JP2003278886A - 駆動伝達機構 - Google Patents

駆動伝達機構

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JP2003278886A
JP2003278886A JP2002079800A JP2002079800A JP2003278886A JP 2003278886 A JP2003278886 A JP 2003278886A JP 2002079800 A JP2002079800 A JP 2002079800A JP 2002079800 A JP2002079800 A JP 2002079800A JP 2003278886 A JP2003278886 A JP 2003278886A
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gear
thrust
transmission mechanism
driven shaft
driven
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JP2002079800A
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Yasunari Kawashima
康成 川島
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高精度にギヤ歯の同軸度を保ち、滑らかな一
定速度で回転運動を伝達できること。 【解決手段】 駆動軸と、駆動対象に連結された従動軸
と、該従動軸に駆動力を伝達する伝達機構にはすばギヤ
を用い、駆動ギヤ歯に対する従動ギヤ歯のスラスト方向
の位置を弾性支持する弾性支持手段を備える。弾性支持
手段として、従動ギヤ800のボス部801に凸部80
2を設けて支持する構成時には、ギヤ形状誤差等から発
生するギヤ歯部での回転振動があっても、凸部802の
弾性変形でスラスト剛性を与え、ギヤ形状誤差等からギ
ヤ歯部での回転振動が発生しても、この振動が回転方向
として従動軸に伝達されない。その際、並進方向の振動
は凸部802の弾性変形によって吸収でき、定速回転が
行えるようになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、駆動軸と従動軸
と伝達機構からなる機構に適用され、伝達機構部で発生
した振動の従動軸側への伝達を遮断し、従動軸を一定速
度で運転できる駆動伝達機構に関する。
【0002】
【従来の技術】駆動軸と従動軸を有する駆動伝達機構に
おいて、従動軸の回転を一定速度に保つための方法とし
ては、大きく2つある。一つは、従動軸の慣性モーメン
トJを大きくし、ギヤ噛合い周波数での外乱トルクやモ
ータの変動トルクに対して応答しないようにするイナー
シャ効果と呼ばれる方法と、弾性部材(剛性K)を伝達
機構部に介することで振動を遮断する方法である。
【0003】いずれの方法も、固有振動数f(=1/2
π*√(K/J))を小さくする方法であり、前者はJ
を大きくし、後者はKを小さくしている。Jを大きくす
る方法は、駆動力の増加が必要となり、小型、低コスト
な装置には不向きである。また、Kを小さくする方法と
して、特開平6−249321号公報、特開平7−32
5445号公報に開示された技術がある。
【0004】特開平6−249321号の技術は、ギヤ
などの伝達機構部の中に弾性部材を一体化して組み込
み、回転方向の振動を吸収させる方法についての提案で
ある。また、特開平7−325445号の技術では、弾
性部材を独立させて(一体部品ではなく)、組み付け、
振動を吸収させる方法についての提案である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
6−249321号公報の技術では、弾性部材を半径方
向に一体化して組み込んだ場合、歯面同士の接触力(並
進力)によりギヤ全体が半径方向に並進移動してしまう
偏心やギヤ部と異なる材質の弾性部品を組み込むことに
よる同軸度(ギヤ歯からみた中心軸と従動軸中心の軸心
誤差)も懸念される。
【0006】特開平7−325445号公報の技術で
は、弾性部材を一体ではなく独立させて組み付けられる
ので同軸度はクリアできるが、専用の弾性部材が必要で
あり部品点数増加によるコストUP、また、弾性部材と
の結合が円周方向の穴挿入となり位相合わせが必要なこ
とより、組立性の面で面倒であり、作業コストが問題と
なる。
【0007】この発明は、上述した従来技術による問題
点を解消するため、高精度にギヤ歯の同軸度を保ち、滑
らかな一定速度で回転運動を伝達できる駆動伝達機構を
提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決し、
目的を達成するため、請求項1の発明に係る駆動伝達機
構は、モータ等の駆動源に連結された駆動軸と、駆動対
象に連結された従動軸と、該従動軸に駆動力を伝達する
伝達機構にはすばギヤを用いた駆動伝達機構であって、
駆動ギヤ歯に対する従動ギヤ歯のスラスト方向の位置を
弾性支持する手段を備え、該スラスト剛性をK2x,ね
じれ角β,噛合いピッチ半径rp,従動軸の慣性モーメ
ントをJ2,動作時のギヤ噛合い周波数fpとして、 fp>fz ただし、fz =(1/2π * √(K2/J2))
