JP6601654B2 - 制御弁式鉛蓄電池 - Google Patents

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Description

本発明は、寿命特性が改善された制御弁式鉛蓄電池に関するものである。
鉛蓄電池には、電解液の入った電槽の中に極板群を挿入して構成される開放型の液式鉛蓄電池と、微細ガラスマットセパレータに電解液を保持させ、正極で発生する酸素ガスを負極活物質上で水に還元する、いわゆる酸素サイクルと呼ばれる原理を利用した制御弁式鉛蓄電池とがある。
液式電池は、充電中に起こる水の電気分解反応や自然蒸発によって電解液中の水分が失われるため、適宜精製水を補給する必要があるのに対して、制御弁式鉛蓄電池は、メンテナンスフリーとすることができるため、近年その利用が進んでいる。
制御弁式鉛蓄電池においては、負極板の耳部とストラップが電解液から露出しているため、充電時においても、鉛の平衡電位より貴な状態におかれる。そのため、耳部やストラップを這い上がった硫酸と正極から発生した酸素によって、耳部とストラップとの溶接界面において粒界腐食が進行し、破断する問題があり、これまでに耐食性を向上させる目的で、負極板の耳部及び負極ストラップの合金組成について、種々検討されている。
なお、極板の耳部は、格子状や放射状に桟を設けてなる、一般にグリッド(格子)と呼ばれる集電体の一部である。以下、格子状でない場合を含めて集電体を「格子」と呼び、極板耳部を「格子耳部」と呼ぶことがある。
特許文献1には、「負極格子に、カルシウム(Ca)を0.025〜0.065質量%、錫(Sn)を0.25〜1.0質量%含む鉛(Pb)−Ca−Sn系合金を用い、極板耳部を接続するストラップを形成するための足し鉛として、純鉛、あるいはSnを1.3質量%以下含むPb―Sn合金を用いたことを特徴とする密閉型鉛蓄電池。」(請求項1)について記載されている。また、この合金の使用により、「ストラップ中の、特に、耳部とストラップとの溶接部分の耐食性を向上させるとともに、ストラップ本体の耐食性も向上させ、信頼性の高い長寿命の密閉型鉛蓄電池を提供することができる。」(0018)と記載されている。
特許文献2には、ペースト式負極板について、「鉛に、スズ:0.2質量%、カルシウム:0.1質量%を添加して混合物全体を100質量%として作製した鉛合金を溶融し、重力鋳造方式によって集電体を作製した。」(0032)と記載されている。
特許文献3には、「鉛−スズ−カルシウム系合金からなる極板格子の耳部相互を、鉛−スズ−セレン系合金からなる棚部により接続したことを特徴とする鉛蓄電池。」(請求項1)、「棚部を形成する鉛−スズ−セレン系合金のスズ含有率およびセレン含有率が各々0.5〜2.5重量%、10〜200ppmであることを特徴とした請求項1記載の鉛蓄電池。」(請求項2)について記載されている。また、実施例として、負極格子には、鉛−0.5重量%スズ−0.08重量%カルシウム合金を用い、負極ストラップには、スズの濃度が0.25重量%から2.75重量%の合金を用いることが記載され、「棚部の応力腐食割れの発生を抑制し、また耐食性の向上した信頼性の高いストラップを得ることが出来る」(0022)と記載されている。
