JP6605909B2 - 電気二重層キャパシタ - Google Patents

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Description

本発明は、一対の分極性電極と、水系電解液を有する電気二重層キャパシタに関する。
電気二重層キャパシタは、電荷を有する固体とそれに接触する電解液の界面に形成される厚さ数nm程度の電気二重層を誘電体として利用したものである。電気二重層の容量は、1cmあたり数十μFであるが、表面積が数千mにも及ぶ活性炭を電極の主成分として用いることにより、数百〜数千Fの極めて大きな容量を得ることが可能である。
また、電気二重層キャパシタは充放電サイクルに伴う容量の劣化が少なく、一般的な電池に比較して、起動後に瞬時に大きな出力を取り出せる特徴を有している。これらの特徴を有する電気二重層キャパシタは、主にICメモリのバックアップやアクチュエータのバックアップに使用されている。電気二重層キャパシタは、電解液の種類により非水系(有機)電解液を用いるタイプと水系電解液を用いたタイプに分類できる。例えば、特許文献1においては、−20℃以下、好ましくは−30℃以下でも氷結せずに使用可能な水系電解液を用いた電気二重層キャパシタが開示されている。
特開2004−288871号公報
非水系電解液を用いた電気二重層キャパシタは、一般的に高い耐電圧を有するという利点がある一方で、電気伝導度が低いという欠点がある。また、空気中の水分がセル内部に侵入すると特性が著しく劣化することから、完全密閉構造とする必要がありコストや寿命に課題がある。これに対し、水系電解液を用いた電気二重層キャパシタは、完全密封構造を取る必要が無く、電解液の電気伝導率も非水系電解液よりも高いという利点を持つ。しかし、水の分解電圧を考慮する必要があるため、単一セルあたりの耐電圧が約1.2Vに制限されるという問題がある。電圧を上げる方法として直列に積層する方法があるが、静電容量の低下、コスト上昇およびサイズ上昇が生じてしまう。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、水系電解液の利点である高導電率と低コスト化を維持しつつ、耐電圧特性の向上を図ることができる電気二重層キャパシタを提供することである。
本発明者が鋭意検討を重ねたところ、以下の態様において本願発明の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
[1]: 分極性電極と水系電解液を具備する電気二重層キャパシタであって、前記水系電解液は、当該水系電解液に対して相溶性を示し、下記式(1)で表されるスルホン化合物と、水溶性電解質とを含み、前記分極性電極のうちの少なくとも正極は、活性炭を含む電気二重層キャパシタ。
Figure 0006605909
(式(1)中のRおよびRは、それぞれ独立に置換基を有していてもよいアルキル基を示す。Rの炭素原子とRの炭素原子は、互いに結合して環状構造を形成していてもよい。)
[2]: 前記スルホン化合物は、環状スルホン化合物である[1]に記載の電気二重層キャパシタ。
[3]: 前記スルホン化合物は、スルホランである[1]又は[2]に記載の電気二重層キャパシタ。
[4]: 前記水溶性電解質は、硫酸水溶液である[1]〜[3]のいずれかに記載の電気二重層キャパシタ。
[5]: 前記水系電解液100質量%に対して、前記硫酸水溶液が25〜60質量%である[4]に記載の電気二重層キャパシタ。
本発明によれば、高導電率と低コスト化を維持しつつ、耐電圧特性の優れた水系電解液を用いた電気二重層キャパシタを提供できるという優れた効果を有する。
第1実施形態に係る電気二重層キャパシタの単位セルの一例を示す模式断面図。 水系電解液として水溶性電解質(硫酸水溶液)を用いた場合の分極性電極近傍の模式的説明図。 水系電解液として水溶性電解質(硫酸水溶液)とスルホン化合物を用いた場合の分極性電極近傍の模式的説明図。 実施例1、2および比較例の電気二重層キャパシタにおけるサイクリックボルタンメトリ−を示すグラフ。 実施例1に係る電気二重層キャパシタのCV測定における正極および負極の電位の時間変化をプロットした図。 比較例に係る電気二重層キャパシタのCV測定における正極および負極の電位の時間変化をプロットした図。 実施例1および比較例の電気二重層キャパシタにおけるESR(等価直列抵抗)変化率を経時的にプロットした図。 実施例1および比較例の電気二重層キャパシタにおける充放電時間に対する容量維持率をプロットした図。
