JP7137232B2 - 車両用ホイール - Google Patents

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Description

本発明は、意匠性に優れた車両用ホイールに関する。
自動車などに用いられる金属製の車両用ホイールは、強度や重量などの性能に加えて、意匠性も優れていることが求められる。ホイールの意匠性向上のために、従来様々な工夫が行われている。たとえば特許文献1の発明は、ホイールの表面の一部分に同一方向に延びる複数の細凹溝を形成することで、光を複数方向に反射させて、様々な方向から眺めてもどこかの部分が輝いて見えるようにしたものである。
特開2017-226330号公報
ところで、意匠性については様々な嗜好があり、上記のように溝を形成するものであって上記のものとは異なる光り方をするものにも需要がある。また従来、金属製のホイールの表面は、対象部分に対して切削などの機械加工を施した後で、バフ研磨などにより研磨をする場合が多かったが、研磨作業は手間がかかることが問題であった。
本発明は、このような事情を鑑みたものであり、表面の少なくとも一部に従来とは異なる形で溝部を形成することで意匠性を向上させたものであって製造が容易な車両用ホイールを提供することを目的とする。
本発明の車両用ホイールは、ホイール本体を備え、前記ホイール本体の表面の一部である三次元形状面に加飾部が形成されている金属製の車両用ホイールであって、前記加飾部は、前記ホイール本体の表面に形成された複数の溝部からなるものであって、複数の前記溝部が幅方向に隣接して配置されており、前記溝部は、幅が0.5mm以下であって、一列に隣接して並べて配置された複数の凹部からなるものであり、前記の各凹部は、凹面状の切削部であってその表面が平滑な面であることを特徴とする。ここで、三次元形状面とは、異なる向きの平面が連なった面や、曲面など、単一の平面ではない面のことである。また、凹面とは、中央に向かってなだらかに窪んでいる面のことである。
また、本発明は、前記の複数の溝部が略均一な幅であってもよい。
また、本発明は、前記凹部の深さが、前記溝部の幅および前記凹部の前記溝部が延びる方向の幅よりも浅いものであってもよい。
また、本発明は、前記加飾部の鏡面反射率が、入射光の入射方向が前記溝部の延びる方向に平行する場合において50%以上であることが望ましい。ここで、鏡面反射率とは、対象となる面にある角度で入射した光に対して、同じ角度で反射した光の割合を示す。
また、本発明は、前記溝部が、前記ホイール本体に形成された孔の周縁部に沿って延びるものであってもよい。
本発明の車両用ホイールの製造方法は、ホイール本体と、前記ホイール本体の表面の一部である三次元形状面に形成された加飾部と、を備える金属製の車両用ホイールの製造方法であって、単結晶ダイヤモンドの刃を1枚のみ備えるボールエンドミルを一定の速度で回転させつつ移動させて前記ホイール本体の表面を切削して、前記ボールエンドミルが1回転するごとに1つの凹部を形成するものであって、前記ボールエンドミルの移動方向に連続して前記凹部を形成し、これらの複数の前記凹部からなる溝部を形成し、さらに複数の前記溝部を幅方向に隣接して形成し、これらの複数の前記溝部からなる前記加飾部を形成するものである。
本発明の車両用ホイールによれば、加飾部は並んで形成された複数の溝部からなり、さらに溝部は一列に並んだ複数の凹部からなるものであり、凹部は切削部であってホイール本体の表面を研磨しない機械加工の跡として形成されるものである。よって、製造が容易であり、かつ、凹部の表面が平滑な面であってさらに溝部が並ぶ方向に加えて溝部が延びる方向(溝部が並ぶ方向に直交する方向)にも凹部により凹凸が形成されるので、従来品(溝部の断面形状がその延びる方向において均一であるもの)と比べて光が異なる態様で反射し、意匠性が良好である。
また、複数の溝部が略均一な幅であれば、光の反射状態が加飾部の全面にわたってより均一なものとなり、意匠性が向上する。
また、凹部の深さが溝部の幅および凹部の溝部が延びる方向の幅よりも浅いものであれば、加飾部の表面の凹凸がより小さくなるので、鏡面反射率が高くなり、意匠性が良好なものとなる。
また、加飾部の鏡面反射率を基準とすれば、入射光の入射方向が溝部の延びる方向に平行する場合においてその値が50%以上であれば、凹部の表面が平滑な面であるといえる。
