JP6602938B2 - キャビン - Google Patents
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Description
しかしながら、各パネルはキャビンフレームの外面側に配置され、フロントパネルは左右前支柱及び前梁材の外面にシール材を介して接着され、リヤパネルは左右後支柱及び後梁材の外面にシール材を介して接当し、ドアパネルは前支柱、後支柱及び側梁材の外面にシール材を介して接当するので、前梁材、後梁材及び側梁材の外面が鉛直方向に沿うようになっていると、各パネルが各支柱に沿って湾曲状であることから、各パネルの上縁側の角部が各梁材に接当することとなって、各梁材の外面に対して各パネルの上縁側を良好に接当させるのが困難となるという問題がある。
請求項1に係る発明では、運転席7の前方側に配置された左右一対の前支柱8と、運転席7の後方側に配置された左右一対の後支柱9と、左右の前支柱8の上端側同士を連結する前梁材16と、左右の後支柱9の上端側同士を連結する後梁材17と、左右各前支柱8と後支柱9の上端側同士を連結する側梁材18と、左右の後支柱9の下端側同士を連結する後下部連結材19と、左右各前支柱8の下端部に連結された前下部連結材25と、左右前下部連結材25に左右の下部が連結された前下部枠体24と、左右各後支柱9の下端部から前方に延出しかつ下方に移行した側枠材21と、側枠材21の前端部と前支柱8の下端部とを連結する側下部連結材23とを有するキャビンフレーム6を備えており、
前記左右の前支柱8、前梁材16、前下部枠体24及び左右の前下部連結材25で囲まれる開口にフロントパネル13が設けられ、このフロントパネル13は、前下部枠体24の上方側で且つ左右の前支柱8の上部間に位置する上部13Aと、前下部枠体24の側部24aと前支柱8の下部との間に位置する左右一対の下部13Bとから構成されているトラクタ1の車体3に搭載したキャビンであって、
前記フロントパネル13の上部13Aは、左右の前支柱8の上部及び前梁材16に沿う湾曲状に形成されていて、前方に向けて凸となる球面状に形成されており、上部13Aの上縁側が前梁材16の前面に接着され、上部13Aの左右の側縁側が前支柱8の上部の前面側に接着されており、上部13Aの下縁側の左右方向中央側は、前下部枠体24の上部から張り出す取付部33に接着されており、
前記フロントパネル13の左右の下部13Bは前支柱8の下部に沿う湾曲状に形成されており、その左右方向外端側の縁部が前支柱8の下部の前面側に接着され、左右の下部13Bの左右方向内端側の縁部が前下部枠体24の側部から張り出す取付部35に接着され、左右の下部13Bの下端側の縁部が前下部連結材25の前面側に接着されていることを特徴とする。
請求項3に係る発明では、前記前梁材16はフロントパネル13の上部13Aの上縁の湾曲形状に沿うように、左右の端部から左右方向中央側に行くに従って前方に移行するように湾曲状に形成されており、かつ、前梁材16の前面は斜め上方を向くように傾斜状に形成されていることを特徴とする。
請求項5に係る発明では、前記フロントパネル13の左右の下部13Bは上部13Aに比べて緩やかに湾曲するように形成されていることを特徴とする。
図1において、1はキャビン2が搭載されたトラクタ(走行車両)であり、該トラクタ1は、エンジン、クラッチハウジング、ミッションケースを直結して車体3を構成し、該車体3の前部を左右の前輪4で支持すると共に、車体3の後部を左右の後輪5で支持してなる2軸4輪型のトラクタ1が採用され、前記車体3の後部にキャビン2が搭載されている。
このキャビンフレーム6は、図2〜図23に示すように、運転席7の前方側に位置する左右一対前支柱8と、運転席7の後方側に位置する左右一対の後支柱9とを備えた、中間支柱(センターピラー)のない4柱式のキャビンフレーム6であり、運転席7はキャビンフレーム6の(キャビン2室内の)後部側の左右方向中央側に配置されている(したがって、左前支柱8は運転席7の左斜め前方に位置し、右前支柱8は運転席7の右斜め前方に位置し、左後支柱9は運転席7の左斜め後方に位置し、左後支柱9は運転席7の右斜め後方に位置している)。
