JP5116655B2 - 第4級アンモニウム塩電解質を用いた電解液および電気化学素子 - Google Patents

第4級アンモニウム塩電解質を用いた電解液および電気化学素子 Download PDF

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Description

本発明は第4級アンモニウム塩電解質を用いた電気化学素子用電解液に関する。
電気化学素子とは、電気化学的エネルギーを素子内部に蓄えるものであり、具体的には、素子内部に蓄えられた化学エネルギーを電気エネルギーとして外部に取り出すための電池、素子内部に蓄えられた静電エネルギーを電気エネルギーとして外部に取り出すためのキャパシタ、及び色素増感太陽電池等をいう。
従来、キャパシタの電解質にはテトラエチルアンモニウムのBF塩、トリエチルメチルアンモニウムのBF塩、または1−エチル−3−メチルイミダゾリウムのBF塩等が電解質として用いられている。特に過酷な条件下で、しかも大電流で使用されるハイブリッド電気自動車等の新しい用途分野では、低温でも安定に使用可能な、長期安定性に優れた電気化学素子が要望されており、このためそれを構成する部材である電解液にも、低温環境下で使用可能であり、かつ高耐電圧(電位窓が広い)な電解液の開発が急務となっている。
こうした状況の中、スルホランなどの耐分解性の高い溶媒を使用することで、耐電圧の高い電解液が開発されてきている(例えば、特許文献1、2)。
特開平08−306591 特開2005−260031
しかしながら、特許文献1、2記載の非水電解液を用いると、耐電圧は向上するが、−30℃以下の低温環境下では電解質の析出、または電解液の固化が起こるため使用が不可能であったり、凝固はしないまでも粘度の急激な上昇のため、電気電導度が低下するなどの電気化学素子用電解液としては致命的な欠陥を生じる場合があった。
すなわち、本発明の目的は、低温環境下での性能に優れ、かつ高耐電圧である電解液を提供し、低温でも安定に使用可能な、長期安定性に優れた電気化学素子を提供することである。
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち本発明は、一般式(1)で表される化合物(A)を含有してなる電解質(B)と、非水混合溶媒(H)を含有してなる電解液であって、非水混合溶媒(H)が、スルホラン、3−メチルスルホラン及び2,4−ジメチルスルホランからなる群より選ばれる少なくとも種のスルホラン誘導体(S)と、一般式(2)で表される鎖状炭酸エステル(C)を含有してなることを特徴とする電気化学素子用電解液;
Figure 0005116655
[Rはハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基及びエーテル結合を有する基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を有していてもよい炭素数1〜10の1価炭化水素基である。R2はハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基及びエーテル結合を有する基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を有していてもよい炭素数1〜10の1価炭化水素基、水素原子、又はハロゲン原子である。R3〜R14は、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のフルオロアルキル基、水素原子、又はハロゲン原子である。R3〜R14は同じでも異なっていてもよい。h、i、j、x、y及びzは0〜6の整数であり、同じでも異なっていてもよい。h+xは0〜6の整数、i+y及びj+zは1〜6の整数である。Xは対アニオンを表し、該対アニオンの第一原理分子軌道計算によるHOMOエネルギーが、−0.60〜−0.20a.u.である。]
Figure 0005116655
[R15とR16は炭素数1〜5のアルキル基であり、R15とR16は異なる基である。]
及び該電解液を用いた電気化学素子である。
本発明の電気化学素子用電解液を用いた電気化学素子は、高耐電圧で低温でも安定に使用可能であり、かつ長期安定性に優れる。
以下に本発明を詳細に説明する。
一般式(1)で表される化合物(A)はカチオン中心の窒素が立体的にアルキル基で保護されている特定の環構造を有するカチオン基と、酸化電位の高いアニオン基からなる第4級アンモニウム塩であるため、従来技術の電解質と比較して分子軌道計算においてLUMO値が高く、かつアニオン基のHOMO値が高いため、酸化還元を受けにくい。その結果、酸化電位と還元電位の差が大きく、電気化学的に安定であり、電解液として耐電圧が非常に高いという特徴を有している。
一般式(1)で示される化合物(A)のカチオン種(a)において、Rはハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基及びエーテル結合を有する基(以下、官能基Yと記す。) からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を有していてもよい炭素数1〜10の1価炭化水素基であり、炭化水素基としては、直鎖脂肪族炭化水素基、分岐脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基等が含まれる。Rの具体例を以下に挙げる。
炭化水素基が直鎖脂肪族炭化水素基の場合:メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基及びn−デシル基、並びに官能基Yを有する基としてはヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基及び2−ヒドロキシエチル基、ニトロメチル基、ニトロエチル基、シアノメチル基、シアノエチル基、メトキシメチル基、及びメトキシエチル基等が挙げられる。
炭化水素基が分岐脂肪族炭化水素基の場合:iso−プロピル基、2−メチルプロピル基、2−ブチル基、2−ペンチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、3−ペンチル基、2−メチルブチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、3−ヘプチル基、2−エチルブチル基、3−メチルペンチル基、3−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基及び2−エチルオクチル基、並びに官能基Yを有する基としては2−ヒドロキシ−iso−プロピル基、1−ヒドロキシ−2−メチルプロピル基、2−アミノ−iso−プロピル基、2−ニトロ−iso−プロピル基、1−ニトロ−2−メチルプロピル基、2−シアノ−iso−プロピル基、1−シアノ−2−メチルプロピル基、2−メトキシ−iso−プロピル基及び1−メトキシ−2−メチルプロピル基等が挙げられる。
