以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について、図面を用いて説明する。
[1.第1の実施の形態]
[1−1.紙幣出金機の構成]
図1に模式的な側面図を示すように、第1の実施の形態による紙幣出金機1は、例えば金融機関等に設置され、利用者(すなわち金融機関の顧客)の操作に応じて紙幣を出金するようになっている。この紙幣出金機1は、大きく分けて下側の収納ユニット2及び上側の束搬送ユニット3により構成されており、さらに全体を制御する制御部4が組み込まれている。
以下では、紙幣出金機1のうち顧客が対峙する側を前側とし、その反対を後側とし、前側に対峙した顧客から見て左及び右をそれぞれ左側及び右側とし、さらに上側及び下側を定義して説明する。
収納ユニット2は、直方体状の収納筐体10内に、紙幣に関する種々の処理を行う複数の部分が組み込まれている。この収納筐体10内には、4個の紙幣カセット11(11A、11B、11C及び11D)、搬送部13、鑑別部14、切替部15、集積部16及びリジェクトカセット17が設けられている。
紙幣カセット11(11A、11B、11C及び11D)は、その内部に、紙幣を前後方向に重ねるように集積した状態で収納する。また紙幣カセット11の後側下部には、収納されている紙幣を1枚ずつに分離して繰り出す繰出部12が設けられている。
搬送部13は、図示しないローラやベルト、或いはこれらを駆動するモータ等により、紙幣を搬送する経路である搬送路を構成している。搬送部13は、各紙幣カセット11の繰出部12から繰り出された紙幣を概ね上方向へ進行させる。
鑑別部14は、搬送される紙幣の金種や走行状態等を鑑別し、その鑑別結果を制御部4へ供給する。制御部4は、得られた鑑別結果を基に、出金すべき正常な紙幣の搬送先を集積部16に、出金すべきでない紙幣(以下これをリジェクト紙幣と呼ぶ)の搬送先をリジェクトカセット17に、それぞれ決定する。
切替部15は、紙幣カセット11Aの上側における前後方向のほぼ中央に配置されており、制御部4の制御に基づき、紙幣に当接して進行方向を変化させるブレード(図中三角形で示す)の傾斜角度を変更することにより、下方から搬送されてきた紙幣それぞれの進行方向を、制御部4において決定された搬送先に応じて切り替え、後側の集積部16又は前側のリジェクトカセット17へ進行させる。
集積部16は、内部に紙幣を集積するための集積空間を形成している。集積部16は、切替部15から搬送され放出部16Rにより集積空間内へ放出された紙幣を、ステージ16T上に集積させることができる。
リジェクトカセット17は、内部に紙幣を収納する収納部を有している。この収納部は、仕切板17Pにより前上側と後下側とに仕切られている。またリジェクトカセット17における後側には、切替部15から搬送されてきた紙幣を収納部内へ放出する放出部17Rが設けられている。このためリジェクトカセット17は、切替部15から搬送され放出部17Rにより収納部内へ放出された紙幣(すなわちリジェクト紙幣)を収納することができる。
またリジェクトカセット17の上面には、上下方向に貫通する取込孔17Hが穿設されている。さらに取込孔17Hは、収納筐体10の上面も貫通しており、収納部と収納筐体10よりも上側の束搬送ユニット3の内部とを連通させている。このためリジェクトカセット17は、上方の束搬送ユニット3の内部から紙幣が落下してきた場合、この紙幣を収納部内に収納することができる。
さらにリジェクトカセット17は、紙幣カセット11と同様、収納筐体10に対し前方向へ引き抜かれることにより、当該収納筐体10から取り外すことができ、また当該収納筐体10に対し位置を合わせて後方向へ押し込まれることにより、当該収納筐体10に装着することができる。
一方、束搬送ユニット3は、直方体状の束搬送筐体20内に、紙幣束を搬送するための種々の機構が設けられている。
[1−2.リジェクトカセットの構成]
ここで、紙幣出金機1から着脱可能なリジェクトカセット17の構成について図2を用いて詳しく説明する。筐体42の後面には、右端寄りの位置に、リジェクトカセット17が紙幣出金機1に装着される際に、紙幣出金機1側に設けられた解除レバー40が挿入される挿入口41が設けられている。
筐体42の内部には、シャッタ45を閉じた状態でロックする為のロック機構50が設けられている。ロック機構50は、ロックレバー51と、ギア52とで構成されている。ロックレバー51は、筐体42の側面側から見て略L字型の形状となっている。このロックレバー51は、図10(A)の左側に示すように、フレーム46の右側壁から筐体42の右側壁側へと延びる支軸53によって、L字の折れ曲がっている箇所に相当する折れ曲がり箇所を中心に回転可能に支持されている。このロックレバー51は、折れ曲がり箇所から後面側に延びる第1の部分51Aと、下方に延びる第2の部分51Bとでなり、第1の部分51Aの先端には、上方に突出する爪51Cが設けられている。
このロックレバー51は、第1の部分51Aが、閉じているシャッタ45の下側に位置するとともに、第2の部分51Bの下端が、挿入口41の奥に位置するようになっている。さらにこのロックレバー51は、図示しないスプリングなどにより図中反時計まわり方向に付勢されていて、これによりロックレバー51の先端の爪51Cがシャッタ45の下面に形成された溝45Aに嵌入して、シャッタ45を閉じた状態でロックするようになっている。
ギア52は、歯車形状でなり、図10(A)の左側に示すように、フレーム46の右側壁から筐体42の右側壁側へと延びる支軸54によって回転可能に支持されている。このギア52には、筐体42の右側壁と対向する外側の面に、筐体42の右側壁側に突出する突起52Aが設けられている。ギア52は、図示しないスプリングなどにより突起52Aが支軸54の真上に留まるようにして、支軸54に支持されている。
これにより、ロックレバー51によってシャッタ45がロックされているとき、ギア52の突起52Aは、ロックレバー51の第1の部分51Aの下方近傍に位置することになり、ロックレバー51が図中時計まわり方向に回転することを防止するストッパとして機能する。
紙幣出金機1側の解除レバー40は、前後方向に延びる棒状でなり、上面にギア52と同一のモジュール(すなわち歯の大きさ)でなる歯が形成された、ギア(ピニオン)52と噛み合うラックである。
リジェクトカセット17の構成は、以上のようになっている。ここで、シャッタ45のロックを解除する解除動作について説明する。
作業者が、リジェクトカセット17を、紙幣出金機1の収納筐体10に対し矢印Aで示す装着方向に押し込んでいくと、まず、解除レバー40が、リジェクトカセット17の挿入口41からリジェクトカセット17の内部に挿入される。
