JP6070684B2 - 制御弁式鉛蓄電池 - Google Patents

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Description

本発明は、制御弁式鉛蓄電池の負極溶接部の品質に関するものである。
鉛蓄電池には、極板群を挿入した電槽の中に電解液を注液して構成される開放型の液式電池と、微細ガラスマットセパレータ(リテーナーマット)に電解液を保持させ、正極で発生する酸素ガスを負極活物質上で水に還元する、いわゆる酸素サイクルと呼ばれる原理を利用した制御弁式電池とがある。
液式電池は、充電中に起こる水の電気分解反応や自然蒸発によって電解液中の水分が失われるため、適宜精製水を補給する必要があり、保守が面倒であるという難点を持つ。これに対して、制御弁式鉛蓄電池は、正極板と負極板の間にリテーナ―マットを介在させた極板群を電槽に収納し、前記極板群に電解液を保持しているから、メンテナンスフリーとすることができるため、近年その利用が進んでいる。
制御弁式鉛蓄電池においては、負極板の耳部とストラップの溶接部が電解液から露出しているため、充電時においても、鉛の平衡電位より貴な状態におかれる。そのため、耳部やストラップを這い上がった硫酸と正極から発生した酸素によって、耳部やストラップで腐食が進行して、溶接界面で破断する問題があり、これまでに耐食性を向上させる目的で様々な合金組成が検討されている。
特許文献1には、Pb−Ca−Sn系合金からなる負極板格子の耳部相互を、Seを10〜200ppm添加したPb−Sn系合金からなるストラップで溶接することが記載されており、Seが溶接時に鉛合金粒子の結晶の核となり、結晶粒の微細化を促すため、ストラップ棚部の結晶粒界部分に沿って発生する応力腐食割れが抑制できるメカニズムが記載されている。
特許文献2には、正極板と負極板の枚数を同数とした極板群を備え、正極板の表面積の総和(S)と極板群の体積値(V)との比率S/Vを2.2cm- 1以上とすることで寿命特性を向上させる鉛蓄電池において、耐食性向上を目的に、液式電池で一般的に用いられるPb−Sb系合金の代わりに、Pb−Sn系合金を用いる負極ストラップとPb−Ca−Sn系合金を用いる負極板を接合することが記載されている。なお、効果が得られる負極ストラップ合金のSn量は0.1質量%以上とされているが、実施例に示されているのはSnを2.5質量%含有するストラップ合金のみであって、接合部の耐食性とSn含有量との関連を示すデータはない。
特許文献3には、Pb−Ca−Sn系合金の負極格子体を用い、負極ストラップ6に純鉛、又はSnが1.3質量%以下のPb−Sn系合金を用いることにより、耳部とストラップの溶接部、及びストラップ本体の耐食性を向上させることが記載されており、負極格子合金中のCa量は、ストラップとの溶接部分の耐食性が低下するため、0.065質量%以下が望ましいとされている。
特開平8−339794号公報 特開2009−104914号公報 特開2002−175798号公報
制御弁式鉛蓄電池においては、極板群に適度な緊圧を加えることによって極板の表面を強力に押圧し、極板群の接触抵抗を低下させるとともに、正極格子の腐食にともなうグロースを抑制することにより、電池の長寿命化を図っている。図1に、化成後の緊圧とフロート寿命の関係を示す。化成後の緊圧は、気密状態で極板群積層方向の電槽外寸を測定した後、電池を解体して極板群を取り出し、気密時の電槽内寸(気密時の電槽外寸−電槽厚み)まで極板群を圧迫した時の圧力を測定して求めることができる。
緊圧が20kPa以上であると、平均的には10年以上のフロート寿命が得られ、20kPa以下では著しく短寿命になる。緊圧が60kPaを上回ると、製造不良や電池膨れといった問題が発生する。したがって、実用的な緊圧は20kPa以上60kPa以下である。