* √2 K2 = K2x * rp^2/(tanβ)^2 を満たすよう、外乱トルクが発生する噛合い周波数に応
じたスラスト剛性K2xを設定し用いることを特徴とす
る。
【0009】この請求項1の発明によれば、ギヤの噛合
いで発生する歯部の噛合い振動(外乱トルク)が、その
まま回転方向に伝達されて従動側に伝わることなく、ス
ラスト剛性によって並進方向の振動として吸収され、上
式のfzよりも高い周波数である噛合い回転振動(周波
数fp)は減衰されて従動軸側に伝えないようにでき
る。その結果、従来のように位相合わせが必要で組立性
の悪い回転系の弾性体を使用する必要がなく、位相合わ
せの必要のない並進系の弾性体であるため簡単に組み付
けが行える。また、半径方向に変形しないので偏心の発
生も無く高精度にギヤ歯の同軸度を保ち、滑らかな一定
速度での回転運動の伝達を図ることができる。
【0010】また、請求項2の発明に係る駆動伝達機構
は、請求項1に記載の発明において、前記スラスト方向
の弾性支持手段は、ギヤ歯部と、従動軸に連結されたギ
ヤボス部との間に設けられ、周方向に均一な断面形状を
有して弾性変形可能な部材からなり、スラスト弾性支持
することを特徴とする。
【0011】この請求項2の発明によれば、スラスト方
向の弾性支持に関して、ギヤ歯部とギヤボス部との間を
周方向に均一な断面形状とした弾性変形を利用してスラ
スト剛性を与えるので、外乱トルクによって発生する振
動をスラスト方向に逃げるように変形できこの振動は従
動軸に伝達されない。また、周方向に均一であるので、
回転中のスラスト剛性は変化せず、一定であり、定速回
転を保つことができる。その結果、ギヤ噛合い周波数に
対応させて設定する必要のあるギヤスラスト剛性を簡単
な構成で提供でき、ギヤ歯の噛合い振動の遮断を図るこ
とができる。
【0012】また、請求項3の発明に係る駆動伝達機構
は、請求項1に記載の発明において、前記スラスト方向
の弾性支持手段は、従動軸に連結されたボス部内の外径
を周方向に均一なものを用い、該ボス部が圧縮変形可能
な部材からなり、スラスト弾性支持することを特徴とす
る。
【0013】この請求項3の発明によれば、スラスト方
向の弾性支持に関して、ボス部内外径を周方向に均一と
し、ボス部と軸との圧縮変形を利用してスラスト剛性を
与えるので、外乱トルクによって発生する振動をボス部
の圧縮変形でスラスト方向に逃げることができこの振動
は従動軸に伝達されない。また、周方向に均一であるの
で、回転中のスラスト剛性は変化せず、一定であり、定
速回転を保つことができる。その結果、ギヤ噛合い周波
数に対応させて設定する必要のあるギヤスラスト剛性を
簡単な構成で提供でき、ギヤ歯の噛合い振動の遮断を図
ることができる。
【0014】また、請求項4の発明に係る駆動伝達機構
は、請求項1に記載の発明において、前記スラスト方向
の弾性支持手段は、従動ギヤと従動軸をスラスト方向に
移動可能な結合で構成し、従動ギヤボス部と従動軸ボス
受け部の間に弾性変形可能な弾性体を設けることによ
り、スラスト弾性支持することを特徴とする。
【0015】この請求項4の発明によれば、スラスト方
向の弾性支持に関して、従動ギヤと従動軸をスラスト移
動可能な結合とし、従動ギヤボス部と従動軸ボス受け部
の間に弾性体を設けて支持することで、ギヤ形状誤差等
から発生するギヤ歯部での回転振動があっても、はすば
ギヤのねじれ角に対応してスラスト方向に従動ギヤが移
動して逃げるためこの振動は回転方向として従動軸に伝
達されない。その結果、ギヤ噛合い周波数に対応させて
設定する必要のあるギヤスラスト剛性を簡単な構成で提
供でき、ギヤ歯の噛合い振動の遮断を図ることができ
る。
【0016】また、請求項5の発明に係る駆動伝達機構
は、請求項4に記載の発明において、前記はすばギヤと
してプラスチックなど弾性変形可能な材質で成形された
ものを用い、該はすばギヤのボス部には、梁形状の凸部
が形成され、該凸部の弾性変形により、スラスト剛性を
得ることを特徴とする。
【0017】この請求項5の発明によれば、はすばギヤ
をプラスチック成形したものとし、そのボス部に梁形状
の凸部を有する構成とし、その凸部形状の弾性変形をも
ってスラスト剛性K2xを与えることで、ギヤ形状誤差
等からギヤ歯部での回転振動が発生しても、はすばギヤ
のねじれ角に対応してスラスト方向に従動ギヤが移動し
て逃げるのでこの振動は回転方向として従動軸に伝達さ
れない。その際、並進方向の振動は凸部の弾性変形によ
って吸収できる。凸部の形状は、ギヤ歯を成形する際の
金型に設けることで簡単に製作することができ低コスト
化できる。また、従動ギヤと弾性体を一体化でき、部品
点数の点で組立性も向上できる。さらに、半径方向は弾
性変形しないので偏心もなく定速回転が行えるようにな
る。
【0018】また、請求項6の発明に係る駆動伝達機構
は、請求項4に記載の発明において、前記はすばギヤの
ボス部と、軸ボス受け部の間に弾性体ワッシャーを備
え、該弾性体ワッシャーの弾性変形によりスラスト剛性
を得ることを特徴とする。
【0019】この請求項6の発明によれば、はすばギヤ
のボス部と軸ボス受け部の間に弾性体ワッシャーを介し
て組み付ける構成とし、その弾性体ワッシャーの弾性変
形を利用してスラスト剛性K2xを与えることで、ギヤ
形状誤差等からギヤ歯部での回転振動が発生しても、は
すばギヤのねじれ角に対応してスラスト方向に従動ギヤ
が移動して逃げるので、この振動は回転方向として従動
軸に伝達されない。その際、並進方向の振動をこの弾性
