以下、実施の形態について図面を参照しながら説明する。但し、実施の形態は多くの異なる態様で実施することが可能であり、趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は、以下の実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
また、図面において、大きさ、層の厚さ、又は領域は、明瞭化のために誇張されている場合がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。なお図面は、理想的な例を模式的に示したものであり、図面に示す形状又は値などに限定されない。例えば、ノイズによる信号、電圧、若しくは電流のばらつき、又は、タイミングのずれによる信号、電圧、若しくは電流のばらつきなどを含むことが可能である。また、以下に説明する実施の形態において、同一部分又は同様の機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様に係る半導体装置が有する、メモリセルの回路構成およびその動作について、図1乃至図3を参照して説明する。
〈〈メモリセルの構成例〉〉
図1は、本発明の一態様であるメモリセル100の回路図である。
図1に示すメモリセル100では、トランジスタ101と、トランジスタ102と、トランジスタ103と、容量素子104と、トランジスタ105と、容量素子106と、ノードFN1と、ノードFN2と、を有している。また、メモリセル100は、ビット線BL、電源線SL、ワード線WLC1、ワード線WLOS1、ワード線WLC2及びワード線WLOS2に電気的に接続されている。
トランジスタ101のゲートは、ワード線WLOS1に電気的に接続され、トランジスタ101のソースおよびドレインの一方は、ビット線BLに電気的に接続され、トランジスタ101のソースおよびドレインの他方は、ノードFN1に電気的に接続され、トランジスタ101の第2のゲートは、信号BG1が与えられる配線に電気的に接続されている。
トランジスタ102のゲートは、ノードFN1に電気的に接続され、トランジスタ102のソースおよびドレインの一方は、ビット線BLに電気的に接続され、トランジスタ102のソースおよびドレインの他方は、トランジスタ103のソース及びドレインの一方に電気的に接続されている。
トランジスタ103のゲートは、ノードFN2に電気的に接続され、トランジスタ103のソースおよびドレインの他方は、電源線SLに電気的に接続されている。
容量素子104の一方の端子は、ワード線WLC1に電気的に接続され、容量素子104の他方の端子は、ノードFN1に電気的に接続されている。
トランジスタ105のゲートは、ワード線WLOS2に電気的に接続され、トランジスタ105のソースおよびドレインの一方は、ビット線BLに電気的に接続され、トランジスタ105のソースおよびドレインの他方は、ノードFN2に電気的に接続され、トランジスタ105の第2のゲートは、信号BG2が与えられる配線に電気的に接続されている。
容量素子106の一方の端子は、ワード線WLC2に電気的に接続され、容量素子106の他方の端子は、ノードFN2に電気的に接続されている。
ノードFN1は、2値、または多値のデータを保持する機能を有する。すなわち、ノードFN1は、Mビット(2M値、Mは1以上の自然数)のデータを保持する機能を有する。具体的には、2ビットのデータであれば4値(22)のデータであり、4段階の電圧のいずれか一を有する信号である。
同様に、ノードFN2は、2値、または多値のデータを保持する機能を有する。すなわち、ノードFN2は、Nビット(2N値、Nは1以上の自然数)のデータを保持する機能を有する。
上記Mビットのデータ及びNビットのデータは、ビット線に与えられる。また、上記Mビットのデータは、トランジスタ101を介して、ビット線からノードFN1へ与えられる。また、上記Nビットのデータは、トランジスタ105を介して、ビット線からノードFN2へ与えられる。
本明細書において、ノードFN1またはノードFN2の電位が、ビット線BLの電圧に応じた電位となることを、メモリセルにデータを書き込む、という。また、ビット線BLの電位が、ノードFN1またはノードFN2の電位に応じた電位となることを、メモリセルからのデータを読み出す、という。
ワード線WLOS1、WLOS2には、書き込み信号が与えられる。
書き込み信号とはビット線BLの電位をノードFN1またはFN2に与えるために、トランジスタ101またはトランジスタ105を導通状態とする信号である。
ワード線WLC1、WLC2には、読み出し信号が与えられる。
読み出し信号は、メモリセルからデータを選択的に読み出すために、容量素子104の一方の端子または容量素子106の一方の端子に与えられる信号である。
トランジスタ101、105は、nチャネル型のトランジスタとして、説明を行うものとする。また、トランジスタ102、103はpチャネル型のトランジスタとして説明を行うものとする。
トランジスタ101、105は、導通状態と非導通状態とを切り換えることで、データの書き込みを制御するスイッチとしての機能を有する。また、非導通状態を保持することで、書き込んだデータに基づく電位を保持する機能を有する。
なお、トランジスタ101、105は、非導通状態においてソースとドレインとの間を流れる電流(オフ電流)が低いトランジスタが用いられることが好適である。ここでは、オフ電流が低いとは、室温において、ソースとドレインとの間の電圧を10Vとし、チャネル幅1μmあたりの規格化されたオフ電流が10×10−21A以下であることをいう。このようにオフ電流が低いトランジスタとしては、半導体層に酸化物半導体を有するトランジスタが挙げられる。
図1に示すメモリセル100の構成では、非導通状態を保持することで、書き込んだデータに基づく電位を保持している。そのため、ノードFN1、FN2での電荷の移動を伴った電位の変動を抑えるスイッチとして、オフ電流が低いトランジスタが用いられることが特に好ましい。
トランジスタ102、103は、ノードFN1、FN2の電位に従って、ビット線BLと電源線SLとの間に電流を流す機能を有する。
なお、トランジスタ102、103には、閾値電圧のばらつきの小さいトランジスタが用いられることが好ましい。ここで、閾値電圧のばらつきが小さいトランジスタとは、トランジスタが同一プロセスで作製される際に、許容される閾値電圧の差が100mV以内で形成されうるトランジスタのことをいう。具体的には、チャネルが単結晶シリコンで形成されているトランジスタが挙げられる。
なお、トランジスタ101、105が有する第2のゲートは、トランジスタ101、105の閾値電圧を制御する機能、または、トランジスタ101、105のオン電流を向上させる機能を有するが、場合によっては省略してもよい。
〈〈タイミングチャート〉〉
次いで、メモリセル100の動作の一例を図2及び図3のタイミングチャートを用いて説明する。
図2及び図3に示すタイミングチャートは、メモリセル100のビット線BL、電源線SL、ワード線WLOS1、ワード線WLC1、ノードFN1、ワード線WLOS2、ワード線WLC2、ノードFN2の電位変化を示している。図2はメモリセル100にデータを書き込む際のタイミングチャートを表し、図3は図2でメモリセル100に書き込まれたデータを読み出す際のタイミングチャートを表している。
図2及び図3において、電源線SL、ワード線WLOS1、WLOS2は、高電源電位として電位VH1が与えられ、低電源電位として電位VGNDが与えられる。なお、電位VGNDはグラウンド電位GNDでもよい。また、電位VH1をHレベル電位、電位VGNDをLレベル電位と呼ぶ場合もある。さらに、ワード線WLOS1、WLOS2は、電位VGNDよりも低い電位−VL1が与えられることもある。電位−VL1は、負の電位(−VL1<0V)であることが好ましい。
図2及び図3において、ワード線WLC1、WLC2は、高電源電位として電位VH2が与えられ、低電源電位として電位VGNDが与えられる。なお、電位VGNDはグラウンド電位GNDでもよい。また、電位VH2をHレベル電位、電位VGNDをLレベル電位と呼ぶ場合もある。さらに、ワード線WLC1、WLC2は、電位VGNDよりも低い電位−VL2が与えられることもある。電位−VL2は、負の電位(−VL2<0V)であることが好ましい。
〈書き込み動作〉
図2のタイミングチャートに沿って、メモリセル100の書き込み動作について説明を行う。
図2は期間p0乃至p3の4つの期間で構成され、期間p0は初期期間、期間p1はノードFN1にデータを書き込む期間、期間p2はノードFN2にデータを書き込む期間、期間p3は書き込まれたデータを保持する期間をそれぞれ表している。また、図2に示す時刻T0乃至T8は、動作のタイミングを説明するために付したものである。
まず、期間p0において、ビット線BLはVGNDに初期化され、電源線SLはVGNDを維持し、ワード線WLOS1はLレベルの電位が与えられ、ワード線WLC1はHレベルの電位が与えられ、ワード線WLOS2はLレベルの電位が与えられ、ワード線WLC2はHレベルの電位が与えられている。
次に、時刻T0において、ワード線WLOS1の電位はLレベルからHレベルへ変化し、ワード線WLC1の電位はHレベルからLレベルへと変化する。このとき、トランジスタ101はオンとなり、ビット線BLとノードFN1との接続が導通状態となり、ノードFN1は電位VGNDに初期化される。
次に、時刻T1において、ビット線BLに電位V1が与えられ、ビット線BLと導通状態にあるノードFN1にも電位V1が書き込まれる。
なお、図2及び図3のタイミングチャートでハッチングパターンが施された部分は、ハッチングパターンが与えられた範囲の電位が与えられること、すなわち、多値のデータが与えられることを示している。例えば、ノードFN1に4ビットのデータを書き込む場合は、電位V1は24=16値の電位をとり得ることができる。
次に時刻T2において、ワード線WLOS1の電位をLレベルにし、トランジスタ101をオフにしたあと、時刻T3において、ビット線BLの電位をVGNDに初期化する。このとき、ノードFN1は電気的に浮遊状態となり、電位V1を保持する。
次に、時刻T4において、ワード線WLC1の電位をHレベルにし、容量結合によりノードFN1の電位をV1+VH2まで上昇させる。ノードFN1の電位を高く保つことで、pチャネル型のトランジスタ102はオフを維持し、ビット線BLと電源線SLとの間に流れるリーク電流を防ぐことができる。また、同時に、ワード線WLOS2の電位をLレベルからHレベルへ変化させ、ワード線WLC2の電位をHレベルからLレベルへ変化させる。このとき、トランジスタ105はオンになり、ノードFN2は初期化される。
なお、ワード線WLC1の電位を、容量素子104を介して、ノードFN1に伝えるためには、容量素子104の容量はトランジスタ101のゲート容量よりも十分大きく、且つ、容量素子104の容量はトランジスタ102のゲート容量よりも十分大きいことが好ましい。本実施の形態では、説明を単純にするために、ワード線WLC1に与えた電位が、そのままノードFN1に伝わる(例えば、ワード線WLC1に電位VH2を与えると、ノードFN1の電位は電位V1から電位V1+VH2に上昇する)と説明しているが、容量素子104の容量、トランジスタ101のゲート容量、トランジスタ102のゲート容量の大小関係によっては、ワード線WLC1に与えた電位が、そのままノードFN1に伝わらない場合がある。
次に、時刻T5において、ビット線BLに電位V2が与えられ、ノードFN2に電位V2が書き込まれる。なお、電位V2は多値のデータが与えられる。例えば、ノードFN2に4ビットのデータを書き込む場合は、電位V2は24=16値の電位をとり得ることができる。
次に、時刻T6において、ワード線WLOS2の電位をHレベルからLレベルへ変化させ、トランジスタ105をオフにし、時刻T7でビット線BLの電位をVGNDに初期化する。このとき、ノードFN2は電気的に浮遊状態のため、電位V2を保持する。
次に、時刻T8において、ワード線WLC2の電位をLレベルからHレベルにし、容量結合によりノードFN2の電位をV2+VH2へ上昇させる。ノードFN2の電位を高く保つことで、pチャネル型のトランジスタ103がオフを維持し、ビット線BLから電源線SLへリーク電流が流れることを防ぐ。
