層部3B及び他方のブラシ面BBに面接触して押付けられる。
上金型6及び下金型7による押付力は、各クッション膜層3(各膜層部3B)の変形によって吸収される。
上金型6及び下金型7において、上底平面12及び下底平面19は、各クッション膜層3の膜層部3Bを変形しつつ、各膜層部3B及び他方のブラシ面BB(ブラシ裏面)に面接触して押付けられる。
これにより、上金型6及び下金型7の押付力は、各ブラシ毛BF(炭素繊維束CB)の各炭素繊維cfに集中荷重として作用することを防止でき、各ブラシ毛BFの各炭素繊維cfは、上金型6及び下金型7の押付力によって折れ、破断等の損傷を受け難くなる。
金型セット工程(ST03)において、上金型6及び下金型7は、図14及び図16に示すように、クッション膜層3、及び他方のブラシ面BBを押付けつつ、下面11及び上面18を当接して閉じられる。
上金型6及び下金型7を閉じると、膜層・ブラシシートB3の各ブラシ端BX,BY、及び各鎖編部1,2(各経糸VT)は、図15に示すように、各成形空間23内に配置される。
また、各膜層部3A(各クッション膜層3の一部)は、図15に示すように、炭素繊維束CBの繊維方向FLにおいて、ブラシ空間24から各成形空間23内に突出して、各成形空間23内に配置される。
これにより、クッション膜層3は、図15に示すように、ブラシ空間24及び各成形空間23に連続して配置される。
<基台成形工程(ST04)>
基台成形工程(ST04)では、図14及び図15に示すように、上金型6及び下金型7を押付けた残りの膜層部3B及び他方のブラシ面BBより膜層・ブラシシートB2の各ブラシ端3X,3Y側に合成樹脂PBを充填して、膜層・ブラシシートB2の各ブラシ端BX,BY側の夫々に基台25を成形する。
基台成形工程(ST04)では、図14及び図15に示すように、各樹脂注入穴10から合成樹脂を各成形空間23内に充填する。
基台成形工程(ST04)において、合成樹脂PBは、図14及び図15に示すように、膜層・ブラシシートB2の各ブラシ端BX,BY、各鎖編部1,2、膜層部3A(クッション膜層3の一部)及びブラシ面BBの一部を覆って、各成形空間23内に充填される。
基台成形工程(ST04)では、合成樹脂PBの硬化後に、上金型6及び下金型7を開いて、各基台25を成形した膜層・ブラシシートB3を金型5から取出す。
<切断工程(ST05)>
切断工程(ST05)は、図17及び図18に示すように、膜層・ブラシシートB3に各基台25を成形した各クッション膜層3の間において、ブラシシートB1を繊維直交方向VLに切断する。
切断工程(ST05)では、各基台25を形成した膜層・ブラシシートB3は、図17に示すように、各クッション膜層3の間のブラシシートB1のブラシ中心Aにおいて、繊維直交方向VLに切断される。
ブラシシートB1の全てのブラシ毛FGは、ブラシシートB1のブラシ中心Aにおいて、繊維直交方向VLに切断される。
これにより、切断工程(ST05)において、ブラシシートB1を切断することで、図18及び図19に示すように、複数(一対)のブラシX2に分割する。
<ブラシX2>
ブラシX2は、図18及び図19に示すように、基台25、ブラシ体C2(膜層・ブラシ体C2)を備える。
ブラシX2において、基台25は、図10及び図11で説明と同様に、台本体27及び複数(一対)の鍔部28を有する。
ブラシ体C2は、図10及び図11で説明したと同様に、複数のブラシ毛BF、複数(一対)の鎖編部1,2(各経糸YT)、及びクッション膜層3を有する(図18及び図19参照)。
クッション膜層3は、図18及び図19に示すように、ブラシ体C2のブラシ厚さ方向HLからブラシ体C2の一方のブラシ面BA(ブラシ表面)に形成される。クッション膜層3は、繊維方向FLにおいて、ブラシ体C2の他方のブラシ端CY(ブラシ先端)からブラシ体C2の一方のブラシ端BXにブラシ長L1を隔てる膜開始点B、及びブラシ体C2の一方のブラシ端BXの間に膜層幅CHを有して形成される。
このように、ブラシ体C2は、炭素繊維束CBの繊維方向FLにおいて、他方のブラシ端CY(ブラシ先端)、及び膜層始点Bの間にクッション膜層3を形成しないブラシ領域(ブラシ長L1のブラシ毛BF/炭素繊維cf)と、膜層始点B及び鎖編部1の間にクッション膜層3の領域(クッション領域)を形成する。
ブラシ体C2は、図18及び図19に示すように、基台25の台幅方向HDの中心において、各ブラシ毛BF(炭素繊維束CB)を台長手方向VDに並列して配置される。ブラシ体C2は、一方のブラシ端BXから基台25内に埋設して、基台25に固定される。
ブラシ体C2は、クッション膜層3の鎖編部2側の膜層部3Aを基台25に埋設し、及び膜層部3Aを除く残りの膜層部3Bを台本体27の他方の台端27Bから突出して、基台25に固定される。
これにより、ブラシX2は、ブラシ体C2の一方のブラシ端BX、各鎖編部1,3及び膜層部3A(クッション膜層3の一部)を基台25内に埋設し、及びブラシ体C2の他方のブラシ端CX側(ブラシ先端側)、及び膜層部3Bを台本体27の他方の台端27B(基台25の台端)から突出して形成される。
ブラシX2は、図18及び図19に示すように、各ブラシ毛BF(炭素繊維束CB)の各炭素繊維cfを、軟質樹脂PAのクッション膜層3で覆って保護している。ブラシX2において、クッション膜層3(軟質樹脂PA)は、基台25(台本体27)の台端27Bを境として、基台25の内部、及び基台25の外側にわたって連続配置されている。
これにより、ブラシX2において、各ブラシ毛BF(各炭素繊維cf)は、多方向(繊維直交方向VL、ブラシ厚さ方向HLに曲げられても、曲げによる力は、クッション膜層3(軟質樹脂PA/軟質ポリウレタン樹脂)の変形によって吸収されるので、各ブラシ毛BFの各炭素繊維cfは、基台25(台本体27)の台端27Bを起点(基点)として折れ、破断することが抑制(低減)される。
<第2実施形態>
以下、第2実施形態のブラシの製造方法について、図20乃至図29を参照して説明する。
なお、図20乃至図29において、図1乃至図19と同一符号は、同一部材、同一構成であるの、その詳細な説明は省略する。
第2実施形態のブラシの製造方法は、図20乃至図29に示すように、ブラシ体形成工程(ST21)、膜層形成工程(ST22)、金型セット工程(ST23)、基台成形工程(ST24)を含んでなる。
第2実施形態のブラシの製造方法は、ブラシ体形成工程(ST21)、膜層形成工程(ST22)、金型セット工程(ST23)、及び基台成形工程(ST24)の順に実施して、ブラシX1(図10及び図11参照)を製造する。
<ブラシ体形成工程(ST21)>
ブラシ体形成工程(ST21)は、図20に示すように、多数の炭素繊維cfの炭素繊維束FBで成る複数のブラシ毛BFを炭素繊維束FBの繊維方向FLと直交する繊維直交方向VLに並列して、ブラシ体C1を形成する。
ブラシ体形成工程(ST21)では、例えば、図1に示すように、ブラシシートB1のブラシ中心Aにおいて、炭素繊維束CB(緯糸VS)を切断してブラシ体C1を形成する。
ブラシ体C1は、ブラシシートB1のブラシ中心Aにおいて、ブラシシートB1を繊維直交方向VLに切断した、一方側の複数のブラシ毛BF、各鎖編部1,2で構成される(図20参照)。
これにより、ブラシ体C1は、図20に示すように、複数のブラシ毛BF、及び複数(一対)の鎖編部1,2(各経糸VS)を有する。
各ブラシ毛BFは、図20に示すように、U字状に折返された炭素繊維cfの炭素繊維束CBを、繊維方向FLと直交する繊維直交方向VLに多数並列して形成される。
各鎖編部1,2(各経糸VT)は、図20に示すように、ブラシ体C1の折返部TU(各折返部TUの付近)を連結(拘束)する。
これにより、ブラシ体形成工程(ST21)では、図20に示すように、繊維直交方向VLに複数のブラシ毛BFが並列されるブラシ体C1を形成する。
各ブラシ毛BFは、図20に示すように、炭素繊維束の繊維方向FLにおいて、ブラシ体C1の他方のブラシ端CX(ブラシ先端)及び鎖編部2の間に形成されて、繊維直交方向VLに並列して形成される。
ブラシ体形成工程(ST21)では、各ブラシ毛BF(緯糸HT)に繊維直交方向VL(緯方向)に延びる複数の経糸VTを織込んで、ブラシ体C1(平織りのブラシ体)を形成しても良い。平織りのブラシ体において、各経糸VTは、炭素繊維束CBの繊維方向FL(緯方向)に複数並列して、各ブラシ毛BFに織込まれる。
<膜層形成工程(ST22)>
膜層形成工程(ST22)は、図21乃至図23に示すように、ブラシ体C1に軟質樹脂PAを塗布して、ブラシ体C1にクッション膜層3,4を形成する。
膜層形成工程(ST22)では、図21乃至図23に示すように、炭素繊維束CBの繊維方向FL及び繊維直交方向VLと直交するブラシ体C1のブラシ厚さ方向HLからブラシ体C1の一方のブラシ面BA(ブラシ表面)及び他方のブラシ面BB(ブラシ裏面)に軟質樹脂PAを塗布する。
膜層形成工程(ST22)では、ブラシ体C1の各ブラシ面BA,BBの夫々に軟質樹脂PAを塗布し、及び各ブラシ毛BFの各炭素繊維cfを軟質樹脂PAで覆って、ブラシ体C1の一方のブラシ端BX側(鎖編部2側/経糸VT側)の一方のブラシ面BA及び他方のブラシ面BBの夫々にクッション膜層3,4を形成する。
各クッション膜層3,4は、図21及び図22に示すように、炭素繊維束CBの繊維方向FLにおいて、ブラシ体C1の他方のブラシ端CXから一方のブラシ端BX側にブラシ長L1を隔てる膜層始点B、及びブラシ体C1の一方のブラシ端BXの間に膜層幅CHを有して形成される。
各クッション膜層3,4の各膜層始点Bは、鎖編部2(経糸VT)の内側に位置(一方のブラシ端CX及び鎖編部2の間に位置)されて、クッション膜層3,4は、鎖編部2の内側に形成される。
膜層形成工程(ST22)において、各クッション膜層3,4は、例えば、図21乃至図23に示すように、鎖編部2の内側(鎖編部2及び他方のブラシ端CXの間)の膜層始点B、及び鎖編部1(経糸VT)の間に膜層幅CHを有して形成される。
各クッション膜層3,4は、図21及び図23に示すように、膜層幅CHを有して、繊維直交方向VLに延在して形成される。
膜層工程(ST22)において、軟質樹脂PAは、図21乃至図23に示すように、繊維直交方向VLにおいて、ブラシ体C1の一方及び他方のブラシ面BA,BBから各ブラシ毛BF、及び各ブラシ毛BFの間に塗布されて、繊維直交方向VLに連続して各クッション膜層3,4を形成する。
軟質樹脂PAは、ブラシ体C1の各ブラシ面BA,BBの各ブラシ毛BFにおいて、同一又は略同一の厚さで塗布される。
各クッション膜層3,4において、軟質樹脂PAは、図23(b)に示すように、ブラシ体C1の一方及び他方のブラシ面BA,BBから炭素繊維束CBの各炭素繊維cfの間に浸透(含浸)されて、炭素繊維束CBの各炭素繊維cfを覆う。
膜層形成工程(ST22)では、軟質樹脂PA(水溶性の軟質ポリウレタン樹脂)をブラシ体C1の各ブラシ面BA,BBに塗布した後、常温で放置して、軟質樹脂PA(水溶性の軟質ポリウレタン樹脂)を乾燥(硬化)して、軟質樹脂PA(軟質ポリウレタン樹脂)及び炭素繊維CBの各炭素繊維cfを一体に結合する。
このように、膜層形成工程(ST22)では、図21乃至図23に示すように、炭素繊維束CBの繊維方向FLにおいて、他方のブラシ端CX及び膜層始点Bの間に軟質樹脂PAを塗布しないブラシ毛領域(ブラシ長L1のブラシ毛BF/炭素繊維cf)と、膜層始点B及び鎖編部1(経糸VT)の間に軟質樹脂PAを塗布した塗布領域(各クッション膜層3,4)を形成する。
<金型セット工程(ST239>
金型セット工程(ST23)は、図24及び図25に示すように、各クッション膜層3,4を形成したブラシ体C1を金型55にセットする。
金型セット工程(ST23)において、金型55は、図24及び図25に示すように、上金型56及び下金型57で構成される。上金型56及び下金型57は、図24に示すように、ブロック体に形成される。
上金型56は、図24に示すように、ブラシ挟み凹所58、成形凹所59及び樹脂注入穴60を有する。
ブラシ挟み凹所58は、上金型56の幅方向LR(左右方向)の中央部に形成される。ブラシ挟み凹所58は、上金型56の下面61から矩形状に凹んで、下面61に開口される。ブラシ挟み凹所58は、矩形状の上底平面62を有する。
成形凹所59は、図24に示すように、上金型56の幅方向LR(左右方向)において、ブラシ挟み凹所58の一端側(左端側)に形成される。成形凹所59は、ブラシ挟み凹所58に連続して形成され、本体成形凹部63及び鍔成形凹部64を有する。成形凹所59において、本体成形凹部63は、図24に示すように、ブラシ挟み凹所58の一端に連続して形成される。成形凹所59において、本体成形凹部63は、ブラシ挟み凹所58の上底平面62から凹んで、上金型56の下面61及びブラシ挟み凹所58の上底平面62に開口される。成形凹所9において、鍔成形凹部64は、図24に示すように、上金型56の幅方向LR(左右方向)において、本体成形凹部63に連続して形成される。成形凹所59において、鍔成形凹部64は、本体成形凹部63から凹んで、上金型56の下面61及び本体成形凹部63に開口される。
樹脂注入穴60は、図24に示すように、上金型56に形成される。樹脂注入穴60は、成形凹所59の本体成形凹部63に開口される。
