JP6913616B2 - ギヤ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ギヤ装置に関する。
特許文献1には、エンジンのカムシャフトの端部にドリブンギヤとして組み付けられるシザーズギヤが開示されている。シザーズギヤは、メインギヤ、サブギヤ、一対のノックピン、およびトーションスプリングを備えている。メインギヤは、回転軸に固定されている。サブギヤは、メインギヤに対して相対回動自在に回転軸に嵌合している。一対のノックピンは、メインギヤ及びサブギヤに対してそれぞれの合わせ面である背面側にそれぞれ固定されている。シザーズギヤは、トーションスプリングの弾発力によりメインギヤとサブギヤとを相対回動させてドライブギヤ(相手側ギヤ)を挟み込むことによって、回転方向においてドライブギヤの歯面との間に隙間が生じるバックラッシを除去している。
実用新案登録第2568936号公報
特許文献1のシザーズギヤは、ドライブギヤの歯面との間におけるバックラッシを除去することによって、ドライブギヤの歯面とシザーズギヤの歯面が衝突することによって生じる歯打ち音の発生を抑制している。しかしながら、特許文献1のシザーズギヤは、シザーズギヤの歯面とドライブギヤの歯面とが接触することで生じる噛合い音が顕著になる高回転時においても、メインギヤの歯面とサブギヤの歯面とによってドライブギヤの歯面を挟み込む状態となっている。そのため、ドライブギヤとシザーズギヤとの間において摩擦力が大きくなり、噛合い音が発生し易くなってしまう。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、相手側ギヤとの間における歯打ち音および噛合い音の発生を抑制し得るギヤ装置を提供することを目的とする。
本発明のギヤ装置は、相手側ギヤに噛合する第1ギヤと、前記相手側ギヤに噛合し、前記第1ギヤに対して軸方向に並列して相対回転可能な第2ギヤと、前記第1ギヤ及び前記第2ギヤを周方向で互いに反対方向に付勢する付勢部材と、前記付勢部材を付勢力に抗する方向に押圧可能な調整部材と、を備えることを特徴とする。
前記調整部材は、油圧によって前記付勢部材を付勢力に抗する方向に押圧するリンク部材であり、前記リンク部材は、油圧に基づいて押圧される受圧部と、前記第1ギヤに支持される支持部と、前記受圧部が油圧に基づいて押圧されることで前記支持部の回りに揺動して前記付勢部材を付勢力に抗する方向に押圧する作用部と、を有する。
相手側ギヤに噛合する第1ギヤに対して、第2ギヤを回転方向とは反対方向に付勢部材によって付勢することで、第1ギヤと第2ギヤによって相手側ギヤを挟み込むことができる。これにより、第1ギヤおよび第2ギヤと相手側ギヤとの間におけるバックラッシの発生が抑制されるため、第1ギヤおよび第2ギヤと相手側ギヤとの間における歯打ち音の発生を抑制することができる。その上で、例えば第1ギヤおよび第2ギヤと相手側ギヤとの間における噛合い音の発生が顕著になる第1ギヤの高回転時において、調整部材が付勢部材を付勢力に抗する方向に押圧することで、付勢部材による第2ギヤへの相手側ギヤに向けた付勢を弱めることができる。そのため、第2ギヤを第1ギヤに対して回転方向に相対回転させ、第2ギヤと相手側ギヤとの間における摩擦力を小さくして、例えばバックラッシを生じさせることができ、第1ギヤおよび第2ギヤと相手側ギヤとの間における噛合い音の発生を抑制させることができる。
リンク部材の受圧部、支持部、及び作用部を、それぞれ力点、支点、及び作用点とし、てこの原理を利用して付勢部材を付勢力に抗する方向に押圧することができる。
本発明の実施例1の内燃機関の一部を示す図である。 ドリブンギヤを示す斜視図である。 ドリブンギヤを示す軸直交方向の断面図である。 図3のA−A断面を示す断面図である。 ドリブンギヤの低回転時における、ドライブギヤとの噛合い部分を説明する軸方向から説明図である。 ドリブンギヤの高回転時における、ドライブギヤとの噛合い部分を説明する軸方向から説明図である。
本発明の好ましい形態を以下に示す。
前記調整部材は、油圧によって前記付勢部材を付勢力に抗する方向に押圧するとよい。これにより、ギヤ装置の高回転時に、例えば第1ギヤおよび第2ギヤの潤滑に用いる作動油を利用して、付勢部材を付勢力に抗する方向に押圧することができ、付勢部材を押圧する機構等を別途設ける必要がなく、構成を簡素化することができる。