以下、本発明を適用した実施形態の一例について説明する。なお、本発明の趣旨に合致する限り種々の設計変更が可能であり、他の実施形態も本発明の範疇に属し得ることは言うまでもない。
本発明の電気二重層キャパシタは、当該水系電解液に対して相溶性を示し、下記式(1)で表されるスルホン化合物(以下、単に「スルホン化合物」ともいう)と、水溶性電解質とを含む水系電解液および活性炭を含む分極性電極を用いるものである。
Figure 0006605909
但し、式(1)中のRおよびRは、それぞれ独立に置換基を有していてもよいアルキル基を示す。Rの炭素原子とRの炭素原子は、互いに結合して環状構造を形成していてもよい。置換基としては、水酸基、カルボキシル基およびハロゲン原子(フッ素、塩素等)が例示できる。
ここで、「スルホン化合物」が水系電解液と相溶性を示すとは、使用温度領域において水系電解液に溶解していればよく、水単独との相溶性は必ずしも必須ではない。また、「水溶性電解質」とは、水と導電性物質を含む水溶液をいうものとする。水系電解液として、例えば、硫酸水溶液等のイオン性水溶液とこの水溶性電解質に相溶性を示すスルホランの組み合わせの他、水溶性電解質に相溶する固体状のスルホン化合物を加えた水系電解液およびこれらの組み合わせとすることができる。スルホン化合物および水溶性電解質は、それぞれ独立に、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いられる。
スルホン化合物の好ましい例としては、ジアルキルスルホン化合物、ジスルホン酸エステル化合物、フルオロスルホン酸塩および下記式(2)で表される環状スルホン化合物等が挙げられる。
Figure 0006605909
但し、Rは、置換基を有していてもよいアルキレン基を示す。アルキレン基の炭素数は4〜9であることが好ましく、4〜6であることが更に好ましい。置換基は、アルキル基、水酸基、カルボキシル基、フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子が例示できる。
スルホン化合物としては、ジメチルスルホン、スルホラン(テトラメチレンスルホン)等が例示できる。この中で、水との相溶性に優れ、溶媒として用いられているスルホランが特に好ましい。
スルホン化合物は、水系電解液100質量%に対して、10〜50質量%以下とすることが好ましい。50質量%を超えると、導電率が低下する恐れがある。また、凝固点が上昇する恐れがある。10〜50質量%の範囲とすることにより、耐電圧特性の向上を効果的に実現できる。
水溶性電解質の種類は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で限定されないが、硝酸、塩酸、リン酸、テトラフルオロ硼酸、六フッ化ケイ酸などの無機酸、飽和モノカルボン酸、脂肪族カルボン酸、オキシカルボン酸、p−トルエンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ラウリン酸などの有機酸が例示できる。これらのうち、特に好ましくは硫酸である。
水溶性電解質として硫酸を用いる場合、硫酸水溶液の硫酸濃度は、25〜60質量%とすることが好ましい。硫酸濃度を上記範囲とすることにより、導電率を良好に保ち、溶液の凝固点の上昇を抑えて適切な凝固点にすることができる。
水系電解液中には、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で他の添加剤や水溶性有機溶媒が含まれていてもよい。例えば、KOH等の塩基性化合物や、過塩素酸テトラエチルアンモニウム等の塩を含んでいてもよい。また、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、グリセリン等の多価アルコールや、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール等のポリアルキレングリコールや、ラクトン類等の水溶性有機溶媒を含んでいてもよい。
