JP2004162759A - 駆動伝達装置および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】従動軸のかみあい振動低減を図り、かつ軸受け隙間やプラスチックギヤの変形だけでなく、ギヤ軸受けを支えるギヤベース部の寸法バラツキ、成形ギヤ歯部の形状誤差も含めて統合的な調整できる装置を提供する。
【解決手段】駆動源に連結された駆動軸と、作業を行う従動軸と、前記従動軸に前記駆動軸のトルクを伝達する伝達機構部を有する駆動伝達装置において、前記従動軸上の1歯かみあい周期の回転ムラをセンシングする手段と、駆動ギヤ歯中心軸と従動ギヤ歯中心軸との相対的な軸傾斜量を調整する軸傾斜量調整手段とを有する。
【選択図】 図1
【解決手段】駆動源に連結された駆動軸と、作業を行う従動軸と、前記従動軸に前記駆動軸のトルクを伝達する伝達機構部を有する駆動伝達装置において、前記従動軸上の1歯かみあい周期の回転ムラをセンシングする手段と、駆動ギヤ歯中心軸と従動ギヤ歯中心軸との相対的な軸傾斜量を調整する軸傾斜量調整手段とを有する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、駆動軸と従動軸とを有する駆動伝達装置および画像形成装置に関し、特に、ギヤ伝達機構部で発生した噛合い振動の従動軸側の伝達を低減する駆動伝達装置および画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従動軸のかみあい振動(1ピッチ振動)を低減する方法として、慣性体(フライホール)を付加して振動を抑える方法や、はすじ誤差や歯形誤差などを小さくした高精度な歯車を使用する方法、振動特性の反共振点を利用する方法、などがある。
【0003】
慣性体を付加する場合、その効果は大きいが、駆動モータの負担が大きく、省エネという観点では推奨できない。振動特性の反共振点を利用する場合、その反共振点の周波数が限定されるので、動作速度(回転速度)が複数ある場合には不向きである。また、弾性や慣性の大きさを調整して動作速度の周波数と反共振点を合わせるので、場合によっては不可能ときがある。形状誤差の少ない高精度な歯車は、かみあい振動を小さくできるが、加工費が高価になり部品コストが問題となる。
【0004】
また、高精度な形状をプラスチック成形ギヤで、製作できない場合もある。擬似的に高精度にする方法(誤差を補正する方法)として、特許文献1がある。これは、軸受け隙間分にガタがあり、あらかじめ傾く方向がわかっている(はすばギヤのスラスト力によって軸が傾斜するなど)場合、この傾斜角度に対応させて、はすばギヤのねじれ角にオフセットを加えておく方法である。
【0005】
また、特許文献2には、中間ギアなどの中間伝達部材を必要とせずに、又衝撃などを生じることなしに、駆動力を効率よく伝達できるようにした、画像形成装置の負荷系の駆動伝達装置を提供する技術が開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−80840号公報
【特許文献2】
特開平6−64787号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1では、軸受け隙間分のガタに対応させて、ねじれ角にオフセットを与える方法である。これは、軸受け隙間のように公差バラツキが比較的少なく、傾く方向が決まっている場合には有効に利用できるが、公差バラツキが大きいところ、また、どちらに傾斜するかわからない場合には適用できない。例えば、軸受けを支える板金加工部品とか樹脂モールド部品では、軸受け公差(ミクロンオーダー)に比べ10倍以上大きくなっていし、その方向も定まっていない。そのため、特許文献1のようにあらかじめオフセットさせておくことはできない。
【0008】
また、特許文献2には、中間ギアなどの中間伝達部材を必要とせずに、又衝撃などを生じることなしに、駆動力を効率よく伝達できるようにした、画像形成装置の負荷系の駆動伝達装置を提供する技術が開示されているが、本発明では、以下のように、従動軸のかみあい振動低減を図り、軸受け隙間やプラスチックギヤの変形だけでなく、ギヤ軸受けを支えるギヤベース部の寸法バラツキ、成形ギヤ歯部の形状誤差も含めて統合的な調整できる装置を提供することを目的としているため、発明の目的が異なっている。
【0009】
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、従動軸のかみあい振動(1ピッチ振動)低減を図る。かつ、軸受け隙間やプラスチックギヤの変形だけでなく、ギヤ軸受けを支えるギヤベース部の寸法バラツキ、成形ギヤ歯部の形状誤差も含めて統合的な調整(補正)できる装置を提供することを目的とする。
【0010】
また、傾斜角度調整を単純な構成で簡単に調整作業できるような構造の提供を目的とする。
【0011】
また、ギヤベース部に調整用の弾性変形を加える場合で、この調整作業の効率向上を目的とする。
【0012】
また、ギヤベース部に調整用の弾性変形を加える場合で、従動軸側に変形の影響が及ばないような調整方法の提供を目的とする。
【0013】
また、ギヤ軸のスラスト方向からでなくラジアル方向から調整できるようにし、部品が重なっている場合でも調整できる方法の提供目的とする。
【0014】
また、駆動軸と従動軸の相対的な軸傾斜量の調整で、許容公差領域の拡大を目的とする。
【0015】
また、画像機器におけるギヤ伝達機構系の影響は、塗りつぶし画像での濃度ムラ(バンディング)との関連が高い。これは、ギヤ歯のかみあい周期(1ピッチ周期)での速度変動から伝わる振動があるためである。このギヤかみあい時の振動を従動軸の画像形成用の回転体に伝えない様に低減し、画質向上を図るとともに、部品加工コストの増加を抑えて、フライホイールの必要のない小型、省エネ製品の提供を目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、駆動源に連結された駆動軸と、作業を行う従動軸と、前記従動軸に前記駆動軸のトルクを伝達する伝達機構部とを有する駆動伝達装置において、前記従動軸上の1歯かみあい周期の回転ムラをセンシングする手段と、駆動ギヤ歯中心軸と従動ギヤ歯中心軸との相対的な軸傾斜量を調整する軸傾斜量調整手段とを有することを特徴としている。
【0017】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記軸傾斜量調整手段は、前記駆動軸と前記従動軸とを支持するギヤベース部の平面度を、ネジを用いた調整機構によって前記ギヤベース部を弾性変形させて調整する手段を有することを特徴としている。
【0018】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記軸傾斜量調整手段は、回転軸を支持する軸受けユニット部とギヤベース部との直角度を、ネジを用いた調整機構によって前記軸受けユニット部を弾性変形させて、調整する手段を有することを特徴としている。
【0019】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記軸傾斜量調整手段は、ギヤを支える固定軸とギヤベース部との直角度を、ネジを用いた調整機構によって固定軸を弾性変形させて調整する手段を有することを特徴としている。
【0020】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記軸傾斜量調整手段は、従動ギヤの歯部と軸心部の平行度を、ネジを用いた調整機構によってフランジ部を弾性変形させて調整する手段を有することを特徴としている。
【0021】
請求項6記載の発明は、請求項2記載の発明において、ギヤベース部の平面度を調整するネジは、駆動軸と従動軸との間に有することを特徴としている。
【0022】
請求項7記載の発明は、請求項2記載の発明において、駆動軸が取り付くギヤベース部のみを弾性変形させることを特徴としている。
【0023】
請求項8記載の発明は、請求項3または4記載の発明において、駆動軸と従動軸の端部にネジを利用した伸縮調整部材を有し、前記伸縮調整部財の伸縮によって駆動ギヤ歯中心軸と従動ギヤ歯中心軸との相対的な軸傾斜量を調整する手段を有することを特徴としている。