なお、ワード線WLC2の電位を、容量素子106を介して、ノードFN2に伝えるためには、容量素子106の容量はトランジスタ105のゲート容量よりも十分大きく、且つ、容量素子106の容量はトランジスタ103のゲート容量よりも十分大きいことが好ましい。本実施の形態では、説明を単純にするために、ワード線WLC2に与えた電位が、そのままノードFN2に伝わる(例えば、ワード線WLC2に電位VH2を与えると、ノードFN2の電位は電位V2から電位V2+VH2に上昇する)と説明しているが、容量素子106の容量、トランジスタ105のゲート容量、トランジスタ103のゲート容量の大小関係によっては、ワード線WLC2に与えた電位が、そのままノードFN2に伝わらない場合がある。
時刻T8を経過した後の期間p3では、ノードFN1、FN2に書き込まれたデータが、それぞれ保持されている。
以上、図2のタイミングチャートで説明した書き込み動作により、ノードFN1、FN2に多値のデータを書き込むことができる。
なお、期間p1において、ワード線WLOS1に与えられる電位VH1は、電位V1にトランジスタ101の閾値電圧を加えた電位よりも高い電位であることが好ましい。例えば、電位V1が3Vをとる場合、トランジスタ101の閾値電圧を1Vとすると、電位VH1は4V(3V+1V)以上であることが好ましい。なぜなら、ビット線BLからノードFN1に3Vの電位を書き込む際に、ワード線WLOS1の電位が4V未満であると、ノードFN1の電位が3Vに到達する前に、トランジスタ101のゲートとソース間の電位差(VGS)が閾値電圧以下になり、トランジスタ101がオフになり、ノードFN1に3Vの電位を書き込むことができないためである。
同様に、期間p2において、ワード線WLOS2に与えられる電位VH1は、電位V2にトランジスタ105の閾値電圧を加えた電位よりも高い電位であることが好ましい。
なお、本明細書におけるVGSとは、ソースを基準にしたときの、ゲートとソース間の電位差を言う。例えば、ソースに1V、ゲートに3Vの電位が与えられている場合は、VGSは2Vである。例えば、ソースに3V、ゲートに1Vの電位が与えられている場合は、VGSは−2Vである。
〈読み出し動作〉
図3のタイミングチャートに沿って、メモリセル100に書き込まれたデータの読み出し動作について説明を行う。
図3は期間p3乃至p6の4つの期間で構成され、期間p3は、図2の期間p3からのデータを引き続き保持する期間、期間p4はノードFN1のデータを読み出す期間、期間p5はノードFN2のデータを読み出す期間、期間p6はデータを保持する期間をそれぞれ表している。また、図3に示す時刻T9乃至T13は、動作のタイミングを説明するために付したものである。
まず、時刻T9において、ビット線BLが電位VBLへ充電(プリチャージ)される。
次に、時刻T10において、ビット線BLを電気的に浮遊状態にする。すなわち、ビット線BLは、電荷の充電又は放電により、電位が変動する状態となる。この状態はビット線BLに電位を与えるスイッチをオフにすることで実現する。
また、時刻T10では、ワード線WLC1の電位がHレベルからLレベルへ低下し、容量結合により、ノードFN1の電位も電位V1+VH2から電位V1へ低下する。ノードFN1の電位が低下すると、pチャネル型のトランジスタ102のVGSの絶対値は大きくなり、トランジスタ102はオンになる。また同時に、ワード線WLC2の電位がHレベルから電位−VL2へと低下し、容量結合により、ノードFN2の電位も電位V2+VH2から電位V2−VL2へ低下する。ノードFN2の電位が低下すると、pチャネル型のトランジスタ103のVGSの絶対値が大きくなり、トランジスタ103はオンになる。トランジスタ102とトランジスタ103が両方ともオンになれば、ビット線BLと電源線SLの間は導通状態になり、電流が流れ、ビット線BLは電荷を放電し、ビット線BLの電位は低下する。
放電によりビット線BLの電位が低下すると、トランジスタ102のVGSの絶対値と、トランジスタ103のVGSの絶対値は、ともに低下する。どちらか一方のトランジスタのVGSが、そのトランジスタの閾値電圧と等しくなった時点で、放電が完了し、ビット線BLの電位は一定の電位に収束する。期間p4では、ノードFN2の方がノードFN1よりも低い電位が与えられているため、トランジスタ103の方がトランジスタ102よりも、VGSの絶対値が大きい。つまり、トランジスタ103の方がトランジスタ102よりもチャネル抵抗が低く、オン電流が大きい。そのため、ビット線BLの放電が始まると、トランジスタ102のVGSの方が先に閾値電圧に到達し、トランジスタ102の方が先にオフになる。
トランジスタ102がオフになると、ビット線BLは一定の電位(電位V1´)に収束する。この電位V1´は、概ねノードFN1の電位から、トランジスタ102の閾値電圧をひいた値として得られる。つまりビット線BLの電位V1´は、ノードFN1の電位の高低を反映した形で得ることができる。この電位の違いをデータの判定に用いることで、ノードFN1に書き込まれた多値のデータを読み出すことができる。
なお、時刻T10では、ワード線WLOS2の電位をLレベルから−VL1へ変化させている。これにより、ビット線BLまたはノードFN2の電位変化により、トランジスタ105がオンになることを防いでいる。
次に、時刻T11において、再びビット線BLの電位を電位VBLに復元させ、プリチャージを行う。また同時に、全てのワード線の電位、ノードFN1、FN2の電位を期間p3の状態に戻し、トランジスタ102、103をオフにする。
次に、時刻T12において、ビット線BLを電気的に浮遊状態にする。この状態はビット線BLに電位を与えるスイッチをオフにすることで実現する。
また、時刻T12では、ワード線WLC1の電位がHレベルから電位−VL2へと変化し、ワード線WLC2の電位がHレベルからLレベルへ変化する。この時に、容量結合により、ノードFN1の電位は電位V1+VH2から電位V1−VL2へと低下し、ノードFN2の電位は電位V2+VH2から電位V2へと低下する。その結果、トランジスタ102、103はオンとなり、ビット線BLと電源線SLの間は導通状態になり、ビット線BLは電荷を放電し、ビット線BLの電位は低下する。
期間p5では、ノードFN1の方がノードFN2よりも低い電位が与えられているため、トランジスタ102の方がトランジスタ103よりも、VGSの絶対値が大きい。つまり、トランジスタ102の方がトランジスタ103よりもチャネル抵抗が低く、オン電流が大きい。そのため、ビット線BLの放電が始まると、トランジスタ103のVGSの方が先に閾値電圧に到達し、トランジスタ103の方が先にオフになる。
トランジスタ103がオフになると、ビット線BLは一定の電位(電位V2´)に収束する。この電位V2´は、概ねノードFN2の電位から、トランジスタ103の閾値電圧をひいた値として得られる。つまりビット線BLの電位V2´は、ノードFN2の電位の高低を反映した形で得ることができる。この電位の違いをデータの判定に用いることで、ノードFN2に書き込まれた多値のデータを読み出すことができる。
なお、時刻T12では、ワード線WLOS1の電位をLレベルから−VL1へ変化させている。これにより、ビット線BLまたはノードFN2の電位変化により、トランジスタ105がオンになることを防いでいる。
次に、時刻T13において、ビット線BLをVGNDに初期化し、全てのワード線、ノードFN1、FN2の電位を、期間p3の状態に戻し、トランジスタ102、103をオフにして、ノードFN1、FN2の電位を保持する。
以上、図3のタイミングチャートで説明した読み出し動作により、ノードFN1、FN2に書き込まれた多値のデータを読み出すことができる。
例えば、8ビットのデータ、すなわち256(=28)値の電位を、一つのノードに書き込む場合を考える。その場合、1値の電位の幅を0.17Vとすると、データを保持するノードに与えられる電位の幅は、0.17V×256=43.52Vとなる。つまり、一つのノードに8ビットのデータを記憶させるには、およそ45Vの電源電位をメモリセルに与える必要があるが、この電源電位は、トランジスタの破壊を引き起こすため、現実的な値ではない。
一方、本実施の形態に示したメモリセル100に、8ビットのデータを書き込む場合、8ビットのデータを、4ビットのデータと4ビットのデータの二つに分割し、一方をノードFN1に、他方をノードFN2に記憶させることができる。そのため、16(=24)値の電位を一つのノードが請け負うことになる。1値の電位の幅を0.17Vとすると、一つのノードに与えられる電位の幅は、0.17V×16=2.72Vとなる。これは、メモリセルを駆動するのに、現実的な値である。
以上、本発明の一態様であるメモリセル100を用いることにより、8ビットのデータを記憶する半導体装置を提供することが可能になる。
また、メモリセル100が記憶できるデータのビット数は8ビットに限定されず、さまざまなビット数のデータを記憶することができる。例えば、ノードFN1にMビット(2M値)のデータを記憶させ、ノードFN2にNビット(2N値)を記憶させた場合、メモリセル100はM+Nビット(2M+N値)のデータを記憶することが可能になる。
図1のメモリセル100は、図21(A)に示す回路図のように、トランジスタ101、105の第2のゲートに、共通の信号BGを与えてもよい。
図1のメモリセル100は、図22(A)に示す回路図で構成してもよい。図22(A)に示す回路図は、2本のビット線BL1とビット線BL2を有する点と、トランジスタ101とトランジスタ105が共通のワード線WLOSに接続されている点が、図1の回路図と異なる。また、図22(A)に示すトランジスタ101の第2のゲート及びトランジスタ105の第2のゲートに、図21(A)と同様に共通の信号を与えてもよい。また、場合によっては、これら第2のゲートを省略してもよい。
図1のメモリセル100は、図23(A)に示す回路図で構成してもよい。図23(A)に示す回路図は、トランジスタ107、容量素子108、トランジスタ109、ノードFN3、ワード線WLOS3、ワード線WLC3を有する点で、図1に示す回路図と異なる。また、図23(A)に示す、トランジスタ101の第2のゲート、トランジスタ105の第2のゲート及びトランジスタ107の第2のゲートに、図21(A)と同様に共通の信号を与えてもよい。また、場合によっては、これら第2のゲートを省略してもよい。
なお、本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様に係る半導体装置が有する、メモリセルの回路構成およびその動作について、図4乃至図6を参照して説明する。
〈メモリセルの構成例〉
図4は、本発明の一態様であるメモリセル110の回路図である。
図4に示すメモリセル110では、トランジスタ101と、トランジスタ112と、トランジスタ113と、容量素子104と、トランジスタ105と、容量素子106と、ノードFN1と、ノードFN2と、を有している。また、メモリセル110は、ビット線BL、電源線SL、ワード線WLC1、ワード線WLOS1、ワード線WLC2及びワード線WLOS2に電気的に接続されている。
メモリセル110は、実施の形態1に示すメモリセル100のトランジスタ102、103を、nチャネル型トランジスタであるトランジスタ112、113に置きかえたものである。以降、トランジスタ101、112、113、105は、nチャネル型のトランジスタとして説明を行う。
トランジスタ112、113は、ノードFN1、FN2の電位に従って、ビット線BLと電源線SLとの間に電流を流す機能を有する。
なお、トランジスタ112、113には、閾値電圧のばらつきの小さいトランジスタが用いられることが好ましい。ここで、閾値電圧のばらつきが小さいトランジスタとは、トランジスタが同一プロセスで作製される際に、許容される閾値電圧の差が100mV以内で形成されうるトランジスタのことをいう。具体的には、チャネルが単結晶シリコンで形成されているトランジスタが挙げられる。
メモリセル110のその他の構成要素に関する詳細は、メモリセル100の記載を参照すればよい。
〈タイミングチャート〉
次いで、メモリセル110の動作の一例を図5及び図6のタイミングチャートを用いて説明する。
図5及び図6に示すタイミングチャートは、メモリセル110のビット線BL、電源線SL、ワード線WLOS1、ワード線WLC1、ノードFN1、ワード線WLOS2、ワード線WLC2、ノードFN2の電位変化を示している。図5はメモリセル110にデータを書き込む際のタイミングチャートを表し、図6は図5でメモリセル110に書き込まれたデータを読み出す際のタイミングチャートを表している。
図5及び図6において、電源線SLは、高電源電位として電位VH0が与えられ、低電源電位として電位VGNDが与えられる。なお、電位VGNDはグラウンド電位GNDでもよい。また、電位VH0をHレベル電位、電位VGNDをLレベル電位と呼ぶ場合もある。
