JP6604228B2 - 通気性部材並びに該部材を用いた吸収体の製造装置および製造方法 - Google Patents

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本発明は、吸収性材料を吸引して堆積させる通気性部材並びに該部材を用いた吸収体の製造装置および製造方法に関し、特に、使い捨ておむつや吸収パッド等の吸収性物品に用いられる吸収体を効率よく製造するための技術に関する。
尿および便等を吸収する吸収体を備えた使い捨ておむつ等の吸収性物品には、様々な改良が施され、その機能や着用感の向上が図られている。例えば、吸収体に溝または凹部を形成することにより、尿などの体液の吸収性能および漏れの抑制性能を向上しつつ、着用者の体型や姿勢の変化に追従した着用者の股間へのフィット性を高める工夫がなされている。
そのような凹部を有する吸収体の製造方法として、例えば特許文献1に開示されているものがある。同文献には、回転ドラムの外周面に形成された吸収体形成用の通気性凹部の底面の一部に、回転ドラム外周面より外方に頂部が突出する非通気性の凸部材を着脱自在に設ける構成が開示されている。そして、回転ドラムの内側から吸引力を作用させて、凸部材以外の部分に吸収性材料を堆積させるようにしている。
特開2009−240792号公報
しかしながら、凹部を有する吸収体を製造する場合、特許文献1に開示された製造装置ないし方法では、通気性凹部のほかに別体の非通気性凸部材を必要としている。このことから、イニシャルコストが高くなり、また、通気性凹部と非通気性凸部材とを位置合わせするための調整が煩雑となり得る。さらに、特許文献1に開示された技術では、基本的に吸収体を貫通する凹部が形成される。しかしながら、実際には、凹部への体液の滞留を防止し、吸収体への迅速な浸透を実現する上では、凹部の底面にも吸収性材料が存在していることが好ましい。そのような吸収体を製造する場合、特許文献1に開示された技術を用いるだけでは対応できない。つまり、同文献に開示された技術によって貫通凹部を有する第1の吸収体層を作製する工程と、一定の厚みを有する第2の吸収体層を作製する工程と、第1の吸収体層の一方の面(凸部材の頂部が突出していた面)に第2の吸収体層を接合する工程と、の3工程を要するものとなる。したがって、イニシャルコストのさらなる増加や、調整の一層の煩雑化が生じる。
本発明は、これらの問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、体液の吸収性能、漏れの抑制性能および着用者へのフィット性を向上させる上で好ましい凹部を有する吸収体を、簡単且つ確実に製造できるようにすることにある。
また、本発明の他の目的は、吸収体の厚み方向の寸法・形状の制御を行うことのできる構成を提供することにある。
かかる目的を達成するために、本発明は、吸収性材料を吸引して堆積させる複数の通気孔を有する通気性部材であって、通気性部材の表面には凸部が形成され、凸部には、凸部の周辺通気孔の開孔面積よりも小さい開孔面積を有する通気孔が設けられ、凸部に設けられる通気孔の開孔面積は、凸部の頂部から凸部の周辺に向かうにしたがって連続的または段階的に変化していることを特徴とする。
また、本発明の吸収体の製造装置は、回転軸を中心として周方向に回転する筒型の回転ドラムを備え、回転ドラムには、上記通気性部材が外周面に取り付けられていることを特徴とする。
さらに、本発明の吸収体の製造方法は、複数の通気孔を有する通気性部材に吸収性材料を吸引して堆積させることによって、一方の面に凹部が形成された吸収体を得る吸収体の製造方法であって、通気性部材の表面には、凸部が形成され、凸部の通気性を凸部周辺から頂部に向かうにしたがって連続的または段階的に低くして吸収性材料を堆積させる工程を含むことを特徴とする。
本発明によれば、複数の通気孔を有する通気性部材の表面に凸部を形成し、凸部の通気性を凹部周辺の通気性よりも低くすることにより、凸部上にも薄く吸収性材料を堆積させることができる。したがって、吸収性材料の堆積工程を経るだけで、吸収体を貫通しない凹部を有する、すなわち凹部の底面側にも吸収性材料が存在する吸収体を簡単且つ確実に作製できる。これにより、体液の吸収性能、漏れの抑制性能および着用者へのフィット性の要求に応じた好ましい吸収体の製造に資することができるようになる。さらに、凸部および周辺の開孔の開孔率や密度の関係を適切に選定すれば、吸収体の厚み方向の寸法・形状の制御を行うことができる。
