JP6599779B2 - 動力伝達装置 - Google Patents

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Description

本発明は、第1回転軸の回転力を第2回転軸に伝達する動力伝達装置に関する。
特許文献1には、ドライブギヤ(第1ギヤ)を有するクランクシャフト(第1回転軸)と、ドライブギヤに噛み合うドリブンギヤ(第2ギヤ)と、外周にドリブンギヤが相対回転可能に配置されるバランスシャフト(第2回転軸)と、バランスシャフトの軸方向端部に固定される回転部材と、回転部材内に周方向に間隔をあけて収容されるストッパゴムとを備えたバランサ装置としての動力伝達装置が開示されている。
ドリブンギヤの軸方向端面には、衝突突起部が突出して設けられ、ストッパゴムの周方向両端部には、ドライブギヤ及びドリブンギヤの回転時に衝突突起部と衝突する弾性変形部が設けられている。また、ドリブンギヤの軸方向両側のうち、ストッパゴムが位置する側とは反対側には、ドリブンギヤとバランスシャフトとの間で摩擦減衰力を発生させるフリクションダンパーが設けられている。
レシプロエンジンの駆動によりドライブギヤ及びドリブンギヤが回転すると、ドリブンギヤがフリクションダンパーの減衰を受けつつ衝突突起部が空転し、その後、衝突突起部が弾性変形部と衝突して、ストッパゴムに周方向の圧縮力が付与される。これにより、ドリブンギヤの回転力がバランスシャフトに減衰して伝達され、バランスシャフトが回転するようになっている。
特開2009−204057号公報
上記の場合、ドリブンギヤに軸方向に突出する衝突突起部が設けられ、ストッパゴムの周方向の両端部に衝突突起部を受ける弾性変形部が設けられ、さらにバランスシャフトの軸方向端部にストッパゴムを収容する回転部材が設けられるのに加え、ストッパゴムとは別にフリクションダンパーが必要とされるため、全体の構造が複雑になるのに加え、軸方向に大型化し易い傾向にあった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、全体の構造を簡素化することができ、軸方向の大型化を抑制することができる動力伝達装置を提供することを目的とする。
本発明の動力伝達装置は、第1ギヤを有する第1回転軸と、前記第1ギヤに噛み合う第2ギヤと、外周に前記第2ギヤが相対回転可能に配置される第2回転軸と、前記第1、第2ギヤの回転時に前記第2回転軸に対し前記第2ギヤを軸方向に相対的に移動させる軸方向移動部と、前記第2ギヤと前記第2回転軸との間で軸方向に挟まれ、前記軸方向移動部により相対移動する前記第2ギヤを介して付与される軸方向の圧縮力によって、前記第1回転軸の回転力を前記第2回転軸に伝達する弾性部材とを備え、前記第2ギヤの内周部には、軸方向に張り出すフランジ部が設けられ、前記第2回転軸の外周には、径方向に張り出す対向壁が設けられ、前記第2ギヤと前記対向壁との間に前記弾性部材が挟まれた状態において、前記弾性部材が前記フランジ部に外嵌され、前記フランジ部の端部が前記対向壁に対して軸方向に対向しているところに特徴を有する。
第2ギヤが軸方向移動部によって第2回転軸に対し軸方向に相対的に移動させられることにより、弾性部材が第2ギヤと第2回転軸との間で軸方向に圧縮力を付与された状態になるため、第1回転軸の回転力が第2回転軸に減衰して伝達される。この場合に、第2ギヤには軸方向に突出する衝突突起部(背景技術を参照)に対応するものを設ける必要がなく、かつ弾性部材には衝突突起部に対応するものを周方向で受ける部分を設ける必要がないのに加え、第2回転軸の端部に弾性部材を収容する回転部材(背景技術を参照)のような構造を設ける必要もなく、さらには、フリクションダンパー(背景技術を参照)を省略することも可能であるため、全体の構造を簡素化することができるとともに、軸方向の大型化を抑制することができる。
本発明の実施例1に係る動力伝達装置としてのバランサ装置の概略側面図である。 バランサ装置の減衰機構の構造を示す断面図である。 弾性部材の正面図である。 実施例2に係る動力伝達装置としてのバランサ装置において、減衰機構の構造を示す要部断面図である。
本発明の好ましい形態を以下に示す。
