JP6610959B2 - ポリアリーレンスルフィド樹脂微多孔質微粒子およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明はポリアリーレンスルフィド樹脂からなり、表面ないし内部に微細孔を有する微多孔質の微粒子(以下、微多孔質微粒子という)およびその製造方法に関する。
ポリアミド樹脂を用いた多孔質の微粒子はその素材や形態、特徴ある物性に応じて、触媒担持体、吸着剤、充填剤などをはじめ、各種分野で注目されている(例えば、特許文献1、2、3参照)。これら微粒子は、ポリアミド樹脂に溶媒を加え溶解させた後、ポリアミド樹脂に対し溶解しない溶媒を加え、析出させることにより得られる。しかしながら、当該方法は、微粒子の析出に時間を要する為、生産性に改良の余地があるだけでなく、得られた微粒子も、ポリアミド樹脂自体の物性に起因して耐熱性、耐薬品性に改良の余地があった。
一方、ポリアリーレンスルフィド樹脂(以下、PPSと言うことがある。)に代表されるポリアリーレンスルフィド樹脂(以下、PASと言うことがある。)は、耐熱性、耐薬品性に優れ、電気電子部品、自動車部品、給湯器部品、繊維、フィルム用途等に幅広く用いられている。中でも、ポリアリーレンスルフィド樹脂多孔質体を用いた中空糸膜や分離膜、多孔質フィルムは、優れた耐熱性や耐薬品性を活かして、半導体製造における不純物除去のための薬液ろ過や、医薬品製造、食品製造、化学工業品製造における合成原料や有機溶剤のろ過などへの利用が期待されている。
このようなポリアリーレンスルフィド樹脂を用いて多孔質の粒子体を製造する方法として、ポリアリーレンスルフィド樹脂を重合後、高温で所定量の水およびN−メチル−2−ピロリドンを含む混合溶液を添加して製造する方法が知られている(特許文献4参照)。しかしながら、得られた多孔質の粒子体は、平均粒径が0.08〜4(mm)の範囲で顆粒状を呈しており、比表面積も小さく、多孔質に基づく各種機能、例えば、イオン交換能や吸油量が低いものであった。
国際公開2006/082908パンフレット 特開2007−277461号公報 特開2010−132768号公報 特開平2−163126号公報
そこで本発明が解決しようとする課題は、平均粒径が小さく、かつ比表面積の大きいポリアリーレンスルフィド樹脂微多孔質微粒子およびその製造方法を提供することにある。
本願発明者らは種々の検討を行った結果、特定範囲の溶融粘度を有するポリアリーレンスルフィド樹脂と、該樹脂を溶解する溶媒の混合物を高温下で均質粘性流体とした後、押出、冷却固化させ、次いで溶媒を抽出除去する方法により、微多孔質化され、比表面積の大きい微粒子が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、300℃で測定した溶融粘度が200〔Pa・s〕以下のポリアリーレンスルフィド樹脂(a)と、融点が100℃以下で、かつ該ポリアリーレンスルフィド樹脂を溶解可能な溶媒(b)とを加熱溶解させて相溶した溶解物を得る工程1、
前記溶解物を押し出す工程2、
押し出した押出物を冷却固化させ、前記ポリアリーレンスルフィド樹脂(a)と前記溶媒(b)とを相分離させる工程3、
前記ポリアリーレンスルフィド樹脂が溶解ないし膨潤しない溶媒で、かつ前記溶媒(b)と相溶する溶媒(c)を用いて、得られた押出物から前記溶媒(b)を除去して多孔質体を得る工程4、
前記多孔質体に、ポリアリーレンスルフィド樹脂が溶解ないし膨潤しない溶媒(d)中で外部から均一な剪断力を加えることにより微粒子にする工程5、
を必須工程として有するポリアリーレンスルフィド樹脂微多孔質微粒子の製造方法、に関する。
また、本発明は、300℃で測定した溶融粘度が200〔Pa・s〕以下のポリアリーレンスルフィド樹脂からなり、平均粒子径が100〔nm〕以上、かつ100〔μm〕未満の範囲である、ポリアリーレンスルフィド樹脂微多孔質微粒子、に関する。
本発明により、平均粒径が小さく、かつ比表面積の大きいポリアリーレンスルフィド樹脂微多孔質微粒子およびその製造方法を提供することができる。
本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂微多孔質微粒子(以下、単に「微多孔質微粒子」と言う)の製造方法は、
300℃で測定した溶融粘度が500〔Pa・s〕以下のポリアリーレンスルフィド樹脂(a)と、融点が100℃以下で、かつ該ポリアリーレンスルフィド樹脂を溶解可能な溶媒(b)とを加熱溶解させて相溶した溶解物を得る工程1、
前記溶解物を押し出す工程2、
押し出した押出物を冷却固化させ、前記ポリアリーレンスルフィド樹脂(a)と前記溶媒(b)とを相分離させる工程3、
前記ポリアリーレンスルフィド樹脂が溶解ないし膨潤しない溶媒で、かつ前記溶媒(b)と相溶する溶媒(c)を用いて、得られた押出物から前記溶媒(b)を除去して多孔質体を得る工程4、
前記多孔質体に、ポリアリーレンスルフィド樹脂が溶解ないし膨潤しない溶媒(d)中で外部から均一な剪断力を加えることにより微粒子にする工程5、
を必須工程として有する。以下、詳述する。
本発明の製造方法は、まず始めに、300℃における溶融粘度が500〔Pa・s〕以下のポリアリーレンスルフィド樹脂(a)と、融点が100℃以下で、ハンセン溶解パラメータが24.0〜48.0〔MPa1/2〕の範囲で、かつ該ポリアリーレンスルフィド樹脂を溶解可能な溶媒(b)とを加熱溶解させて相溶した溶解物を得る工程(以下、工程1と言うことがある)を有する。
ここで、本発明に使用する300℃における溶融粘度が500〔Pa・s〕以下のポリアリーレンスルフィド樹脂(a)は、芳香族環と硫黄原子とが結合した構造を繰り返し単位とする樹脂構造を有するものであり、具体的には、下記式(1)
Figure 0006610959
(式中、R及びRは、それぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、ニトロ基、アミノ基、フェニル基、メトキシ基、エトキシ基を表す。)で表される構造部位と、下記式(2)
