JP6606873B2 - 封印シール - Google Patents

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Description

本発明は、封印シールに関し、より詳細には、不正に剥がした際にそれを機械検知と目視とにより判定が可能な封印シールに関する。
貴金属などの貴重品、機密情報が含まれる書類、記録媒体等を収納する包袋、箱体、筐体等の開口部に、不正に開封がなされたか否かを検知するための封印シールを貼付することが行われている。このような封印シールとして、目視で開封の有無を確認できる紙、フイルム等からなるシールが知られている。
例えば、溶剤を使った開封手口に対しては、シールが発色したり、シールに印刷されたパターンが破壊されることにより、開封されたことを検知することができる。また、ドライヤーを使った開封手口に対しては、シールに印刷されたパターンが破壊されたり、シールに設けられた切り込みが破断することにより、開封されたことを検知することができる。さらに、開口部の境目で封印シールを切断する手口に対しては、目視(凝視)により開封されたことを確認することができる。
しかし、上述した封印シールの変化を、目視では確認しづらい場合があり、開封の検知の効率化を図るため、近年、封印シールの機械検知の要望が増えてきている。このような機械検知の方法として、例えば、封印シールに共振回路を内蔵した共振タグを用いることが知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。
開口部の境目で封印シールを切断する手口に対しては、共振回路の配線の一部の断線を、共振回路の共振周波数の電波を用いて機械的に検知することができる。このような共振タグは、基材の一方の面にコイルを形成し、基材を挟んで両方の面に電極を形成してコンデンサとし、共振回路を構成している。従って、基材の表裏の両面に金属配線のための加工が必要なため、生産性が低いという問題点があった。
また、従来の共振タグは、万引き防止を主な用途として用いられている。共振タグが添付された商品が、店舗から不正に持ち出されることを検知するため、店舗の出入り口に設置された検知装置により、共振周波数の電波による共振回路の動作を検知している。従って、正当に商品が購入された場合には、当該商品の共振タグの回路の一部を、店舗で切断するなどして、検知装置により検知されないようにしていた。
特開昭64−23395号公報 特開2005−326623号公報 特開2005−128189号公報
しかしながら、共振タグを、不正に開封がなされたか否かを検知するために使用する場合、共振回路の配線が断線しない程度に、溶剤、ドライヤーを用いて開口部から剥離することができれば、不正を検知することができない。すなわち、共振タグを剥離した後に、再び、同じ共振タグを添付したり、異なる共振タグを貼付することが容易なので、不正な張り替えを検知することができないという問題がある。
本発明の目的は、共振タグの基材の同一面上に、共振回路に加えて光回折層を任意の網点パターンにより配置することにより、機械検知と目視とによる判定が可能な封印シールを提供することにある。
本発明は、このような目的を達成するために、一実施態様は、電気的な検知を行うための、コイルとコンデンサとからなる共振回路を有する封印シールであって、基材の一方の面上に第1の接着層とアンカー層とを有し、前記第1の接着層と前記アンカー層との間に光回折層を有し、前記コイルと前記コンデンサの下部電極とが前記アンカー層上に形成され、前記コンデンサは、前記下部電極、前記下部電極を覆う誘電層、および該誘電層上の上部電極により構成され、前記光回折層は、回折形成層と金属反射層を含み、前記金属反射層は、離間した複数領域の網点パターンであって、50〜110μmの一定のピッチで、直径が30μm以上かつピッチ長さの70%以下の大きさの均一な丸形状からなる主要素が、離間して配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、共振回路に加えて光回折層を設けた封印シールを用いて、機械検知と目視とによる判定が可能となり、精度の高い開封の検知を行うことができる。
本発明の一実施形態にかかる封印シールを示す図である。 本実施形態の封印シールの断面を示す図である。 本実施形態の封印シールのパターン状接着層の形状を示す図である。 本実施形態の封印シールの光回折層の形状を示す図である。 本実施形態の封印シールの光回折層の形状を示す図である。 本実施形態の封印シールの他の実施例を示す図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。
(封印シールの構造)