ところで、上記の範囲の緊圧を加えた制御弁式鉛蓄電池であっても、しばしば寿命特性にばらつきが見られた。寿命の短い電池では、負極板耳部と負極ストラップとの溶接部で、腐食がそれほど進行していないにもかかわらず、短期間で溶接部が破断していることが観察された。
本発明は、上記の問題を解決しようとするものであり、制御弁式鉛蓄電池において、溶接部の破断を抑制することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、以下の手段を採用する。
(1)正極板と負極板の間にリテーナ―マットを介在させた極板群を電槽に収納し、前記極板群に電解液を保持した制御弁式鉛蓄電池において、負極板耳部の厚さ(d)が1.8mm以上であり、負極板耳部の厚さ(d)と負極板耳部の長さ(l)との比(d/l)が、0.07≦(d/l)≦0.14である制御弁式鉛蓄電池。
(2)前記負極板耳部の合金組成が、Caを0.07〜0.12質量%、Snを0.75質量%以下含むPb−Ca−Sn系合金、又はPb-Ca系合金であり、且つ、前記負極板耳部に溶接される負極ストラップの合金組成が、純鉛、又はSnを0.3質量%以下含むPb−Sn系合金である前記(1)の制御弁式鉛蓄電池。
(3)前記負極板の耳厚さ(d)と負極板の耳長さ(l)との比(d/l)が、0.09≦(d/l)≦0.13である前記(1)又は(2)の制御弁式鉛蓄電池。
(4)前記負極板耳部の合金組成が、Ca:0.09〜0.12質量%、Sn:0.75質量%以下のPb−Ca−Sn系合金、又はPb−Ca系合金である前記(1)〜(3)のいずれかの制御弁式鉛蓄電池。
(5)前記極板群の負極板の集電体が鋳造集電体である前記(1)〜(4)のいずれかの制御弁式鉛蓄電池。
本発明によれば、制御弁式鉛蓄電池において、負極溶接部が破断することがない電池を提供することができる。
緊圧とフロート寿命年数との関係を示すグラフ 粒界割れによる負極耳部の破断を示す顕微鏡写真 耳部の厚さ(d)及び長さ(l)を示す図 耳長さ(l)と耳部腐食量の関係を示すグラフ 耳厚さ(d)と耳長さ(l)の比(d/l)と溶接部に生じる応力の関係を示すグラフ Pb−Ca合金におけるCa濃度と耐食性との関係を示すグラフ Pb−Ca−Sn合金における異なるCa濃度でのSn濃度と耐食性の関係を示すグラフ Pb−Sn合金におけるSn濃度と引張強度との関係を示すグラフ Pb−Ca−Sn合金における異なるSn濃度でのCa濃度と引張強度との関係を示すグラフ
本発明者らは、制御弁式鉛蓄電池における前記の溶接部の破断の原因について調査した結果、通常フロート充電されている際は、ガス発生により電池の内圧は外気圧よりも若干高くなるが、充電休止や放電等で電池内圧が外気圧よりも低くなった場合、電槽に凹みが生じ、極板群への圧迫がより強くなるため、負極ストラップと負極板耳部との溶接部に応力が集中し、腐食があまり進行していなくても粒界に亀裂が入って破断に至ると推定した。さらに、鋭意調査した結果、負極板耳部の厚さと長さが、腐食の進行速度や溶接部の応力発生に影響を及ぼしていることが分かった。
図3は、負極板の耳厚さ(d)と耳長さ(l)を示している。負極板耳長さは、負極ストラップ下端から負極板上部枠骨と耳のR部下側の距離である。
負極板の耳厚さ(d)と耳長さ(l)の比(d/l)が小さいと、耳長さに対して耳厚さが薄いため、腐食による破断が起こりやすい。また、耳厚さに対して耳長さ(l)が長いため、負極耳の露出部分が多くなり、腐食が進行しやすい。図4は、後述する実施例において、耳厚さ(d)2.1mmに対して耳長さと耳部腐食量の関係を、2種類の負極格子合金について示している。また、耳長さ(l)が長いとストラップと極板群とのあいだの空間が増大するので、体積エネルギー密度が低下する問題もある。