キャビンフレーム6の上部には外部のアウタールーフ11とキャビン2室内の天井部を構成するインナールーフ12(図23参照)が設けられ、左右前支柱8の間はフロントパネル13で閉塞され、左右後支柱9の間はリヤパネル14で閉塞され、左右方向で同じ側にある前支柱8と後支柱9との間はドアパネル15によって閉塞されている。
左右前支柱8の上端側同士は前梁材16によって連結され、左右後支柱9の上端側同士は後梁材17によって連結され、左右方向で同じ側にある前支柱8と後支柱9との上端側同士は側梁材18で連結されている。
前記左右の後支柱9の下端は、前支柱8の上下方向略中央部に対応する高さ位置にあり、該左右後支柱9の下端側同士は後下部連結材19によって連結されている。
この左右各側枠材21の下側に後輪フェンダ20が配置されて該側枠材21に固定されており、左右後輪フェンダ20間にフロアシート22が配置され、フロアシート22の前部は運転席7の下方側に配置されていて該フロアシート22上に運転席7が取り付けられ、フロアシート22の後部側は、後上方に向けて延出されていて、運転席7の背面側に位置している。
左右前支柱8間の下部には、ダッシュボードやステアリングハンドル装置10等を支持する門型状の前下部枠体24が設けられ、この前下部枠体24の左右各下端部と、左右方向で同じ側に位置する前支柱8の下端部同士は、前下部連結材25によって連結されている。
また、左右方向で同じ側にある脚体26の下部と、前下部連結材25の左右方向内端側とは、角パイプからなる第1の補強材28によって連結され、この第1の補強材28は、後部側が前方に延びるように形成され、中途部で下方に延びるように屈曲され、前部側が前方に延びるように形成されている。
また、キャビンフレーム6の底部前部には、各補強材28、29、30の上面側に位置するステップ31が設けられ、このステップ31の左右両側の前部下面側には、トラクタ1の車体3にマウントゴムを介して取り付けられる取付板32が設けられている。
また、左右の前支柱8は、側方からみると、上下端部から長手方向中央側に行くに従って前方側に移行するように湾曲形成されていて、長手方向略中央側が前後方向外方に膨らむように湾曲状に形成されており、且つ、上下方向に対する傾斜度が上部側よりも下部側が小さくなるように設けられている。
また、図12に示すように、前梁材16は左右方向に配置された角パイプからなり、左右の端部から左右方向中央側(長手方向中央側)に行くに従って前方に移行するように湾曲形成されていて左右方向中央側が前方に膨らむように湾曲状に形成されていると共に、前面が斜め上方を向くように傾けられて配置されていて左右方向中央側が高い中高状となるように設けられている。
フロントパネル13の上部13Aは、前支柱8の上部及び前梁材16に沿う湾曲状に形成されていて、前方に向けて凸となる球面状に形成されており、上縁側が前梁材16の前面にシール材を介して接着され、左右の側縁側が前支柱8上部の前面側にシール材を介して接着されている。
また、フロントパネル13の上部13Aの下縁側の左右方向中央側は平坦状(平面状)に形成されており、この平坦部分34に対応する部位にワイパが取り付けられる。
フロントパネル13の下部13Bは前支柱8の下部に沿う湾曲状に形成されており、その左右方向外端側の縁部が前支柱8の下部の前面側にシール材を介して接着され、左右方向内端側の縁部が前下部枠体24の側部から張り出す取付部35にシール材を介して接着され、下端側の縁部が前下部連結材25の前面側にシール材を介して接着され、フロントパネル13の下部の上縁側はシール材を介してフロントパネル13の下縁側に接着されている。
これによって、運転席7からフロントパネル13の下部13Bを透して該フロントパネル13下部13Bの前方側(前輪4やその周囲のもの)をみる時にゆがみが少なく、見やすいように構成されている。
したがって、左右の後支柱9は運転席7からキャビン2室外方向に向けて膨らむように湾曲状に形成されている。
また、左右の各側梁材18は、図13に示すように、前後方向に配置された角パイプからなり、前後方向中央側(長手方向中央側)が左右方向外方に膨らむように湾曲状に形成されている。
ドアパネル15は、外形が、左右方向で同じ側にある、前支柱8と後支柱9と側梁材18と側枠材21と前下部連結材25で囲まれる開口の縁部に沿う形状に形成されている。
ドアパネル15の前縁側の上下方向中途部には、ドアハンドル38が設けられ、ドアパネル15のキャビン2室内側の上下方向中途部には、下側のヒンジ部37からドアハンドル38に至るように設けられた取っ手39が設けられている。