図1に、本発明の一実施形態にかかる封印シールを示す。図1は、封印シールの上面から見て、基材2を透視した図である。図2は、図1の一点鎖線A−B間の断面を示した図である。封印シール1の製造は、後述するように基材2から剥離層10まで順に積層していくので、基材2が最下層となり、剥離層10が最上層となる。一方、使用時には、剥離層10を取り除き接着層9を被着体に貼り付けるので、基材2が上面となって、目視される。
封印シール1は、基材2の一方の面に脆性処理層となるパターン状接着層11および光回折層12が形成され、その上にアンカー層15が形成されている。光回折層12は、回折形成層13と金属反射層14とから構成されており、詳細は後述する。
アンカー層15の上には、印字8がなされ、その上にコイル3および下部コンデンサ電極4となる導電膜が形成されている。コイル3の外側の接続部分3aにおいて、コイル3と下部コンデンサ電極4とを接続する。印字8は、少なくともコイル3および/または下部コンデンサ電極4の一部と重なるように印字されている。下部コンデンサ電極4を覆うように誘電層5が形成され、その上に上部コンデンサ電極6を形成して、基材2の一方の面上にコンデンサを構成する。コイル3の内側の接続部分3bと上部コンデンサ電極6とを接続するジャンパー線7を設けることにより、電気的な検知を行うための共振回路17を構成する。
さらに、アンカー層15の上の構造物を覆うように、全面に接着層9を設け、最外層として剥離層10を形成して、封印シール1を構成している。このような構成により、従来のように基材の両面に加工をする必要がなく、順次、片面に構造物を積層していくだけでよいので、生産性に優れている。
(基材)
基材2としては、特に限定するものではないが、共振回路17等を支持できる機能を有していればよい。印字8を設ける場合には、基材2の他方の面からの視認が可能なように、透明な基材を用いることが好ましい。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のアクリル系基材、ポリエチレン等のポリオレフィン系基材、ポリエステル系基材、ポリカーボネート系基材など、樹脂系基材を用いることができる。基材の厚さは、20〜200μmとすることができる。
(印字)
印字8の少なくとも一部は、アンカー層15の上において、少なくともコイル3および/または下部コンデンサ電極4の一部と重なるように設けることができる。封印シール1を剥離した際に、破壊された共振回路17の一部を、導電性インキを用いて接続することにより、共振回路17を動作させることができる。印字8を共振回路17と重ねることにより、共振回路17を電気的に動作させることができても、印字8を復元することは困難であるため、目視により不正な開封、封印シールの改ざんを検知することができる。
印字8は、従来の印刷法によって形成することができ、具体的には、文字、数字、記号、地紋などがあげられる。特に連続的、周期的に形成することが好ましい。また、印字8はアンカー層15の全面にわたって形成してもよいし、共振回路17に沿って形成してもよい。印字8の厚さは1〜10μmであり、好ましくは2〜3μmである。あまり厚くなると、その上に設ける共振回路に悪影響を与える可能性がある。
(共振回路)
共振回路17を構成するコイル3と下部コンデンサ電極4とは、導電性を有していればよく、特に限定するものではない。例えば、金属薄膜をエッチング等によりパターニングする方法、導電性インクを用いてスクリーン印刷等の印刷法により形成する方法を用いることができる。封印シール1を剥離した時に、共振回路17が容易に破壊されるようにすること、下部コンデンサ電極4を基にコンデンサを構成することを考慮すると、導電性インクを用いることが好ましい。また、生産性の観点からも、印刷により形成することができる点で、導電性インクを用いることが好ましい。
導電性インクとしては、銀などの金属を溶剤に分散させたインク、その他の導電性材料を含むインクを用いることができる。導電性インクを用いた場合、厚さは10〜30μmである。共振回路のパターンは特に限定するものではないが、所望の共振周波数に合わせた1巻以上のコイルパターンと、基材2の同一面上のコンデンサとにより構成することができ。
溶剤としては、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエステル系有機溶剤などを用いることができる。また、導電性インクは、必要に応じてバインダー樹脂を含んでいてもよい。