下金型57は、図24に示すように、ブラシ挟み凹所66、及び成形凹所67を有する。
ブラシ挟み凹所66は、図24に示すように、下金型57の幅方向LR(左右方向)の中央部に形成される。ブラシ挟み凹所66は、下金型57の上面68から矩形状に凹んで、上面68に開口される。ブラシ挟み凹所66は、矩形状の下底平面69を有する。
成形凹所67は、図24に示すように、下金型57の幅方向LR(左右方向)において、ブラシ挟み凹所66の一端側(左端側)に形成される。成形凹所67は、ブラシ挟み凹所66に連続して形成され、本体成形凹部70及び鍔成形凹部71を有する。成形凹所67において、本体成形凹部70は、図24に示すように、ブラシ挟み凹所66の一端側(左端側)に連続して形成される。成形凹所67において、本体成形凹部70は、ブラシ挟み凹所66の下底平面69から凹んで、下金型57の上面68及びブラシ挟み凹所66の下底平面69に開口される。成形凹所67において、鍔成形凹部71は、図24に示すように、下金型57の幅方向LR(左右方向)において、本体成形凹部70に連続して形成される。成形凹所67において、鍔成形凹部71は、本体成形凹部70から凹んで、下金型57の上面68及び本体成形凹部70に開口される。
金型セット工程(ST23)において、各クッション膜層3,4を形成したブラシ体C1(以下、「膜層・ブラシ体C1」という)は、図24及び図25に示すように、一方のブラシ面BA及びクッション膜層3を上金型56のブラシ挟み凹所58及び成形凹所59に向け、他方のブラシ面BB及びクッション膜層4を下金型57のブラシ挟み凹所66及び成形凹所67に向けて、上金型56及び下金型57の間に配置される。
膜層・ブラシ体C1は、図24に示すように、各クッション膜層3,4における一方のブラシ端BX側(鎖編部2側/経糸VT側)の各膜層部3A,4Aを各成形凹所59,67に位置し、及び各膜層部3A,4Aを除く残りの各膜層部3B,4Bを各ブラシ挟み凹所58,66に位置して、上金型56及び下金型57の間に配置される。
これにより、膜層・ブラシ体C1は、一方のブラシ端BX及び各鎖編部1,2を含む各膜層部3A,4A(各クッション膜層3,4の一部)を各成形凹所59,67に対峙し、各膜層部3A,4Aを除く残りの各膜層部3B,4Bを各ブラシ挟み凹所58,66に対峙して配置される。上金型56及び下金型57において、膜層・ブラシ体C1の各膜層部3B,4Bは、上底平面62及び下底平面69に対峙して配置される。
金型セット工程(ST23)では、図24及び図25に示すように、上金型56及び下金型57を閉じて、上金型56及び下金型57を膜層・ブラシ体C1に押付けて、膜層・ブラシ体C1を挟持する。
金型セット工程(ST23)では、図24及び図25に示すように、膜層・ブラシ体C1のブラシ厚さ方向HLから、各クッション膜層3,4における一方のブラシ端BX側(鎖編部2側/経糸VT側)の各膜層部3A,4Aを除く残りの各膜層部3B,4Bに上金型56及び下金型57を押付けて、膜層・ブラシ体C1を金型55にセットする。
上金型56において、ブラシ挟み凹所58の上底平面62は、図24及び図25に示すように、膜層・ブラシ体C1のブラシ厚さ方向HLから膜層部3Bに面接触して押付けられる。下金型57において、ブラシ挟み凹所66の下底平面69は、図24及び図25に示すように、膜層・ブラシ体C1のブラシ厚さ方向HLから膜層部4Bに面接触して押付けられる。
上金型56及び下金型57において、上底平面62及び下底平面69は、図25に示すように、膜層・ブラシ体C1の繊維直交方向VLにおいて、全てのブラシ毛BFの各炭素繊維cfを覆い、及び全てのブラシ毛BFの間に位置する各膜層部3B,4Bを変形しつつ、繊維直交方向VLにわたって各膜層部3B,4Bに液密に面接触して押付けられる。
上金型56及び下金型57による押付力は、各クッション膜層3,4(各膜層部3B,4B)の変形によって吸収される。
上金型56及び下金型57において、上底平面62及び下底平面69は、各クッション膜層3,4の各膜層部3B,4Bを変形しつつ、各膜層部3B,4Bに面接触して押付けられる。
これにより、上金型56及び下金型57の押付力は、各ブラシ毛BF(炭素繊維束CB)の各炭素繊維cfに集中荷重として作用することを防止でき、各ブラシ毛BFの各炭素繊維cfは、上金型56及び下金型57の押付けによって折れ、破断等の損傷を受けない。
金型セット工程(ST23)において、上金型56及び下金型57は、図24及び図25に示すように、各クッション膜層3,4を押付けつつ、下面61及び上面68を当接して閉じられる。
上金型56及び下金型57を閉じると、各成形凹所59,67は、図24に示すように、密閉の成形空間73を形成する。成形空間73は、ブラシX1の基台25(図10及び図11参照)を成形する空間である。
上金型56及び下金型57を閉じると、各ブラシ挟み凹所58,66は、図24に示すように、ブラシ空間74を形成する。ブラシ空間74は、上金型56の上底平面62及び下金型57の下底平面69を各膜層部3B,4B(各クッション膜層3,4の一部)に面接触して押付けることで、成形空間73から液密に密閉される。
上金型56及び下金型57を閉じると、膜層・ブラシ体C1のブラシ端BX,及び各鎖編部1,2(各経糸VT)は、図24に示すように、成形空間73内に配置される。
また、各膜層部3A,4A(各クッション膜層3,4の一部)は、図24に示すように、炭素繊維束CBの繊維方向FLにおいて、ブラシ空間74から成形空間73内に突出して、成形空間73内に配置される。
これにより、各クッション膜層3,4は、図24に示すように、炭素繊維束CBの繊維方向FLにおいて、ブラシ空間74及び成形空間73に連続して配置される。
<基台成形工程(ST24)>
基台成形工程(ST24)は、図24に示すように、上金型56及び下金型57を押付けた残りの各膜層部3B,4Bより膜層・ブラシ体C1の一方のブラシ端BX側(鎖編部2側/経糸VT側)に合成樹脂PBを充填して、膜層・ブラシ体C1の一方のブラシ端BX側に基台25を成形する。
基台成形工程(ST24)では、図24に示すように、樹脂注入穴60から合成樹脂PBを成形空間73内に充填する。
基台成形工程(ST24)において、合成樹脂PBは、図24に示すように、膜層・ブラシ体C1の一方のブラシ端BX、各鎖編部1,2(各経糸VT)、及び各膜層部3A,4A(各クッション膜層3,4の一部)を覆って、成形空間73内に充填される。
成形空間73内に充填された合成樹脂PBは、図24に示すように、上底平面62及び下底平面69に面接触して変形される各膜層部3B,4Bによって堰き止められ、成形空間23内から液密のブラシ空間24に流れ込まない。
これにより、合成樹脂PBがブラシ空間74に流れ込んで、各ブラシ毛BF(炭素繊維束CB)の各炭素繊維cfに侵入することを防止でき、各ブラシ毛のしなやかさを確保して、各ブラシ毛の機能を発揮することができる。
基台成形工程(ST24)では、成形空間73内に合成樹脂PBを充填すると、金型55(上金型56及び下金型57)を冷却して、合成樹脂PBを硬化して、膜層・ブラシ体C1の一方のブラシ端BX側に基台25を成形する。
基台成形工程(ST24)では、成形空間23に充填した合成樹脂PBを硬化すると、上金型56及び下金型57を開いて、基台25を成形した膜層・ブラシ体C1を金型55から取出す。
これにより、ブラシX1を製造する(図10及び図11参照)。
第2実施形態のブラシの製造方法では、図26乃至図29に示すように、ブラシ体C1の両側の各ブラシ面BA,BBのうち一方のブラシ面BA(又はブラシ面BB)にクッション膜層3(クッション膜層4)を形成して、ブラシX2(図18及び図19参照)を製造しても良く、以下に説明する。
なお、図26乃至図29において、図20乃至図25と同一符号は、同一部材、及び同一構成であるので、その詳細な説明は省略する。
<膜層形成工程(ST22)>
膜層形成工程(ST22)は、図26及び図27に示すように、ブラシ体C1に軟質樹脂PAを塗布して、ブラシ体C1にクッション膜層3(又はクッション膜層4)を形成する。
膜層形成工程(ST22)では、図21乃至図23で説明したと同様に、ブラシ体C1のブラシ厚さ方向HLからブラシ体C1の一方のブラシ面BAに軟質樹脂PA(軟質ポリウレタン樹脂)を塗布する(図26及び図27参照)。
膜層形成工程(ST22)では、図26及び図27に示すように、ブラシ体C1の一方のブラシ面BAに軟質樹脂PAを塗布し、各ブラシ毛BFの炭素繊維cfを軟質樹脂PAで覆って、ブラシ体C1の一方のブラシ端BX側(鎖編部2側/経糸VT側)の一方のブラシ面BAにクッション膜層3を形成する。
膜層形成工程(ST22)において、クッション膜層3は、図21乃至図23で説明したと同様に、例えば、鎖編部2及び他方のブラシ端CXの間の膜層始点B、及び鎖編部1(経糸VT)の間に膜層部CHを有して形成される(図26及び図27参照)。
膜層形成工程(ST22)において、軟質樹脂PAは、図21乃至図23で説明したと同様に、ブラシ体C1の一方のブラシ面BAから各ブラシ毛FB、及び各ブラシ毛FBの間に塗布されて、繊維直交方向VLに連続してクッション膜層3を形成する。
軟質樹脂PAは、ブラシ体C1の一方のブラシ面BAにおいて、同一又は略同一の厚さで塗布される。
クッション膜層3において、軟質樹脂PAは、図27(b)に示すように、ブラシ体C1の一方のブラシ面BAから炭素繊維束CBの各炭素繊維cfの間に浸透(含浸)されて、炭素繊維束CBの各炭素繊維cfを覆う。
このように、膜形成工程(ST22)では、図26及び図27に示すように、炭素繊維束CBの繊維方向FLにおいて、他方のブラシ端CX及び膜層始点Bの間に軟質樹脂PAを塗布しないブラシ毛領域と、膜層始点B及び鎖編部1(経糸VT)の間に軟質樹脂PAを塗布する塗布領域(クッション膜層3)を形成する。
<金型セット工程(ST23)>
金型セット工程(ST23)は、図28及び図29に示すように、クッション膜層3を形成したブラシ体C1を金型55にセットする。
金型セット工程(ST23)において、クッション膜層3を形成したブラシ体C1(以下、「膜層・ブラシ体C2」という)は、図28及び図29に示すように、一方のブラシ面BA及びクッション膜層3を上金型56のブラシ挟み凹所58及び成形凹所59に向け、他方のブラシ面BBを下金型57のブラシ挟み凹所66及び成形凹所67に向けて、上金型56及び下金型57の間に配置される。
膜層・ブラシ体C2は、図28に示すように、クッション膜層3における一方のブラシ端BX側(鎖編部2側/経糸VT側)の膜層部3Aを各成形凹所59,67に位置し、及び各膜層部3Aを除く残りの膜層部3Bをブラシ挟み凹所58,66に位置して、上金型56及び下金型57の間に配置される。
これにより、膜層・ブラシ体C2は、一方のブラシ端BX及び各鎖編部1,2(各経糸VT)を含む膜層部3A(クッション膜層3の一部)を各成形凹所59,67に対峙し、膜層部3Aを除く膜層部3Bを各ブラシ挟み凹所58,66に対峙して配置される。上金型56及び下金型57において、膜層・ブラシ体C2の膜層部3Bは、各ブラシ挟み凹所58の上底平面62に対峙して配置される。
金型セット工程(ST53)では、図28及び図29に示すように、上金型56及び下金型57を閉じて、上金型56及び下金型57を膜層・ブラシ体C2に押付けて、膜層・ブラシ体C2を挟持する。
金型セット工程(ST53)では、図28及び図29に示すように、膜層・ブラシ体C2のブラシ厚さ方向HLから、クッション膜層3における一方のブラシ端BX側(鎖編部2側/経糸VT側)の膜層部3Aを除く残りの膜層部3Bに上金型56を押付ける。
金型セット工程(ST53)では、図28及び図29に示すように、膜層・ブラシ体C2のブラシ厚さ方向HLから、膜層・ブラシ体C2の他方のブラシ面BBに下金型57を押付けて、膜層・ブラシ体C2を金型55にセットする。
上金型56において、ブラシ挟み凹所58の上底平面12は、図28及び図29に示すように、膜層・ブラシ体C2のブラシ厚さ方向HLから膜層部3Bに面接触して押付けられる。下金型57において、ブラシ挟み凹所66の下底平面69は、図28及び図29に示すように、膜層・ブラシ体C2のブラシ厚さ方向HLから他方のブラシ面BB(ブラシ裏面)に押付けられる。
上金型56及び下金型57において、上底平面62及び下底平面69は、図28及び図29に示すように、全てのブラシ毛BFの各炭素線cfを覆い、及び全てのブラシ毛BFの間に位置する膜層部3Bを変形しつつ、繊維直交方向VLにわたって膜層部3B及び他方のブラシ面BBに面接触して押付けられる。
上金型56及び下金型57による押付力は、各クッション膜層3(各膜層部3B)の変形によって吸収される。
上金型56及び下金型57において、上底平面62及び下底平面69は、各クッション膜層3の膜層部3Bを変形しつつ、各膜層部3B及び他方のブラシ面BB(ブラシ裏面)に面接触して押付けられる。
これにより、上金型6及び下金型57の押付力は、各ブラシ毛BF(炭素繊維束CB)の各炭素繊維cfに集中荷重として作用することを防止でき、各ブラシ毛BFの各炭素繊維cfは、上金型56及び下金型57の押付力によって折れ、破断等の損傷を受け難くなる。