【0024】
請求項9記載の発明は、請求項1から8のいずれか1項に記載の発明において、前記軸傾斜量調整手段を用いて軸傾斜量を調整する場合は、軸傾斜量に対する回転特性値曲線を求め、許容回転特性値以下になる軸傾斜量領域の中央値に調整を行うことを特徴としている。
【0025】
請求項10記載の発明は、表面に静電潜像を形成し周方向に回転移動する像担持体と、前記像担持体上の静電潜像を顕像化する現像手段と、顕像化されるトナー像を記録材に転写する転写手段と、転写される記録材上のトナー像を固定する定着手段とを有する画像形成装置において、駆動源に連結された駆動軸と、作業を行う従動軸と、前記従動軸に前記駆動軸のトルクを伝達する伝達機構部とを有し、前記従動軸上の1歯かみあい周期の回転ムラをセンシングする手段を有し、像担持体を回転させる従動ギヤ歯中心軸と駆動する駆動ギヤ歯中心軸との相対的な軸傾斜量を調整する傾斜調整手段を有することを特徴としている。
【0026】
請求項11記載の発明は、請求項10記載の発明において、前記軸傾斜量調整手段は、駆動軸と従動軸とを支持するギヤベース部の平面度を、ネジを用いた調整機構によってギヤベース部を弾性変形させて調整する手段を有することを特徴としている。
【0027】
請求項12記載の発明は、請求項10記載の発明において、前記軸傾斜量調整手段は、回転軸を支持する軸受けユニット部とギヤベース部との直角度を、ネジを用いた調整機構によって軸受けユニット部を弾性変形させて調整する手段を有することを特徴としている。
【0028】
請求項13記載の発明は、請求項10記載の発明において、前記軸傾斜量調整手段は、ギヤを支える固定軸とギヤベース部との直角度を、ネジを用いた調整機構によって固定軸を弾性変形させて調整する手段を有することを特徴としている。
【0029】
請求項14記載の発明は、請求項10記載の発明において、前記軸傾斜量調整手段は、従動ギヤの歯部と軸心部の平行度を、ネジを用いた調整機構によってフランジ部を弾性変形させて調整する手段を有することを特徴としている。
【0030】
請求項15記載の発明は、請求項11記載の発明において、前記ギヤベース部の平面度を調整するネジは、前記駆動軸と前記従動軸との間に有することを特徴としている。
【0031】
請求項16記載の発明は、請求項11記載の発明において、前記駆動軸が取り付くギヤベース部のみを弾性変形させることを特徴としている。
【0032】
請求項17記載の発明は、請求項12または13記載の発明において、前記駆動軸と前記従動軸との端部にネジを利用した伸縮調整部材を有し、前記伸縮調整部財の伸縮で駆動ギヤ歯中心軸と従動ギヤ歯中心軸との相対的な軸傾斜量を調整することを特徴としている。
【0033】
請求項18記載の発明は、請求項10から17のいずれか1項に記載の発明において、前記軸傾斜量調整手段を用いて軸傾斜量を調整する場合は、軸傾斜量に対する回転特性値曲線を求め、許容回転特性値以下になる軸傾斜量領域の中央値に調整を行うことを特徴としている。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0035】
<実施例1>
駆動ギヤと従動ギヤ間の回転特性(一歯かみ合い周期の回転ムラ:1ピッチムラ)を良くするために、組付け調整用のエンコーダセンシング部を従動軸上に設け、この出力を見ながら、駆動ギヤ歯中心軸と従動ギヤ歯中心軸の相対的な軸傾斜量を調整する。図1は、本発明の駆動伝達装置の一構成例を示す図である。駆動軸9に動力を与えるモータをギヤベース部A5にネジ1で固定し、このギヤベース部A5を図示しない本体にネジ2で締結する。このネジは傾斜量を調整した後に固定するのでギヤベース部A5には長穴加工されている。駆動ギヤ8に対応する従動ギヤ11は、軸受けユニット7で回転自在に支持された従動軸10に締結されている。この軸受けユニット7はギヤベース部B6にネジ3で固定され、ギヤベース部B6は図示しない本体にネジ4で固定されている。図2は、実施例1の軸傾斜組付の構成を示す図である。図1の構成で、図2に示すように従動軸10上に調整組付用カップリングを介してエンコーダ12を取り付け、このエンコーダ12の出力である回転特性をモニタリングしながらギヤベース部A5を回転させ軸傾斜させる。
【0036】
そして、回転特性が許容値以下となるポイントでギヤベース部A5を本体と締結固定する。図3は、従動ギヤ11(はすばギヤ)に関して、形状精度の良い高精度ギヤと歯筋誤差(ねじれ角誤差)のあるギヤで、軸を傾斜させたときの実験結果を示す図である。高精度なはすばギヤ(従動ギヤ)は、ねじれ角が駆動ギヤと一致するので軸傾斜角度が0の点が最小値となっているが、歯筋誤差のあるギヤ(従動ギヤ)では、そのねじれ角の誤差を打ち消す方向に傾けたポイントである−0.004rad付近が最小値となる。このように、ギヤ歯の形状誤差を打ち消す方向に傾けたり、また、軸受け隙間での傾斜分や、軸受けユニット部7やギヤベース部等の形状誤差に対応して打ち消す方向に傾斜させて組立調整することで、歯面同士の噛合いを滑らかに行うことができる。図4は、受動軸側の構成を示す側面図である。
【0037】
<実施例2>
図5は、実施例2の平面度変化による軸傾斜を行う場合の構成を示す図である。軸傾斜量の調整を簡単に行うため、実施例1でのギヤベース部A5とギヤベース部B6を同一の部材:ギヤベース部C14(例えば板金)とし、モータ部16をネジ1で、従動側軸受けユニット部7をネジ2で固定する。そして本体側にネジ3で固定し、調整ネジ4でギヤベース部を弾性変形させる。図5の場合はあらかじめギヤベース部C14に傾きを与えておき、それを小さくする方向に調整ネジ4で変形させる。例えば、M3細目ネジで、調整スパンLを100mmとした場合、ネジ1回転で0.0035radの軸傾斜を変化させることができ、簡単に調整を行うことができる。
【0038】
図5では、分かりやすくするために、ギヤベース部C14の変形を大きく表示したが、実際は、調整する領域に合わせて設定する(軸傾斜の調整を0.01radの範囲で行うときはL=100mmで、δ=1mm)。また、ギヤベース部C14に傾きを与えなくても、本体支持棒15の長さを調整して所定の隙間δを設けることでも軸傾斜の調整を行うことができる。このように、ギヤ歯の形状誤差を打ち消す方向に傾けたり、また、軸受け隙間での傾斜分や、軸受けユニット部7やギヤベース部等の形状誤差に対応して打ち消す方向に傾斜させて組立調整することで、歯面同士の噛合いを滑らかに行うことができる。
【0039】
<実施例3>
図6は、実施例3の直角度変化による軸傾斜を行う場合の構成を示す図である。軸傾斜量の調整を行うために、軸受けユニット部7に凸部の弾性変形部17を設ける。そして、回転特性をモニタリングしながら、調整ネジ4を用いて軸受けユニット7とギヤべース部間を弾性変形させ、軸受けユニット7を傾斜させる。それによって従動軸10が駆動軸9に対して軸傾斜し、調整組み付けする。弾性変形部17は、軸受けユニット7の形状で凸部として構成してもよいし、別部品(汎用の弾性部品:弾性ワッシャー、ゴムリング等)として組み込んで調整してもよい。このように、ギヤ歯の形状誤差を打ち消す方向に傾けたり、また、軸受け隙間での傾斜分や、軸受けユニット部7やギヤベース部等の形状誤差に対応して打ち消す方向に傾斜させて組立調整することで、歯面同士の噛合いを滑らかに行うことができる。
【0040】
<実施例4>
図7は、実施例4の直角度変化による軸傾斜を行う場合の構成を示す図である。軸傾斜の調整を行うために、固定軸18の根元部を弾性変形させて傾斜させる。ギヤベース部上にある固定軸にはアイドラギヤ19が装着されており、図示しない駆動ギヤ8からの駆動トルクを従動ギヤ11に伝達する。このアイドラギヤ19の軸傾斜を調整するために、固定軸18根元には、応力を集中させる切り込み部があり、他の径部よりも細くなっている。固定軸18の先端側を調整ネジで押したり引っ張ったりすることで、切り込み部を中心とした軸傾斜となる。このように、ギヤ歯の形状誤差を打ち消す方向に傾けたり、また、軸受け隙間での傾斜分や、軸受けユニット部7やギヤベース部等の形状誤差に対応して打ち消す方向に傾斜させて組立調整することで、歯面同士の噛合いを滑らかに行うことができる。