検知器には、共振回路の共振周波数と、この共振周波数とは異なる周波数を合わせて用いる方式と、共振回路の共振周波数のみを用いる方式とがある。前者の方式は、コンデンサの配置によらず検知が可能である。後者の方式は、コイルの内側にコンデンサが配置されていると、コイルが切断されていても誤ってコンデンサを検知してしまい、コイルが切断されたことを検知できないことがある。従って、後者の方式が用いられることも考慮すると、図1に示したように、コンデンサを、コイル3の外側に配置することが好ましい。
(コンデンサ)
コンデンサを構成する誘電層5は、絶縁性の樹脂を用いることができる。絶縁性の樹脂は、印刷により形成されることが好ましい。誘電層5は、少なくとも下部コンデンサ電極4を覆うように形成されていればよいが、上部コンデンサ電極6を設けた際に、それぞれの電極の端部で導通が起きないように、下部コンデンサ電極4より大きく形成する。なお、絶縁性の樹脂を基材2の一方の全面に形成してもよいが、コストが高くなってしまう。誘電層5は、下部コンデンサ電極4より0.1〜5mm大きくすることが好ましい。
コイル3の内側の接続部分3bと上部コンデンサ電極6との接続は、図1に示したように、コイル3を跨いで形成された誘電層5の上に設けられたジャンパー線7によって接続する。
誘電層に用いられる絶縁性の樹脂としては、アクリル・ウレタン系レジスト等があげられる。また、溶剤としては、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエステル系有機溶剤などを用いることができる。また、誘電層5は、2回以上重ねて印刷することが好ましい。印刷で形成する場合、絶縁を確保できるだけの厚みを確保することが難しいからである。生産性の観点からは、2回の印刷で誘電層5を形成できることが好ましい。誘電層5は、スクリーン印刷等で形成し、膜厚は10〜50μmである。好ましくは特に20〜40μmである。この範囲であれば平滑性に悪影響を与えず、かつ上部コンデンサ電極6と下部コンデンサ電極4とのショートを防ぐことができる。
上部コンデンサ電極6とジャンパー線7とは誘電層5上に形成される。上部コンデンサ電極6とジャンパー線7とは、導電性を有していればよく、特に限定するものではない。封印シール1を剥離した時に、共振回路17が容易に破壊されるようにすることを考慮すると、導電性インクを用いることが好ましい。導電性インクとしては、銀などの金属を溶剤に分散させたインク、その他の導電性材料を含むインクを用いることができる。導電性インクを用いた場合、厚さは10〜30μmである。溶剤としては、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエステル系有機溶剤などを用いることができる。また、導電性インクは、必要に応じてバインダー樹脂を含んでいてもよい。
上述したように、共振回路の共振周波数のみを用いる方式の検知器は、コイルの内側にコンデンサが配置されていると、コイルが切断されていても誤ってコンデンサを検知してしまい、コイルが切断されたことを検知できないことがある。そこで、第1の実施形態の封印シール1は、コンデンサをコイル3の外側に配置している。
(接着層)
接着層9は、被着体に封印シールを張り付けるために設けるもので、十分な粘着性を有する物であれば特に限定するものではない。公知の粘着剤、接着剤を使用することができ、例えば、アクリル系の粘着剤を用いることができる。接着層9は、印刷法により形成することができ、厚さは10〜100μmである。
最外層には剥離層10を設けることができる。封印シール1を使用する際には、剥離層10を剥離して、暴露された接着層9を被着体に貼り付ける。剥離層10としては特に限定するものではないが、紙材を用いることができる。具体的には剥離加工を施したコート紙などを用いることができる。
(パターン状接着層)
脆性処理層として機能するパターン状接着層11は、接着層9の接着力より強い接着力を有する材料を用いる。パターン状接着層11は、接着層9のように、基材2の全面に塗布するのではなく、パターン上に形成して、以下に説明する脆性処理を施す。一度貼り付けた封印シール21が剥離された場合に、パターン状接着層11が設けられている部分においては、共振回路等は基材2側に引っ張られ、パターン状接着層11が設けられていない部分においては、共振回路等は接着層9とともに被着体側に残るように、パターンを形成する。この結果、封印シール21が剥離された際に、共振回路等が容易に破壊されるようになり、封印シールの剥離の検知を、より高精度に行うことができる。
パターン状接着層11としては、上記機能を満たすものであれば特に限定しないが、例えば、ポリエステル系接着剤を用いることができる。パターン状接着層11は、印刷法などにより形成することができ、厚さは0.05〜0.5μmである。