前記軸方向移動部が、前記第2ギヤと前記第2回転軸とに互いに係合可能に設けられ、前記第1、第2ギヤの回転運動を、前記第2ギヤと前記第2回転軸との相対的な軸方向移動に変換する変換機構を有している。これによれば、第1、第2ギヤの回転時に第2ギヤが第2回転軸に対して自動的に軸方向移動するため、第2ギヤを強制的に軸方向移動させる必要がなく、構造の簡素化を図ることができる。
前記対向壁は軸方向で対向し、それぞれの前記対向壁間に、前記第2ギヤの内周部が配置され、前記第2ギヤの軸方向両端とそれぞれの前記対向壁との間に、前記弾性部材が挟まれている。これによれば、従来の回転部材(背景技術を参照)と異なり、対向壁のような簡単な構造のもので弾性部材を受けることができ、構造のよりいっそうの簡素化を図ることができる。また、対向壁が回転部材の外周面から径方向に張り出す形態であるため、軸方向の大型化をより確実に抑制することができる。
ぞれぞれの前記対向壁のうち、前記第2回転軸の軸方向一端から離れた側の対向壁が前記第2回転軸と一体に設けられ、前記第2回転軸の軸方向一端に近い側の対向壁が前記第2回転軸とは別体として設けられている。第2回転軸の軸方向一端から離れた側の対向壁が第2回転軸と一体に設けられているため、この対向壁が第2回転軸とは別体として設けられる場合に比べ、部品点数を削減することができる。また、この第2回転軸の軸方向一端から離れた側の対向壁をストッパ壁として、弾性部材、第2ギヤ、弾性部材及び第2回転軸の軸方向一端に近い側の対向壁を、軸方向一端側から順次組み付けることができるため、良好な組み付け性を確保することができる。
前記弾性部材が、前記第2回転軸の周囲を取り囲むリング状をなしている。これによれば、弾性部材が周方向に複数分割されないため、部品点数の増加を招くことがない。
<実施例1>
以下、本発明の実施例1を図1〜図3に基づいて説明する。実施例1に係る動力伝達装置は、直列4気筒のレシプロエンジンのバランサ装置に適用される一例であって、クランクシャフトとしての第1回転軸10と、第1回転軸10と平行に配置されるバランスシャフトとしての第2回転軸11と、第1、第2回転軸10、11と平行に配置される第2回転軸11とは別のバランスシャフトとしての第3回転軸12とを備えている。第1回転軸10は、図示しないクランクケースに回転可能に支持され、第2、第3回転軸11、12は、クランクケースの下方に位置するハウジング13に回転可能に支持されている。第1回転軸10の回転力は、後述する弾性部材14A、14Bと軸方向移動部15による減衰機構を介して第2回転軸11に伝達される。なお、以下の説明において、軸方向は、図1の左右方向であり、左側は軸方向一側を示し、右側は軸方向他側を示す。
まず、バランサ装置の全体構造を説明する。
図1に示すように、第1回転軸10には、クランクアーム16が設けられ、クランクアーム16には、コンロッド17を介してピストン18が接続されている。また、第1回転軸10には、ピストン18毎に一対ずつで計8個の第1バランスウェイト19が設けられ、このうち、端側2個の第1バランスウェイト19間に第1ギヤ20が設けられている。第1ギヤ20は、金属製であって、第1回転軸10に一体回転可能に固定されている。
第2回転軸11の外周には、第1ギヤ20に噛み合う第2ギヤ21が配置されている。第2ギヤ21は、第2回転軸11に対して相対的に回転可能とされており、第1ギヤ20との噛み合いによるギヤ音を低減するため、歯面を有する外周部分を樹脂製としてある。実施例1の場合、第2ギヤ21全体を樹脂製としてあるが、外周部分のみを樹脂製とし、軸方向移動部15を有する内周部分を金属製としても構わない。また、第1、第2ギヤ20、21は、ヘリカル状の歯面を有するヘリカルギヤになっている。第2ギヤ21の歯数は第1ギヤ20の歯数の半分に設定されている。このため、第2回転軸11は、第1回転軸10の2倍の回転速度で回転するようになっている。
第2回転軸11には、第2ギヤ21の右側にカウンタギヤ22が設けられている。第3回転軸12には、カウンタギヤ22に噛み合う従動ギヤ23が設けられている。カウンタギヤ22及び従動ギヤ23は、それぞれ第2回転軸11及び第3回転軸12に一体回転可能に固定され、互いに同じ歯数に設定されている。さらに、第2、第3回転軸11、12の右寄りの位置には、それぞれ第2、第3バランスウェイト24、25が設けられている。