炭化水素基が環式炭化水素基の場合:シクロヘキシル基、1−メチルシクロヘキシル基、2−メチルシクロヘキシル基、3−メチルシクロヘキシル基及び4−メチルシクロヘキシル基、並びに官能基Yを有する基としては1−ヒドロキシシクロヘキシル基、2−ヒドロキシシクロヘキシル基、3−ヒドロキシシクロヘキシル基及び4−ヒドロキシシクロヘキシル基、1−メトキシシクロヘキシル基、2−メトキシシクロヘキシル基、3−メトキシシクロヘキシル基及び4−メトキシシクロヘキシル基等が挙げられる。
炭化水素基が芳香族炭化水素基の場合:フェニル基、トルイル基及びベンジル基等が挙げられる。
ハロゲン原子を有する炭化水素基としてはフルオロアルキル基が好ましく、フルオロアルキル基としては、C2n+1(nは10以下の整数)で表される基であり、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基等が挙げられる。
これらRのうち直鎖又は分岐脂肪族炭化水素基、エーテル結合を有する基を有する脂肪族炭化水素基及びフルオロアルキル基が好ましい。さらに好ましくはメチル基、エチル基、メトキシエチル基、トリフルオロメチル基及びペンタフルオロエチル基である。特に好ましくは、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基及びペンタフルオロエチル基である。極めて好ましくは、メチル基である。
一般式(1)において、Rはハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基及びエーテル結合を有する基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を有していてもよい炭素数1〜10の1価炭化水素基、水素原子、又はハロゲン原子であり、Rと同様の官能基、水素原子及びハロゲン原子等が挙げられる。
これらRのうち水素原子、直鎖又は分岐脂肪族炭化水素基及びフルオロアルキル基が好ましい。さらに好ましくは水素原子、メチル基、エチル基、メトキシエチル基、トリフルオロメチル基及びペンタフルオロエチル基である。特に好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基子、トリフルオロメチル基及びペンタフルオロエチル基である。極めて好ましくは水素原子である。
一般式(1)においてR3〜R14は、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のフルオロアルキル基、水素原子、又はハロゲン原子であり、炭素数1〜5のアルキル基には直鎖脂肪族炭化水素基、分岐脂肪族炭化水素基が含まれる。R3〜R14は同じでも異なっていてもよい。
3〜R14の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、iso−プロピル基、2−メチルプロピル基、2−ブチル基、2−ペンチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、3−ペンチル基、2−メチルブチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、n−ヘプタフルオロプロピル基、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。これらのうち、好ましいものは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル、水素原子、フッ素原子である。さらに好ましくは、メチル基、トリフルオロメチル基、水素原子、フッ素原子である。特に好ましくは、水素原子、フッ素原子である。極めて好ましくは水素原子である。
一般式(1)において、h、i、j、x、y及びzは0〜6の整数であり、同じでも異なっていてもよい。h+xは0〜6の整数、i+y及びj+zは1〜6の整数である。好ましくは、i+y及びj+zが2又は3の整数であり、h+xが2又は1又は0である。さらに好ましくは、x、y及びzが0であり、i及びjが2又は3の整数であり、hが2又は1又は0である。
一般式(1)で示される化合物(A)のカチオン種(a)として好ましいものは電気化学的安定性の観点から、N−メチル−1−アザビシクロ[2,2,2]オクタン−イウム、N−エチル−1−アザビシクロ[2,2,2]オクタン−イウム、N−メチル−1−アザビシクロ[2,2,1]ヘプタン−イウム、N−エチル−1−アザビシクロ[2,2,1]ヘプタン−イウム、N−トリフルオロメチル−1−アザビシクロ[2,2,2]オクタン−イウム、N−トリフロオロメチル−1−アザビシクロ[2,2,1]ヘプタン−イウムなどがあげられる。
化合物(A)の原料となる3級アミンは公知の方法にて合成できる。一般には、
(1)ヒドロキシルアルキル基を有するテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等の環状エーテルを臭化水素により臭素化して得られた、トリブロムアルキル化合物をメタノール性アンモニアと封管中で130〜150℃に加熱することにより、HBrを脱離させ環化させる方法、
(2)アミノアルキル基を有するテトラヒドロフラン、テトラヒドロピランなどの環状エーテルにハロゲン化水素を反応させて得られる、ジハロゲン化第1級アミン化合物を0.1Nの水酸化ナトリウム水溶液に滴下して、ハロゲン化水素の脱離により分子内環化反応を行う方法、
(3)カルボキシアルキル基を有するピペリジン、ピロリジンなどの環状第2級アミンを水素化アルミニウムリチウム等で還元、あるいはカルボキシアルキル基を有するピリジンなどの芳香族アミンをナトリウムとエタノールなどにより還元することによりヒドロキシアルキル基を有する環状第2級アミンを得る。さらに、臭化水素、ヨウ化水素酸等のハロゲン化水素酸を反応させることにより水酸基を置換しハロゲン化物を得る。このハロゲン化環状第2級アミン化合物を0.1Nの水酸化ナトリウム水溶液に滴下して、ハロゲン化水素の脱離により分子内環化反応を行い、第3級アミンを合成する方法、
などが知られている(V.Prelog、Ann.,545,229(1940))。
化合物(A)は、公知の製造方法、例えば、上記第3級アミン化合物をジアルキル炭酸のような炭酸エステルで4級化し、得られた炭酸エステル塩を対アニオン(X)に塩交換する方法(例えば特開昭61−239616)によって得られる。また3級アミンをアルキルハライドで4級化し、得られたハライド塩をアニオン交換する方法によっても得られる。
電解質(B)は化合物(A)を好ましくは50〜100重量%、より好ましくは70〜100重量%含有する。
電解質(B)は化合物(A)の他に、化合物(A)と異なる他の有機塩化合物(D)等を含有していてもよい。他の有機塩化合物(D)としては、アルキルアンモニウム塩、アミジニウム塩(イミダゾリウム塩等)等である。具体的には、例えば、アルキルアンモニウムのBF塩及びPF塩、イミダゾリウムのBF塩及びPF塩等である。例えばテトラエチルアンモニウムBF塩、トリエチルメチルアンモニウムBF塩、1,2,3−トリメチルイミダゾリウムBF塩及び1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムBF塩、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウムBF塩等が挙げられる。他の有機塩化合物(D)の量は、電解質(B)の重量に対して好ましくは0〜50重量%、より好ましくは5〜25重量%である。