前記リンク部材は、前記受圧部と前記支持部の距離が、前記支持部と前記作用部との距離よりも大きいとよい。これにより、受圧部に加えられる力に対してより大きな力で付勢部材を作用部によって押圧することができる。
前記軸方向に直交する方向に切断した断面において、前記付勢部材と前記リンク部材が周方向に並んで配置されているとよい。これにより、付勢部材とリンク部材が回転軸の軸方向に重ならないため、回転軸の軸方向のコンパクト化を図ることができる。
<実施例1>
実施例1の内燃機関は、図1に示すように、クランクシャフト20、ドライブギヤ21(相手側ギヤ)、及びバランサ装置10を備えている。ドライブギヤ21は、クランクシャフト20に固定して設けられている。バランサ装置10は、第1バランスシャフト30(回転軸)、第2バランスシャフト40、ドリブンギヤ50(ギヤ装置)、第1従動ギヤ31、及び第2従動ギヤ41を備えている。第1バランスシャフト30及び第2バランスシャフト40は、クランクシャフト20にその軸方向に平行に配置されている。ドリブンギヤ50は、第1バランスシャフト30に固定して設けられ、ドライブギヤ21と噛合可能になっている。第1従動ギヤ31は、第1バランスシャフト30に固定して設けられている。第2従動ギヤ41は、第2バランスシャフト40に固定して設けられ、第1従動ギヤ31と噛合可能になっている。
実施例1の内燃機関は、図1に示すように、例えば、直列4気筒のレシプロエンジンであって、外側に位置する2つのピストン25が上死点に位置するとき、内側に位置する2つのピストン25が下死点に位置するように動作する。各ピストン25は、クランクシャフト20のクランクアーム23にコンロッド24を介して連結されている。クランクアーム23には、コンロッド24の連結側と反対側に、カウンターウェイト26が設けられている。ドライブギヤ21は、クランクシャフト20において、最も外側に位置するピストン25とその内側に位置するピストン25との間に配置されている。
第1バランスシャフト30と第2バランスシャフト40とは、図1に示すように、クランクケース側の一対の壁27に回動可能に支持されている。ドリブンギヤ50は、第1バランスシャフト30において、ドライブギヤ21と対応する端部寄りの位置に配置されている。また、第1従動ギヤ31は、第1バランスシャフト30において、ドリブンギヤ50よりもさらに端部側にこのドリブンギヤ50に離間して配置されている。ドリブンギヤ50の歯数は、ドライブギヤ21の歯数の半分に設定され、第1従動ギヤ31の歯数は、第2従動ギヤ41の歯数と同数に設定されている。ドライブギヤ21、ドリブンギヤ50、第1従動ギヤ31、及び第2従動ギヤ41は、金属製である。また、各ギヤ21、31、41は、いずれもヘリカルギヤからなる。
第1バランスシャフト30及び第2バランスシャフト40には、図1に示すように、それぞれ、第1従動ギヤ31及び第2従動ギヤ41が配置される側とは反対側の端部寄りの位置に、第1バランスウェイト32及び第2バランスウェイト42が設けられている。第1バランスウェイト32及び第2バランスウェイト42は、それぞれ、第1バランスシャフト30及び第2バランスシャフト40の軸心(回転中心)に対して偏心した重心を有している。
ピストン25の往復運動に連動してクランクシャフト20が回転すると、ドライブギヤ21及びドリブンギヤ50を介して、クランクシャフト20の回転力が第1バランスシャフト30に伝達される。第1バランスシャフト30に伝達された回転力は、第1従動ギヤ31及び第2従動ギヤ41を介して、第2バランスシャフト40に伝達される。第1バランスシャフト30と第2バランスシャフト40とは、いずれもクランクシャフト20の2倍の速度で回転し、相互間では、互いに反対方向に同一速度で回転する。このため、往復運動するピストン25の二次慣性力が打ち消され、第1バランスシャフト30と第2バランスシャフト40の相互間に発生する振動も相殺されるようになっている。
次に、ドリブンギヤ50の詳細構造について説明する。
