JP4859962B2 - 空気調和機用フィルター及びその製造方法 - Google Patents
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Description
本発明の空気調和機用フィルターは、経糸及び緯糸の少なくとも一方が熱融着性繊維である繊維の織物組織から構成されるメッシュ部とリブ部とからなること、及び経糸と緯糸との交点及び各糸の接触部分が熱融着されていることにより、特徴付けられる。特に、従来プラスチック成形体で構成されていたリブ部が、メッシュ部と一体化した織物組織から構成されている点は、従来全く例が無く、この点に最大の特徴を有する。
本発明フィルターのメッシュ部織物組織は、平織であるのが、フィルター機能を発揮し、柔軟性や平滑性に優れる点から、好ましい。また、メッシュ部の開口率は、通常、50%以上80%以下程度であることが、十分なフィルター機能を発揮させる点から、好ましい。
本発明フィルターのリブ部の織物組織は、リブ部をメッシュ部と一体的に形成できる限りにおいて、限定されないが、通常は、平織又は綾織であるのが好ましい。また、リブ部の開口率は、通常、0%以上50%未満程度であることが、フィルターの強度、耐久性を十分なものとする点等から、好ましい。
本発明フィルターのメッシュ部及びリブ部の織物組織は、経糸及び緯糸の少なくとも一方が熱融着性繊維である繊維によって、一体的に形成されている。ここで、経糸と緯糸との交点及び各糸の接触部分を熱融着できる限りにおいて、経糸及び緯糸の両者が熱融着性繊維である場合、経糸が熱融着性繊維で緯糸が熱融着性繊維ではない場合、並びに経糸が熱融着性繊維ではなく緯糸が熱融着性繊維である場合のいずれであってもよい。
本発明の空気調和機用フィルターの製造方法は、経糸及び緯糸の少なくとも一方が熱融着性繊維である繊維を用いて、メッシュ部とリブ部とを、同時に製織する製織工程、次いで経糸と緯糸との交点及び各糸の接触部分を加熱融着する加熱融着工程によって、行うことができる。このフィルター製造方法により、前記本発明の空気調和機用フィルターを、好適に得ることができる。
製織工程において用いる原糸としては、前記の通り、ポリエステル系繊維、ポリオレフィン系繊維、ポリアミド系繊維等の熱融着性繊維又は熱融着性繊維ではない繊維を使用する。熱融着性繊維としては、芯部の融点よりも鞘部の融点が低い、芯鞘型繊維を用いることが、好ましく、特に、この芯鞘型繊維が、芯鞘型マルチフィラメント糸又は芯鞘型モノフィラメント糸であることがより好ましい。芯鞘型マルチフィラメント糸の場合は、撚糸を行ってから、使用する。また、芯鞘型繊維としては、通常、太さが直径50〜400μm程度で、160〜200℃程度の温度で外側の低融点部(鞘部)が融着するものを用いるのが好ましい。
加熱融着工程は、経糸と緯糸との交点及び各糸の接触部分を、加熱融着して、フィルターを調製する工程である。加熱融着工程においては、メッシュ部は、縦糸と横糸の交点を加熱融着することにより、フィルター清掃の際にブラシ等の摩擦で糸がずれないようにできる。また、リブ部は、糸の間隔を狭く又は無くした状態のものを加熱融着することで、固定し強度とコシを持たせる。加熱融着方法としては、例えば、テンターで幅を調整しながら加熱炉の中を通過させる方法、熱ロールに接触させる方法等を挙げることができる。加熱条件としては、例えばテンターで幅を調整しながら加熱炉の中を通過させる方法では、約150〜220℃程度の温度で0.5〜10分程度の時間加熱炉を通すことが適当である。
原料糸として、メッシュ部用の経糸及び緯糸並びにリブ部用の経糸として、直径71μm(54Dtex)のポリエチレンテレフタレート製芯鞘型マルチフィラメント融着糸(商品名「メルセット」、ユニチカ(株)製、フィラメントの本数24本)を、又リブ部用の緯糸として、直径160μm(280Dtex)のポリエチレンテレフタレート製芯鞘型マルチフィラメント融着糸(商品名「メルセット」、ユニチカ(株)製、フィラメントの本数48本)を、それぞれ撚糸して用いた。
2 リブ部
3 リブ部
Claims (8)
- 経糸及び緯糸の少なくとも一方が熱融着性繊維である繊維の織物組織から構成されるメッシュ部とリブ部とからなり、メッシュ部の開口率が50%以上80%以下であり、リブ部の開口率が0%以上50%未満であり、且つ経糸と緯糸との交点及び各糸の接触部分が熱融着されていることを特徴とする空気調和機用フィルター。
- メッシュ部の織物組織が、平織である請求項1に記載の空気調和機用フィルター。
- リブ部の織物組織が、平織又は綾織である請求項1又は2に記載の空気調和機用フィルター。
- 繊維の材質が、ポリエステル系繊維又はポリオレフィン系繊維である請求項1乃至3に記載の空気調和機用フィルター。
- 熱融着性繊維が、芯部の融点よりも鞘部の融点が低い、芯鞘型繊維である請求項1乃至4に記載の空気調和機用フィルター。
- 芯鞘型繊維が、芯鞘型マルチフィラメント糸又は芯鞘型モノフィラメント糸である請求項5に記載の空気調和機用フィルター。
- 経糸及び緯糸の少なくとも一方が熱融着性繊維である繊維を用いて、開口率が50%以上80%以下であるメッシュ部と、開口率が0%以上50%未満であるリブ部とを、同時に製織し、次いで経糸と緯糸との交点及び各糸の接触部分を加熱融着することを特徴とする空気調和機用フィルターの製造方法。
- 請求項7に記載の製造方法により製造された空気調和機用フィルター。
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