体ワッシャーの変形によって振動を吸収することができ
る。弾性体ワッシャーは、波ワッシャーやゴム材質のO
リングなど一般的な汎用部品が可能であるため調達し易
くコストがかからない。また、これらの部品は、従来例
の回転系弾性体と異なり、円周方向での位置合わせ(穴
と凸部)の必要がなく、軸に挿入するだけで簡単に組立
が行える。
【0020】また、請求項7の発明に係る駆動伝達機構
は、請求項4に記載の発明において、前記はすばギヤの
ボス部と、軸ボス受け部の間にスプリングを備え、該ス
プリングの弾性変形によりスラスト剛性を得ることを特
徴とする。
【0021】この請求項7の発明によれば、はすばギヤ
のボス部と軸ボス受け部の間にスプリングを介して組み
付ける構成とし、そのスプリングの弾性変形を利用して
スラスト剛性K2xを与えることで、ギヤ形状誤差等か
らギヤ歯部での回転振動が発生しても、はすばギヤのね
じれ角に対応してスラスト方向に従動ギヤが移動して逃
げるので、この振動は回転方向として従動軸に伝達され
ない。その際、並進方向の振動をこのスプリングの変形
によって振動を吸収することができる。波ワッシャーや
Oリング、また、プラスチック材質の梁形状凸部と比
べ、剛性の設定が幅広く行えるので、様々な回転速度に
応じた対応が可能となる。この部品は、従来例の回転系
弾性体と異なり、円周方向での位置合わせ(穴と凸部)
の必要がなく、軸に挿入するだけで簡単に組立が行え
る。
【0022】また、請求項8の発明に係る駆動伝達機構
は、請求項1に記載の発明において、前記従動ギヤ歯を
スラスト方向に弾性支持する際のスラスト剛性K2xに
ついて、一定速度の定常時に比して起動時に大きな値が
得られる構成にしたことを特徴とする。
【0023】この請求項8の発明によれば、はすばギヤ
の駆動ギヤと従動ギヤのスラスト方向の弾性支持剛性K
2xを一定速度の定常時に比べ起動時に大きくすること
で、負荷トルクの大きい起動時での弾性部変形による従
動軸の遅れを小さくすることができる。その結果、起動
時の加速のときに素早い動作が行えるようになる。
【0024】また、請求項9の発明に係る駆動伝達機構
は、請求項8に記載の発明において、前記はすばギヤと
してプラスチックなど弾性変形可能な材質で成形された
ものを用い、該はすばギヤのボス部には、梁形状で突出
量が異なる複数の凸部が形成され、該複数の凸部がそれ
ぞれ対応したトルクで弾性変形することにより、一定速
度の定常時に比して起動時に大きなスラスト剛性K2x
が得られるよう構成したことを特徴とする。
【0025】この請求項9の発明によれば、はすばギヤ
をプラスチック成形したものとし、そのボス部の梁形状
とボス受け部と接触点数が、トルクに応じて変化するこ
とで、接触点数でスラスト剛性が変化するので、負荷ト
ルクが大きいほど高剛性となる。その結果、起動時と一
定速度時に必要な回転剛性の切替えを簡単に設定でき、
起動時の加速のときに素早い動作が行えるようになる。
【0026】また、請求項10の発明に係る駆動伝達機
構は、請求項1〜9のいずれか一つに記載の発明におい
て、前記従動軸には、一定速度での回転を前提とする画
像形成用の回転体が連結されることを特徴とする。
【0027】この請求項10の発明によれば、従動軸に
は、画像形成用の回転体が装着されていることで、ギヤ
噛合い時の振動を従動軸の画像形成用の回転体(たとえ
ば感光体ドラム、ベルト用ローラ)に伝えないようにで
きる。画像形成用の回転体を備えた機器におけるギヤ伝
達機構系の影響は、塗りつぶし画像での濃度ムラ(バン
ディング)との関連が高い。これは、ギヤ歯の噛合い周
期での速度変動から伝わる振動があるためである。上記
構成により、ギヤ噛合い時の振動を従動軸の画像形成用
の回転体に伝えないようにでき、人間の目にとって目立
つ周波数帯であるギヤ噛合い振動を抑えて画質向上が図
れるようになる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下に添付図面を参照して、この
発明に係る駆動伝達機構の好適な実施の形態を詳細に説
明する。
【0029】(実施の形態1)図1は、この発明の駆動
伝達機構の振動モデルを示す図である。図2は、図1の
振動モデルの伝達特性を説明するための図表である。駆
動軸側の駆動ギヤ100と従動軸側の従動ギヤ101間
には、ギヤの形状精度や噛合い歯数で変化するギヤ歯対
剛性K1によって発生されるギヤ外乱トルクTdが加わ
る。この力は、駆動ギヤ100と従動ギヤ101の両方
の歯部に作用・反作用の形で加わり、従動ギヤ101と
従動軸102とを締結する回転剛性K2を介して従動軸
102へと伝達されていく。
【0030】図2に示す(1)式で伝達特性の分母がゼ
ロとなる最小固有周波数をf1とする。f1は簡単な式
で記述できないので、K1>K2,J1<J2とした場
合、(2)式のように近似できる。
【0031】 f1 ≒ 1/(2π)*√(K2/J2)…(2)
【0032】また、固有周波数f1付近では振動が増幅
されるが、その振動が増幅から減衰に切り替わる周波数
fzは、(3)式の関係をもつ。
【0033】fz = √2*f1…(3)
【0034】これらより、噛合いの外乱トルクの周波数
fpが減衰される周波数になるようにfzを(4)式の
よう関係付ける。
【0035】fp > fz…(4) ただし、fz=1/(2π)*√(K2/J2)*√2
【0036】この実施の形態1では、回転剛性K2に関