【0041】
<実施例5>
図8は、実施例5のギヤ歯部による軸傾斜を行う場合の構成を示す図である。軸傾斜の調整を行うために、従動ギヤ11のフランジ部を弾性変形させ、歯面に傾斜を与える。従動ギヤ部11には、フランジ抑え板23とそれを固定する調整用ナット22がつけられている。調整用ナット22を締め付けていくとフランジ抑え板23が従動ギヤ11のフランジ部に力を与え弾性変形させて撓ませる。フランジ部が撓むとその先端側にあるギヤ歯は傾斜する。ギヤ歯が傾斜することで、ギヤ歯から見た中心軸と従動軸10中心は平行でなくなり、軸傾斜したことになる。このように、ギヤ歯の形状誤差を打ち消す方向に傾けたり、また、軸受け隙間での傾斜分や、軸受けユニット部7やギヤベース部C14等の形状誤差に対応して打ち消す方向に傾斜させて組立調整することで、歯面同士の噛合いを滑らかに行うことができる。
【0042】
<実施例6>
図9は、実施例6の平面度を変化させる方法の場合の構成を示す図である。ギヤベース部C14に取付けられた駆動部のモータ16と駆動ギヤ8及び軸受けユニット部7と従動ギヤ11の軸傾斜は、ネジ3を固定点とし、駆動軸9と従動軸10の間にある調整用ネジ4によって、双方の軸が傾斜する。双方が異なる方向に傾斜をするので少しの調整量で相対的に大きな傾斜角が変化することになる。
【0043】
<実施例7>
図10は、実施例7の駆動側のみを傾斜する方法の場合の構成を示す図である。ギヤベース部C14を曲げて軸傾斜を調整する場合で、従動軸10側は変形しないように駆動軸9側のみの傾斜で調整を行う。その際、駆動軸9側の傾斜の影響が、従動軸10側に来ないように強度を高めたり、穴などの切り欠き部を設ける。図10の場合は、ギヤベース板C14に段差を設け、ネジ3で本体側に本体支持棒15を介してギヤベース板を固定した例を示す。これにより、曲げの弾性変形は、駆動側のみに発生する。従動側に他の部品が装着され傾けられない場合や、従動軸10に作業するローラ等がカップリングを介さずに直結されている場合に有効な方法である。
【0044】
<実施例8>
図11は、実施例8の平面度を変化させる方法の場合の構成を示す図であり、図12は、実施例8の伸縮調整部財の一構成例を示す図である。駆動軸9と従動軸10の先端側に調整用のネジを用いた伸縮調整部材を設け、ここを伸縮させることで、駆動ギヤ8と従動ギヤ11に傾斜角を与える。図11の例では、双方回転軸であるので、軸受けを介して調整用部材が組付く形になる。調整ネジの回転方向が軸と直交する方向となるので、複数のギヤが重なっているレイアウトにおいても調整が可能となる。
【0045】
<実施例9>
図13は、実施例9の回転ムラが非対称となる場合を示す図である。軸傾斜量に対する回転ムラは、傾斜の方向によって対称な形になるとは限らない。図13のように非対称となる場合、調整狙い傾斜量を回転ムラの最小値であるAとするよりも、回転ムラの許容値以下となる傾斜許容幅θLの中央値Bとした方が、傾斜量のマージンが広く(θB>θA)なり、経時変化によるギヤ歯の磨耗などにも強くなる。
【0046】
<実施例10>
実施例10では、従動軸に画像形成用の回転体がカップリングを介して装着されている。図14は、画像形成装置の内部構造を概略的に示す縦断正面図である。図10は、画像形成装置14の一側に給紙カセット38が着脱自在に装着され、本体他側には排紙口31が設けられている。給紙カセット28から排紙口31に至る用紙搬送路の上方には感光体29が回転自在に設けられて、その周囲にはそれぞれプロセスユニットとしての露光器25、帯電体26、現像器30が配列されている。さらに感光体29の外周には転写器35と、除電器37と、クリーニング器38とが配列されている。さらに用紙搬送路に沿って上流から下流にむけて、給紙ローラ37と、レジストローラ36と、ヒートローラ34とプレスローラ39を有する定着器33と、排紙ローラ32とが配列されている。このような構成で、帯電器26によって感光体29表面を帯電させ、その部分に露光器25からのレーザー光を走査することで静電潜像を形成する。その後、感光体ドラム29の回転により、静電画像は現像器30によってトナー画像として現像される。一方では、給紙カセット38内の用紙が給紙ローラ37によってレジストローラまで引き出され、感光体ドラム29の回転運動に同期回転するレジストローラによって用紙は感光体ドラム29下部に給紙される。感光体29上のトナー画像は転写器35によって用紙に転写され、その用紙が定着器33を通るときに用紙上の転写画像が定着される。その後、定着後の用紙は排紙ローラ32によって、装置排紙口より排出される。このような製品では感光体ドラム軸の一定速度特性が画像品質に直接影響を与えるものであり、モータトルクをギヤを介して感光体ドラム軸に伝え駆動している場合、ギヤ噛合いによるトルク振動の低減は重要である。
【0047】
そこで、像担持体を回転させる従動ギヤ歯中心軸とそれを駆動する駆動ギヤ歯中心軸の相対的な軸傾斜量を調整し、回転特性が許容値以下となる点で組立てる。これによって、歯の形状誤差(ねじれ角誤差)や軸受隙間の傾斜、軸もしくは軸受けの取り付け誤差やギヤベース部の曲がり、ゆがみに起因して歯面同士の噛合い接触面の不具合から発生する1ピッチ回転ムラを、調整によって小さくできる。この結果、滑らかな回転伝達となり、ギヤの噛合い振動を小さくすることができ、高画質を出力できる。特にギヤの噛合い周波数は、濃度ムラであるバンディングとして人間の目にとって目立つ周波数帯である。この周波数の振動を抑えることで、画質向上が可能となる。振動を抑えるために必要とされていたフライホイールが不要となり、大きなモータを必要とせず、省エネ駆動ができる。また、小型のモータで間に合うので駆動機構部の省スペース化が図られ、製品の小型化にも貢献する。
【0048】
ここまで、感光体ドラム29に適用した場合について説明したが、同様に感光体ベルトを駆動する駆動ローラの伝達機構部に適用できることは言うまでも無い。
【0049】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、モータ等の駆動源に連結された駆動軸と、作業を行う従動軸と、従動軸に駆動軸のトルクを伝達する伝達機構部としてのギヤを有する駆動伝達装置であって、従動軸上の1歯かみあい周期の回転ムラ(1ピッチムラ)をセンシングし、これが許容値以下となるように駆動ギヤ歯中心軸と従動ギヤ歯中心軸の相対的な軸傾斜量を調整することで、駆動ギヤと従動ギヤの歯筋の噛合いが良好となり、滑らかな動力伝達が行われる。その結果、従動軸のかみあい振動(1ピッチ振動)低減化が図られ、かつ、軸受け隙間やプラスチックギヤの変形だけでなく、ギヤ軸受けを支えるギヤベース部の寸法バラツキ、成形ギヤ歯部の形状誤差も含めて統合的な調整(補正)でき、高精度な部品を使用しなくともよく、低コストな駆動伝達装置を提供することができる。
【0050】
軸傾斜量の調整に関して、駆動軸と従動軸を支持するギヤベース部(板金部品、モールド部品)の平面度を、ネジを用いた調整機構によってギヤベース部を弾性変形させて、調整することで、調整用の機構を追加することなく、既存の部品(ギヤベース部)を利用して、軸傾斜量の調整が可能となる。また、調整ネジの位置やネジピッチによって、調整する傾斜量を自由に設定できる。その結果、ギヤ歯の形状誤差を打ち消す方向に傾けたり、また、軸受け隙間での傾斜分や、軸受けユニット部やギヤベース部等の形状誤差に対応して打ち消す方向に傾斜させた組立調整ができ、歯面同士の噛合いを滑らかに行うことができる。また、傾斜角度調整が単純な構成で簡単に調整作業でき、部品コスト、組立コストに有利な駆動伝達装置を提供することができる。。
【0051】
また、本発明によれば、軸傾斜量の調整に関して、回転軸を支持する軸受けユニット部とギヤベース部の直角度を、ネジを用いた調整機構によって軸受けユニット部を弾性変形させて、調整することで、調整用の機構を追加することなく、既存の部品(軸受けユニット部)の利用や汎用部品(弾性ワッシャー、ゴムリング)の付加で、軸傾斜量の調整が可能となる。その結果、ギヤ歯の形状誤差を打ち消す方向に傾けたり、また、軸受け隙間での傾斜分や、軸受けユニット部やギヤベース部等の形状誤差に対応して打ち消す方向に傾斜させた組立調整ができ、歯面同士の噛合いを滑らかに行うことができる。また、傾斜角度調整が単純な構成で簡単に調整作業でき、部品コスト、組立コストに有利な駆動伝達装置を提供することができる。