特許文献4には、「極板と、極柱と、ストラップとを有する液式鉛蓄電池において、前記極板は、アンチモンを含有しない鉛合金からなる格子体を用いているものであり、前記極柱は、アンチモンを含有しない鉛合金からなり、前記ストラップは、鉛−カルシウム系合金からなることを特徴とする、鉛蓄電池。」(請求項1)について記載されている。これらの合金の作用として、「鉛−カルシウム系合金は、上述した腐食反応に対する耐食性が鉛−アンチモン系合金と比較して非常に高く、また鉛−錫系合金の様な粒界腐食もほとんど生じない。従って、アンチモンを含有しない極板耳部と極柱を、この鉛−カルシウム系合金で溶接し、ストラップ部を形成した場合、鉛−アンチモン合金系や鉛−錫系合金系を用いた場合の様な腐食やそれが引き起こすストラップ破断は生じない。」(0007)と記載され、実施例として、負極格子に「Pb−0.09%Ca合金」を用い、ストラップ合金に「Pb−0.09%Ca−0.5%Sn合金」を用いること(0008)が記載されている。
一方、特許文献5には、「負極活物質の密度が3.5〜4.0g/cmであり、負極活物質と正極活物質の質量比(負/正が0.5〜0.8であることを特徴とする制御弁式鉛蓄電池。」について記載されている。そして、「負極活物質の密度を3.5〜4.0g/cmと小さく規定したので負極活物質の利用率が高くなり、従って正極活物質量に対する負極活物質量を減らしても、低温高率放電特性は従来品と同等に維持される。」(0007)、「負極活物質の密度が3.5g/cm未満では密度が低すぎて活物質内の空孔が多くなり水素過電圧が下がり浮動充電電流が増加するためである。また4.0g/cmを超えると負極活物質の利用率が低下し十分な低温高率放電特性が得られないためである。」(0013)と記載されている。
特開2002−175798号公報 特開2011−181312号公報 特開平8−33974号公報 特開平6−310169号公報 特開2006−49025号公報
以上のように、従来から、制御弁式鉛蓄電池や液式鉛蓄電池において、負極板の耳部と負極ストラップの溶接部の耐食性を向上させるために、耳部及びストラップの合金組成について、種々検討が行われており、寿命特性の向上に一定の成果を上げている。しかし、より長寿命の制御弁式鉛蓄電池の開発が望まれている。
そこで、本発明は、負極板の耳部と負極ストラップとの溶接部の破断を抑制し、寿命特性がより改善された制御弁式鉛蓄電池を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、以下の手段を採用する。
負極板耳部の合金組成、及び負極ストラップの合金組成が、合金の全質量に対してCaを0.07質量%以上0.12質量%以下、Snを0.10質量%以上0.75質量%以下含むPb−Ca−Sn系合金であり、既化成の負極電極材料密度が、2.9g/cm以上3.9g/cm以下であることを特徴とする制御弁式鉛蓄電池(但し、正極板が合金の全質量に対して0.5〜2質量%のアンチモンを含有する鉛合金からなる正極格子を有する制御弁式鉛蓄電池を除く。)。
本発明によれば、負極板の耳部と負極ストラップとの溶接部の破断を抑制し、寿命特性が改善された制御弁式鉛蓄電池を提供することができる。
合金片断面の金属顕微鏡写真から結晶粒数を評価する方法を示す説明図 Pb−Ca−Sn系合金におけるCa含有量と結晶粒界数との関係を示すグラフ Pb−Ca−Sn系合金におけるSn含有量と結晶粒界数との関係を示すグラフ Pb−0.06%Ca−0.50%Sn合金片断面の顕微鏡写真 Pb−0.10%Ca−0.50%Sn合金片断面の顕微鏡写真 負極既化成活物質密度と粒界腐食の進行度の関係を示すグラフ 負極既化成活物質密度と粒界腐食の進行度の関係を示すグラフ
本発明者は、負極板耳部と負極ストラップの耐食性を向上させる合金の組成に関して種々検討したところ、特定の組成を有するPb−Ca−Sn系合金とすることで、耳部とストラップの溶接部における破断(以下、「耳破断」という。)が抑制されることを見出した。ここでいう「Pb−Ca−Sn系合金」は、主材がPb、Ca及びSnであることを表わすものであり、Al等の他元素の含有を否定するものではない。また、「%」の表記は、合金の全質量に対する割合を示す。