Figure 0006610959
で表される3官能性の構造部位と、を繰り返し単位とする樹脂である。下記式(8)で表される3官能性の構造部位は、他の構造部位との合計モル数に対して、0.001〜3モル%が好ましく、特に0.01〜1モル%であることが好ましい。
ここで、前記式(1)で表される構造部位は、特に該式中のR及びRは、前記ポリアリーレンスルフィド樹脂(A)の機械的強度の点から水素原子であることが好ましく、その場合、下記式(3)で表されるパラ位で結合するもの、及び下記式(4)で表されるメタ位で結合するものが挙げられる。
Figure 0006610959
これらの中でも、特に繰り返し単位中の芳香族環に対する硫黄原子の結合は前記構造式(3)で表されるパラ位で結合した構造であることが前記ポリアリーレンスルフィド樹脂の耐熱性や結晶性の面で好ましい。
また、前記ポリアリーレンスルフィド樹脂(a)は、前記式(1)や式(2)で表される構造部位のみならず、下記の構造式(5)〜(8)
Figure 0006610959
で表される構造部位を、前記式(1)と式(2)で表される構造部位との合計の30モル%以下で含んでいてもよい。特に本発明では上記式(5)〜(8)で表される構造部位は10モル%以下であることが、ポリアリーレンスルフィド樹脂の耐熱性、機械的強度の点から好ましい。前記ポリアリーレンスルフィド樹脂(a)中に、上記式(5)〜(8)で表される構造部位を含む場合、それらの結合様式としては、ランダム共重合体、ブロック共重合体の何れであってもよい。
また、前記ポリアリーレンスルフィド樹脂(a)は、その分子構造中に、ナフチルスルフィド結合などを有していてもよいが、他の構造部位との合計モル数に対して、3モル%以下が好ましく、特に1モル%以下であることが好ましい。
前記ポリアリーレンスルフィド樹脂(a)の製造方法としては、特に限定されないが、例えば1)硫黄と炭酸ソーダの存在下でジハロゲノ芳香族化合物を、必要ならばポリハロゲノ芳香族化合物ないしその他の共重合成分を加えて、重合させる方法、2)極性溶媒中でスルフィド化剤等の存在下にジハロゲノ芳香族化合物を、必要ならばポリハロゲノ芳香族化合物ないしその他の共重合成分を加えて、重合させる方法、3)p−クロルチオフェノールを、必要ならばその他の共重合成分を加えて、自己縮合させる方法、等が挙げられる。これらの方法のなかでも、2)の方法が汎用的であり好ましい。反応の際に、重合度を調節するためにカルボン酸やスルホン酸のアルカリ金属塩を添加したり、水酸化アルカリを添加しても良い。上記2)方法のなかでも、加熱した有機極性溶媒とジハロゲノ芳香族化合物とを含む混合物に含水スルフィド化剤を水が反応混合物から除去され得る速度で導入し、有機極性溶媒中でジハロゲノ芳香族化合物とスルフィド化剤とを、必要に応じてポリハロゲノ芳香族化合物と加え、反応させること、及び反応系内の水分量を該有機極性溶媒1モルに対して0.02〜0.5モルの範囲にコントロールすることによりポリアリーレンスルフィド樹脂を製造する方法(特開平07−228699号公報参照。)や、固形のアルカリ金属硫化物及び非プロトン性極性有機溶媒の存在下でジハロゲノ芳香族化合物と必要ならばポリハロゲノ芳香族化合物ないしその他の共重合成分を加え、アルカリ金属水硫化物及び有機酸アルカリ金属塩を、硫黄源1モルに対して0.01〜0.9モルの有機酸アルカリ金属塩および反応系内の水分量を非プロトン性極性有機溶媒1モルに対して0.02モルの範囲にコントロールしながら反応させる方法(WO2010/058713号パンフレット参照。)で得られるものが特に好ましい。ジハロゲノ芳香族化合物の具体的な例としては、p−ジハロベンゼン、m−ジハロベンゼン、o−ジハロベンゼン、2,5−ジハロトルエン、1,4−ジハロナフタレン、1−メトキシ−2,5−ジハロベンゼン、4,4’−ジハロビフェニル、3,5−ジハロ安息香酸、2,4−ジハロ安息香酸、2,5−ジハロニトロベンゼン、2,4−ジハロニトロベンゼン、2,4−ジハロアニソール、p,p’−ジハロジフェニルエーテル、4,4’−ジハロベンゾフェノン、4,4’−ジハロジフェニルスルホン、4,4’−ジハロジフェニルスルホキシド、4,4’−ジハロジフェニルスルフィド、及び、上記各化合物の芳香環に炭素原子数1〜18のアルキル基を核置換基として有する化合物が挙げられ、ポリハロゲノ芳香族化合物としては1,2,3−トリハロベンゼン、1,2,4−トリハロベンゼン、1,3,5−トリハロベンゼン、1,2,3,5−テトラハロベンゼン、1,2,4,5−テトラハロベンゼン、1,4,6−トリハロナフタレンなどが挙げられる。また、上記各化合物中に含まれるハロゲン原子は、塩素原子、臭素原子であることが望ましい。
重合工程により得られたポリアリーレンスルフィド樹脂を含む反応混合物の後処理方法としては、特に制限されるものではないが、例えば、(1)重合反応終了後、先ず反応混合物をそのまま、あるいは酸または塩基を加えた後、減圧下または常圧下で溶媒を留去し、次いで溶媒留去後の固形物を水、反応溶媒(又は低分子ポリマーに対して同等の溶解度を有する有機溶媒)、アセトン、メチルエチルケトン、アルコール類などの溶媒で1回または2回以上洗浄し、更に中和、水洗、濾過および乾燥する方法、或いは、(2)重合反応終了後、反応混合物に水、アセトン、メチルエチルケトン、アルコール類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素などの溶媒(使用した重合溶媒に可溶であり、且つ少なくともポリアリーレンスルフィドに対しては貧溶媒である溶媒)を沈降剤として添加して、ポリアリーレンスルフィドや無機塩等の固体状生成物を沈降させ、これらを濾別、洗浄、乾燥する方法、或いは、(3)重合反応終了後、反応混合物に反応溶媒(又は低分子ポリマーに対して同等の溶解度を有する有機溶媒)を加えて撹拌した後、濾過して低分子量重合体を除いた後、水、アセトン、メチルエチルケトン、アルコール類などの溶媒で1回または2回以上洗浄し、その後中和、水洗、濾過および乾燥をする方法、(4)重合反応終了後、反応混合物水を加えて水洗浄、ろ過、必要に応じて水洗浄の時に酸を加えて酸処理し、乾燥をする方法、(5)重合反応終了、反応混合物をろ過し、必要に応じ、反応溶媒で1回または2回以上洗浄し、更に水洗浄、ろ過および乾燥する方法、等が挙げられる。