さらに、リジェクトカセット17が押し込まれていくと、図2(A)に示すように、挿入口41から挿入された解除レバー40の先端がギア52の下部に到達してギア52と噛み合う。さらに、リジェクトカセット17が押し込まれていくと、解除レバー40が進行することにともなって、ギア52が図中時計まわり方向に回転する。これにより、ギア52の突起52Aが、ロックレバー51の第1の部分51Aから離れていき、ロックレバー51が図中時計まわり方向に回転できる状態となる。ただし、ロックレバー51は、図中反時計まわり方向に付勢されている為、この時点では、まだシャッタ45をロックしている。
さらに、リジェクトカセット17が押し込まれていくと、解除レバー40の先端がギア52の前方に位置するロックレバー51の第2の部分51Bに到達して第2の部分51Bに接触する。さらに、リジェクトカセット17が押し込まれていくと、図2(B)に示すように、解除レバー40によって、ロックレバー51の第2の部分51Bが前方に押されることで、ロックレバー51が図中時計まわり方向に回転する。これにより、ロックレバー51の爪51Cが、シャッタ45の溝45Aから外れて、シャッタ45のロックが解除される。この時点で、リジェクトカセット17は、シャッタ45を開けることができる状態となる。そして、図2(C)に示すように、例えば、図示しないアクチュエータによりシャッタ45が開けられる。このような解除動作により、シャッタ45のロックが解除される。
また、図示しないが、リジェクトカセット17を紙幣出金機1から取り外す場合、リジェクトカセット17は、図示しないアクチュエータによりシャッタが閉じられた後、上述の解除動作とは逆の手順の動作(これをロック動作と呼ぶ)により、シャッタ45を閉じた状態でロックするようになっている。
[1−3.まとめと効果]
ここまで説明したように、第1の実施の形態では、リジェクトカセット17に、ロックレバー51とギア52からなるロック機構50を設けるようにした。そして、リジェクトカセット17が紙幣出金機1から取り外されているときには、ロックレバー51の爪51Cが、閉じた状態のシャッタ45の溝45Aに嵌入するとともに、ギア52の突起52Aが、ロックレバー51が回転すること(すなわちロックレバー51の爪51Cがシャッタ45の溝45Aから外れること)を防止するストッパとして機能することで、シャッタ45を強固にロックする。これにより、リジェクトカセット17は、紙幣出金機1から取り外されたときに、不正にシャッタ45が開けられてしまうことを防ぐことができる。
また、リジェクトカセット17は、ギア52と噛み合う形状の解除レバー40が挿入口41から挿入されると、まず、この解除レバー40によってギア52が回転してロックレバー51の回転を防止するストッパが外れる。その後、解除レバー40がさらに奥に挿入されると、この解除レバー40によって、ロックレバー51が回転することで、爪51Cがシャッタ45の溝45Aから外れてシャッタ45のロックが解除される。
このように、リジェクトカセット17は、挿入口41に、ギア52と噛み合う形状の解除レバー40を挿入しないと、シャッタ45のロックを解除できないようになっている為、例えば、単純な形状の棒を挿入口41から挿入して不正にロックを解除しようとしても、解除することはできない。また、紙幣出金機1側の解除レバー40は、例えば溶接により紙幣出金機1の収納筐体10に固定されている為、簡単に取り外すことはできないようになっている。これにより、リジェクトカセット17は、シャッタ45のロックが不正に解除されてしまうことを防ぐことができる。
かくして、第1の実施の形態のリジェクトカセット17は、従来と比して、一段とセキュリティ性を向上させることができる。
[2.第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態について説明する。この第2の実施の形態は、解除レバーとロック機構の構成が、第1の実施の形態とは異なるものである。尚、紙幣出金機1やリジェクトカセット17の基本的な構成については、第1の実施の形態と同様の為、詳しい説明については第1の実施の形態を参照とする。よって、ここでは、主に、解除レバーとロック機構とについて説明する。
[2−1.解除レバー及びロック機構の構成]
図3に、紙幣出金機1側に設けられる解除レバー60と、リジェクトカセット17のロック機構61の構成を示す。尚、ロック機構61は、第1の実施の形態のロック機構50と比べて、ギア62の歯が異なるのみである為、ギア62以外の部分については省略している。ギア62以外の部分の説明については、第1の実施の形態のロック機構50を参照とする。
図3に示すように、ロック機構61のギア62は、外周に形成された歯が同一のモジュールによって構成されているのではなく、2つの異なるモジュールによって構成されている。具体的には、ギア62の外周を半周ずつ2つに分け、一方の半周には、第1のモジュールでなる第1の歯62Aが形成され、他方の半周には、第1のモジュールより大きい第2のモジュールでなる第2の歯62Bが形成されている。尚、このギア62は、支軸53の真上に突起52Aが位置するときに、第1の歯62Aが下側、第2の歯62Bが上側となるように、歯が形成されている。
一方、解除レバー60についても、上面に形成された歯が同一のモジュールによって構成されているのではなく、ギア62と同様、2つの異なるモジュールによって構成されている。具体的には、解除レバー60の先端部分の上面には、ギア62の第1の歯62Aと噛み合うことのできる第1のモジュールでなる第3の歯60Aが形成され、先端部分に続く部分の上面には、ギア62の第2の歯62Bと噛み合うことのできる第2のモジュールでなる第4の歯60Bが形成されている。さらに詳しく言うと、解除レバー60の上面には、突起52Aが支軸53の真上に位置するときのギア62の外周の最下位置から最上位置までの歯が直線上に形成されている。
ギア62と解除レバー60は、このような構成でなり、紙幣出金機1の収納筐体10に対しリジェクトカセット17を装着方向に押し込んでいくと、解除レバー60の先端がギア62の下部に到達する。尚、解除動作の図については省略する。このとき、解除レバー60の先端部分に形成された第3の歯60Aと、ギア62の外周の下部に形成された第1の歯62Aとがともに第1のモジュールの歯であることにより噛み合う。
さらに、リジェクトカセット17が押し込まれていくと、解除レバー60が進行することにともなって、ギア62が図中時計まわり方向に回転する。これにより、ギア62の突起52Aが、ロックレバー51の第1の部分51Aから離れていく。さらに、リジェクトカセット17が押し込まれて、解除レバー60が進行するとともにギア62が回転すると、解除レバー60の第2のモジュールの第4の歯60Bが形成されている部分がギア62の下部に到達するとともに、ギア62の外周に形成されている第2のモジュールの第2の歯62Bが、ギア62の下部に位置する。
このとき、解除レバー60のギア62に到達した部分に形成された第4の歯60Bと、ギア62の外周の下部に形成された第2の歯62Bとがともに第2のモジュールの歯であることにより噛み合う。