また、電解質(B)は種々の添加剤(E)を含有してもよい。添加剤(E)としては、LiBF、LiPF、リン酸類及びその誘導体(リン酸、亜リン酸、リン酸エステル類、ホスホン酸類等)、ホウ酸類及びその誘導体(ホウ酸、酸化ホウ酸、ホウ酸エステル類、ホウ素と水酸基及び/又はカルボキシル基を有する化合物との錯体等)、硝酸塩(硝酸リチウム等)及びニトロ化合物(ニトロ安息香酸、ニトロフェノール、ニトロフェネトール、ニトロアセトフェノン、芳香族ニトロ化合物等)等があげられる。電気化学的安定性と導電性の観点から、添加剤(E)量は、好ましくは電解質(B)の重量に対して50重量%以下であり、さらに好ましくは20重量%以下である。
一般式(1)で示される化合物(A)のアニオン成分(対アニオンX)について説明する。Xは、第一原理分子軌道計算によるHOMOエネルギー(以下、HOMOエネルギーと略記する。) が、−0.60〜−0.20a.u.の範囲であり、好ましくは−0.60〜−0.25a.u.の範囲である対アニオンである。ここで、第一原理分子軌道計算によるHOMO(最高占有分子軌道;highe st occupied molecular orbital)エネルギーは、計算するアニオンに対して力場計算により配座解析を行い、半経験的分子軌道法であるAM1により構造最適化ののち、基底関数を6−31G(d)としてHartreeFock法で計算される値である。計算を行うプログラムは、Gaussian03(ガウシアン社製)が用いられる(参考文献1:「電子構造論による化学の探求(第二版)James B.Foresman、AEleen Frisch共著、田崎健三訳、ガウシアン社」)。
上記の方法によって、計算されるHOMOエネルギーが、−0.60〜−0.20a.u.の範囲である対アニオンXの具体例としては、BF 、PF 、AsF 、PCl 、BCl 、AsCl 、SbCl 、TaCl 、NbCl 、PBr 、BBr 、AsBr 、AlBr 、TaBr 、NbBr 、SbF 、AlF 、ClO 、AlCl 、TaF 、NbF 、CN、F(HF) (当該式中、nは1以上4以下の数値を表す)、N(RfSO 、C(RfSO 、RfSO 、RfCO2 等が挙げられる。
N(RfSO 、C(RfSO 、RfSO 又はRfCO2 で表されるアニオンに含まれるRfは、炭素数1〜12のフルオロアルキル基を表し、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル及びノナフルオロブチルなどが挙げられる。これらのうち、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル及びヘプタフルオロプロピルが好ましく、さらに好ましくはトリフルオロメチル及びペンタフルオロエチル、特に好ましくはトリフルオロメチルである。
以上の対アニオンのうち、電気化学的安定性の観点等から、第一原理分子軌道計算によるHOMOエネルギーが小さい対アニオンが好ましくBF 、PF 又はN(RfSO で表される対アニオン、さらに好ましくはPF 又はBF で表される対アニオン、特に好ましくはBF で表される対アニオンである。
対アニオンは、HOMOエネルギーが小さいほうが好ましいが、−0.60a.u.(以下、a.u.を省略して記載することがある。) を下回る化合物は知られておらず、実質的に、PF6−(HOMOエネルギー=−0.39)、BF (HOMOエネルギー=−0.35)、CFSO (HOMOエネルギー=−0.27)が好ましい。逆に、HOMOエネルギーが−0.20a.u.より大きい(マイナスの数値が小さい)対アニオン、例えば、蟻酸、酢酸、安息香酸(HOMOエネルギー=−0.18)、フタル酸、コハク酸(HOMOエネルギー=−0.18)などのカルボン酸アニオン、I(HOMOエネルギー=−0.16)、Cl(HOMOエネルギー=−0.12)、F(HOMOエネルギー=−0.08)などの無機アニオンでは、電解質の電気化学的安定性が低いため、電解液として用いた場合、耐電圧が低く、長期信頼性に劣り、電気化学素子として有用ではない。
化合物(A)(カチオン成分+アニオン成分)の好ましい例としては、N−メチル−1−アザビシクロ[2,2,2]オクタン−イウム、N−エチル−1−アザビシクロ[2,2,2]オクタン−イウム、N−メチル−1−アザビシクロ[2,2,1]ヘプタン−イウム、N−エチル−1−アザビシクロ[2,2,1]ヘプタン−イウム、N−トリフルオロメチル−1−アザビシクロ[2,2,2]オクタン−イウム、N−トリフロオロメチル−1−アザビシクロ[2,2,1]ヘプタン−イウムカチオン種N−メチル−1−アザビシクロ[2,2,2]オクタン−イウムのBF塩、カチオン種N−エチル−1−アザビシクロ[2,2,2]オクタン−イウムのBF塩、カチオン種N−メチル−1−アザビシクロ[2,2,1]ヘプタン−イウムのBF塩、カチオン種N−エチル−1−アザビシクロ[2,2,1]ヘプタン−イウムのBF塩、カチオン種N−トリフルオロメチル−1−アザビシクロ[2,2,2]オクタン−イウムのBF塩、カチオン種N−トリフロオロメチル−1−アザビシクロ[2,2,1]ヘプタン−イウムのBF塩、カチオン種N−メチル−1−アザビシクロ[2,2,2]オクタン−イウムのPF塩、カチオン種N−エチル−1−アザビシクロ[2,2,2]オクタン−イウムのPF塩、カチオン種N−メチル−1−アザビシクロ[2,2,1]ヘプタン−イウムのPF塩、カチオン種N−エチル−1−アザビシクロ[2,2,1]ヘプタン−イウムのPF塩、カチオン種N−トリフルオロメチル−1−アザビシクロ[2,2,2]オクタン−イウムのPF塩、カチオン種N−トリフロオロメチル−1−アザビシクロ[2,2,1]ヘプタン−イウムのPF塩である。
これらのなかで、特に好ましいものは、電気化学的安定性の観点から、カチオン種N−メチル−1−アザビシクロ[2,2,2]オクタン−イウムのBF塩、カチオン種N−メチル−1−アザビシクロ[2,2,1]ヘプタン−イウムのBF塩、カチオン種N−トリフルオロメチル−1−アザビシクロ[2,2,2]オクタン−イウムのBF塩、カチオン種N−トリフロオロメチル−1−アザビシクロ[2,2,1]ヘプタン−イウムのBF塩である。
本発明の電気化学素子用電解液(F)は、電解質(B)、及びスルホラン、3−メチルスルホラン及び2,4−ジメチルスルホランからなる群より選ばれる少なくとも1種のスルホラン誘導体(S)と、一般式(2)で表される鎖状炭酸エステル(C)との混合溶媒(H)からなる溶媒を含有する。
スルホラン誘導体(S)は、電解液用の溶媒としては高粘度であることから電導度が小さく、電気化学素子を作成した場合、内部抵抗が高いという問題があったが、鎖状炭酸エステル(C)を使用することで、電解液の粘度を下げられ、結果として電解液の電導度が向上し、電気化学素子の内部抵抗を下げることができる。従来の4級アンモニウム系の電解質は、非水混合溶媒(H)へは不溶、または低温で析出するといった課題があったが、化合物(A)は、非水混合溶媒(H)への溶解性が高いため、低温においても電解質の析出が起こりにくく、広い温度範囲で安定に性能を発揮することができる。