尚、上記(1)〜(5)に例示したような後処理方法において、ポリアリーレンスルフィド樹脂の乾燥は真空中で行なってもよいし、空気中あるいは窒素のような不活性ガス雰囲気中で行なってもよい。
また、ポリアリーレンスルフィド樹脂は、酸素濃度が5〜30体積%の範囲の酸化性雰囲気中あるいは減圧条件下で熱処理を行い、酸化架橋させることもできる。
本発明に用いるポリアリーレンスルフィド樹脂(a)は、300℃で測定した溶融粘度(V6)が500〔Pa・s〕以下の範囲のものであれば特に限定されるものではないが、20〜500〔Pa・s〕の範囲が好ましく、さらに90〜350〔Pa・s〕の範囲がより好ましい。また、本発明のポリアリーレンスルフィド樹脂は、300℃における溶融粘度が500〔Pa・s〕以下のものであれば、特に限定されるものではないが、その非ニュートン指数が0.90〜1.25の範囲のものを用いることが好ましく、さらに0.95〜1.20の範囲がさらに好ましい。
ただし、300℃で測定した溶融粘度(V6)とは、フローテスターを用いて、温度300℃、荷重1.96MPa、オリフィス長とオリフィス径との、前者/後者の比が10/1であるオリフィスを使用して6分間保持した後の溶融粘度を表す。また、非ニュートン指数(N値)は、キャピログラフを用いて300℃、オリフィス長(L)とオリフィス径(D)の比、L/D=40の条件下で、剪断速度及び剪断応力を測定し、下記式を用いて算出した値である。
Figure 0006610959
[ただし、SRは剪断速度(秒−1)、SSは剪断応力(ダイン/cm)、そしてKは定数を示す。]N値は1に近いほどポリアリーレンスルフィドは線状に近い構造であり、N値が高いほど架橋が進んだ構造であることを示す。
本発明に用いるポリアリーレンスルフィド樹脂(a)は、300℃における溶融粘度が200〔Pa・s〕以下のものであれば、特に限定されるものではないが、優れたイオン交換能を有する点からカルボキシ基またはメタルカルボキシレート基を30〜80〔μmol/g〕なる割合で有するものを用いることが好ましく、さらに40〜75〔μmol/g〕なる範囲のものがより好ましく、特に50〜70〔μmol/g〕の範囲のものがさらに好ましい。なお、本発明において、メタルカルボキシレート基は、カルボン酸金属塩に由来する1価の基、すなわち−COOM(ただし、Mは金属原子を表す。)で表される1価の基を意味するものとし、さらにカルボキシ基またはメタルカルボキシレート基の含有量は樹脂組成物1g中の、COOH基とCOOM基(ただし、Mはアルカリ金属原子を表す。)の合計モル数で示され、その単位はμmol/gで表されるものとする。
次に、前記溶媒(b)としては、融点が100℃以下で、かつポリアリーレンスルフィド樹脂を溶解可能な溶媒であれば特に限定されるものではないが、融点が100℃以下で、ハンセン溶解パラメータ(以下、SP値ということがある)が24.0〜48.0〔MPa1/2〕の範囲の溶媒が、前記ポリアリーレンスルフィド樹脂(a)を分子レベルで相溶させることができるため、好ましい溶媒として挙げられる。ただし、本発明で用いるハンセン溶解パラメータは、溶媒とポリアリーレンスルフィド樹脂の親和性を評価するために用いられるパラメータであり、溶剤の溶解パラメータを定義する方法として当業者には良く知られており、例えば「INDUSTRIAL SOLVENTSHANDBOOK」(pp.35−68、Marcel Dekker, Inc.、1996年発行)や、「HANSEN SOLUBILITY PARAMETERS:A USER’S HANDBOOK」(pp.1−41,CRC Press,1999)「DIRECTORYOF SOLVENTS」(pp.22−29、Blackie Academic & Professional、1996年発行)などに記載されている。本発明においてハンセン溶解度パラメータは、溶媒の化学構造に基づいてハンセン溶解度パラメータを算出してもよいし、また前記参考文献中に記載された値のものを用いてもよい。溶媒の化学構造に基づいてハンセン溶解度パラメータを算出する場合には、HSPソフトに溶媒の構造式を入力して、計算することができる。具体的には、チャールズハンセンらによって開発されたソフトフェア(ソフト名:Hansen Solubility Parameter in Practice(HSPiP)Version 3.0.38)で求めることができる。算出は、溶媒温度を25℃として行うものとする。
このような溶媒(b)として、具体的にはベンゾフェノン、ジフェニルエーテル、ジフェニルスルフィド、4,4’−ジブロモビフェニル、1−フェニルナフタレン、2,5−ジフェニル−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ジフェニルオキサゾール、トリフェニルメタノール、N,N−ジフェニルホルムアミド、ベンジル、アントラセン、4−ベンゾイルビフェニル、ジベンゾイルメタン、2−ビフェニルカルボン酸、ジベンゾチオフェン、ペンタクロロフエノール、1−ベンジル−2−ピロリジオン、9−フルオレノン、2−ベンゾイルナフタレン、1−ブロモナフタレン、1,3−ジフェノキシベンゼン、フルオレン、1−フェニル−2−ピロリジノン、1−メトキシナフタレン、1−エトキシナフタレン、1,3−ジフェニルアセトン、1,4−ジベンゾイルプタン、フェナントレン、4−ベンゾイルビフェニル、1,1−ジフェニルアセトン、0,0’−ビフェノール、2,6−ジフェニルフェノール、トリフェニレン、2−フェニルフェノール、チアントレン、3−フェノキシベンジルアルコール、4−フェニルフェノール、9,10−ジクロロアントラセン、トリフェニルメタン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、9,10−ジフェニルアントラセン、フルオランテン、ジフェニルフタレート、ジフェニルカルボネート、2,6−ジメトキシナフタレン、2,7−ジメトキシナフタレン、4−ブロモジフェニルエーテル、ピレン、9,9’−ビ−フルオレン、4,4’−イソプロピルリデン−ジフェノール、イプシロン−カプロラクタム、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、ジフェニルイソフタレート及びジフェニルーターフタレート、1−クロロナフタレンからなる群から選ばれる1種以上の溶媒が挙げられる。