して、位相合わせが必要で組立性の悪い回転系のバネで
はなく、はすばギヤの特徴である、ねじれ角を利用して
スラスト方向(回転軸方向)の並進バネを利用する構成
とする。
【0037】図3は、並進剛性と回転剛性を説明するた
めの図である。ギヤ歯にかかる力Fは、回転方向の力F
yと並進方向の力(スラスト力)Fxに分離でき、ねじ
れ角をβとすると(5)式のようになる。はすばギヤの
歯部がスラスト力Fxで並進移動δxした場合、並進
(スラスト)剛性K2xは(6)式となる。また、並進
移動により噛合っているギヤ歯は相対的に回転すること
になる。その回転角δθは、噛合いピッチ円半径をr
p,円周上の変位δyとすると(7)式となる。ここ
で、δyとδxは、(8)式の関係が成り立つ。回転剛
性K2は(9)式で定義されるもであるから、(9)式
に(5)式から(8)式までを代入して整理すると、
(10)式となる。
【0038】 Fx=Fy・tan(β)…(5) K2x=Fx/δx …(6) δθ=δy/rp …(7) δy=δx・tan(β)…(8) K2=Fy・rp/δθ …(9) K2=K2x・rp^2/(tanβ)^2 …(10)
【0039】よって、(4)式と(10)式を使って、
外乱トルクが発生する噛合い周波数に応じてスラスト剛
性K2xを設定することで、ギヤ部100,101の振
動が従動軸102に伝わらなくなる。
【0040】図4は、この発明によるスラスト剛性K2
xを調整した結果のグラフを示す図である。スラスト剛
性K2xに対する伝達特性を示すもので、横軸は周波
数、縦軸は外乱トルクに対する従動軸変位で耐外乱特性
である。
【0041】このグラフで下方側に行くほど、外乱に強
いことを示す。図中、スラスト剛性K2x=A(破線)
の場合とK2x=B(実線)の場合の伝達特性を示す。
上記周波数fzの値と、使用回転速度での噛合い周波数
fpの値を比較すると、K2x=Aのときはfp<fz
であり、K2x=Bのときはfp>fzの関係になる。
その結果、耐外乱特性が図中εで示した分、向上できる
ことがわかる。
【0042】(実施の形態2)図5は、この発明の実施
の形態2におけるギヤ変形に対応する構成を説明するた
めの図である。実施の形態2では、スラスト剛性を与え
る方法として、ギヤ歯部500とギヤボス部501との
間を周方向に均一な断面形状の弾性部502を用いてス
ラスト剛性とする構造としたものである(図5(a)参
照)。
【0043】この弾性部502は、図5(b)に示すよ
うに、ギヤ形状誤差等から発生するギヤ歯部500での
回転振動を、はすばギヤのねじれ角に対応してスラスト
方向に逃げるように変形するので、この振動は回転方向
として従動軸102に伝達されない。また、断面が周方
向に均一であるので、回転中のスラスト剛性は変化せ
ず、一定であり、定速回転を保つことができる。
【0044】(実施の形態3)図6は、この発明の実施
の形態3におけるギヤボス部変形に対応する構成を説明
するための図である。実施の形態3では、スラスト剛性
を与える方法として、ボス部601の内外径を周方向に
均一とし、ボス部601の圧縮変形をもってスラスト剛
性とする(図6(a)参照)。
【0045】この弾性部602は、図5(b)に示すよ
うに、ギヤ形状誤差等から発生するギヤ歯部600での
回転振動を、はすばギヤのねじれ角に対応してスラスト
方向に逃げるように変形するので、この振動は回転方向
として従動軸102に伝達されない。また、ボス部60
1の内外径は、周方向に均一であるので、回転中のスラ
スト剛性は変化せず、一定であり、定速回転を保つこと
ができる。
【0046】(実施の形態4)図7は、この発明の実施
の形態4における従動ギヤ弾性支持の構成を説明するた
めの図である。実施の形態4では、スラスト剛性を与え
る方法として、従動ギヤ704と従動軸102をスラス
ト移動可能な結合、例えば緩やかなキー結合部705を
設け、従動ギヤボス部701と従動軸ボス受け部702
の間に弾性体703を設ける(図7(a)参照)。
【0047】このような構成とすることで、図7(b)
に示すように、ギヤ形状誤差等から発生するギヤ歯部7
00での回転振動を、はすばギヤのねじれ角に対応して
スラスト方向に従動ギヤ704が逃げるので、この振動
は回転方向として従動軸102に伝達されない。すなわ
ち、並進方向の弾性部703によって緩衝される。これ
により、ギヤ歯部700での振動は大きく減衰されて従
動軸102は、滑らかな定速回転となる。
【0048】(実施の形態5)この実施の形態5は、実
施の形態4で説明した従動ギヤボス部701と従動軸ボ
ス受け部702との間の弾性体703を簡単に得るため
の構成である。図8は、この発明の実施の形態5におけ
る従動ギヤボス部の構成を示す図である。図8(a)は
側断面図、図8(b)は正面図である。
【0049】図示のように、従動ギヤ800をプラスチ
ック成形品とし、ボス部801に梁形状の凸部802を
有する構成とする。この凸部802の弾性変形でスラス
ト剛性K2xを得る。このような凸部802の形状は、
ギヤ歯を成形する金型に設けることで簡単に製作するこ
とができる。このように、従動ギヤ800に弾性体(凸
部802)を一体化でき、部品点数を少なくして組立性
を良くできる。この凸部802は、半径方向に対しては
弾性変形しないので偏心もなく、定速回転できるように
なっている。
【0050】(実施の形態6)この実施の形態6は、実
施の形態4で説明した従動ギヤボス部701と従動軸ボ