さらに、リジェクトカセット17が押し込まれていくと、解除レバー60によって、ロックレバー51の第2の部分51Bが後方に押されることで、ロックレバー51が図中時計まわり方向に回転する。これにより、ロックレバー51の爪51Cが、シャッタ45の溝45Aから外れて、シャッタ45のロックが解除される。
[2−2.まとめと効果]
ここまで説明したように、第2の実施の形態では、リジェクトカセット17のロック機構61の一部であるギア62と、紙幣出金機1側の解除レバー60とに、それぞれ2つの異なるモジュールによって構成される第1乃至第4の歯62A、62B、60A、60Bを設けるようにした。そして、シャッタ45のロックを解除する解除動作時に、解除レバー60がギア62に到達すると、最初は、ギア62に設けられた第1の歯62Aと、解除レバー60に設けられた第3の歯60Aとが噛み合い、途中から、ギア62に設けられた第2の歯62Bと、解除レバー60に設けられた第4の歯60Bとが噛み合うことで、解除レバー60の進行にともなってギア62が回転して、シャッタ45のロックを解除するようにした。
このように、リジェクトカセット17は、2つの異なるモジュールでなる第3及び第4の歯60A、60Bが形成された解除レバー60でないとロックを解除できないようになっている為、例えば、市販されているような同一のモジュールが形成されたラックを、挿入口41から挿入して不正にロックを解除しようとしても、ギア62とラックが噛み合わなくなる為、解除することはできない。また、2つの異なるモジュールでなる第3及び第4の歯60A、60Bが形成された解除レバー60は偽造がより困難である。ゆえに、この第2の実施の形態のリジェクトカセット17は、シャッタ45のロックが不正に解除されてしまうことを、第1の実施の形態のリジェクトカセット17と比して、より確実に防ぐことができる。
また、挿入口41からは、ギア62の下端側に位置する第1の歯62Aの部分しか見えないようにすれば、ギア62に2つの異なるモジュールでなる第1及び第2の歯62A、62Bが形成されていることを外部から隠蔽することができる。
かくして、第2の実施の形態のリジェクトカセット17は、従来及び第1の実施の形態と比して、一段とセキュリティ性を向上させることができる。
[3.第3の実施の形態]
次に、第3の実施の形態について説明する。この第3の実施の形態は、リジェクトカセット17のロック機構と紙幣出金機1の解除レバーの構成が、第1の実施の形態とは異なるものである。尚、紙幣出金機1の基本的な構成については、第1の実施の形態と同様の為、詳しい説明については第1の実施の形態を参照とする。よって、ここでは、主に、ロック機構と解除レバーの構成について説明する。
[3−1.ロック機構及び解除レバーの構成]
図4に、リジェクトカセット17のロック機構70及び解除レバー71の構成を示す。尚、図4については、図2と同一の部分には同一の符号を付してある。同一部分の詳しい説明については第1の実施の形態を参照とする。
リジェクトカセット17の筐体42の後面には、右端寄りの位置に、リジェクトカセット17が紙幣出金機1に装着される際に、紙幣出金機1側に設けられた解除レバー71が挿入される挿入口72が設けられている。
筐体42の内部には、シャッタ45を閉じた状態でロックする為のロック機構70が設けられている。ロック機構70は、ロックレバー73を有し、ロックレバー73は、筐体42の側面側から見てT字を逆さにしたような形状となっている。このロックレバー73は、前後方向に延びる基部73Aと、基部73Aのほぼ中央から上方に突出する爪73Bとで構成されている。このロックレバー73は、図10(C)の左側に示すように、フレーム46の右側壁から筐体42の右側壁側へと延びる支軸74によって、基部73Aの後端(筐体42の後面に近い側の端)を中心に回転可能に支持されている。
このロックレバー73は、基部73Aが、閉じているシャッタ45の下側に位置するようになっている。さらにこのロックレバー73は、図示しないスプリングなどにより図中時計まわり方向に付勢されていて、これによりロックレバー73の爪73Bがシャッタ45の下面に形成された溝45Aに嵌入して、シャッタ45を閉じた状態でロックするようになっている。
紙幣出金機1側の解除レバー71は、前後方向に延びる棒状の基部71Aと、この基部71Aの前端部に回転可能に支持されているL字型の可動部71Bとで構成されている。基部71Aは、紙幣出金機1の収納筐体10に固定される部分である。可動部71Bは、一端部が基部71Aの前端部に支持されていて、一端部を中心に回転可能となっている。
また、この可動部71Bは、図示しないスプリングなどにより、他端部(すなわち先端部)が上方へ曲がる向きで、且つ他端部が支点よりもわずかに上方に位置する姿勢を保つようにして、基部71Aに支持されている。これにより、可動部71Bは、先端部に、後方への力を受けると、必ず図中時計まわり方向に回転する。
第3の実施の形態のリジェクトカセット17のロック機構70及び解除レバー71の構成は、以上のようになっている。ここで、シャッタ45のロックを解除する解除動作について説明する。
作業者が、リジェクトカセット17を、紙幣出金機1の収納筐体10に対し矢印Aで示す装着方向に押し込んでいくと、まず、解除レバー71が、リジェクトカセット17の挿入口72からリジェクトカセット17の内部に挿入される。
さらに、リジェクトカセット17が押し込まれていくと、図4(A)に示すように、挿入口72から挿入された解除レバー71の可動部71Bの先端が、第1の導入壁46Bに当接して、解除レバー71の可動部71Bが第1の導入壁46Bからの力を受けることにより、可動部71Bが図中時計まわり方向に回転する。
さらに、リジェクトカセット17が押し込まれていくと、解除レバー71の可動部71Bの支点近傍の部分が、第2の導入壁46Cに当接して、可動部71Bが第2の導入壁46Cからの力を受けることにより、さらに可動部71Bが図中時計まわり方向に回転する。これにより、解除レバー71の可動部71Bの先端が、隠蔽壁46Aの上方の空間、すなわちロックレバー73が設けられている空間へと導かれる。
さらに、リジェクトカセット17が押し込まれて、可動部71Bが図中時計まわり方向に回転していくと、図4(B)に示すように、可動部71Bの先端がロックレバー73の基部73Aの前端と接触して、基部73Aの前端を下方に押し下げることにより、基部73Aが図中反時計まわり方向に回転する。これにより、ロックレバー73の爪73Bが、シャッタ45の溝45Aから外れて、シャッタ45のロックが解除される。この時点で、リジェクトカセット17は、シャッタ45を開けることができる状態となる。そして、図4(C)に示すように、例えば、図示しないアクチュエータによりシャッタ45が開けられる。このような解除動作により、シャッタ45のロックが解除される。
また、図示しないが、リジェクトカセット17を紙幣出金機1から取り外す場合、リジェクトカセット17は、図示しないアクチュエータによりシャッタ45が閉じられた後、上述の解除動作とは逆の手順の動作(ロック動作)により、シャッタ45を閉じた状態でロックするようになっている。