このうち、沸点が255℃以上と高く、SP値がポリアリーレンスルフィド樹脂(SP値42.2)に近く、相溶性が優れることから好ましい。例えば、ベンゾフェノン(SP値41.2)、ジフェニルエーテル(SP値40.0)、ジフェニルスルフィド(SP値40.2)、1,3−ジフェニルアセトン(SP値42.4)、4−ブロモジフェニルエーテル(SP値44.7)、4−ブロモビフェニル(SP値42.4)、2−ベンゾイルナフタレン(SP値45.1)、2−フェニルフェノール(SP値46.8)からなる群から選ばれる1種以上の溶媒であることが好ましい。特に、常温で固体であることからベンゾフェノン、1,3−ジフェニルアセトン、4−ブロモビフェニル、2−ベンゾイルナフタレン、2−フェニルフェノールが好ましい。
常温(23℃)で固体である溶媒を用いると、例えば液浴や冷却ロールに落とした際にすぐに固化し、溶媒相の液浴や冷却ロールへの流出が無いため、表面に固化した溶媒相が形成するため好ましい。表面に固化した溶媒相が形成すると、次に、その溶媒をアセトン等で抽出除去することによって、外表面に孔が形成し貫通孔が出来やすくなる。
さらに上記ポリアリーレンスルフィド樹脂(a)と前記溶媒(b)に加え、本発明の特性を損ねない範囲で他の添加剤、例えば、耐熱安定剤、耐酸化安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、滑材、顔料、染料、有機ないし無機の微粒子、充填材、核剤などを配合することもできる。
工程1は、前記ポリアリーレンスルフィド樹脂(a)と、前記溶媒(b)とを加熱溶解させて相溶した溶解物を得る。ここで、前記ポリアリーレンスルフィド樹脂(a)と前記溶媒(b)との加熱溶解は、非酸化性雰囲気下で行っても良い。なお、非酸化性雰囲気とは気相の酸素濃度が5体積%以下、好ましくは2体積%以下、更に好ましくは酸素を実質的に含有しない雰囲気、即ち窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガス雰囲気であることを指す。また、加熱溶解の温度としては、前記溶媒(b)の融点以上の範囲であるが、200〜350〔℃〕の範囲であることが好ましい。
さらに、前記ポリアリーレンスルフィド樹脂(a)と前記溶媒(b)との配合割合は、前記ポリアリーレンスルフィド樹脂(a)と前記溶媒(b)の合計100質量部に対して、ポリアリーレンスルフィド樹脂(a)が1〜90質量部の範囲で、かつ前記溶媒(b)が、99〜10質量部の範囲であることが好ましく、さらにポリアリーレンスルフィド樹脂(a)が5〜50質量部の範囲で、かつ前記溶媒(b)が、95〜50質量部の範囲であることがより好ましい。前記ポリアリーレンスルフィド樹脂(a)が1質量部以上であれば流体粘度が均質となるため好ましく、また、生産性の観点から5質量部以上がより好ましく、一方、99質量部以下、より好ましくは95質量部以下だと、微細孔が形成しやすくなるため好ましい。
前記加熱溶解は、公知の混練技術および混練装置や撹拌混合技術および撹拌混合装置が利用できる。具体的には、加熱装置を有する、一軸押出機、二軸混練押出機や攪拌翼付きの混合槽、溶解槽などが使用できる。
続いて、本発明は、前記工程1で得られた溶解物を押し出す工程(以下、工程2と言うことがある)を有する。溶解物は、押出機先端や溶解槽の釜底に取り付けたヘッドと呼ばれる部分に導かれ、押し出される。必要に応じて空気加圧や窒素加圧が行われる。このヘッド内の押出し口には、溶解物を所定の形状に押し出すための口金を装着することで溶解物を押し出すことができる。口金としてはストランドダイやTダイ、中空糸成形用紡糸口等を用いることができる。
続いて、本発明は、工程2で押し出した押出物を冷却固化させ、前記ポリアリーレンスルフィド樹脂(a)と前記溶媒(b)とを相分離させる工程(以下、工程3と言うことがある)を有する。
工程3では、前記工程2のヘッドから空中に押し出された溶解物が液浴に浸漬してポリアリーレンスルフィド樹脂(a)が固化する温度まで冷却されることで、熱誘起相分離が生じることとなる。液浴により冷却する場合、液浴の組成は、押出物と反応性を有さない液体でれば特に限定されることはなく、水、エチレングリコール、プロピレングリコールなどが挙げられるが、通常は冷却能力が高い水を用いることが好ましい。また、押出物が240〔℃〕以下の範囲、好ましくは230〔℃〕以下の範囲、さらに好ましくは20〜90〔℃〕以下の範囲となる様、液浴の温度を90〔℃〕以下、好ましくは−10〜80〔℃〕の範囲、さらに好ましくは−10〜30〔℃〕の範囲で、かつ、用いる液体の熱容量を加味して、溶解物を前記温度範囲まで冷却するに十分な量を用いればよい。
また、冷却固化する際の冷却速度は、特に限定されるものではないが、溶解物が、その溶解温度〔℃〕から液浴通過中に20〔℃〕以下まで冷却する間に要した時間〔秒〕として算出される値と定義した時に、50〜500〔℃/秒〕の範囲であることが好ましく、さらに100〜200〔℃/秒〕の範囲であることがより好ましい。50〔℃/秒〕以上であれば、微細孔が形成可能なため好ましい。一方、500〔℃/秒〕以下であれば、温度調整が安定的にできるため好ましい。
