JP6604905B2 - 注出キャップ - Google Patents
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Description
注出キャップは、容器本体の口部の開口を覆う天壁部を有し、この天壁部に内容物を注出する注出孔が形成されたキャップ本体を備えている。天壁部には、注出孔と容器本体内とを連通する連通筒が下方に向けて延設されている。連通筒内には、上下動自在に配設された弁体と、弁体が上方に向けて離反自在に着座し、連通筒内と容器本体内との連通を遮断する弁座部と、連通筒内と注出孔とを連通させた状態で、弁体の上昇移動を規制する規制部と、が配設されている。
前記容器本体の口部の開口を覆う天壁部を有し、この天壁部に前記内容物を注出する注出孔が形成されたキャップ本体を備え、前記天壁部には、前記注出孔と前記容器本体内とを連通する連通筒が下方に向けて延設され、前記連通筒内には、上下動自在に配設された弁体と、前記弁体が上方に向けて離反自在に着座し、前記連通筒内と前記容器本体内との連通を遮断する弁座部と、前記連通筒内と前記注出孔とを連通させた状態で、前記弁体の上昇移動を規制する規制部と、が配設され、前記弁体に前記弁体の下方から対向し、かつ上方に向けて弾性変位自在に支持された突上げ部を備えることを特徴とする。
また、現行と同様の、内容物を注出する操作を行うだけで、他の操作を行わなくても、突上げ部を弾性変位させて、弁体を弁座部から離反させることが可能になる。
この場合には、注出キャップが、連通筒を径方向の外側から囲繞する囲繞筒を備えているので、囲繞筒と連通筒との間に内容物の貯留空間が形成される。このため、容器本体の内容物を注出する際に、内容物を直接連通筒内に流入させるのではなく、貯留空間内に一旦流入させた後に、連通筒内に流入させることができる。これにより、一度に多量の内容物が、連通筒を通して注出孔から外部に勢いよく注出されるのを抑制することが可能になり、液だれを生じにくくして、所望の位置に内容物を容易に注出することができる。
この場合には、突上げ部が、囲繞筒の径方向の中央部に配設され、囲繞筒の内側に全周にわたって配設された弾性変形部により、囲繞筒の内周面と連結されているので、突上げ部が上方に向けて弾性変位する際に、径方向に位置ずれするのを抑制することができる。このため、突上げ部が弁体を弁座部から離反させるように確実に突上げることができる。また、突上げ部が、囲繞筒の径方向の中央部に配設されていることから、突上げ部を上方に向けて、大きく弾性変位させることが可能である。
この場合には、突上げ部に弁体のうち、弁体の中心から径方向にずれた部分に、弁体の下方から対向する突起部が形成されているので、例えば容器本体内から連通筒内に向かう内容物の勢いが弱い場合や、弁体が連通筒の弁座部に強く密着している場合等であっても、弁座部と強く密着している弁体の外表面のうちの一部を、突起部により局所的に突上げることが可能になり、より一層確実に弁体を弁座部から離反させることができる。
以下、本発明に係る注出キャップの第1実施形態について図面を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態の注出キャップ1は、内容物(例えば液体)が収容される容器本体100の口部101に装着され、内容物の注出孔4が形成された有頂筒状のキャップ本体2と、キャップ本体2の天壁部11を開閉する有頂筒状の蓋体3と、を備えている。
容器本体100は、内容物が収容されるとともに内容物の減少に伴いしぼみ変形する可撓性に富む内容器100aと、内容器100aが内装され弾性変形可能な外容器100bと、を備えている。
容器本体100は、例えば押出し成形等によって二重(内外)に組み合わされた積層パリソンを形成し、この積層パリソンをブロー成形することで形成しても良い。また、射出成形等によって外容器100b用のプリフォーム、および内容器100a用のプリフォームを形成し、これらを二重(内外)に組み合わせた後、二軸延伸ブロー成形することで容器本体100を形成しても構わない。
さらに、外容器100b用のプリフォームを先に二軸延伸ブロー成形して外容器100bを形成した後、内容器100a用のプリフォームを内部に配置し、その後、内容器100a用のプリフォームを二軸延伸ブロー成形することで容器本体100を形成しても構わない。
外容器100bの底部には、内容器100aとの間に外気を吸入する図示しない吸気スリット部が形成されている。この吸気スリット部は、例えば金型のピンチオフ部により形成されている。
内容器100aの口部101aの上端部には、径方向の外側に突出する環状の折り返し部が形成され、この折り返し部を利用して外容器100bの口部101bの開口縁を上方から塞いでいる。そのため、外容器100bの口部101bは、内容器100aの口部101aによって閉塞されている。
本実施形態では、注出キャップ1を上下方向から見た平面視において、キャップ軸O及びヒンジ部5を通過する仮想線に沿う方向を前後方向L1といい、前後方向L1に沿ってヒンジ部5側を後側、その反対側を前側という。