前述したように、左右の各後支柱9は、該左右の後支柱9の左右方向外面間の間隔L1が、左右の前支柱8の左右方向外面間の間隔L2よりも狭くなるように設けられていることから、キャビン2を正面から見ると前記ヒンジ部37がドアパネル15の後側に隠れ、キャビン2の正面視での外観がシンプルになる、また、ヒンジ部37が何かのものに接触する惧れが少ないという効果を奏する。
前記側枠材21は、角パイプによって形成され、図16、図17に示すように、側面視では、後部側21aは後支柱9の下端から前方に延びるように略直線状に形成され、中途部から前下端に至る部分は、前方に行くに従って下方に移行する湾曲状(前斜め上方に向けて膨らむように湾曲状)とされている。
また、側枠材21は、平面視では、後部側の直線部分21aは後支柱9の下端から前斜め外側方に向けて延出され、湾曲部分21bでは、前方に行くに従って左右方向内方側に移行する湾曲状(外側方に向けて膨らむように湾曲状)とされている。
また、側枠材21の直線部分21aは、その外側面が鉛直方向に沿う面となるように設けられ、側枠材21の湾曲部分21bは、該湾曲部分21bの前面側が若干前斜め外側方を向くように傾けられている(湾曲部分21bの外側面が、前下端部を除く大部分において、径方向外方に行くに従って左右方向外側方に若干傾斜している)。
側下部連結材23は、図20に示すように、上壁23aと、該上壁23aの左右方向外端から下方側に延出された外側壁23bと、上壁23aの下方側に配置されて外側壁23bに固着された底壁23cと、上壁23aと底壁23cを連結するように設けられた補強壁23dとを有し、外側壁23b(の外面)が、下方に行くに従って左右方向内方に(キャビン2室内側に)移行する傾斜状とされていて、ドアパネル15の下縁前部側が側下部連結材23の外側面にシール材を介して良好に接当するよう構成されている。
リヤパネル14は、外形が、左右の後支柱9、後梁材17、後下部連結材19で囲まれる開口の縁部に沿う形状に形成されている。
前述したように、後梁材17は後面が後斜め上方を向くように傾けられて配置されていて、後梁材17の後面(外面)が上方に行くに従ってキャビン2室内方向に移行する傾斜状とされているので、リヤパネル14が後支柱9の湾曲形状に沿う湾曲状に形成されていても、後梁材17に対してリヤパネル14の上縁側をシール材を介して良好に接当させることができる。
図21及び図22に示すように、リヤパネル14を開放位置(全開位置)に付勢するガスダンパ(ガススプリング)からなる付勢部材48が後支柱9とリヤパネル14とにわたって設けられている。
また、キャビン2の後部側には、リヤパネル14を閉鎖位置と開放位置との間の中途位置で係止する係止部材43が、リヤパネル14のキャビン2室内側の下部と後下部連結材19とにわたって設けられている。
また、係止部材43は、伸張限界で、リヤパネル14を閉鎖位置と開放位置との間の中途位置(図21、図22)で停止させるよう構成されている。
前記構成のものにあっては、リヤパネル14の閉鎖位置において、ロック装置42によるロックを解除すると、リヤパネル14が開き動作すると共に係止部材43によって自動的に中途位置で止まり、該リヤパネル14が若干開いた半開き状態で保持され、キャビン2室内の換気が可能となる。したがって、本実施形態では、リヤパネル14を半開き状態にする動作を必要としないので便利である。
なお、本実施形態では、係止部材43をガスダンパによって形成しているが、これに限定されることはなく、ガスダンパのように付勢するものではなく、単にピストンロッド伸縮が伸縮するだけのものであってもよく、また、中途部が屈曲するように枢支連結された一対のリンクによって構成されていてもよく、リヤパネル14に対して係脱自在であると共に閉鎖位置と中途位置との間のリヤパネル14の動きに追従するよう構成されていればよい。
このようにインナールーフ12を全体的に上方に向けて膨らむように湾曲状に形成する
ことにより、運転者上方のヘッドクリアランスが確保され、また、インナールーフ12の凹部49の縦壁部分49aに設けられた、エアコン装置を操作する操作具50や吹出し口51の操作具52が運転者に向くことになるので、該操作具50の操作がしやすくなる。