なお、ヘッドから空中に押し出された溶解物が、液浴に導かれるまでの間に、エアーギャップにより冷却されるため、ヘッドから空中に押し出された溶解物が、液浴に導かれるまでの時間は0.1〜60〔秒〕の範囲であることが好ましい。0.1〔秒〕以上であれば温度調整が安定的にできるため好ましく、一方、60〔秒〕以下であれば、外表面の開孔性が向上し、微細な貫通孔が形成可能なため好ましい。
本発明は、工程3で冷却固化させた押出物を、続いて、前記ポリアリーレンスルフィド樹脂が溶解ないし膨潤しない溶媒で、かつ前記溶媒(b)と相溶する溶媒(c)を用いて、得られた押出物から前記溶媒(b)を除去して多孔質体を得る工程(以下、工程4と言うことがある)を有する。
工程4において、押出物中の前記溶媒(b)の除去は、ポリアリーレンスルフィド樹脂を溶解または膨潤させずかつ溶媒(b)と相溶する、揮発性の溶媒(c)で抽出除去し、その後乾燥して押出物中に残存する前記溶媒(c)を揮発除去することで実施できる。このような溶媒(c)の例としては、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン、メタノール、エタノール等の脂肪族アルコール、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素、塩化メチレン、四塩化炭素等の塩素化炭化水素、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、Nメチルピロリドン等のアミドなどを挙げることができる。
このように前記ポリアリーレンスルフィド樹脂(a)と、融点が100℃以下で、かつ該ポリアリーレンスルフィド樹脂を溶解可能な溶媒(b)、特に好ましくは特定範囲のハンセン溶解パラメータを有する溶媒(b)を組合せることによって、冷却固化後の押出物表面および内部に微細形状の溶媒(b)の固化相を形成させることができ、さらに、溶解物を急冷固化させることで、外表面の溶媒(b)の蒸発を防ぎ、外表面に溶媒(b)の固化相を残して、孔の閉塞を抑制できることから、続く溶媒(b)の除去工程を経て、微細孔を有するポリアリーレンスルフィド樹脂の多孔質体を得ることができる。
本発明は、工程4で得られた多孔質体に、ポリアリーレンスルフィド樹脂が溶解ないし膨潤しない溶媒(d)中で外部から均一な剪断力を加えることにより微粒子にする工程(以下、工程5と言うことがある)を有する。
工程5は、外部から加える均一な剪断力としては、超音波照射、低周波振動による音波エネルギーによる方法や、マイクロミキサーを用いて攪拌混合・分散させる方法、メッシュ等の分級手段に通すことで微粒子化する等の方法が挙げられるが、好ましくは、超音波照射、低周波振動などの音波エネルギーによる方法が挙げられ、特に好ましくは超音波照射が挙げられる。
超音波照射を行う場合、照射エネルギーは、前記多孔質体を微粒子化可能なエネルギーであれば特に限定されないが、通常1.0×10〜1.0×1010〔W/m〕、好ましくは、1.0×10〜1.0×10〔W/m〕の範囲である。超音波照射を行う場合、周波数は同一のままでも、または異なる周波数を順次照射してもよく、その場合は、低い周波数から高い周波数へと周波数を上げたり、逆に、高い周波数から低い周波数へと周波数を下げたり、またはそれらを交互に行ったりすることができる。超音波照射は1回または複数回に分けて行ってもよい、複数回行う場合、その回数は、分散が完了するまで何回行ってもよいが、2〜100回が好ましく、2〜10回がより好ましい。このような超音波照射装置としては公知のものを用いることができ、例えば、超音波ホモジナイザー、超音波洗浄機などが挙げられる。
前記多孔質体に、外部から均一な剪断力を加える際の前記溶媒(d)の温度は、溶媒が凝固または蒸発することなく流動性を保てる温度であれば特に限定されるものではないが、通常1〜60℃の範囲で行うことが好ましく、10〜55℃の範囲で行うことがより好ましく、室温で行うことがさらに好ましい。工程5において、微多孔質化された微粒子中に含まれる前記溶媒(d)の除去は、公知の方法でよく、特に限定されるものではないが、例えば、前記溶媒中で撹拌・分散等を行い、微粒子の凝集を防止しながら、加熱により溶媒を蒸発させ除去させればよい。例えば、加熱方法も公知の方法でよく、例えば、溶媒漕をオイルバスやウォーターバスにより加熱する方法や、マイクロ波照射により加熱する方法等が挙げられる。
工程5で使用するポリアリーレンスルフィド樹脂が溶解ないし膨潤しない溶媒(d)としては、アセトン、メタノール、エタノール等の脂肪族アルコール、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素、塩化メチレン、四塩化炭素等の塩素化炭化水素、メチルエチルケトン、水などを挙げることができる。
また、工程5では、多孔質体の再凝集を防止する観点から、溶媒中に界面活性剤を添加することもできる。添加する界面活性剤としては、使用する溶媒(d)に溶解するものであれば、公知の界面活性剤であれば特に限定することなく用いることができ、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性イオン界面活性剤、非イオン系界面活性剤、いずれのものであってもよい。