図5及び図6において、ワード線WLOS1及びワード線WLOS2は、高電源電位として電位VH1が与えられ、低電源電位として電位VGNDが与えられる。なお、電位VGNDはグラウンド電位GNDでもよい。また、電位VH1をHレベル電位、電位VGNDをLレベル電位と呼ぶ場合もある。さらに、ワード線WLOS1及びワード線WLOS2は、電位VGNDよりも低い電位−VL1が与えられることもある。電位−VL1は、負の電位(−VL1<0V)であることが好ましい。
図5及び図6において、ワード線WLC1及びワード線WLC2に、高電源電位として電位VH2が与えられ、低電源電位として電位VGNDが与えられる。なお、電位VGNDはグラウンド電位GNDでもよい。また、電位VH2をHレベル電位、電位VGNDをLレベル電位と呼ぶ場合もある。さらに、ワード線WLC1及びワード線WLC2に、電位VGNDよりも低い電位−VL2が与えられることもある。電位−VL2は負の電位(−VL2<0V)であることが好ましい。
〈〈書き込み動作〉〉
図5のタイミングチャートに沿って、メモリセル110の書き込み動作の一例について説明を行う。
図5は期間p0乃至p3の4つの期間で構成され、期間p0は初期期間、期間p1はノードFN1にデータを書き込む期間、期間p2はノードFN2にデータを書き込む期間、期間p3は書き込まれたデータを保持する期間をそれぞれ表している。また、図5に示す時刻T0乃至T8は、動作のタイミングを説明するために付したものである。
まず、期間p0において、ビット線BL及び電源線SLは電位VGNDに初期化され、ワード線WLOS1に電位−VL1が与えられ、ワード線WLC1に電位−VL2が与えられ、ワード線WLOS2に電位−VL1が与えられ、ワード線WLC2に電位−VL2が与えられる。
次に、時刻T0において、ワード線WLOS1にHレベルの電位が与えられ、ワード線WLC1にLレベルの電位が与えられる。このとき、トランジスタ101はオンになり、ビット線BLとノードFN1が導通状態となり、ノードFN1は電位VGNDに初期化される。
次に、時刻T1において、ビット線BLに電位V1が与えられ、ビット線BLと導通状態にあるノードFN1に電位V1が書き込まれる。
なお、図5及び図6のタイミングチャートでハッチングパターンが施された部分は、ハッチングパターンが与えられた範囲の電位が与えられること、すなわち、多値のデータが与えられることを表している。例えば、4ビットのデータがノードFN1に書き込まれる場合は、電位V1は24=16値の電位をとり得ることができる。
また、時刻T1において、トランジスタ112のオフを維持させるために、電源線SLにHレベルの電位が与えられる。このとき、電源線SLに与えられる電位VH0は、ビット線BL及びノードFN1に与えられる電位V1よりも高いことが好ましい。電位VH0が前述の条件を満たすことで、トランジスタ112のVGSは0Vに保つことができる。
次に、時刻T2において、ワード線WLOS1にLレベルの電位が与えられ、トランジスタ101がオフになる。
次に、時刻T3において、ビット線BL及び電源線SLは電位VGNDに初期化される。このとき、ノードFN1は電気的に浮遊状態となり、電位V1を保持する。
次に、時刻T4において、ワード線WLOS2にHレベルの電位が与えられ、ワード線WLC2にLレベルの電位が与えられる。このとき、トランジスタ105はオンとなり、ビット線BLとノードFN2は導通状態となり、ノードFN2は電位VGNDに初期化される。
また、時刻T4において、ワード線WLC1に電位−VL2が与えられ、ノードFN1に電位V1−VL2が与えられる。ノードFN1の電位が低く保たれると、nチャネル型のトランジスタ112は、オフを維持し、ビット線BLと電源線SLとの間に流れるリーク電流を遮断する。このとき、トランジスタ101がオンになることを防ぐために、電位−VL1がワード線WLOS1に与えられる。
なお、ワード線WLC1の電位が、容量素子104を介して、ノードFN1に伝わるためには、容量素子104の容量はトランジスタ101のゲート容量よりも十分大きく、且つ、容量素子104の容量はトランジスタ112のゲート容量よりも十分大きいことが好ましい。本実施の形態では、説明を単純にするために、ワード線WLC1に与えた電位が、そのままノードFN1に伝わる(例えば、ワード線WLC1の電位が電位VGNDから電位−VL2に変化すると、ノードFN1の電位は電位V1から電位V1−VL2に変化する)と説明している。容量素子104の容量と、トランジスタ101のゲート容量と、トランジスタ112のゲート容量との大小関係によっては、ワード線WLC1に与えられた電位が、そのままノードFN1に伝わらない場合がある。
次に、時刻T5において、ビット線BLに電位V2が与えられ、ノードFN2に電位V2が書き込まれる。なお、電位V2は多値のデータをとり得る。例えば、4ビットのデータがノードFN2に書き込まれる場合は、電位V2は24=16値の電位をとり得ることができる。
また、時刻T5において、トランジスタ113のオフを維持させるために、電源線SLにHレベルの電位が与えられる。このときに、電源線SLに与えられる電位VH0は、ビット線BL及びノードFN1に与えられる電位V2よりも高いことが好ましい。電位VH0が前述の条件を満たすことで、トランジスタ113のVGSは0Vに保たれる。
次に、時刻T6において、ワード線WLOS2にLレベルの電位が与えられ、トランジスタ105はオフになる。
次に、時刻T7において、ビット線BL及び電源線SLは電位VGNDに初期化される。このとき、ノードFN2は、電気的に浮遊状態のため、電位V2を保持する。
次に、時刻T8において、ワード線WLC2に電位−VL2が与えられ、ノードFN2に電位V2−VL2が与えられる。ノードFN2の電位が低く保たれると、nチャネル型のトランジスタ113は、オフを維持し、ビット線BLと電源線SLとの間に流れるリーク電流を遮断する。また、ワード線WLOS2に電位−VL1が与えられ、トランジスタ105がオンになることを防いでいる。
なお、ワード線WLC2の電位が、容量素子106を介して、ノードFN2に伝わるためには、容量素子106の容量はトランジスタ105のゲート容量よりも十分大きく、且つ、容量素子106の容量はトランジスタ113のゲート容量よりも十分大きいことが好ましい。本実施の形態では、説明を単純にするために、ワード線WLC2に与えた電位が、そのままノードFN2に伝わる(例えば、ワード線WLC2の電位が電位VGNDから電位−VL2に変化すると、ノードFN2の電位は電位V2から電位V2−VL2に変化する)と説明しているが、容量素子106の容量と、トランジスタ105のゲート容量と、トランジスタ113のゲート容量との大小関係によっては、ワード線WLC2に与えられた電位が、そのままノードFN2に伝わらない場合がある。
時刻T8を経過した後の期間p3では、ノードFN1及びノードFN2に書き込まれたデータが、それぞれ保持されている。
以上、図5のタイミングチャートで説明した書き込み動作により、ノードFN1及びノードFN2に多値のデータを書き込むことができる。
なお、期間p1において、ワード線WLOS1に与えられる電位VH1は、電位V1にトランジスタ101の閾値電圧を加えた電位よりも高い電位であることが好ましい。
同様に、期間p2において、ワード線WLOS2に与えられる電位VH1は、電位V2にトランジスタ105の閾値電圧を加えた電位よりも高い電位であることが好ましい。
〈〈読み出し動作〉〉
図6のタイミングチャートに沿って、メモリセル110に書き込まれたデータの読み出し動作について説明を行う。
図6は期間p3乃至p6の4つの期間で構成され、期間p3は、図5の期間p3からのデータを引き続き保持する期間、期間p4はノードFN1のデータを読み出す期間、期間p5はノードFN2のデータを読み出す期間、期間p6はデータを保持する期間をそれぞれ表している。また、図6に示す時刻T9乃至T15は、動作のタイミングを説明するために付したものである。
まず、時刻T9において、ワード線WLOS1にLレベルの電位が与えられ、ワード線WLC1にLレベルの電位が与えられ、容量結合により、ノードFN1の電位が電位V1−VL2から電位V1へ引き上げられる。ノードFN1の電位が引き上げられると、nチャネル型のトランジスタ112のVGSが大きくなり、トランジスタ112はオンになる。
また、時刻T9では、ワード線WLOS2にLレベルの電位が与えられ、ワード線WLC2にHレベルの電位が与えられ、容量結合により、ノードFN2の電位が電位V2−VL2から電位V2+VH2へ引き上げられる。ノードFN2の電位が引き上げられると、nチャネル型のトランジスタ113のVGSが大きくなり、トランジスタ113がオンになる。
次に、時刻T10において、ビット線BLは電気的に浮遊状態になる。すなわち、ビット線BLは、電荷の充電又は放電により、電位が変動する状態になる。この状態はビット線BLに電位を与えるスイッチをオフにすることで実現できる。
また、時刻T10において、電源線SLにHレベルの電位を与える。電源線SLにHレベルの電位が与えられると、ビット線BLと電源線SLとの間に電位差が生じ、電源線SLからビット線BLへ電流が流れる。ビット線BLは充電され、ビット線BLの電位は上昇する。
充電によりビット線BLの電位が上昇すると、トランジスタ112のVGSと、トランジスタ113のVGSは、ともに低下する。どちらか一方のトランジスタのVGSが、そのトランジスタの閾値電圧と等しくなった時点で、充電が完了し、ビット線BLの電位は一定の電位に収束する。期間p4では、ノードFN1よりもノードFN2の方に高電位が与えられているため、トランジスタ113の方がトランジスタ112よりもVGSが大きい。つまり、トランジスタ113の方がトランジスタ112よりも、チャネル抵抗が低く、オン電流が大きい。そのため、ビット線BLの充電が始まると、トランジスタ112のVGSが先に閾値電圧に到達し、トランジスタ112が先にオフになる。
トランジスタ112がオフになると、ビット線BLは一定の電位(電位V1´)に収束する。この電位V1´は、概ねノードFN1の電位から、トランジスタ112の閾値電圧をひいた値として得られる。つまりビット線BLの電位V1´は、ノードFN1の電位の高低を反映した形で得られる。この電位の違いをデータの判定に用いることで、ノードFN1に書き込まれた多値のデータを読み出すことができる。
次に、時刻T11において、ビット線BL及び電源線SLが電位VGNDに初期化される。
次に、時刻T12において、ワード線WLC1にHレベルの電位が与えられ、容量結合により、ノードFN1の電位が電位V1から電位V1+VH2へ引き上げられる。また同時に、ワード線WLC2にLレベルの電位が与えられ、ノードFN2の電位は電位V2+VH2から電位V2へ引き下げられる。トランジスタ112、113は、両方ともオンになる。
次に、時刻T13において、ビット線BLは電気的に浮遊状態になる。
また同時に、時刻T13では、電源線SLにHレベルの電位が与えられる。電源線SLの電位がHレベルになると、ビット線BLと電源線SLとの間に電位差が生じ、電源線SLからビット線BLへ電流が流れる。ビット線BLは充電され、ビット線BLの電位は上昇する。
充電によりビット線BLの電位が上昇すると、トランジスタ112のVGSと、トランジスタ113のVGSは、ともに低下する。どちらか一方のトランジスタのVGSが、そのトランジスタの閾値電圧と等しくなった時点で、充電が完了し、ビット線BLの電位は一定の電位に収束する。期間p5では、ノードFN2よりもノードFN1に高電位が与えられているため、トランジスタ112の方がトランジスタ113よりもVGSが大きい。つまり、トランジスタ112の方がトランジスタ113よりも、チャネル抵抗が低く、オン電流が大きい。そのため、ビット線BLの充電が始まると、トランジスタ113のVGSが先に閾値電圧に到達し、トランジスタ113が先にオフになる。
トランジスタ113がオフになると、ビット線BLは一定の電位(電位V2´)に収束する。この電位V2´は、概ねノードFN2の電位から、トランジスタ113の閾値電圧をひいた値として得られる。つまりビット線BLの電位V2´は、ノードFN2の電位の高低を反映した形で得ることができる。この電位の違いをデータの判定に用いることで、ノードFN2に書き込まれた多値のデータを読み出すことができる。
次に、時刻T14において、ビット線BL及び電源線SLが電位VGNDに初期化される。
次に、時刻T15において、図6の全ての配線及びノードに、期間p3と同じ電位が与えられ、ノードFN1、FN2の電位が保持される。