ス受け部702との間の弾性体703を簡単に得るため
の構成であり、弾性体として汎用部品である弾性体ワッ
シャーを組み込む構成である。図9は、この発明の実施
の形態6における弾性体の構成を示す図である。具体的
には、弾性体ワッシャーとして、図9(a)に示す波ワ
ッシャー901を用いたり、図9(b)に示すゴム材質
のOリング902などが適用できる。これらの部品は、
従来例の回転系弾性体と異なり、円周方向での位置合わ
せ(穴と凸部)の必要がなく、軸に挿入するだけで簡単
に組立が行える。また、一般的な汎用部品であるため調
達し易く、コストも掛からない。
【0051】(実施の形態7)この実施の形態7は、実
施の形態4で説明した従動ギヤボス部701と従動軸ボ
ス受け部702との間の弾性体703を簡単に得るため
の構成である。図10は、この発明の実施の形態7にお
ける弾性体の構成を示す図である。この図に示すよう
に、弾性体として汎用部品であるスプリング1001を
組み込む。スプリング1001は、前述した波ワッシャ
ー901やOリング902、また、プラスチック材質の
梁形状凸部802と比べ、剛性の設定が幅広く行えるの
で、さまざまな回転速度に応じた対応が可能となる。こ
れらの部品は、従来例の回転系弾性体と異なり、円周方
向での位置合わせ(穴と凸部)の必要がなく、軸に挿入
するだけで簡単に組立が行える。
【0052】(実施の形態8)実施の形態8は、起動時
の加速のときに素早い動作が行えるようにするため、一
定速度時のスラスト剛性K2x_aに対して、高負荷ト
ルクがかかる起動時にはスラスト剛性K2x_bが大き
くなる構造としたものである。図11は、負荷トルクと
スラスト剛性の関係を示す図表である。これにより、弾
性部(たとえば、弾性体703,802,901,90
2)の起動時の変形による従動軸102の遅れを小さく
することができ、起動時間を短縮できるようになる。
【0053】具体的には、起動時と一定速度時に必要な
スラスト剛性の切替えを簡単に設定できる構成である。
伝達機構部のはすばギヤ1200をプラスチック成形し
たものを用い、そのギヤボス部1201に異なる突出量
を有する梁状の凸部1202,1203を設け、対面す
るボス受け部に対する接触点数がトルクに応じて変化す
るようにする。図12は、この発明の実施の形態8にお
ける従動ギヤボス部の構成を示す図である。図12
(a)は側断面図、図12(b)は正面図である。
【0054】図に示すように、一定速度で負荷トルクの
小さいときはスラスト力も小さく、大きな凸部1202
だけが変形し、図11に示すスラスト剛性K2x_bと
なる。一方、起動時の高負荷トルクが加わると大きな凸
部1202はさらに変形して小さな突出量の凸部120
3まで届き、これら凸部1202,1203全体が変形
する形になる。このときのスラスト剛性はK2x_aと
なり、簡単な構造でスラスト剛性の可変が設定できる。
【0055】(実施の形態9)図13は、この発明の実
施の形態9にかかる駆動伝達機構が適用される画像形成
装置を示す図である。この画像形成装置1300におい
て、上記各実施の形態で説明した従動軸102は、画像
形成用の感光体1301のドラム軸に装着されているこ
ととする。以下、この画像形成装置1300の概要構成
を説明する。
【0056】この図は、画像形成装置1300の内部構
造を概略的に示す縦断正面図であり、画像形成装置13
00本体の一側には、給紙カセット1302が着脱自在
に装着され、他側には排紙口1303が設けられてい
る。給紙カセット1302から排紙口1303に至る用
紙搬送路1304の上方には感光体1301が回転自在
に設けられている。感光体1301の周囲には、プロセ
スユニットとしての帯電体1305,露光器1306,
現像器1307が配列されている。
【0057】さらに、感光体1301の外周には、転写
器1308,クリーニング器1309,除電器1310
などが配列されている。さらに用紙搬送路1304に沿
って上流から下流に向けて、給紙ローラ1311,レジ
ストローラ1312,ヒートローラ1313aとプレス
ローラ1313bを有する定着器1313,排紙ローラ
1314が配列されている。このような構成で、帯電体
1305によって感光体1301表面を帯電させ、その
部分に露光器1306からのレーザー光を走査すること
で静電潜像を形成する。
【0058】その後、感光体1301の回転により、静
電画像は現像器1307によってトナー画像として現像
される。一方では、給紙カセット1302内の用紙は、
給紙ローラ1311によってレジストローラ1312ま
で引き出された後、感光体1301の回転運動に同期回
転するレジストローラ1312によって感光体1301
下部に給紙される。感光体1301上のトナー画像は、
転写器1308によって用紙に転写され、その用紙が定
着器1313を通るときに用紙上の転写画像が定着され
る。その後、定着後の用紙は排紙ローラ1314によっ
て、装置排紙口1303から排出される。
【0059】このような画像形成装置1300は、感光
体1301のドラム軸が一定速度特性で回転させる必要
があり、速度ムラが画像品質に直接影響を与える。モー
タトルクをギヤを介して感光体1301のドラム軸に伝
達し駆動する場合、ギヤ噛合い振動の低減は重要であ
る。そこで、スラスト剛性を設定し、はすばギヤの噛合
い振動(たとえば図5参照)が生じても、従動ギヤ歯を
スラスト方向に逃がすことで回転方向の振動を抑え、従