さらに、上記の特定の組成を有するPb-Ca-Sn系合金において、既化成の負極電極材料密度を特定の範囲とすることにより、耳部の粒界腐食の進行度をより抑制することができることを見出した。
なお、特許文献5には、負極活物質密度に関して記載されているが、耳部の粒界腐食との関係については何ら示されていない。
(合金組成)
負極ストラップ及び耳部が腐食環境に置かれた場合、溶接界面に存在する結晶粒界に沿って粒界腐食が進行する。したがって、溶接界面付近の結晶粒が微細である場合においては、個々の結晶粒における粒界腐食の深さが小さいため、腐食が進行しがたいと考えられる。そこで、本発明者は、負極格子(負極板耳部)、及び負極ストラップに従来から用いられるPb-Ca-Sn系合金の組成と、結晶粒の大きさとの関係について調べた。
結晶粒の大きさは、表1に示す組成を有するPb-Ca-Sn合金片(厚さ2mm)を鋳型温度200℃±5℃の鋳型を用いて鋳造し、その断面積を顕微鏡にて観察し、図1に示すように、表面1cm当たりに存在する結晶粒数(粒界数)をカウントすることにより評価した。
その結果を図2及び図3に示す。また、一例として、図4にPb−0.06%Ca−0.5%Sn合金片、図5にPb−0.1%Ca−0.5%Sn合金片断面の顕微鏡写真を示す。

結晶粒数(粒界数)が多いほど、結晶粒は微細である。
表1及び図2〜図5の結果から、Caが0.07質量%以上0.12質量%以下、Snが0.10質量%以上0.75質量%以下のPb-Ca-Sn系合金では、結晶粒数(粒界数)が100を超え、微細な結晶粒が形成されることが確認された。
(既化成の負極電極材料密度)
本発明者は、上記の耐食性に優れる合金を負極格子及び負極ストラップに使用した場合であっても、負極板耳部とストラップとの溶接部に粒界腐食が進行する場合があることについて検討した。
そして、後述する連続過充電試験を行ったところ、既化成の負極電極材料密度を2.9g/cm以上3.9g/cm以下とすることで、耳部の粒界腐食の進行が抑制されることを見出した。この負極電極材料密度は、水銀圧入法で測定される開放細孔及び内部細孔を含む負極電極材料の単位体積当たりの質量である。
粒界腐食の進行が、負極既化成負極電極材料密度に影響された理由は、以下のように推察される。
すなわち、制御弁式鉛蓄電池において、正極から発生する酸素ガスを負極板で吸収する反応が十分かつ速やかに行われない場合には、電解液から露出している負極板耳部、およびストラップ付近の酸素量が多くなり、腐食が進行する。負極電極材料密度を高くすると、多孔度が下がるため、酸素との接触面積が小さくなり、酸素吸収の反応効率が下がる。また、負極電極材料密度を低くすると、極板に保持される電解液量が多くなる、すなわち、負極電極材料中の細孔内に電解液が保持されるため、酸素が負極電極材料に接触しにくくなり、やはり酸素吸収の反応効率が下がる。
本発明では、既化成の負極電極材料密度が2.9g/cm以上3.9g/cm以下であることにより、負極板における酸素ガス吸収能が適正化されたため、腐食進行が抑制されたしたものと考えられる。
なお、本明細書においては、鉛蓄電池における電極材料は、極板から集電体を除き、電池反応に寄与する物質と電池反応に寄与しない添加剤や補強材等の物質を合わせたものを電極材料と呼ぶ。また、本明細書中では、電極材料と活物質は同じものを指すこととする。以下の実施例では、「電極材料」を「活物質」という。
以下に、本願発明の実施例を示すが、本願発明の実施に際しては、当業者の常識及び先行技術の開示に従い、実施例を適宜に変更できる。一例として、正極格子、正極ストラップの合金組成や、正極/負極活物質ペーストの組成、正極/負極格子の寸法、デザイン、製造方法等は任意である。
