JP6393652B2 - 注出キャップ - Google Patents
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注出キャップは、容器本体の口部の開口を覆う天壁部を有し、この天壁部に内容物を注出する注出孔が形成されたキャップ本体と、注出孔を開閉する蓋体と、を備えている。天壁部には、注出孔と容器本体内とを連通する連通筒が下方に向けて延設されている。連通筒内には、上下動自在に配設された弁体と、弁体が上方に向けて離反自在に着座し、連通筒内と容器本体内との連通を遮断する弁座部と、連通筒内と注出孔とを連通させた状態で、弁体の上昇移動を規制する規制部と、が配設されている。
(1)本発明に係る注出キャップは、内容物が収容されるとともに前記内容物の減少に伴いしぼみ変形する可撓性に富む内容器と、前記内容器が内装され弾性変形可能な外容器と、を有する容器本体の口部に装着される注出キャップであって、前記容器本体の口部の開口を覆う天壁部を有し、この天壁部に前記内容物を注出する注出孔が形成されたキャップ本体と、前記注出孔を開閉する蓋体と、を備え、前記天壁部には、前記注出孔と前記容器本体内とを連通する連通筒が下方に向けて延設され、前記連通筒内には、上下動自在に配設された弁体と、前記弁体が上方に向けて離反自在に着座し、前記連通筒内と前記容器本体内との連通を遮断する弁座部と、前記連通筒内と前記注出孔とを連通させた状態で、前記弁体の上昇移動を規制する規制部と、が配設され、前記蓋体には、下方に向けて延在して前記連通筒内に差し込まれ、前記弁体の一部を前記弁座部から離間させた状態で前記弁体に当接する係合突起が形成され、前記係合突起は、前記蓋体の閉動作に伴って前記弁体を前記弁座部上で摺動させることで、前記弁体の一部を前記弁座部から離間させることを特徴とする。
また、内容物の注出後、蓋体を閉めると、それに伴って係合突起が連通筒内に差し込まれ、弁座部上に着座している弁体に摺接する。これにより、弁体は係合突起によって押されて弁座部上で摺動し、その一部が弁座部から離間する。そのため、蓋体が閉まった状態では、弁体の一部が弁座部から離間した状態を維持するように、係合突起が弁体に当接する。
さらに、係合突起は周方向に隣り合う案内リブ同士の隙間に差し込まれているので、例えば弁体が球状のボール弁であったとしても、案内リブに影響されることなく弁体に対して係合突起を当接させて、弁体の一部を弁座部から離間させることができる。
以下、本発明に係る注出キャップの第1実施形態について図面を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態の注出キャップ1は、内容物(例えば液体)が収容される容器本体100の口部101に装着され、内容物の注出孔4が形成された有頂筒状のキャップ本体2と、キャップ本体2の天壁部11を開閉する有頂筒状の蓋体3と、を備えている。
ブロー成形としては、例えば押出成形等によって二重(内外)に組み合わされた積層パリソンを形成し、この積層パリソンをダイレクトブロー成形することで容器本体100を形成しても良い。また、射出成形等によって外容器100b用のプリフォーム、および内容器100a用のプリフォームを形成し、これらを二重(内外)に組み合わせた後、二軸延伸ブロー成形することで容器本体100を形成しても構わない。
さらに、外容器100b用のプリフォームを先に二軸延伸ブロー成形して外容器100bを形成した後、内容器100a用のプリフォームを内部に配置し、その後、内容器100a用のプリフォームを二軸延伸ブロー成形することで容器本体100を形成しても構わない。
外容器100bの底部には、内容器100aとの間に外気を吸入する図示しない吸気スリット部が形成されている。この吸気スリット部は、例えば金型のピンチオフ部により形成されている。
内容器100aの口部101aの上端部には、径方向の外側に突出する環状の折り返し部が形成され、この折り返し部を利用して外容器100bの口部102aの開口端を上方から塞いでいる。そのため、外容器100bの口部102aは、内容器100aによって閉塞されている。
本実施形態では、注出キャップ1を上下方向から見た平面視において、キャップ軸O1及びヒンジ部5を通過する仮想線に沿う方向を前後方向L1といい、前後方向L1に沿ってヒンジ部5側を後側、その反対側を前側という。さらに、注出キャップ1を上下方向から見た平面視において、前後方向L1に直交する方向を左右方向L2という。
なお、図示しない回り止め機構により、容器本体100の口部101に対してキャップ本体2を回転不能に装着しても良い。但し、打栓に限定されるものではなく、螺着によってキャップ本体2を容器本体100の口部101に装着しても構わない。