図3に、本実施形態の封印シールのパターン状接着層の形状を示す。パターン状接着層11のパターンは、共振回路等を破壊できるものであれば特に限定はしないが、少なくとも封印シール1の端部にパターン状接着層11を形成した部分と、形成していない部分とが含まれるように設けられていることが好ましい。封印シール1を端部から剥離する際、被着体に残る部分と基材に引きずられる部分とが分離することにより、共振回路等を確実に破壊することができるからである。また、図3に示したように、パターンを複雑な形状にすることにより、貼り替え防止効果をより高めることができる。
(光回折層)
光回折層12は、例えば、回折構造を有する回折形成層13と金属反射層14とからなるホログラム層を用いることができる。光回折層12を設けることにより、不正に剥がした際に目視による判定が可能となり、セキュリティレベルを高めることができる。基材2およびパターン状接着層11の上に、回折形成層13を設け、回折構造を形成した後、金属反射層14を設ける。回折形成層13は、アクリル等の樹脂材料を用いることができ、エンボス版を用いて回折構造を形成する。金属反射層14としては、アルミなどの金属反射材料、酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化チタンなどの半透過半反射性の金属化合物を用いることができる。
回折形成層13は、接着層9の接着力より基材2との接着力を弱くすることが好ましい。パターン状接着層11が設けられている場合に、封印シール1が剥離されたとき、パターン状に破壊されるからである。すなわち、パターン状接着層11が設けられている部分においては、光回折層12が基材2側に残り、パターン状接着層11が設けられていない部分においては、光回折層12が接着層9とともに被着体側に残る。
パターン状接着層11を設ける場合は、パターン状接着層11の上に回折形成層13を設けることができる。このようにすることで、封印シール1を剥離する際、共振回路と共に光回折層12も破壊されるため、封印シール1の剥離の検知の点でより好ましい。
また、光回折層12を設ける場合には、光回折層12と共振回路17との間にアンカー層15を設ける。光回折層12としてホログラム層を形成すると、表面に凹凸が残るため、アンカー層15により表面を平滑化してから共振回路17を形成することが好ましい。
なお、光回折層12としては、ホログラム素子に限るものではなく、散乱素子、多層干渉素子など様々なものを用いることができる。また、基材2の一方の面上に、パターン状接着層11およびアンカー層15のみを形成し、ホログラム層を有さない脆性処理層のみを形成してもよい。
(光回折層のパターン)
金属材料は導電性を有するため、共振タグの電気的特性に悪影響を及ぼす。また、透明性に欠けるため、シールが貼られた被着体の内部を見ることができない。そこで金属反射層14は、離間した複数領域の網点状にパターニングすることが必要である。具体的には、マスク層を用いてエッチング処理によりパターニングすることができる。パターニングすることにより、部分的に光学効果を見せることができ、かつ離間した複数領域の網点状にパターニングすることにより金属反射層における導電性をなくすことにより、電磁波の遮断、反射による共振回路への影響をなくすことができる。さらに、パターニングにより視認性が向上し、被着体内部を確認することも可能となる。
しかしながら、光回折層12の網点パターンの面積が小さすぎると、ホログラム層としての光学効果が減少してしまう。一方、大きすぎると視認性が悪くなるため被着体内部を観察することができなくなってしまい、さらには、電気的特性にも影響が出てきてしまうという新たな課題が発生する。
図4に、本実施形態の封印シールの光回折層の形状を示す。光回折層12の網点パターンとしては、エッチング処理によって残された金属反射層(主要素)14が規則的に一定のピッチで離間して配置されている。主要素14は、50〜110μmの一定のピッチLで、直径d1が30μm以上かつピッチ長Lの70%以下の大きさの均一な丸形状とする。具体的には、マスク層として、図4に示したような、一定のピッチで離間した複数の主要素14のパターンの網点グラビア版を用いて、グラビア印刷にて形成する。マスク層を印刷した部分はエッチング処理で残り、それ以外の部分は除去されるので、任意の網点パターンを作成することができる。
主要素14のサイズとしては、直径d1が30μm以上かつピッチ長Lの70%以下とする。これは、直径が30μmより小さいと光回折層12の面積が小さすぎるため、ホログラム層としての光学効果が得られない。一方、大き過ぎると視認性が悪くなってしまう。さらに、主要素14が大き過ぎて主要素同士が繋がってしまうと、電気的特性にも影響が出て、共振タグとの通信が不能になってしまう。一方、ピッチLを110μm以上と尾大きくしてしまうと、ホログラム画像として見た場合に、画像が荒くなり十分な光学効果が得られなくなる。