本発明の実施形態によって製造された吸収体を適用した展開型使い捨ておむつを一部破断して示す平面図である。 図1に示した展開型使い捨ておむつのII−II線断面図である。 吸収性物品の製造装置の構成を模式的に示すとともに、同じく製造方法における製造工程を説明するための模式的側面図である。 本発明の一実施形態に係り、吸収体を作製する図3の回転ドラムの構成を示す模式的に示す斜視図である。 図4に示した回転ドラムの分解斜視図である。 本発明の一実施形態に係る通気性部材の斜視図である。 (a)、(b)および(c)は、通気性部材の開孔率を規定する3例を示す説明図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。しかしながら、本発明はこれらの実施形態のみに限らず、本発明の概念に帰属する他の吸収性物品に用いられる吸収体の製造装置および製造方法も包含するものである。
[吸収性物品の例]
図1は、後述する本発明の実施形態によって製造された吸収体を適用した展開型使い捨ておむつ(以下、単に「おむつ」と記述する場合がある)を一部破断して示す平面図であり、着用者の肌に接する面を示している。また、図2は図1のII−II線断面図である。
まず、図1に示すように、おむつ10は、前身頃領域10Fと、後身頃領域10Rと、これら前身頃領域10Fおよび後身頃領域10Rをつなぐ股下領域10Cとを有する。なお、図1に示すおむつ10は、吸収体13が延在する、前身頃領域10Fから後身頃領域10Rの方向が長手方向になるものである。そして、長手方向に対して直交する方向を幅方向とする。しかし、おむつ10の長手方向と幅方向の比率は図示の例に限定されず、着用者の体型に応じてこの比率は適宜変更されるものである。
おむつ10の着用時において、前身頃領域10Fは着用者の腹側に位置し、後身頃領域10Rは着用者の背側に位置する。おむつ10の外側に位置するカバーシート11の後身頃領域10Rの左右両端縁部には、着用時に前身頃領域10Fとつなぎ、脚周り開口部10Lを形成し得る左右一対のファスニングテープ10Aが接合されている。このファスニングテープ10Aは、前身頃領域10Fのカバーシート11上に接合されたフロントパッチシート10Bに対して繰り返し剥離可能に接合される。また、カバーシート11の後身頃領域10Rの上端部には、カバーシート11の幅方向に沿って延在し、着用者に対してウエスト周りに適度な着用感を与えるための弾性シート10Dが接合されている。
図1および図2に示すように、おむつ10は、肌接触面と反対側の最外側に配されるカバーシート11と、液不透過性のバックシート12と、吸収体13と、吸収体13を被覆するコアラップ15と、肌接触面である液透過性のトップシート14とを順に重ねて接合した部分を有するものである。ここで、コアラップ15は、不織布またはティシュからなる、親水性を有する薄いシートであり、吸収体13を包み込むことで型崩れを防止する機能を果たすものである。なお、下着等に取り付けて体液を吸収する尿漏れパッドのような吸収性物品であれば、バックシート12、コアラップ15で包まれた吸収体13およびトップシート14の積層構造のみの構成とすることができる。また、本発明の効果を損ねない限り、コアラップ15による吸収体13の包み込み方はいかなる態様であってもよく、更には、コアラップ15を使用しない態様であってもよい。
カバーシート11の股下領域10Cの左右両側には、それぞれ脚周り開口部となる半円弧状をなす一対の切欠き部11Aが形成されている。液不透過性のバックシート12は、このカバーシート11に接合され、先の吸収体13は、このバックシート12と液透過性のトップシート14との間に配され、この吸収体13を介してトップシート14がバックシート12に接合される。バックシート12の幅方向の左右両側縁部の中央付近には、脚周りギャザーを形成するための糸ゴム16がそれぞれ伸長状態で接合されている。