アニオン系界面活性剤としては、脂肪酸ナトリウム、脂肪酸カリウム、アルキル硫酸エステルナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム、アルキルスルホン酸ナトリウム、アルケニルコハク酸ジカリウム、アルキルエーテル硫酸ナトリウム、モノアルキルリン酸カリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸カリウム、脂肪酸エステルスルホン酸ナトリウム、脂肪酸エステル硫酸エステルナトリウム、脂肪酸アルキロースアミド硫酸エステルナトリウム、脂肪酸アミドスルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。カチオン系界面活性剤としては、塩化アルキルメチルアンモニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、塩化アルキルジメチルベンジルアンモニウム、塩化アルキルピリジニウムなどが挙げられる。両性イオン界面活性剤としては、アルキルアミノカルボン酸塩、カルボキシベタイン、アルキルベタイン、スルホベタイン、ホスホベタインなどが挙げられる。非イオン系界面活性剤としては、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンラノリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリコールモノ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンモノベンジルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンジベンジルフェニルエーテル、ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンモノスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンビフェニルエーテル、ポリオキシエチレンフェノキシフェニルエーテル、ポリオキシエチレンクミルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、脂肪酸アルカノールアミド、脂肪酸モノエタノールアミド、脂肪酸ジエタノールアミド、脂肪酸トリエタノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアルカノールアミドなどが挙げられる。なお、ここでいうアルキルを例示するならば炭素数1から30までの直鎖型飽和炭化水素基、または分岐型飽和炭化水素基が挙げられる。アルキルの代わりに直鎖型不飽和炭化水素基、または分岐型不飽和炭化水素基であってもよい。
界面活性剤の使用量は、多孔質体1質量部に対して、0.01〜5質量部の範囲であることが好ましく、さらに0.01〜1質量部であることがより好ましい。
工程4で用いる溶媒(c)と工程5で用いる溶媒(d)とで同じ溶媒を使用し、かつ超音波照射を行う場合には、工程4と工程5は同時に行うことができる。すなわち、前記ポリアリーレンスルフィド樹脂が溶解ないし膨潤しない溶媒で、かつ前記溶媒(b)と相溶する溶媒(cまたはd)を用いて、得られた押出物から前記溶媒(b)を除去して多孔質体を得ながら、かつ、前記多孔質体に、外部から超音波照射を行うことにより微粒子にすることができる。
上記製造方法によって得られた前記ポリアリーレンスルフィド樹脂(a)からなる微多孔質微粒子は、SEM観察による平均粒子径が100〔nm〕以上、かつ100〔μm〕未満の範囲であり、より好ましくは250〔nm〕以上、かつ50〔μm〕以下の範囲であり、さらに好ましくは400〔nm〕以上、かつ20〔μm〕以下の範囲である。
また、本発明の微多孔質微粒子の表面積は特に限定されるものではないが、BET比表面積3〜300〔m/g〕の範囲であることが好ましく、55〜200〔m/g〕の範囲であることがより好ましく、85〜150〔m/g〕の範囲であることがさらに好ましく、90〜120〔m/g〕の範囲であることが最も好ましい。
さらに、本発明の微多孔質微粒子の表面平均孔径は、表面のSEM観察結果から、0.005〜1.5〔μm〕の範囲であり、好ましくは0.01〜1.1〔μm〕の範囲である。さらに内部平均孔径は0.01〜2.0〔μm〕の範囲であり、好ましくは0.1〜1.5〔μm〕の範囲である。
また、本発明の微多孔質微粒子の空孔率は20〜80%の範囲であり、より好ましくは45〜95%の範囲である。
また、本発明の微多孔質微粒子の形状として、例えば、真球状、略球状、針状、板状、鱗片状、まゆ状などの形状で得ることができる。
本発明の微多孔質微粒子は、耐熱性、耐薬品性に優れるだけでなく、表面積が大きく、かつ表面平均孔径が小さいことから、多孔質に基づく各種機能、例えば、吸油量が高いだけでなく、さらに、カルボキシ基またはメタルカルボキシレート基の濃度の高いポリアリーレンスルフィド樹脂を原料として製造されることで、優れたイオン交換能を有する。このため、エレクトロニクス分野における光拡散、偏光解消、研磨補助剤や、印刷分野におけるトナー剤の流動制御剤、さらには化学工業分野における触媒担持体、吸着剤、充填剤として好適に用いることができる。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。これら例は例示的なものであって限定的なものではない。
(ポリフェニレンスルフィド樹脂のカルボキシ基濃度の測定)
ポリフェニレンスルフィド樹脂を350℃、荷重10MPa、60秒でプレスしたのち、60秒かけて25℃まで急冷することによって非晶性を示すフィルムを作成した。得られた非晶性を示すフィルムを、フーリエ変換赤外分光装置(以下「FT−IR装置」と略記する。) を用いて測定した。赤外吸収スペクトルのうち630.6cm−1の吸収に対する1705cm−1の吸収の相対強度を求め、別途後述する方法により作成した検量線を用いて測定サンプル中のカルボキシ基の含有量(以下「カルボキシ基の全含有量」と略記する。)を求めた。カルボキシ基の含有量は樹脂組成物1g中のモル数で示され、その単位はμmol/gで表される。検量線の作成方法は酸処理を行わずにカルボン酸塩を分子鎖に含有するポリアリーレンスルフィド樹脂3gに所定量の4−クロロフェニル酢酸を加え良く混合したのち、前記と同じようにしてフィルムを作成し、FT−IR装置で測定を行い、カルボキシ基含有量に対する、前記吸収の相対強度比をプロットした検量線を作成した。
(ポリフェニレンスルフィド樹脂のカルボン酸塩濃度の測定)
下記方法に従い、ポリフェニレンスルフィド樹脂のカルボン酸塩をカルボキシ基に変換し、カルボキシ基濃度を測定することにより、カルボン酸塩濃度を定量した。