[3−2.まとめと効果]
ここまで説明したように、第3の実施の形態では、リジェクトカセット17に、ロックレバー73、隠蔽壁46A、第1及び第2の導入壁46B、46Cからなるロック機構70を設け、さらにこのロックレバー73を、挿入口72よりも上側に配置するとともに、挿入口72から見えないように挿入口72の上端から奥へと延びる隠蔽壁46Aで隠蔽するようにした。
そして、リジェクトカセット17が紙幣出金機1から取り外されているときには、ロックレバー73の爪73Bが、閉じた状態のシャッタ45の溝45Aに嵌入することで、シャッタ45をロックする。これにより、リジェクトカセット17は、紙幣出金機1から取り外されたときに、不正にシャッタ45が開けられてしまうことを防ぐことができる。
また、リジェクトカセット17は、変形可能な解除レバー71が挿入口72から挿入されると、この解除レバー71がリジェクトカセット17の内部に設けられた第1及び第2の導入壁46B、46Cに接触して力を受けて上方に折れ曲がるように変形することで、解除レバー71の先端が隠蔽壁46Aを避けるようにしてロックレバー73に到達する。その後、解除レバー71がさらに奥に挿入されると、この解除レバー71によって、ロックレバー73が回転させられることで、爪73Bがシャッタ45の溝45Aから外れてシャッタ45のロックが解除される。
このように、リジェクトカセット17は、挿入口72に、変形可能な解除レバー71を挿入しないと、シャッタ45のロックを解除できないようになっている為、例えば、単純な形状の棒を挿入口72から挿入して不正にロックを解除しようとしても、解除することはできない。また、挿入口72からはロックレバー73が見えないようになっている。さらに、解除レバー71は、例えば溶接により紙幣出金機1の収納筐体10に固定されている為、簡単に取り外すことはできないようになっている。これにより、第3の実施の形態のリジェクトカセット17は、シャッタ45のロックが不正に解除されてしまうことを、より確実に防ぐことができる。
かくして、第3の実施の形態のリジェクトカセット17は、従来と比して、一段とセキュリティ性を向上することができる。なお、図10(A)のように、リジェクトカセット17に、第1の実施の形態のロック機構50と、第3の実施の形態のロック機構70とを設けることも出来る。このようにすることで、リジェクトカセット17が紙幣出金機1から取り外されているときには、2つの異なるロック機構50、70が、それぞれ別々にシャッタ45をロックする。これにより、リジェクトカセット17は、紙幣出金機1から取り外されたときに、不正にシャッタ45が開けられてしまうことをより確実に防ぐことができる。
また、図10(A)に示したリジェクトカセット17は、2つの異なるロック機構50、70の両方を一度に解除しないと(すなわち同時にロックを解除した状態にしないと)、シャッタ45のロックを解除することが出来なくなっている。さらに、2つの解除レバー40、71の構造が大きく異なる(一方はラック状のバー、他方は可動部を有するバー)為、両方の解除レバー40、71を偽造するのはより困難となっている。かくして、図10(A)に示したリジェクトカセット17は、1つのロック機構を有する第1及び第3の実施の形態と比べて、一段とセキュリティ性を向上することができる。
[4.第4の実施の形態]
次に、第4の実施の形態について説明する。この第4の実施の形態は、リジェクトカセット17のロック機構と解除レバーの構成が、第1の実施の形態とは異なるものである。尚、紙幣出金機1の基本的な構成については、第1の実施の形態と同様の為、詳しい説明については第1の実施の形態を参照とする。よって、ここでは、主に、リジェクトカセット17のロック機構及び解除レバーの構成について説明する。
[4−1.ロック機構及び解除レバーの構成]
図5に、リジェクトカセット17のロック機構80及び解除レバー81の構成を示す。また、図5については、図2と同一の部分には同一の符号を付してある。同一部分の詳しい説明については第1の実施の形態を参照とする。
リジェクトカセット17の筐体42の後面には、右端寄りの位置に、リジェクトカセット17が紙幣出金機1に装着される際に、紙幣出金機1側に設けられた解除レバー81が挿入される挿入口82が設けられている。
筐体42の内部には、シャッタ45を閉じた状態でロックする為のロック機構80が設けられている。ロック機構80は、ロックレバー83を有し、筐体42の側面側から見て略L字型の形状となっている。このロックレバー83は、図10(D)の左側に示すように、フレーム46の右側壁から筐体42の右側壁側へと延びる支軸84によって、L字の折れ曲がっている箇所に相当する折れ曲がり箇所を中心に回転可能に支持されている。このロックレバー83は、折れ曲がり箇所から後面側に延びる第1の部分83Aと、下方に延びる第2の部分83Bとでなり、第1の部分83Aの先端には、上方に突出する爪83Cが設けられている。
このロックレバー83は、第1の部分83Aが、閉じているシャッタ45の下側に位置するとともに、第2の部分83Bの下端が、挿入口82の奥に位置するようになっている。さらにこのロックレバー83は、図示しないスプリングなどにより図中反時計まわり方向に付勢されていて、これによりロックレバー83の先端の爪83Cがシャッタ45の下面に形成された溝45Aに嵌入して、シャッタ45を閉じた状態でロックするようになっている。
紙幣出金機1側の解除レバー81は、前後方向に延びる板状でなり、弾性材料で形成された板バネとなっている。この解除レバー81には、先端側に、四角形状の2つの孔81A、81Bが長手方向に所定の間隔を空けて設けられている。
2つの孔81A、81Bは、それぞれ同一の大きさでなり、前後方向の大きさが、奥側ブロック85及び手前側ブロック86の前後方向の大きさよりも大きくなっている。また、2つの孔81A、81Bの左右方向の大きさは、手前側ブロック86の左右方向の大きさより小さく、奥側ブロック85の左右方向の大きさより大きくなっている。
つまり、手前側ブロック86の左右方向の大きさ>解除レバー81の孔81A、81Bの左右方向の大きさ>奥側ブロック85の左右方向の大きさ≧ロックレバー83の第2の部分83Bの左右方向の大きさとなっている。
第4の実施の形態のリジェクトカセット17のロック機構80及び解除レバー81の構成は、以上のようになっている。ここで、図5及び図6を用いて、シャッタ45のロックを解除する解除動作について説明する。尚、図5(A)、(B)及び図6(A)、(B)は、それぞれ下側にリジェクトカセット17の断面図、上側にロックレバー83の第2の部分83B、奥側ブロック85、手前側ブロック86、解除レバー81を下側から見た図を配置したものである。
作業者が、リジェクトカセット17を、紙幣出金機1の収納筐体10に対し矢印Aで示す装着方向に押し込んでいくと、まず、解除レバー81が、リジェクトカセット17の挿入口82からリジェクトカセット17の内部に挿入される。