なお、図示しない回り止め機構により、容器本体100の口部101に対してキャップ本体2を回転不能に装着しても良い。但し、打栓に限定されるものではなく、螺着によってキャップ本体2を容器本体100の口部101に装着しても構わない。
この天壁部11には、下方に向けて突出し、後述する囲繞筒61の上端部内に嵌合する内側シール筒12が形成されているとともに、上方に向けて突出する注出筒13が形成されている。
第1テーパ部21の内径は、弁体24の直径よりも大きく、ストレート部23の内径は弁体24の直径よりも小さくなっている。よって、弁体24は第2テーパ部22の内周面の全周にわたって着座している。この弁体24の着座によって、連通筒20内と容器本体100内との連通が遮断されている。
上記弁座部22aは、弁体24が着座したときに、連通筒20内と容器本体100内との連通を遮断する。
図示の例では、案内リブ26は、周方向に間隔をあけて3つ形成されているとともに、第2テーパ部22の内周面における上側部分に達するように下方に向けて延びている。このように、案内リブ26の形成範囲としては、弁体24の着座領域が適切に確保できれば、第2テーパ部22の上方部分を含んでいても構わない。
複数の案内リブ26が連通筒20内に形成されていることで、弁体24は案内リブ26の内側で安定に支持されながらスムーズに上下動するように案内されるとともに、規制突起26aによって上方への抜けが規制されている。規制突起26aは、連通筒20内と注出孔4とを連通させた状態で、弁体24の上昇移動を規制する(図3参照)。
図示の例では、整流リング28は、第1テーパ部21の内周面のうち案内リブ26の上方に位置する部分から径方向内側に向かうに従って上方に延びるように形成されている。
これにより、整流リング28は、流通路27を上方から覆うように該流通路27の上方に位置している。そのため、流通路27内を流通した内容物は、流通路27を抜けた後に整流リング28にあたるように構成されている。
周壁部30の下端部は、キャップ本体2の周壁部10の上端部に形成された段差部10aを利用して、キャップ本体2の天壁部11に外側から着脱可能に嵌合されている。蓋体3における周壁部30の下端部とキャップ本体2における周壁部10の上端部とが、ヒンジ部5を介して一体に連結されている。
キャップ本体2の天壁部11の下方には、容器本体100の口部101の上端開口を覆う支持部材60が配設されている。支持部材60は、口部101の開口縁に配置されている。
囲繞筒61は、連通筒20の中心軸線と同軸であるキャップ軸Oと同軸に配設されている。囲繞筒61の外径及び内径は、上下方向の全域にわたって同等になっていて、囲繞筒61の内側に突上げ部64が配設されている。突上げ部64は、囲繞筒61の径方向の中央部に位置している。突上げ部64は連通筒20のストレート部23より径方向の内側に位置している。
接続フランジ部62の下面には、下方に向けて突出し、容器本体100の口部101における上端部内に嵌合する外側シール筒66が形成されている。外側シール筒66の下端部の外周面は、下方に向かうに従い漸次、径方向の内側に向けて縮径している。
また、図2に示すように、弾性変形部63の外周縁部には、弾性変形部63を上下方向に貫く貫通孔63aが、周方向に間隔をあけて複数形成されている。この貫通孔63aにより、容器本体100の内部と貯留空間Paとが連通されている。
突起部64aの上端部と、弁体24の外表面と、の間には、上下方向の隙間が形成されている。突起部64aの上端部は、注入孔25内に進入している。
次に、上記のように構成された注出キャップ1を利用して、内容物を注出する場合の作用について説明する。
内容物を注出する際、例えば図3に示すように、容器本体100の口部101が下向きとなるように、容器本体100を傾けるとともに容器本体100をスクイズ変形する等して、弁体24を、その自重や容器本体100内(内容器100a内)の圧力を利用して弁座部22aから離間させるように操作する。
この際、弁体24が弁座部22aに強く密着していた場合には、突上げ部64の突起部64aが、弁体24を上方に向けて突上げることで、弁体24が弁座部22aから上方に離間し、弁体24と弁座部22aとの間に隙間が形成される。
さらにこの際、容器本体100内の内容物は、弾性変形部63に形成された貫通孔63aを通して、囲繞筒61と連通筒20との間に形成された筒状の貯留空間Paに流入する。そしてその後、貯留空間Paから弁体24と弁座部22aとの間に形成された隙間を通して、連通筒20内に流入し、注出孔4から外部に注出される。
なお、弁体24が弁座部22aに強く密着していない状態では、容器本体100内の内容物の残存量が多い場合、容器本体100をスクイズ変形させることなく、容器本体100を傾けることで、内容物の自重によって、内容物を注出孔4から注出する一方、容器本体100内の内容物の残存量が少なくなったときは、容器本体100をスクイズ変形させ、容器本体100の内圧を上昇させることで、内容物を注出孔4から注出してもよい。