次に、本実施形態に係る電気二重層キャパシタについて説明する。図1は、本実施形態に係る電気二重層キャパシタにおける単位セルの一例を示す模式的断面図である。図1に示すように、単位セル100は、正極集電体1およびその上に設けられた活性炭からなる正極としての分極性電極3と、負極集電体2およびその上に設けられた負極の分極性電極4を具備する。分極性電極3,4は、電気二重層を形成する部分である。
正極となる分極性電極3は、少なくとも活性炭粉末を含み、後述の水系電解液を混合することでペースト状となっている。活性炭としては、フェノール樹脂系活性炭もしくは石油コークス系活性炭が好適である。
正極の分極性電極3と負極の分極性電極4とがセパレータ5を介して対向配置される。セパレータ5は、ポリプロピレン不織布、ポリエチレン不織布や、ポリプロピレン微多孔膜などからなり、分極性電極3、4同士の短絡を防止する。
正極集電体1と負極集電体2は、分極性電極3,4よりも平面視上のサイズが大きく、分極性電極3,4に対して平面視上、額縁領域が存在する。正極集電体1と負極集電体2の額縁領域である外周端には絶縁性のガスケット6が配置される。即ち、分極性電極3,4およびセパレータ5の外周端にガスケット6が配され、ガスケット6、分極性電極3,4およびセパレータ5を介して正極集電体1と負極集電体2が対向配置される。ガスケット6により、正極集電体1と負極集電体2の短絡が防止される。
正極集電体1、負極集電体2およびガスケット6は、水系電解液耐性と導電性、非導電性等の点から適正に選択する必要であり、例えば、硫酸を水系電解液として用いる場合は、正極集電体1、負極集電体2としては導電性ブチルゴムが用いられ、ガスケット6としては、絶縁性ブチルゴムが用いられる。ガスケット6、正極集電体1、負極集電体2により単位セル100が密閉構造となり、容器内部に充填された水系電解液の外部漏洩を防止できる。
単位セル100は、通常、外装体(不図示)で形成された容器内に収容される。正極集電体1は正極タブ(不図示)に接続され、負極集電体2は負極タブ(不図示)に接続されている。そして、これらのタブは容器の外まで引き出されている。即ち、正極集電体1および負極集電体2は、セル外部と分極性電極3,4とを電気的に接続する媒体としての役割を担う。
水系電解液7は電気伝導性を有する溶液で、活性炭粉末と混合されたペーストとして分極性電極3,4に含浸され、また、セパレータ5にも含浸されている。水系電解液7と分極性電極3,4により、電気二重層が形成される。
二重層キャパシタは、単位セルが積層された構造としてもよい。単位セル100の形状は、箱型、円筒型、シート型など種々の形態を取り得る。
次に、製造方法の一例について説明するが、一例であって、本発明は種々の製造方法により製造できる。
硫酸水溶液等の水溶性電解質とスルホン化合物を所定の割合で混合して水系電解液を調製する。次に、活性炭と水系電解液を混合してペースト状にする。加える水系電解液の量は、活性炭の形状や比表面積等により、滴下や塗布の際に最適な粘度に適宜調整する。
中空円形状のガスケット6と円盤状の正極集電体1,負極集電体2をそれぞれ貼り合わせ、ガスケット6の径と同じサイズの打ち抜き穴のあるPE(ポリエチレン)もしくはPET(ポリエチレンテレフタレート)シート等をガスケット6上に貼り合わせる。そして、上記電極ペーストをガスケット6内に滴下し、スキージングを行い、電極ペースト塗布量を均一にする。ペーストを塗布した後、貼り付けていたPE・PETシートを剥がし、水系電解液内の水分を乾燥させて単位セルの片側を形成する。
乾燥量はペースト全体の10%程度を上限とする。同様に、単位セルのもう一方の片側を作製する。そして、これらをセパレータ5を挟んでそれぞれを対向配置させることによって、水系電解液7を含んだ分極性電極3,4を封止する。封止の際には100Pa以下に減圧を行い内部の空気を除去して真空圧着を行う。封止を行った単位セルは6kg/cm−2程度に加圧して120℃で30〜60min加硫を行い、接合部を密着させる。これらの工程を経て、単位セル100が製造される。
電気二重層キャパシタは上述の通り、分極性電極3,4と水系電解液7を具備し、充放電の際には分極した電極に水系電解液中のイオンが物理吸着することで容量を発現する。この際、一定電圧を超えると分極性電極3,4もしくは水系電解液7内の化学種が電気分解を起こして電気二重層キャパシタの劣化につながる。一般的に水溶性電解質の電気分解は1.2V程度で起こる。これは水の電気分解に起因する。このため、水溶性電解質を用いた場合の単位セルの上限電圧は1.2V、好ましくは1V以下に制限され、高い電導度や安価であるという長所を有しながらも耐圧に大きな課題を抱えていた。一方、一般的には有機系電解液は、前述した様に耐圧が約3Vと水系と比較して高いという特徴を有しているが、水分の混入によって信頼性が著しく低下するためキャパシタの単位セル構造は完全密閉でなければならない。