金型セット工程(ST23)において、上金型56及び下金型57は、図28及び図29に示すように、クッション膜層3、及び他方のブラシ面BBを押付けつつ、下面61及び上面68を当接して閉じられる。
上金型56及び下金型57を閉じると、膜層・ブラシ体C2のブラシ端BX、及び各鎖編部1,2(各経糸VT)は、図28に示すように、成形空間73内に配置される。
また、膜層部3A(クッション膜層3の一部)は、図28に示すように、炭素繊維棚CBの繊維方向FLにおいて、ブラシ空間74から成形空間73に突出して、成形空間73内に配置される。
これにより、クッション膜層3は、図28に示すように、ブラシ空間74及び成形空間73に連続して配置される。
<基台成形工程(ST24)>
基台成形工程(ST24)では、図28に示すように、上金型56及び下金型57を押付けた残りの膜層部3B及び他方のブラシ面BBより膜層・ブラシ体C3の一方のブラシ端BX側(鎖編部2側/経糸VT側)に合成樹脂PBを充填して、膜層・ブラシ体C2の一方のブラシ端BX側の基台25を成形する。
基台成形工程(ST24)では、図28に示すように、樹脂注入穴60から合成樹脂PBを成形空間73内に充填する。
基台成形工程(ST24)において、合成樹脂PBは、図28に示すように、膜層・ブラシ体C2の一方のブラシ端BX、各鎖編部1,2(各経糸VT)、膜層部3A(クッション膜層3の一部)及びブラシ面BBの一部を覆って、成形空間73内に充填される。
基台成形工程(ST24)では、合成樹脂PBを硬化後に、上金型56及び下金型57を開いて、基台25を成形した膜層・ブラシ体C3を金型55から取外す。
これにより、ブラシX2を製造する(図18及び図19参照)。
<第3実施形態>
以下、第3実施形態のブラシの製造方法について、図30乃至図37を参照して説明する。
なお、図30乃至図37において、図1乃至図19と同一符号は、同一部材、同一構成であるので、その詳細な説明は省略する。
第3実施形態のブラシの製造方法は、図30乃至図37に示すように、複合ブラシシート形成工程(ST31)、金型セット工程(ST33)、基台成形工程(ST34)、及び切断工程(ST35)を含んでなる。
第3実施形態のブラシの製造方法は、複合ブラシシート形成工程(ST31)、金型セット工程(ST33)、基台成形工程(ST34)、及び切断工程(ST35)の順に実施して、ブラシX3(図36及び図37参照)を製造する。
<複合ブラシシート形成工程(ST31)>
複合ブラシシート形成工程(ST31)は、図30及び図31に示すように、緯糸HSで成る複数の複合ブラシ毛GFが並列される複合ブラシシートB4(複合ブラシシート部材)を形成する。
複合ブラシシートB4において、緯糸HSは、図31に示すように、炭素繊維cf及び軟質合成繊維gfの複合繊維束FBで成る。
軟質合成繊維gfは、繊維直径gdを有する。軟質合成繊維gfは、柔軟性及び弾性の合成繊維であって、例えば、ポリアミド繊維(ナイロン繊維)、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、アクリル繊維等の長繊維(フィラメント)で成る。軟質合成繊維gfは、例えば、ナイロン繊維の長繊維(フィラメント)を用いる(以下、同様)。
軟質合成繊維gfの繊維直径gdは、炭素繊維cfの繊維直径fdと同一又は大きくする。
複合繊維束FBにおいて、炭素繊維cf及び軟質合成繊維gfの比率は、例えば、炭素繊維cfを7割、軟質合成繊維gfを3割とする(炭素繊維cf:軟質合成繊維gf=7:3)。
複合ブラシシート形成工程(ST31)において、複合ブラシシートB4は、例えば、ラッセル編機やトリコット編機等の経編機(図示しない)により各種繊維を編込んで形成される。
複合ブラシシート形成工程(ST31)において、経編機は、図30及び図31に示すように、炭素繊維cf及び軟質合成繊維gfの複合繊維束FBで成る緯糸HSを複合繊維束FBの繊維方向FLの両側でU字状に折返して並列し、繊維方向FLの両側の折返部TW(各折返部TWの付近)を繊維方向FLと直交する繊維直交方向VLの経糸VSに編込んで、緯糸HSの各折返部TW(各折返部TWの付近)を経糸VSにより連結(拘束)する。
経編機は、図30及び図31に示すように、緯糸HS(複合繊維束FB)の折返部TWの夫々を、経糸VSで形成される複数の経糸組織、例えば、複数の鎖編部41,42(経糸VS)に挿入して、緯糸HS(複合繊維束FB)の各折返部TW(各折返部TWの付近)を各鎖編部41,42により連結(拘束)する。
経編機は、例えば、図30に示すように、複合繊維束FBの繊維方向FLの両側の折返部TW(各折返部TWの近傍)の夫々に、2列の鎖編部41,42を形成して、緯糸HS(複合繊維束FB)の各折返部TWを各鎖編部41,42により連結(拘束)する。各鎖編部42(内側鎖編部/内側経糸)は、複合繊維束FBの繊維方向FLにおいて、各鎖編部41(外側鎖編部/外側経糸)に隣接して、各鎖編部41の内側(各鎖編部41の間)に形成される。
複合ブラシシート形成工程(ST31)において、経編機は、緯糸HSの折返し、及び各折返部TWの各鎖編部41,42(経糸VT/経糸組織)への挿入(編込み)を繰返して、帯状の複合ブラシシートB4(複合ブラシシート部材)を形成する。
これにより、複合ブラシシート形成工程(ST31)では、図30に示すように、繊維直交方向VLに緯糸HSで成る複数の複合ブラシ毛GFが並列された複合ブラシシートB4を形成する。
各複合ブラシ毛GFは、図30に示すように、複合繊維束FBの繊維方向FLにおいて、各鎖編部42の間(各内側鎖編部の間)に形成されて、繊維直交方向VLに並列して形成される。
なお、複合ブラシシート形成工程(ST31)では、緯糸VS(複合繊維束FB)の両側の折返部TUの夫々に複数の経糸VSを織込んで、複合ブラシシートB3(平織りの複合ブラシシート)を形成しても良い。
<金型セット工程(ST33)>
金型セット工程(ST33)は、図32乃至図33に示すように、複合ブラシシートB4を金型5にセットする。
金型セット工程(ST33)において、複合ブラシシートB4は、図32乃至図33に示すように、複合ブラシシートB4の一方のブラシ面BCを上金型6のブラシ挟み凹所8及び各成形凹所9に向け、複合ブラシシートB4の他方のブラシ面BDを下金型7のブラシ挟み凹所16及び各成形凹所17に向けて、上金型6及び下金型7の間に配置される。
複合ブラシシートB4は、図33に示すように、各鎖編部41,42を各成形凹所9,17に位置し、及び複合ブラシ毛GFを各ブラシ挟み凹所8,16に位置して、上金型6及び下金型7の間に配置される。
これにより、上金型6及び下金型7において、複合ブラシシートB4の各ブラシ面BC,BDは、各ブラシ挟み凹所8,19の上底平面12、下底平面19の夫々に対峙して配置される。
金型セット工程(ST33)では、図32及び図33に示すように、上金型6及び下金型7を閉じて、上金型6及び下金型7を複合ブラシシートB4に押付けて、複合ブラシシートB4を挟持する。
金型セット工程(ST33)では、図33に示すように、各鎖編部42(各経糸VS)の間において、複合繊維束FBの繊維方向FL及び繊維直交方向VLと直交する複合ブラシシートB4のブラシ厚さ方向HLから、複合ブラシシートB4の一方のブラシ面BC(ブラシ表面)及び他方のブラシ面BD(ブラシ裏面)に上金型6及び下金型7を押付けて、複合ブラシシートB4を金型5にセットする。
上金型6及び下金型7において、上底平面12及び下底平面19は、図33に示すように、複合ブラシシートB4のブラシ厚さ方向HLから、各ブラシ面BC,BDに面接触して押付けられる。
上金型6及び下金型7において、上底平面12及び下底平面19は、図34に示すように、複合ブラシシートB3の繊維直交方向VLにおいて、全ての複合ブラシ毛GFの軟質合成繊維gfを変形しつつ、繊維直交方向VLにわたって各ブラシ面BC,BDに面接触して押付けられる。
上金型6及び下金型7の押付力は、各軟質合成繊維gfの変形によって吸収される。
これにより、上金型6及び下金型7の押付力は、各複合ブラシ毛GFに集中荷重として作用することを防止でき、各複合ブラシ毛GFの各炭素繊維cfは、上金型6及び下金型7の押付けによって折れ、破断等の損傷を受け難くなる。
金型セット(ST33)において、上金型6及び下金型7は、図32及び図33に示すように、各ブラシ面BC,BDを押付けて、下面11及び上面18を当接して閉じられる。
上金型6及び下金型7を閉じると、複合ブラシシートB4の各ブラシ端BV,BW、各鎖編部41,42(各経糸VS)、及び複合ブラシシートB4の一部のブラシ部分bc,bdは、図33に示すように、各成形空間23内に配置される。
<基台成形工程(ST34)>
基台成形工程(ST34)は、図33及び図34に示すように、上金型6及び下金型7を押付けた各ブラシ面BC,BDより複合ブラシシートB4の各ブラシ端BV,BW側に合成樹脂PBを充填して、複合ブラシシートB4の各ブラシ端BV,BW側の夫々に基台25を成形する。
基台成形工程(ST34)では、図32及び図33に示すように、各樹脂注入穴10から合成樹脂PBを各成形空間23内に充填する。
基台成形工程(ST34)において、合成樹脂PBは、図32及び図33に示すように、複合ブラシシートB4の各ブラシ端BV,BW、各鎖編部41,42(各経糸VS)及びブラシ部分bc,bdを覆って、各成形空間23内に充填される。
基台成形工程(ST34)では、各成形空間23内に合成樹脂PBを充填すると、金型5(上金型6及び下金型7)を冷却して、合成樹脂PBを硬貨して、複合ブラシシートB4の各ブラシ端BV,BW側の夫々に基台25を固着(固定)する。
基台成形工程(ST34)では、各成形空間23に充填した合成樹脂PBを硬化すると、上金型6及び下金型7を開いて、各基台25を成形した複合ブラシシートB4を金型5から取出す。
<切断工程(ST35)>
切断工程(ST35)は、図35及び図36に示すように、各基台25の間において、複合ブラシシートB4を繊維直交方向VLに切断する。
切断工程(ST35)において、各基台25を成形した複合ブラシシートB4は、図35に示すように、各基台25の間の複合ブラシシートB4のブラシ中心Aにおいて、繊維直交方向VLに切断する。
複合ブラシシートB4の全ての複合ブラシ毛GFは、複合ブラシシートB4のブラシ中心Aにおいて、繊維直線方向VLに切断される。
これにより、切断工程(ST35)において、複合ブラシシートB4を切断することで、図36及び図37に示すように、複数(一対)のブラシX3に分割する。
<ブラシX3>
ブラシX3は、図36及び図37に示すように、基台25、及び複合ブラシ体C3を備える。
ブラシX3において、基台25は、図10及び図11で説明したと同様に、台本体27及び複数(一対)の鍔部28を有する。
複合ブラシ体C3は、図36及び図37に示すように、複数の複合ブラシ毛GF、複数(一対)の鎖編部41,42(各経糸VS)を有する。
各複合ブラシ毛GFは、U字状に折返された炭素繊維cf及び軟質合成繊維gfの複合繊維束FBを、繊維方向FLと直交する繊維直交方向VLに多数並列して形成される。
鎖編部41(経糸VS)は、繊維直交方向VLに延在される。鎖編部41は、各複合ブラシ毛GF(複合繊維束FB)の折返部TW(折返部TWの付近)を拘束して、各複合ブラシ毛GFを連結する。
鎖編部42(経糸VS)は、繊維直交方向VLに延在される。鎖編部42は、複合ブラシ体C3の他方のブラシ端CY(ブラシ先端)及び鎖編部41の間に位置して、鎖編部41に隣接して配置される。鎖編部42は、各複合ブラシ毛GF(複合繊維束FB)を拘束して、各複合ブラシ毛GFを連結する。
複合ブラシ体C3は、図36及び図37に示すように、基台25の台幅方向HDの中心において、各複合ブラシ毛GF(複合繊維束FB)を台長手方向VDに並列して配置される。
複合ブラシ体C3は、一方のブラシ端BVから基台25内に埋設して、基台25に固着(固定)される。
これにより、ブラシX3は、複合ブラシ体C3の一方のブラシ端BV,各鎖編部41,42、及びブラシ部分bc(複合ブラシ体C3の一部)を基台25に埋設し、及びブラシ体Cの他方のブラシ端CY側(ブラシ先端側)を台本体27の他方の台端27B(基台25の台端)から突出して形成される。
各複合ブラシ毛GFは、図36に示すように、台本体27の他方の台端27Bからブラシ毛長L3を有して突出される。
ブラシX3は、図36及び図37に示すように、各複合ブラシ毛GFの各炭素繊維cfに各軟質合成繊維gfを隣接して、各炭素繊維cfを各軟質合成繊維gfにて支持(保護)している。
ブラシX3において、各複合ブラシ毛GFが多方向(繊維直交方向VL、ブラシ厚さ方向HL)に曲げられても、曲げによる力は、各軟質合成繊維gfの変形によって吸収される。また、各複合ブラシ毛GFの各炭素繊維cfは、各軟質合成繊維cfにより保持されて、曲がりが規制される。
これにより、各複合ブラシ毛GFの各炭素繊維cfは、基台25(台本体27)の台端27Bを起点(基点)として折れ、破断することが抑制(低減)される。
なお、第3実施形態のブラシの製造方法では、緯糸VSで成る各複合ブラシ毛GF(複合炭素繊維FB)の軟質合成繊維gfは、軟質の捲縮合成繊維(ナイロン捲縮合成繊維等)で構成しても良い。
<第4実施形態>