さらに、リジェクトカセット17を押し込んでいくと、図5(A)に示すように、挿入口82から挿入された解除レバー81の先端が、手前側ブロック86に接触して、手前側ブロック86に押し上げられるように弾性変形する。さらに、リジェクトカセット17を押し込んでいくと、図5(B)に示すように、解除レバー81の先端が、手前側ブロック86を乗り越え、奥側ブロック85に接触して、奥側ブロック85に押し下げられるように弾性変形する。
さらに、リジェクトカセット17を押し込んでいくと、図6(A)に示すように、解除レバー81の先端が、奥側ブロック85を乗り越え、解除レバー81の先端側の孔81Aに奥側ブロック85が嵌入すると、解除レバー81が元の形状へと戻りながら、解除レバー81の先端がロックレバー83の第2の部分83Bに接触して、第2の部分83Bを後方に押すことで、ロックレバー83が図中時計まわり方向に回転する。これにより、ロックレバー83の爪83Cが、シャッタ45の溝45Aから外れて、シャッタ45のロックが解除される。この時点で、リジェクトカセット17は、シャッタ45を開けることができる状態となる。そして、図6(B)に示すように、例えば、図示しないアクチュエータによりシャッタ45が開けられる。このような解除動作により、シャッタ45のロックが解除される。
また、図示しないが、リジェクトカセット17を紙幣出金機1から取り外す場合、リジェクトカセット17は、図示しないアクチュエータによりシャッタ45が閉じられた後、上述の解除動作とは逆の手順の動作(ロック動作)により、シャッタ45を閉じた状態でロックするようになっている。
[4−2.まとめと効果]
ここまで説明したように、第4の実施の形態では、リジェクトカセット17に、ロックレバー83、奥側ブロック85及び手前側ブロック86からなるロック機構80を設け、奥側ブロック85の先端と手前側ブロック86の先端とが上下方向にオーバーラップするようにして、挿入口82から、奥側ブロック85のさらに奥に位置するロックレバー83には、直線的に辿り着けないようにした。
そして、リジェクトカセット17が紙幣出金機1から取り外されているときには、ロックレバー83の爪83Cが、閉じた状態のシャッタ45の溝45Aに嵌入することで、シャッタ45をロックする。これにより、リジェクトカセット17は、紙幣出金機1から取り外されたときに、不正にシャッタ45が開けられてしまうことを防ぐことができる。
また、リジェクトカセット17は、弾性変形可能な解除レバー81が挿入口82から挿入されると、この解除レバー81の先端側が上下方向に弾性変形しながら、手前側ブロック86と奥側ブロック85を乗り越え、解除レバー81の先端側に設けられた孔81Aに、奥側ブロック85が嵌入して、解除レバー81が元の形状に戻ろうとするときに解除レバー81の先端がロックレバー83に到達して、ロックレバーを回転させる。これにより、ロックレバー83の爪83Cがシャッタ45の溝45Aから外れてシャッタ45のロックが解除される。
このように、リジェクトカセット17は、挿入口82に、弾性変形可能な解除レバー81を挿入しないと、シャッタ45のロックを解除できないようになっている。非弾性素材で形成されたレバーを挿入口82から挿入した場合、手前側ブロック86や奥側ブロック85を乗り越えることができず、ロックレバー83を回転させることができない。
また、弾性素材で形成されたレバーであっても、奥側ブロック85に応じた孔81Aが形成されていないと、レバーの先端が、奥側ブロック85を乗り越えたときに元の形状に戻ろうとせず、そのままレバーの先端がロックレバー83の下方に向かってしまい、ロックレバー83を回転させることができない。
このように、第4の実施の形態のリジェクトカセット17は、挿入口82からは、ロックレバー83が奥側ブロック85の奥に隠れて見えず、且つ直線的に辿り着けないようになっていて、弾性素材で形成され且つ適切な位置に適切な大きさの孔81Aが形成された解除レバー81でないとシャッタ45のロックを解除できないようになっている。また、解除レバー81は、例えば溶接により紙幣出金機1の収納筐体10に固定されている為、簡単に取り外すことはできないようになっている。これにより、第4の実施の形態のリジェクトカセット17は、シャッタ45のロックが不正に解除されてしまうことを、より確実に防ぐことができる。
かくして、第4の実施の形態のリジェクトカセット17は、従来と比して、一段とセキュリティ性を向上することができる。なお、図10(B)のように、リジェクトカセット17に、第1の実施の形態のロック機構50と、第4の実施の形態のロック機構80とを設けることも出来る。さらに、図10(C)のように、リジェクトカセット17に、第3の実施の形態のロック機構70と、第4の実施の形態のロック機構80とを設けることも出来る。このようにすることで、リジェクトカセット17が紙幣出金機1から取り外されているときには、2つの異なるロック機構50及び80又は2つの異なるロック機構70及び80が、それぞれ別々にシャッタ45をロックする。これにより、リジェクトカセット17は、紙幣出金機1から取り外されたときに、不正にシャッタ45が開けられてしまうことをより確実に防ぐことができる。
また、図10(B)又は図10(C)に示したリジェクトカセット17は、2つの異なるロック機構50及び80又は2つの異なるロック機構70及び80の両方を一度に解除しないと(すなわち同時にロックを解除した状態にしないと)、シャッタ45のロックを解除することが出来なくなっている。さらに、解除レバー40、71及び81の構造及び素材が大きく異なる(図10(B)においては、一方はラック状の非弾性素材でなるバー、他方は所定の位置に孔が形成された弾性素材でなるバー、図10(C)においては、一方は可動部を有する非弾性素材でなるレバー、他方は所定の位置に孔が形成された弾性素材でなるレバー)為、解除レバー40、71、81を偽造するのはより困難となっている。かくして、図10(B)又は図10(C)に示したリジェクトカセット17は、1つのロック機構を有する第1の実施形態、第3の実施形態及び第4の実施の形態と比べて、一段とセキュリティ性を向上することができる。
[5.第5の実施の形態]
次に、第5の実施の形態について説明する。この第5の実施の形態は、リジェクトカセット17のロック機構の構成が、第1の実施の形態とは異なるものである。尚、紙幣出金機1の基本的な構成については、第1の実施の形態と同様の為、詳しい説明については第1の実施の形態を参照とする。よって、ここでは、主に、リジェクトカセット17のロック機構の構成について説明する。
[5−1.ロック機構の構成]
図7に、リジェクトカセット17のロック機構100の構成を示す。尚、図7については、図2と同一の部分には同一の符号を付してある。同一部分の詳しい説明については第1の実施の形態を参照とする。
リジェクトカセット17の筐体42の内部には、シャッタ45を閉じた状態でロックする為のロック機構100が設けられている。