ポリフェニレンスルフィド樹脂50gに純水200gを加え、よく撹拌して、スラリー化したのち、酢酸でpH4.5に調整した。このスラリー全量を500mlオートクレーブに仕込み200℃で30分間加熱撹拌を行い、冷却してスラリーを得た。得られたスラリーに酢酸を加え、pH4.5に調整して1時間撹拌を行ったのち、濾過し、温水で洗浄を繰り返し、120℃熱風循環乾燥機で5時間乾燥を行った。得られたポリマーのカルボキシ基濃度を測定した。
(ポリフェニレンスルフィド樹脂の溶融粘度の測定)
参考例で製造したポリフェニレンスルフィド樹脂を島津製作所製フローテスター、CFT−500Cを用い、300℃、荷重:1.96×10Pa、L/D=10/1にて、6分間保持した後に測定した。
(微多孔質微粒子の空孔率の測定)
以下の式を用いて空孔率を算出した。
Figure 0006610959
式中の記号は以下の通りである。
A:空孔率(%)
Wwet:溶媒相を除去する前の重量、
Wdry:溶媒相を除去した後の重量、
ρpoly:ポリマーの密度
ρsol:溶媒の密度
(微多孔質微粒子のイオン交換能の測定)
イオン交換能としてイオン交換値(IEC値)を測定した。イオン交換値(IEC値)は、塩酸滴定(京都電子工業株式会社製 AT−510)により行った。試料を0.01M/Lの水酸化ナトリウム50mlに攪拌しながら1日浸した。その後試料の入った水酸化ナトリウムを、0.05M/Lの塩酸を用いて滴定し、その滴定量から、下記の式を用いてIEC値を算出した。
Figure 0006610959
ただし、Vは塩酸滴定量(ml)を表し、かつ第二当量点での滴下量から第一当量点での滴下量を差し引いた値とする。Wは試料の質量(g)である。
(微多孔質微粒子のBET比表面積の測定)
BET比表面積の測定にはオートソーブ(Quantachrome Instruments社製「AUTOSORB−1」)を使用した。試料をセルに入れた後、脱気した後ヘリウム置換、冷却し、窒素置換させることによってBET比表面積を測定した。
(微多孔質微粒子の微粒子化の判定、表面平均孔径および平均粒子径の測定)
実施例で得られたポリフェニレンスルフィド樹脂微多孔質微粒子をSEM観察して表面の孔径測定を行った。表面観察では試料(ストランド状)の表面にプラチナ蒸着を施し、観察および孔径測定を行った。内部観察においては、試料を液体窒素で凍結させた後破壊し、その破壊面をプラチナ蒸着させ、観察し、微粒子化の判定、表面平均孔径の測定および平均孔径の測定を行った。観察結果から、粒径が均一であるものを「○」、粒径が不均一であるもの、ないし、凝集体が存在しているものを「×」と判定した。また、表面平均孔径は、SEM測定で得られた画像上(10000倍に拡大)で、任意の10箇所の孔を選択し、それら10箇所の孔径の平均値を試験片の平均孔径とした。また、平均粒子径は、SEM測定で得られた画像上(5000倍に拡大)で任意の10個の粒子を選択し、それら10個の粒子径の平均値を試験片の平均粒子径とした。
(微多孔質微粒子の吸油量の測定)
日本工業規格 JIS 5101−13−1(吸油量 精製あまに油法)に基づき行った。
(参考例1)カルボキシ基含有ポリフェニレンスルフィド樹脂(PPS−1)の製造
圧力計、温度計、コンデンサを連結した撹拌翼および底弁付き150リットルオートクレーブに、45%水硫化ソーダ(47.55重量%NaSH)14.148kg、48%苛性ソーダ(48.8重量%NaOH)9.541kgと、N−メチル−2−ピロリドン38.0kgを仕込んだ。窒素気流下攪拌しながら209℃まで昇温して、水12.150kgを留出させた(残存する水分量はNaSH1モル当り1.13モル)。その後、オートクレーブを密閉して180℃まで冷却し、パラジクロロベンゼン17.464kg及びN−メチル−2−ピロリドン16.0kgを仕込んだ。液温150℃で窒素ガスを用いてゲージ圧で0.1MPaに加圧して昇温を開始した。昇温して260℃になった時点でオートクレーブ上部を散水することで冷却しながら、260℃で2時間反応した。オートクレーブ上部を冷却中、液温が下がらないように一定に保持した。次に降温させると共にオートクレーブ上部の冷却を止めた。反応中の最高圧力は、0.87MPaであった。反応後、冷却し、100℃で底弁を開き、反応スラリーを150リットル平板ろ過機に移送し120℃で加圧ろ過した。得られたケーキに70℃温水50kgを加え撹拌したのち、濾過し、さらに温水25kgを加え濾過した。次に温水25kg加え、酢酸でpHを4.5に調整し、1時間撹拌し、濾過したのち、温水25kgを加え、濾過した。さらに、温水25kgを加え1時間撹拌し、濾過したのち、温水25kgを加えろ過する操作を2回繰り返した。得られたケーキを熱風循環乾燥機を用いて120℃で15時間乾燥し、PPS−1を得た。得られたポリマーの溶融粘度52Pasで、カルボキシ基含有量は76.1μmol/gであった。
(参考例2)カルボキシ基含有ポリフェニレンスルフィド樹脂(PPS−2)の製造
酢酸でpHを4.5に調整しなかった以外は参考例1と同様にして行い、PPS−2を得た。得られたポリマーの溶融粘度は56Pasであった。得られたポリマーのカルボキシ基含有量を調べるため、得られたポリマー50gに純水200gを加え、よく撹拌して、スラリー化したのち、酢酸でpH4.5に調整した。このスラリー全量を500mlオートクレーブに仕込み200℃で30分間加熱撹拌を行い、冷却してスラリーを得た。得られたスラリーのpHは6.2であったため、さらに酢酸でpH4.5に調整して1時間撹拌を行ったのち、濾過し、温水で洗浄を繰り返し、120℃熱風循環乾燥機で5時間乾燥を行った。得られたポリマーのカルボキシ基含有量は70.8μmol/gであった。
(実施例1〜13、比較例1〜4)
・工程1