以下、第4実施形態のブラシの製造方法について、図38乃至図40を参照して説明する。
なお、図38乃至図40において、図30乃至図37と同一符号は、同一部材、同一構成であるので、その詳細な説明は省略する。
第4実施形態のブラシの製造方法は、図38乃至図40に示すように、複合ブラシ体形成工程(ST41)、金型セット工程(ST43)、及び基台成形工程(ST44)を含んでなる。
第4実施形態のブラシの製造方法は、複合ブラシ体形成工程(ST41)、金型セット工程(ST43)及び基台成形工程(ST44)の順に実施して、ブラシX3(図36及び図37参照)を製造する。
<複合ブラシ体形成工程(ST41)>
複合ブラシ体形成工程(ST41)は、図38に示すように、炭素繊維cf及び軟質合成繊維gfの複合繊維束FBで成る複数の複合ブラシ毛GFを複合繊維束FBの繊維方向FLと直交する繊維直交方向VLに並列して、複合ブラシ体C3を形成する。
複合ブラシ体形成工程(ST41)では、例えば、図30に示すように、複合ブラシシートB4のブラシ中心Aにおいて、複合繊維束FB(緯糸VS)を切断して複合ブラシ体C3を形成する。
複合ブラシ体C3は、複合ブラシシートB4のブラシ中心Aにおいて、複合ブラシシートB4を繊維直交方向VLに切断した、一方側の複数の複合ブラシ毛GF、各鎖編部41,42で構成される(図38参照)。
これにより、複合ブラシ体C3は、図38に示すように、複数の複合ブラシ毛GF、及び複数(一対)の鎖編部41,42(各経糸VS)を有する。
各複合ブラシ毛GFは、図38に示すように、U字状に折返された炭素繊維cf及び軟質合成繊維gfの複合繊維束FBを、繊維直交方向VLに多数並列して形成される。
各鎖編部41,42(各経糸VS)は、図38に示すように、複合ブラシ体C3の折返部TW(各折返部TWの付近)を連結(拘束)する。
これにより、複合ブラシ体形成工程(ST41)では、図38に示すように、繊維直交方向VLに複数の複合ブラシ毛GFが並列される複合ブラシ体C3を形成する。
各複合ブラシ毛GFは、図38に示すように、複合繊維束FBの繊維方向FLにおいて、ブラシ体C3の他方のブラシ端CY(ブラシ先端)及び鎖編部42の間に形成されて、繊維直交方向VLに並列して形成される。
複合ブラシ体形成工程(ST41)では、各複合ブラシ毛GF(緯糸HS)に繊維直交方向VL(緯方向)に延びる複数の経糸VSを織込んで、複合ブラシ体C3(平織りの複合ブラシ体)を形成しても良い。平織りの複合ブラシ体において、各経糸VSは、複合繊維束FBの繊維方向FL(緯方向)に複数並列して、各複合ブラシ毛BFに織込まれる。
<金型セット工程(ST43)>
金型セット工程(ST43)は、図39に示すように、複合ブラシ体C3を金型55にセットする。
金型セット工程(ST43)において、複合ブラシ体C3は、図39に示すように、一方のブラシ面BCを金型56のブラシ挟み凹所58及び成形凹所59に向け、他方のブラシ面BDを下金型57のブラシ挟み凹所66及び成形凹所67に向けて、上金型56及び下金型57の間に配置される。
複合ブラシ体C3は、図39に示すように、各鎖編部41,42を各成形凹所59,67に位置し、及び複合ブラシ毛GFを各ブラシ挟み凹所58,66に位置して、上金型56及び下金型57の間に配置される。
これにより、上金型56及び下金型57において、複合ブラシ体C3の各ブラシ面BC,BDは、各ブラシ挟み凹所58,66の上底平面62、下底平面69の夫々に対峙して配置される。
金型セット工程(ST43)では、図39に示すように、上金型56及び下金型57を閉じて、上金型56及び下金型57を複合ブラシ体C3に押付けて、複合ブラシ体C3を挟持する。
金型セット工程(ST43)では、図39に示すように、複合繊維束FBの繊維方向FL及び繊維直交方向VLと直交する複合ブラシ体C3のブラシ厚さ方向HLから、複合ブラシ体C3の一方のブラシ面BC(ブラシ表面)に上金型56を押付ける。
金型セット工程(ST43)では、図39に示すように、複合ブラシ体C3のブラシ厚さ方向HLから、複合ブラシ体C3の他方のブラシ面BD(ブラシ裏面)に下金型57を押付けて、複合ブラシ体C3を金型55にセットする。
上金型56及び下金型57において、上底平面62及び下底平面69は、図39に示すように、複合ブラシ体C3のブラシ厚さ方向HLから、各ブラシ面BC,BDに面接触して押付けられる。
上金型56及び下金型57において、上底平面62及び下底平面69は、図40に示すように、複合ブラシシートB3の繊維直交方向VLにおいて、全ての複合ブラシ毛GFの軟質合成繊維gfを変形しつつ、繊維直交方向VLにわたって各ブラシ面BC,BDに面接触して押付けられる。
上金型56及び下金型57の押付力は、各軟質合成繊維gfの変形によって吸収される。
これにより、上金型6及び下金型7の押付力は、各複合ブラシ毛GFに集中荷重として作用することを防止でき、各複合ブラシ毛GFの各炭素繊維cfは、上金型56及び下金型57の押付けによって折れ、破断等の損傷を受け難くなる。
金型セット工程(ST43)において、上金型56及び下金型57は、図39に示すように、各ブラシ面BC,BDを押付けて、下面61及び上面68を当接して閉じられる。
上金型56及び下金型57を閉じると、複合ブラシ体C3の一方のブラシ端BV、各鎖編部41,42(各経糸VS)、及び複合ブラシ体C3の一部のブラシ部分bcは、図39に示すように、成形空間73内に配置される。
<基台成形工程(ST44)>
基台成形工程(ST44)は、図39に示すように、上金型56及び下金型57を押付けた各ブラシ面BC,BDより複合ブラシ体C3の一方のブラシ端BV側に合成樹脂PBを充填して、複合ブラシ体C3の一方のブラシ端BV側に基台25を成形する。
基台成形工程(ST44)では、図39に示すように、樹脂注入穴60から合成樹脂PBを成形空間73内に充填する。
基台成形工程(ST44)において、合成樹脂PBは、図39に示すように、複合ブラシ体C3のブラシ端BV、各鎖編部41,42(各経糸VS)及びブラシ部分bcを覆って、成形空間73内に充填される。
基台成形工程(ST44)では、成形空間73内に合成樹脂PBを充填すると、金型55(上金型56及び下金型57)を冷却して、合成樹脂PBを硬化して、複合ブラシ体C3の一方のブラシ端BV側に基台25を固着(固定)する。
基台成形工程(ST44)では、成形空間73に充填した合成樹脂PBを硬化すると、上金型56及び下金型57を開いて、基台25を成形した複合ブラシ体C3を金型55から取出す。
これにより、ブラシX3を製造する(図36及び図37参照)。
なお、第4実施形態のブラシの製造方法では、緯糸VSで成る各複合ブラシ毛GF(複合炭素繊維FB)の軟質合成繊維gfは、軟質の捲縮合成繊維(ナイロン捲縮繊維等)で構成しても良い。
<第5実施形態>
以下、第5実施形態のブラシの製造方法について、図41乃至図57を参照して説明する。
なお、図41乃至図57において、図1乃至図19、図30乃至図37と同一符号は、同一部材、同一構成であるので、その詳細な説明は省略する。
第5実施形態のブラシの製造方法は、複合ブラシシート形成工程(ST51)、膜層形成工程(ST52)、金型セット工程(ST53)、基台成形工程(ST54)、及び切断工程(ST33)を含んでなる。
第5実施形態のブラシの製造方法は、複合ブラシシート形成工程(ST51)、膜層形成工程(ST52)、金型セット工程(ST53)、基台成形工程(ST54)、及び切断工程(ST33)の順に実施して、ブラシX4(図48及び図49参照)を製造する。
<複合ブラシシート形成工程(ST51)>
複合ブラシシート形成工程(ST51)は、図30及び図31で説明(第3実施形態)で説明したと同様に、緯糸HSで成る複数の複合ブラシ毛GFが並列される複合ブラシシートB4(複合ブラシシート部材)を形成する。
なお、複合ブラシシート形成工程(ST51)では、緯糸VS(複合繊維束FB)の両側の折返部TUの夫々に複数の経糸VSを織込んで、複合ブラシシートB3(平織りの複合ブラシシート)を形成しても良い。
<膜層形成工程(ST52)>
膜層形成工程(ST52)は、図41乃至図43に示すように、複合ブラシシートB4に軟質樹脂PAを塗布して、複合ブラシシートB4にクッション膜層3,4を形成する。
膜層形成工程(ST52)では、図41乃至図43に示すように、各鎖編部42(各内側鎖編部42/各経糸VS)の間において、複合繊維束FBの繊維方向FL及び繊維直交方向VLと直交する複合ブラシシートB4のブラシ厚さ方向HLから、複合ブラシシートB4の一方のブラシ面BC(ブラシ表面)及び他方のブラシ面BD(ブラシ裏面)に軟質樹脂PA(軟質ポリウレタン樹脂)を塗布する。
膜層形成工程(ST52)では、複合ブラシシートB4の各ブラシ面BC,BDの夫々に軟質樹脂PA(軟質ポリウレタン樹脂)を塗布し、及び各複合ブラシ毛GFの各炭素繊維cf及び各軟質合成繊維gfを軟質樹脂PAで覆って、各鎖編部42(各内側鎖編部42/各経糸VS)側の一方のブラシ面BC及び他方のブラシ面BDにクッション膜層3,4を形成する。
各クッション膜層3,4は、図41及び図42に示すように、複合繊維束FBの繊維方向FLにおいて、各複合ブラシ毛GF(複合ブラシシートB4)のブラシ中心Aから複合ブラシシートB4の一方及び他方のブラシ端BV,BW側にブラシ長L1を隔ててる膜層始点B、及び複合ブラシシートB4の各ブラシ端BV,BWの間に膜層幅CHを有して形成される。
これにより、各クッション膜層3,4の各膜層始点Bは、図41乃至図43に示すように、複合繊維束FBの繊維方向FLにおいて、各鎖編部42(各内側鎖編部42/各経糸VS)の内側に位置(各鎖編部42の間に位置)されて、各クッション膜層3,4は、各鎖編部42の内側(各鎖編部42の間)に形成される。
膜層形成工程(ST52)において、各クッション膜層3,4は、例えば、図41乃至図43に示すように、各鎖編部42の内側(各鎖編部42の間)の膜層始点B、及び各鎖編部41(各外側鎖編部41/各経糸VS)の間に膜層幅CHを有して、繊維直交方向VLに延在される。
膜層形成工程(ST52)において、軟質樹脂PAは、図41乃至図43に示すように、繊維直交方向VLにおいて、複合ブラシシートB4の一方及び他方のブラシ面BC,BDから各複合ブラシ毛GF、各複合ブラシ毛GFの間に塗布されて、繊維直交方向VLに連続して各クッション膜層3,4を形成する。
各クッション膜層3,4において、軟質樹脂PAは、図43(b)に示すように、複合ブラシシートB4の一方及び他方のブラシ面BC,BDから複合繊維束FB(緯糸HS)の各炭素繊維cf及び各軟質合成繊維gfの間に浸透(含漬)されて、複合繊維束FBの各炭素繊維cf及び各軟質合成繊維gfを覆う。
膜層形成工程(ST52)では、軟質樹脂PA(水溶性の軟質ポリウレタン樹脂)を複合ブラシシートB4の各ブラシ面BC,BDに塗布した後、常温で放置して、軟質樹脂PA(水溶性の軟質ポリウレタン樹脂)を乾燥(硬化)して、軟質樹脂PA(軟質ポリウレタン樹脂)及び複合繊維束FBの各炭素繊維cf、各軟質合成繊維gfを一体に結合する。
このように、膜層形成工程(ST52)では、図41乃至図43に示すように、複合繊維束FBの繊維方向FLにおいて、ブラシ中心A及び各膜層始点Bの間に軟質樹脂PAを塗布しない複合ブラシ毛領域(ブラシ長L1の複合ブラシ毛GF/炭素繊維cf、軟質合成繊維gf)と、各膜層始点B及び各鎖編部41の間に軟質樹脂PAを塗布した塗布領域(各クッション膜層3,4)を形成する。
<金型セット工程(ST53)>
金型セット工程(ST53)は、図44及び図46に示すように、各クッション膜層3,4を形成した複合ブランドシートB4を金型5にセットする。
金型セット工程(ST53)において、各クッション膜層3,4を形成した複合ブラシシートB4(以下、「膜層・複合ブラシシートB5」という)は、図44乃至図46に示すように、一方のブラシ面BC及び各クッション膜層3を上金型6のブラシ挟み凹所8及び各成形凹所9に向け、他方のブラシ面BD及び各クッション膜層4を下金型7のブラシ挟み凹所16及び各成形凹所17に向けて、上金型6及び下金型7の間に配置される。
膜層・複合ブラシシートB5は、図45に示すように、各クッション膜層3,4における各鎖編部42側(各内側鎖編部42側/各経糸VS側)の各膜層部3A,4Aを除く残りの各膜層部3B,4Bを各ブラシ挟み凹所8,16に位置して、上金型6及び下金型7の間に配置される。
これにより、膜層・複合ブラシシートB5は、各ブラシ端BV,BW及び各鎖編部41,42を含む各膜層部3A,4A(各クッション膜層3,4の一部)を各成形凹所9,16に対峙し、各膜層部3A,4Aを除く残りの各膜層部3B,4Bを各ブラシ挟み凹所8,16に対峙して配置される。
上金型6及び下金型7において、膜層・複合ブラシシートB5の各膜層部3B,4Bは、上底平面12及び下底平面19に対峙して配置される。
金型セット工程(ST53)では、図44乃至図46に示すように、上金型6及び下金型7を閉じて、上金型6及び下金型7を膜層・複合ブラシシートB4に押付けて、膜層・複合ブラシシートB5を挟持する。