ロック機構100は、ロックレバー102からなり、ロックレバー102は、前後方向に延びる基部102Aと、基部102Aの後端から上方に突出する爪102Bと、基部102Aの前端(爪102Bとは逆側の端)に設けられた磁石102Cとで構成されている。このロックレバー102は、図10(D)の右側に示すように、フレーム46の右側壁から筐体42の右側壁側へと延びる支軸103によって、基部102Aの中央を中心に回転可能に支持されている。
このロックレバー102は、閉じているシャッタ45の下側に位置するようになっている。さらにこのロックレバー102は、図示しないスプリングなどにより図中反時計まわり方向に付勢されていて、これによりロックレバー102の爪102Bがシャッタ45の下面に形成された溝45Aに嵌入して、シャッタ45を閉じた状態でロックするようになっている。
紙幣出金機1側の解除磁石101は、リジェクトカセット17の内部に設けられたロックレバー102の磁石102Cの上方に位置するようになっている。また、この解除磁石101は、ロックレバー102の磁石102Cに近づくと、この磁石102Cと引き合うようになっている。
第5の実施の形態のリジェクトカセット17のロック機構100の構成は、以上のようになっている。ここで、シャッタ45のロックを解除する解除動作について説明する。
図7(A)に示すように、作業者が、リジェクトカセット17を、紙幣出金機1の収納筐体10に押し込んでいき、収納筐体10にリジェクトカセット17が装着されると、このとき、収納筐体10に設けられた解除磁石101が、リジェクトカセット17の内部に設けられたロックレバー102の磁石102Cの上方に到達する。
すると、この解除磁石101と、ロックレバー102の磁石102Cとが引き合うことにより、ロックレバー102が図中時計まわり方向に回転する。これにより、ロックレバー102の爪102Bが、シャッタ45の溝45Aから外れて、シャッタ45のロックが解除される。この時点で、リジェクトカセット17は、シャッタ45を開けることができる状態となる。そして、図7(B)に示すように、例えば、図示しないアクチュエータによりシャッタ45が開けられる。このような解除動作により、シャッタ45のロックが解除される。
また、図示しないが、リジェクトカセット17を紙幣出金機1から取り外す場合、リジェクトカセット17は、図示しないアクチュエータによりシャッタ45が閉じられた後、上述の解除動作とは逆の手順の動作(ロック動作)により、シャッタ45を閉じた状態でロックするようになっている。
[5−2.まとめと効果]
ここまで説明したように、第5の実施の形態では、リジェクトカセット17に、ロックレバー102からなるロック機構100を設け、さらにこのロックレバー102の一端(後端)に爪102Bを設け、他端(前端)に磁石102Cを設けるようにした。
そして、リジェクトカセット17が紙幣出金機1から取り外されているときには、ロックレバー102の爪102Bが、閉じた状態のシャッタ45の溝45Aに嵌入して、シャッタ45をロックする。これにより、リジェクトカセット17は、紙幣出金機1から取り外されたときに、不正にシャッタ45が開けられてしまうことを防ぐことができる。
また、リジェクトカセット17は、紙幣出金機1に装着されたときに解除磁石101が、ロックレバー102の磁石102Cに近づけられると、解除磁石101とロックレバー102の磁石102Cとが引き合うことにより、ロックレバー102が回転することで、爪102Bがシャッタ45の溝45Aから外れてシャッタのロックが解除される。
このように、リジェクトカセット17は、筐体42の適切な位置に解除磁石101を近づけないと、シャッタ45のロックを解除できないようになっている。また、筐体42には、解除レバーを挿入するような孔もなく、ロックレバー102が外部から完全に隠蔽されている。これにより、第5の実施の形態のリジェクトカセット17は、シャッタ45のロックが不正に解除されてしまうことを、より確実に防ぐことができる。
かくして、第5の実施の形態のリジェクトカセット17は、従来と比して、一段とセキュリティ性を向上することができる。なお、図10(D)のように、リジェクトカセット17に、第4の実施の形態のロック機構80と、第5の実施の形態のロック機構100とを設けることも出来る。このようにすることで、リジェクトカセット17が紙幣出金機1から取り外されているときには、2つの異なるロック機構80、100が、それぞれ別々にシャッタ45をロックする。これにより、リジェクトカセット17は、紙幣出金機1から取り外されたときに、不正にシャッタ45が開けられてしまうことをより確実に防ぐことができる。
また、リジェクトカセット17は、2つの異なるロック機構80、100を一度に解除しないと(すなわち同時にロックを解除した状態にしないと)、シャッタ45のロックを解除することが出来なくなっている。さらに、一方のロック機構80が解除レバー81の挿入によって解除できる機構であるのに対して、他方のロック機構100は解除磁石101の引き合いによって解除できる機構である。つまり、2つのロック機構80、100の解除方法が大きく異なる為、両方のロック機構80、100を同時に解除することはより困難となっている。特に、ロック機構100については、リジェクトカセット17の内部に隠蔽されている為、リジェクトカセット17を外側から見ただけでは、このロック機構100の存在に気づくことすらできない。かくして、図10(D)に示したリジェクトカセット17は、1つのロック機構を有する第4及び第5の実施の形態と比べて、一段とセキュリティ性を向上することができる。
[6.第6の実施の形態]
次に、第6の実施の形態について説明する。この第6の実施の形態は、リジェクトカセット17のロック機構と解除レバーの構成が、第1の実施の形態とは異なるものである。尚、紙幣出金機1の基本的な構成については、第1の実施の形態と同様の為、詳しい説明については第1の実施の形態を参照とする。よって、ここでは、主に、リジェクトカセット17のロック機構及び解除レバーの構成について説明する。
[6−1.ロック機構及び解除レバーの構成]
図8に、リジェクトカセット17のロック機構110及び解除レバー111の構成を示す。尚、図8については、図2と同一の部分には同一の符号を付してある。同一部分の詳しい説明については第1の実施の形態を参照とする。
リジェクトカセット17の筐体42の後面には、右端寄りの位置に、リジェクトカセット17が紙幣出金機1に装着される際に、紙幣出金機1側に設けられた解除レバー111が挿入される挿入口112が設けられている。
筐体42の内部には、シャッタ45を閉じた状態でロックする為のロック機構110が設けられている。ロック機構110は、ギア113と、ロックレバー114からなり、ギア113は、歯車形状でなり、左右方向に延びる支軸115によって回転可能に支持されている。このギア113には、筐体42の右側壁と対向する外側の面に、筐体42の右側壁側に突出する突起113Aが設けられている。また、このギア113は、図示しないスプリングなどにより突起113Aが支軸115の真上に留まるようにして、支軸115に支持されている。