耐食性を考慮した(d/l)の下限は0.07であり、好ましくは0.09である。
一方、(d/l)が大きいと、耳長さに対して耳厚さが厚くなるため、耐食性には有利であるが、負極耳の機械的強度が大きくなり、極板群に高い緊圧がかかった場合に、負極耳で応力が緩和されず、負極板耳−ストラップ溶接部に応力が集中して、粒界割れが発生しやすくなる。また、耳厚さに対して耳部が短いから、負極板耳−ストラップ溶接部と極板群とのあいだの距離が短くなり、極板群に高い緊圧がかかった場合に、負極耳部で応力が分散されないため、溶接部に粒界割れが発生しやすくなる。図5は、(d/l)とCAE解析で求めた溶接部に生じる応力の関係を示しており、(d/l)が0.14を超えると、応力曲線が立ち上がっていることを示している。
したがって、(d/l)の上限は0.14であり、好ましくは0.13である。
負極板耳部とストラップの合金組成に関しては、耐食性に優れ、且つ、極板群の高圧迫により負極板耳−ストラップ溶接部に生じる応力を緩和することができる組み合わせが好ましい。
様々な合金組成の組み合わせを検討した結果、負極格子に耐食性に優れた合金を用い、負極ストラップに機械的強度が低く応力を吸収しやすい合金を用いることで、負極耳腐食を抑制するとともに、負極ストラップ-格子耳溶接部にかかる応力を緩和して、粒界割れを抑制できることが分かった。
図6は、Pb−Ca合金におけるCa濃度と耐食性との関係を示し、図7は、Pb−Ca−Sn合金における異なるCa濃度でのSn濃度と耐食性の関係を示している。耐食性の試験は以下の条件で行った。
75℃定電位通電試験(+40mV vs Pb/PbSO
試験極:各種鉛合金片(厚さ2.1mm)
対極 :純鉛
参照極:Pb/PbSO電極
電解液:比重1.28硫酸
試験後に試験片の断面観察を行い、腐食していない部分の厚みを、Ca:0.09%、Sn:0.3%の結果を100とした相対値で表した。
図6、図7から、Caを0.07〜0.12質量%、Snを0.75質量%以下含むPb−Ca−Sn系合金、又はPb-Ca系合金が高い耐食性を有していることが分かる。これは、この組成範囲の合金が微細な結晶粒を形成し、腐食による粒界割れを抑制していることによる。したがって、この組成範囲が負極板耳部の合金として好ましい。
図8は、Pb−Sn合金におけるSn濃度と引張強度との関係を示している。図9は、Pb−Ca−Sn合金における異なるSn濃度でのCa濃度と引張強度との関係を示している。引張強度の測定は以下のように行った。Ca濃度およびSn濃度が異なる試験片を鋳造し、室温で1か月エージングした後に、JIS13B号の試験片形状に打ち抜くことで引張強度試験片を製作し、引張速度を10mm/minとして引張強度の測定を行った。
図8によると、純鉛にSnを0.3質量%超えて添加すると、引張強度が著しく大きくなることが分かり、また、図9によると、純鉛、又Pb−Sn合金にCaを添加しても、引張強度の増大が起こることが分かる。したがって、負極ストラップに好ましいのは、純鉛、又はSnを0.3質量%以下含むPb−Sn系合金である。
なお、負極ストラップ−格子耳溶接部では、合金組成が混ざり合うから、本発明でいう負極板耳部の合金組成は、負極耳下部の組成であり、負極ストラップの合金組成は、溶接面と反対側のストラップ上部の合金組成である。
以下に、本願発明の最適実施例を示す。本願発明の実施に際しては、当業者
の常識及び先行技術の開示に従い、実施例を適宜に変更できる
(正極板の作製)
Caを0.06質量%、Snを1.5質量%、Alを0.02質量%以下含有し、残部がPbと不可避不純物である厚さ3.8mmの正極格子を鋳造して正極集電体とした。なお、正極格子の合金組成、寸法、デザイン、および鋳造、圧延シート打抜き等の製造方法は任意である。