図5に、本実施形態の封印シールの光回折層の形状を示す。光回折層12の網点パターンとして、金属反射層(主要素)14と金属反射層(第2要素)16の2種類の形状を用いる。第2要素16の直径d2サイズとしては、主要素14の直径d1より30%以上大きくかつピッチ長さLより小さく作製する。均一な大きさとピッチで配置された主要素14の一部に、それよりサイズの大きい第2要素16を集合体として配置すると、網点パターンの密度の差が発生して、目視で濃淡が確認される。
図6に、本実施形態の封印シールの他の実施例を示す。目視により文字や幾何学模様を認識することができるように、一定のピッチで離間した複数の主要素14の網点パターンの中に、文字等を描くように、第2要素16を集合体として形成する。これにより、光回折層12によるホログラム画像の中に、文字や幾何学模様が浮かび上がるような効果が得られ、新たな視覚セキュリティ機能を付与することができる。特に、網点パターンの場合は、ベタパターンと比較すると輝度は低く、光回折が見られない視野角度も発生する。しかしながら、上記の網点パターンであっても、濃淡の差を十分に認識することができ、文字や幾何学模様も十分に認識することができる。
具体的な作製方法としては、マスク層を、一定のピッチで離間した複数の主要素14のパターンの中に第2要素16を一定のピッチで離間した文字パターンで配置した網点グラビア版を作製し、それを用いてグラビア印刷にて形成する。マスク層を印刷した部分はエッチング処理で残り、それ以外の部分は除去されるので、任意の網点パターンを作成することができる。
第2要素16の直径d2サイズとしては、主要素14の直径d1より30%以上大きくかつピッチ長さLより小さく作製する。第2要素同士も繋がってしまうと、電気的特性に影響が出て、共振タグとの通信が不能になってしまう。また、網点パターンの密度の差が目視で認識できるように、主要素より大きくする必要がある。
パターン状接着層11を設ける場合は、パターン状接着層11の上に回折形成層13を設けることができる。このようにすることで、封印シール1を剥離する際、共振回路17と共に光回折層12も破壊されるため、不正剥離の検知の点ではより好ましいものとなる。
[実施例1]
基材2として、縦20mm×横40mm×厚み50μmのPETを用いた。基材2の一方の面上にポリエステル樹脂系接着剤からなるパターン接着層11を、平均膜厚約0.15μmとなるように、グラビア印刷により形成した。パターン接着層11のパターンは、交差する直線の長さ2.5mmの×字型のパターンを、間隔10mmで配置した。
パターン状接着層11の上に、ウレタン−アクリル系樹脂からなる回折形成層13を、平均膜厚約1.5μmとなるように、グラビア印刷により形成した。次に、ホログラムエンボス版を用いて回折形成層13に回折構造を形成した。その上に、金属反射層14として、アルミニウムを蒸着法により膜厚50nmで設けることにより、光回折層12を形成した。
金属反射層14を網点状にパターニングするために、酢酸ビニル樹脂からなるマスク層を、レーザポーシェル版250線網点率35%のグラビア版を用いて、膜厚約1.5μmとなるように、グラビア印刷により形成する。次に、アルカリエッチング法によってマスク層を印刷して部分以外のアルミニウムを除去して、網点パターン状の光回折層12を得た。
光学層12の上には、ポリビニルブチラール樹脂からなるアンカー層15を、平均膜厚約0.1μmとなるように、グラビア印刷により形成した。
アンカー層15の上には、赤色のインキを用いて印字8を印刷した。印字8は、スクリーン印刷により「TP0123」の繰り返しパターンを、後工程で設ける共振回路の長辺に重なる位置に、膜厚約2μmで形成した。
次に、共振周波数が28MHzの共振回路17を以下のように形成した。コイル3及び下部コンデンサ電極4を、銀インク(東洋紡株式会社製)を用いて、平均膜厚約20μmとなるように、スクリーン印刷により形成した。コイル3のパターンは、6巻からなる略長方形のパターンで、コイル3の外側の接続部分3aにおいて、縦1.4mm×横20mmの下部コンデンサ電極4と接続する。コイル3の内側の接続部分3bは、ジャンパー線を介して、上部コンデンサ電極6と接続している。
下部コンデンサ電極4、コイル3の内側の接続部分3bの一部、後工程で設けるジャンパー線7の下部には、誘電層5を形成した。1回のスクリーン印刷により平均膜厚約15μmを印刷し、2回の印刷で平均膜厚30μmの誘電層5を形成した。誘電層5の材料としては、熱硬化性高透明レジスト(株式会社アサヒ化学研究所製)を用いた。なお、下部コンデンサ電極4を覆う部分は、下部コンデンサ電極4の四辺より、それぞれ外側に1mm大きい形状により誘電層5を設けた。