【0052】
また、本発明によれば、軸傾斜量の調整に関して、ギヤを支える固定軸とギヤベース部の直角度を、ネジを用いた調整機構によって固定軸を弾性変形させて、調整することで、ギヤベース部に影響を与えることなく軸傾斜量の調整が可能となる。また、軸端部を調整機構で支持する形になり、固定軸は両持ち梁となる。その結果、ギヤ歯の形状誤差を打ち消す方向に傾けたり、また、軸受け隙間での傾斜分や、軸受けユニット部やギヤベース部等の形状誤差に対応して打ち消す方向に傾斜させた組立調整ができ、歯面同士の噛合いを滑らかに行うことができる。また、固定軸が両持ち梁となり、高剛性になる。傾斜角度調整が単純な構成で簡単に調整作業でき、部品コスト、組立コストに有利な駆動伝達装置を提供することができる。
【0053】
また、本発明によれば、軸傾斜量の調整に関して、従動ギヤの歯部と軸心部の平行度を、ネジを用いた調整機構によってフランジ部(ボス部とギヤ歯部の間の部分)を弾性変形させて、調整することで、ギヤベース部に影響を与えることなく軸傾斜量の調整が可能となる。その結果、ギヤ歯の形状誤差を打ち消す方向に傾けたり、また、軸受け隙間での傾斜分や、軸受けユニット部やギヤベース部等の形状誤差に対応して打ち消す方向に傾斜させた組立調整ができ、歯面同士の噛合いを滑らかに行うことができる。また傾斜角度調整が単純な構成で簡単に調整作業でき、部品コスト、組立コストに有利な駆動伝達装置を提供することができる。
【0054】
また、本発明によれば、ギヤベース部の平面度を調整するネジを駆動軸と従動軸の間に設けてあることで、調整用ねじによって駆動軸と従動軸の双方が異なる方向に傾斜し相対的な軸傾斜量は大きくできる。その結果、調整ねじの回転量を少なくできるので、調整作業の効率が向上する。
【0055】
また、本発明によれば、駆動軸(モータ軸)が取り付くギヤベース部のみを弾性変形させることことで、駆動軸側のみの軸傾斜となり、従動軸側は変化しないようにできる。その結果、従動側に他の部品が装着され傾けられない場合や、従動軸に作業するローラ等がカップリングを介さずに直結されている場合に有効である。
【0056】
また、本発明によれば、駆動軸と従動軸の端部にネジを利用した伸縮調整部材を設け、この伸縮で駆動ギヤ歯中心軸と従動ギヤ歯中心軸の相対的な軸傾斜量を調整することで、調整ネジの回転方向が軸と直交する方向とすることができる。その結果、複数のギヤなど、部品が重なっているレイアウトにおいても調整が可能となる。
【0057】
また、本発明によれば、駆動ギヤ歯中心軸と従動ギヤ歯中心軸の相対的な軸傾斜量を調整する際に、軸傾斜量に対する回転特性値(回転ムラ)曲線を求め、許容回転特性値以下になる軸傾斜量領域の中央値に調整を行うことで、許容回転ムラに対する傾斜量のマージンを広くすることができる。その結果、駆動軸と従動軸の相対的な軸傾斜量の調整で、経時的にギヤ歯が磨耗し、ねじれ角が変わり、歯部から見た軸が変化(傾斜)した場合でも、許容公差領域が拡大しているので安定した回転が得られる。
【0058】
また、本発明によれば、表面に静電潜像を形成し周方向に回転移動する像担持体と、像担持体上の静電潜像を顕像化する現像手段と、顕像化されるトナー像を記録材に転写する転写手段と、転写される記録材上のトナー像を固定する定着手段とを有する画像形成装置であって、像担持体を回転させる従動ギヤ歯中心軸とそれを駆動する駆動ギヤ歯中心軸の相対的な軸傾斜量を調整することで、駆動ギヤと従動ギヤの歯筋の噛合いが良好となり、滑らかな動力伝達が行われ、1ピッチムラが小さくなる。そして従動軸に連結された画像形成用の回転体(感光体ドラム、ベルト用ローラ)は一定速度で動作させることができる。その結果、人の目で目立つ帯域の濃度ムラを軽減でき、画質向上が図られるとともに、必要以上にギヤ形状精度の向上を図る必要がなくなり、フライホイール不要の省エネ製品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の駆動伝達装置の一構成例を示す図である。
【図2】実施例1の軸傾斜組付の場合の構成を示す図である。
【図3】従動ギヤ11に関して、形状精度の良い高精度ギヤと歯筋誤差のあるギヤで、軸を傾斜させたときの実験結果を示す図である。
【図4】受動軸側の構成を示す側面図である。
【図5】実施例2の平面度変化による軸傾斜を行う場合の構成を示す図である。
【図6】実施例3の直角度変化による軸傾斜を行う場合の構成を示す図である。
【図7】実施例4の直角度変化による軸傾斜を行う場合の構成を示す図である。
【図8】実施例5のギヤ歯部による軸傾斜を行う場合の構成を示す図である。
【図9】実施例6の平面度を変化させる方法の場合の構成を示す図である。
【図10】実施例7の駆動側のみを傾斜する方法の場合の構成を示す図である。
【図11】実施例8の平面度を変化させる方法の場合の構成を示す図である。
【図12】実施例8の伸縮調整部財の一構成例を示す図である。
【図13】実施例9の回転ムラが非対称となる場合を示す図である。
【図14】画像形成装置の内部構造を概略的に示す縦断正面図である。
【符号の説明】
1、2、3、4 ネジ
5、6、14 ギヤベース部
7 軸受けユニット部
8 駆動ギア
9 駆動軸
10 従動軸
11 従動ギア
12 エンコーダ
13 調整組付用カップリング
15 本体指示棒
16 モータ
17 弾性変形部
18 固定軸
19 アイドラギヤ
21 フランジ部
23 フランジ抑え版
24 画像形成装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、駆動軸と従動軸とを有する駆動伝達装置および画像形成装置に関し、特に、ギヤ伝達機構部で発生した噛合い振動の従動軸側の伝達を低減する駆動伝達装置および画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従動軸のかみあい振動(1ピッチ振動)を低減する方法として、慣性体(フライホール)を付加して振動を抑える方法や、はすじ誤差や歯形誤差などを小さくした高精度な歯車を使用する方法、振動特性の反共振点を利用する方法、などがある。
【0003】
慣性体を付加する場合、その効果は大きいが、駆動モータの負担が大きく、省エネという観点では推奨できない。振動特性の反共振点を利用する場合、その反共振点の周波数が限定されるので、動作速度(回転速度)が複数ある場合には不向きである。また、弾性や慣性の大きさを調整して動作速度の周波数と反共振点を合わせるので、場合によっては不可能ときがある。形状誤差の少ない高精度な歯車は、かみあい振動を小さくできるが、加工費が高価になり部品コストが問題となる。
【0004】
また、高精度な形状をプラスチック成形ギヤで、製作できない場合もある。擬似的に高精度にする方法(誤差を補正する方法)として、特許文献1がある。これは、軸受け隙間分にガタがあり、あらかじめ傾く方向がわかっている(はすばギヤのスラスト力によって軸が傾斜するなど)場合、この傾斜角度に対応させて、はすばギヤのねじれ角にオフセットを加えておく方法である。
【0005】
また、特許文献2には、中間ギアなどの中間伝達部材を必要とせずに、又衝撃などを生じることなしに、駆動力を効率よく伝達できるようにした、画像形成装置の負荷系の駆動伝達装置を提供する技術が開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−80840号公報
【特許文献2】
特開平6−64787号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1では、軸受け隙間分のガタに対応させて、ねじれ角にオフセットを与える方法である。これは、軸受け隙間のように公差バラツキが比較的少なく、傾く方向が決まっている場合には有効に利用できるが、公差バラツキが大きいところ、また、どちらに傾斜するかわからない場合には適用できない。例えば、軸受けを支える板金加工部品とか樹脂モールド部品では、軸受け公差(ミクロンオーダー)に比べ10倍以上大きくなっていし、その方向も定まっていない。そのため、特許文献1のようにあらかじめオフセットさせておくことはできない。