第1回転軸10が回転すると、第2、第3回転軸11、12が減衰機構を介して第1回転軸10の2倍の回転速度で回転するとともに、第2、第3バランスウェイト24、25が偏心回転して遠心力を発生させ、もってレシプロエンジンの二次振動等の振動を低減することが可能となっている。
次に、減衰機構について説明する。
図2に示すように、第2ギヤ21は、第2回転軸11に対して相対的に回転可能で、かつ軸方向に相対的に移動可能とされており、第2ギヤ21及び第2回転軸11は、第2ギヤ21の軸方向への相対移動を許容するための軸方向移動部15を備えている。
軸方向移動部15は、第2ギヤ21の内周部に設けられた内側係合部26と、第2回転軸11の外周部に設けられる外側係合部27とを有している。第2ギヤ21の内周部には、軸方向両側に張り出すフランジ部28が設けられている。
内側係合部26は、フランジ部28の内周面に、軸方向に螺旋状(ねじ状)に周回する溝と突条とで構成されている。外側係合部27は、第2回転軸11の外周面に、同じく軸方向に螺旋状(ねじ状)に周回する溝と突条とで構成されている。内側係合部26の溝に外側係合部27の突条が嵌合するとともに、内側係合部26の突条に外側係合部27の溝が嵌合し、その状態で、第2ギヤ21が第2回転軸11に対して相対回転することにより、内側係合部26と外側係合部27とが互いに摺動し合い、もって第2ギヤ21が第2回転軸11に対して軸方向に相対的に移動するようになっている。つまり、内側係合部26と外側係合部27とは、第2回転軸11に対する第2ギヤ21の回転運動を軸方向への直進移動に変換する変換機構を構成している。
また、減衰機構は、上記変換機構によって軸方向に移動する第2ギヤ21と対向する位置に配置され、第2ギヤ21によって軸方向に押圧される弾性部材14A、14Bを備えている。
具体的には、弾性部材14A、14Bは、ゴム製であって全体としてリング状をなし、第2回転軸11の周囲を取り囲み、かつ第2ギヤ21を挟んだ左右両側に対をなして配置される。対をなす弾性部材14A、14Bは、互いに同一形状とされているが、以下の説明において、両者を区別する必要がある場合に、右側に位置するものを一の弾性部材14Aと称し、左側に位置するものを他の弾性部材14Bと称する。
弾性部材14A、14Bの軸方向両端面は、第2ギヤ21の端面と後述する対向壁31、32の壁面とに面接触する平坦な被押圧面29になっている。このうち、対向壁31、32の壁面と対向する被押圧面29には、図3に示すように、径方向に延出して内外両面に開口する有底の通油溝30が凹設されている。通油溝30は、被押圧面29において周方向に間隔(好ましくは等間隔)をあけた複数箇所に設置されている。
図2に示すように、第2回転軸11の外周には、外側係合部27を挟んだ軸方向両側に、一対の対向壁31、32が設けられている。両対向壁31、32は、第2回転軸11に一体で、かつ第2回転軸11の外周面から径方向外側に全周にわたって張り出す奥側対向壁31と、第2回転軸11とは別体で、かつ第2回転軸11の外周面において奥側対向壁31よりも左寄りの位置から径方向外側に全周に亘って張り出す手前側対向壁32とからなる。なお、手前側及び奥側とは、弾性部材14A、14B、第2ギヤ21及び手前側対向壁32の組み付け方向の手前側及び奥側の意である。
奥側対向壁31は、円環板状をなし、板面(壁面)を軸方向に向けて配置される奥側壁部33と、第2回転軸11に一体に周設されて奥側壁部33の内周から左側に突出する周段部34とからなる。手前側対向壁32は、同じく円環板状をなし、板面(壁面)を軸方向に向けて配置される手前側壁部35と、手前側壁部35の内周から右側に突出する円筒状の鍔部36とからなる。
また、第2回転軸11の外周面は、外側係合部27及び奥側対向壁31が設けられた大径の移動面部37と、第2回転軸11の左端面に直交する小径の取付面部38と、取付面部38と移動面部37とをつなぐ径方向に沿った段差面部39とを有している。第2回転軸11の取付面部38には、左側から手前側対向壁32が圧入により装着される。手前側壁部35は、取付面部38に圧入され、段差面部39に当て止めされて、第2回転軸11に位置決めされる。また、手前側対向壁32が第2回転軸11の取付面部38に圧入されると、手前側壁部35と奥側壁部33とが第2ギヤ21を挟んで軸方向に対向して配置され、鍔部36の外周面と周段部34の外周面とが同心同径で配置される。