ロックレバー114は、ギア113の外側に設けられギア113の中心から後側へと延びる板状のアーム部114Aと、ギア113の後方に設けられ上下方向に延びる棒状のカンヌキ部114Bとで構成されている。アーム部114Aは、支軸115によって、一端側の根元部分を中心に回転可能に支持されているともに、先端部分がカンヌキ部114Bの中央部分と係合している。したがって、ロックレバー114は、ギア113が図中時計まわり方向に回転すると、ギア113の突起113Aとアーム部114Aが接触してアーム部114Aが図中時計まわり方向に回転し、これにともなってカンヌキ部114Bが下方にスライドするようになっている。
また、カンヌキ部114Bは、閉じているシャッタ45の下面に形成された溝45Aの下側に位置するようになっている。さらに、ロックレバー114は、アーム部114Aが、図示しないスプリングなどにより図中反時計まわり方向に付勢されていて、これによりギア113の突起113Aが支軸115の真上に位置するときには、カンヌキ部114Bの上端がシャッタ45の下面に形成された溝45Aに嵌入して、シャッタ45を閉じた状態でロックするようになっている。また、カンヌキ部114Bは、上端がシャッタ45の溝45Aに嵌入しているときには下端がギア113の下端より上方に位置し、上端がシャッタ45の溝45Aから外れると、下端がギア113の下端より下方に位置するようになっている。
紙幣出金機1側の解除レバー111は、前後方向に延びる棒状でなり、上面の先端部分にギア113と同一のモジュール(すなわち歯の大きさ)でなる歯111Aが形成されている。さらに、この解除レバー111の上面には、歯111Aが形成されている部分の後側に、溝111Bが形成されている。
リジェクトカセット17の構成は、以上のようになっている。ここで、シャッタ45のロックを解除する解除動作について説明する。
図8(A)に示す状態から、作業者が、リジェクトカセット17を、紙幣出金機1の収納筐体10に押し込んでいくと、まず、解除レバー111が、リジェクトカセット17の挿入口112からリジェクトカセット17の内部に挿入される。
さらに、リジェクトカセット17が押し込まれていくと、挿入口112から挿入された解除レバー111の先端がギア113の下部に到達してギア113と噛み合う。さらに、リジェクトカセット17が押し込まれていくと、解除レバー111が進行することにともなって、ギア113が図中時計まわり方向に回転する。さらに、図8(B)に示すように、リジェクトカセット17が押し込まれていくと、ギア113の突起113Aがロックレバー114のアーム部114Aに接触してアーム部114Aを図中時計まわり方向に回転させ、これによりアーム部114Aと係合するカンヌキ部114Bが下方にスライドする。
このとき、カンヌキ部114Bの下方に解除レバー111の溝111Bが位置するようになっていて、これにより、カンヌキ部114Bは、その下端が解除レバー111の溝111Bの底に当たるまでスライドできるようになっている。そして、カンヌキ部114Bの下端が解除レバー111の溝111Bに入り込んで溝111Bの底に当たるまでの間に、カンヌキ部114Bの下端がギア113の下端より下方に下りてくるとともに、カンヌキ部114Bの上端がシャッタ45の溝45Aから外れて、シャッタ45のロックが解除される。このような解除動作により、シャッタ45のロックが解除される。
また、図示しないが、リジェクトカセット17を紙幣出金機1から取り外す場合、リジェクトカセット17は、図示しないアクチュエータによりシャッタ45が閉じられた後、上述の解除動作とは逆の手順の動作(ロック動作)により、シャッタ45を閉じた状態でロックするようになっている。
[6−2.まとめと効果]
ここまで説明したように、第6の実施の形態では、リジェクトカセット17に、ギア113とロックレバー114からなるロック機構110を設けるようにした。そして、リジェクトカセット17が紙幣出金機1から取り外されているときには、ロックレバー114のカンヌキ部114Bが、閉じた状態のシャッタ45の溝45Aに嵌入することで、シャッタ45をロックする。これにより、リジェクトカセット17は、紙幣出金機1から取り外されたときに、不正にシャッタ45が開けられてしまうことを防ぐことができる。
また、リジェクトカセット17は、ギア113と噛み合う形状の解除レバー111が挿入口112から挿入されると、この解除レバー111によってギア113が回転することにより、ロックレバー114のアーム部114Aが回転し、アーム部114Aと係合するカンヌキ部114Bがシャッタ45の溝45Aから外れる方向(すなわち下方)にスライドする。このとき、カンヌキ部45Bがスライドする方向には、解除レバー111が存在することになるが、解除レバー111には、カンヌキ部114Bがシャッタ45の溝45Aから外れるまでスライドできるように、カンヌキ部114Bの下端と対向する箇所に溝111Bが設けられている。これにより、カンヌキ部114Bがシャッタ45の溝45Aから外れるまでスライドして、シャッタ45のロックが解除される。
このように、リジェクトカセット17は、挿入口112に、ギア113と噛み合う形状の歯111Aが形成され且つ適切な位置に溝111Bが形成された解除レバー111を挿入しないと、シャッタ45のロックを解除できないようになっている為、例えば、単純な形状の棒を挿入口112から挿入して不正にロックを解除しようとしても、解除することはできない。また、第1の実施の形態のようなギア52と噛み合う形状の歯が形成されただけの解除レバー40でも解除できない。これにより、第6の実施の形態のリジェクトカセット17は、シャッタ45のロックが不正に解除されてしまうことを、より確実に防ぐことができる。
かくして、第6の実施の形態のリジェクトカセット17は、従来と比して、一段とセキュリティ性を向上することができる。
[7.第7の実施の形態]
次に、第7の実施の形態について説明する。この第7の実施の形態は、リジェクトカセット17のロック機構と解除レバーの構成が、第1の実施の形態とは異なるものである。尚、紙幣出金機1の基本的な構成については、第1の実施の形態と同様の為、詳しい説明については第1の実施の形態を参照とする。よって、ここでは、主に、リジェクトカセット17のロック機構及び解除レバーの構成について説明する。
[7−1.ロック機構及び解除レバーの構成]
図9に、リジェクトカセット17のロック機構120の構成を示す。尚、図9については、図2(B)と同一の部分には同一の符号を付してある。同一部分の詳しい説明については第1の実施の形態を参照とする。
リジェクトカセット17の筐体42の後面には、右端寄りの位置に、リジェクトカセット17が紙幣出金機1に装着される際に、紙幣出金機1側に設けられた解除レバー121が挿入される挿入口122が設けられている。筐体42の内部には、シャッタ45を閉じた状態でロックする為のロック機構120が設けられている。