7 運転席
8 前支柱
9 後支柱
13 フロントパネル
14 リヤパネル
15 ドアパネル
16 前梁材
17 後梁材
18 側梁材
36 ライトステー
37 ヒンジ部
L1 左右の後支柱の左右方向外面間の間隔
L2 左右の前支柱の左右方向外面間の間隔
Claims (6)
- 運転席(7)の前方側に配置された左右一対の前支柱(8)と、運転席(7)の後方側に配置された左右一対の後支柱(9)と、左右の前支柱(8)の上端側同士を連結する前梁材(16)と、左右の後支柱(9)の上端側同士を連結する後梁材(17)と、左右各前支柱(8)と後支柱(9)の上端側同士を連結する側梁材(18)と、左右の後支柱(9)の下端側同士を連結する後下部連結材(19)と、左右各前支柱(8)の下端部に連結された前下部連結材(25)と、左右前下部連結材(25)に左右の下部が連結された前下部枠体(24)と、左右各後支柱(9)の下端部から前方に延出しかつ下方に移行した側枠材(21)と、側枠材(21)の前端部と前支柱(8)の下端部とを連結する側下部連結材(23)とを有するキャビンフレーム(6)を備えており、
前記左右の前支柱(8)、前梁材(16)、前下部枠体(24)及び左右の前下部連結材(25)で囲まれる開口にフロントパネル(13)が設けられ、このフロントパネル(13)は、前下部枠体(24)の上方側で且つ左右の前支柱(8)の上部間に位置する上部(13A)と、前下部枠体(24)の側部(24a)と前支柱(8)の下部との間に位置する左右一対の下部(13B)とから構成されているトラクタ(1)の車体(3)に搭載したキャビンであって、
前記フロントパネル(13)の上部(13A)は、左右の前支柱(8)の上部及び前梁材(16)に沿う湾曲状に形成されていて、前方に向けて凸となる球面状に形成されており、上部(13A)の上縁側が前梁材(16)の前面に接着され、上部(13A)の左右の側縁側が前支柱(8)の上部の前面側に接着されており、上部(13A)の下縁側の左右方向中央側は、前下部枠体(24)の上部から張り出す取付部(33)に接着されており、
前記フロントパネル(13)の左右の下部(13B)は前支柱(8)の下部に沿う湾曲状に形成されており、その左右方向外端側の縁部が前支柱(8)の下部の前面側に接着され、左右の下部(13B)の左右方向内端側の縁部が前下部枠体(24)の側部から張り出す取付部(35)に接着され、左右の下部(13B)の下端側の縁部が前下部連結材(25)の前面側に接着されていることを特徴とするキャビン。 - 前記前下部枠体(24)は門型状であって、その外周に上部の取付部(33)と左右の取付部(35)とが外方突出状に設けられ、前記取付部(33)と左右の取付部(35)とは連続形成されていることを特徴とする請求項1に記載のキャビン。
- 前記前梁材(16)はフロントパネル(13)の上部(13A)の上縁の湾曲形状に沿うように、左右の端部から左右方向中央側に行くに従って前方に移行するように湾曲状に形成されており、かつ、前梁材(16)の前面は斜め上方を向くように傾斜状に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載に記載のキャビン。
- 前記左右の前支柱(8)は、キャビン内側の大筒状部とキャビン外側の小筒状部とそれらの間のくびれ部とを有する断面瓢箪状の異形パイプで形成され、前記くびれ部は前方を向く面と左右内方を向く面とを有し、前記くびれ部の前方を向く面にフロントパネル(13)の側縁が配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のキャビン。
- 前記フロントパネル(13)の左右の下部(13B)は上部(13A)に比べて緩やかに湾曲するように形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のキャビン。
- 前記フロントパネル(13)の上部(13A)の下縁側の左右方向中央側は平坦状の平坦部分(34)が形成されており、この平坦部分(34)に対応する部位にワイパが取り付けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のキャビン。
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