この天壁部11には、下方に向けて突出し、容器本体100の口部101の内側に嵌合するシール筒12が形成されていると共に、上方に向けて突出する注出筒13が形成されている。
なお、本実施形態では、注出キャップ1を上下方向から見た平面視において、注出筒13の軸線O2に直交する方向を径方向といい、注出筒13の軸線O2回りに周回する方向を周方向という。
第1テーパ部21の内径は、弁体24の直径よりも拡径しており、ストレート部23の内径は弁体24の直径よりも縮径している。よって、弁体24は第2テーパ部22の内周面の全周に亘って着座している。この弁体24の着座によって、連通筒20内と容器本体100内との連通が遮断されている。
図示の例では、案内リブ26は、周方向に間隔をあけて3つ形成されていると共に、第2テーパ部22の内周面における上側部分に達するように下方に向けて延びている。このように、案内リブ26の形成範囲としては、弁体24の着座領域が適切に確保できれば、第2テーパ部22の上方部分を含んでいても構わない。
複数の案内リブ26が連通筒20内に形成されていることで、弁体24は案内リブ26の内側で安定に支持されながらスムーズに上下動するように案内されると共に、規制突起26aによって上方への抜けが規制されている。規制突起26aは、連通筒20内と注出孔4とを連通させた状態で、弁体24の上昇移動を規制する(図4参照)。
図示の例では、整流リング28は、第1テーパ部21の内周面のうち案内リブ26の上方に位置する部分から径方向内側に向かうに従って上方に延びるように形成されている。
これにより、整流リング28は、流通路27を上方から覆うように該流通路27の上方に位置している。そのため、流通路27内を流通した内容物は、流通路27を抜けた後に整流リング28にあたるように構成されている。
周壁部30の下端部は、キャップ本体2の周壁部10の上端部に形成された段差部10aを利用して、キャップ本体2の天壁部11に外側から着脱可能に嵌合されている。蓋体3における周壁部30の下端部とキャップ本体2における周壁部10の上端部とが、ヒンジ部5を介して一体に連結されている。
突起片40は、閉塞筒33の内側に収まる基端片41と、閉塞筒33よりも下方に突出する突出片42と、を備えている。
突出片42は、左右方向L2から見た側面視で直角三角形状に形成されている。具体的には、突出片42は、基端片41の下端部のうち前側(操作片32側)に位置する部分から軸線O2に沿って下方に真っ直ぐ延びた第1辺部42aと、基端片41の下端部のうち後側(ヒンジ部5側)から、前側に向けて斜め下方に延びた第2辺部42bと、を有する直角三角形状に形成されている。第1辺部42aと第2辺部42bとが交差する部分が先鋭化した先端部42cとされている。
具体的には、突起片40は、図4に示すように蓋体3の閉動作に伴って連通筒20内に差し込まれ、弁体24に対して上方から摺接し、さらなる蓋体3の閉動作に伴って下方に差し込まれることで、図2に示すように、弁体24の前方側を僅かに持ち上げて弁体24を弁座部22a上で摺動(片側、すなわち後方側へ移動)させる。これにより、弁体24は上述のように、その一部が弁座部22aから離間した状態となり、突起片40によってその状態が維持されるように押さえ付けられる。
次に、上記のように構成された注出キャップ1を利用して、内容物を注出する場合の作用について説明する。
内容物を注出する際、例えば図5に示すように、容器本体100の口部101が下向きとなるように、容器本体100を傾けるとともに容器本体100をスクイズ変形する等して、弁体24を、その自重や容器本体100内(内容器100a内)の圧力を利用して弁座部22aから離間させる。
なお、弁座部22aから離間した弁体24は、案内リブ26の規制突起26aに接するので、これ以上の移動が規制され、連通筒20内から抜け落ちることがない。
これにより、図4に示すように、容器本体100内と連通筒20内との連通を遮断できるので、内容物の注出を停止することができる。また、弁体24が弁座部22a上に着座することで、注出直後における容器本体100内への連通筒20を通じた空気侵入を防止することができる。
このように、弁体24による連通、遮断の切り換えを適切に行いながら、内容物を確実に注出することができる。
また、蓋体3を閉めた際、弁体24の一部が弁座部22aから離間することで隙間S(図2参照)が形成されるので、例えば蓋体3の内側の圧力を、その隙間Sを通じて容器本体100内側に逃がし易い。そのため、蓋体3の内側に圧力が高まることで、蓋体3が閉まり切らないといった装着不足(嵌合不足)を回避し易い。
次に、本発明に係る注出キャップの第2実施形態について説明する。なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