また、溝部がホイール本体に形成された孔の周縁部に沿って延びるものであれば、溝部が延びる方向と加飾部の形状とが一体的なものとなって意匠性が良好であり、かつ、長い距離にわたって連続的に加工して形成できるので、特に効率的に製造できる。
本発明の車両用ホイールの製造方法によれば、単結晶ダイヤモンドの刃を1枚のみ備えるボールエンドミルを用いており、全ての凹部が同じ刃によって形成されるので、部位により切削状態に差が生じることがなく、加飾部の全面にわたって均一な状態となる。
車両用ホイールの加飾部部分の拡大斜視図である。 車両用ホイールの全体斜視図である。 車両用ホイールの全体正面図である。 加飾部の形状の説明図である。 単結晶ダイヤモンドの刃による加工面の写真である。 単結晶ダイヤモンドの刃による加工面の鏡面反射率を示すグラフである。 多結晶ダイヤモンドの刃による加工面の写真である。 多結晶ダイヤモンドの刃による加工面の鏡面反射率を示すグラフである。
以下、本発明の車両用ホイールの具体的な内容について説明する。本発明が適用されるホイールは、形状や装着対象が限定されるものではないが、ここでは、図1~図3に示す形状の、自動車用のホイールに適用した場合を例に挙げる。このホイールは、アルミ合金製であって鍛造により形成されたホイール本体1を備える。ホイール本体1は、略円筒形のリム11と、リム11の中心軸上に位置するハブ12と、ハブ12からリム11まで放射状に延びるスポーク13からなる。使用時には、リム11の外周側にタイヤゴムが取り付けられ、ハブ12が自動車に固定される。ハブ12とスポーク13は、リム11の中心軸方向の一方の端部(図2では上端部)の近傍に位置している。自動車に取り付けられた状態において、この一方の端部側の面(図2では上面)が外側向きとなって視認できるものであり、この面をホイール本体1の意匠面Dと称する。以下においては、図2に示すように、リム11の中心軸が垂直向きとなり、意匠面Dが上向きとなった状態を基準として説明する。
スポーク13は、周方向に等間隔に9本配置されており、ハブ12から外周側に向けて延びる幹部14と、幹部14の外周側端から二股に分かれてリム11まで延びる枝部15からなる、略Y字状のものである。枝部15は幹部14よりも細い(周方向の幅が狭い)ものとなっている。なお、図2に示すように、ハブ12はリム11の上端よりもやや下側に位置している。そして、スポーク13は、リム11からハブ12に向けて水平よりわずかに下向きに延び、枝部15と幹部14の境目付近から緩やかに湾曲してハブ12へと至っている。
隣接するスポーク13同士の間と、1本のスポーク13における枝部15同士の間は、リム11の中心軸方向に貫通する孔となっている。スポーク13同士の間の孔は、ハブ12からリム11まで延びる細長い形状であって、内周側端部は略円弧状であり、外周側端部はリム11の外周に沿った形状であり、この孔を長孔16と称する。一方、枝部15同士の間の孔は、幹部14の外周側端からリム11まで延びる略三角形状であって、内周側端部は略円弧状であり、外周側端部はリム11の外周に沿った形状であり、この孔を三角孔17と称する。長孔16と三角孔17は、周方向に交互に配置されていることになる。さらに、意匠面Dにおける長孔16の周縁部の全周にわたって、孔に向かって下る向きに傾斜した長孔傾斜面161が形成されている。長孔傾斜面161は、全周にわたって略同じ幅であって、スポーク13の枝部15よりも細いものである。また、意匠面Dにおける三角孔17の周縁部の全周にわたって、孔に向かって下る向きに傾斜した三角孔傾斜面171が形成されている。三角孔傾斜面171は、リム11に沿った辺においては、長孔傾斜面161と同じ幅であるが、スポーク13(枝部15)に沿った辺においては、外周側(リム11側)から中心側(ハブ12側)に向けて徐々に拡幅しており、内周側端部において最も幅が広くなっていて、スポーク13の枝部15よりも太いものである。長孔傾斜面161と三角孔傾斜面171は、何れも曲面からなる三次元形状面である。