一般的に活性炭は疎水性であり、水よりも有機溶媒との親和性の方が高い。硫酸水溶液などの水溶性電解質からなる水系電解液を用いた場合、図2に示すように、分極する電極にはカチオンもしくはアニオンに配位した水が電極の最近接面に配向する。このため、電圧が1.2Vを超えると電極に一番近い水が電気分解を起こしキャパシタセルの劣化を引き起こす。
本発明は、水系電解液として水溶性電解質にスルホン化合物を混合したものを用いることにより、水溶性電解質の長所である高い導電率、安い価格を維持しながら耐電圧を向上できる。
水溶性電解質にスルホン化合物を混合した水系電解液を使用した場合、図3に示すように、正極の分極性電極近傍には水よりも親和性の高い有機種が配向(吸着)する。このため、水の分解反応が抑制できる。このため、正極の分極性電極での水の分解(酸素の発生)を抑制でき、水溶性溶媒を混合しない場合よりも高い分解電圧が得られる。電圧を印加しても直ちに有機溶媒もしくは水の電気分解が起こることなく、結果的に水系電解液よりも高い耐圧を実現できる。
本発明に係る電気二重層キャパシタによれば、水系電解液として水溶性電解質にスルホン化合物を混合したものを用いることにより、水溶性電解質の長所である高い導電率、低コスト化を維持しつつ、耐電圧の向上を図ることができる。
耐圧の向上により、1V以上の作動電圧における信頼性の向上を図ることができる。また、耐圧の向上によって所定電圧を得るための積層セル枚数を、水溶性電解質のみを用いた時に比して減少させることが可能となる。更に、水系電解液を用いているので、完全密閉構造を必要としない単位セル形態を維持できるという優れたメリットを有する。また、ESR(等価直列抵抗)も改善できる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されない。
(実施例1)
水溶性電解質として硫酸を、スルホン化合物としてスルホランを用い水系電解液を得た。配合率は、水系電解液100質量%に対して硫酸を32質量%、スルホランを32質量%、水を36質量%とした。
図1に示す単位セルを作製した。まず、厚さ0.65mmの非導電性ブチルゴムのシートを、内径6.2mm且つ外径8.0mmのリング状に打ち抜き成形し、ガスケット6を得た。次に、厚さ0.65mmの導電性ブチルゴムのシートを直径8.0mmの円盤状に打ち抜き成形することにより正極集電体1を得た。正極集電体1と、ガスケット6とを同心円状に配置し、正極集電体1の外周端にリング状のガスケット6を貼り合わせて凹部状の構造体を得た。さらに、φ6.2mmの穴を開けたPEシートを、ガスケット6の上面に対向するように貼り合せた。
次に、ペースト電極を作製した。まず、活性炭と上記水系電解液を混合した。活性炭は、平均粒子径が8μmのフェノール樹脂系活性炭を用いた。活性炭と水系電解液の比率はおおよそ1:1.3とした。このペースト電極を上記で作製したガスケット6と正極集電体1からなる凹部構造体の底部に滴下する。このとき、後でスキージングを行うことを考慮して、ガスケット6からはみ出すように多めに充填しておく。スキージングによりペースト表面を均一にしてから、貼り付けていたPEシートを剥がし、常温・常湿でペースト全体の約4%が減少するまで乾燥を行った。これらの工程を経て単位セル100の片側を作製した。同様の手順でもう片側のセルを作製した。
次いで、厚さ50μm、直径8.0mmの円盤状のセパレータ5を介して分極性電極3,4を同心円状になるように対向配置した。そして、ガスケット6同士を100Pa以下で真空圧着させて単位セル100を得た。セパレータ5はPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)を用いた。圧着した単位セル100は6kg/cm−2程度で加圧をしながら120℃で30〜60minブチルゴムの加硫反応を利用した熱硬化接着を行うことにより、単位セル100の気密性を高め、水系電解液7が外部に漏洩しないようにした。