金型セット工程(ST53)では、図44乃至図46に示すように、膜層・複合ブラシシートB5のブラシ厚さ方向HLから、各クッション膜層3,4における各鎖編部42側(各内側鎖編部42側/各経糸VS側)の各膜層部3B,4Bを除く残りの各膜層部3B,4Bに上金型6及び下金型7を押付けて、膜層・複合ブラシシートB5を金型5にセットする。
上金型6において、ブラシ挟み凹所8の上底平面12は、図45及び図46に示すように、膜層・複合ブラシシートB5のブラシ厚さ方向HLから各膜層部3Bに面接触して押付けられる。下金型7において、ブラシ挟み凹所16の下底平面19は、図45及び図46に示すように、膜層・複合ブラシシートB5のブラシ厚さ方向HLから各膜層部4Bに面接触して押付けられる。
上金型6及び下金型7において、上底平面12及び下底平面19は、図46に示すように、膜層・複合ブラシシートB5の繊維直交方向VLにおいて、全ての複合ブラシ毛GFの各炭素繊維cf、各軟質合成繊維gfを覆い、及び全ての複合ブラシ毛GFの間に位置する各膜層部3B,4Bを変形しつつ、繊維直交方向VLにわたって各膜層部3B,4Bに液密に面接触して押付けられる。
上金型6及び下金型7による押付力は、各クッション膜層3,4(各膜層部3B,4B)の変形、及び各複合ブラシ毛GFの各軟質合成繊維gfの変形によって吸収される。
上金型6及び下金型7において、上底平面62及び下底平面69は、各クッション膜層3,4の各膜層部3B,4B及び各複合ブラシ毛GFの各軟質合成繊維gfを変形しつつ、各膜層部3B,4Bに面接触して押付けられる。
これにより、上金型6及び下金型7の押付力は、各複合ブラシ毛GF(複合炭素繊維FB)の各炭素繊維cf及び各軟質合成樹脂gfに集中荷重として作用することが防止でき、各複合ブラシ毛GFの各炭素繊維cfは、上金型6及び下金型7の押付力によって折れ、破断等の損傷を受けない。
金型セット工程(ST53)において、上金型6及び下金型7は、図44及び図45に示すように、各クッション膜層3,4を押付けつつ、下面11及び上面18を当接して閉じられる。
上金型6及び下金型7を閉じると、膜層・複合ブラシシートB5の各ブラシ端BV,BW、及び各鎖編部41,42(各経糸VS)は、図45に示すように、各成形空間23内に配置される。
また、各膜層部3A,4A(各クッション膜層3,4の一部)は、図45に示すように、複合繊維束FBの繊維方向FLにおいて、ブラシ空間24から各成形空間23内に突出して、各成形空間23内に配置される。
これにより、各クッション膜層3,4は、図45に示すように、複合繊維束FBの繊維方向FLにおいて、ブラシ空間24及び各成形空間23に連続して配置される。
<基台成形工程(ST54)>
基台成形工程(ST54)は、図44及び図45に示すように、上金型6及び下金型7を押付けた残りの各膜層部3B,4Bより膜層・複合ブラシシートB5の各ブラシ端BV,BW側に合成樹脂PBを充填して、膜層・複合ブラシシートB5の各ブラシ端BV,BW側の夫々に基台25を成形する。
基台成形工程(ST54)では、図44及び図45に示すように、各樹脂注入穴10から合成樹脂PBを各成形空間23内に充填する。
基台形成工程(ST54)において、合成樹脂PBは、図44及び図45に示すように、膜層・複合ブラシシートB5の各ブラシ端BV,BW、各鎖編部41,42(各経糸VS)、及び各膜層部3A,4A(各クッション膜層3,4の一部)を覆って各成形空間23内に充填される。
各成形空間23内に充填された合成樹脂PBは、図44及び図45に示すように、上底平面12及び下底平面19に面接触して変形される各膜層部3B,4Bによって堰止められ、各成形空間23内から液密のブラシ空間24に流れ込まない。
これにより、合成樹脂PBがブラシ空間24内に流れ込んで、各複合ブラシ毛GF(炭素繊維cf、軟質合成繊維gf)に侵入することを防止でき、各複合ブラシ毛のしなやかさを確保して、各複合ブラシ毛の機能を発揮することができる。
基台成形工程(ST54)では、各成形空間23内に合成樹脂PBを充填すると、金型5(上金型6及び下金型7)を冷却して、合成樹脂PBを硬化して、膜層・複合ブラシシートB5の各ブラシ端BV,BW側の夫々に基台25を固着(固定)する。
基台成形工程(ST54)では、各成形空間23に充填した合成樹脂PBを硬化すると、上金型6及び下金型7を開いて、各基台25を成形した膜層・複合ブラシシートB5を金型5から取出す。
<切断工程(ST55)>
切断工程(ST55)は、図47及び図48に示すように、膜層・複合ブラシシートB5に各基台25を成形した各クッション膜層3,4の間において、複合ブラシシートB4を繊維直交方向VLに切断する。
切断工程(ST55)において、各基台25を成形した膜層・複合ブラシシートB5は、図47に示すように、各クッション膜層3,4の間の複合ブラシシートB3の複合ブラシシートB4のブラシ中心Aにおいて、繊維直交方向VLに切断される。
複合ブラシシートB4の全ての複合ブラシ毛GFは、複合ブラシシートB4のブラシ中心Aにおいて、繊維直交方向VLに切断される。
これにより、切断工程(ST55)において、複合ブラシシートB4を切断することで、図48及び図49に示すように、複数(一対)のブラシX4に分割する。
<ブラシX4>
ブラシX4は、図48及び図49に示すように、基台25、複合ブラシ体C4(膜層・複合ブラシ体C4)を備える。
ブラシX4において、基台25は、図10及び図11で説明したと同様に、台本体27及び複数(一対)の鍔部28を有する。
複合ブラシ体C4は、図48及び図49に示すように、複数の複合ブラシ毛GF、複数(一対)の鎖編部41,42(各経糸VS)を有する。
各複合ブラシ毛GFは、U字状に折返された炭素繊維cf及び軟質合成繊維gfの複合繊維束FBを、繊維方向FLと直交する繊維直交方向VLに多数並列して形成される。
鎖編部41(経糸VS)は、繊維直交方向VLに延在される。鎖編部41は、各複合ブラシ毛GF(複合繊維束FB)の折返部TW(折返部TWの付近)を拘束して、各複合ブラシ毛GFを連結する。
鎖編部42(経糸VS)は、繊維直交方向VLに延在される。鎖編部42は、複合ブラシ体C4の他方のブラシ端CZ(ブラシ先端)及び鎖編部41の間に位置して、鎖編部41に隣接して配置される。鎖編部42は、各複合ブラシ毛GF(複合繊維束FB)を拘束して、各複合ブラシ毛GFを連結する。
クッション膜層3は、図48及び図49に示すように、繊維方向FL及び繊維直交方向VLと直交する複合ブラシ体C4のブラシ厚さ方向HLからブラシ体C4の一方のブラシ面BC(ブラシ表面)に形成される。
クッション膜層4は、図48及び図49に示すように、複合ブラシ体C4のブラシ厚さ方向HLから複合ブラシ体C4の他方のブラシ面BD(ブラシ裏面)に形成される。
各クッション膜層3,4は、軟質樹脂PA(軟質ポリウレタン樹脂)で形成される。各クッション膜層3,4は、図48及び図49に示すように、繊維方向FLにおいて、複合ブラシ体C4の他方のブラシ端CZ(ブラシ先端)から複合ブラシ体C4の一方のブラシ端BV側にブラシ長L1を隔てる膜層始点B(膜層始点位置)、及び複合ブラシ体C4の一方のブラシ端BVの間に膜層幅CHを有して形成される。
各クッション膜層3,4は、図48に示すように、例えば、鎖編部42よりブラシ端CZ側(鎖編部42及びブラシ先端CZの間)の膜層始点B、及び鎖編部41の間に膜層幅CHを有して形成される。
各クッション膜層3,4は、図49に示すように、膜層幅CHを有して、繊維直交方向に延在して形成される。
各クッション膜層3,4は、複合ブラシ体C4の各ブラシ面BC,BD、及び各複合ブラシ毛GF(複合繊維束FB)の各炭素繊維cf及び軟質合成繊維gfの間に配置(形成)され、複合繊維束FBの各炭素繊維cf及び軟質合成繊維gfを覆う。
各クッション膜層3,4は、図48に示すように、繊維直交方向VLにおいて、複合ブラシ体C4の各ブラシ面BC,BD、及び各複合ブラシ毛GFの間にわたって連続して形成(配置)される。
このように、複合ブラシ体C4は、複合繊維束FBの繊維方向FLにおいて、他方のブラシ端CZ(ブラシ先端)、及び膜層始点Bの間に各クッション膜層3,4を形成しないブラシ毛領域(ブラシ長L1の複合ブラシ毛GF/炭素繊維cf及び軟質合成繊維gf)と、膜層始点B及び鎖編部41の間に各クッション膜層3,4の領域(クッション領域)を形成する。
複合ブラシ体C4は、図48及び図49に示すように、基台25の台幅方向HDの中心において、各複合ブラシ毛GF(複合繊維束FB)を台長手方向VDに並列して配置される。複合ブラシ体C4は、一方のブラシ端BVから基台25内に埋設して、基台25に固定される。
複合ブラシ体C4は、各クッション膜層3,4の鎖編部42(経糸VS)側の各膜層部3A,4Aを基台25内に埋設し、及び各膜層部3A,4Aを除く残りの膜層部3B,4Bを台本体27の他方の台端27Bから突出して、基台25に固定される。各クッション膜層3,4において、各膜層部3A,4Aは、図49に示すように、基台25(合成樹脂PB)で覆われて、基台25に一体に固定される。
これにより、ブラシX4は、複合ブラシ体C4の一方のブラシ端BV、各鎖編部41,42及び各膜層部3A,4A(各クッション膜層3,4の一部)を基台25内に埋設し、及び複合ブラシ体C4の他方のブラシ端CZ側(ブラシ先端側)、及び各膜層部3B,4Bを台本体27の他方の台端27B(基台25の台端)から突出して形成される。
ブラシX4は、図48及び図49に示すように、各複合ブラシ毛GF(複合繊維束FB)の各炭素繊維cf及び各軟質合成繊維gfを、軟質樹脂PAの各クッション膜層3,4で覆って保護している。ブラシX4において、各クッション膜層3,4(軟質樹脂PA)は、基台25(台本体27)の台端27Bを境として、基台25の内部、及び基台25の外側にわたって連続配置される。
ブラシX4は、各複合ブラシ毛GFの各炭素繊維cfに各軟質合成繊維gfを隣接して、各炭素繊維cfを各軟質合成繊維gfにて支持(保護)している。
ブラシX4において、各複合ブラシ毛GFが多方向(繊維直交方向VL、ブラシ厚さ方向HL)に曲げられても、曲げによる力は、各クッション膜層3,4の変形、及び各軟質合成繊維gfの変形によって吸収される。
これにより、各複合ブラシ毛GFの各炭素繊維cfは、基台25(台本体27)の台端27Bを起点(基点)として折れ、破断することが抑制(低減)される。
第5実施形態のブラシの製造方法では、図50乃至図57に示すように、複合ブラシシートB4の両側の各ブラシ面BC,BDのうち一方のブラシ面BC(又はブラシ面BD)のみにクッション膜層3(又はクッション膜層4)を形成して、ブラシX5(図56及び図57参照)を製造してもよく、以下に説明する。
なお、図50乃至図57において、図1乃至図19、図30乃至図37と同一符号は、同一部材、及び同一構成であるので、詳細な説明は省略する。
<膜層形成工程(ST52)>
膜層形成工程(ST52)は、図50及び図51に示すように、複合ブラシシートB4に軟質樹脂PAを塗布して、複合ブラシシートB4にクッション膜層3(又はクッション膜層4)を形成する。
膜層形成工程(ST52)では、図41乃至図43で説明したと同様に、各鎖編部42(各経糸VS)の間において、複合ブラシシートB4のブラシ厚さ方向HLから複合ブラシシートB4の一方のブラシ面BCに軟質樹脂PA(軟質ポリウレタン樹脂)を塗布する(図50及び図51参照)。
膜層形成工程(ST52)では、図50及び図51に示すように、複合ブラシシートB4の一方のブラシ面BCに軟質樹脂PA(軟質ポリウレタン樹脂)を塗布し、各複合ブラシ毛gFの炭素繊維cf及び軟質合成繊維gfを覆って、各鎖編部42(各内側鎖編部42/経糸VS)側の一方のブラシ面BCにクッション膜層3を形成する。
膜層形成工程(ST52)において、クッション膜層3は、図41乃至図43で説明したと同様に、例えば、各鎖編部42の内側(各鎖編部42の間)の膜層始点B、及び各鎖編部41(各外側鎖編部41/各経糸VS)の間に膜層幅CHを有して形成される(図50参照)。
膜層形成工程(ST52)において、軟質樹脂PAは 、図41乃至図43で説明したと同様に、繊維直交方向VLにおいて、複合ブラシシートB4の一方のブラシ面BCから各複合ブラシ毛GF、及び各複合ブラシ毛GFの間に塗布されて、繊維直交方向VLに連続してクッション膜層3を形成する。
軟質樹脂PAは、複合ブラシシートB4の一方のブラシ面BCにおいて、同一又は略同一の厚さで塗布される。
クッション膜層3において、軟質樹脂PAは、図51(b)に示すように、複合ブラシシートB4の一方のブラシ面BCから複合繊維束FB(緯糸VS)の各炭素繊維cf及び各軟質合成繊維gfの間に浸透(含浸)されて、複合繊維束FBの各炭素繊維cf及び各軟質合成繊維gfを覆う。
このように、膜層形成工程(ST52)では、図50及び図51に示すように、複合繊維束FBの繊維方向FLにおいて、ブラシ中心A及び各膜層始点Bの間に軟質樹脂PAを塗布しない複合ブラシ毛領域と、各膜層始点B及び各鎖編部41の間に軟質樹脂PAを塗布した塗布領域(クッション膜層3)を形成する。
<金型セット工程(ST53)>
金型セット工程(ST53)は、図52乃至図54に示すように、クッション膜層3を形成した複合ブラシシートB4を金型5にセットする。