突起部60は、閉塞筒33よりも下方に突出しており、その下端部には後方側に面を向けた傾斜面61が形成されている。そして、この傾斜面61が弁体51における上突起部53の上端部に当接することで、弁体51の全体を後方側に傾斜させて、着座面56aのうち前側に位置する一部分を弁座部22aから離間させている。
なお、内容物の注出時、弁本体部52は上肩部55が規制突起26aにあたることで連通筒20からの抜けが規制される。このとき、下突起部54はストレート部23から上方に抜けることがない。従って、内容物の注出後、引っ掛かりなく弁体51を連通筒20内で下降させることができ、下肩部56の着座面56aを弁座部22aに速やかに着座させて、連通筒20内と容器本体100内との連通を遮断することができる。
特に、弁体51が上突起部53を有しているので、突起部60を連通筒20内に深く差し込む必要がない。従って、例えば突起部60の引っ掛かり等を抑制することができ、蓋体3を閉め易くなる。
但し、弁体及び係合突起の形状は、これらの場合に限定されるものではなく、自由に設定して構わない。具体的には、蓋体3が開いたときに、弁座部22aの全周に亘って着座して、連通筒20内と容器本体100内との連通を遮断できれば、弁体をどのような形状にしても良い。また、蓋体3の閉操作に伴って弁体を弁座部22a上で摺動させ、蓋体3を閉めたときに、弁体の一部を弁座部22aから離間させた状態で弁体に当接して、弁体を押さえ付けることができれば、係合突起をどのような形状にしても良い。
この際、傾斜部としては、平板状の斜面や、弁体の外周面に沿った形状(例えば、弁体がボール弁の場合には湾曲面)等にすることが可能である。
よって、整流リング28の位置は、連通筒20における第1テーパ部21の内周面に限定されるものではなく、例えば注出筒13の内周面に形成されていても構わない。
この場合には、整流リング28を気にすることなくキャップ本体2を形成できるので、連通筒20の内径等を自由に設計し易く、設計の自由度を向上することができる。また、連通筒20内に弁体24、51を収容した後に、整流リング28を連通筒20内に組み込むことができるので、組み立て易く製造効率を向上させ易い。
さらに整流リング28がなくてもよい。
2…キャップ本体
3…蓋体
4…注出孔
11…天壁部
20…連通筒
22a…弁座部
24、51…弁体
26…案内リブ
26a…規制突起(規制部)
40…突起片(係合突起)
52…弁本体部
53…上突起部(突起部)
60…突起部(係合突起)
100…容器本体
100a…内容器
100b…外容器
101…容器本体の口部
Claims (3)
- 内容物が収容されるとともに前記内容物の減少に伴いしぼみ変形する可撓性に富む内容器と、前記内容器が内装され弾性変形可能な外容器と、を有する容器本体の口部に装着される注出キャップであって、
前記容器本体の口部の開口を覆う天壁部を有し、この天壁部に前記内容物を注出する注出孔が形成されたキャップ本体と、
前記注出孔を開閉する蓋体と、を備え、
前記天壁部には、前記注出孔と前記容器本体内とを連通する連通筒が下方に向けて延設され、
前記連通筒内には、
上下動自在に配設された弁体と、
前記弁体が上方に向けて離反自在に着座し、前記連通筒内と前記容器本体内との連通を遮断する弁座部と、
前記連通筒内と前記注出孔とを連通させた状態で、前記弁体の上昇移動を規制する規制部と、が配設され、
前記蓋体には、下方に向けて延在して前記連通筒内に差し込まれ、前記弁体の一部を前記弁座部から離間させた状態で前記弁体に当接する係合突起が形成され、
前記係合突起は、前記蓋体の閉動作に伴って前記弁体を前記弁座部上で摺動させることで、前記弁体の一部を前記弁座部から離間させることを特徴とする注出キャップ。 - 請求項1に記載の注出キャップにおいて、
前記連通筒の内周面には、径方向内側に向けて突出すると共に周方向に間隔をあけて配置され、前記弁体を上下動自在に案内する複数の案内リブが形成され、
前記規制部は、前記案内リブの上端部からさらに径方向内側に向けて突出するように形成され、
前記係合突起は、周方向に隣り合う前記案内リブ同士の隙間に差し込まれていることを特徴とする注出キャップ。 - 請求項1に記載の注出キャップにおいて、
前記弁体は、
前記弁座部に着座する弁本体部と、
前記弁本体部から上方に向けて延びる突起部と、を備え、
前記係合突起は、前記蓋体の閉動作に伴って前記突起部を径方向に移動させることで前記弁体を傾斜させ、前記弁本体の一部を前記弁座部から離間させることを特徴とする注出キャップ。
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