誘電層5の上には、上部コンデンサ電極6とジャンパー線7とを、銀インク(東洋紡株式会社製)を用いて、平均膜厚約20μmとなるように、スクリーン印刷により形成した。一部露出しているコイル3の内側の接続部分3bと上部コンデンサ電極6とを、ジャンパー線7により接続することにより、共振回路17を作製した。
最後に、接着層9としてアクリル系粘着剤を、平均膜厚約50μmでコーティングし、剥離層10として剥離紙を添付して、封印シールAを作製した。
[実施例2]
実施例1と同様の方法にて、封印シールBを作製した。ただし、実施例1とは、光回折層12の網点パターンのみが異なる。酢酸ビニル樹脂からなるマスク層は、レーザポーシェル版250線網点率35%のグラビア版を用いて、網点率60%で「TP0123」の文字を配置して印刷した。
(比較例)
比較例として、封印シールCを作製した。ただし、実施例1および2との相違点は、光回折層12に網点パターンがないことである。
(光学効果確認)
作製した封印シール上の光学回折の効果を目視で確認したところ、実施例1、2で作製した封印シールA、Bともに、回折構造による光学効果を確認することができた。観測した光回折層の網点の直径サイズは、約45μm、ピッチは約101μmであった。また、封印シールBにおいては、網点濃度差による「TP0123」の文字を確認することができた。「TP0123」の文字を形成している部分の網点の直径サイズは、約75μmであった。
(機械検知試験)
封印シールの共振タグとしての通信性能を評価した。実施例1、2で作製した封印シールA、Bともに、検知器(AIMEX製:周波数28MHzの電気的検知)を用いて共振回路の応答を検知することができた。しかし、比較例1で作製した封印シールCは、金属反射層による電波妨害のため検知することができなかった。
(剥離試験)
アクリル板に貼り付けた封印シールを手で剥がしたところ、封印シールA、Bともに、部分的に光回折層および共振回路がアクリル板に残り、目視で破壊されたことが確認できた。また、検知器(AIMEX製:周波数28MHzの電気的検知)でも検知不能になり、封印シールが破壊されたことが明らかに確認できた。
1 封印シール
2 基材
3 コイル
4 下部コンデンサ電極
5 誘電層
6 上部コンデンサ電極
7 ジャンパー線
8 背景印刷部
9 接着層
10 剥離層
11 パターン状接着層
12 光回折層
13 回折形成層
14,16 金属反射層
15 アンカー層
17 共振回路

Claims (7)

  1. 電気的な検知を行うための、コイルとコンデンサとからなる共振回路を有する封印シールであって、
    材の一方の面上に第1の接着層とアンカー層とを有し、
    前記第1の接着層と前記アンカー層との間に光回折層を有し、
    前記コイルと前記コンデンサの下部電極とが前記アンカー層上に形成され、前記コンデンサは、前記下部電極、前記下部電極を覆う誘電層、および該誘電層上の上部電極により構成され、
    前記光回折層は、回折形成層と金属反射層を含み、前記金属反射層は、離間した複数領域の網点パターンであって、50〜110μmの一定のピッチで、直径が30μm以上かつピッチ長さの70%以下の大きさの均一な丸形状からなる主要素が、離間して配置されていることを特徴とする封印シール。
  2. 前記光回折層の網点パターンは、前記主要素の直径サイズより30%以上大きくかつピッチ長さより小さい均一な丸形状からなる第2要素が、前記主要素の一部に、集合体として配置されていることを特徴とする請求項に記載の封印シール。
  3. 前記第2要素の集合体は、目視により文字または幾何学模様を認識できるように形成されていることを特徴とする請求項に記載の封印シール。
  4. 前記第1の接着層は、前記封印シールを被着体に貼付するための第2の接着層の接着力より強い接着力を有するパターン状の接着層であることを特徴とする請求項1ないしに記載の封印シール。
  5. 前記回折形成層は、前記封印シールを被着体に貼付するための第2の接着層の接着力より弱い接着力を有することを特徴とする請求項1ないしに記載の封印シール。
  6. 前記コイル、前記下部電極および前記上部電極は、導電性インキにより形成されていることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の封印シール。
  7. 前記コイルおよび/または前記下部電極の一部と重なるように印字がなされていることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の封印シール。
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