【0008】
また、特許文献2には、中間ギアなどの中間伝達部材を必要とせずに、又衝撃などを生じることなしに、駆動力を効率よく伝達できるようにした、画像形成装置の負荷系の駆動伝達装置を提供する技術が開示されているが、本発明では、以下のように、従動軸のかみあい振動低減を図り、軸受け隙間やプラスチックギヤの変形だけでなく、ギヤ軸受けを支えるギヤベース部の寸法バラツキ、成形ギヤ歯部の形状誤差も含めて統合的な調整できる装置を提供することを目的としているため、発明の目的が異なっている。
【0009】
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、従動軸のかみあい振動(1ピッチ振動)低減を図る。かつ、軸受け隙間やプラスチックギヤの変形だけでなく、ギヤ軸受けを支えるギヤベース部の寸法バラツキ、成形ギヤ歯部の形状誤差も含めて統合的な調整(補正)できる装置を提供することを目的とする。
【0010】
また、傾斜角度調整を単純な構成で簡単に調整作業できるような構造の提供を目的とする。
【0011】
また、ギヤベース部に調整用の弾性変形を加える場合で、この調整作業の効率向上を目的とする。
【0012】
また、ギヤベース部に調整用の弾性変形を加える場合で、従動軸側に変形の影響が及ばないような調整方法の提供を目的とする。
【0013】
また、ギヤ軸のスラスト方向からでなくラジアル方向から調整できるようにし、部品が重なっている場合でも調整できる方法の提供目的とする。
【0014】
また、駆動軸と従動軸の相対的な軸傾斜量の調整で、許容公差領域の拡大を目的とする。
【0015】
また、画像機器におけるギヤ伝達機構系の影響は、塗りつぶし画像での濃度ムラ(バンディング)との関連が高い。これは、ギヤ歯のかみあい周期(1ピッチ周期)での速度変動から伝わる振動があるためである。このギヤかみあい時の振動を従動軸の画像形成用の回転体に伝えない様に低減し、画質向上を図るとともに、部品加工コストの増加を抑えて、フライホイールの必要のない小型、省エネ製品の提供を目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、駆動源に連結された駆動軸と、作業を行う従動軸と、前記従動軸に前記駆動軸のトルクを伝達する伝達機構部とを有する駆動伝達装置において、前記従動軸上の1歯かみあい周期の回転ムラをセンシングする手段と、駆動ギヤ歯中心軸と従動ギヤ歯中心軸との相対的な軸傾斜量を調整する軸傾斜量調整手段とを有することを特徴としている。
【0017】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記軸傾斜量調整手段は、前記駆動軸と前記従動軸とを支持するギヤベース部の平面度を、ネジを用いた調整機構によって前記ギヤベース部を弾性変形させて調整する手段を有することを特徴としている。
【0018】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記軸傾斜量調整手段は、回転軸を支持する軸受けユニット部とギヤベース部との直角度を、ネジを用いた調整機構によって前記軸受けユニット部を弾性変形させて、調整する手段を有することを特徴としている。
【0019】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記軸傾斜量調整手段は、ギヤを支える固定軸とギヤベース部との直角度を、ネジを用いた調整機構によって固定軸を弾性変形させて調整する手段を有することを特徴としている。
【0020】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記軸傾斜量調整手段は、従動ギヤの歯部と軸心部の平行度を、ネジを用いた調整機構によってフランジ部を弾性変形させて調整する手段を有することを特徴としている。
【0021】
請求項6記載の発明は、請求項2記載の発明において、ギヤベース部の平面度を調整するネジは、駆動軸と従動軸との間に有することを特徴としている。
【0022】
請求項7記載の発明は、請求項2記載の発明において、駆動軸が取り付くギヤベース部のみを弾性変形させることを特徴としている。
【0023】
請求項8記載の発明は、請求項3または4記載の発明において、駆動軸と従動軸の端部にネジを利用した伸縮調整部材を有し、前記伸縮調整部財の伸縮によって駆動ギヤ歯中心軸と従動ギヤ歯中心軸との相対的な軸傾斜量を調整する手段を有することを特徴としている。
【0024】
請求項9記載の発明は、請求項1から8のいずれか1項に記載の発明において、前記軸傾斜量調整手段を用いて軸傾斜量を調整する場合は、軸傾斜量に対する回転特性値曲線を求め、許容回転特性値以下になる軸傾斜量領域の中央値に調整を行うことを特徴としている。
【0025】
請求項10記載の発明は、表面に静電潜像を形成し周方向に回転移動する像担持体と、前記像担持体上の静電潜像を顕像化する現像手段と、顕像化されるトナー像を記録材に転写する転写手段と、転写される記録材上のトナー像を固定する定着手段とを有する画像形成装置において、駆動源に連結された駆動軸と、作業を行う従動軸と、前記従動軸に前記駆動軸のトルクを伝達する伝達機構部とを有し、前記従動軸上の1歯かみあい周期の回転ムラをセンシングする手段を有し、像担持体を回転させる従動ギヤ歯中心軸と駆動する駆動ギヤ歯中心軸との相対的な軸傾斜量を調整する傾斜調整手段を有することを特徴としている。
【0026】
請求項11記載の発明は、請求項10記載の発明において、前記軸傾斜量調整手段は、駆動軸と従動軸とを支持するギヤベース部の平面度を、ネジを用いた調整機構によってギヤベース部を弾性変形させて調整する手段を有することを特徴としている。
【0027】
請求項12記載の発明は、請求項10記載の発明において、前記軸傾斜量調整手段は、回転軸を支持する軸受けユニット部とギヤベース部との直角度を、ネジを用いた調整機構によって軸受けユニット部を弾性変形させて調整する手段を有することを特徴としている。
【0028】
請求項13記載の発明は、請求項10記載の発明において、前記軸傾斜量調整手段は、ギヤを支える固定軸とギヤベース部との直角度を、ネジを用いた調整機構によって固定軸を弾性変形させて調整する手段を有することを特徴としている。
【0029】
請求項14記載の発明は、請求項10記載の発明において、前記軸傾斜量調整手段は、従動ギヤの歯部と軸心部の平行度を、ネジを用いた調整機構によってフランジ部を弾性変形させて調整する手段を有することを特徴としている。
【0030】
請求項15記載の発明は、請求項11記載の発明において、前記ギヤベース部の平面度を調整するネジは、前記駆動軸と前記従動軸との間に有することを特徴としている。
【0031】
請求項16記載の発明は、請求項11記載の発明において、前記駆動軸が取り付くギヤベース部のみを弾性変形させることを特徴としている。
【0032】
請求項17記載の発明は、請求項12または13記載の発明において、前記駆動軸と前記従動軸との端部にネジを利用した伸縮調整部材を有し、前記伸縮調整部財の伸縮で駆動ギヤ歯中心軸と従動ギヤ歯中心軸との相対的な軸傾斜量を調整することを特徴としている。
【0033】
請求項18記載の発明は、請求項10から17のいずれか1項に記載の発明において、前記軸傾斜量調整手段を用いて軸傾斜量を調整する場合は、軸傾斜量に対する回転特性値曲線を求め、許容回転特性値以下になる軸傾斜量領域の中央値に調整を行うことを特徴としている。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0035】
<実施例1>