第2ギヤ21の右端面と奥側壁部33との間でかつ周段部34の外側の領域と、第2ギヤ21の左端面と手前側壁部35との間でかつ鍔部36の外側の領域とには、それぞれ、一の弾性部材14A及び他の弾性部材14Bが密嵌状態で収容される。
なお、第2回転軸11は、軸中心部において軸方向に延出する給油路40を有し、かつ給油路40から移動面部37の外側係合部27にかけて径方向に貫通する分岐油路41を有している。
以上が実施例1に係るバランサ装置の構造であり、続いて、バランサ装置の組み付け方法及び作用を説明する。
組み付けに際し、第2回転軸11に左側から一の弾性部材14Aを外挿し、弾性部材14Aの右側の被押圧面29を奥側壁部33の左側の壁面に当て止めさせる。次いで、第2回転軸11に左側から第2ギヤ21を外挿し、内側係合部26を外側係合部27に係合させつつ、第2ギヤ21を軸周りに回転させることで軸方向(右側)に移動させ、第2ギヤ21の右端面を弾性部材14Aの左側の被押圧面29に当て止めさせる。次に、第2回転軸11に左側から他の弾性部材14Bを外挿し、弾性部材14Bの右側の被押圧面29を第2ギヤ21の左端面に当て止めさせる。さらに、第2回転軸11に左側から手前側対向壁32を外挿し、鍔部36を取付面部38と段差面部39との間に圧入状態で嵌め込み、その状態で手前側壁部35の右側の壁面を弾性部材14Bの左側の被押圧面29に当て止めさせる。かくして、奥側対向壁31、一の弾性部材14A、第2ギヤ21、他の弾性部材14B及び手前側対向壁32が軸方向に順次並んで配置され、一の弾性部材14Aが奥側対向壁31と第2ギヤ21との間に挟まれるとともに、他の弾性部材14Bが手前側対向壁32と第2ギヤ21との間に挟まれる。また、一の弾性部材14Aは、第2ギヤ21の右側のフランジ部28に外嵌され、他の弾性部材14Bは、第2ギヤ21の左側のフランジ部28に外嵌される。
レシプロエンジンが加速すると、第1ギヤ20の回転速度が次第に増加し、第1ギヤ20に噛み合う第2ギヤ21も第1ギヤ20の回転速度に応じて回転する。こうして第2ギヤ21が回転し、外側係合部27が内側係合部26を摺動することで、軸方向移動部15の変換機構が作用し、第2ギヤ21の回転運動が軸方向への直進移動に変換させられ、第2ギヤ21が第2回転軸11に対して軸方向、例えば、左側に相対移動する。すると、第2ギヤ21が左側に位置する他の弾性部材14Bにおける右側の被押圧面29を押圧し、弾性部材14Bが第2ギヤ21と手前側対向壁32との間に軸方向に弾性的に圧縮させられる。
レシプロエンジンの加速開始時には、第2ギヤ21から弾性部材14Bに作用する圧力が小さいため、弾性部材14Bから手前側対向壁32に作用する圧力も小さい。このため、第2ギヤ21の回転運動が弾性部材14Bに伝達されると、弾性部材14Bが手前側壁部35の右側の壁面を周方向に摩擦摺動し、第2回転軸11の回転運動が抑制されて緩やかに開始される。
レシプロエンジンの最大加速時には、第2ギヤ21から弾性部材14Bに作用する圧力が大きいため、弾性部材14Bから手前側対向壁32に作用する圧力も大きい。このため、第2ギヤ21の回転運動が弾性部材14Bに伝達されると、弾性部材14Bが手前側対向壁32と略一体的に回転し、第2回転軸11の回転運動が第1回転軸10の回転速度に応じて進行する。この間、つまり加速開始時から最大加速時に至るまでの加速過程においては、減衰機構の減衰力が徐々に減少して第2回転軸11に伝達される。
また、レシプロエンジンがエンジンブレーキ及びブレーキ操作による制御等によって減速すると、第1、第2ギヤ20、21が上記とは逆方向に回転し、第2ギヤ21が変換機構を介して第2回転軸11に対して右側に相対移動する。このため、第2ギヤ21が右側に位置する一の弾性部材14Aにおける左側の被押圧面29を押圧し、弾性部材14Aが第2ギヤ21と奥側対向壁31との間に軸方向に弾性的に圧縮させられる。したがって、第2ギヤ21の回転力が一の弾性部材14Aを介して第2回転軸11に減衰して伝達される。こうして両弾性部材14A、14Bがそれぞれレシプロエンジンの状態に応じて使い分けられる結果、両弾性部材14A、14Bの一方のみが早期に劣化するのを防止することができる。