表1〜4に記載した組成分、配合比でポリアリーレンスルフィド樹脂と、溶媒とを混ぜ合わせた後、小型二軸押出機(DSM Xplore社製「Compounder15」)を用いて混練温度270 ℃、回転数250rpm、滞留時間1分にて混練を行い、ポリアリーレンスルフィド樹脂と溶媒が相溶した溶融物となったことを確認した。
・工程2
続いて、前記小型二軸押出機に取り付けたヘッドから溶融物を押し出した。
・工程3
押し出した押出物は3.5cmのエアーギャップを通過させた後、20℃のイオン交換水を充分量満たした液浴へ導き、冷却固化させた。なお、この冷却固化課程では、押出物を270℃から20℃まで1.25〔秒〕または2.5〔秒〕で冷却固化させ、冷却速度が200〔℃/秒〕または100〔℃/秒〕となるよう調整した。
・工程4および工程5
その後、得られた押出物をアセトンに浸しながら30℃の超音波洗浄機(AS ONE株式会社 US CLEANER USD−4R)に30分かけ、溶媒相を除去しながら微粒子化多孔質体を得た。
その後、50℃の真空乾燥機を用いて3時間乾燥して、微粒子状のポリアリーレンスルフィド樹脂多孔質体を得た。得られたポリアリーレンスルフィド樹脂微多孔質微粒子について各測定を行った結果を表1〜4に記載した。
Figure 0006610959
※表中の記号は次のものを表す。DPK:ベンゾフェノン
Figure 0006610959
Figure 0006610959
比較例1、2のものは微多孔質微粒子の製造時にPPS/DPKの組成比を100/0としたところ、多孔質体が得られず、表面積およびイオン交換能が小さかった。比較例3のものはPPSの組成が多いために超音波をかけても微粒子化しなかった。比較例3は微多孔質微粒子の製造時、工程1の加熱温度を250℃としたため相溶した溶解物が得られなかったため、相分離が生じず、微粒子化できなかった。
(参考例3)カルボキシ基含有ポリフェニレンスルフィド樹脂(PPS−3)の製造
圧力計、温度計、コンデンサ−を連結した撹拌翼および底弁付き150リットルオートクレーブに、45%水硫化ソーダ(47.55重量%NaSH)14.148kg、48%苛性ソーダ(48.7重量%NaOH)9.474kgと、N‐メチル‐2‐ピロリドン38.0kgを仕込んだ。窒素気流下攪拌しながら209℃まで昇温して、水12.150kgを留出させた(残存する水分量はNaSH1モル当り1.13モル)。その後、オートクレーブを密閉して180℃まで冷却し、パラジクロロベンゼン17.129kg及びN−メチル−2−ピロリドン16.0kgを仕込んだ。液温150℃で窒素ガスを用いてゲージ圧で0.1MPaに加圧して昇温を開始した。液温220℃で4時間撹拌したのち、昇温して260℃になった時点でオートクレーブ上部を散水することで冷却しながら、260℃で3時間反応した。オートクレーブ上部を冷却中、液温が下がらないように一定に保持した。次に降温させると共にオートクレーブ上部の冷却を止めた。反応中の最高圧力は、0.86MPaであった。反応後、冷却し、100℃で底弁を開き、反応スラリーを150リットル平板ろ過機に移送し120℃で加圧ろ過したのち、撹拌翼付き150リットル真空乾燥機を用いて、減圧下150℃で2時間撹拌してN−メチル−2−ピロリドンを留去した。次に温水25kg加え、酢酸でpHを4.5に調整し、1時間撹拌し、濾過したのち、温水25kgを加え、濾過した。さらに、温水25kgを加え1時間撹拌し、濾過したのち、温水25kgを加えろ過する操作を2回繰り返した。得られたケーキを熱風循環乾燥機を用いて120℃で15時間乾燥した。得られたポリフェニレンスルフィド樹脂(PPS−3)の溶融粘度(V6)は122〔Pa・s〕であり、カルボキシ基含有量は68.2μmol/gであった。
(実施例14〜18)
・工程1
表4に記載した組成分、配合比でポリアリーレンスルフィド樹脂と、溶媒とを混ぜ合わせた後、小型二軸押出機(DSM Xplore社製「Compounder15」)を用いて混練温度270 ℃、回転数250rpm、滞留時間1分にて混練を行い、ポリアリーレンスルフィド樹脂と溶媒が相溶した溶融物となったことを確認した。
・工程2
続いて、前記小型二軸押出機に取り付けたヘッドから溶融物を押し出した。
・工程3
押し出した押出物は3.5cmのエアーギャップを通過させた後、20℃のイオン交換水を充分量満たした液浴へ導き、冷却固化させた。なお、この冷却固化課程では、押出物を270℃から20℃まで1.25〔秒〕または2.5〔秒〕で冷却固化させ、冷却速度が200〔℃/秒〕または100〔℃/秒〕となるよう調整した。
・工程4
その後、得られた押出物をアセトンに浸し、溶媒相を除去して多孔質体を得た。
・工程5〜6
得られた多孔質体を、多孔質体の質量の200倍のイオン交換水に加え、更に界面活性剤(サンノプコ株式会社 ノプコウエット50)を多孔質体の質量の10質量%添加し、超音波分散機(Hielscher社製 「UP400S」)に30分かけた。
その後、120℃の乾燥機を用いて3時間乾燥して、微粒子状のポリアリーレンスルフィド樹脂多孔質体を得た。得られたポリアリーレンスルフィド樹脂微多孔質微粒子について各測定を行った結果を表4に記載した。
Figure 0006610959

Claims (3)

  1. 300℃で測定した溶融粘度が500〔Pa・s〕以下のポリアリーレンスルフィド樹脂からなり、平均粒子径が100〔nm〕以上、かつ100〔μm〕未満の範囲である、ポリアリーレンスルフィド樹脂微多孔質微粒子であって、
    JIS 5101−13−1(吸油量 精製あまに油法)に基づく、吸油量が470〜1580〔ml/100g〕の範囲であり、かつ、空孔率が20〜95%の範囲である、ポリアリーレンスルフィド樹脂微多孔質微粒子。
  2. BET比表面積が3〜300〔m/g〕の範囲である請求項1記載のポリアリーレンスルフィド樹脂微多孔質微粒子。
  3. 表面平均孔径が0.005〜1.5〔μm〕の範囲である請求項1又は2に記載のポリアリーレンスルフィド樹脂微多孔質微粒子。
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