鎖状炭酸エステル(C)としては、一般式(2)で表されるものが挙げられる。一般式中のR15とR16は炭素数1〜10のアルキル基であって、R15とR16は異なったものである。鎖状炭酸エステル(C)の具体例としては、エチルメチルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート、エチルイソプロピルカーボネート、2,2,2−トリフルオロエチル−メチルカーボネートなどが挙げられる。
本発明の電気化学素子用電解液(F)は、25℃において、非水混合溶媒(H)の体積に対するスルホラン誘導体(S)の体積が76〜95体積%、鎖状炭酸エステル(C)の体積が5〜24体積%であるであることが好ましく、(S)の体積が80〜90体積%、(C)の体積が10〜20体積%であるものが更に好ましい。この濃度範囲では、低温での溶解性に若干低下するものの、耐電圧が非常に高い電解液を得ることができる。
非水混合溶媒(H)は、鎖状炭酸エステル(C)以外の非水溶媒(G)を含有していてもよい。非水溶媒(G)の好ましいものとして以下の(G1)〜(G3)などが挙げられる。
非水溶媒(G1)としては、一般式(3)で表されるエステル類が挙げられる。
Figure 0005116655
一般式(3)中のR17とR18は炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基であって、例えばアルキル基、シクロアルキル基であって、R17とR18は同じでも異なっていてもよい。またはR17とR18は相互に結合して環を形成していてもよい。非水溶媒(G1)の具体例としては以下のものが挙げられる。
・カルボン酸エステル類:酢酸メチル、プロピオン酸メチルなど。
・ラクトン類:γ−ブチロラクトン、β−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトンなど。
上記のうちでプロピオン酸メチル、γ−ブチロラクトンが好ましい。
非水溶媒(G2)としては、一般式(4)で表される分子量が400以下であるベンゼン誘導体が挙げられる。
Figure 0005116655
本発明で用いられるベンゼン誘導体(G2)は、上記一般式(4)で表わされ、分子量が400以下であるものである。(G2)の分子量は好ましくは300以下、さらに好ましくは92〜200である。(G2)の分子量が400を超えると(G2)の粘度が上昇し、溶媒として適さず、92未満の(G2)は存在しない。
19は、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、あるいは炭素数1〜7である有機基(g)である。
有機基(g)の炭素数が8以上であればベンゼン誘導体(G2)が室温において固体となるため、電解液溶媒に適さない。
20及びR21は水素原子、ハロゲン原子、あるいは炭素数1〜7である有機基(g)である。R19、R20及びR21は同じでも異なっていてもよい。有機基(g)の炭素数が8以上であればベンゼン誘導体(G2)が室温において固体となるため、電解液溶媒に適さない。
ベンゼン誘導体(G2)の有機基(g)は、例えば、ニトリル基、オルガノシリル基、パーフルオロアルキル基、又はエステル結合、エーテル結合、炭酸エステル結合、スルホニル結合、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ニトリル基、オルガノシリル基を有していてもよいアルキル基等であって、炭素数1〜7であるものである。これらの中で好ましいものは、ニトリル基、オルガノシリル基、パーフルオロアルキル基、又はエステル結合、エーテル結合、炭酸エステル結合、スルホニル結合、ニトリル基を有していてもよいアルキル基である。
エステル結合を有するアルキル基の例としては−C(=O)OCH
−C(=O)OC、−CHOC(=O)CH、−CHC(=O)OCH
等が挙げられる。
エーテル結合を有するアルキル基の例としてはメトキシ基、エトキシ基、メトキシメチル基等が挙げられる。
炭酸エステル結合を有するアルキル基の例としては−OC(=O)OCH
−OC(=O)OCHCH、−CH−OC(=O)OCHなどが挙げられる。
スルホニル結合を有するアルキル基の例としては、
−S(=O)−CH、−S(=O)−CHCH等が挙げられる。
ニトリル基を有するアルキル基の例としては、−CH−CNなどが挙げられる。
オルガノシリル基の例としては−CH−Si(CH、−Si(CHなどが挙げられる。
ベンゼン誘導体(G2)の具体例としては以下のものが挙げられる。
トルエン、キシレン、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、1,3−ジクロロベンゼン、1,4−ジクロロベンゼン、1,2,3−トリクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン、1,3,5−トリクロロベンゼン、2−クロロトルエン、3−クロロトルエン、4−クロロトルエン、2,3−ジクロロトルエン、2,4−ジクロロトルエン、フルオロベンゼン、1,2−ジフルオロベンゼン、1,3−ジフルオロベンゼン、1,4−ジフルオロベンゼン、1−クロロ−2−フルオロベンゼン、1−クロロ−2−フルオロベンゼン、ブロモベンゼン、ベンゾトリフルオリド、2−メチルベンゾトリフルオリド、4−クロロベンゾトリフルオリド、ベンゾニトリル、フタロニトリル、2−フルオロベンゾニトリル、4−シアノベンゾトリフルオリド、フェニルアセトニトリル、塩化ベンジル、臭化ベンジル、α−クロロ−o−キシレン、安息香酸アルキルエステル(例えば、安息香酸メチル、安息香酸エチル等)、フタル酸ジアルキルエステル(例えば、フタル酸ジメチル、フタル酸エチルメチル、フタル酸ジエチル等)、o−トルイル酸メチル、m−トルイル酸メチル、p−トルイル酸メチル、イソフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジメチル、メトキシベンゼン、メトキシメチルベンゼン、メチルフェニルカーボネート、メチルフェニルスルホン、トリメチルフェニルシランなど。
ベンゼン誘導体(G2)は25℃以上で液体であることが好ましい。
また、ベンゼン誘導体(G2)の20℃における粘度(ブルックフィールド粘度計で測定される粘度。例えば、東機産業製(株)TV−22型粘度形により測定することが出来る。)は好ましくは0.1mPa・s〜6mPa・s、さらに好ましくは0.2mPa・s〜2mPa・sである。
上記のうちでトルエン、クロロベンゼン、ベンゾトリフルオリド、ベンゾニトリルが好ましい。
非水溶媒(G3)としては、一般式(5)で表されるニトリル誘導体が挙げられる。
Figure 0005116655
22は、1〜2個のシアノ基、エーテル結合を有していてもよい炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基であって、例えば、アルキル基、シクロアルキル基などが挙げられる。非水溶媒(G3)の具体例としては以下のものが挙げられる。