未化成の正極活物質として、ボールミル法による鉛粉99.9質量%と、合成樹脂繊維0.1質量%とを、25℃で比重が1.16の硫酸でペースト化し、正極格子に充填して、熟成と乾燥を行った。正極活物質の組成と密度等は任意である。
(負極板の作製)
Caを0.06〜0.13質量%、及びSnを0〜0.9質量%含有し、他にAlを0.02質量%以下含有し、残部がPbと不可避不純物であるPb−Ca−Sn系合金、又はPb-Ca系合金から厚さ1.8mm、1.9mm、及び2.1mmの負極格子を鋳造して負極集電体とした。なお、負極格子の寸法、デザイン等は任意である。
負極活物質として、ボールミル法の鉛粉98.3質量%と、合成樹脂繊維0.1質量%、カーボンブラック0.1質量%、BaSO1.4質量%、及びリグニン0.1質量%を、25℃で比重が1.14の硫酸でペースト化し、負極格子に充填して、熟成と乾燥を行った。負極活物質の組成と密度等は任意である。
(電池の組立)
正極板と負極板との間に微細ガラスマットセパレータ(リテーナーマット)を配置して極板群を形成した。
負極板の耳厚さ(d)と溶接後の耳長さ(l)の比(d/l)が、0.06〜0.15になるように、極板耳部を所定寸法に切断し、負極群の足からストラップ下面までの高さと、溶接後の正極群の足からストラップ下面までの高さとが同じになるように正極板の耳部も所定寸法に切断した。
負極板の耳厚さおよび耳長さは、電池容量や電槽寸法等により適宜変更が可能である。
正極板には、足し鉛に純鉛を用いて正極ストラップを形成し、負極板には、足し鉛に純鉛、Snを0.1〜0.4質量%含有するPb−Sn合金、又はCaを0.01質量%含有するPb−Ca合金を用いて負極ストラップを形成した。
極板群の長さが電槽内寸寸法になるまで、圧迫を加えて電槽内に収容し、電解液として硫酸を加え、電槽化成を施して、容量が200A・hの制御弁式鉛蓄電池とした。
(鉛蓄電池の評価)
上記のようにして作製したNo.1〜149の鉛蓄電池について、以下の条件で加速試験を行った。
試験条件:50℃、2.23Vのフロート電圧で27日間充電後、25℃で3日間放置を1サイクルとして、18サイクル実行(25℃換算で7.5年相当)
試験後の電池から切り出した負極ストラップと耳部の溶接部断面を金属顕微鏡で負極溶接部の粒界割れと負極耳部の腐食量を観察した。
粒界割れの進行度を、以下の4段階で評価し、4を不合格とした。
1 :粒界割れなし
2 :粒界割れの進行が耳厚みの30%未満
3 :粒界割れの進行が耳厚みの30%以上(ただし、破断していない)
4 :破断
負極耳腐食量を以下の式により求めた。
負極耳腐食量(%)=(初期耳厚み−試験後耳厚み)/初期耳厚み×100
(評価結果)
(負極板の耳厚さ(d)と耳長さ(l)の比(d/l))
表1は、負極板の耳厚さ(d)と耳長さ(l)の比(d/l)について評価した結果である。
No.1〜10は、ストラップが機械的強度の低い純鉛からなり、負極板耳部が耐食性に優れたCa:0.09質量%、Sn:0.3質量%の合金からなっている。しかし、負極耳厚さと耳長さの比(d/l)が0.06と小さいNo.1は、負極耳が厚さに対して長いため、露出部分が多くなり、腐食および粒界割れが進行したと考えられる。
(d/l)が0.15と大きいNo.10は、負極耳が厚さに対して短いため、高圧迫により生じる応力が負極耳部で分散されないため、腐食は進行していないものの、溶接部の粒界割れが進行したと考えられる。
これらに対して、(d/l)が0.07〜0.14であるNo.2〜9ではそのような問題が生じない。