動軸102に連結された感光体1301側に振動が伝わ
らないように構成する。
【0060】上記説明では、この発明の駆動伝達機構を
画像形成装置1300の感光体1301駆動用として適
用した場合について説明したが、これに限らず、同様に
感光体ベルトを駆動する駆動ローラの駆動伝達機構とし
て適用して上記同様の作用効果を得ることができる。特
に、ギヤの噛合い周波数は、濃度ムラであるバンディン
グとして人間の目にとって目立つ周波数帯である。この
周波数の振動を抑えることで、画質向上が可能となる。
【0061】以上説明したように、本実施の形態に係る
駆動伝達機構は、複写機やプリンタの感光体ドラム駆動
系への応用をはじめ、伝達機構上で発生した振動につい
て、従動軸側への伝達を遮断して、従動軸を一定速度で
運転する幅広い分野に応用できる。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
発明によれば、モータ等の駆動源に連結された駆動軸
と、駆動対象に連結された従動軸と、該従動軸に駆動力
を伝達する伝達機構にはすばギヤを用いた駆動伝達機構
であって、駆動ギヤ歯に対する従動ギヤ歯のスラスト方
向の位置を弾性支持する手段を備え、該スラスト剛性を
K2x,ねじれ角β,噛合いピッチ半径rp,従動軸の
慣性モーメントをJ2,動作時のギヤ噛合い周波数fp
として、 fp>fz ただし、fz =(1/2π * √(K2/J2))
* √2 K2 = K2x * rp^2/(tanβ)^2 を満たすよう、外乱トルクが発生する噛合い周波数に応
じたスラスト剛性K2xを設定し用いる構成としたの
で、ギヤの噛合いで発生する歯部の噛合い振動(外乱ト
ルク)が、そのまま回転方向に伝達されて従動側に伝わ
ることなく、スラスト剛性によって並進方向の振動とし
て吸収され、上式のfzよりも高い周波数である噛合い
回転振動(周波数fp)は減衰されて従動軸側に伝えな
いようにできる。その結果、従来のように位相合わせが
必要で組立性の悪い回転系の弾性体を使用する必要がな
く、位相合わせの必要のない並進系の弾性体であるため
簡単に組み付けが行える。また、半径方向に変形しない
ので偏心の発生も無く高精度にギヤ歯の同軸度を保ち、
滑らかな一定速度での回転運動の伝達を図ることができ
るという効果を奏する。
【0063】また、請求項2に記載の発明によれば、請
求項1に記載の発明において、前記スラスト方向の弾性
支持手段は、ギヤ歯部と、従動軸に連結されたギヤボス
部との間に設けられ、周方向に均一な断面形状を有して
弾性変形可能な部材からなり、スラスト弾性支持する構
成としたので、スラスト方向の弾性支持に関して、ギヤ
歯部とギヤボス部との間を周方向に均一な断面形状とし
た弾性変形を利用してスラスト剛性を与えるので、外乱
トルクによって発生する振動をスラスト方向に逃げるよ
うに変形できこの振動は従動軸に伝達されない。また、
周方向に均一であるので、回転中のスラスト剛性は変化
せず、一定であり、定速回転を保つことができる。その
結果、ギヤ噛合い周波数に対応させて設定する必要のあ
るギヤスラスト剛性を簡単な構成で提供でき、ギヤ歯の
噛合い振動の遮断を図ることができるという効果を奏す
る。
【0064】また、請求項3に記載の発明によれば、請
求項1に記載の発明において、前記スラスト方向の弾性
支持手段は、従動軸に連結されたボス部内の外径を周方
向に均一なものを用い、該ボス部が圧縮変形可能な部材
からなり、スラスト弾性支持する構成としたので、スラ
スト方向の弾性支持に関して、ボス部内外径を周方向に
均一とし、ボス部と軸との圧縮変形を利用してスラスト
剛性を与えるので、外乱トルクによって発生する振動を
ボス部の圧縮変形でスラスト方向に逃げることができこ
の振動は従動軸に伝達されない。また、周方向に均一で
あるので、回転中のスラスト剛性は変化せず、一定であ
り、定速回転を保つことができる。その結果、ギヤ噛合
い周波数に対応させて設定する必要のあるギヤスラスト
剛性を簡単な構成で提供でき、ギヤ歯の噛合い振動の遮
断を図ることができるという効果を奏する。
【0065】また、請求項4に記載の発明によれば、請
求項1に記載の発明において、前記スラスト方向の弾性
支持手段は、従動ギヤと従動軸をスラスト方向に移動可
能な結合で構成し、従動ギヤボス部と従動軸ボス受け部
の間に弾性変形可能な弾性体を設けることにより、スラ
スト弾性支持する構成としたので、スラスト方向の弾性
支持に関して、従動ギヤと従動軸をスラスト移動可能な
結合とし、従動ギヤボス部と従動軸ボス受け部の間に弾
性体を設けて支持することで、ギヤ形状誤差等から発生
するギヤ歯部での回転振動があっても、はすばギヤのね
じれ角に対応してスラスト方向に従動ギヤが移動して逃
げるためこの振動は回転方向として従動軸に伝達されな
い。その結果、ギヤ噛合い周波数に対応させて設定する
必要のあるギヤスラスト剛性を簡単な構成で提供でき、
ギヤ歯の噛合い振動の遮断を図ることができるという効
果を奏する。
【0066】また、請求項5に記載の発明によれば、請
求項4に記載の発明において、前記はすばギヤとしてプ
ラスチックなど弾性変形可能な材質で成形されたものを
用い、該はすばギヤのボス部には、梁形状の凸部が形成
され、該凸部の弾性変形により、スラスト剛性を得る構
成としたので、はすばギヤをプラスチック成形したもの
とし、そのボス部に梁形状の凸部を有する構成とし、そ