以上、図6のタイミングチャートで説明した読み出し動作により、ノードFN1、FN2に書き込まれた多値のデータを読み出すことができる。
例えば、8ビットのデータ、すなわち256(=28)値の電位を、一つのノードに書き込む場合を考える。その場合、1値の電位の幅を0.17Vとすると、データを保持するノードに与えられる電位の幅は、0.17V×256=43.52Vとなる。つまり、一つのノードに8ビットのデータを記憶させるには、およそ45Vの電源電位をメモリセルに与える必要があるが、この電源電位は、トランジスタの破壊を引き起こすため、現実的な値ではない。
一方、本実施の形態に示したメモリセル110に、8ビットのデータを書き込む場合、8ビットのデータを、4ビットのデータと4ビットのデータの二つに分割し、一方をノードFN1に、他方をノードFN2に記憶させることができる。そのため、16(=24)値の電位を一つのノードが請け負うことになる。1値の電位の幅を0.17Vとすると、一つのノードに与えられる電位の幅は、0.17V×16=2.72Vとなる。これは、メモリセルを駆動するのに、現実的な値である。
以上、本発明の一態様であるメモリセル110を用いることにより、8ビットのデータを記憶する半導体装置を提供することが可能になる。また、メモリセル110が記憶できるデータのビット数は8ビットに限定されず、さまざまなビット数のデータを記憶することができる。例えば、ノードFN1にMビット(2M値)のデータを記憶させ、ノードFN2にNビット(2N値)を記憶させた場合、メモリセル110はM+Nビット(2M+N値)のデータを記憶することが可能になる。
図4のメモリセル110は、図21(B)に示す回路図のように、トランジスタ101、105の第2のゲートに、共通の信号BGを与えてもよい。
図4のメモリセル110は、図22(B)に示す回路図で構成してもよい。図22(B)に示す回路図は、2本のビット線BL1とビット線BL2を有する点と、トランジスタ101とトランジスタ105が共通のワード線WLOSに接続されている点が、図4の回路図と異なる。また、図22(B)に示すトランジスタ101の第2のゲート及びトランジスタ105の第2のゲートに、図21(B)と同様に共通の信号を与えてもよい。また、場合によっては、これら第2のゲートを省略してもよい。
図4のメモリセル110は、図23(B)に示す回路図で構成してもよい。図23(B)に示す回路図は、トランジスタ107、容量素子108、トランジスタ114、ノードFN3、ワード線WLOS3、ワード線WLC3を有する点で、図4に示す回路図と異なる。また、図23(B)に示す、トランジスタ101の第2のゲート、トランジスタ105の第2のゲート及びトランジスタ107の第2のゲートに、図21(B)と同様に共通の信号を与えてもよい。また、場合によっては、これら第2のゲートを省略してもよい。
なお、本実施の形態において、本発明の一態様について述べた。または、他の実施の形態において、本発明の一態様について述べる。ただし、本発明の一態様は、これらに限定されない。例えば、本発明の一態様として、メモリセルに適用した場合の例を示したが、本発明の一態様は、これに限定されない。場合によっては、または、状況に応じて、本発明の一態様は、メモリセルに適用しなくてもよい。例えば、本発明の一態様は、別の機能を有する回路に適用してもよい。
なお、本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、実施の形態1で説明した駆動方法を行うことのできる、半導体装置の一例について図を用いて説明する。
〈半導体装置の構成例〉
図7は、実施の形態1で説明したメモリセル100を有する、半導体装置の構成例を示すブロック図である。
図7に示す半導体装置500は、図4で説明したメモリセル100が複数設けられたメモリセルアレイ501、行選択ドライバ502、列選択ドライバ503、およびA/Dコンバータ504を有する。なお半導体装置500は、m行(mは2以上の自然数)n列(nは2以上の自然数)のマトリクス状に設けられたメモリセル100を有する。また、図7では、(m−1)行目のメモリセル100に接続されたワード線として、ワード線WLOS1[m−1]、ワード線WLC1[m−1]、ワード線WLOS2[m−1]、ワード線WLC2[m−1]を示し、m行目のメモリセル100に接続されたワード線として、ワード線WLOS1[m]、ワード線WLC1[m]、ワード線WLOS2[m]、ワード線WLC2[m]を示し、(n−1)列目のメモリセル100に接続されたビット線BL[n−1]、n列目のメモリセル100に接続されたビット線BL[n]を示し、(n−1)列目のメモリセル100およびn列目のメモリセル100に接続された電源線SLを示している。
図7に示すメモリセルアレイ501は、図4で説明したメモリセル100が、マトリクス状に設けられている。なおメモリセル100が有する各構成の説明は、図4と同様であり、図4での説明を援用するものとして説明を省略する。
なお図7に示すメモリセルアレイ501では、隣り合うメモリセルで、電源線SLを共有化した構成としている。この構成を採用することにより、電源線SLが占めていた分の面積の縮小が図られる。そのため、この構成を採用する半導体装置では、単位面積あたりの記憶容量の向上を図ることができる。
行選択ドライバ502は、メモリセル100の各行におけるトランジスタ101及びトランジスタ105を選択的に導通状態とする機能、およびメモリセル100の各行におけるノードFN1、FN2の電位を選択的に変化させる機能、を備えた回路である。行選択ドライバ502を備えることで、半導体装置500は、メモリセル100へのデータの書き込みおよび読み出しを行毎に選択して行うことができる。
列選択ドライバ503は、メモリセル100の各列におけるノードFN1及びノードFN2に選択的にデータを書き込む機能、ビット線BLの電位を初期化する機能、およびビット線BLを電気的に浮遊状態とする機能、を備えた回路である。具体的には、ビット線BLに、多値のデータに対応する電位及び電位VGNDを、スイッチを介して与える回路である。列選択ドライバ503を備えることで、半導体装置500は、メモリセル100へのデータの書き込みおよび読み出しを列毎に選択して行うことができる。
A/Dコンバータ504は、アナログ値であるビット線BLの電位を、デジタル値に変換して外部に出力する機能を備えた回路である。具体的には、フラッシュ型のA/Dコンバータを有する回路である。A/Dコンバータ504を備えることで、半導体装置500は、メモリセル100より読み出されたデータに対応するビット線BLの電位を外部に出力することができる。
なおA/Dコンバータ504は、フラッシュ型のA/Dコンバータとして説明を行うが、逐次比較型、マルチスロープ型、デルタシグマ型のA/Dコンバータを用いてもよい。
図8は、図7のメモリセル100を、実施の形態2で説明したメモリセル110に置き換えたものである。詳細は、図7の記載を参照すればよい。
図7及び図8に示す半導体装置500は、図24に示すブロック図で構成してもよい。図24に示すブロック図は、同じワード線に接続されたトランジスタの第2のゲートが、共通の配線に接続されている場合である。ワード線WLOS1[m−1]に接続されたトランジスタの第2のゲートは、信号BG1[m−1]が与えられる配線に接続されている。ワード線WLOS2[m−1]に接続されたトランジスタの第2のゲートは、信号BG2[m−1]が与えられる配線に接続されている。ワード線WLOS1[m]に接続されたトランジスタの第2のゲートは、信号BG1[m]が与えられる配線に接続されている。ワード線WLOS2[m]に接続されたトランジスタの第2のゲートは、信号BG2[m]が与えられる配線に接続されている。信号BG1[m−1]と信号BG2[m−1]は共通の信号でもよいし、異なる信号でもよい。同様に、信号BG1[m]と信号BG2[m]は共通の信号でもよいし、異なる信号でもよい。
図7及び図8に示す半導体装置500は、図25に示すブロック図で構成してもよい。図25に示すブロック図は、メモリセルアレイ501に含まれる全ての第2のゲートが、共通の配線に接続され、共通の信号BGが与えられている。
〈行選択ドライバの構成例〉
図9は、図7及び図8で説明した行選択ドライバ502の構成例を示すブロック図である。
図9に示す行選択ドライバ502は、デコーダ517、および読み出し書き込み制御回路518を有する。読み出し書き込み制御回路518はワード線WLOS1、WLC1、WLOS2、WLC2に接続され、各行毎に設けられる。
デコーダ517は、ワード線が設けられる行を選択するための信号を出力する機能を備えた回路である。具体的には、アドレス信号Addressが入力され、該アドレス信号Addressに従っていずれかの行の読み出し書き込み制御回路518を選択する回路である。デコーダ517を備えることで、行選択ドライバ502は、任意の行を選択して、データの書き込み又は読み出しを行うことができる。
読み出し書き込み制御回路518は、デコーダ517で選択されたワード線を有する行の、書き込みワード信号を出力する機能および読み出しワード信号を選択的に出力する機能、を備えた回路である。具体的に読み出し書き込み制御回路518は、書き込み制御信号Write_CONTおよび読み出し制御信号Read_CONTが入力され、該信号に従って書き込み信号又は読み出し信号を選択的に出力する回路である。読み出し書き込み制御回路518を備えることで、行選択ドライバ502は、デコーダ517で選択された行での、書き込みワード信号又は読み出しワード信号を選択して出力することができる。
〈列選択ドライバの構成例〉
図10は、図7及び図8で説明した列選択ドライバ503の構成例を示すブロック図である。
図10に示す列選択ドライバ503は、デコーダ521、ラッチ回路522、D/Aコンバータ523、スイッチ回路524、およびトランジスタ526を有する。前述の各回路およびトランジスタは、列毎に設けられる。また各列のスイッチ回路524およびトランジスタ526は、ビット線BLに接続される。
デコーダ521は、ビット線BLが設けられる列を選択し、入力されるデータを振り分けて出力する機能を備えた回路である。具体的には、アドレス信号AddressおよびデータDataが入力され、該アドレス信号Addressに従っていずれかの列のラッチ回路522にデータDataを出力する回路である。デコーダ521を備えることで、列選択ドライバ503は、任意の列を選択して、データの書き込みを行うことができる。
なおデコーダ521に入力されるデータDataは、kビットのデジタルデータである。kビットのデジタルデータは、ビット毎に’1’又は’0’の2値のデータで表される信号である。具体的には、2ビットのデジタルデータであれば、’00’、’01’、’10’、’11’で表されるデータである。
ラッチ回路522は、入力されるデータDataを一時的に記憶する機能を備えた回路である。具体的には、ラッチ信号W_LATが入力され、記憶したデータDataを、該ラッチ信号W_LATに従ってD/Aコンバータ523に出力するフリップフロップ回路である。ラッチ回路522を備えることで、列選択ドライバ503は、任意のタイミングでデータの書き込みを行うことができる。
D/Aコンバータ523は、入力されるデジタル値のデータDataを、アナログ値のデータVdataに変換する機能を備えた回路である。具体的にD/Aコンバータ523は、データDataのビット数が3ビットであれば、複数の電位V0乃至V7の8段階の電位のいずれかに変換してスイッチ回路524に出力する回路である。D/Aコンバータ523を備えることで、列選択ドライバ503は、メモリセル110に書き込むデータを、多値のデータに対応する電位とすることができる。
なおD/Aコンバータ523から出力されるデータVdataは、異なる電圧値で表されるデータである。2ビットのデータでいえば、0.5V、1.0V、1.5V、2.0Vの4値のデータとなり、いずれかの電圧値で表されるデータということができる。
スイッチ回路524は、入力されるデータVdataをビット線BLに与える機能、およびビット線BLを電気的に浮遊状態とする機能を備えた回路である。具体的には、アナログスイッチとインバータを備え、スイッチ制御信号Write_SWによる制御により、データVdataをビット線BLに与え、その後アナログスイッチをオフにすることで電気的に浮遊状態とする回路である。スイッチ回路524を備えることで、列選択ドライバ503は、データVdataをビット線BLに与えた後、ビット線BLを電気的に浮遊状態に保持することができる。