本実施形態における液透過性のトップシート14の幅方向の左右両側縁部には、立体ギャザーを形成する液不透過性の一対のサイドシート18が備えられている。一対のサイドシート18は、外側端縁部がカバーシート11の一対の切欠き部11Aと同様の形状に形成され、着用時に吸収体13の左右両側縁部に沿って起立し、着用者が排泄した尿の横漏れを防止するための部材である。一対のサイドシート18のそれぞれには、その内側端縁部を吸収体13側に折り返して把持させる形で立体ギャザー伸縮材としての糸ゴム19が伸張状態で配置され、糸ゴム19が収縮した際に、着用者の肌当接方向に向かって立ち上がる。立体ギャザーは従来の使い捨ておむつに用いられている公知の構成を採用することができる。例えば、撥水性シートの層間に伸張状態の立体ギャザー伸縮材を挟み込んで固定することにより、形成することができる。サイドシート18は、糸ゴム19の伸縮によって長手方向に引き寄せられ、図3に示されるように、内側端縁部が立ち上がった立体ギャザーとなる。
次に本実施形態における吸収体部分の構造を説明する。
トップシート14の下に位置する本実施形態の吸収体13は、主にパルプと高吸水性樹脂(Super Absorbent Polymer、以下「SAP」とも言う)とからなる。吸収体13は、前身頃、股下および後身頃にわたるように、細長い形状をしている。股下領域10Cには、両脚の太股部分を取り囲む左右一対の脚周り開口部に合わせて、円弧状をなす一対の切欠き部13Aが形成されている。なお、この切欠き部13Aは、吸収体13に必ずしも形成しなくてもよい。つまり、本実施形態の吸収体13は、切欠き部13Aが設けられていることで、中央部の幅が前後端に比べて狭い砂時計型のものであるが、吸収体の形状はこれに限られず、各種吸収性物品の形状に応じて様々な形状とすることができる。そして、これに応じて、後述する成形型プレート87の形状も適宜定め得るものである。
図1および図2に示すように、吸収体13には、吸収体13の長手方向に向かって、凹部である溝22が形成されており、その溝22の底面にも厚み方向に吸収性材料が存在している。また、互いに所定の間隔をおいて3本の溝22が平行に延在している。以下では、かかる吸収体13を製造する構成を説明する。しかし溝の数はこれに限られない。また、吸収体の凹部は、平行に延在する複数の溝に限られず、例えば格子状に形成されるものでもよい。そして、これに応じて、本発明通気性部材の形状も適宜定め得るものである。
[吸収性物品の製造工程の概要]
図3は、吸収性物品の製造装置の構成を模式的に示すとともに、同じく製造方法における製造工程を説明するための模式的側面図である。以下、図3を用いて吸収性物品および吸収体の製造の態様について説明するが、この図はあくまでも説明のための模式図であって、実際の形状や寸法などに正確に対応させたものではない。
吸収性物品であるおむつ10の製造方法は、吸収体の製造装置40(後に詳述する)を用いて、複数の溝22を一方の面に有する吸収体13を作製する工程を含む。作製された吸収体13は、ロール56から巻き出されるコアラップ15用の長尺のウエブ41上に配置され、Y方向に搬送される。そして、例えば、コアラップ用ウエブ41の左右両側部分を吸収体13の上に折り返してこれを包み込み、その後、吸収体13を包んだ長尺のコアラップ用ウエブ41を、搬送方向に直交する方向に沿って切断する処理を施す(当該処理を行うための構成は不図示)。さらに、このように折り返されて吸収体13の上面を被覆しているコアラップ15を被覆するようにして、トップシート14用の長尺のウエブ44を配置する。ここで、トップシート用ウエブ44には、予め接着剤塗布部47によって適宜の部位に接着剤を塗布しておくことで、接合用ロール対48を通過する過程で、これらのコアラップ15およびトップシート用ウエブ44が互いに接着される。
次に、吸収体13の背面側に位置するコアラップ15の面を被覆するとともに、その面の周囲においてトップシート用ウエブ44と接するようにして、長尺のバックシート12用のウエブ43を配置する。バックシート用ウエブ43にも適宜の部位に予め接着剤を塗布しておくことで、接合用ロール対49を通過する過程で、バックシート用ウエブ43と、コアラップ15およびトップシート用ウエブ44とが互いに接着されるようにすることができる。