・ニトリル類:アセトニトリル、プロピオニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、3−メトキシプロピオニトリルなど。上記のうちでアセトニトリル、プロピオニトリルが好ましい。
非水混合溶媒(H)が、スルホラン誘導体(S)、鎖状炭酸エステル(C)、及びエステル系溶媒(G1)とベンゼン誘導体(G2)とニトリル誘導体(G3)とからなる群より選ばれる溶媒との3種の溶媒を含有する場合は、容量保持率が高くなり好ましい。
非水溶媒(G)としては、(G1)〜(G3)以外にも以下のものが挙げられる。
・エーテル類:鎖状エーテル[炭素数2〜6(ジエチルエーテル、メチルイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなど);炭素数7〜12(ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテルなど)]、環状エーテル[炭素数2〜4(テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサンなど);炭素数5〜18(4−ブチルジオキソラン、クラウンエーテルなど)]。
・アミド類:N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド、ヘキサメチルホスホリルアミド、N−メチルピロリドンなど。
・炭酸エステル類:エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネートなど。
・スルホキシド類:ジメチルスルホキシド、スルホラン、3−メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホランなど。
・ニトロ化合物:ニトロメタン、ニトロエタンなど。
・複素環式溶媒:N−メチル−2−オキサゾリジノン、3,5−ジメチル−2−オキサゾリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルピロリジノンなど。
・ケトン類:アセトン、2,5−ヘキサンジオン、シクロヘキサノンなど。
・リン酸エステル類:トリメチルリン酸、トリエチルリン酸、トリプロピルリン酸など。
本発明の電解液中の含水量は、電気化学的安定性の観点から、電解液の重量に基づいて300ppm以下が好ましく、さらに好ましくは100ppm以下、特に好ましくは50ppm以下である。この範囲であると、電気化学キャパシタの経時的な性能低下を抑制できる。
電解液中の含水量はカールフィッシャー法(JIS K0113−1997、電量滴定方法)で測定することができる。
電解液中の水分を上記の範囲にする方法としては、あらかじめ十分に乾燥した電解質(B)と、あらかじめ十分に脱水した非水溶媒とを使用する方法等が挙げられる。
乾燥方法としては、減圧下加熱乾燥(例えば20Torr減圧下、150℃で加熱)して、含有されている微量の水を蒸発させて除去する方法、再結晶等が挙げられる。
脱水方法としては、減圧下加熱脱水(例えば100Torrで加熱)して、含有されている微量の水を蒸発させて除去する方法、モレキュラーシーブ(ナカライテスク製、3A 1/16等)、活性アルミナ粉末などの脱水剤を使用する方法等が挙げられる。
また、これらの他に、電解液を減圧下加熱脱水(例えば100Torr減圧下、100℃で加熱)して、含有されている微量の水を蒸発させて除去する方法、モレキュラーシーブ、活性アルミナ粉末などの除水剤を使用する方法等が挙げられる。これらの方法は、それぞれ単独で行ってもよいし、組み合わせて行ってもよい。これらのうち、再結晶で電解質(B)を高純度化した後に、さらに(B)を減圧下加熱乾燥する方法、非水溶媒(C)又は電解液にモレキュラーシーブを加える方法が好ましい。
本発明の電解液は電気化学素子に用いることができる。電気化学素子とは電気化学キャパシタ、二次電池、色素増感太陽電池等を示す。電気化学キャパシタは、基本構成物品として、電極、集電体、セパレーターを備えるとともに、キャパシタに通常用いられるケース、ガスケットなどを任意に備えるものである。電解液は、例えばアルゴンガス雰囲気(露点−50℃)のグローブボックス内等で電極及びセパレーターに含浸される。本発明の電解液は、電気化学キャパシタのうち、電気二重層キャパシタ(電極に分極性電極、例えば活性炭等を使用するもの)に好適である。
電気二重層キャパシタの基本構造としては、2つの分極性電極の間にセパレーターを挟み、電解液を含浸させたものである。分極性電極の主成分は、電解液に対して電気化学的に不活性で、かつ、適度な電気伝導度を有することから活性炭、グラファイト、ポリアセン系有機半導体などの炭素質物質が好ましく、上記のように、正極と負極の少なくとも一方は炭素質物質である。電荷が蓄積する電極界面が大きい点から、窒素吸着法によるBET法により求めた比表面積が10m2/g以上の多孔性炭素物質(例えば活性炭)がさらに好ましい。多孔性炭素物質の比表面積は、目的とする単位面積あたりの静電容量(F/m2)と、高比表面積化に伴う嵩密度の低下を勘案して選択されるが、窒素吸着法によるBET法により求めた比表面積が30〜2,500m2/gのものが好ましく、体積あたりの静電容量が大きいことから、比表面積が300〜2,300m2/gの活性炭が特に好ましい。
本発明の電気化学キャパシタ用電解液は、アルミ電解コンデンサにも用いることができる。アルミ電解コンデンサの基本構造としては、電極となるアルミ箔の表面に電気化学処理で酸化膜をつくってこれを誘電体とし、もう一方の電極となるアルミ箔との間に電解液を含浸させた電解紙を挟んだものである。
本発明の電気化学キャパシタの態様としては、コイン型、捲回型、角形のものがあげられる。本発明の電気化学キャパシタ用電解液は、いずれの電気二重層キャパシタ又はいずれのアルミ電解コンデンサにも適用できる。
実施例
次に本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下、特に記載のないかぎり、「部」は「重量部」を意味する。
以下の実施例において、1H−NMR、19F−NMR及び13C−NMRの測定は、下記の方法で行った。
1H−NMRの測定条件 機器:AVANCE300(日本ブルカー株式会社製)、溶媒:重水素化ジメチルスルホキシド、周波数:300MHz。
19F−NMRの測定条件 機器:AL−300(日本電子製)、溶媒:重水素化ジメチルスルホキシド、周波数:300MHz
13C−NMRの測定条件 機器:AL−300(日本電子製)、溶媒:重水素化ジメチルスルホキシド、周波数:300MHz
<製造例1>
電解質(A−1)の製造
・ヨウ化物塩の合成
1−アザビシクロ[2,2,2]オクタン(シグマアルドリッチジャパン(株)製)113部、アセトン339部をガラスビーカーに仕込み均一に溶解させた。溶液を攪拌しながらヨウ化メチル156部をゆっくりと滴下した後、30℃で3時間攪拌を続けた。析出した白色固体を濾過し、80℃減圧にて乾燥を行い、一般式(6)で表されるカチオン種(a−1)のヨウ化物塩を255部得た。
Figure 0005116655
・AgBF溶液の作成