ところで、レシプロエンジンが駆動する間、作動油が第2回転軸11の給油路40から分岐油路41を経て移動面部37に至り、外側係合部27と内側係合部26との間を潤滑した後、通油溝30を通して弾性部材14A、14Bの外周側に排出される。したがって、外側係合部27と内側係合部26とが円滑に摺動する。また、外側係合部27と内側係合部26との間に作動油を供給する経路として格別複雑な構造を必要としない。
以上説明したように、実施例1によれば、第2ギヤ21が軸方向移動部15によって第2回転軸11に対し軸方向に相対的に移動させられることにより、弾性部材14A、14Bが第2ギヤ21と第2回転軸11との間で軸方向に圧縮力を付与された状態になるため、第1回転軸10の回転力が第2回転軸11に減衰して伝達される。この場合に、第2ギヤ21には軸方向に突出する構造を設ける必要がなく、弾性部材14A、14Bには第2ギヤ21の突出部分を受ける構造を設ける必要がないのに加え、第2回転軸11の左端に弾性部材14A、14Bの収容構造を設ける必要もなく、かつ、従来におけるフリクションダンパーを省略することができるため、全体の構造を簡素化することができるとともに、軸方向の大型化を抑制することができる。
また、軸方向移動部15が第2ギヤ21と第2回転軸11とに互いに係合可能な変換機構を有し、変換機構によって第1、第2ギヤ20、21の回転運動が第2ギヤ21と第2回転軸11との相対的な軸方向移動に変換されるため、第2ギヤ21を強制的に軸方向移動させる必要がなく、構造の簡素化を図ることができる。とくに、変換機構が第2ギヤ21の内側係合部26と第2回転軸11の外側係合部27とで構成されるため、部品点数の増加を招くこともない。
また、第2回転軸11の外周に、径方向に張り出して軸方向で対向する一対の対向壁31、32が設けられ、それぞれの対向壁31、32間に、第2ギヤ21の内周部が配置され、第2ギヤ21の軸方向両端とそれぞれの対向壁31、32との間に、弾性部材14A、14Bが挟まれているため、弾性部材14A、14Bを受ける部分として板状の対向壁31、32を設けるだけで済み、ハウジング構造やカップ構造のような大型化し易く複雑なものを必要としない。その結果、構造をよりいっそう簡素化することができるとともに、軸方向の大型化をより良好に抑制することできる。
また、両対向壁31、32のうち、第2回転軸11の左端から離れた奥側対向壁31が第2回転軸11と一体に設けられ、第2回転軸11の左端に近い側の手前側対向壁32が第2回転軸11とは別体として設けられているため、奥側対向壁31をストッパ壁として、一の弾性部材14A、第2ギヤ21、他の弾性部材14B及び手前側対向壁32を第2回転軸11に順次組み付けることができ、良好な組み付け性を確保することができる。また、奥側対向壁31が第2回転軸11と別体として設けられる場合に比べ、部品点数を削減することができる。
さらに、弾性部材14A、14Bが第2回転軸11の周囲を取り囲むリング状をなし、周方向に複数分割される形態ではないため、部品点数をより少なくすることができる。
<実施例2>
図4は、実施例2の要部を示す。実施例2は、軸方向移動部15Eの構造が実施例1とは異なるが、軸方向移動部15E以外は、実施例1と同様である。以下の説明においては、実施例1と同様の構造には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
軸方向移動部15Eは、第2ギヤ21の内周部に設けられた内側係合部26と、第2回転軸11の外周部に設けられる外側係合部27と、内側係合部26と外側係合部27との間に配置される複数の球状のボール43(1つのみ図示)とを有している。
内側係合部26は、第2ギヤ21のフランジ部28の内周面に螺旋状(ねじ状)に周回して設けられた凹溝からなる。外側係合部27は、同じく、凹溝と対向して第2回転軸11の移動面部37に螺旋状(ねじ状)に周回して設けられた凹溝からなる。複数のボール43は、両凹溝間に転動可能(摺動可能)に密に保持されている。