さらに、バックシート用ウエブ43の外側の面を被覆するようにして、長尺のカバーシート用ウエブ29を配置する。ここで、カバーシート用ウエブ29にも適宜の部位に予め接着剤を塗布しておくことで、接合用ロール対30を通過する過程で、カバーシート用ウエブ29およびバックシート用ウエブ43が互いに接着されるようにすることができる。このようにして得られた吸収性物品の連続体に対し、さらに所要の部分(サイドシート18等)の取り付けおよび所要の裁断を行う工程を付加することによって、図1および図2に示したような吸収性物品であるおむつ10を得ることができる。
[吸収体の製造装置および製造方法の実施形態]
図4および図5を用い、本発明の一実施形態の主要部である吸収体の製造装置40および製造方法を説明する。図4は特に図3の回転ドラム50の部位を示す模式的に示す斜視図、図5はその部位の分解斜視図であるが、これらの図はあくまでも説明のための模式図であって、実際の形状や寸法、あるいは各部の配置に正確に対応するものではない。
本実施形態の製造装置40は、外周面33に複数(図示の例では4つ)の成形型プレート87が取り付けられ、回転軸Cを中心として回転する筒型の回転ドラム50と、回転ドラム50の外周面の一部を覆うように対向して配置される吸収性材料供給装置51と、を備えている。
図5に示すように、回転ドラム50の本体は、回転ドラム50の軸方向の両端に配置された一対のリング部材83と、それらの軸方向の間隔を保った状態でリング部材83同士を連結する複数の連結プレート85と、を有している。そして、一対のリング部材83と連結プレート85とによって、通気性部材90および成形型プレート87が支持される。一対のリング部材83は、互いに同径の正円形状の環状体である。そして、回転ドラム50の両端面にはリング部材83と相似形状の円形壁54が設けられて閉塞されており、これにより回転ドラム50の内側には実質的に閉塞された空間が画成される。
成形型プレート87は、回転ドラム50の周長を、設けるべき成形型の個数(本実施形態では4つ)で等分した長さの円弧状プレートを本体とし、吸収体13の外周形状(本実施形態の場合、切欠き部13Aを含んだ形状)に一致する形状の成形型開口部88が形成されている。この成形型開口部88は、図4に示すように、通気性部材90を露出させることで、通気性部材90が吸収性材料を堆積すべき成形型の底面をなすものとなる。通気性部材90は、吸収体13の一方の面(トップシート14が配置される側の面)の形状と相補的な形状の凸部45および平坦部32を有している。すなわち、吸収体13には、図2に示したように厚み方向に窄まってゆく横断面台形状の溝22が間隔を置いて形成されるので、本実施形態の通気性部材90は、横断面台形状の凸部45と、平坦部32とを有するものとなる。
通気性部材90は、成形型開口部88の周縁部分に対して封止状態で固定される。連結プレート85は、例えば、回転ドラム50の軸に平行に延在する帯状の部材であり、成形型プレート87の成形型開口部88と重ならないように配置されている。これにより、通気性部材90は通気性を阻害されることなく保持される。
吸収性材料供給装置51は、例えば、終端が回転ドラム50の外周面の一部を覆うように対向して配置されて気流を搬送するダクトと、ダクト内に吸収性材料の原料であるパルプおよびSAPをそれぞれ供給する供給部と、を備えた構造とすることができる。したがって、吸収性材料は気流中に分散し、回転ドラム50との対向部位に移送される。
成形型開口部88の内側すなわち通気性部材90上に吸収性材料を堆積させるには、例えば、回転ドラム50をX方向に連続的に回転させながら、吸収性材料供給装置51から通気性部材90上に吸収性材料を供給する。一方、回転ドラム50の内部を、例えば吸引ポンプなどによって負圧にすることによって、通気性部材90に貫通して設けられた開孔を介して吸収性材料を吸引しつつ、通気性部材90上に吸収性材料を堆積させることができる。
図6は、通気性部材90を拡大して示す模式的斜視図である。図6に示されるように、本実施形態に係る通気性部材90は、全体が回転ドラム50の円周面に倣うように湾曲し、通気性部材90の長手方向、すなわち回転ドラム50の周方向に延在する山形の凸部45と凸部周辺の平坦部32とで形成されている。凸部45および平坦部32は、それぞれ、吸収性材料を吸引して堆積させる複数の網目状の通気孔91および通気孔92をそれぞれ有している。