酸化銀116部、42重量%のホウフッ化水素酸水溶液209部を混合した溶液を100℃減圧脱水して得られた固体に、メタノール550部を加えて溶解しAgBFメタノール溶液を得た。
・BF塩の作成
上記のAgBF溶液745部を(a−1)のヨウ化物塩253部とメタノール253部の混合溶液に対してゆっくりと滴下、混合した後、濾過し濾液を回収した。濾液中にAgBF溶液あるいはヨウ化物塩溶液を少しずつ添加することで、溶液中の銀イオン含量を10ppm以下に、ヨウ素イオン含量を5ppm以下に微調整した後、濾過し濾液を回収した。80℃減圧で濾液の脱溶媒を行い、白色結晶206部を得た。メタノール600部を加えて30℃で溶解させた後、−5℃に冷却し12時間静置して再結晶を行った。析出した結晶を濾過し、80℃減圧乾燥を行い電解質(A−1)を147部得た。1H−NMR、19F−NMR及び13C−NMRで分析した結果、電解質(A−1)はカチオン種(a−1)のBF塩であった。1H−NMRの積分値から、純度は99%であった。
<製造例2>
電解質(A−2)の製造
・AgPF溶液の作成
実施例1において42重量%ホウフッ化水素酸水溶液の代わりに60重量%のHPF水溶液243部を酸化銀116部と混合し、100℃減圧脱水を行った後、メタノール550部を加え溶解させ、AgPFのメタノール溶液を得た。
・PF塩の作成
上記のAgPF溶液803部を(a−1)のヨウ化物塩253部とメタノール255部の混合溶液に対して、徐々に混合した後、濾過し濾液を回収した。濾液中にAgBF溶液あるいはヨウ化物塩溶液を少しずつ添加することで、溶液中の銀イオン含量を10ppm以下に、ヨウ素イオン含量を5ppm以下に微調整した後、濾過し濾液を回収した。濾液を80℃減圧で脱溶媒を行い、白色結晶262部を得た。得られた固体にメタノール600部を加えた後−5℃に冷却し12時間静置して再結晶を行った。析出した結晶を濾過し、80℃減圧乾燥することによって電解質(A−2)を194部得た。1H−NMR、19F−NMR及び13C−NMRで分析した結果、電解質(A−2)はカチオン種(a−1)のPF塩であった。1H−NMRの積分値から、純度は99%であった。
<製造例3>
電解質(A−3)の製造
・AgCFSO溶液の作成
実施例1において42重量%ホウフッ化水素酸水溶液の代わりに60重量%のCFSOH水溶液250部を酸化銀116部と混合し、減圧脱水を行った後メタノール550部を加えて溶解させAgCFSOメタノール溶液を得た。
・CFSO塩の作成
上記のAgCFSO溶液807部をカチオン種(a−1)のヨウ化物塩253部とメタノールの混合溶液に対して、徐々に混合した後、濾過し濾液を回収した。濾液中にAgBF溶液あるいはヨウ化物塩溶液を少しずつ添加することで、溶液中の銀イオン含量を10ppm以下に、ヨウ素イオン含量を5ppm以下に微調整した後、濾過し濾液を回収した。濾液を80℃減圧脱溶媒で行い、白色結晶265部を得た。得られた固体にメタノール600部を加えた後−5℃に冷却し12時間静置して再結晶を行った。析出した結晶を濾過し、80℃減圧脱溶媒することによって電解質(A−3)を196部得た。1H−NMR、19F−NMR及び13C−NMRで分析した結果、電解質(A−3)はカチオン種(a−1)のCFSO塩であった。1H−NMRの積分値から、純度は99%であった。
<製造例4>
電解質(A−4)の製造
・1−アザビシクロ[2,2,1]ヘプタンの合成
4−ピリジンメタノール(シグマアルドリッチジャパン(株)製)110部とエタノール1000部を混合し、ナトリウム250部を徐々に加えて6時間還流した。溶液を冷却し、水250部を加えた。減圧下でエタノールを蒸発させ、残留物にジエチルエーテル200部を加えて抽出した。30℃減圧脱溶媒を行い、無色粘性溶液を得た。この溶液114部に濃ヨウ化水素酸250部を徐々に滴下し、さらに3時間還流を行った。この溶液に50%水酸化ナトリウム350部を添加した後、50℃で3時間加熱した。その後30℃に冷却し、この溶液にジエチルエーテル800部を加えて抽出を行った。炭酸ナトリウムを添加して脱水し、10℃減圧でジエチルエーテルを除去した後、蒸留を行った。留分を1H−NMRで分析した結果、原料が消失し、1−アザビシクロ[2,2,1]ヘプタンが生成していることがわかった。収率は40%であった。
・ヨウ化物塩の合成
得られた1−アザビシクロ[2,2,1]ヘプタン100部、アセトン300部をガラスビーカーに仕込み均一に溶解させた。溶液を攪拌しながらヨウ化メチル156部をゆっくり滴下した後、30℃で3時間攪拌を続けた。析出した白色固体を濾過し80℃減圧にて乾燥を行い、一般式(7)で表されるカチオン種(a−2)のヨウ化物塩を242部得た。
Figure 0005116655
製造例1と同様にAgBFのメタノール溶液を得た。
・BF塩の作成
上記のAgBF溶液745部を(a−2)のヨウ化物塩239部とメタノール239部の混合溶液に対して、ゆっくりと滴下、混合した後、濾過し濾液を回収した。濾液中にAgBF溶液あるいはヨウ化物塩溶液を少しずつ添加することで、溶液中の銀イオン含量を10ppm以下に、ヨウ素イオン含量を5ppm以下に微調整した後、濾過し濾液を回収した。80℃減圧で濾液の脱溶媒を行い、白色結晶を194部得た。結晶にメタノール600部を加えて30℃で溶解させた後、−5℃に冷却し12時間静置して再結晶を行った。析出した結晶を濾過し、80℃減圧乾燥を行い電解質(A−4)を138部得た。1H−NMR、19F−NMR及び13C−NMRで分析した結果、電解質(A−4)はカチオン種(a−2)のBF塩であった。1H−NMRの積分値から、純度は99%であった。
<製造例5>
電解質(A−5)の製造
・AgPF溶液の作成
製造例4において42重量%ホウフッ化水素酸水溶液の代わりに60重量%のHPF水溶液243部を酸化銀116部と混合し、100℃減圧脱水を行った後、メタノール550部を加え溶解させ、AgPFのメタノール溶液を得た。
・PF塩の作成
上記のAgPF溶液803部を(a−2)のヨウ化物塩253部とメタノール255部の混合溶液に対して、徐々に混合した後、濾過し濾液を回収した。濾液中にAgBF溶液あるいはヨウ化物塩溶液を少しずつ添加することで、溶液中の銀イオン含量を10ppm以下に、ヨウ素イオン含量を5ppm以下に微調整した後、濾過し濾液を回収した。濾液を80℃減圧で脱溶媒を行い、白色結晶262部を得た。得られた固体にメタノール600部を加えた後−5℃に冷却し12時間静置して再結晶を行った。析出した結晶を濾過し、80℃減圧乾燥することによって電解質(A−5)を194部得た。1H−NMR、19F−NMR及び13C−NMRで分析した結果、電解質(A−5)はカチオン種(a−2)のPF塩であった。1H−NMRの積分値から、純度は99%であった。
<製造例6>
・電解質(A−6)の製造
ピロリジン(和光純薬工業製)100部、炭酸カリウム97部をテフロン(登録商標)コーティングしたオートクレーブに仕込み、1,4−ジクロロブタン(和光純薬工業製)179部を加え、90℃で8時間反応を行った。この反応溶液に42重量%のホウフッ化水素酸水溶液(ステラケミファ製)294部を25℃で約30分かけて徐々に滴下した。滴下が終了して、泡の発生がおさまった後、20Torr、100℃で、溶媒を全量留去して、固体195部が得られた。この固体をエタノール(ナカライテスク製)、2−プロパノール(ナカライテスク製)を用いて晶析を2回行い、スピロ−(1,1’)−ビピロリジニウムイオンBF の電解質塩(A−6)136部を得た。
