JP6611578B2 - スチール製車両用ホイールおよびその表面仕上げ方法 - Google Patents
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Description
特許文献1のアルミ製の車両用ホイールは、虹色を発現するため意匠性に富んでいるが、溝は非常に細く、1mmあたり600〜3000本形成されている。そのため、高精度に溝を形成するための特殊な装置が必要であり、加工時間も長く、表面仕上げのコストが嵩んでしまう。また、この特許文献1の技術をそのままスチール製の車両用ホイールに適用することはできない。スチールはアルミに比べて硬いからである。
この構成によれば、反射型回折格子により虹色を発現できる。また、切削溝面の断面輪郭が凹曲線を描くために、金属切削面の光沢を残すことができる。
この構成によれば、高低差とピッチの条件を設定することにより、虹色を確実に発現できる。
この構成によれば、ピッチを0.25mm以下に狭めることにより、虹色を良好に発現させることができる。また、ピッチを0.15mm以上とすることにより、通常の切削工具のチップを用いて切削することにより、上記高低差4μm以上を確保することができる。
この構成によれば、高低差を10μm以下にしたことにより、化粧面領域に突条による筋が目立たなくなり金属切削面の平滑性が得られる。
図1は、2ピース型のスチール製車両用ホイール1(以下、単にホイールという)を示している。図1の符号Laはホイール1の中心軸線を示す。以下の説明において、ホイール1を車両に装着した状態で車両を向く側(図1(A)における左側)を軸線方向内側と称し、車両と反対方向を向く側(図1(A)における右側)を軸線方向外側と称する。
上記リム10は、スチール製の帯板を丸めてその両端を溶接して円筒体を得た後、この円筒体をロール成形することにより得られるものであり、ウエル部11と、このウエル部11から軸線方向外側に向かって順に形成されたビードシート部12およびリムフランジ部13と、このウエル部11から軸線方向内側に向かって順に形成されたビードシート部14およびフランジ部15と、を有している。
上記一対のビードシート部12,14はタイヤのビード部を載せ、一対のリムフランジ部13,15はこれらビード部を保持する。
ハブ取付部21は、ハブ穴21aとその周囲の複数のボルト穴21bを有している。環状部22は、ハット部22aとその径方向外側の飾穴22bを有している。
上記ホイール1は、ハブ取付部21において車軸のハブに固定されるが、この点は周知であるのでその詳細な説明を省略する。
第1の振動抑制手段55は、ディスク20の内部空間に充填される発泡樹脂製のクッション材55aと、このクッション材55aを押さえる木製の押さえ板55bとを有している。(これらは、ビビリ防止のためのものであり、固定される目的が達成されれば、他の固定具でも代用することが可能である。)
第2の振動抑制手段56は、リム10の軸方向内側のフランジ部15に当たる発泡樹脂製のクッション材56aと、上記マンドレル51に固定されるとともにクッション材56aを支持する円盤形状のサポート56bとを有している。
この切削工程の後で、意匠面を含むホイール1の全面が透明樹脂によってクリアコートされる。
図3は、化粧面領域22x、13xをホイール1の径方向で切断した時の拡大断面図である。図4は拡大写真である。これら図から理解できるように、切削溝面101の径方向断面の輪郭は、チップ62の先端ノーズ62aの凸曲線形状にほぼ対応した凹曲線をなしている。径方向に隣接する切削面101同士の交差により、環状(より正確には螺旋一回分)の突条102が、径方向に並んで多数形成される。突条102の断面形状は、頂部が尖った山形をなしている。
なお、ここで視認される虹色は、CDのように明瞭に視認されるものではなく、淡い虹色である。
先端ノーズ62aの曲率半径0.8mmのチップ62を用い、切削速度100m/minとし、切削工具60の径方向送り量(ホイール1の1回転当たりの送り量)を種々変更してワークNo.1〜No.6を作成した。切削工具60の径方向送り量は、上記反射型回折格子100の切削溝面101のピッチ(すなわち突条102のピッチ)Pに相当する。図3から容易に理解できるように、送り量が大きいほど高低差ΔHが増大する。
化粧面領域22x、13xでの視認可能な虹色発現の条件および化粧面領域22x、13xでの金属切削面の平滑性の条件について評価した。また、色差測定機を用いてマンセル値を測定した。この実験結果を下記表1に示す。
評価基準1(各パネラーの見え方の印象)
A:虹色に見える
B:虹色には見えない
評価基準2(総合評価)
○:30人のパネラー全員がA判定
×:1人以上のパネラーがB判定
送り量0.15mm、高低差4μmのワークNo.2では虹色を視認できた。
送り量0.2mm、高低差6μmのワークNo.3では虹色を視認できた。
送り量0.25mm、高低差10μmのワークNo.4では虹色を視認できた。
送り量0.3mm、高低差14μmのワークNo.5では、虹色を視認できなかった。
送り量0.4mm、高低差25μmのワークNo.6では、虹色を視認できなかった。
先端ノーズ径が大きくなると、人が視認できる程度の虹色を発現するための上記高低差ΔHと上記ピッチPの条件を満足するのが難しくなる。
先端ノーズ径を小さくすれば虹色を発現し易いが、高低差が大きくなり平滑性を得るのが難しくなる。
先端ノーズ径は、好ましくは0.4〜1.2mm、より好ましくは0.6〜1.0mmである。そのため、市販のチップを用いることができる。
10 リム
13x 化粧面領域
20 ディスク
22x 化粧面領域
60 切削工具
62 チップ
62a 先端ノーズ
100 反射型回折格子
101 切削溝面
102 突条
P 切削溝面のピッチ(突条のピッチ)
ΔH 高低差
Claims (6)
- 意匠面の少なくとも一部が環状の化粧面領域として提供され、
上記化粧面領域には、ホイールの中心軸線を中心とする多数の切削溝面が形成され、これら切削溝面のホイール径方向に沿う断面の輪郭が凹曲線を描き、径方向に隣接する上記切削溝面の交差部に、突条が形成されており、
上記切削溝面と上記突条により、反射型回折格子が構成されていることを特徴とするスチール製車両用ホイール。 - 上記切削溝面の底部から上記突条の頂部までの高低差が、4μm以上であり、上記切削溝面の径方向ピッチが0.25mm以下であることを特徴とする請求項1に記載のスチール製車両用ホイール。
- 上記切削溝面の径方向ピッチが0.15mm〜0.25mmであることを特徴とする請求項2に記載のスチール製車両用ホイール。
- 上記切削溝面の底部から上記突条の頂部までの高低差が4μm〜10μmであることを特徴とする請求項2または3に記載のスチール製車両用ホイール。
- 上記化粧面領域では、マンセル値のH値が4.5RP〜8.3RPであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のスチール製車両用ホイール。
- スチール製車両用ホイールをその中心軸線を中心にして回転させた状態で、その意匠面に切削工具の凸曲線を描く先端ノーズを当てながら、この切削工具を上記ホイールの径方向に移動させることにより、上記意匠面を切削して環状の化粧面領域を得、この切削面領域に、ホイール径方向断面の輪郭が凹曲線をなす多数の切削溝面と、ホイール径方向に隣接する上記切削溝面の交差部に形成された突条により、反射型回折格子を提供することを特徴とするスチール製車両用ホイールの表面仕上げ方法。
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