ドリブンギヤ50は、図2〜図4に示すように、メインギヤ(第1ギヤ)60、サブギヤ(第2ギヤ)70、トーションスプリング74、リンクアーム(調整部材、リンク部材)80、及びコマ90を備えている。メインギヤ60は、ヘリカルギヤとして構成されている。メインギヤ60は、本体部61、及び複数のメイン歯部62を備えている。本体部61は、中心に貫通穴61Aを有する略円板状である。本体部61は、一方面(サブギヤ70との合わせ面である背面)において周方向に沿った円弧状の凹部63が形成されている。本体部61は、凹部63が形成される円周上において、板厚方向に延出する仕切部65が形成されている。本体部61は、凹部63を構成する側壁の一部(仕切部65に隣接する部分)において、凹部63と略同じ幅で径方向内側に切り欠かれた切欠部66が形成されている。本体部61は、一方面において板厚方向に円筒状に突出する円筒部64が形成されている。円筒部64は、径方向に貫通する貫通孔67が形成されている。複数のメイン歯部62は、本体部61の外周面全体において等間隔に形成されている。メイン歯部62は、歯すじがつるまき線状のハス歯形状である。
サブギヤ70は、図2〜図4に示すように、ヘリカルギヤとして構成されている。サブギヤ70は、本体部71、及び複数のサブ歯部72を備えている。本体部71は、中心に貫通穴71Aを有する円板状である。本体部71は、一方面(メインギヤ60との合わせ面である背面)から略直方体状に突出する突起部73が形成されている。複数のサブ歯部72は、本体部71の円環状の外周面全体に形成されている。サブ歯部72は、歯すじがつるまき線状のハス歯形状である。
トーションスプリング74は、メインギヤ60及びサブギヤ70を周方向で互いに反対方向に付勢するように機能する。トーションスプリング74は、図3、図4に示すように、半円弧板状であり、弾性力の高い材料によって形成されている。トーションスプリング74は、各端部75,76が丸みを帯びている。
リンクアーム80は、後述する作動油の油圧に基づいて、トーションスプリング74をその付勢力に抗する方向に押圧可能に構成されている。リンクアーム80は、図3に示すように、略円弧形状である。リンクアーム80は、本体部81、受圧部82、端片部83、作用部84、及びピン(支持部)86を備えている。本体部81は、断面が四角形である円弧形状である。受圧部82は、後述するコマ90によって押圧される部分である。受圧部82は、本体部81の一端において径方向内側に突出する半球状部分である。端片部83は、本体部81の他端に連続して周方向に延びる部分であり、本体部81よりも径方向外側に肉厚になっている。作用部84は、受圧部82が押圧されることで、後述するピン86の回りに揺動して、トーションスプリング74をその付勢力に抗する方向に押圧するように作用する。作用部84は、端片部83の端部(本体部81側とは反対側の端部)として構成され、丸みを帯びた面を有している。端片部83は、径方向及び円周方向と直交する方向に沿ってピン86が嵌め込まれる嵌合部85が形成されている。
リンクアーム80は、受圧部82とピン86の距離が、ピン86と作用部84の距離よりも大きくなっている。これにより、受圧部82、ピン86、及び作用部84を、それぞれ力点、支点、及び作用点とし、てこの原理を利用して、受圧部82に加えられる力に対してより大きな力でトーションスプリング74を作用部84によって押圧することができる。
コマ90は、後述する作動油の油圧を受けて、リンクアーム80の受圧部82を押圧するように機能する。コマ90は、図3、図4に示すように、直方体に近い円弧形状である。コマ90は、一端側において径方向外側に突出する半球状の押圧部91が形成されている。押圧部91は、後述するように、受圧部82を押圧する部分である。
次に、ドリブンギヤ50の組み立てについて説明する。
リンクアーム80は、図3、図4に示すように、凹部63の一部(図4では右側部分)と仕切部65とによって囲まれたリンクアーム収容空間に収容されている。リンクアーム80は、嵌合部85に嵌め込まれたピン86が凹部63の底壁部分に回転可能に軸支され、凹部63内においてメインギヤ60に対してピン86を中心として揺動する。コマ90は、メインギヤ60の切欠部66内に摺動可能に収容されている。押圧部91は、受圧部82に径方向(メインギヤ60に固定された第1バランスシャフト30の径方向と同じ方向)で接触している。