・電解液溶媒の脱水
以下で使用する電解液用溶媒はすべて、以下の脱水処理をしてから使用した。
使用する溶媒100部に対してそれぞれモレキュラーシーブ3部を加えて25℃で60時間放置して乾燥を行った後、モレキュラーシーブを濾別し、脱水溶媒を得た。
<実施例1>
脱水したスルホラン50ml部と、脱水したエチルメチルカーボネート50mlと、電解質(A−1)20gを25℃にて均一に混合溶解させて、電解液を得た。電解液の水分は32ppmであった。
<実施例2>
脱水したスルホラン76mlと、脱水したエチルメチルカーボネート24mlと、電解質(A−1)20gを25℃にて均一に混合溶解させて、電解液を得た。電解液の水分は31ppmであった。
<実施例3>
脱水したスルホラン76mlと、脱水したエチルメチルカーボネート24mlと、電解質(A−2)25gを25℃にて均一に混合溶解させて、電解液を得た。電解液の水分は26ppmであった。
<実施例4>
脱水したスルホラン76mlと、脱水したエチルメチルカーボネート24mlと、電解質(A−3)26gを25℃にて均一に混合溶解させて、電解液を得た。電解液の水分は19ppmであった。
<実施例5>
脱水したスルホラン76mlと、脱水したエチルメチルカーボネート24mlと、電解質(A−4)19gを25℃にて均一に混合溶解させて、電解液を得た。電解液の水分は15ppmであった。
<実施例6>
脱水したスルホラン76mlと、脱水したエチルメチルカーボネート24mlと、電解質(A−5)24gを25℃にて均一に混合溶解させて、電解液を得た。電解液の水分は15ppmであった。
<実施例7>
脱水したスルホラン50mlと、脱水したエチルメチルカーボネート50mlと、脱水したアセトニトリル50mlと、電解質(A−1)30gを25℃にて均一に混合溶解させて、電解液を得た。電解液の水分は37ppmであった。
<実施例8>
脱水したスルホラン76mlと、脱水したエチルメチルカーボネート24mlと、脱水したγ−ブチロラクトン50mlと、電解質(A−4)29gを25℃にて均一に混合溶解させて、電解液を得た。電解液の水分は32ppmであった。
<実施例9>
脱水したスルホラン80mlと、脱水したエチルメチルカーボネート20mlと、脱水したクロロベンゼン50mlと、電解質(A−1)30gを25℃にて均一に混合溶解させて、電解液を得た。電解液の水分は22ppmであった。
<実施例10>
脱水したスルホラン80mlと、脱水したエチルメチルカーボネート20mlと、脱水したベンゾトリフルオリド50mlと、電解質(A−1)30gを25℃にて均一に混合溶解させて、電解液を得た。電解液の水分は25ppmであった。
<実施例11>
脱水したスルホラン80mlと、脱水したエチルメチルカーボネート20mlと、脱水したフェニルアセトニトリル50mlと、電解質(A−1)30gを25℃にて均一に混合溶解させて、電解液を得た。電解液の水分は17ppmであった。
<実施例12>
脱水したスルホラン80mlと、脱水したエチルメチルカーボネート20mlと、脱水したアセトニトリル50mlと、電解質(A−1)30gを25℃にて均一に混合溶解させて、電解液を得た。電解液の水分は34ppmであった。
<実施例13>
脱水したスルホラン40mlと脱水した3−メチルスルホラン40mlと、脱水したエチルメチルカーボネート20mlと、電解質(A−1)20gを均一混合し電解液を得た。電解液の水分は19ppmであった。
<実施例14>
脱水したスルホラン60mlと脱水した2,4−ジメチルスルホラン20ml、脱水したエチルメチルカーボネート20mlと、電解質(A−4)19部を均一混合し電解液を得た。電解液の水分は19ppmであった。
<比較例1>
脱水したスルホラン80ml部と、脱水したエチルメチルカーボネート20mlと、電解質(A−6)20gを25℃にて均一に混合溶解させて、電解液を得た。電解液の水分は32ppmであった。
<比較例2>
脱水したスルホラン50ml部と、脱水したエチルメチルカーボネート50mlと、電解質としてテトラエチルアンモニウムBF(東京化成工業社製)(A−7)20gを25℃にて均一に混合溶解させて、電解液を得た。電解液の水分は32ppmであった。
<比較例3>
脱水したスルホラン50ml部と、脱水したエチルメチルカーボネート50mlと、電解質としてトリエチルメチルアンモニウムBF(東京化成工業社製)(A−8)20gを25℃にて均一に混合溶解させて、電解液を得た。電解液の水分は32ppmであった。
<比較例4>
脱水したスルホラン100部と、電解質(A−1)20部を均一混合し電解液を得た。電解液の水分は21ppmであった。
<比較例5>
脱水したプロピレンカーボネート100部と、電解質(A−1)20部を25℃にて均一に混合溶解させて、電解液を得た。電解液の水分は22ppmであった。
<比較例6>
脱水したプロピレンカーボネート100部と、電解質(A−2)25部を25℃にて均一に混合溶解させて、電解液を得た。電解液の水分は22ppmであった。
上記電解液の特性を評価するため、電解液を室温から−30℃に冷却し3時間静置して、目視で電解液の固化、電解質の析出の有無を確認した。
また、グラッシーカーボン電極(BAS社製、外径6mm、内径1mm)を用い、5mV/secの走査電位速度で、分極測定を行った。10μA/cm2 の電流が流れる時のAg/Ag+ 参照電極に対する電位を酸化電位、−10μA/cm2 の電流が流れる時のAg/Ag+ 参照電極に対する電位を還元電位とし、酸化電位と還元電位の値の差から電位窓を算出した。電解液の電位窓は、電解液の電気化学的に安定な範囲を示す。電位窓の広い電解液を用いた電気化学素子は幅広い電圧範囲での使用が可能となる。すなわち耐電圧が高いと言える。
結果を表1に示す。−30℃における目視確認で電解液が固化した場合は「固化」、もしくは析出物の発生が観察されたものは「析出」、固化や析出が観察されない場合は「変化なし」と表記した。
表1から明らかなように、本発明の実施例1〜14の電解液は、−30℃の低温において固化もしくは析出物の発生がなく、かつ電位窓が6.9V以上と大きいことから、−30℃の低温でも使用可能であり、かつ耐電圧も高いことが示された。比較例1〜3は、低温で電解質の析出が起こることから低温で使用できない。また比較例4は、−30℃では固化していることから低温で使用できない。
Figure 0005116655
本発明の電解液及び比較例の電解液を使用して3電極式電気二重層キャパシタ(パワーシステム(株)社製、図1)を作成した。このキャパシタを用いて充放電サイクル試験を行い静電容量、抵抗及び漏れ電流について評価した。
粉状の活性炭(関西熱化学(株)製 「MSP−20」)をカーボンブラックおよびポリテトラフルオロエチレン粉(PTFE)と混合した。重量比は、10:1:1とした。