そして、このように構成されたホイール本体1において、その表面の一部である長孔傾斜面161と三角孔傾斜面171に、加飾部2が形成されている。図1に示すように、加飾部2は、長孔傾斜面161および三角孔傾斜面171の表面に形成された複数の溝部3からなる(図2および図3では、加飾部2を影付き部分として表している)。それぞれの加飾部2において、複数の溝部3は略均一な幅であって、幅方向に隣接して配置されている。言い換えれば、複数の溝部3は互いに隙間なく平行に延びている。さらに、各溝部3は、加飾部2(長孔傾斜面161および三角孔傾斜面171)の長手方向に沿って延びており、すなわち、長孔16または三角孔17の周縁部に沿って延びている。なお、長孔傾斜面161は、全周にわたって略同じ幅であるから、孔の周囲のどの位置でも溝部3の本数は同じであり、全ての溝部3は長孔16の周囲を1周するものである。すなわち、長孔16のすぐ外周側に最も内側の溝部3が長孔16を取り囲むようにして形成されており、その溝部3のすぐ外周側に次の溝部3が内側の溝部3を取り囲むようにして形成されており、さらにその溝部3の外周側にも同様に溝部3が形成されていて、このようにして長孔傾斜面161の全面に溝部3が形成されている。一方、三角孔傾斜面171は、孔の周囲の位置により幅が異なっており、幅が狭い位置では溝部3の本数が少なく、幅が広い位置では溝部3の本数が多いので、三角孔17の周囲を1周する溝部3と1周しない溝部3がある。すなわち、三角孔17のすぐ外周側には、長孔16の場合と同様に三角孔17を1周する複数本の溝部3が形成されており、これらの溝部3により、三角孔傾斜面171の中で最も幅が狭いリム11に沿った辺が埋め尽くされている。そして、より幅が広いスポーク13(枝部15)に沿った辺においては、分岐する2本の枝部15の一方から分岐部を通って他方へ延びる溝部3が形成されている。枝部15は、ホイール本体1の外周側(リム11側)から中心側(ハブ12側)に向けて徐々に拡幅しているので、三角孔17の外周側の溝部3ほど、始点および終点がリム11の中心軸に近い位置となる。このようにして、三角孔傾斜面171の全面に溝部3が形成されている。
このように形成された溝部3について、さらに詳述する。図4に示すように、それぞれの溝部3は、一列に並べて配置された複数の凹部4からなるものである。それぞれの凹部4は、凹面状、すなわち中央に向かってなだらかに窪んだ形状であって、より詳しくは、略球面の凹面側の一部に相当する形状である。そして、凹部4の表面は平滑な面である。また、凹部4は、加飾部2が形成された面(長孔傾斜面161または三角孔傾斜面171)の法線方向から見て、略六角形である。1本の溝部3内において、隣接する凹部4は六角形の1本の辺同士で接しており、複数の溝部3が隣接した状態は、すなわち六角形の凹部4が縦横に敷き詰められた状態である。よって、縦横に同様に凹凸が形成された状態となっている。さらに、凹部4の深さは、溝部3の幅(=溝部3の配置間隔)および凹部4の溝部3が延びる方向の幅(=凹部4の配置間隔)よりも浅いものである。
次に、このような加飾部2を形成する方法について説明する。上記のとおり、加飾部2は、ホイール本体1の表面の一部である三次元形状面に形成された複数の溝部3からなるものであり、この溝部3を形成するためには、単結晶ダイヤモンドの刃を1枚のみ備えるボールエンドミルを用いる。刃は、刃先が略円弧状となっている。このようなボールエンドミルにより、対象面(長孔傾斜面161または三角孔傾斜面171)を切削して、溝部3を形成する。その際、ボールエンドミルが1回転する、すなわち刃が1回対象面を削るごとに、1つの凹部4が形成されるものであり、刃の刃先が略円弧状なので、凹部4は略球面の凹面側に相当する形状となる。そして、全ての凹部4が同じ刃により形成されることになる。また、加飾部2が形成された面の法線方向から見た凹部4の形状は、ボールエンドミルの刃の形状や、ボールエンドミルの移動速度および回転速度によって定まるものであり、ここでは略六角形となっている。そして、ボールエンドミルは一定の速度で回転しつつ移動するので、その移動方向に連続して凹部4が形成され、これらの凹部4が溝部3を構成するものである。さらに、所定の長さの溝部3が形成されたら、その溝部3の幅方向に隣接して略均一な幅の次の溝部3が形成される。このようにして、対象面の全面が切削されて複数の溝部3が形成されて、加飾部2となる。そして、溝部3(凹部4)は切削加工により形成されるものであるから、溝部3(凹部4)は切削部であるともいえる。なお、ボールエンドミルは、NC加工機に取り付けられるものであり、プログラムされたとおりに回転・移動して、上記のように加飾部2を形成する。