トーションスプリング74は、図3、図4に示すように、凹部63の一部(図4では左側部分)と仕切部65とによって囲まれたトーションスプリング収容空間に収容されている。トーションスプリング74は、第1バランスシャフト30の軸方向に直交する方向に切断した断面において、リンクアーム80と周方向に並んで配置されている。トーションスプリング74の端部75は、メインギヤ60の仕切部65に接触している。サブギヤ70は、図2〜図4に示すように、メインギヤ60に対して並列して相対回転可能に組み付けられている。サブギヤ70の突起部73は、メインギヤ60の凹部63の中心部分(長手方向の真ん中部分)に入り込み、トーションスプリング74とリンクアーム80によって挟まれている。突起部73は、一方面(図3では右側面)がリンクアーム80の作用部84に接触し、他方面(図3では左側面)がトーションスプリング74の端部76に接触している。トーションスプリング74は、凹部63内において拡径する方向に弾性変形した状態となる。これにより、トーションスプリング74は、メインギヤ60及びサブギヤ70を周方向で互いに反対方向に付勢している状態となる。
図3に示す状態で、リンクアーム80がピン86を中心として回転方向(図3では反時計回り)に揺動すると、作用部84は、突起部73に対してピン86からの距離がより大きい部分で接触することになるため、突起部73を回転方向に押圧することになる。
メイン歯部62は、図3に示すように、サブ歯部72と歯筋がずれた状態となっている。なお、図2では、サブギヤ70をトーションスプリング74が拡径する方向にメインギヤ60に対して所定角度だけ相対回転させ、メイン歯部62の歯筋とサブ歯部72の歯筋とが揃った状態を示している。
メインギヤ60の円筒部64は、図2〜図4に示すように、サブギヤ70の貫通穴71Aに入り込んでいる。図4に示すように、円筒部64の外周面の一部(貫通孔67に連なる部分)と、本体部71の内周面の一部(貫通孔67に対向する部分)とによって、貫通孔67に連通する通路92が形成されている。通路92は、切欠部66に連なっている。切欠部66は、コマ90との間に後述する作動油が通路92を介して入り込む油圧室93を構成している。
以上のように組み立てられるドリブンギヤ50は、メインギヤ60が、図4に示すように、貫通穴71Aに第1バランスシャフト30が入り込むようにして、第1バランスシャフト30に固定されている。第1バランスシャフト30は、軸中心部において軸方向に延出する給油路33と、給油路33から径方向に貫通する分岐油路34と、が形成されている。分岐油路34は、メインギヤ60の貫通孔67と連通している。給油路33に供給される作動油(図示略)は、分岐油路34、及び通路92を通過して、油圧室93に入り込む。作動油は、例えば、メインギヤ60及びサブギヤ70の潤滑に用いられ、オイルコントロールバルブ(図示略)によって給油路33に供給することができる。コマ90は、切欠部66との間に、貫通孔67との連通部分を除いて、実質的に密閉空間となる油圧室93を区画するため、作動油による油圧が高い状態となる。
ドリブンギヤ50は、図1に示すように、ドライブギヤ21に噛み合わせる。具体的には、ドリブンギヤ50は、図3に示す状態から工具等を用いてサブギヤ70をトーションスプリング74が拡径する方向にメインギヤ60に対して所定角度だけ相対回動させ、図2のようにメイン歯部62の歯筋とサブ歯部72の歯筋を揃えて、ドライブギヤ21に噛み合わせる。その後、トーションスプリング74の変形状態を解除して、サブギヤ70をメインギヤ60に対して若干相対回転させて、図5に示すように、トーションスプリング74の弾性力に基づいてメイン歯部62及びサブ歯部72をドライブギヤ21のドライブ歯部22にそれぞれ圧接させる。なお、図5、図6では、説明を分かり易くするために、メインギヤ60が含まれる所定の軸直方向の断面と、サブギヤ70が含まれる所定の軸直方向の断面と、を重ねて示している。メイン歯部62の歯面62A、及びサブ歯部72の歯面72Aが、ドライブ歯部22の両歯面22A,22Aにそれぞれ圧接する。これにより、ドライブギヤ21とドリブンギヤ50との間のバックラッシがなくなる。
次に、実施例1のドリブンギヤ50の動作について説明する。