本発明は、複数の通気孔を有する通気性部材の表面に凸部を備える。ここで、凸部は、その通気性を凸部周辺の通気性よりも低くして吸収性材料を堆積させることで、凸部に対応する吸収体の凹部の底面にも吸収性材料が堆積され、吸収体を貫通しない凹部が形成されるようにするものである。その場合、通気性の高低は、通気孔を通る流量の大小に関連し、流量の大小は通気孔の開孔面積(より正確には、通気孔を通る気流の有効断面積)に関連する。したがって、凸部には、凸部の周辺の通気孔の開孔面積よりも小さい開孔面積を有する通気孔が少なくとも1つ設けられることが前提となる。本実施形態の場合、凸部45に形成された通気孔91の開孔面積は、平坦部32に形成された通気孔92の開孔面積より小となるように設定される。また、それを前提とした上で、凸部45の開孔率が平坦部32の開孔率より小さくなるように両者の関係が規定される。これによって、吸収体13の溝22の底面側にも吸収性材料が好ましく堆積され、且つ、バックシート12に接合する吸収体13の面の平坦化に資することができる。
なお、開孔率とは、網またはパンチング板の製造の技術分野において、通気孔の寸法と通気孔のピッチとにより規定される。例えば、図7(a)に示すように、1辺の長さWの正方形の孔がピッチPをもって配列されている場合には、開孔率=(W2/P2)×100%で規定される。また、図7(b)に示すように、直径Dの円形の孔がピッチPをもって配列されている場合には、開孔率=a×(D2/P2)×100%(aは所定の係数)で規定される。したがって、網目状の通気性部材90を用いる本実施形態では、上記開孔面積の関係を前提として、網の線径が一定であれば、凸部45側の開孔率(A)はその周辺の平坦部32側の開孔率(B)よりも低くなる。そして、吸収体13に形成する溝または凹部における厚みを1mm以上とする場合、AとBとの比率は、前者が後者の75%〜95%であることが好ましいことがわかった。なお、図7(c)に示すように、幅方向に広がる距離TのスリットがピッチPをもって配列されている場合には、開孔率=T/P×100%で規定される。
そしてさらに、凸部における通気孔の形成密度が凸部周辺における通気孔の形成密度より大きくなるようにすることができる。これにより、回転ドラム50上での吸収体13の最表層とコアラップ用ウエブ41との接合面をより平坦化することができる。つまり本実施形態の場合、通気性部材90の網目の疎密を部位に応じて適宜定めること、すなわち、凸部45においては網目が細かく、平坦部32においては網目が粗くなるようにすることができる。これによれば、堆積させる吸収性材料の厚みを微調整することができ、また、コアラップ用ウエブ41に接合する、回転ドラム50上での吸収体13の最表層の平坦化が可能となる。
本実施形態に係る吸収体の製造装置ないし方法によれば、吸収体13の作製時に凸部45には吸収体13の厚みの80%以下に薄く吸収性材料を堆積させ、平坦部32には厚く吸収性材料を堆積させて、コアラップ用ウエブ41と接合する、回転ドラム50上での吸収体13の最表層の面が平坦な吸収体13を作製することができる。つまり、吸収体13の溝22の底面側にも吸収性材料を堆積させることで、体液の滞留を防止し、吸収体13への迅速な浸透を実現することができる。また、本実施形態の通気性部材90は、通気性の凸部45と平坦部32とが一体に形成されているため、特許文献1に開示された構成のような2つの部材の使用および位置合わせが不要となり、イニシャルコストの増大が生じず、また煩雑な位置合わせも不要となる。
[その他]
なお、本発明は、上述した実施形態および随所に述べた変形例に限られず、通気性部材の構成および形状・寸法、通気孔の開孔面積、開孔率および密度などは、作製する吸収体の仕様に応じて適宜定め得るものである。
例えば、本発明に係る通気性部材の構成は、凸部と凸部周辺とで通気性の差を持たせることで本発明所期の目的を達成することができるものであれば、網目状のもの(メッシュ)に限らず、パンチングにより通気孔を形成した波板状のものであってもよい。また、上述の実施形態では、通気性部材を回転ドラム50に担持させて吸収性材料の堆積を行うものとしたために回転ドラムの周面に沿って湾曲する形状としたが、通気性部材の全体的な形状は、使用する担持体の形状に倣うものであればよい。