この軸方向移動部15Eは、ボールねじに基づく上記構造によって第2ギヤ21の回転運動を直進移動に変換するものである。第2ギヤ21が第2回転軸11に対して相対回転すると、内側係合部26と外側係合部27との間で各ボール43が転動し、第2ギヤ21が第2回転軸11に対し軸方向に相対移動して弾性部材14A、14Bの被押圧面29を押圧し、実施例1と同様に、弾性部材14A、14Bが第2ギヤ21と対向壁31、32との間に弾性的に圧縮される。実施例2によれば、各ボール43が転動することにより、第2ギヤ21と第2回転軸11との間の摩擦が緩和されるため、第2ギヤ21の軸方向移動の円滑性が担保される。
<他の実施例>
以下、他の実施例を簡単に説明する。
(1)軸方向移動部が変換機構を有さず、第1、第2ギヤの回転時に、第2ギヤが第2回転軸に対して外部装置からの機械的動力を受けて軸方向に相対移動する構成であってもよい。
(2)弾性部材は、ゴム製の部材に限らず、コイルスプリング、板ばね等のばね材からなるものであってもよい。
(3)一対の対向壁は、いずれも第2回転軸とは別体として設けられるものであってもよい。
(4)手前側対向壁は、第2回転軸にねじ固定されるものであってもよく、あるいは、固定ピン等の固定部材を介して第2回転軸に固定されるものであってもよく、さらには、溶接等の固着手段で第2回転軸に固定されるものであってもよい。
(5)レシプロエンジンの駆動前においては、弾性部材が第2ギヤと対向壁との間に軸方向にクリアランスをあけて配置されていてもよい。
(6)本発明は、必ずしもフリクションダンパーの使用を否定するものではなく、必要であれば、減衰機構として弾性部材とフリクションダンパーとを併用しても構わない。
(7)本発明は、バランサ装置に限らず、動力伝達機構を備える内燃機関に広く適用可能である。
10…第1回転軸
11…第2回転軸
14A、14B…弾性部材
15、15E…軸方向移動部
20…第1ギヤ
21…第2ギヤ
31、32…対向壁

Claims (5)

  1. 第1ギヤを有する第1回転軸と、
    前記第1ギヤに噛み合う第2ギヤと、
    外周に前記第2ギヤが相対回転可能に配置される第2回転軸と、
    前記第1、第2ギヤの回転時に前記第2回転軸に対し前記第2ギヤを軸方向に相対的に移動させる軸方向移動部と、
    前記第2ギヤと前記第2回転軸との間で軸方向に挟まれ、前記軸方向移動部により相対移動する前記第2ギヤを介して付与される軸方向の圧縮力によって、前記第1回転軸の回転力を前記第2回転軸に伝達する弾性部材とを備え
    前記第2ギヤの内周部には、軸方向に張り出すフランジ部が設けられ、
    前記第2回転軸の外周には、径方向に張り出す対向壁が設けられ、
    前記第2ギヤと前記対向壁との間に前記弾性部材が挟まれた状態において、前記弾性部材が前記フランジ部に外嵌され、前記フランジ部の端部が前記対向壁に対して軸方向に対向している動力伝達装置。
  2. 前記軸方向移動部が、前記第2ギヤと前記第2回転軸とに互いに係合可能に設けられ、前記第1、第2ギヤの回転運動を、前記第2ギヤと前記第2回転軸との相対的な軸方向移動に変換する変換機構を有していることを特徴とする請求項1記載の動力伝達装置。
  3. 前記対向壁は軸方向で対向し、それぞれの前記対向壁間に、前記第2ギヤの内周部が配置され、前記第2ギヤの軸方向両端とそれぞれの前記対向壁との間に、前記弾性部材が挟まれていることを特徴とする請求項1又は2記載の動力伝達装置。
  4. ぞれぞれの前記対向壁のうち、前記第2回転軸の軸方向一端から離れた側の対向壁が前記第2回転軸と一体に設けられ、前記第2回転軸の軸方向一端に近い側の対向壁が前記第2回転軸とは別体として設けられていることを特徴とする請求項3記載の動力伝達装置。
  5. 前記弾性部材が、前記第2回転軸の周囲を取り囲むリング状をなしていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項記載の動力伝達装置。
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