エンジン駆動前の状態においては、図5に示すように、ドリブンギヤ50は、ドライブギヤ21に対してバックラッシが生じない状態で噛み合っている。エンジン駆動後のドリブンギヤ50の低回転時(例えば、2000rpm以下の時)には、油圧室93において作動油からコマ90にかかる油圧が低く、コマ90によって受圧部82が押圧される力が小さい。そのため、リンクアーム80が回転方向(図3では反時計回り)に揺動せず、トーションスプリング74の付勢力に抗するように突起部73を回転方向に押圧することがない。これにより、トーションスプリング74の弾性力に基づいてメイン歯部62及びサブ歯部72がドライブ歯部22をそれぞれ圧接し続け、ドライブギヤ21とドリブンギヤ50との間にバックラッシが生じないままである。したがって、ドリブンギヤ50の低回転時において、メインギヤ60及びサブギヤ70とドライブギヤ21との間における歯打ち音の発生を抑制することができる。
ドリブンギヤ50の高回転時(例えば、2000rpmより大きい時)には、コマ90が作動油から受ける油圧が上昇し、コマ90による受圧部82を押圧する力が大きくなる。コマ90は、遠心力を受けるため、受圧部82を押圧する力がより大きくなる。ここで、ドリブンギヤ50が高回転になった時(例えば、2000rpmを超えた時)に、トーションスプリング74の付勢力に抗してリンクアーム80が揺動し、突起部73を回転方向に押圧して移動させるように、オイルコントロールバルブ(図示略)によって作動油の油圧を高めるように予め設定することができる。
受圧部82が径方向に押圧されることで、リンクアーム80が回転方向に揺動して、トーションスプリング74の付勢力に抗して突起部73を回転方向に押圧する(図3の2点鎖線を参照)。これにより、トーションスプリング74によるメインギヤ60及びサブギヤ70を周方向で互いに反対方向に付勢する付勢力を弱めることができる。そのため、サブギヤ70をメインギヤ60に対して回転方向に相対回転させて(図3の2点鎖線を参照)、図6に示すように、サブギヤ70とドライブギヤ21との間においてバックラッシを生じさせることができる。図6では、サブ歯部72は、歯面72Aが歯面22Aから離れることで、ドライブ歯部22から離間している。これにより、ドリブンギヤ50の高回転時に、ドライブギヤ21とドリブンギヤ50との間において、摩擦力を小さくして、噛合い音の発生を抑制することができる。
以上説明したように、実施例1によれば、ドライブギヤ21に噛合するメインギヤ60に対して、サブギヤ70を回転方向とは反対方向にトーションスプリング74によって付勢することで、メインギヤ60とサブギヤ70によってドライブギヤ21を挟み込むことができる。これにより、メインギヤ60およびサブギヤ70とドライブギヤ21との間におけるバックラッシの発生が抑制されるため、メインギヤ60およびサブギヤ70とドライブギヤ21との間における歯打ち音の発生を抑制することができる。その上で、例えばメインギヤ60およびサブギヤ70とドライブギヤ21との間における噛合い音の発生が顕著になるメインギヤ60の高回転時において、リンクアーム80がトーションスプリング74を付勢力に抗する方向に押圧することで、トーションスプリング74によるサブギヤ70へのドライブギヤ21に向けた付勢を弱めることができる。そのため、サブギヤ70をメインギヤ60に対して回転方向に相対回転させ、サブギヤ70とドライブギヤ21との間において摩擦力を小さくして、例えばバックラッシを生じさせることができ、メインギヤ60およびサブギヤ70とドライブギヤ21との間における噛合い音の発生を抑制させることができる。
一般的に、ドライブギヤとドリブンギヤとによるギヤ駆動を用いた動力伝達装置において、低回転時にはドライブギヤとドリブンギヤとの間においてバックラッシが生じて歯打ち音が顕著に生じ、高回転時にはドライブギヤとドリブンギヤとの間の摩擦力が大きくなり噛合い音が顕著に生じる。そのため、従来では、バックラッシの調整を行う工夫(シムの組み付けや、OBD(オーバーボール径)の計測に基づくギヤの選定)が行われていた。また、樹脂製のギヤを用いて異音を低減させる方法もある。しかしながら、これらの工夫では、製造コストが高くなってしまう。また、シザーズギヤを用いてバックラッシを抑制する方法があるが、歯打ち音を低減できても、バックラッシが小さいことで生じ易くなる噛合い音の低減は困難である。そこで、実施例1のドリブンギヤ50を用いることによって、製造コストを低減しつつ、ドライブギヤ21との間における歯打ち音および噛合い音の発生を抑制してノイズバイブレーション特性を向上させることができる。