また、現行と同様の、内容物を注出する操作を行うだけで、他の操作を行わなくても、突上げ部64を弾性変位させて、弁体24を弁座部22aから離反させることが可能になる。
また、弾性変形部63が、囲繞筒61の内側に全周にわたって連続して配設されているので、容器本体100の内圧や容器本体100内の内容物の流動圧を受ける弾性変形部63の面積を広く確保することが可能になり、弾性変形部63を容易に弾性変形させることができる。
なお、弁座部22aから離間した弁体24は、案内リブ26の規制突起26aに接するので、これ以上の移動が規制され、連通筒20内から抜け落ちることがない。
これにより、図1に示すように、容器本体100内と連通筒20内との連通を遮断できるので、内容物の注出を停止することができる。また、弁体24が弁座部22a上に着座することで、注出直後における容器本体100内への連通筒20を通じた空気侵入を防止することができる。
このように、弁体24による連通、遮断の切り換えを適切に行いながら、内容物を確実に注出することができる。
よって、内容物の種類に関係なく、常に安定した内容物の注出を行うことができ、注出性能が安定した信頼性の高い注出キャップとすることができる。
次に、図4を参照し、本発明に係る注出キャップの第2実施形態について説明する。なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
また、上記実施形態では、突上げ部64、164には上方に向けて突出する突起部64a、164aが形成されている構成を示したが、このような態様に限られない。突上げ部には突起部が形成されていなくてもよい。
よって、整流リングの位置は、連通筒における第1テーパ部の内周面に限定されるものではなく、例えば注出筒の内周面に形成されていても構わない。
この場合には、整流リングを気にすることなくキャップ本体を形成できるので、連通筒の内径等を自由に設計し易く、設計の自由度を向上することができる。また、連通筒内に弁体を収容した後に、整流リングを連通筒内に組み込むことができるので、組み立て易く製造効率を向上させ易い。さらに整流リングがなくてもよい。
また、容器本体100をスクイズ変形させずに、容器本体100を傾けることによって、内容物の自重や突上げ部64の自重のみで、突上げ部64を上方に向けて弾性変位させ、弁体24を下方から突上げてもよい。
また、上記実施形態では、ヒンジ部5を介して蓋体3をキャップ本体2に連結する構成としてが、ヒンジ部5は必須な構成ではない。但し、キャップ本体にヒンジ部を介して蓋体を連結した場合には、蓋体を例えばワンタッチで開閉できるので使い易いうえ、蓋体の紛失を防止することができるので好ましい。
2…キャップ本体
4…注出孔
11…天壁部
20…連通筒
22a…弁座部
24…弁体
26a…規制突起(規制部)
61…囲繞筒
63…弾性変形部
63a…貫通孔
64、164…突上げ部
64a、164a…突起部
100…容器本体
100a…内容器
100b…外容器
101…口部
Claims (4)
- 内容物が収容されるとともに前記内容物の減少に伴いしぼみ変形する可撓性に富む内容器と、前記内容器が内装され弾性変形可能な外容器と、を有する容器本体の口部に装着される注出キャップであって、
前記容器本体の口部の開口を覆う天壁部を有し、この天壁部に前記内容物を注出する注出孔が形成されたキャップ本体を備え、
前記天壁部には、前記注出孔と前記容器本体内とを連通する連通筒が下方に向けて延設され、
前記連通筒内には、
上下動自在に配設された弁体と、
前記弁体が上方に向けて離反自在に着座し、前記連通筒内と前記容器本体内との連通を遮断する弁座部と、
前記連通筒内と前記注出孔とを連通させた状態で、前記弁体の上昇移動を規制する規制部と、が配設され、
前記弁体に前記弁体の下方から対向し、かつ上方に向けて弾性変位自在に支持された突上げ部を備えることを特徴とする注出キャップ。 - 前記連通筒を径方向の外側から囲繞する囲繞筒を備え、
前記突上げ部は、前記囲繞筒の内側に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の注出キャップ。 - 前記突上げ部は、前記囲繞筒の径方向の中央部に配設されるとともに、前記囲繞筒の内周面に弾性変形部を介して連結され、
前記弾性変形部は、前記囲繞筒の内側に全周にわたって配設されていることを特徴とする請求項2に記載の注出キャップ。 - 前記突上げ部には、上方に向けて突出するとともに、前記弁体のうち、前記弁体の中心から径方向にずれた部分に、前記弁体の下方から対向する突起部が形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の注出キャップ。
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