(正極板の作製)
Caを0.06質量%、Snを1.5質量%、Alを0.02質量%以下含有し、残部がPbと不可避不純物である合金を用いて、厚さ3.8mmの正極格子を鋳造した。
未化成の正極活物質として、ボールミル法による鉛粉99.9質量%と、合成樹脂繊維0.1質量%とを、25℃で比重が1.16の硫酸でペースト化し、正極格子に充填して、熟成と乾燥を行った。
(負極板の作製)
CaおよびSnを表2に示す組成で含有し、他にAlを0.02質量%以下含有し、残部がPbと不可避不純物である合金を用いて、厚さ2.0mmの負極格子を鋳造した。
未化成の負極活物質として、ボールミル法の鉛粉98.3質量%と、合成樹脂繊維0.1質量%、カーボンブラック0.1質量%、BaSO1.4質量%、及びリグニン0.1質量%を、25℃で比重が1.14の硫酸でペースト化し、負極格子に充填して、熟成と乾燥を行った。
(鉛蓄電池の組立)
正極板4枚と負極板5枚を、微細ガラスマットセパレータを介して積層して極板群とし、極板群の長さが電槽内寸法になるまで圧迫を加えて電槽内に収容した。各正極板耳部の上部とポール(極柱)の台座部とを、純鉛の足し鉛を用い、バーナーで溶かしながら溶接することにより、正極ポール−ストラップを形成した。負極も同様の方法にてストラップを形成するが、足し鉛には表2に示す組成のPb、Pb−Sn合金、Pb−Ca合金、Pb−Ca−Sn合金を用いた。
電槽に蓋体を接着した後、蓋体の注液部から電解液として硫酸を加え、電槽化成を施して、容量が50A・hの制御弁式鉛蓄電池を作製した。
化成後の負極活物質密度は、表2に示すとおりである。
(寿命特性の評価)
上記のようにして作製したNo.1〜87の鉛蓄電池について、以下の条件で連続過充電試験を行った。
試験条件
充電電圧 :2.23V
試験環境 :60℃気槽
期間 :6か月(25℃換算で約5.7年相当)
連続過充電試験後の電池を解体して切り出した負極板に、1枚以上の耳部破断があった場合、耳部破断「有」、耳部破断が無かった場合「無」とした。
耳部破断が「無」の場合に、負極ストラップと耳部の溶接部の断面を金属顕微鏡で観察し、耳部の残存厚みを一つのストラップにつき3か所測定した。測定値の平均値から以下の式による粒界腐食の割合を求めた。
粒界腐食割合=(初期厚み−残存厚み)/初期厚み×100(%)
(初期厚みは2.0mm)
以下の基準により粒界腐食の進行度を評価した。
粒界腐食割合 10〜19% :1
粒界腐食割合 20〜29% :2
粒界腐食割合 30〜19% :3
粒界腐食割合 40〜49% :4
粒界腐食割合 50〜59% :5
粒界腐食割合 60%以上 :6
結果を表2、表3に示す。


No.1〜21の電池は、負極格子に耳部の合金組成において、Caが0.04質量%、0.06質量%と少ない。したがって、結晶粒が粗大であるため、粒界腐食が進行しやすく、耳部破断が生じると考える。
No.22〜49の電池は、負極格子耳部の合金組成が、微細な結晶粒が生じるものとなっている。しかし、No.22〜24、No.26〜31、No.39、No.42、No.45〜47の電池は、ストラップ合金の組成において、Caが少ないかCaを含んでいない。そのため、ストラップ部分の結晶粒が粗大であるため、粒界腐食が進行しやすく、耳部破断に至る。
これに対して、No.25、No.32〜38、No.40、No.41、No.43、No.44、No.48〜49の電池は、耳部及びストラップ合金が微細な結晶組織を有するため、耳部破断に至らない。
これらの中で、No.32〜37の電池は、耳部及びストラップが微細な結晶粒を有する点で共通するが、負極既化成活物質密度が2.7〜4.2g/cm3の範囲で異なるものである。これらの電池の活物質密度と粒界腐食の進行度の関係を図6に示す。