ロック機構120は、ロックレバー123からなり、ロックレバー123は、筐体の側面側から見て略L字型の形状となっている。このロックレバー123は、左右方向に延びる支軸124によって、L字の折れ曲がっている箇所に相当する折れ曲がり箇所を中心に回転可能に支持されている。このロックレバー123は、折れ曲がり箇所から後面側に延びる第1の部分123Aと、下方に延びる第2の部分123Bとでなり、第1の部分123Aの先端近傍には、上方に突出する爪123Cが設けられている。
このロックレバー123は、第1の部分123Aが、閉じているシャッタ45の下側に位置するとともに、第2の部分123Bの下端が、挿入口122の奥に位置するようになっている。さらにこのロックレバー123は、図示しないスプリングなどにより図中反時計まわり方向に付勢されていて、これによりロックレバー123の爪123Cがシャッタ45の下面に形成された溝45Aに嵌入して、シャッタ45を閉じた状態でロックするようになっている。
紙幣出金機1側の解除レバー121は、前後方向に延びる棒状でなり、上面の先端側に溝121Aが形成されている。
ロック機構120及び解除レバー121の構成は、以上のようになっている。ここで、シャッタ45のロックを解除する解除動作について説明する。
作業者が、リジェクトカセット17を、紙幣出金機1の収納筐体10に押し込んでいくと、まず、図9(A)に示すように、解除レバー121が、リジェクトカセット17の挿入口122からリジェクトカセット17の内部に挿入される。
さらに、リジェクトカセット17が押し込まれていくと、挿入口122から挿入された解除レバー121の先端がロックレバー123の第2の部分123Bに到達して第2の部分123Bに接触する。さらに、リジェクトカセット17が押し込まれていくと、図9(B)に示すように、解除レバー121によって、ロックレバー123の第2の部分123Bが前方に押されることで、ロックレバー123が図中時計まわり方向に回転する。このとき、ロックレバー123の第1の部分123Aの下方に解除レバー121の溝121Aが位置するようになっていて、これにより、ロックレバー123は、第1の部分123Aが解除レバー121の溝121Aの底に当たるまで図中時計まわり方向に回転できるようになっている。そして、ロックレバー123の第1の部分123Aが溝121Aに入り込んで底に当たるまでの間に、ロックレバー123の爪123Cがシャッタ45の溝45Aから外れて、シャッタ45のロックが解除される。このような解除動作により、シャッタ45のロックが解除される。
また、図示しないが、リジェクトカセット17を紙幣出金機1から取り外す場合、リジェクトカセット17は、図示しないアクチュエータによりシャッタ45が閉じられた後、上述の解除動作とは逆の手順の動作(ロック動作)により、シャッタ45を閉じた状態でロックするようになっている。
[7−2.まとめと効果]
ここまで説明したように、第7の実施の形態では、リジェクトカセット17に、ロックレバー123からなるロック機構120を設けるようにした。そして、リジェクトカセット17が紙幣出金機1から取り外されているときには、ロックレバー123の爪123Cが、閉じた状態のシャッタ45の溝に嵌入することで、シャッタ45をロックする。これにより、リジェクトカセット17は、紙幣出金機1から取り外されたときに、不正にシャッタ45が開けられてしまうことを防ぐことができる。
また、リジェクトカセット17は、解除レバー121が挿入口122から挿入されると、この解除レバー121によってロックレバー123が回転する。このとき、ロックレバー123が回転する方向には、解除レバー121が存在することになるが、解除レバー121には、ロックレバー123の爪123Cがシャッタ45の溝45Aから外れるまで回転できるように、ロックレバー123と対向する箇所に溝121Aが設けられている。これにより、ロックレバー123の爪123Cがシャッタ45の溝45Aから外れるまで回転して、シャッタ45のロックが解除される。
このように、リジェクトカセット17は、挿入口122に、適切な位置に溝121Aが形成された解除レバー121を挿入しないと、シャッタ45のロックを解除できないようになっている為、例えば、図9(C)に示すように、単純な棒状のレバー130を挿入口122から挿入して不正にロックを解除しようとしても、解除することはできない。これにより、第7の実施の形態のリジェクトカセット17は、シャッタ45のロックが不正に解除されてしまうことを、より確実に防ぐことができる。
かくして、第7の実施の形態のリジェクトカセット17は、従来と比して、一段とセキュリティ性を向上することができる。
[8.他の実施の形態]
[8−1.他の実施の形態1]
尚、上述した第5の実施の形態では、紙幣出金機1側の解除磁石101と、リジェクトカセット17側のロックレバー102の爪102Bとは反対側の端に設けられた磁石102Cとが引き合うことにより、ロックレバー102が回転して爪102Bがシャッタ45の溝45Aから外れ、シャッタ45のロックが解除されるようにした。これに限らず、例えば、磁石の引き合う力を利用して、ロックを解除するようにしてもよいし、磁石の反発する力を利用して、ロックを解除するようにしてもよい。
[8−2.他の実施の形態2]
さらに、上述した第1乃至第7の実施の形態では、媒体収納部としての収納部を有する収納庫筐体としての筐体42と、媒体収納部の入出口としての取込孔17Hを露出又は隠蔽するシャッタ45と、第1のロック機構又は第2のロック機構としてのロック機構50、61、70、80、100、110、120とを有する媒体収納庫としてのリジェクトカセット17に本発明を適用したが、これに限らず、媒体取引装置に着脱可能でシャッタを有する媒体収納庫であれば、リジェクトカセット17以外の媒体収納庫に適用してもよい。例えば、媒体収納庫としての紙幣カセット11に適用してもよい。
さらに、上述した第1乃至第4、及び第6乃至第7の実施の形態では、鑑別部14と、媒体収納庫としてのリジェクトカセット17と、装置筐体としての収納筐体10と、搬送部13と、第1の解除部又は第2の解除部としての、解除レバー40、60、71、81、111、121とを有する媒体取引装置としての紙幣出金機1に本発明を適用したが、これに限らず、シャッタを有する着脱可能な媒体収納庫を有する媒体取引装置であれば、紙幣出金機1以外の媒体取引装置に適用してもよい。例えば、紙幣以外の媒体(切符、チケットなど)を扱う媒体取引装置に適用してもよい。
[8−3.他の実施の形態3]
さらに本発明は、上述した各実施の形態に限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した各実施の形態の一部又は全部を任意に組み合わせた実施の形態や、一部を抽出した実施の形態にもその適用範囲が及ぶものである。