の凸部形状の弾性変形をもってスラスト剛性K2xを与
えることで、ギヤ形状誤差等からギヤ歯部での回転振動
が発生しても、はすばギヤのねじれ角に対応してスラス
ト方向に従動ギヤが移動して逃げるのでこの振動は回転
方向として従動軸に伝達されない。その際、並進方向の
振動は凸部の弾性変形によって吸収できる。凸部の形状
は、ギヤ歯を成形する際の金型に設けることで簡単に製
作することができ低コスト化できる。また、従動ギヤと
弾性体を一体化でき、部品点数の点で組立性も向上でき
る。さらに、半径方向は弾性変形しないので偏心もなく
定速回転が行えるようになるという効果を奏する。
【0067】また、請求項6に記載の発明によれば、請
求項4に記載の発明において、前記はすばギヤのボス部
と、軸ボス受け部の間に弾性体ワッシャーを備え、該弾
性体ワッシャーの弾性変形によりスラスト剛性を得る構
成としたので、はすばギヤのボス部と軸ボス受け部の間
に弾性体ワッシャーを介して組み付ける構成とし、その
弾性体ワッシャーの弾性変形を利用してスラスト剛性K
2xを与えることで、ギヤ形状誤差等からギヤ歯部での
回転振動が発生しても、はすばギヤのねじれ角に対応し
てスラスト方向に従動ギヤが移動して逃げるので、この
振動は回転方向として従動軸に伝達されない。その際、
並進方向の振動をこの弾性体ワッシャーの変形によって
振動を吸収することができる。弾性体ワッシャーは、波
ワッシャーやゴム材質のOリングなど一般的な汎用部品
が可能であるため調達し易くコストがかからない。ま
た、これらの部品は、従来例の回転系弾性体と異なり、
円周方向での位置合わせ(穴と凸部)の必要がなく、軸
に挿入するだけで簡単に組立が行えるという効果を奏す
る。
【0068】また、請求項7に記載の発明によれば、請
求項4に記載の発明において、前記はすばギヤのボス部
と、軸ボス受け部の間にスプリングを備え、該スプリン
グの弾性変形によりスラスト剛性を得る構成としたの
で、はすばギヤのボス部と軸ボス受け部の間にスプリン
グを介して組み付ける構成とし、そのスプリングの弾性
変形を利用してスラスト剛性K2xを与えることで、ギ
ヤ形状誤差等からギヤ歯部での回転振動が発生しても、
はすばギヤのねじれ角に対応してスラスト方向に従動ギ
ヤが移動して逃げるので、この振動は回転方向として従
動軸に伝達されない。その際、並進方向の振動をこのス
プリングの変形によって振動を吸収することができる。
波ワッシャーやOリング、また、プラスチック材質の梁
形状凸部と比べ、剛性の設定が幅広く行えるので、様々
な回転速度に応じた対応が可能となる。この部品は、従
来例の回転系弾性体と異なり、円周方向での位置合わせ
(穴と凸部)の必要がなく、軸に挿入するだけで簡単に
組立が行えるという効果を奏する。
【0069】また、請求項8に記載の発明によれば、請
求項1に記載の発明において、前記従動ギヤ歯をスラス
ト方向に弾性支持する際のスラスト剛性K2xについ
て、一定速度の定常時に比して起動時に大きな値が得ら
れる構成にしたので、はすばギヤの駆動ギヤと従動ギヤ
のスラスト方向の弾性支持剛性K2xを一定速度の定常
時に比べ起動時に大きくすることで、負荷トルクの大き
い起動時での弾性部変形による従動軸の遅れを小さくす
ることができる。その結果、起動時の加速のときに素早
い動作が行えるようになるという効果を奏する。
【0070】また、請求項9に記載の発明によれば、請
求項8に記載の発明において、前記はすばギヤとしてプ
ラスチックなど弾性変形可能な材質で成形されたものを
用い、該はすばギヤのボス部には、梁形状で突出量が異
なる複数の凸部が形成され、該複数の凸部がそれぞれ対
応したトルクで弾性変形することにより、一定速度の定
常時に比して起動時に大きなスラスト剛性K2xが得ら
れるよう構成したので、はすばギヤをプラスチック成形
したものとし、そのボス部の梁形状とボス受け部と接触
点数が、トルクに応じて変化することで、接触点数でス
ラスト剛性が変化するので、負荷トルクが大きいほど高
剛性となる。その結果、起動時と一定速度時に必要な回
転剛性の切替えを簡単に設定でき、起動時の加速のとき
に素早い動作が行えるようになるという効果を奏する。
【0071】また、請求項10に記載の発明によれば、
請求項1〜9のいずれか一つに記載の発明において、前
記従動軸には、一定速度での回転を前提とする画像形成
用の回転体が連結された構成としたので、従動軸には、
画像形成用の回転体が装着されていることで、ギヤ噛合
い時の振動を従動軸の画像形成用の回転体(たとえば感
光体ドラム、ベルト用ローラ)に伝えないようにでき
る。画像形成用の回転体を備えた機器におけるギヤ伝達
機構系の影響は、塗りつぶし画像での濃度ムラ(バンデ
ィング)との関連が高い。これは、ギヤ歯の噛合い周期
での速度変動から伝わる振動があるためである。上記構
成により、ギヤ噛合い時の振動を従動軸の画像形成用の
回転体に伝えないようにでき、人間の目にとって目立つ
周波数帯であるギヤ噛合い振動を抑えて画質向上が図れ
るという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の駆動伝達機構の振動モデルを示す図
である。
【図2】図1の振動モデルの伝達特性を説明するための
図表である。
【図3】並進剛性と回転剛性を説明するための図であ
る。
【図4】この発明によるスラスト剛性K2xを調整した
結果のグラフを示す図である。
【図5】この発明の実施の形態2におけるギヤ変形に対