得られた混合物を乳鉢にて5分程度練り、これをロールプレスで圧延して活性炭シートを得た。活性炭シートの厚さは、400μmとした。この活性炭シートを20mmΦのディスク状に打ち抜き、活性炭電極を得た。
得られた活性炭電極(正極、負極及び参照極)を用いて、3電極式電気二重層キャパシタ(パワーシステム(株)社製)を組み立てた。これらセルを真空中170℃で7時間乾燥し、30℃まで冷却した。乾燥雰囲気中で<実施例1〜14>、<比較例1〜6>の電解液をセルに注入し、ついで真空含浸を行い電気二重層キャパシタを作製した。
作成した電気二重層キャパシタに充放電試験装置(パワーシステム(株)製、「CDT-5R2-4」)を接続し、設定電圧まで25mAにて定電流充電を行い、充電開始から7200秒後に25mAにて定電流放電を行った。これを設定電圧3.3V、45℃で50サイクル実施し、セルの初期及び50サイクル後の静電容量値と静電容量の保持率(%)、初期及び50サイクル後の内部抵抗及び内部抵抗の増加率(%)を測定し、長期信頼性の指標とした。試験結果を表2に示す。
Figure 0005116655
表2から明らかなように、本発明の実施例1〜14の電解液を使用した電気二重層コンデンサは、比較例1〜3、5、6の電解液を使用した電気二重層キャパシタに比べてサイクル試験後の容量保持率が高く、内部抵抗増加率が低いことから、本発明の電解液を使用した電気化学キャパシタは長期信頼性に優れることがわかる。比較例4は実施例1〜14と同等に容量保持率が高く、内部抵抗増加率が低いが、低温で固化するため極めて限られた用途にしか使用できない。
また、非水混合溶媒(H)が、スルホラン誘導体(S)、鎖状炭酸エステル(C)、及びエステル系溶媒(G1)とベンゼン誘導体(G2)とニトリル誘導体(G3)とからなる群より選ばれる溶媒との3種の溶媒を含有する実施例7〜14の場合は、表2に示すように特に容量保持率が高くなり好ましい。
よって本発明の電解液を使用した電気化学キャパシタの長期信頼性は飛躍的に改善し、高信頼性の電気化学素子を構成できることが明らかである。
本発明の第4級アンモニウム塩電解液は、低温環境下でも使用可能であり、高耐電圧である。したがって、本発明の電解液を用いることにより低温でも安定に使用可能な、長期安定性に優れた電気化学素子を得ることができる。本発明の電気化学素子は電気化学キャパシタ、二次電池、色素増感太陽電池等に適用可能である。
3電極式電気二重層キャパシタ

Claims (9)

  1. 一般式(1)で表される化合物(A)を含有してなる電解質(B)と、非水混合溶媒(H)を含有してなる電解液であって、非水混合溶媒(H)が、スルホラン、3−メチルスルホラン及び2,4−ジメチルスルホランからなる群より選ばれる少なくとも種のスルホラン誘導体(S)と、一般式(2)で表される鎖状炭酸エステル(C)を含有してなることを特徴とする電気化学素子用電解液。
    Figure 0005116655
    [Rはハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基及びエーテル結合を有する基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を有していてもよい炭素数1〜10の1価炭化水素基である。R2はハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基及びエーテル結合を有する基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を有していてもよい炭素数1〜10の1価炭化水素基、水素原子、又はハロゲン原子である。R3〜R14は、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のフルオロアルキル基、水素原子、又はハロゲン原子である。R3〜R14は同じでも異なっていてもよい。h、i、j、x、y及びzは0〜6の整数であり、同じでも異なっていてもよい。h+xは0〜6の整数、i+y及びj+zは1〜6の整数である。Xは対アニオンを表し、該対アニオンの第一原理分子軌道計算によるHOMOエネルギーが、−0.60〜−0.20a.u.である。]
    Figure 0005116655
    [R15とR16は炭素数1〜5のアルキル基であり、R15とR16は異なる基である。]
  2. 25℃において、非水混合溶媒(H)の体積に対するスルホラン誘導体(S)の体積が76〜95体積%、鎖状炭酸エステル(C)の体積が5〜24体積%である請求項1に記載の電解液。
  3. 一般式(1)において、対イオンXが、BF 、PF 、AsF 、SbF 、N(RfSO 、C(RfSO およびRfSO (Rfは炭素数1〜12のフルオロアルキル基)からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1又は2に記載の電解液。
  4. 非水混合溶媒(H)がさらに一般式(3)で表されるエステル系溶媒(G1)を含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の電解液。
    Figure 0005116655
    [R17とR18は炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基であって、R17とR18は同じでも異なっていてもよい。またはR17とR18は相互に結合して環を形成していてもよい。]
  5. 非水混合溶媒(H)がさらに一般式(4)で表される分子量が400以下であるベンゼン誘導体(G2)を含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の電解液。
    Figure 0005116655
    [式中、R19は、ハロゲン原子、又は炭素数1〜7である有機基(g)、R20及びR21は水素原子、ハロゲン原子、又は炭素数1〜7である有機基(g)である。R19、R20及びR21は同じでも異なっていてもよい。]
  6. 非水混合溶媒(H)がさらに一般式(5)で表されるニトリル誘導体(G3)を含有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の電解液。
    Figure 0005116655
    [R22は、1〜2個のシアノ基、エーテル結合を有していてもよい炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基である。]
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の電解液を用いることを特徴とする電気化学素子。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の電解液を用いることを特徴とする電気化学キャパシタ。
  9. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の電解液を用いることを特徴とする電気二重層キャパシタ。
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