金型セット工程(ST53)において、クッション膜層3を形成した複合ブラシシートB4(以下、「膜層・ブラシシートB6」という)は、図52乃至図54に示すように、一方のブラシ面BC及び各クッション膜層3を上金型6のブラシ挟み凹所8及び各成形凹所9に向け、他方のブラシ面BDを下金型7のブラシ挟み凹所16及び各成形凹所17に向けて、上金型6及び下金型7の間に配置される。
膜層・複合クッションシートB6は、図53に示すように、クッション膜層3における各鎖編部42側(各内側鎖編部42側/各経糸VS側)の膜層部3Aを各成形凹所9,17に位置し、及び各膜層部3Aを除く残りの膜層部3Bをブラシ挟み凹所8,16に位置して、上金型6及び下金型7の間に配置される。
これにより、膜層・複合ブラシシートB6は、各ブラシ端BV,BW及び各鎖編部41,42を含む膜層部3A(クッション膜層3の一部)を各成形凹所9,16に対峙し、膜層部3Aを除く残りの膜層部3Bを各ブラシ挟み凹所8,16に対峙して配置される。上金型6及び下金型7において、膜層・複合ブラシシートB6の膜層部3Bは、各ブラシ挟み凹所8の上底平面12に対峙して配置される。
金型セット工程(ST53)では、図52乃至図54に示すように、上金型6及び下金型7を閉じて、上金型6及び下金型7を膜層・複合ブラシシートB6に押付けて、膜層・複合ブラシシートB6を挟持する。
金型セット工程(ST53)では、図52乃至図54に示すように、膜層・複合ブラシシートB6のシブラシ厚さ方向HLから、クッション膜層3における各鎖編部42側(各内側鎖編部42側/各経糸VS側)の膜層部3Aを除く残りの膜層部3Bに上金型6を押付ける。
金型セット工程(ST53)では、図52乃至図54に示すように、膜層・複合ブラシシートB6のブラシ厚さ方向HLから、各鎖編部42(各経糸VS)の間の膜層・複合ブラシシートB6の他方のブラシ面BDに下金型7を押付けて、膜層・ブラシシートB3を金型5にセットする。
上金型6において、ブラシ挟み凹所8の上底平面12は、図53に示すように、膜層・複合ブラシシートB6のブラシ厚さ方向HLから各膜層部3Bに面接触して押付けられる。下金型7において、ブラシ挟み凹所16の下底平面19は、図53に示すように、膜層・複合ブラシシートB6のブラシ厚さ方向HLから他方のブラシ面BD(ブラシ裏面)に押付けられる。
上金型6及び下金型7において、上底平面12及び下底平面19は、図54に示すように、全ての複合ブラシ毛GFの一部の各炭素繊維cf及び各軟質合成繊維gfを覆い、及び全ての複合ブラシ毛GFの間に位置する膜層部3Bを変形しつつ、繊維直交方向VLにわたって膜層部3B及び他方のブラシ面BDに面接触して押付けられる。
上金型6及び下金型7による押付力は、各クッション膜層3(各膜層部3B)の変形、及び各複合ブラシ毛GFの各軟質合成繊維gfの変形によって吸収される。
上金型6及び下金型7において、上底平面12及び下底平面19は、クッション膜層3の膜層部3B及び各複合ブラシ毛GFの各軟質合成繊維gfを変形しつつ、各膜層部3B,4Bに面接触して押付けられる。
これにより、上金型6及び下金型7の押付力は、各複合ブラシ毛GF(複合炭素繊維FB)の各炭素繊維cf及び各軟質合成樹脂gfに集中荷重として作用することが防止でき、各複合ブラシ毛GFの各炭素繊維cfは、上金型6及び下金型7の押付力によって折れ、破断等の損傷を受け難くなる。
金型セット工程(ST53)において、上金型6及び下金型7は、図52及び図53に示すように、クッション膜層3、及び他方のブラシ面BCを押付けつつ、下面11及び上面18を当接して閉じられる。
上金型6及び下金型7を閉じると、膜層・複合ブラシシートB6の各ブラシ端BV,BW、及び各鎖編部41,42(各経糸VS)は、図53に示すように、各成形空間23内に配置される。
また、各膜層部3A(各クッション膜層3の一部)は、図53に示すように、複合繊維束FBの繊維方向FLにおいて、ブラシ空間24から各成形空間23内に突出して、各成形空間23内に配置される。
これにより、クッション膜層3は、図53に示すように、ブラシ空間24及び各成形空間23に連続して配置される。
<基台成形工程(ST54)>
基台成形工程(ST54)では、図52及び図53に示すように、上金型6及び下金型7を押付けた残りの膜層部3B及び他方のブラシ面BDより膜層・複合ブラシシートB6の各ブラシ端BV,BW側に合成樹脂PBを充填して、膜層・複合ブラシシートB6の各ブラシ端BV,BW側の夫々に基台25を成形する。
基台成形工程(ST54)では、図52及び図53に示すように、各樹脂注入穴10から合成樹脂を各成形空間23内に充填する。
基台成形工程(ST54)において、合成樹脂PBは、図52及び図53に示すように、膜層・複合ブラシシートB6の各ブラシ端BV,BW、各鎖編部41,42、膜層部3A(クッション膜層3の一部)及びブラシ面BDの一部を覆って、各成形空間23内に充填される。
基台成形工程(ST54)では、合成樹脂PBの硬化後に、上金型6及び下金型7を開いて、各基台25を成形した膜層・複合ブラシシートB6を金型5から取出す。
<切断工程(ST55)>
切断工程(ST55)は、図55及び図56に示すように、膜層・複合ブラシシートB6に各基台25を成形した各クッション膜層3の間において、複合ブラシシートB4を繊維直交方向VLに切断する。
切断工程(ST55)では、各基台25を形成した膜層・複合ブラシシートB6は、図55に示すように、各クッション膜層3の間の複合ブラシシートB4のブラシ中心Aにおいて、繊維直交方向VLに切断される。
複合ブラシシートB4の全ての複合ブラシ毛GFは、複合ブラシシートB4のブラシ中心Aにおいて、繊維直交方向VLに切断される。
これにより、切断工程(ST55)において、複合ブラシシートB4を切断することで、図56及び図57に示すように、複数(一対)のブラシX5に分割する。
<ブラシX5>
ブラシX5は、図56及び図57に示すように、基台25、複合ブラシ体C5(膜層・複合ブラシ体C5)を備える。
ブラシX5において、基台25は、図10及び図11で説明と同様に、台本体27及び複数(一対)の鍔部28を有する。
複合ブラシ体C5は、図48及び図49で説明したと同様に、複数の複合ブラシ毛GF、複数(一対)の鎖編部41,42(各経糸YS)、及びクッション膜層3を有する(図56及び図57参照)。
クッション膜層3は、図56及び図57に示すように、複合ブラシ体C5のブラシ厚さ方向HLから複合ブラシ体52の一方のブラシ面BC(ブラシ表面)に形成される。クッション膜層3は、繊維方向FLにおいて、複合ブラシ体C5の他方のブラシ端CZ(ブラシ先端)から複合ブラシ体C5の一方のブラシ端BV側にブラシ長L1を隔てる膜開始点B、及び複合ブラシ体C5の一方のブラシ端BVの間に膜層幅CHを有して形成される。
このように、複合ブラシ体C5は、複合繊維束FBの繊維方向FLにおいて、他方のブラシ端CZ(ブラシ先端)、及び膜層始点Bの間にクッション膜層3を形成しないブラシ領域(ブラシ長L1のブラシ毛BF/炭素繊維cf)と、膜層始点B及び鎖編部41の間にクッション膜層3の領域(クッション領域)を形成する。
複合ブラシ体C5は、図56及び図57に示すように、基台25の台幅方向HDの中心において、各複合ブラシ毛GF(複合繊維束FB)を台長手方向VDに並列して配置される。複合ブラシ体C5は、一方のブラシ端BVから基台25内に埋設して、基台25に固定される。
複合ブラシ体C5は、クッション膜層3の鎖編部42側の膜層部3Aを基台25に埋設し、及び膜層部3Aを除く残りの膜層部3Bを台本体27の他方の台端27Bから突出して、基台25に固定される。
これにより、ブラシX5は、複合ブラシ体C5の一方のブラシ端BV、各鎖編部41,42及び膜層部3A(クッション膜層3の一部)を基台25内に埋設し、及び複合ブラシ体C5の他方のブラシ端CZ側(ブラシ先端側)、及び膜層部3Bを台本体27の他方の台端27B(基台25の台端)から突出して形成される。
ブラシX5は、図56及び図57に示すように、各複合ブラシ毛GF(複合繊維束FB)の各炭素繊維cf及び各軟質合成繊維gfを、軟質樹脂PAの各クッション膜層3で覆って保護している。ブラシX5において、各クッション膜層3(軟質樹脂PA)は、基台25(台本体27)の台端27Bを境として、基台25の内部、及び基台25の外側にわたって連続配置される。
ブラシX5は、各複合ブラシ毛GFの各炭素繊維cfに各軟質合成繊維gfを隣接して、各炭素繊維cfを各軟質合成繊維gfにて支持(保護)している。
ブラシX5において、各複合ブラシ毛GFが多方向(繊維直交方向VL、ブラシ厚さ方向HL)に曲げられても、曲げによる力は、各クッション膜層3の変形、及び各軟質合成繊維gfの変形によって吸収される。
これにより、各複合ブラシ毛GFの各炭素繊維cfは、基台25(台本体27)の台端27Bを起点(基点)として折れ、破断することが抑制(低減)される。
なお、第5実施形態のブラシの製造方法では、緯糸VSで成る各複合ブラシ毛GF(複合炭素繊維FB)の軟質合成繊維gfは、軟質の捲縮合成繊維(ナイロン捲縮繊維等)で構成しても良い。
<第6実施形態>
以下、第6実施形態のブラシの製造方法について、図58乃至図66を参照して説明する。
なお、図58乃至図66において、図30乃至図37、図41乃至図57と同一符号は、同一部材、同一構成であるので、その詳細な説明は省略する。
第6実施形態のブラシの製造方法は、図58乃至図66に示すように、複合ブラシ体形成工程(ST61)、膜層形成工程(ST62)、金型セット工程(ST63)、及び基台成形工程(ST64)を含んでなる。
第6実施形態のブラシの製造方法は、複合ブラシ体形成工程(ST61)、膜層形成工程(ST62)、金型セット工程(ST63)及び基台成形工程(ST64)の順に実施して、ブラシX4(図48及び図49参照)を製造する。
<複合ブラシ体形成工程(ST61)>
複合ブラシ体形成工程(ST61)は、図38で説明したと同様に、例えば、複合ブラシシートB4から複合ブラシ体C3を形成する。
複合ブラシ体形成工程(ST51)では、各複合ブラシ毛GF(緯糸HS)に繊維直交方向VL(緯方向)に延びる複数の経糸VSを織込んで、複合ブラシ体C3(平織りの複合ブラシ体)を形成しても良い。平織りの複合ブラシ体において、各経糸VSは、複合繊維束FBの繊維方向FL(緯方向)に複数並列して、各複合ブラシ毛BFに織込まれる。
<膜層形成工程(ST62)>
膜層形成工程(ST62)は、図58乃至図60に示すように、複合ブラシ体C3に軟質樹脂PAを塗布して、複合ブラシ体C3にクッション膜層3,4を形成する。
膜層形成工程(ST62)では、図58乃至図60に示すように、複合繊維束FBの繊維方向FL及び繊維直交方向VLと直交する複合ブラシ体C3ブラシ厚さ方向HLから、複合ブラシ体C3の一方のブラシ面BC(ブラシ表面)及び他方のブラシ面BD(ブラシ裏面)に軟質樹脂PAを塗布する。
膜層形成工程(ST62)では、複合ブラシ体C3の各ブラシ面BC,BDに軟質樹脂PAを塗布し、及び各複合ブラシ毛GFの各炭素繊維cf及び各軟質合成繊維gfを軟質樹脂PAで覆って、複合ブラシ体C3の一方のブラシ端BV側(鎖編部42側/経糸VS側)の一方のブラシ面BC及び他方のブラシ面BDにクッション膜層3,4を形成する。
各クッション膜層3,4は、図58乃至図60に示すように、複合繊維束FBの繊維方向FLにおいて、複合ブラシ体C3の他方のブラシ端CZから一方のブラシ端BV側にブラシ長L1を隔てる膜層始点B、及び複合ブラシ体C3の一方のブラシ端BVの間に膜層幅CHを有して形成される。
各クッション膜層3,4の膜層始点Bは、鎖編部42(経糸VS)の内側に位置(他方のブラシ端CZ及び鎖編部42の間に位置)されて、クッション膜層3,4は、鎖編部42の内側に形成される。
膜層形成工程(ST62)において、各クッション膜層3,4は、例えば、図58乃至図60に示すように、鎖編部42の内側(鎖編部42及び他方のブラシ端CZの間)の膜層始点B、及び鎖編部41(経糸VS)の間に膜層幅CHを有して形成される。
各クッション膜層3,4は、図58及び図60に示すように、膜層幅CHを有して、繊維直交方向VLに延在して形成される。
膜層形成工程(ST62)において、軟質樹脂PAは、図58乃至図60に示すように、繊維直交方向VLにおいて、複合ブラシ体C3の一方及び他方のブラシ面BC,BDから各複合ブラシ毛GF、及び各複合ブラシ毛GFの間に塗布されて、繊維直交方向VLに連続して各クッション膜層3,4を形成する。
軟質樹脂PAは、複合ブラシ体C3の各ブラシ面BC,BDの各複合ブラシ毛GFにおいて、同一又は略同一の厚さで塗布される。
各クッション膜層3,4において、軟質樹脂PAは、図60(a)に示すように、複合ブラシ体C3の一方及び他方のブラシ面BC,BDから複合繊維束FBの各炭素繊維cf及び各軟質合成繊維gfの間に浸透(含浸)されて、複合繊維束FBの各炭素繊維cf及び軟質合成繊維gfを覆う。
膜層形成工程(ST62)では、軟質樹脂PA(水溶性の軟質ポリウレタン樹脂)を複合ブラシ体C3の各ブラシ面BC,BDに塗布した後、常温で放置して、軟質樹脂PA(水稲性の軟質ポリウレタン樹脂)を乾燥(硬化)して、軟質樹脂PA(軟質ポリウレタン樹脂)及び複合繊維束FBの各炭素繊維cf、各軟質合成繊維gfを一体に結合する。