駆動ギヤと従動ギヤ間の回転特性(一歯かみ合い周期の回転ムラ:1ピッチムラ)を良くするために、組付け調整用のエンコーダセンシング部を従動軸上に設け、この出力を見ながら、駆動ギヤ歯中心軸と従動ギヤ歯中心軸の相対的な軸傾斜量を調整する。図1は、本発明の駆動伝達装置の一構成例を示す図である。駆動軸9に動力を与えるモータをギヤベース部A5にネジ1で固定し、このギヤベース部A5を図示しない本体にネジ2で締結する。このネジは傾斜量を調整した後に固定するのでギヤベース部A5には長穴加工されている。駆動ギヤ8に対応する従動ギヤ11は、軸受けユニット7で回転自在に支持された従動軸10に締結されている。この軸受けユニット7はギヤベース部B6にネジ3で固定され、ギヤベース部B6は図示しない本体にネジ4で固定されている。図2は、実施例1の軸傾斜組付の構成を示す図である。図1の構成で、図2に示すように従動軸10上に調整組付用カップリングを介してエンコーダ12を取り付け、このエンコーダ12の出力である回転特性をモニタリングしながらギヤベース部A5を回転させ軸傾斜させる。
【0036】
そして、回転特性が許容値以下となるポイントでギヤベース部A5を本体と締結固定する。図3は、従動ギヤ11(はすばギヤ)に関して、形状精度の良い高精度ギヤと歯筋誤差(ねじれ角誤差)のあるギヤで、軸を傾斜させたときの実験結果を示す図である。高精度なはすばギヤ(従動ギヤ)は、ねじれ角が駆動ギヤと一致するので軸傾斜角度が0の点が最小値となっているが、歯筋誤差のあるギヤ(従動ギヤ)では、そのねじれ角の誤差を打ち消す方向に傾けたポイントである−0.004rad付近が最小値となる。このように、ギヤ歯の形状誤差を打ち消す方向に傾けたり、また、軸受け隙間での傾斜分や、軸受けユニット部7やギヤベース部等の形状誤差に対応して打ち消す方向に傾斜させて組立調整することで、歯面同士の噛合いを滑らかに行うことができる。図4は、受動軸側の構成を示す側面図である。
【0037】
<実施例2>
図5は、実施例2の平面度変化による軸傾斜を行う場合の構成を示す図である。軸傾斜量の調整を簡単に行うため、実施例1でのギヤベース部A5とギヤベース部B6を同一の部材:ギヤベース部C14(例えば板金)とし、モータ部16をネジ1で、従動側軸受けユニット部7をネジ2で固定する。そして本体側にネジ3で固定し、調整ネジ4でギヤベース部を弾性変形させる。図5の場合はあらかじめギヤベース部C14に傾きを与えておき、それを小さくする方向に調整ネジ4で変形させる。例えば、M3細目ネジで、調整スパンLを100mmとした場合、ネジ1回転で0.0035radの軸傾斜を変化させることができ、簡単に調整を行うことができる。
【0038】
図5では、分かりやすくするために、ギヤベース部C14の変形を大きく表示したが、実際は、調整する領域に合わせて設定する(軸傾斜の調整を0.01radの範囲で行うときはL=100mmで、δ=1mm)。また、ギヤベース部C14に傾きを与えなくても、本体支持棒15の長さを調整して所定の隙間δを設けることでも軸傾斜の調整を行うことができる。このように、ギヤ歯の形状誤差を打ち消す方向に傾けたり、また、軸受け隙間での傾斜分や、軸受けユニット部7やギヤベース部等の形状誤差に対応して打ち消す方向に傾斜させて組立調整することで、歯面同士の噛合いを滑らかに行うことができる。
【0039】
<実施例3>
図6は、実施例3の直角度変化による軸傾斜を行う場合の構成を示す図である。軸傾斜量の調整を行うために、軸受けユニット部7に凸部の弾性変形部17を設ける。そして、回転特性をモニタリングしながら、調整ネジ4を用いて軸受けユニット7とギヤべース部間を弾性変形させ、軸受けユニット7を傾斜させる。それによって従動軸10が駆動軸9に対して軸傾斜し、調整組み付けする。弾性変形部17は、軸受けユニット7の形状で凸部として構成してもよいし、別部品(汎用の弾性部品:弾性ワッシャー、ゴムリング等)として組み込んで調整してもよい。このように、ギヤ歯の形状誤差を打ち消す方向に傾けたり、また、軸受け隙間での傾斜分や、軸受けユニット部7やギヤベース部等の形状誤差に対応して打ち消す方向に傾斜させて組立調整することで、歯面同士の噛合いを滑らかに行うことができる。
【0040】
<実施例4>
図7は、実施例4の直角度変化による軸傾斜を行う場合の構成を示す図である。軸傾斜の調整を行うために、固定軸18の根元部を弾性変形させて傾斜させる。ギヤベース部上にある固定軸にはアイドラギヤ19が装着されており、図示しない駆動ギヤ8からの駆動トルクを従動ギヤ11に伝達する。このアイドラギヤ19の軸傾斜を調整するために、固定軸18根元には、応力を集中させる切り込み部があり、他の径部よりも細くなっている。固定軸18の先端側を調整ネジで押したり引っ張ったりすることで、切り込み部を中心とした軸傾斜となる。このように、ギヤ歯の形状誤差を打ち消す方向に傾けたり、また、軸受け隙間での傾斜分や、軸受けユニット部7やギヤベース部等の形状誤差に対応して打ち消す方向に傾斜させて組立調整することで、歯面同士の噛合いを滑らかに行うことができる。
【0041】
<実施例5>
図8は、実施例5のギヤ歯部による軸傾斜を行う場合の構成を示す図である。軸傾斜の調整を行うために、従動ギヤ11のフランジ部を弾性変形させ、歯面に傾斜を与える。従動ギヤ部11には、フランジ抑え板23とそれを固定する調整用ナット22がつけられている。調整用ナット22を締め付けていくとフランジ抑え板23が従動ギヤ11のフランジ部に力を与え弾性変形させて撓ませる。フランジ部が撓むとその先端側にあるギヤ歯は傾斜する。ギヤ歯が傾斜することで、ギヤ歯から見た中心軸と従動軸10中心は平行でなくなり、軸傾斜したことになる。このように、ギヤ歯の形状誤差を打ち消す方向に傾けたり、また、軸受け隙間での傾斜分や、軸受けユニット部7やギヤベース部C14等の形状誤差に対応して打ち消す方向に傾斜させて組立調整することで、歯面同士の噛合いを滑らかに行うことができる。
【0042】
<実施例6>
図9は、実施例6の平面度を変化させる方法の場合の構成を示す図である。ギヤベース部C14に取付けられた駆動部のモータ16と駆動ギヤ8及び軸受けユニット部7と従動ギヤ11の軸傾斜は、ネジ3を固定点とし、駆動軸9と従動軸10の間にある調整用ネジ4によって、双方の軸が傾斜する。双方が異なる方向に傾斜をするので少しの調整量で相対的に大きな傾斜角が変化することになる。
【0043】
<実施例7>
図10は、実施例7の駆動側のみを傾斜する方法の場合の構成を示す図である。ギヤベース部C14を曲げて軸傾斜を調整する場合で、従動軸10側は変形しないように駆動軸9側のみの傾斜で調整を行う。その際、駆動軸9側の傾斜の影響が、従動軸10側に来ないように強度を高めたり、穴などの切り欠き部を設ける。図10の場合は、ギヤベース板C14に段差を設け、ネジ3で本体側に本体支持棒15を介してギヤベース板を固定した例を示す。これにより、曲げの弾性変形は、駆動側のみに発生する。従動側に他の部品が装着され傾けられない場合や、従動軸10に作業するローラ等がカップリングを介さずに直結されている場合に有効な方法である。
【0044】
<実施例8>
図11は、実施例8の平面度を変化させる方法の場合の構成を示す図であり、図12は、実施例8の伸縮調整部財の一構成例を示す図である。駆動軸9と従動軸10の先端側に調整用のネジを用いた伸縮調整部材を設け、ここを伸縮させることで、駆動ギヤ8と従動ギヤ11に傾斜角を与える。図11の例では、双方回転軸であるので、軸受けを介して調整用部材が組付く形になる。調整ネジの回転方向が軸と直交する方向となるので、複数のギヤが重なっているレイアウトにおいても調整が可能となる。
【0045】
<実施例9>
図13は、実施例9の回転ムラが非対称となる場合を示す図である。軸傾斜量に対する回転ムラは、傾斜の方向によって対称な形になるとは限らない。図13のように非対称となる場合、調整狙い傾斜量を回転ムラの最小値であるAとするよりも、回転ムラの許容値以下となる傾斜許容幅θLの中央値Bとした方が、傾斜量のマージンが広く(θB>θA)なり、経時変化によるギヤ歯の磨耗などにも強くなる。
【0046】
<実施例10>