次に、このようにして形成された加飾部2の実例を示す。図5に示すのは、加飾部2の表面の写真である。なお、この加飾部2を形成する際に用いたボールエンドミルの刃は、刃先がR3の円弧状のものである。そして、加飾部2を構成する溝部3の幅は、0.5mm、0.4mm、0.3mm、0.2mm、0.1mmの5種類とした。また、溝部3を構成する凹部4の溝部3が延びる方向の幅は、溝部3の幅によらず、略0.1mmとし、凹部4の深さは、写真からは判別できないが、0.01mm~0.1mm程度とした。写真は、溝部3が左右方向に延びる向きのものであって、上段から溝部3の幅が0.5mm、0.4mm、0.3mm、0.2mm、0.1mmのものである。また、1番の写真は加飾部2を肉眼で見た状態を示す写真であり、2番から5番の写真は加飾部2の表面の拡大写真であって、番号が大きいほど倍率が高い。2番と3番の写真において、右下の線分は1mmを示し、4番と5番の写真において、右下の線分は100μmを示す。
これによれば、まず1番の写真を見ると、溝部3の幅が0.4mm以上の場合、溝部3の存在が肉眼でも視認できるが、0.3mm以下の場合、溝部3の存在が肉眼では視認しにくくなっており、溝部3の幅が狭いほど、視覚的に鏡面に近い感覚が得られるといえる。また、拡大写真を見ると、溝部3が一列に並べて配置された複数の凹部4からなるものであることがわかる。そして、溝部3の幅によらず、1つの凹部4は略六角形であって、1本の溝部3内において隣接する凹部4は六角形の1本の辺同士で接していることがわかる。さらに、特に4番や5番の高倍率の写真を見ると、全ての凹部4の表面が平滑な面であることがわかる。これは、ボールエンドミルの刃として単結晶ダイヤモンドの刃を用いたことによるものである。単結晶ダイヤモンドの刃は、単一の結晶からなる凹凸の無い鋭利な刃先を有するので、その切削面は、このように非常に平滑な面となり、バフ研磨などの研磨加工をしなくても、鏡面に近い面が得られる。そして、刃を1枚のみ備えるボールエンドミルを用いており、全ての凹部4が同じ刃によって形成されているので、部位により切削状態に差が生じることがなく、加飾部2の全面にわたって均一な状態となっている。
また、図5には写真と併せて溝部3の幅の各場合における面粗さが記載されている。面粗さは、いわゆる算術平均粗さであって、単位はμmであり、ここでは溝部3の延びる方向に直交する方向(写真の上下方向)について測定したものである。これによれば、溝部3の幅が狭くなるほど、面粗さの値は小さくなる。
さらに、図6は、溝部3が延びる方向に平行する方向から光が入射した場合の鏡面反射率と、溝部3が延びる方向に直交する方向から光が入射した場合の鏡面反射率について、溝部3の幅(間隔)ごとにグラフで示したものである。鏡面反射率は、対象となる面にある角度で入射した光に対して同じ角度で反射した光の割合を百分率の数値で表したものである。各場合において、入射の角度(面に対する垂直方向を0度とする)を5度、30度、60度の3通りとし、入射光の波長を300nm~1000nmとした。なお、測定には「SolidSpec-3700(島津製作所製)」を用いた。その結果、入射方向が溝部3に平行する場合においては、溝部3の幅、入射光の角度および入射光の波長によらず、鏡面反射率は60%以上であった。ただし、溝部3の幅が狭いほうが、より鏡面反射率が高く、幅0.1mmの場合は、一部の角度、波長の場合を除いて、鏡面反射率は80%以上であった。一方、入射方向が溝部3に直交する場合においては、溝部3の幅による差が顕著であった。溝部3の幅が0.1mmの場合は、入射光が溝部3に平行する場合と略同じであったが、溝部3の幅が広くなるほど、角度および波長によらず鏡面反射率は低くなり、溝部3の幅が0.5mmの場合は、角度および波長によらず、鏡面反射率は25~30%程度であった。