このように、膜層形成工程(ST62)では、図58乃至図60に示すように、複合繊維束FBの繊維方向FLにおいて、他方のブラシ端CZ及び膜層始点Bの間に軟質樹脂PAを塗布しない複合ブラシ毛領域(ブラシ長L1の複合ブラシ毛GF/炭素繊維cf、軟質合成繊維gf))と、膜層始点B及び鎖編部41(経糸VS)の間に軟質樹脂PAを塗布した塗布領域(各クッション膜層3,4)を形成する。
<金型セット工程(ST63)>
金型セット工程(ST63)は、図61及び図62に示すように、各クッション膜層3,4を形成した複合ブラシ体C3を金型55にセットする。
金型セット工程(ST63)において、各クッション膜層3,4を形成した複合ブラシ体C3(以下、「膜層・複合ブラシ体C4」という)は、図61及び図62に示すように、一方のブラシ面BC及びクッション膜層3を上金型56のブラシ挟み凹所58及び成形凹所59に向け、他方のブラシ面BD及びクッション膜層4を下金型57のブラシ挟み凹所66及び成形凹所67に向けて、上金型56及び下金型57の間に配置される。
膜層・複合ブラシ体C4は、図61に示すように、各クッション膜層3,4における一方のブラシ端BV側(鎖編部42側/経糸VS側)の各膜層部3A,4Aを各成形凹所59,67に位置し、及び各膜層部3A,4Aを除く残りの各膜層部3B,4Bを各ブラシ挟み凹所58,66に位置して、上金型56及び下金型57の間に配置される。
これにより、膜層・複合ブラシ体C4は、一方のブラシ端BV及び各鎖編部41,42を含む各膜層部3A,4Aを各成形凹所59,66に対峙し、各膜層部3A,4Aを除く残りの各膜層部3B,4Bを各ブラシ挟み凹所58,66に対峙して配置される。上金型56及び下金型57において、膜層・複合ブラシ体C4の各膜層部3B,4Bは、上底平面62及び下底平面69に対峙して配置される。
金型セット工程(ST63)では、図61及び図62に示すように、上金型56及び下金型57を閉じて、上金型56及び下金型57を膜層・複合ブラシ体C4に押付けて、膜層・複合ブラシ体C4を挟持する。
金型セット工程(ST63)では、図61に示すように、膜層・複合ブラシ体C4のブラシ厚さ方向HLから、各クッション膜層3,4における一方のブラシ端側(鎖編部42側/経糸VS側)の各膜層部3A,4Aを除く残りの各膜層部3B,4Bに上金型56及び下金型57を押付けて、膜層・複合ブラシ体C4を金型55にセットする。
上金型56において、ブラシ挟み凹所58の上底平面62は、図61に示すように、膜層・複合ブラシ体C4のブラシ厚さ方向HLから膜層部3Bに面接触して押付けられる。下金型57において、ブラシ挟み凹所66の下底平面69は、図61に示すように、膜層・複ブラシ体C3のブラシ厚さ方向HLから膜層部4Bに面接触して押付けられる。
上金型56及び下金型57による押付力は、各クッション膜層3,4(各膜層部3B,4B)の変形、及び各複合ブラシ毛GFの各軟質合成繊維gfの変形によって吸収される。
上金型56及び下金型57において、上底平面62及び下底平面69は、各クッション膜層3,4の各膜層部3B,4B及び各複合ブラシ毛GFの各軟質合成繊維gfを変形しつつ、各膜層部3B,4Bに面接触して押付けられる。
これにより、上金型56及び下金型57の押付力は、各複合ブラシ毛GF(複合炭素繊維FB)の各炭素繊維cf及び各軟質合成樹脂gfに集中荷重として作用することが防止でき、各複合ブラシ毛GFの各炭素繊維cfは、上金型56及び下金型57の押付力によって折れ、破断等の損傷を受けない。
金型セット工程(ST63)において、上金型56及び下金型57は、図61に示すように、各クッション膜層3,4を押付けつつ、下面61及び上面68を当接して閉じられる。
上金型56及び下金型57を閉じると、膜層・複合ブラシ体C4のブラシ端BV、及び各鎖編部41,42(各経糸VS)は、図61に示すように、成形空間73内に配置される。
また、各膜層部3A,4A(各クッション膜層3,4の一部)は、図61に示すように、複合繊維束FBの繊維方向FLにおいて、ブラシ空間74から成形空間73内に突出して、成形空間73内に配置される。
これにより、各クッション膜層3,4は、図61に示すように、複合繊維束FBの繊維方向FLにおいて、ブラシ空間74及び成形空間73に連続して配置される。
<基台成形工程(ST64)>
基台成形工程(ST64)では、図61に示すように、上金型56及び下金型57を押付けた残りの各膜層部3B,4Bより膜層・複合ブラシ体C4の一方のブラシ端BV側(鎖編部42側/経糸VS側)に合成樹脂PBを充填して、膜層・複合ブラシ体C4の一方のブラシ端BV側に基台25を成形する。
基台成形工程(ST64)では、図61に示すように、樹脂注入穴60から合成樹脂PBを成形空間73内に充填する。
基台成形工程(ST64)において、合成樹脂PBは、図61に示すように、膜層・複合ブラシ体C4の一方のブラシ端BV、各鎖編部41,42(各経糸VS)、及び各膜層部3A,4A(各クッション膜層3,4の一部)を覆って、成形空間73内に充填される。
基台成形工程(ST64)では、成形空間73内に合成樹脂PBを充填すると、金型55(上金型56及び下金型57)を冷却して、合成樹脂PBを硬化して、膜層・複合ブラシ体C4の一方のブラシ端BV側に基台25を成形する。
基台成形工程(ST64)では、成形空間73に充填した合成樹脂PBを硬化すると、上金型56及び下金型57を開いて、基台25を成形した膜層・複合ブラシ体C4を金型55から取出す。
これにより、ブラシX4を製造する(図48及び図49参照)。
第6実施形態のブラシの製造方法では、図63乃至図66に示すように、複合ブラシ体C3の両側の各ブラシ面BC,BDのうち一方のブラシ面BC(又はブラシ面BD)にクッション膜層3(又はクッション膜層4)を形成して、ブラシX5(図56及び図57参照)を製造しても良く、以下に説明する。
なお、図58乃至図66において、図58乃至図62と同一符号は、同一部材、同一構成であるので、その詳細な説明は省略する。
<膜層形成工程(ST62)>
膜層形成工程(ST62)は、図63及び図64に示すように、複合ブラシ体C3に軟質樹脂PAを塗布して、複合ブラシ体C3にクッション膜層3(又はクッション膜層4)を形成する。
膜層形成工程(ST62)では、図58乃至図60で説明したと同様に、複合ブラシ体C3のブラシ厚さ方向HLから、複合ブラシ体C3の一方のブラシ面BAに軟質樹脂PA(軟質ポリウレタン樹脂)を塗布する(図63及び図64参照)。
膜層形成工程(ST62)では、図63及び図64に示すように、複合ブラシ体C3の一方のブラシ面BCに軟質樹脂PAを塗布し、各複合ブラシ毛GFの炭素繊維cf、軟質合成繊維gfを軟質樹脂PAで覆って、複合ブラシ体C3の一方のブラシ端BV側(鎖編部42側/経糸VS側)の一方のブラシ面BCにクッション膜層3を形成する。
膜層形成工程(ST62)において、クッション膜層3は、図58乃至図60で説明したと同様に、例えば、鎖編部42及び他方のブラシ端CZの間の膜層始点B、及び鎖編部41(経糸VS)の間に膜層幅CHを有して形成される(図63及び図64参照)。
膜層形成工程(ST62)において、軟質樹脂PAは、図58乃至図60で説明したと同様に、複合ブラシ体C3の一方のブラシ面BAから各複合ブラシ毛GF,及び各複合ブラシ毛GFの間に塗布されて、繊維直交方向VLに連続してクッション膜層3を形成する。
軟質樹脂PAは、複合ブラシ体C3の一方のブラシ面BCにおいて、同一又は略同一の厚さで塗布される。
クッション膜層3において、軟質樹脂PAは、図64(b)に示すように、複合ブラシ体C3の一方のブラシ面BCから複合繊維束FBの各炭素繊維cf及び各軟質合成繊維gfの間に浸透(含浸)されて、複合繊維束FBの各炭素繊維cf及び軟質合成繊維gfを覆う。
このように、膜層成形工程(ST62)では、図63及び図64に示すように、複合繊維束FBの繊維方向FLにおいて、一方のブラシ端BV及び膜層始点Bの間に軟質樹脂PAを塗布しない複合ブラシ毛領域(ブラシ長L1の複合ブラシ毛/炭素繊維cf、軟質合成繊維gf)と、膜層始点B及び鎖編部41(経糸VS)の間に軟質樹脂pAを塗布する塗布領域(クッション膜層3)を形成する。
<金型セット工程(ST63)>
金型セット工程(ST63)は、図65に示すように、クッション膜層3を形成した複合ブラシ体C3を金型55にセットする。
金型セット工程(ST63)において、クッション膜層3を形成した複合ブラシ体C3(以下、「膜層・複合ブラシ体C5」という)は、図65に示すように、一方のブラシ面BC及びクッション膜層3を上金型56のブラシ挟み凹所58及び成形凹所59に向け、他方のブラシ面BDを下金型57のブラシ挟み凹所66及び成形凹所67に向けて、上金型56及び下金型57の間に配置される。
膜層・複合ブラシ体C5は、図65に示すように、クッション膜層3における一方のブラシ端BV側(鎖編部42側/経糸VS側)の膜層部3Aを各成形凹所59,67に位置し、及び膜層部3Aを除く残りの膜層部3Bを各ブラシ挟み凹所58,66に位置して、上金型56及び下金型57の間に配置される。
これにより、膜層・複合ブラシ体C5は、一方のブラシ端BV及び各鎖編部41,42(各経糸VS)を含む膜層部3A(クッション膜層3の一部)を各成形凹所59,67に対峙し、膜層部3Aを除く残りの膜層部3Bを各ブラシ挟み凹所58,66に対峙して配置される。上金型56及び下金型57において、膜層・複合ブラシ体C5の膜層部3Bは、ブラシ挟み凹所58の上底平面62に対峙して配置される。
金型セット工程(ST63)では、図65に示すように、上金型56及び下金型57を閉じて、上金型56及び下金型57を膜層・複合ブラシ体C5に押付けて、膜層・複合ブラシ体C5を挟持する。
金型セット工程(ST63)では、図65に示すように、膜層・複合ブラシ体C5のブラシ厚さ方向HLから、クッション膜層3における一方のブラシ端BV側(鎖編部42側/経糸VS側)の膜層部3Aを除く残りの膜層部3Bに上金型56を押付ける。
金型セット工程(ST63)では、図65に示すように、膜層・複合ブラシ体C5のブラシ厚さ方向HLから、膜層・複合ブラシ体C4の他方のブラシ面BDに下金型57を押付けて、膜層・複合ブラシ体C5を金型55にセットする。
上金型56において、ブラシ挟み凹所58の上底平面62は、図65に示すように、膜層・複合ブラシ体C5のブラシ厚さ方向HLから膜層部3Bに面接触して押付けられる。下金型57において、ブラシ挟み凹所66の下底平面69は、図65に示すように、膜層・複合ブラシ体C5のブラシ厚さ方向HLから他方のブラシ面BDに押付けられる。
上金型56及び下金型57による押付力は、クッション膜層3(各膜層部3B)の変形、及び各複合ブラシ毛GFの各軟質合成繊維gfの変形によって吸収される。
上金型56及び下金型57において、上底平面62及び下底平面69は、クッション膜層3の膜層部3B及び各複合ブラシ毛GFの各軟質合成繊維gfを変形しつつ、各膜層部3B及び他方のブラシ面BDに面接触して押付けられる。
これにより、上金型56及び下金型57の押付力は、各複合ブラシ毛GF(複合炭素繊維FB)の各炭素繊維cf及び各軟質合成樹脂gfに集中荷重として作用することが防止でき、各複合ブラシ毛GFの各炭素繊維cfは、上金型56及び下金型57の押付力によって折れ、破断等の損傷を受け難くされる。
金型セット工程(ST63)において、上金型56及び下金型57は、図65に示すように、クッション膜層3及び他方のブラシ面BDを押付けつつ、下面61及び上面68を当接して閉じられる。
上金型56及び下金型57を閉じると、膜層・複合ブラシ体C5のブラシ端BV、及び各鎖編部41,42(各経糸VS)は、図65に示すように、成形空間73内に配置される。
また、膜層部3A(クッション膜層3の一部)は、図65に示すように、複合繊維束FBの繊維方向VLにおいて、ブラシ空間74から成形空間73に突出して、成形空間73内に配置される。
これにより、クッション膜層3は、図65に示すように、ブラシ空間74及び成形空間73に連続して配置される。
<基台成形工程(ST64)>
基台成形工程(ST64)では、図65に示すように、上金型56及び下金型57を押し付けた残りの膜層部3B及び他方のブラシ面BDより膜層・複合ブラシ体C5の一方のブラシ端BV側(鎖編部42側/経糸VS側)に合成樹脂PBを充填して、膜層・複合ブラシ体C5の一方のブラシ端BV側に基台25を成形する。
基台成形工程(ST64)では、図65に示すように、樹脂注入穴60から合成樹脂PBを成形空間73内に充填する。
基台成形工程(ST63)において、合成樹脂PBは、図65に示すように、膜層・複合ブラシ体C5の一方のブラシ端BV、各鎖編部41,42(経糸VS)、膜層部3A(クッション膜層3の一部)及び他方のブラシ面BDの一部を覆って、成形空間73内に充填される。
基台成形工程(ST63)では、合成樹脂PBを硬化した後、上金型56及び下金型57を開いて、基台25を成形した膜層・複合ブラシ体C5を金型55から取出す。
これにより、ブラシX5を製造する(図56及び図57参照)。
なお、第6実施形態のブラシの製造方法では、緯糸VSで成る各複合ブラシ毛GF(複合炭素繊維FB)の軟質合成繊維gfは、軟質の捲縮合成繊維(ナイロン捲縮繊維等)で構成しても良い。