No.32の電池は、本発明の範囲より活物質密度が小さい2.7g/cm3であり、No.37の電池は、活物質密度が大きい4.2g/cm3である。これらの電池においては、負極板には酸素吸収反応が適切に行われる反応面積が確保されていないことから、耳部破断は免れているものの、粒界腐食進行度が大きいと推察される。
No.50〜55、No.73〜78、No.85〜87の電池は、耳部の合金組成において、Snが0.80質量%、0.90質量%、又は1.20質量%である。また、No.57の電池は、耳部の合金組成において、Snが不含有である。いずれの電池の場合も、微細な結晶粒が得られる組成に対して、Snが多すぎるか、少なすぎるため、耳破断が生じている。
No.56、No.58〜72、No.79〜84の電池は、負極格子耳部の合金組成が、微細な結晶粒が生じるものとなっている。しかし、No.56、No.58、No.62、No.72、No.79、No.84の電池は、ストラップ合金において、CaとSnの少なくとも一方の組成比が、結晶粒を微細化する範囲を外れている。そのため、耳部破断が起こっている。
これに対して、No.59〜61、No.63〜71、No.80〜83の電池は、耳部及びストラップの両方の合金が、微細な結晶粒を有する組成範囲であるため、耳部破断に至っていない。
これらの中で、No.66〜71の電池は、耳部及びストラップの両方の合金が微細な結晶組織を有する点で共通し、負極既化成活物質密度が2.7〜4.2g/cm3と異なるものである。これらの電池の活物質密度と粒界腐食の進行度の関係を図7に示す。
負極既化成活物質密度が2.7g/cm3であるNo.66、及び4.2g/cm3であるNo.71の電池については、No.32、No.37と同様に、粒界腐食の進行度が大きかった。これに対して、負極既化成活物質密度が2.9〜3.9g/cm3を満たすNo.67〜70の電池は、粒界腐食の進行が抑えられている。
以上の結果により、負極板耳部の合金組成、及び負極ストラップの合金組成を、Caを0.07質量%以上0.12質量%以下、Snを0.10質量%以上0.75質量%以下含むPb−Ca−Sn系合金とし、かつ、負極既化成活物質密度を2.9g/cm以上3.9g/cm以下とすることにより、耐食性に優れ、寿命特性の改善された制御弁式鉛蓄電池が得られることが確認された。
なお、市販の電池について、負極活密度を確認するためには、既化成で満充電状態(100%以上充電した状態)の負極活物質を水洗乾燥し、未粉砕の状態で水銀圧入法による測定を行い、得られた開放細孔容積と見かけ密度を次の式に代入すればよい。
単位質量当たりの内部細孔を含む負極活物質の体積[cm3/g]=1÷負極活物質の見かけ密度[g/cm3
負極活物質密度[g/cm]=1÷(単位質量当たりの内部細孔を含む負極活物質の体積[cm3/g])+単位質量当たりの開放細孔容積[cm3/g])
本発明は、耐食性に優れ、寿命特性が改善された長寿命の鉛蓄電池電池に係るものであるから、据置用等として有用である。

Claims (1)

  1. 負極板耳部の合金組成、及び負極ストラップの合金組成が、合金の全質量に対してCaを0.07質量%以上0.12質量%以下、Snを0.10質量%以上0.75質量%以下含むPb−Ca−Sn系合金であり、
    既化成の負極電極材料密度が、2.9g/cm以上3.9g/cm以下であることを特徴とする制御弁式鉛蓄電池(但し、正極板が合金の全質量に対して0.5〜2質量%のアンチモンを含有する鉛合金からなる正極格子を有する制御弁式鉛蓄電池を除く。)。
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