実施例10では、従動軸に画像形成用の回転体がカップリングを介して装着されている。図14は、画像形成装置の内部構造を概略的に示す縦断正面図である。図10は、画像形成装置14の一側に給紙カセット38が着脱自在に装着され、本体他側には排紙口31が設けられている。給紙カセット28から排紙口31に至る用紙搬送路の上方には感光体29が回転自在に設けられて、その周囲にはそれぞれプロセスユニットとしての露光器25、帯電体26、現像器30が配列されている。さらに感光体29の外周には転写器35と、除電器37と、クリーニング器38とが配列されている。さらに用紙搬送路に沿って上流から下流にむけて、給紙ローラ37と、レジストローラ36と、ヒートローラ34とプレスローラ39を有する定着器33と、排紙ローラ32とが配列されている。このような構成で、帯電器26によって感光体29表面を帯電させ、その部分に露光器25からのレーザー光を走査することで静電潜像を形成する。その後、感光体ドラム29の回転により、静電画像は現像器30によってトナー画像として現像される。一方では、給紙カセット38内の用紙が給紙ローラ37によってレジストローラまで引き出され、感光体ドラム29の回転運動に同期回転するレジストローラによって用紙は感光体ドラム29下部に給紙される。感光体29上のトナー画像は転写器35によって用紙に転写され、その用紙が定着器33を通るときに用紙上の転写画像が定着される。その後、定着後の用紙は排紙ローラ32によって、装置排紙口より排出される。このような製品では感光体ドラム軸の一定速度特性が画像品質に直接影響を与えるものであり、モータトルクをギヤを介して感光体ドラム軸に伝え駆動している場合、ギヤ噛合いによるトルク振動の低減は重要である。
【0047】
そこで、像担持体を回転させる従動ギヤ歯中心軸とそれを駆動する駆動ギヤ歯中心軸の相対的な軸傾斜量を調整し、回転特性が許容値以下となる点で組立てる。これによって、歯の形状誤差(ねじれ角誤差)や軸受隙間の傾斜、軸もしくは軸受けの取り付け誤差やギヤベース部の曲がり、ゆがみに起因して歯面同士の噛合い接触面の不具合から発生する1ピッチ回転ムラを、調整によって小さくできる。この結果、滑らかな回転伝達となり、ギヤの噛合い振動を小さくすることができ、高画質を出力できる。特にギヤの噛合い周波数は、濃度ムラであるバンディングとして人間の目にとって目立つ周波数帯である。この周波数の振動を抑えることで、画質向上が可能となる。振動を抑えるために必要とされていたフライホイールが不要となり、大きなモータを必要とせず、省エネ駆動ができる。また、小型のモータで間に合うので駆動機構部の省スペース化が図られ、製品の小型化にも貢献する。
【0048】
ここまで、感光体ドラム29に適用した場合について説明したが、同様に感光体ベルトを駆動する駆動ローラの伝達機構部に適用できることは言うまでも無い。
【0049】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、モータ等の駆動源に連結された駆動軸と、作業を行う従動軸と、従動軸に駆動軸のトルクを伝達する伝達機構部としてのギヤを有する駆動伝達装置であって、従動軸上の1歯かみあい周期の回転ムラ(1ピッチムラ)をセンシングし、これが許容値以下となるように駆動ギヤ歯中心軸と従動ギヤ歯中心軸の相対的な軸傾斜量を調整することで、駆動ギヤと従動ギヤの歯筋の噛合いが良好となり、滑らかな動力伝達が行われる。その結果、従動軸のかみあい振動(1ピッチ振動)低減化が図られ、かつ、軸受け隙間やプラスチックギヤの変形だけでなく、ギヤ軸受けを支えるギヤベース部の寸法バラツキ、成形ギヤ歯部の形状誤差も含めて統合的な調整(補正)でき、高精度な部品を使用しなくともよく、低コストな駆動伝達装置を提供することができる。
【0050】
軸傾斜量の調整に関して、駆動軸と従動軸を支持するギヤベース部(板金部品、モールド部品)の平面度を、ネジを用いた調整機構によってギヤベース部を弾性変形させて、調整することで、調整用の機構を追加することなく、既存の部品(ギヤベース部)を利用して、軸傾斜量の調整が可能となる。また、調整ネジの位置やネジピッチによって、調整する傾斜量を自由に設定できる。その結果、ギヤ歯の形状誤差を打ち消す方向に傾けたり、また、軸受け隙間での傾斜分や、軸受けユニット部やギヤベース部等の形状誤差に対応して打ち消す方向に傾斜させた組立調整ができ、歯面同士の噛合いを滑らかに行うことができる。また、傾斜角度調整が単純な構成で簡単に調整作業でき、部品コスト、組立コストに有利な駆動伝達装置を提供することができる。。
【0051】
また、本発明によれば、軸傾斜量の調整に関して、回転軸を支持する軸受けユニット部とギヤベース部の直角度を、ネジを用いた調整機構によって軸受けユニット部を弾性変形させて、調整することで、調整用の機構を追加することなく、既存の部品(軸受けユニット部)の利用や汎用部品(弾性ワッシャー、ゴムリング)の付加で、軸傾斜量の調整が可能となる。その結果、ギヤ歯の形状誤差を打ち消す方向に傾けたり、また、軸受け隙間での傾斜分や、軸受けユニット部やギヤベース部等の形状誤差に対応して打ち消す方向に傾斜させた組立調整ができ、歯面同士の噛合いを滑らかに行うことができる。また、傾斜角度調整が単純な構成で簡単に調整作業でき、部品コスト、組立コストに有利な駆動伝達装置を提供することができる。
【0052】
また、本発明によれば、軸傾斜量の調整に関して、ギヤを支える固定軸とギヤベース部の直角度を、ネジを用いた調整機構によって固定軸を弾性変形させて、調整することで、ギヤベース部に影響を与えることなく軸傾斜量の調整が可能となる。また、軸端部を調整機構で支持する形になり、固定軸は両持ち梁となる。その結果、ギヤ歯の形状誤差を打ち消す方向に傾けたり、また、軸受け隙間での傾斜分や、軸受けユニット部やギヤベース部等の形状誤差に対応して打ち消す方向に傾斜させた組立調整ができ、歯面同士の噛合いを滑らかに行うことができる。また、固定軸が両持ち梁となり、高剛性になる。傾斜角度調整が単純な構成で簡単に調整作業でき、部品コスト、組立コストに有利な駆動伝達装置を提供することができる。
【0053】
また、本発明によれば、軸傾斜量の調整に関して、従動ギヤの歯部と軸心部の平行度を、ネジを用いた調整機構によってフランジ部(ボス部とギヤ歯部の間の部分)を弾性変形させて、調整することで、ギヤベース部に影響を与えることなく軸傾斜量の調整が可能となる。その結果、ギヤ歯の形状誤差を打ち消す方向に傾けたり、また、軸受け隙間での傾斜分や、軸受けユニット部やギヤベース部等の形状誤差に対応して打ち消す方向に傾斜させた組立調整ができ、歯面同士の噛合いを滑らかに行うことができる。また傾斜角度調整が単純な構成で簡単に調整作業でき、部品コスト、組立コストに有利な駆動伝達装置を提供することができる。
【0054】
また、本発明によれば、ギヤベース部の平面度を調整するネジを駆動軸と従動軸の間に設けてあることで、調整用ねじによって駆動軸と従動軸の双方が異なる方向に傾斜し相対的な軸傾斜量は大きくできる。その結果、調整ねじの回転量を少なくできるので、調整作業の効率が向上する。
【0055】
また、本発明によれば、駆動軸(モータ軸)が取り付くギヤベース部のみを弾性変形させることことで、駆動軸側のみの軸傾斜となり、従動軸側は変化しないようにできる。その結果、従動側に他の部品が装着され傾けられない場合や、従動軸に作業するローラ等がカップリングを介さずに直結されている場合に有効である。
【0056】
また、本発明によれば、駆動軸と従動軸の端部にネジを利用した伸縮調整部材を設け、この伸縮で駆動ギヤ歯中心軸と従動ギヤ歯中心軸の相対的な軸傾斜量を調整することで、調整ネジの回転方向が軸と直交する方向とすることができる。その結果、複数のギヤなど、部品が重なっているレイアウトにおいても調整が可能となる。
【0057】
また、本発明によれば、駆動ギヤ歯中心軸と従動ギヤ歯中心軸の相対的な軸傾斜量を調整する際に、軸傾斜量に対する回転特性値(回転ムラ)曲線を求め、許容回転特性値以下になる軸傾斜量領域の中央値に調整を行うことで、許容回転ムラに対する傾斜量のマージンを広くすることができる。その結果、駆動軸と従動軸の相対的な軸傾斜量の調整で、経時的にギヤ歯が磨耗し、ねじれ角が変わり、歯部から見た軸が変化(傾斜)した場合でも、許容公差領域が拡大しているので安定した回転が得られる。
【0058】