なお、比較のために、ボールエンドミルの刃として単結晶ダイヤモンドの刃ではなく多結晶ダイヤモンドの刃を用いて同様の加工を行った実例を示す。図7がその加工部の表面の写真であり、溝部の幅や写真の倍率は図5の場合と同じである。この場合も、単結晶ダイヤモンドの刃を用いた場合と同様に、溝部が形成され、さらに溝部は一列に並べて配置された複数の凹部から構成されている。溝部や凹部の形状自体は単結晶ダイヤモンドの刃を用いた場合と同じであるから、面粗さは同程度の値となっている。しかしながら、凹部の表面には、左右方向に延びる微細な凹凸が形成されており、平滑な面にはなっていない。多結晶ダイヤモンドの刃は、粒子を固めて形成したもので刃先に微細な凹凸があるので、その切削面は、このように微細な凹凸が形成された面となる。
さらに、図8は、多結晶ダイヤモンドの刃を用いた場合の鏡面反射率をグラフで示したものである。入射光の入射方向、入射角度および波長については、図6の場合と同じである。その結果、入射方向が溝部に平行する場合においては、溝部の幅、入射光の角度および入射光の波長によらず、鏡面反射率は15~35%程度であった。一方、入射方向が溝部に直交する場合においては、溝部の幅、入射光の角度および入射光の波長によらず、鏡面反射率は7~10%程度であった。このように、多結晶ダイヤモンドの刃を用いた場合の鏡面反射率は、入射光の入射方向、入射角度および波長によらず、単結晶ダイヤモンドの刃を用いた場合と比べて非常に小さい値となっている。すなわち、凹部の表面の微細な凹凸により、光が乱反射しているということである。よって、ボールエンドミルの切削加工により凹部を平滑な面とするためには、単結晶ダイヤモンドの刃を用いることが必要であるとわかる。
ここで、単結晶ダイヤモンドの刃を用いて加工したものと多結晶ダイヤモンドの刃を用いて加工したものを、鏡面反射率により区別する。まず、入射光の入射方向が溝部の延びる方向に平行する場合の鏡面反射率による区別について説明する。図8に示したように、多結晶ダイヤモンドの刃を用いて加工したものは、鏡面反射率が最高で35%程度である。一方、図6に示したように、単結晶ダイヤモンドの刃を用いて加工したものは、鏡面反射率が最低でも65%以上である。そこで、測定値の揺れや誤差を考慮して、35%と65%の中間値を採用し、入射光の入射方向が溝部の延びる方向に平行する場合の鏡面反射率が、50%以上のものに限ることとすれば、多結晶ダイヤモンドの刃を用いて加工したものは除外される。すなわち、入射光の入射方向が溝部の延びる方向に平行する場合の鏡面反射率が、50%以上であれば、凹部の表面が平滑な面といえるので望ましい。
次に、入射光の入射方向が溝部の延びる方向に直交する場合の鏡面反射率による区別について説明する。図8に示したように、多結晶ダイヤモンドの刃を用いて加工したものは、鏡面反射率が最高で10%程度である。一方、図6に示したように、単結晶ダイヤモンドの刃を用いて加工したものは、鏡面反射率が最低でも25%以上である。そこで、測定値の揺れや誤差を考慮して、入射光の入射方向が溝部の延びる方向に直交する場合の鏡面反射率が、20%以上のものに限ることとすれば、多結晶ダイヤモンドの刃を用いて加工したものは除外される。すなわち、入射光の入射方向が溝部の延びる方向に直交する場合の鏡面反射率が、20%以上であれば、凹部の表面が平滑な面といえるので望ましい。
このような本発明の車両用ホイールによれば、加飾部2は並んで形成された複数の溝部3からなり、さらに溝部3は一列に並んだ複数の凹部4からなるものである。そしてこの凹部4は、単結晶ダイヤモンドの刃により形成された切削部であって、表面を研磨することなく、機械加工の跡が残ったものである。よって、製造が容易であり、かつ、単結晶ダイヤモンドの刃を用いたことにより平滑な面となっている。さらに、刃が1枚のみであるから部位により切削状態に差が生じることがなく、加飾部2の全面にわたって鏡面反射率が高くかつ均一なものとなり、意匠性が良好である。また、溝部3が並ぶ方向に加えて、溝部3が延びる方向(溝部3が並ぶ方向に直交する方向)にも凹部4により凹凸が形成されるので、従来品(溝部の断面形状がその延びる方向において均一であるもの)と比べて光が異なる態様で反射し、意匠性が良好である。また、複数の溝部3が略均一な幅であることにより、光の反射状態が加飾部の全面にわたってより均一なものとなる。さらに、凹部4の深さが溝部3の幅および凹部4の溝部3が延びる方向の幅よりも浅いことにより、加飾部2の表面の凹凸がより小さくなるので、鏡面反射率がより高いものとなる。また、溝部3が加飾部2の長手方向に沿って延びていることにより、溝部3が延びる方向と加飾部2の形状とが一体的なものとなって意匠性が良好であり、かつ、長い距離にわたって連続的に加工して形成できるので、効率的に製造できる。なお、上記のように単結晶ダイヤモンドの刃を用いて凹部4の表面が平滑な面となっていることにより、加飾部2の鏡面反射率は、入射光の入射方向が溝部3の延びる方向に平行する場合において、50%以上となっている。