また、リンクアーム80は、油圧によってトーションスプリング74を付勢力に抗する方向に押圧する。これにより、ドリブンギヤ50は、高回転時に、例えばメインギヤ60およびサブギヤ70の潤滑に用いる作動油を利用して、トーションスプリング74を付勢力に抗する方向に押圧することができ、トーションスプリング74を押圧する機構等を別途設ける必要がなく、構成を簡素化することができる。
また、リンクアーム80は、油圧によってトーションスプリング74を付勢力に抗する方向に押圧する。リンクアーム80は、油圧に基づいて押圧される受圧部82と、メインギヤ60に支持されるピン86と、受圧部82が油圧に基づいて押圧されることで支持部の回りに揺動してトーションスプリング74を付勢力に抗する方向に押圧する作用部84と、を有する。これにより、リンクアーム80の受圧部82、ピン86、及び作用部84を、それぞれ力点、支点、及び作用点とし、てこの原理を利用してトーションスプリング74を付勢力に抗する方向に押圧することができる。
また、リンクアーム80は、受圧部82とピン86の距離が、ピン86と作用部84との距離よりも大きい。これにより、受圧部82に加えられる力に対してより大きな力でトーションスプリング74を作用部84によって押圧することができる。
また、ドリブンギヤ50は、第1バランスシャフト30の軸方向に直交する方向に切断した断面において、トーションスプリング74とリンクアーム80が周方向に並んで配置されている。これにより、ドリブンギヤ50は、トーションスプリング74とリンクアーム80が第1バランスシャフト30の軸方向に重ならないため、第1バランスシャフト30の軸方向のコンパクト化を図ることができる。
<他の実施例>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような態様も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)ドリブンギヤ50の高回転時に、ドライブギヤ21とドリブンギヤ50との間にバックラッシを生じさせたが、バックラッシを生じさせず、低回転時よりも摩擦力が小さい状態で接触させ、噛合い音の発生を抑制させてもよい。
(2)各ギヤ21、31、41,60,70をヘリカルギヤとしたが、ヘリカルギヤでなく平歯車などのギヤであってもよい。
(3)メインギヤ60の分岐油路34は、通路92を介して油圧室93につながっていたが、通路92を介さず、給油路33から径方向に延びて油圧室93に直接つながってもよい。
(4)リンクアーム80が、てこの原理で揺動する構成であったが、てこの原理を用いず、リンクアームが作動油の油圧に基づいて回転方向に移動して押圧する構成であってもよい。
(5)本発明は、バランサ装置に限らず、内燃機関のその他の動力伝達装置に広く適用することが可能である。
21…ドライブギヤ(相手側ギヤ)
30…第1バランスシャフト(回転軸)
50…ドリブンギヤ(ギヤ装置)
60…メインギヤ(第1ギヤ)
70…サブギヤ(第2ギヤ)
74…トーションスプリング(付勢部材)
80…リンクアーム(調整部材、リンク部材)
82…受圧部
84…作用部
86…ピン(支持部)

Claims (3)

  1. 相手側ギヤに噛合する第1ギヤと、
    前記相手側ギヤに噛合し、前記第1ギヤに対して軸方向に並列して相対回転可能な第2ギヤと、
    前記第1ギヤ及び前記第2ギヤを周方向で互いに反対方向に付勢する付勢部材と、
    前記付勢部材を付勢力に抗する方向に押圧可能な調整部材と、
    を備え
    前記調整部材は、油圧によって前記付勢部材を付勢力に抗する方向に押圧するリンク部材であり、
    前記リンク部材は、
    油圧に基づいて押圧される受圧部と、
    前記第1ギヤに支持される支持部と、
    前記受圧部が油圧に基づいて押圧されることで前記支持部の回りに揺動して前記付勢部材を付勢力に抗する方向に押圧する作用部と、
    を有することを特徴とするギヤ装置。
  2. 前記リンク部材は、前記受圧部と前記支持部の距離が、前記支持部と前記作用部との距離よりも大きいことを特徴とする請求項1記載のギヤ装置。
  3. 前記軸方向に直交する方向に切断した断面において、前記付勢部材と前記リンク部材が周方向に並んで配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のギヤ装置。
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