さらに、上述の実施形態では、長手方向に延在する溝を有する吸収体を作製するために、その溝に対応したリッジ状の凸部を有する通気性部材としたが、吸収体に形成する凹部の形状に対応したものであれば、通気性部材の凸部はどのようにも定め得る。例えば格子状に存在する溝を形成するための凸部であってもよいし、円柱状、円錐状、多角柱状あるいは多角錘状など、凸部は様々な形状を取り得るものである。いずれにしても、凸部およびその周辺部が一体に形成されている通気性部材とすることは、吸収体に設けるべき凹部に対応して通気性部材を交換すれば足りるので、凸部を別体とした特許文献1に開示の技術より有利である。
加えて、上述の実施形態では、凸部とその周辺(平坦部)とで、開孔の面積、開孔率ないしは密度を異ならせるものとしたが、凸部の頂部から周辺に向かうにしたがってそれらが連続的または段階的に変化して行くようにしてもよい。要は、吸収体に所望の形状の凹部が形成され、且つその凹部の底面にも吸収体が存在するように吸収性材料を適切に堆積し得るものであればよい。
また、上述の実施形態では、回転ドラムの周方向に、4つの通気性部材を等ピッチで1列に配列する構成としたが、通気性部材の個数、配列ピッチおよび回転軸に平行な方向の配列数はこれに限られず、適宜定め得るものである。さらに、上述の実施形態では、個々に分離した吸収体を製造するものとしたが、回転ドラムの周方向に沿って連続した形状の成形型プレートと通気性部材とを設けて長尺の吸収体シートを形成し、その後所定長さに切断して個々の吸収体を形成するものであってもよい。
さらに加えて、上述の実施形態は、本発明に基づいて製造される吸収体13を展開型おむつ10に適用した場合について例示したが、パンツ型おむつ用の吸収体の作製にも適用可能であるのはいうまでもない。また、吸収体の適用対象はそれらのようなおむつのみに限定されるものではなく、吸収パッドや尿漏れパッド等、他の一般的な各種吸収性物品全般に適用されるものである。
10 おむつ
11 カバーシート
12 バックシート
13 吸収体
14 トップシート
15 コアラップ
22 溝
45 凸部
50 回転ドラム
51 吸収性材料供給装置
87 成形型プレート
88 成形型開口部
90 通気性部材
91、92 網目(通気孔)

Claims (7)

  1. 吸収性材料を吸引して堆積させる複数の通気孔を有する通気性部材であって、
    前記通気性部材の表面には凸部が形成され、
    前記凸部には、前記凸部の周辺の通気孔の開孔面積よりも小さい開孔面積を有する通気孔が設けられ、前記凸部に設けられる通気孔の開孔面積は、前記凸部の頂部から前記凸部の周辺に向かうにしたがって連続的または段階的に変化していることを特徴とする通気性部材。
  2. 前記凸部の開孔率は、前記凸部の周辺の開孔率よりも低いことを特徴とする請求項1に記載の通気性部材。
  3. 前記通気性部材の通気孔は網目状に形成され、
    前記凸部の網目は、前記凸部の周辺の網目よりも密であることを特徴とする請求項2に記載の通気性部材。
  4. 前記頂部の開孔率(A)と前記凸部の周辺の開孔率(B)との比率は、(A/B)×100%=75%〜95%であることを特徴とする請求項2または3に記載の通気性部材。
  5. 吸収体の製造装置であって、
    回転軸を中心として周方向に回転する筒型の回転ドラムを備え、
    前記回転ドラムには、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の通気性部材が外周面に取り付けられていることを特徴とする吸収体の製造装置。
  6. 前記通気性部材は、前記凸部が前記回転ドラムの周方向に延在するように、前記回転ドラムの外周面に取り付けられていることを特徴とする請求項5に記載の吸収体の製造装置。
  7. 複数の通気孔を有する通気性部材に、吸収性材料を吸引して堆積させることによって、一方の面に凹部が形成された吸収体を得る吸収体の製造方法であって、
    前記通気性部材の表面には凸部が形成され、
    前記凸部の通気性を前記凸部周辺から頂部に向かうにしたがって連続的または段階的に低くして吸収性材料を堆積させる工程を含むことを特徴とする吸収体の製造方法。
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