No.11〜20の電池は、ストラップにCa:0.01質量%、Sn:0.1質量%のPb−Ca−Sn系合金を用いており、Ca添加により機械的強度が若干高い合金を用いているため(図9参照)、高圧迫により生じる応力が緩和されにくく、ストラップが純鉛であるNo.1〜10の電池より溶接部に粒界割れが発生しやすい。しかし、(d/l)が0.07〜0.14であるNo.12〜19の電池は、破断に至っていない。No.11は、No.1と同様に負極耳厚さと耳長さの比(d/l)が0.06と小さく耳厚さに対して耳長さが長いため、露出部分が多くなり、腐食及び粒界割れが進行し、破断したと考えられる。No.20は、(d/l)が0.15と大きく、応力が分散されにくいから、応力が緩和されにくいストラップの合金組成と相まって、腐食量は少ないものの、粒界割れによる破断に至ったと考えられる。
No.21〜30は、負極板耳部(負極格子)に耐食性が低いCa:0.06質量%、Sn:0.3質量%のPb−Ca−Sn系合金を用いた以外は、それぞれNo.1〜10と同様の電池である。これらの電池では、負極板耳部の耐食性が低いため(図7参照)、No.1〜10の電池と比べて耳腐食量が大きくなっている。しかし、負極耳厚さと耳長さの比(d/l)が小さく露出部分の長いNo.21の電池や、(d/l)が大きく応力分散が十分でないNo.30の電池を除き、(d/l)が0.07〜0.14のNo.22〜29の電池では、破断が起きていなかった。
表2は、負極板の耳厚さが1.9mmである電池における(d/l)についての評価結果を示す。
耳厚さが1.9mmの場合も、(d/l)が0.07以上0.14以下の範囲内のNo.31〜38の電池であれば、腐食量が小さく、粒界割れによる破断を起こさないことが確認された。
(ストラップの合金組成)
表3は、ストラップの合金組成について評価した結果である。
No.40〜44、No.45〜49、No.50〜54は、ストラップの合金組成を変化させた以外は、それぞれ、表1におけるNo.2、No.5,No.9と同じ電池である。
Snを0.3質量%以下含むPb−Sn合金(図8参照)であって、機械的強度が低い合金組成のストラップを有するNo.41〜43、No.46〜48、No.51〜53の電池は、No.2、No.5、No.9の電池とほぼ同程度の耐食性を示し、粒界割れが抑制されている。
ストラップ中にCaが0.01%添加されたNo.40、No.45、No.50や、Snが0.4質量%添加されたNo.44、No.49、No.54の電池では、ストラップの機械的強度が高いため(図8,図9参照)、高圧迫により生じる応力が緩和されにくく、No.2、No.No5、No.9よりは粒界割れが起こりやすいが、破断には至っていないのは、(d/l)が適度な比であるためである。
以上の結果から、ストラップ合金は、純鉛か、Snを0.3質量%以下含むPb−Sn合金であることが好ましい。
(負極板耳部の合金組成)
表4〜表6は、負極板耳部の厚さと長さの比(d/l)がそれぞれ0.07、0.10、0.14であり、ストラップの合金組成が純鉛、又はSnが0.3質量%のPb−Sn合金である場合に、負極板耳部の合金組成中のCaとSnの添加量を様々に変えた電池を評価したものである。
負極板耳部(負極格子)の合金組成において、Caが0.06質量%であるNo.55、No.56、No.70〜72、No.87〜89、No.103〜105、No.119、No.120、No.134〜136、及びCaが0.13質量%であるNo.68、No.69、No.85、No.86、No.101、No.102、No.117、No.118、No.132、No.133、No.148、No.149は、合金の結晶粒が粗大になる組成であるため、腐食が進行しやすく(図6参照)、粒界割れも生じやすい。しかし、(d/l)が0.07〜0.14と適度であるため、破断には至っていない。