応する構成を説明するための図である。
【図6】この発明の実施の形態3におけるギヤボス部変
形に対応する構成を説明するための図である。
【図7】この発明の実施の形態4における従動ギヤ弾性
支持の構成を説明するための図である。
【図8】この発明の実施の形態5における従動ギヤボス
部の構成を示す図である。
【図9】この発明の実施の形態6における弾性体の構成
を示す図である。
【図10】この発明の実施の形態7における弾性体の構
成を示す図である。
【図11】負荷トルクとスラスト合成の関係を示す図表
である。
【図12】この発明の実施の形態8における従動ギヤボ
ス部の構成を示す図である。
【図13】この発明の実施の形態9にかかる駆動伝達機
構が適用される画像形成装置を示す図である。
【符号の説明】
100 駆動ギヤ 101 従動ギヤ 102 従動軸 500 ギヤ歯部 501 ギヤボス部 502 弾性部 600 ギヤ歯部 601 ボス部 602 弾性部 700 ギヤ歯部 701 従動ギヤボス部 702 従動軸ボス受け部 703 弾性体 704 従動ギヤ 705 キー結合部 800 従動ギヤ 801 ボス部 802 凸部 901 波ワッシャー 902 Oリング 1001 スプリング 1200 はすばギヤ 1201 ギヤボス部 1202,1203 凸部 1300 画像形成装置 1301 感光体 1302 給紙カセット 1303 排紙口 1304 用紙搬送路 1305 帯電体 1306 露光器 1307 現像器 1308 転写器 1309 クリーニング器 1310 除電器 1311 給紙ローラ 1312 レジストローラ 1313 定着器 1313a ヒートローラ 1313b プレスローラ 1314 排紙ローラ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータ等の駆動源に連結された駆動軸
    と、駆動対象に連結された従動軸と、該従動軸に駆動力
    を伝達する伝達機構にはすばギヤを用いた駆動伝達機構
    であって、 駆動ギヤ歯に対する従動ギヤ歯のスラスト方向の位置を
    弾性支持する手段を備え、 該スラスト剛性をK2x,ねじれ角β,噛合いピッチ半
    径rp,従動軸の慣性モーメントをJ2,動作時のギヤ
    噛合い周波数fpとして、 fp>fz ただし、fz =(1/2π * √(K2/J2))
    * √2 K2 = K2x * rp^2/(tanβ)^2 を満たすよう、外乱トルクが発生する噛合い周波数に応
    じたスラスト剛性K2xを設定し用いることを特徴とす
    る駆動伝達機構。
  2. 【請求項2】 前記スラスト方向の弾性支持手段は、 ギヤ歯部と、従動軸に連結されたギヤボス部との間に設
    けられ、周方向に均一な断面形状を有して弾性変形可能
    な部材からなり、スラスト弾性支持することを特徴とす
    る請求項1に記載の駆動伝達機構。
  3. 【請求項3】 前記スラスト方向の弾性支持手段は、 従動軸に連結されたボス部内の外径を周方向に均一なも
    のを用い、該ボス部が圧縮変形可能な部材からなり、ス
    ラスト弾性支持することを特徴とする請求項1に記載の
    駆動伝達機構。
  4. 【請求項4】 前記スラスト方向の弾性支持手段は、 従動ギヤと従動軸をスラスト方向に移動可能な結合で構
    成し、従動ギヤボス部と従動軸ボス受け部の間に弾性変
    形可能な弾性体を設けることにより、スラスト弾性支持
    することを特徴とする請求項1に記載の駆動伝達機構。
  5. 【請求項5】 前記はすばギヤとしてプラスチックなど
    弾性変形可能な材質で成形されたものを用い、 該はすばギヤのボス部には、梁形状の凸部が形成され、
    該凸部の弾性変形により、スラスト剛性を得ることを特
    徴とする請求項4に記載の駆動伝達機構。
  6. 【請求項6】 前記はすばギヤのボス部と、軸ボス受け
    部の間に弾性体ワッシャーを備え、該弾性体ワッシャー
    の弾性変形によりスラスト剛性を得ることを特徴とする
    請求項4に記載の駆動伝達機構。
  7. 【請求項7】 前記はすばギヤのボス部と、軸ボス受け
    部の間にスプリングを備え、該スプリングの弾性変形に
    よりスラスト剛性を得ることを特徴とする請求項4に記
    載の駆動伝達機構。
  8. 【請求項8】 前記従動ギヤ歯をスラスト方向に弾性支
    持する際のスラスト剛性K2xについて、一定速度の定
    常時に比して起動時に大きな値が得られる構成にしたこ
    とを特徴とする請求項1に記載の駆動伝達機構。
  9. 【請求項9】 前記はすばギヤとしてプラスチックなど
    弾性変形可能な材質で成形されたものを用い、 該はすばギヤのボス部には、梁形状で突出量が異なる複
    数の凸部が形成され、該複数の凸部がそれぞれ対応した
    トルクで弾性変形することにより、 一定速度の定常時に比して起動時に大きなスラスト剛性
    K2xが得られるよう構成したことを特徴とする請求項
    8に記載の駆動伝達機構。
  10. 【請求項10】 前記従動軸には、一定速度での回転を
    前提とする画像形成用の回転体が連結されることを特徴
    とする請求項1〜9のいずれか一つに記載の駆動伝達機
    構。
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