トランジスタ526は、初期化するための電位VGNDをビット線BLに与える機能、およびビット線BLを電気的に浮遊状態とする機能を備えた回路である。具体的には、初期化制御信号Init_ENによる制御で電位VGNDをビット線BLに与え、その後、ビット線BLを電気的に浮遊状態とするスイッチである。トランジスタ526を備えることで、列選択ドライバ503は、電位VGNDをビット線BLに与えた後、ビット線BLを電気的に浮遊状態に保持することができる。
〈A/Dコンバータの構成例〉
図11は、図8で説明したA/Dコンバータ504の構成例を示すブロック図である。
図11に示すA/Dコンバータ504は、コンパレータ531、エンコーダ532、ラッチ回路533、およびバッファ534を有する。前述の各回路およびトランジスタは、列毎に設けられる。また各列のバッファ534は、データDoutを出力する。
コンパレータ531は、ビット線BLの電位と、参照電圧Vref0乃至Vref6との電位の高低を比較し、ビット線BLの電位が多値のデータのいずれかに応じた電位であるかを判定する機能を備えた回路である。具体的には、複数のコンパレータ531を備え、それぞれのコンパレータ531にビット線BLの電位と、異なる参照電圧Vref0乃至Vref6とが与えられ、ビット線BLの電位がいずれかの電位の間にあるかを判定する回路である。コンパレータ531を備えることで、A/Dコンバータ504は、ビット線BLの電位が、多値のデータのいずれかに対応する電位かを判定することができる。
なお、一例として図11で示す参照電圧Vref0乃至Vref6は、多値のデータが3ビット、すなわち8値のデータである場合に与えられる電位である。
エンコーダ532は、コンパレータ531から出力されるビット線BLの電位を判定する信号をもとに、多ビットのデジタル信号を生成する機能を備えた回路である。具体的には、複数のコンパレータ531より出力されるHレベル又はLレベルの信号をもとに符号化を行い、デジタル信号を生成する回路である。エンコーダ532を備えることで、A/Dコンバータ504は、メモリセル110から読み出されたデータをデジタル値のデータとすることができる。
ラッチ回路533は、入力されるデジタル値のデータを一時的に記憶する機能を備えた回路である。具体的には、ラッチ信号LATが入力され、記憶したデータを、該ラッチ信号LATに従ってバッファ534に出力するフリップフロップ回路である。ラッチ回路533を備えることで、A/Dコンバータ504は、任意のタイミングでデータの出力を行うことができる。なおラッチ回路533は、省略することができる。
バッファ534は、ラッチ回路533より出力されたデータを増幅して出力信号Doutとして出力する機能を備えた回路である。具体的には、インバータ回路を偶数段備えた回路である。バッファ534を備えることで、A/Dコンバータ504は、デジタル信号に対するノイズを低減することができる。なおバッファ534は、省略することができる。
以上、本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、メモリセル100及びメモリセル110の回路を実現可能な半導体装置の一例について、図12を用いて説明する。
〈半導体装置の構成例〉
図12に示す半導体装置は、基板2000と、トランジスタ101と、トランジスタ122と、トランジスタ123と、トランジスタ105と、容量素子104と、容量素子106と、絶縁膜2001と、絶縁膜2002と、絶縁膜2003と、絶縁膜2004と、絶縁膜2005と、絶縁膜2006と、絶縁膜2007と、絶縁膜2008と、プラグ2101と、プラグ2102と、プラグ2103と、プラグ2104と、プラグ2105と、プラグ2106と、プラグ2107と、プラグ2108と、配線2301と、配線2302と、配線2501と、配線2502と、導電膜2701と、導電膜2702と、を有している。
なお、図12でメモリセル100を実現する場合、以下の説明では、トランジスタ122をトランジスタ102に置き換え、トランジスタ123をトランジスタ103に置き換えればよい。同様に、図12でメモリセル110を実現する場合、以下の説明では、トランジスタ122をトランジスタ112に置き換え、トランジスタ123をトランジスタ113に置き換えればよい。
トランジスタ122、123は、ゲート電極2205と、ゲート絶縁膜2204と、側壁絶縁層2206と、ソース領域又はドレイン領域として機能する不純物領域2203と、LDD(Lightly Doped Drain)領域やエクステンション領域として機能する不純物領域2202と、チャネル形成領域2201と、を有する。
容量素子104は、第1の電極2401と、第2の電極2402と、絶縁膜2403と、を有する。
容量素子106は、第1の電極2601と、第2の電極2602と、絶縁膜2603と、を有する。
導電膜2701は、トランジスタ101のソース電極またはドレイン電極と同一の導電膜を加工する工程を経て形成された導電膜と、トランジスタ101の半導体層と同一の半導体層を加工する工程を経て形成された半導体層とで構成されている。
導電膜2702は、トランジスタ105のソース電極またはドレイン電極と同一の導電膜を加工する工程を経て形成された導電膜と、トランジスタ105の半導体層と同一の半導体層を加工する工程を経て形成された半導体層とで構成されている。
なお、図12において、同じ階層に複数のプラグが存在する場合、代表する一つのみに符号を与え、他はこの符号を併用することにする。同様に、同じ階層に複数の配線が存在する場合、代表する一つのみに符号を与え、他はこの符号を併用する。同様に、同じ階層に複数の導電膜が存在する場合、代表する一つのみに符号を与え、他はこの符号を併用する。
図12には、ビット線BLと、電源線SLと、ワード線WLOS1と、ワード線WLOS2と、ワード線WLC1と、ワード線WLC2と、にそれぞれ接続される端子が図示されている。
図12に示す半導体装置は、基板2000上にトランジスタ122、123が設けられ、トランジスタ122、123上に容量素子104が設けられ、容量素子104上にトランジスタ101が設けられ、トランジスタ101上にトランジスタ105が設けられ、トランジスタ105上に容量素子106が設けられている。なお、これら素子の上下関係は、これに限定されない。例えば、トランジスタ101上に容量素子106を設け、容量素子106上にトランジスタ105を設けてもよい。
基板2000としては、シリコンや炭化シリコンからなる単結晶半導体基板、多結晶半導体基板、シリコンゲルマニウムからなる化合物半導体基板や、SOI(Silicon on Insulator)基板などを用いることができる。半導体基板を用いて形成されたトランジスタは、高速動作が容易である。なお、基板2000としてp型の単結晶シリコン基板を用いた場合、基板2000の一部にn型を付与する不純物元素を添加してn型のウェルを形成し、n型のウェルが形成された領域にp型のトランジスタを形成することも可能である。n型を付与する不純物元素としては、リン(P)、砒素(As)等を用いることができる。p型を付与する不純物元素としては、ボロン(B)等を用いることができる。
また、基板2000は絶縁基板又は金属基板上に半導体膜を設けたものでもよい。該金属基板としては、ステンレス・スチル基板、ステンレス・スチル・ホイルを有する基板、タングステン基板、タングステン・ホイルを有する基板などが挙げられる。該絶縁基板として、例えば、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板、可撓性基板、貼り合わせフィルム、繊維状の材料を含む紙、又は基材フィルムなどが挙げられる。ガラス基板の一例としては、バリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、又はソーダライムガラスなどがある。可撓性基板の一例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)に代表されるプラスチック、又はアクリル等の可撓性を有する合成樹脂などがある。貼り合わせフィルムの一例としては、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリフッ化ビニル、又はポリ塩化ビニルなどがある。基材フィルムの一例としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、アラミド、エポキシ、無機蒸着フィルム、又は紙類などがある。
なお、ある基板を用いて半導体素子を形成し、その後、別の基板に半導体素子を転置してもよい。半導体素子が転置される基板の一例としては、上述した基板に加え、紙基板、セロファン基板、アラミドフィルム基板、ポリイミドフィルム基板、石材基板、木材基板、布基板(天然繊維(絹、綿、麻)、合成繊維(ナイロン、ポリウレタン、ポリエステル)若しくは再生繊維(アセテート、キュプラ、レーヨン、再生ポリエステル)などを含む)、皮革基板、又はゴム基板などがある。これらの基板を用いることにより、特性のよいトランジスタの形成、消費電力の小さいトランジスタの形成、壊れにくい装置の製造、耐熱性の付与、軽量化、又は薄型化を図ることができる。
トランジスタ122、123は、チャネルに第1の半導体材料を用いることが好ましい。また、トランジスタ101、105は、チャネルに第2の半導体材料を用いることが好ましい。第1の半導体材料と第2の半導体材料は異なる禁制帯幅を持つ材料とすることが好ましい。例えば、第1の半導体材料を酸化物半導体以外の半導体材料(シリコン(歪シリコン含む)、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム、炭化シリコン、ガリウムヒ素、アルミニウムガリウムヒ素、インジウムリン、窒化ガリウム、有機半導体など)とし、第2の半導体材料を酸化物半導体とすることができる。半導体材料として単結晶シリコンなどを用いたトランジスタは、高速動作が容易である。一方で、酸化物半導体を用いたトランジスタは、オフ電流が小さい。
トランジスタ101、105の詳細については、実施の形態4で説明を行う。
トランジスタ122、123としてシリサイド(サリサイド)を有するトランジスタや、側壁絶縁層2206を有さないトランジスタを用いてもよい。シリサイド(サリサイド)を有する構造であると、ソース領域およびドレイン領域がより低抵抗化でき、半導体装置の高速化が可能である。また、低電圧で動作できるため、半導体装置の消費電力を低減することが可能である。
トランジスタ122、123は、nチャネル型のトランジスタまたはpチャネル型のトランジスタのいずれであってもよく、回路によって適切なトランジスタを用いればよい。また、不純物領域2203の不純物濃度は、不純物領域2202よりも高い。ゲート電極2205および側壁絶縁層2206をマスクとして用いて、不純物領域2203及び不純物領域2202を自己整合的に形成することができる。
トランジスタ122、123にシリコン系半導体材料を用いた場合、絶縁膜2001及び絶縁膜2002は水素を含むことが好ましい。水素を含む絶縁膜をトランジスタ122、123の上に設け、加熱処理を行うことで、これら絶縁膜中の水素により半導体膜中のダングリングボンドが終端され、トランジスタ122、123の信頼性を向上させることができる。
絶縁膜2001、2002としては、例えば、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム、窒化アルミニウムなどを用いればよく、積層または単層で設ける。
トランジスタ101、105に酸化物半導体を用いた場合、上述した絶縁膜2001、2002中の水素は、酸化物半導体中にキャリアを生成する要因の一つとなるため、トランジスタ101、105の信頼性を低下させる要因となる場合がある。したがって、トランジスタ101、105と、トランジスタ122、123の間に、水素の拡散を防止する機能を有する絶縁膜2003、2006を設けることは特に効果的である。絶縁膜2003、2006により、下層に水素を閉じ込めることでトランジスタ122及びトランジスタ123の信頼性が向上することに加え、下層から上層に水素が拡散することが抑制されることでトランジスタ101、105の信頼性も同時に向上させることができる。