負極板耳部の合金組成中のSnが0.9質量%であるNo.60、No.63、No.67、No.76、No.80、No.84、No.93、No.96、No.100、No.109、No.112、No.116、No.124、No.127、No.131、No.140、No.143、No.147は、組成中のCaが0.07〜0.12質量%であっても、合金の結晶粒が大きいため、腐食が進行しやすく、粒界割れも生じやすい(図7参照)。しかし、(d/l)が0.07〜0.14と適度であるため、破断には至っていない。
これらの電池に対して、負極板耳部の合金組成中のCaが0.07〜0.12質量%であり、かつSnが0.75質量%以下であるNo.57〜59、No.61、No.62、No.64〜66、No.73〜75、No.77〜79、No.81〜83、No.90〜92、No.94、No.95、No.97〜99、No.106〜108、No.110、No.111、No.113〜115、No.121〜123、No.125、No.126、No.128〜130、No.137〜139、No.141、No.142、No.144〜146では、耳部合金の耐食性が高いため、特に腐食量が抑制され、(d/l)の効果と相まって、粒界割れの進行も抑制されている。
したがって、負極板耳部の合金組成は、Ca:0.07〜0.12質量%、Sn:0.75質量%以下のPb−Ca−Sn系合金、又はPb−Ca系合金であることが好ましく、さらにCa:0.09〜0.12質量%、Sn:0.75質量%以下のPb−Ca−Sn系合金、又はPb−Ca系合金であるとより好ましい。
以上の結果から、負極板耳部の厚さと長さの比(d/l)を0.07〜0.14、好ましくは0.09〜0.13とすることにより、負極溶接部の破断が防止され、長寿命の電池を提供することができることがわかった。
また、ストラップの組成と負極板耳部の合金組成を最適化すると、より負極溶接部が破断しにくく、長寿命の電池を得られることがわかった。
なお、容量が200A・h以外の鉛蓄電池においても、(d/l)の範囲が上記の範囲であれば、同様の傾向を示すことが確認された。また、ストラップの組成と負極板耳部の合金組成についても、同様の傾向であった。
本発明は、負極溶接部の破断を防止することにより、長寿命の制御弁式鉛蓄電池電池を提供することができるから、据置用途やサイクル用途のVRLA電池として有用である。また、自動車用VRLA電池に用いても良い。

Claims (5)

  1. 正極板と負極板の間にリテーナ―マットを介在させた極板群を電槽に収納し、前記極板群とリテーナマットに電解液を保持した制御弁式鉛蓄電池において、
    負極板耳部の厚さ(d)が1.8mm以上であり、負極板耳部の厚さ(d)と負極板耳部の長さ(l)との比(d/l)が、0.07≦(d/l)≦0.14であることを特徴とする制御弁式鉛蓄電池。
  2. 前記負極板耳部の合金組成が、Caを0.07〜0.12質量%、Snを0.75質量%以下含むPb−Ca−Sn系合金、又はPb-Ca系合金であり、
    且つ、前記負極板耳部に溶接される負極ストラップの合金組成が、純鉛、又はSnを0.3質量%以下含むPb−Sn系合金であることを特徴とする請求項1記載の制御弁式鉛蓄電池。
  3. 前記負極板耳部の厚さ(d)と負極板耳部の長さ(l)との比(d/l)が、0.09≦d/l≦0.13であることを特徴とする請求項1又は2に記載の制御弁式鉛蓄電池。
  4. 前記負極板耳部の合金組成が、Ca:0.09〜0.12質量%、Sn:0.75質量%以下のPb−Ca−Sn系合金、又はPb−Ca系合金であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の制御弁式鉛蓄電池。
  5. 前記極板群の負極板の集電体が鋳造集電体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の制御弁式鉛蓄電池。
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