また、本発明によれば、表面に静電潜像を形成し周方向に回転移動する像担持体と、像担持体上の静電潜像を顕像化する現像手段と、顕像化されるトナー像を記録材に転写する転写手段と、転写される記録材上のトナー像を固定する定着手段とを有する画像形成装置であって、像担持体を回転させる従動ギヤ歯中心軸とそれを駆動する駆動ギヤ歯中心軸の相対的な軸傾斜量を調整することで、駆動ギヤと従動ギヤの歯筋の噛合いが良好となり、滑らかな動力伝達が行われ、1ピッチムラが小さくなる。そして従動軸に連結された画像形成用の回転体(感光体ドラム、ベルト用ローラ)は一定速度で動作させることができる。その結果、人の目で目立つ帯域の濃度ムラを軽減でき、画質向上が図られるとともに、必要以上にギヤ形状精度の向上を図る必要がなくなり、フライホイール不要の省エネ製品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の駆動伝達装置の一構成例を示す図である。
【図2】実施例1の軸傾斜組付の場合の構成を示す図である。
【図3】従動ギヤ11に関して、形状精度の良い高精度ギヤと歯筋誤差のあるギヤで、軸を傾斜させたときの実験結果を示す図である。
【図4】受動軸側の構成を示す側面図である。
【図5】実施例2の平面度変化による軸傾斜を行う場合の構成を示す図である。
【図6】実施例3の直角度変化による軸傾斜を行う場合の構成を示す図である。
【図7】実施例4の直角度変化による軸傾斜を行う場合の構成を示す図である。
【図8】実施例5のギヤ歯部による軸傾斜を行う場合の構成を示す図である。
【図9】実施例6の平面度を変化させる方法の場合の構成を示す図である。
【図10】実施例7の駆動側のみを傾斜する方法の場合の構成を示す図である。
【図11】実施例8の平面度を変化させる方法の場合の構成を示す図である。
【図12】実施例8の伸縮調整部財の一構成例を示す図である。
【図13】実施例9の回転ムラが非対称となる場合を示す図である。
【図14】画像形成装置の内部構造を概略的に示す縦断正面図である。
【符号の説明】
1、2、3、4 ネジ
5、6、14 ギヤベース部
7 軸受けユニット部
8 駆動ギア
9 駆動軸
10 従動軸
11 従動ギア
12 エンコーダ
13 調整組付用カップリング
15 本体指示棒
16 モータ
17 弾性変形部
18 固定軸
19 アイドラギヤ
21 フランジ部
23 フランジ抑え版
24 画像形成装置
Claims (18)
- 駆動源に連結された駆動軸と、
作業を行う従動軸と、
前記従動軸に前記駆動軸のトルクを伝達する伝達機構部とを有する駆動伝達装置において、
前記従動軸上の1歯かみあい周期の回転ムラをセンシングする手段と、
駆動ギヤ歯中心軸と従動ギヤ歯中心軸との相対的な軸傾斜量を調整する軸傾斜量調整手段とを有することを特徴とする駆動伝達装置。 - 前記軸傾斜量調整手段は、前記駆動軸と前記従動軸とを支持するギヤベース部の平面度を、ネジを用いた調整機構によって前記ギヤベース部を弾性変形させて調整する手段を有することを特徴とする請求項1記載の駆動伝達装置。
- 前記軸傾斜量調整手段は、回転軸を支持する軸受けユニット部とギヤベース部との直角度を、ネジを用いた調整機構によって前記軸受けユニット部を弾性変形させて調整する手段を有することを特徴とする請求項1記載の駆動伝達装置。
- 前記軸傾斜量調整手段は、ギヤを支える固定軸とギヤベース部との直角度を、ネジを用いた調整機構によって固定軸を弾性変形させて調整する手段を有することを特徴とする請求項1記載の駆動伝達装置。
- 前記軸傾斜量調整手段は、従動ギヤの歯部と軸心部の平行度を、ネジを用いた調整機構によってフランジ部を弾性変形させて調整する手段を有することを特徴とする請求項1記載の駆動伝達装置。
- ギヤベース部の平面度を調整するネジは、駆動軸と従動軸との間に有することを特徴とする請求項2記載の駆動伝達装置。
- 駆動軸が取り付くギヤベース部のみを弾性変形させることを特徴とする請求項2記載の駆動伝達装置。
- 駆動軸と従動軸の端部にネジを利用した伸縮調整部材を有し、
前記伸縮調整部財の伸縮によって駆動ギヤ歯中心軸と従動ギヤ歯中心軸との相対的な軸傾斜量を調整する手段を有することを特徴とする請求項3または4記載の駆動伝達装置。 - 前記軸傾斜量調整手段を用いて軸傾斜量を調整する場合は、軸傾斜量に対する回転特性値曲線を求め、許容回転特性値以下になる軸傾斜量領域の中央値に調整を行うことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の駆動伝達装置。
- 表面に静電潜像を形成し周方向に回転移動する像担持体と、
前記像担持体上の静電潜像を顕像化する現像手段と、
顕像化されるトナー像を記録材に転写する転写手段と、
転写される記録材上のトナー像を固定する定着手段とを有する画像形成装置において、
駆動源に連結された駆動軸と、
作業を行う従動軸と、
前記従動軸に前記駆動軸のトルクを伝達する伝達機構部とを有し、
前記従動軸上の1歯かみあい周期の回転ムラをセンシングする手段を有し、
像担持体を回転させる従動ギヤ歯中心軸と駆動する駆動ギヤ歯中心軸との相対的な軸傾斜量を調整する傾斜調整手段を有することを特徴とする画像形成装置。 - 前記軸傾斜量調整手段は、駆動軸と従動軸とを支持するギヤベース部の平面度を、ネジを用いた調整機構によってギヤベース部を弾性変形させて調整する手段を有することを特徴とする請求項10記載の画像形成装置。
- 前記軸傾斜量調整手段は、回転軸を支持する軸受けユニット部とギヤベース部との直角度を、ネジを用いた調整機構によって軸受けユニット部を弾性変形させて調整する手段を有することを特徴とする請求項10記載の画像形成装置。
- 前記軸傾斜量調整手段は、ギヤを支える固定軸とギヤベース部との直角度を、ネジを用いた調整機構によって固定軸を弾性変形させて調整する手段を有することを特徴とする請求項10記載の画像形成装置。
- 前記軸傾斜量調整手段は、従動ギヤの歯部と軸心部の平行度を、ネジを用いた調整機構によってフランジ部を弾性変形させて調整する手段を有することを特徴とする請求項10記載の画像形成装置。
- 前記ギヤベース部の平面度を調整するネジは、前記駆動軸と前記従動軸との間に有することを特徴とする請求項11記載の画像形成装置。
- 前記駆動軸が取り付くギヤベース部のみを弾性変形させることを特徴とする請求項11記載の画像形成装置。
- 前記駆動軸と前記従動軸との端部にネジを利用した伸縮調整部材を有し、
前記伸縮調整部財の伸縮で駆動ギヤ歯中心軸と従動ギヤ歯中心軸との相対的な軸傾斜量を調整することを特徴とする請求項12または13記載の画像形成装置。 - 前記軸傾斜量調整手段を用いて軸傾斜量を調整する場合は、軸傾斜量に対する回転特性値曲線を求め、許容回転特性値以下になる軸傾斜量領域の中央値に調整を行うことを特徴とする請求項10から17のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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JP2002327455A JP2004162759A (ja) | 2002-11-11 | 2002-11-11 | 駆動伝達装置および画像形成装置 |
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JP2002327455A JP2004162759A (ja) | 2002-11-11 | 2002-11-11 | 駆動伝達装置および画像形成装置 |
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JP2006009971A (ja) * | 2004-06-25 | 2006-01-12 | Kyocera Mita Corp | はす歯歯車を用いた動力伝達装置と該動力伝達装置を備えた画像形成装置 |
JP2015141250A (ja) * | 2014-01-27 | 2015-08-03 | 株式会社リコー | ローラ装置、作像装置、プロセスカートリッジ、画像形成装置 |
-
2002
- 2002-11-11 JP JP2002327455A patent/JP2004162759A/ja not_active Withdrawn
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