絶縁膜2003、2006としては、例えば酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、酸化ガリウム、酸化窒化ガリウム、酸化イットリウム、酸化窒化イットリウム、酸化ハフニウム、酸化窒化ハフニウム、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)等を用いることができる。特に、酸化アルミニウム膜は、水素、水分などの不純物および酸素の双方に対して膜を透過させない遮断(ブロッキング)効果が高く好ましい。
絶縁膜2004、2007は、絶縁膜2003、2006と同様、水や水素が拡散しにくい材料を用いることが好ましい。また、特に酸素を透過しにくい材料を用いることが好ましい。酸素を透過しにくい絶縁膜で、酸化物半導体膜を覆うことで、酸化物半導体膜から当該絶縁膜を超えて酸素が放出されることを抑制することができる。
また、水や水素を透過しにくい絶縁膜2004、2007により、外部から酸化物半導体にとっての不純物である水や水素が混入することを抑制でき、トランジスタ101、105の電気特性の変動が抑制され、信頼性の高いトランジスタを実現できる。
絶縁膜2005はトランジスタ101を保護する機能を有し、絶縁膜2008はトランジスタ105を保護する機能を有する。絶縁膜2005、2008には、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウムおよび酸化タンタルを一種以上含む絶縁膜を用いることができる。また、絶縁膜2005、2008は、上記材料の積層であってもよい。なお、絶縁膜2005、2008は、場合によっては設けなくてもよい。
配線2301はトランジスタ101の第2のゲート電極としての機能を有する。配線2301は、一定の電位が供給されていてもよいし、トランジスタ101の第1のゲート電極と同じ電位や、同じ信号が供給されていてもよい。配線2302はトランジスタ105の第2のゲート電極としての機能を有する。配線2302は、一定の電位が供給されていてもよいし、トランジスタ105の第1のゲート電極と同じ電位や、同じ信号が供給されていてもよい。なお、配線2301、2302は、場合によっては省略してもよい。
プラグ2101乃至2108は、銅(Cu)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、金(Au)、アルミニウム(Al)、マンガン(Mn)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、鉛(Pb)、錫(Sn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)の低抵抗材料からなる単体、もしくは合金、またはこれらを主成分とする化合物を含む導電膜の単層または積層とすることが好ましい。特に、耐熱性と導電性を両立するタングステンやモリブデンなどの高融点材料を用いることが好ましい。また、アルミニウムや銅などの低抵抗導電性材料で形成することが好ましい。さらに、Cu−Mn合金を用いると、酸素を含む絶縁体との界面に酸化マンガンを形成し、酸化マンガンがCuの拡散を抑制する機能を持つので好ましい。
配線2301、2302、2501、2502、容量素子104の第1の電極2401、容量素子104の第2の電極2402、容量素子106の第1の電極2601及び容量素子106の第2の電極2602は、銅(Cu)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、金(Au)、アルミニウム(Al)、マンガン(Mn)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、鉛(Pb)、錫(Sn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)の低抵抗材料からなる単体、もしくは合金、またはこれらを主成分とする化合物を含む導電膜の単層または積層とすることが好ましい。特に、耐熱性と導電性を両立するタングステンやモリブデンなどの高融点材料を用いることが好ましい。また、アルミニウムや銅などの低抵抗導電性材料で形成することが好ましい。さらに、Cu−Mn合金を用いると、酸素を含む絶縁体との界面に酸化マンガンを形成し、酸化マンガンがCuの拡散を抑制する機能を持つので好ましい。
容量素子104の絶縁膜2403及び容量素子106の絶縁膜2603は、誘電率の高い絶縁膜を用いることが好ましい。例えば、これら絶縁膜には、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウムおよび酸化タンタルを一種以上含む絶縁膜を用いることができる。また、絶縁膜2403及び絶縁膜2603は、上記材料の積層であってもよい。なお、これら絶縁膜に、ランタン(La)、窒素、ジルコニウム(Zr)などを、不純物として含んでいてもよい。
なお、図12において、符号及びハッチングパターンが与えられていない領域は絶縁体で構成された領域を表している。これらの領域には、酸化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウム、酸化タンタルなどから選ばれた一種以上含む絶縁体を用いることができる。また、当該領域には、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、シロキサン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の有機樹脂を用いることもできる。
なお、トランジスタ122、123は、プレーナ型のトランジスタだけでなく、様々なタイプのトランジスタとすることができる。例えば、FIN(フィン)型、TRI−GATE(トライゲート)型などのトランジスタなどとすることができる。
図4に示すメモリセル110を、図12に示す構成にすることで、メモリセル一つあたりの占有面積を小さくできる。また、メモリセル110は多値のデータを記憶することが可能なので、図12に示す構成にすることで、小さな面積で、高密度の情報量を記憶できる半導体装置を提供することができる。
以上、本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態5)
〈酸化物半導体トランジスタの構成例〉
本実施の形態では、図12に示したトランジスタ101、105に適用可能な、チャネルに酸化物半導体層を用いたトランジスタ(以下、OS(Oxide Semiconductor)トランジスタ)の一例について、図13乃至図18を用いて説明を行う。
図13(A)乃至図13(C)は、OSトランジスタの上面図および断面図である。図13(A)は上面図であり、図13(A)に示す一点鎖線A1−A2方向の断面が図13(B)に相当し、図13(A)に示す一点鎖線B1−B2方向の断面が図13(C)に相当する。なお、図13(A)乃至図13(C)では、図の明瞭化のために一部の要素を拡大、縮小、または省略して図示している。また、一点鎖線A1−A2方向をチャネル長方向、一点鎖線B1−B2方向をチャネル幅方向と呼称する場合がある。
なお、チャネル長とは、例えば、トランジスタの上面図において、半導体(またはトランジスタがオンのときに半導体の中で電流の流れる部分)とゲート電極とが重なる領域、またはチャネルが形成される領域における、ソース(ソース領域またはソース電極)とドレイン(ドレイン領域またはドレイン電極)との間の距離をいう。なお、一つのトランジスタにおいて、チャネル長が全ての領域で同じ値をとるとは限らない。即ち、一つのトランジスタのチャネル長は、一つの値に定まらない場合がある。そのため、本明細書では、チャネル長は、チャネルの形成される領域における、いずれか一の値、最大値、最小値または平均値とする。
チャネル幅とは、例えば、半導体(またはトランジスタがオンのときに半導体の中で電流の流れる部分)とゲート電極とが重なる領域、またはチャネルが形成される領域における、ソースとドレインとが向かい合っている部分の長さをいう。なお、一つのトランジスタにおいて、チャネル幅がすべての領域で同じ値をとるとは限らない。即ち、一つのトランジスタのチャネル幅は、一つの値に定まらない場合がある。そのため、本明細書では、チャネル幅は、チャネルの形成される領域における、いずれか一の値、最大値、最小値または平均値とする。
なお、トランジスタの構造によっては、実際にチャネルの形成される領域におけるチャネル幅(以下、実効的なチャネル幅と呼ぶ。)と、トランジスタの上面図において示されるチャネル幅(以下、見かけ上のチャネル幅と呼ぶ。)と、が異なる場合がある。例えば、立体的な構造を有するトランジスタでは、実効的なチャネル幅が、トランジスタの上面図において示される見かけ上のチャネル幅よりも大きくなり、その影響が無視できなくなる場合がある。例えば、微細かつ立体的な構造を有するトランジスタでは、半導体の上面に形成されるチャネル領域の割合に対して、半導体の側面に形成されるチャネル領域の割合が大きくなる場合がある。その場合は、上面図において示される見かけ上のチャネル幅よりも、実際にチャネルの形成される実効的なチャネル幅の方が大きくなる。
ところで、立体的な構造を有するトランジスタにおいては、実効的なチャネル幅の、実測による見積もりが困難となる場合がある。例えば、設計値から実効的なチャネル幅を見積もるためには、半導体の形状が既知という仮定が必要である。したがって、半導体の形状が正確にわからない場合には、実効的なチャネル幅を正確に測定することは困難である。
そこで、本明細書では、トランジスタの上面図において、半導体とゲート電極とが重なる領域における、ソースとドレインとが向かい合っている部分の長さである見かけ上のチャネル幅を、「囲い込みチャネル幅(SCW:Surrounded Channel Width)」と呼ぶ場合がある。また、本明細書では、単にチャネル幅と記載した場合には、囲い込みチャネル幅または見かけ上のチャネル幅を指す場合がある。または、本明細書では、単にチャネル幅と記載した場合には、実効的なチャネル幅を指す場合がある。なお、チャネル長、チャネル幅、実効的なチャネル幅、見かけ上のチャネル幅、囲い込みチャネル幅などは、断面TEM像などを取得して、その画像を解析することなどによって、値を決定することができる。
なお、トランジスタの電界効果移動度や、チャネル幅当たりの電流値などを計算して求める場合、囲い込みチャネル幅を用いて計算する場合がある。その場合には、実効的なチャネル幅を用いて計算する場合とは異なる値をとる場合がある。
OSトランジスタは、絶縁膜651上の絶縁膜652と、絶縁膜652上に、第1の酸化物半導体661、第2の酸化物半導体662の順で形成された積層と、該積層の一部と電気的に接続するソース電極671およびドレイン電極672と、該積層の一部、ソース電極671の一部、およびドレイン電極672の一部を覆う第3の酸化物半導体663と、該積層の一部、ソース電極671の一部、ドレイン電極672の一部、第3の酸化物半導体663の一部と重なるゲート絶縁膜653およびゲート電極673と、ソース電極671およびドレイン電極672、ならびにゲート電極673上の絶縁膜654と、絶縁膜654上の絶縁膜655を有する。なお、第1の酸化物半導体661、第2の酸化物半導体662および第3の酸化物半導体663をまとめて、酸化物半導体660と呼称する。
なお、ソース電極671(および/又は、ドレイン電極672)の、少なくとも一部(又は全部)は、第2の酸化物半導体662(および/又は、第1の酸化物半導体661)などの半導体層の、表面、側面、上面、および/又は、下面の少なくとも一部(又は全部)に設けられている。
または、ソース電極671(および/又は、ドレイン電極672)の、少なくとも一部(又は全部)は、第2の酸化物半導体662(および/又は、第1の酸化物半導体661)などの半導体層の、表面、側面、上面、および/又は、下面の少なくとも一部(又は全部)と、接触している。または、ソース電極671(および/又は、ドレイン電極672)の、少なくとも一部(又は全部)は、第2の酸化物半導体662(および/又は、第1の酸化物半導体661)などの半導体層の少なくとも一部(又は全部)と、接触している。
または、ソース電極671(および/又は、ドレイン電極672)の、少なくとも一部(又は全部)は、第2の酸化物半導体662(および/又は、第1の酸化物半導体661)などの半導体層の、表面、側面、上面、および/又は、下面の少なくとも一部(又は全部)と、電気的に接続されている。または、ソース電極671(および/又は、ドレイン電極672)の、少なくとも一部(又は全部)は、第2の酸化物半導体662(および/又は、第1の酸化物半導体661)などの半導体層の一部(又は全部)と、電気的に接続されている。