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨の範囲内で適宜変更できる。たとえば、ホイール本体において、加飾部が形成される部位は、スポーク、ハブ、リムのどこであってもよい。また、加飾部が形成された面の法線方向から見た凹部の形状は、六角形に限られるものではなく、ボールエンドミルの刃の形状や、ボールエンドミルの移動速度および回転速度によって、種々の形状になり得る。さらに、加飾部を含むホイール本体の表面に、クリア塗装を施したものであってもよい。また、加飾部が文字や図柄を構成するものであってもよい。一例として、ホイール本体の表面に文字を彫り込んで形成し、彫り込んだ部分の底部に複数の溝部を形成してその部分を加飾部とするものであってもよい。さらに、本発明の対象となる車両用ホイールは、アルミ合金製で鍛造により形成されるものに限られず、スチールやマグネシウムなどその他の金属や合金からなるものであってもよいし、鋳造により形成されるものであってもよい。
また、加飾部において、複数の溝部は幅が異なるものであってもよい。さらに、凹部の深さが溝部の幅や凹部の溝部が延びる方向の幅よりも深いものであってもよい。また、溝部が加飾部の長手方向以外の方向に延びるものであってもよい。そして、加飾部の鏡面反射率は必ずしも限定されないが、入射光の入射方向が溝部が延びる方向に平行する場合において50%以上であれば、多結晶ダイヤモンドの刃を用いて加工されたもののような凹部の表面が平滑な面ではないものが除外されるので望ましい。また、溝部の幅が小さくなるほど、溝部の本数が増えて加工に要する時間は長くなるので、加工の手間の観点からは、溝部の幅は0.3mm以上であることが望ましい。
1 ホイール本体
2 加飾部
3 溝部
4 凹部

Claims (6)

  1. ホイール本体を備え、前記ホイール本体の表面の一部である三次元形状面に加飾部が形成されている金属製の車両用ホイールであって、
    前記加飾部は、前記ホイール本体の表面に形成された複数の溝部からなるものであって、複数の前記溝部が幅方向に隣接して配置されており、
    前記溝部は、幅が0.5mm以下であって、一列に隣接して並べて配置された複数の凹部からなるものであり、
    前記の各凹部は、凹面状の切削部であってその表面が平滑な面であることを特徴とする車両用ホイール。
  2. 前記の複数の溝部が略均一な幅であることを特徴とする請求項1記載の車両用ホイール。
  3. 前記凹部の深さが、前記溝部の幅および前記凹部の前記溝部が延びる方向の幅よりも浅いことを特徴とする請求項1または2記載の車両用ホイール。
  4. 前記加飾部の鏡面反射率が、入射光の入射方向が前記溝部の延びる方向に平行する場合において50%以上であることを特徴とする請求項1、2または3記載の車両用ホイール。
  5. 前記溝部が、前記ホイール本体に形成された孔の周縁部に沿って延びるものであることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の車両用ホイール。
  6. ホイール本体と、前記ホイール本体の表面の一部である三次元形状面に形成された加飾部と、を備える金属製の車両用ホイールの製造方法であって、
    単結晶ダイヤモンドの刃を1枚のみ備えるボールエンドミルを一定の速度で回転させつつ移動させて前記ホイール本体の表面を切削して、前記ボールエンドミルが1回転するごとに1つの凹部を形成するものであって、前記ボールエンドミルの移動方向に連続して前記凹部を形成し、これらの複数の前記凹部からなる溝部を形成し、さらに複数の前記溝部を幅方向に隣接して形成し、これらの複数の前記溝部からなる前記加飾部を形成するものであることを特徴とする車両用ホイールの製造方法。
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