次に、ブラシX1〜ブラシX5を適用した掃除機について、図67乃至図70を参照して説明する。
図67乃至図70において、掃除機Yは、掃除機本体81、吸込ホース82、吸込延長管83、吸込具84(ヘッド)、及び回転清掃体Z(回転清掃具)を備える。掃除機本体81は、送風機(図示しない)を内蔵する。吸込ホース82は、図67に示すように、掃除機本体81に接続される。吸込延長管83は、吸込ホース82及び吸込具84の間に配置されて、吸込ホース82及び吸込具84に接続される。回転清掃体Zは、吸込具84内に配置される。回転清掃体Zは、吸込具84に回転自在に装着される。
回転清掃体Zは、図68乃至図70に示すように、回転軸85、複数(4つ)のブラシX1〜X5(以下、「ブラシX」という)、及び複数(一対)の歯車軸86を備える
回転軸85は、円柱状に形成され、複数(4つ)の螺旋溝87を有する。各螺旋溝87は、回転軸85の周方向において、等間隔(角度90℃)の間隔を隔てて回転軸85に形成される。各螺旋溝87は、回転軸85の軸中心線方向において、各軸端の間に延在される。各螺旋溝87は、回転軸85の各軸端の間において、螺旋状に形成されて、回転軸85の外周面に開口される。各螺旋溝87は、溝開口部87Aより溝底部87Bを幅広にして、基台25の形状に形成される。
各ブラシXは、図69に示すように、各螺旋溝87の夫々に配置される。各ブラシXは、基台25を回転軸85の各螺旋溝87に挿入して、回転軸85に装着される。ブラシXにおいて、台本体27は、溝開口部87Aに挿入され、各鍔部28は、溝底部87Bに挿入される。
これにより、ブラシXは、各ブラシ毛FB(又は各複合ブラシ毛GF)を回転軸85の溝開口部87Aから突出して、回転軸85に装着される。各ブラシ毛FB(又は複合ブラシ毛GF)は、図69に示すように、螺旋溝87の溝開口部87Aから、回転軸85の径外方向に向けて突出して配置される。
各歯車軸86は、図68に示すように、回転軸85の各軸端に固定される。
回転清掃体Zは、吸込具84の吸込口88に配置される。回転清掃体Zは、図70に示すように、各歯車軸86を吸込具84に回転自在に装着して、吸込具84内に配置(収納)される。
掃除機Yによる清掃は、図70に示すように、回転軸85を回転することで、各ブラシXの各ブラシ毛FB(炭素繊維cf)、又は各複合ブラシ毛GF(炭素繊維cf及び軟質合成繊維gf9を床面FXに当接して、各ブラシXで床面FXの汚れ(塵、埃等)を掻上げて、吸込口88から吸引する。
ブラシXは、各ブラシ毛(又は各複合ブラシ毛GF)を回転して、床面FXに当接しても、各ブラシ毛BF(又は各複合ブラシ毛GF)に作用する曲げ力は、各クッション膜層3,4及び軟質合成繊維gfの変形によって吸収される。
これにより、ブラシXを回転して、各ブラシ毛BF(又は複合ブラシ毛GF)を床面FXに当接しても、各炭素繊維cfが折れ、破断することを抑制(低減)できる。
なお、ブラシXは、掃除機の他に、エア・コンディショナーに配置して、フィルターの自動清掃に使用しても良い。ブラシXを使用する機器や使用箇所は、特に限定されるものでない。
本発明は、掃除機等に用いられるブラシを製造するのに最適である。
cf 炭素繊維
CB 炭素繊維束
HT 緯糸
VT 経糸
BF ブラシ毛
TU 折返部
PA 軟質樹脂
B1 ブラシシート
BA 一方のブラシ面(ブラシ表面)
BB 他方のブラシ面(ブラシ裏面)
BX 一方のブラシ端
BY 他方のブラシ端
PB 合成樹脂
FL 繊維方向
VL 繊維直交方向
HL ブラシ厚さ方向
1 鎖編部(経糸)
2 鎖編部(経糸)
3 クッション膜層
4 クッション膜層
5 金型
6 上金型
7 下金型
25 基台

Claims (12)

  1. 炭素繊維の繊維束で成る緯糸を前記炭素繊維の繊維方向の両側で折返して並列し、前記繊維方向の両側の折返部の夫々を前記繊維方向と直交する繊維直交方向の経糸により連結して、前記繊維直交方向に前記緯糸で成る複数のブラシ毛が並列されるブラシシートを形成するブラシシート形成工程と、
    前記各経糸の間において、前記繊維方向及び前記繊維直交方向と直交する前記ブラシシートのブラシ厚さ方向から前記ブラシシートの一方及び他方のブラシ面に軟質樹脂を塗布し、及び前記各ブラシ毛の前記各炭素繊維を前記軟質樹脂で覆って、前記各経糸側の一方及び他方のブラシ面の夫々にクッション膜層を形成する膜層形成工程と、
    前記各クッション膜層における前記各経糸側の各膜層部を除く残りの各膜層部に金型を押付けて、前記ブラシシートを前記金型にセットする金型セット工程と、
    前記金型を押付けた残りの各膜層部より前記ブラシシートの各ブラシ端側に合成樹脂を充填して、基台を成形する基台成形工程と、
    前記ブラシシートに前記各基台を成形した前記クッション膜層の間において、前記ブラシシートを前記繊維直交方向に切断する切断工程と、
    を含んでなることを特徴とするブラシの製造方法。
  2. 前記膜層形成工程では、
    前記各経糸の間において、前記ブラシシートのブラシ厚さ方向から前記ブラシシートの一方のブラシ面に前記軟質樹脂を塗布し、及び前記各ブラシ毛の前記各炭素繊維を前記軟質樹脂で覆って、前記各経糸側の一方のブラシ面にクッション膜層を形成し、
    前記金型セット工程では、
    前記各経糸の間の他方のブラシ面、及び前記クッション層における前記各経糸側の各膜層部を除く残りの各膜層部に金型を押付けて、前記ブラシシートを前記金型にセットし、
    前記基台成形工程では、
    前記金型を押付けた残りの各膜層部及び他方のブラシ面より前記ブラシシートの各ブラシ端側に合成樹脂を充填して、基台を成形する
    ことを特徴とする請求項1に記載のブラシの製造方法。
  3. 炭素繊維の繊維束で成る複数のブラシ毛を前記繊維束の繊維方向と直交する繊維直交方向に並列して、ブラシ体を形成するブラシ体形成工程と、
    前記繊維方向及び前記繊維直交方向と直交する前記ブラシ体のブラシ厚さ方向から前記ブラシ体の一方及び他方のブラシ面に軟質樹脂を塗布し、及び前記各ブラシ毛の前記炭素繊維を前記軟質樹脂で覆って、前記ブラシ体の一方のブラシ端側の一方及び他方のブラシ面の夫々にクッション膜層を形成する膜層形成工程と、
    前記各クッション膜層における一方のブラシ端側の各膜層部を除く残りの各膜層部に金型を押付けて、前記ブラシ体を前記金型にセットする金型セット工程と、
    前記金型を押付けた残りの各膜層部より一方のブラシ端側に合成樹脂を充填して、基台を成形する基台成形工程と、
    含んでなることを特徴とするブラシの製造方法。
  4. 前記膜層形成工程では、
    前記ブラシ体のブラシ厚さ方向から前記ブラシ体の一方のブラシ面に前記軟質樹脂を塗布し、及び前記ブラシ毛の前記各炭素繊維を前記軟質樹脂で覆って、前記ブラシ体の一方のブラシ端側の一方のブラシ面にクッション膜層を形成し、
    前記金型セット工程では、
    前記ブラシ体の他方のブラシ面、及び前記各クッション膜層における一方のブラシ端側の各膜層部を除く残りの各膜層部に金型を押付けて、前記ブラシ体を前記金型にセットし、
    前記基台成形工程では、
    前記金型を押付けた残りの各膜層部及び他方のブラシ面より一方のブラシ端側に合成樹脂を充填して、基台を成形する
    とを特徴とする請求項3に記載のブラシの製造方法。
  5. 炭素繊維及び捲縮合成繊維の複合繊維束で成る緯糸を前記複合繊維束の繊維方向の両側で折返して並列し、前記繊維方向の両側の折返部の夫々を前記繊維方向と直交する繊維直交方向の経糸により連結して、前記繊維直交方向に前記緯糸で成る複数の複合ブラシ毛が並列される複合ブラシシートを形成する複合ブラシシート形成工程と、
    前記各経糸の間において、前記繊維方向及び前記繊維直交方向と直交する前記複合ブラシシートのブラシ厚さ方向から前記複合ブラシシートの一方及び他方のブラシ面に金型を押付けて、前記複合ブラシシートを前記金型にセットする金型セット工程と、
    前記金型を押付けた一方及び他方のブラシ面より前記複合ブラシシートの一方及び他方のブラシ端側に合成樹脂を充填して、基台を成形する基台成形工程と、
    を含んでなることを特徴とするブラシの製造方法。
  6. 前記各基台の間において、前記複合ブラシシートを前記繊維直交方向に切断する切断工程を、
    んでなることを特徴とする請求項5に記載のブラシの製造方法。
  7. 炭素繊維及び捲縮合成繊維の複合繊維束で成る複数の複合ブラシ毛を前記複合繊維束の繊維方向と直交する繊維直交方向に並列して、複合ブラシ体を形成する複合ブラシ体形成工程と、
    前記繊維方向及び前記繊維直交方向と直交する前記複合ブラシ体のブラシ厚さ方向から前記複合ブラシ体の一方及び他方のブラシ面に金型を押付けて、前記複合ブラシ体を前記金型にセットする金型セット工程と、
    前記金型を押付けた一方及び他方のブラシ面より前記複合ブラシ体の一方のブラシ端側に合成樹脂を充填して、基台を成形する基台成形工程と、
    含んでなることを特徴とするブラシの製造方法。
  8. 炭素繊維及び軟質合成繊維の複合繊維束で成る緯糸を前記複合繊維束の繊維方向の両側で折返して並列し、前記繊維方向の両側の折返部の夫々を前記繊維方向と直交する繊維直交方向の経糸により連結して、前記繊維直交方向に前記緯糸で成る複数の複合ブラシ毛が並列される複合ブラシシートを形成する複合ブラシシート形成工程と、
    前記各経糸の間において、前記繊維方向及び前記繊維直交方向と直交する前記複合ブラシシートのブラシ厚さ方向から前記複合ブラシシートの一方及び他方のブラシ面に軟質樹脂を塗布し、及び前記複合ブラシ毛の前記炭素繊維及び前記軟質合成繊維を前記軟質樹脂で覆って、前記各経糸側の一方及び他方のブラシ面にクッション膜層を形成する膜層形成工程と、
    前記クッション膜層における前記各経糸側の各膜層部を除く残りの各膜層部に金型を押付けて、前記複合ブラシシートを前記金型にセットする金型セット工程と、
    前記金型を押付けた残りの各膜層部より前記複合ブラシシートの一方及び他方のブラシ端側に合成樹脂を充填して、基台を成形する基台成形工程と、
    前記複合ブラシシートに前記各基台を成形した前記各クッション膜層の間において、前記複合ブラシシートを前記繊維直交方向に切断する切断工程と、
    を含んでなることを特徴とするブラシの製造方法。
  9. 前記膜層形成工程では、
    前記各経糸の間において、前記複合ブラシシートのブラシ厚さ方向から前記複合ブラシシートの一方のブラシ面に前記軟質樹脂を塗布し、前記各複合ブラシ毛の前記炭素繊維及び前記軟質合成繊維を前記軟質樹脂で覆って、前記各経糸側の一方のブラシ面にクッション膜層を形成し、
    前記金型セット工程では、
    前記各経糸の間の他方のブラシ面、及び前記クッション膜層における前記各経糸側の各膜層部を除く残りの各膜層部に金型を押付けて、前記複合ブラシシートを前記金型にセットし、
    前記基台成形工程では、
    前記金型を押付けた残りの各膜層部及び他方のブラシ面より前記複合ブラシシートの一方及び他方のブラシ端側に前記合成樹脂を充填して、基台を成形する
    とを特徴とする請求項8に記載のブラシの製造方法。
  10. 炭素繊維及び軟質合成繊維の複合繊維束で成る複数の複合ブラシ毛を前記複合繊維束の繊維方向と直交する繊維直交方向に並列して、複合ブラシ体を形成する複合ブラシ形成工程と、
    前記繊維方向及び前記繊維直交方向と直交する前記複合ブラシ体のブラシ厚さ方向から前記複合ブラシ体の一方及び他方のブラシ面に軟質樹脂を塗布し、前記複合ブラシ毛の前記炭素繊維及び前記軟質合成繊維を前記軟質樹脂で覆って、前記複合ブラシ体の一方のブラシ端側の一方及び他方のブラシ面にクッション膜層を形成する膜層形成工程と、
    前記各クッション膜層の前記一方のブラシ端側の各膜層部を除く残りの各膜層部に金型を押付けて、前記複合ブラシ体を前記金型にセットする金型セット工程と、
    前記金型を押付けた残りの各膜層部より前記一方のブラシ端側に合成樹脂を充填して、基台を成形する基台成形工程と、
    を含んでなることを特徴とするブラシの製造方法。
  11. 前記膜層形成工程では、
    前記複合ブラシ体のブラシ厚さ方向から前記複合ブラシ体の一方のブラシ面に前記軟質樹脂を塗布し、及び前記各複合ブラシ毛の前記炭素繊維及び前記軟質合成繊維を前記軟質樹脂で覆って、前記複合ブラシ体の一方のブラシ端側の一方のブラシ面にクッション膜層を形成し、
    前記金型セット工程では、
    前記複合ブラシ体の他方のブラシ面、及び前記各クッション膜層の一方のブラシ端側の各膜層部を除く残りの各膜層部に金型を押付けて、前記複合ブラシ体を前記金型にセットし、
    前記基台成形工程では、
    前記金型を押付けた残りの各膜層部及び他方のブラシ面より一方のブラシ端側に合成樹脂を充填して、基台を成形する
    とを特徴とする請求項10に記載のブラシの製造方法。
  12. 前記軟質合成繊維は、
    捲縮合成繊維でなることを特徴とする請求項8乃至請求項11の何れかに記載のブラシの製造方法。
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