または、ソース電極671(および/又は、ドレイン電極672)の、少なくとも一部(又は全部)は、第2の酸化物半導体662(および/又は、第1の酸化物半導体661)などの半導体層の、表面、側面、上面、および/又は、下面の少なくとも一部(又は全部)に、近接して配置されている。または、ソース電極671(および/又は、ドレイン電極672)の、少なくとも一部(又は全部)は、第2の酸化物半導体662(および/又は、第1の酸化物半導体661)などの半導体層の一部(又は全部)に、近接して配置されている。
または、ソース電極671(および/又は、ドレイン電極672)の、少なくとも一部(又は全部)は、第2の酸化物半導体662(および/又は、第1の酸化物半導体661)などの半導体層の、表面、側面、上面、および/又は、下面の少なくとも一部(又は全部)の横側に配置されている。または、ソース電極671(および/又は、ドレイン電極672)の、少なくとも一部(又は全部)は、第2の酸化物半導体662(および/又は、第1の酸化物半導体661)などの半導体層の一部(又は全部)の横側に配置されている。
または、ソース電極671(および/又は、ドレイン電極672)の、少なくとも一部(又は全部)は、第2の酸化物半導体662(および/又は、第1の酸化物半導体661)などの半導体層の、表面、側面、上面、および/又は、下面の少なくとも一部(又は全部)の斜め上側に配置されている。または、ソース電極671(および/又は、ドレイン電極672)の、少なくとも一部(又は全部)は、第2の酸化物半導体662(および/又は、第1の酸化物半導体661)などの半導体層の一部(又は全部)の斜め上側に配置されている。
または、ソース電極671(および/又は、ドレイン電極672)の、少なくとも一部(又は全部)は、第2の酸化物半導体662(および/又は、第1の酸化物半導体661)などの半導体層の、表面、側面、上面、および/又は、下面の少なくとも一部(又は全部)の上側に配置されている。または、ソース電極671(および/又は、ドレイン電極672)の、少なくとも一部(又は全部)は、第2の酸化物半導体662(および/又は、第1の酸化物半導体661)などの半導体層の一部(又は全部)の上側に配置されている。
なお、トランジスタの「ソース」や「ドレイン」の機能は、異なる極性のトランジスタを採用する場合や、回路動作において電流の方向が変化する場合などには入れ替わることがある。このため、本明細書においては、「ソース」や「ドレイン」という用語は、入れ替えて用いることができるものとする。
本発明の一態様のトランジスタは、チャネル長が10nm以上1000nm以下、好ましくはチャネル長が20nm 以上500nm以下、より好ましくはチャネル長が30nm以上300nm以下のトップゲート型構造である。
以下に、本実施の形態の半導体装置に含まれる構成要素について、詳細に説明する。
〈下地絶縁膜〉
絶縁膜651及び絶縁膜652は、絶縁膜651の下からの不純物の拡散を防止する役割を有するほか、酸化物半導体660に酸素を供給する役割を担うことができる。したがって、絶縁膜651及び絶縁膜652は酸素を含む絶縁膜であることが好ましく、化学量論組成よりも多い酸素を含む絶縁膜であることがより好ましい。例えば、TDS(Thermal Desorption Spectroscopy)分析にて、酸素原子に換算しての酸素の放出量が1.0×1019atoms/cm3以上である膜とする。なお、上記TDS分析時における膜の表面温度としては100℃以上700℃以下、または100℃以上500℃以下の範囲が好ましい。また、図12のように、絶縁膜651の下に他のデバイスが形成されている場合、絶縁膜651及び絶縁膜652は、表面が平坦になるようにCMP(Chemical Mechanical Polishing)法等で平坦化処理を行うことが好ましい。
絶縁膜651及び絶縁膜652は、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウムおよび酸化タンタルなどの酸化物絶縁膜、窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウムなどの窒化物絶縁膜、またはこれらの混合材料を用いて形成することができる。
〈酸化物半導体〉
酸化物半導体660は、代表的には、In−Ga酸化物、In−Zn酸化物、In−M−Zn酸化物(Mは、Ti、Ga、Y、Zr、La、Ce、Nd、SnまたはHf)がある。とくに、酸化物半導体660としては、In−M−Zn酸化物を用いると好ましい。
ただし、酸化物半導体660は、インジウムを含む酸化物に限定されない。酸化物半導体660は、例えば、Zn酸化物、Zn−Sn酸化物、Ga酸化物、Ga−Sn酸化物であっても構わない。
酸化物半導体660がスパッタリング法で作製されたIn−M−Zn酸化物の場合、In−M−Zn酸化物を成膜するために用いるターゲットの金属元素の原子数比は、In≧M、Zn≧Mを満たすことが好ましい。このようなターゲットの金属元素の原子数比として、In:M:Zn=1:1:1、In:M:Zn=1:1:1.2、In:M:Zn=3:1:2が好ましい。なお、成膜される酸化物半導体660の原子数比はそれぞれ、誤差として上記のスパッタリングターゲットに含まれる金属元素の原子数比のプラスマイナス40%の変動を含む。
次に、第1の酸化物半導体661、第2の酸化物半導体662、および第3の酸化物半導体663の積層により構成される酸化物半導体660の機能およびその効果について、図14(B)に示すエネルギーバンド構造図を用いて説明する。図14(A)は、図13(B)に示すOSトランジスタのチャネル部分を拡大した図で、図14(B)は、図14(A)にC1−C2の鎖線で示した部位のエネルギーバンド構造を示している。つまり、図14(B)は、OSトランジスタのチャネル形成領域のエネルギーバンド構造を示している。
図14(B)中、Ec652、Ec661、Ec662、Ec663、Ec653は、それぞれ、絶縁膜652、第1の酸化物半導体661、第2の酸化物半導体662、第3の酸化物半導体663、ゲート絶縁膜653の伝導帯下端のエネルギーを示している。
ここで、真空準位と伝導帯下端のエネルギーとの差(「電子親和力」ともいう。)は、真空準位と価電子帯上端のエネルギーとの差(イオン化ポテンシャルともいう。)からエネルギーギャップを引いた値となる。なお、エネルギーギャップは、分光エリプソメータ(HORIBA JOBIN YVON社 UT−300)を用いて測定できる。また、真空準位と価電子帯上端のエネルギー差は、紫外線光電子分光分析(UPS:Ultraviolet Photoelectron Spectroscopy)装置(ULVAC PHI社 VersaProbe)を用いて測定できる。
なお、原子数比がIn:Ga:Zn=1:3:2のスパッタリングターゲットを用いて形成したIn−Ga−Zn酸化物のエネルギーギャップは約3.5eV、電子親和力は約4.5eVである。また、原子数比がIn:Ga:Zn=1:3:4のスパッタリングターゲットを用いて形成したIn−Ga−Zn酸化物のエネルギーギャップは約3.4eV、電子親和力は約4.5eVである。また、原子数比がIn:Ga:Zn=1:3:6のスパッタリングターゲットを用いて形成したIn−Ga−Zn酸化物のエネルギーギャップは約3.3eV、電子親和力は約4.5eVである。また、原子数比がIn:Ga:Zn=1:6:2のスパッタリングターゲットを用いて形成したIn−Ga−Zn酸化物のエネルギーギャップは約3.9eV、電子親和力は約4.3eVである。また、原子数比がIn:Ga:Zn=1:6:8のスパッタリングターゲットを用いて形成したIn−Ga−Zn酸化物のエネルギーギャップは約3.5eV、電子親和力は約4.4eVである。また、原子数比がIn:Ga:Zn=1:6:10のスパッタリングターゲットを用いて形成したIn−Ga−Zn酸化物のエネルギーギャップは約3.5eV、電子親和力は約4.5eVである。また、原子数比がIn:Ga:Zn=1:1:1のスパッタリングターゲットを用いて形成したIn−Ga−Zn酸化物のエネルギーギャップは約3.2eV、電子親和力は約4.7eVである。また、原子数比がIn:Ga:Zn=3:1:2のスパッタリングターゲットを用いて形成したIn−Ga−Zn酸化物のエネルギーギャップは約2.8eV、電子親和力は約5.0eVである。
絶縁膜652とゲート絶縁膜653は絶縁体であるため、Ec653とEc652は、Ec661、Ec662、およびEc663よりも真空準位に近い(電子親和力が小さい)。
また、Ec661は、Ec662よりも真空準位に近い。具体的には、Ec661は、Ec662よりも0.05eV以上、0.07eV以上、0.1eV以上または0.15eV以上、かつ2eV以下、1eV以下、0.5eV以下または0.4eV以下真空準位に近いことが好ましい。
また、Ec663は、Ec662よりも真空準位に近い。具体的には、Ec663は、Ec662よりも0.05eV以上、0.07eV以上、0.1eV以上または0.15eV以上、かつ2eV以下、1eV以下、0.5eV以下または0.4eV以下真空準位に近いことが好ましい。
また、第1の酸化物半導体661と第2の酸化物半導体662との界面近傍、および、第2の酸化物半導体662と第3の酸化物半導体663との界面近傍では、混合領域が形成されるため、伝導帯下端のエネルギーは連続的に変化する。即ち、これらの界面において、準位は存在しないか、ほとんどない。
従って、当該エネルギーバンド構造を有する積層構造において、電子は第2の酸化物半導体662を主として移動することになる。そのため、第1の酸化物半導体661と絶縁膜652との界面、または、第3の酸化物半導体663とゲート絶縁膜653との界面に準位が存在したとしても、当該準位は電子の移動にほとんど影響しない。また、第1の酸化物半導体661と第2の酸化物半導体662との界面、および第3の酸化物半導体663と第2の酸化物半導体662との界面に準位が存在しないか、ほとんどないため、当該領域において電子の移動を阻害することもない。従って、上記酸化物半導体の積層構造を有するOSトランジスタは、高い電界効果移動度を実現することができる。
なお、図6に示すように、第1の酸化物半導体661と絶縁膜652の界面、および第3の酸化物半導体663とゲート絶縁膜653の界面近傍には、不純物や欠陥に起因したトラップ準位Et600が形成され得るものの、第1の酸化物半導体661、および第3の酸化物半導体663があることにより、第2の酸化物半導体662と当該トラップ準位とを遠ざけることができる。
特に、本実施の形態に例示するOSトランジスタは、チャネル幅方向において、第2の酸化物半導体662の上面と側面が第3の酸化物半導体663と接し、第2の酸化物半導体662の下面が第1の酸化物半導体661と接して形成されている(図13(C)参照。)。このように、第2の酸化物半導体662を第1の酸化物半導体661と第3の酸化物半導体663で覆う構成とすることで、上記トラップ準位の影響をさらに低減することができる。
ただし、Ec661またはEc663と、Ec662とのエネルギー差が小さい場合、第2の酸化物半導体662の電子が該エネルギー差を越えてトラップ準位に達することがある。トラップ準位に電子が捕獲されることで、絶縁膜の界面にマイナスの固定電荷が生じ、トランジスタのしきい値電圧はプラス方向にシフトしてしまう。
従って、Ec661、およびEc663と、Ec662とのエネルギー差を、それぞれ0.1eV以上、好ましくは0.15eV以上とすると、トランジスタのしきい値電圧の変動が低減され、トランジスタの電気特性を良好なものとすることができるため、好ましい。
また、第1の酸化物半導体661、および第3の酸化物半導体663のバンドギャップは、第2の酸化物半導体662のバンドギャップよりも広いほうが好ましい。
第1の酸化物半導体661および第3の酸化物半導体663には、例えば、Al、Ti、Ga、Ge、Y、Zr、Sn、La、CeまたはHfを第2の酸化物半導体662よりも高い原子数比で含む材料を用いることができる。具体的には、当該原子数比を1.5倍以上、好ましくは2倍以上、さらに好ましくは3倍以上とする。前述の元素は酸素と強く結合するため、酸素欠損が酸化物半導体に生じることを抑制する機能を有する。すなわち、第1の酸化物半導体661および第3の酸化物半導体663は、第2の酸化物半導体662よりも酸素欠損が生じにくいということができる。
また、第3の酸化物半導体663がInを含むと、Inがゲート絶縁膜653に拡散し、ゲートリークを引き起こすことがある。そのため、第3の酸化物半導体663は、Inを含まない材料を用いることが好ましい。例えば、酸化ガリウムなどが好ましい。