上記で作製した単位セルに外部端子を接続し、クランプにより単位セル100を25%圧縮することで電気二重層キャパシタを作製した。本実施例にて作製した電気二重層キャパシタの平均ESR(1kHz測定)は2.5Ω、平均容量は0.73Fであった。
(実施例2)
水系電解液の配合を、水系電解液100質量%に対して、硫酸を10質量%、スルホランを43質量%、水を47質量%とした以外は、実施例1と同様にして電気二重層キャパシタを作製した。
(比較例)
本比較例では、水系電解液7として39質量%の硫酸水溶液(即ち、硫酸を39質量%、水を61質量%)のみを用い、ペースト印刷後の水分乾燥を4質量%(vs.ペースト全体重量)減少するまで行った以外は実施例1と同じ材料、工法を用いた。
本比較例にて作製した電気二重層キャパシタの平均ESR(1kHz測定)は2.5Ω、平均容量は0.78Fであった。平均容量が実施例1と比較して若干高い値を示した理由は、硫酸水溶液のみを用いたことにより高い電気伝導率となったことによると考えられる。
(サイクリックボルタンメトリー(CV)の測定)
実施例1、2および比較例の電気二重層キャパシタに対し、サイクリックボルタンメトリ―を常温で測定した。作用極およびカウンター電極は膨張黒鉛シート(各面積は25mm)とし、作用極を基準として作用極−カウンター間で0〜+2.6Vを掃引範囲とした。掃引速度は25mV/sとした。正極、負極の電位測定に、参照極として銀−塩化銀電極(Ag/AgCl電極)を用いた。その結果を図4に示す。図4より、実施例1、2においては、水系電解液の分解に起因する電流の立ち上がりが硫酸水溶液を用い、スルホン化合物を加えない比較例よりも高電圧側にシフトし、耐電圧特性が向上することがわかる。スルホランを混合した実施例においては、応答電流が小さく、分解反応が抑制されていると考えられる。
(サイクリックボルタンメトリー(CV)の測定2)
前記のCV測定において、参照極を基準として正極、負極の電位の時間変化をプロットしたものを図5,6に示す。図5は実施例1、図6は比較例の場合である。図5より、スルホランを混合した水系電解液は、正極側の挙動が直線的となり、正極での水の分解反応が抑えられているものと考えられる。一方、図6においては、正極において約1.4Vに達する所で傾きが緩やかになっており、平坦部が存在する。これは、水の分解反応が起きているものと推測できる。水系電解液にスルホランを加えることにより、水の電極界面での分解反応が抑制できたものと考える。
実施例1と比較例の電気二重層キャパシタの高温負荷試験を500時間実施した際のESR変化を図7に、容量変化を図8に示す。高温負荷試験の条件は、印加電圧1.2V、環境温度85℃とした。
図8の容量変化に関しては、実施例1も比較例も差がないが、図7より、実施例1の方が比較例よりもESRの増大が抑制されており、本発明の効果が確認できる。比較例のERSの上昇率が実施例1よりも高い理由は、1.2V印加によって水系電解液の水が電気分解され、単位セル内部でガスの発生が生じたことによるものと推測される。
1 正極集電体
2 負極集電体
3、4 分極性電極
5 セパレータ
6 ガスケット
7 水系電解液
100 単位セル

Claims (4)

  1. 分極性電極と水系電解液を具備する電気二重層キャパシタであって、
    前記水系電解液は、当該水系電解液に対して相溶性を示し、下記式(1)で表されるスルホン化合物と、水溶性電解質とを含み、
    前記分極性電極のうちの少なくとも正極は、活性炭を含
    前記水溶性電解質は、硫酸水溶液である電気二重層キャパシタ。
    Figure 0006605909
    (式(1)中のRおよびRは、それぞれ独立に置換基を有していてもよいアルキル基を示す。Rの炭素原子とRの炭素原子は、互いに結合して環状構造を形成していてもよい。)
  2. 前記スルホン化合物は、環状スルホン化合物である請求項1に記載の電気二重層キャパシタ。
  3. 前記スルホン化合物は、スルホランである請求項1又は2に記載の電気二重層キャパシタ。
  4. 前記水系電解液100質量%に対して、前記硫酸水溶液が25〜60質量%である請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気二重層キャパシタ。
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