なお、第1の酸化物半導体661、第2の酸化物半導体662、第3の酸化物半導体663が、少なくともインジウム、亜鉛およびM(Al、Ti、Ga、Ge、Y、Zr、Sn、La、CeまたはHf等の金属)を含むIn−M−Zn酸化物であるとき、第1の酸化物半導体661をIn:M:Zn=x1:y1:z1[原子数比]、第2の酸化物半導体662をIn:M:Zn=x2:y2:z2[原子数比]、第3の酸化物半導体663をIn:M:Zn=x3:y3:z3[原子数比]とすると、y1/x1およびy3/x3がy2/x2よりも大きくなることが好ましい。y1/x1およびy3/x3はy2/x2よりも1.5倍以上、好ましくは2倍以上、さらに好ましくは3倍以上とする。このとき、第2の酸化物半導体662において、y2がx2以上であるとトランジスタの電気特性を安定させることができる。ただし、y2がx2の3倍以上になると、トランジスタの電界効果移動度が低下してしまうため、y2はx2の3倍未満であることが好ましい。
第1の酸化物半導体661および第3の酸化物半導体663のZnおよびOを除いてのInおよびMの原子数比率は、好ましくはInが50atomic%未満、Mが50atomic%以上、さらに好ましくはInが25atomic%未満、Mが75atomic%以上とする。また、第2の酸化物半導体662のZnおよびOを除いてのInおよびMの原子数比率は、好ましくはInが25atomic%以上、Mが75atomic%未満、さらに好ましくはInが34atomic%以上、Mが66atomic%未満とする。
第1の酸化物半導体661および第3の酸化物半導体663の厚さは、3nm以上100nm以下、好ましくは3nm以上50nm以下とする。また、第2の酸化物半導体662の厚さは、3nm以上200nm以下、好ましくは3nm以上100nm以下、さらに好ましくは3nm以上50nm以下とする。また、第2の酸化物半導体662は、第1の酸化物半導体661および第3の酸化物半導体663より厚い方が好ましい。
なお、酸化物半導体をチャネルとするトランジスタに安定した電気特性を付与するためには、酸化物半導体中の不純物濃度を低減し、酸化物半導体を真性または実質的に真性にすることが有効である。ここで、実質的に真性とは、酸化物半導体のキャリア密度が、1×1017/cm3未満であること、好ましくは1×1015/cm3未満であること、さらに好ましくは1×1013/cm3未満であることを指す。
また、酸化物半導体において、水素、窒素、炭素、シリコン、および主成分以外の金属元素は不純物となる。例えば、水素および窒素はドナー準位の形成に寄与し、キャリア密度を増大させてしまう。また、シリコンは酸化物半導体中で不純物準位の形成に寄与する。当該不純物準位はトラップとなり、トランジスタの電気特性を劣化させることがある。したがって、第1の酸化物半導体661、第2の酸化物半導体662および第3の酸化物半導体663の層中や、それぞれの界面において不純物濃度を低減させることが好ましい。
酸化物半導体を真性または実質的に真性とするためには、SIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry)分析において、例えば、酸化物半導体のある深さにおいて、または、酸化物半導体のある領域において、シリコン濃度を1×1019atoms/cm3未満、好ましくは5×1018atoms/cm3未満、さらに好ましくは1×1018atoms/cm3未満とする。また、水素濃度は、例えば、酸化物半導体のある深さにおいて、または、酸化物半導体のある領域において、2×1020atoms/cm3以下、好ましくは5×1019atoms/cm3以下、より好ましくは1×1019atoms/cm3以下、さらに好ましくは5×1018atoms/cm3以下とする。また、窒素濃度は、例えば、酸化物半導体のある深さにおいて、または、酸化物半導体のある領域において、5×1019atoms/cm3未満、好ましくは5×1018atoms/cm3以下、より好ましくは1×1018atoms/cm3以下、さらに好ましくは5×1017atoms/cm3以下とする。
また、酸化物半導体が結晶を含む場合、シリコンや炭素が高濃度で含まれると、酸化物半導体の結晶性を低下させることがある。酸化物半導体の結晶性を低下させないためには、例えば、酸化物半導体のある深さにおいて、または、酸化物半導体のある領域において、シリコン濃度を1×1019atoms/cm3未満、好ましくは5×1018atoms/cm3未満、さらに好ましくは1×1018atoms/cm3未満とする部分を有していればよい。また、例えば、酸化物半導体のある深さにおいて、または、酸化物半導体のある領域において、炭素濃度を1×1019atoms/cm3未満、好ましくは5×1018atoms/cm3未満、さらに好ましくは1×1018atoms/cm3未満とする部分を有していればよい。
また、上述のように高純度化された酸化物半導体をチャネル形成領域に用いたトランジスタのオフ電流は極めて小さい。例えば、ソースとドレインとの間の電圧を0.1V、5V、または、10V程度とした場合に、トランジスタのチャネル幅で規格化したオフ電流を数yA/μmから数zA/μmにまで低減することが可能となる。
本実施の形態に例示するOSトランジスタは、酸化物半導体660のチャネル幅方向を電気的に取り囲むようにゲート電極673が形成されているため、酸化物半導体660に対しては垂直方向からのゲート電界に加えて、側面方向からのゲート電界が印加される(図13(C)参照)。すなわち、酸化物半導体の全体的にゲート電界が印加させることとなり、電流はチャネルとなる第2の酸化物半導体662全体に流れるようになり、さらにオン電流を高められる。
〈ゲート電極〉
ゲート電極673は、クロム(Cr)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、亜鉛(Zn)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、タングステン(W)、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ルテニウム(Ru)から選ばれた金属元素、上述した金属元素を成分とする合金、または上述した金属元素を組み合わせた合金等を用いて形成することができる。また、ゲート電極673は、一層構造でも、二層以上の積層構造としてもよい。例えば、シリコンを含むアルミニウム膜の単層構造、アルミニウム膜上にチタン膜を積層する二層構造、窒化チタン膜上にチタン膜を積層する二層構造、窒化チタン膜上にタングステン膜を積層する二層構造、窒化タンタル膜または窒化タングステン膜上にタングステン膜を積層する二層構造、チタン膜と、そのチタン膜上にアルミニウム膜を積層し、さらにその上にチタン膜を形成する三層構造、Cu−Mn合金膜の単層構造、Cu−Mn合金膜上にCu膜を積層する二層構造、Cu−Mn合金膜上にCu膜を積層し、さらにその上にCu−Mn合金膜を積層する三層構造等がある。特にCu−Mn合金膜は、電気抵抗が低く、且つ、酸素を含む絶縁膜との界面に酸化マンガンを形成し、Cuの拡散を防ぐことができるため好ましい。
また、ゲート電極673には、インジウム錫酸化物、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化シリコンを添加したインジウム錫酸化物等の透光性を有する導電性材料を適用することもできる。また、上記透光性を有する導電性材料と、上記金属元素の積層構造とすることもできる。
〈ゲート絶縁膜〉
ゲート絶縁膜653には、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウムおよび酸化タンタルを一種以上含む絶縁膜を用いることができる。また、ゲート絶縁膜653は上記材料の積層であってもよい。なお、ゲート絶縁膜653に、ランタン(La)、窒素、ジルコニウム(Zr)などを、不純物として含んでいてもよい。
また、ゲート絶縁膜653の積層構造の一例について説明する。ゲート絶縁膜653は、例えば、酸素、窒素、シリコン、ハフニウムなどを有する。具体的には、酸化ハフニウム、および酸化シリコンまたは酸化窒化シリコンを含むと好ましい。
酸化ハフニウムは、酸化シリコンや酸化窒化シリコンと比べて比誘電率が高い。したがって、等価酸化膜厚に対して物理的な膜厚を大きくできるため、等価酸化膜厚を10nm以下または5nm以下とした場合でも、トンネル電流によるリーク電流を小さくすることができる。即ち、オフ電流の小さいトランジスタを実現することができる。
〈ソース電極およびドレイン電極〉
ソース電極671およびドレイン電極672は、ゲート電極673と同様の材料で作製することができる。特にCu−Mn合金膜は、電気抵抗が低く、且つ、酸化物半導体660との界面に酸化マンガンを形成し、Cuの拡散を防ぐことができるため好ましい。
〈保護絶縁膜〉
絶縁膜654は、酸素、水素、水、アルカリ金属、アルカリ土類金属等のブロッキングできる機能を有する。絶縁膜654を設けることで、酸化物半導体660からの酸素の外部への拡散と、外部から酸化物半導体660への水素、水等の入り込みを防ぐことができる。絶縁膜654としては、例えば、窒化物絶縁膜を用いることができる。該窒化物絶縁膜としては、窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム等がある。なお、酸素、水素、水、アルカリ金属、アルカリ土類金属等のブロッキング効果を有する窒化物絶縁膜の代わりに、酸素、水素、水等のブロッキング効果を有する酸化物絶縁膜を設けてもよい。酸素、水素、水等のブロッキング効果を有する酸化物絶縁膜としては、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、酸化ガリウム、酸化窒化ガリウム、酸化イットリウム、酸化窒化イットリウム、酸化ハフニウム、酸化窒化ハフニウム等がある。
酸化アルミニウム膜は、水素、水分などの不純物、および酸素の両方に対して膜を透過させない遮断効果が高いので絶縁膜654に適用するのに好ましい。したがって、酸化アルミニウム膜は、トランジスタの作製工程中および作製後において、トランジスタの電気特性の変動要因となる水素、水分などの不純物の酸化物半導体660への混入防止、酸化物半導体660を構成する主成分材料である酸素の酸化物半導体からの放出防止、絶縁膜652からの酸素の不必要な放出防止の効果を有する保護膜として用いることに適している。また、酸化アルミニウム膜に含まれる酸素を酸化物半導体中に拡散させることもできる。
〈酸化物半導体の結晶構造〉
次に、OSトランジスタに適用可能な酸化物半導体の結晶構造について説明を行う。
なお、本明細書において、「平行」とは、二つの直線が−10°以上10°以下の角度で配置されている状態をいう。従って、−5°以上5°以下の場合も含まれる。また、「垂直」とは、二つの直線が80°以上100°以下の角度で配置されている状態をいう。従って、85°以上95°以下の場合も含まれる。
また、本明細書において、結晶が三方晶または菱面体晶である場合、六方晶系として表す。
酸化物半導体膜は、非単結晶酸化物半導体膜と単結晶酸化物半導体膜とに大別される。非単結晶酸化物半導体膜とは、CAAC−OS(C Axis Aligned Crystalline Oxide Semiconductor)膜、多結晶酸化物半導体膜、微結晶酸化物半導体膜、非晶質酸化物半導体膜などをいう。
まずは、CAAC−OS膜について説明する。
CAAC−OS膜は、c軸配向した複数の結晶部を有する酸化物半導体膜の一つである。
透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)によって、CAAC−OS膜の明視野像および回折パターンの複合解析像(高分解能TEM像ともいう。)を観察することで、複数の結晶部を確認することができる。一方、高分解能TEM像によっても明確な結晶部同士の境界、即ち結晶粒界(グレインバウンダリーともいう。)を確認することができない。そのため、CAAC−OS膜は、結晶粒界に起因する電子移動度の低下が起こりにくいといえる。
試料面と概略平行な方向から、CAAC−OS膜の断面の高分解能TEM像を観察すると、結晶部において、金属原子が層状に配列していることを確認できる。金属原子の各層は、CAAC−OS膜の膜を形成する面(被形成面ともいう。)または上面の凹凸を反映した形状であり、CAAC−OS膜の被形成面または上面と平行に配列する。
一方、試料面と概略垂直な方向から、CAAC−OS膜の平面の高分解能TEM像を観察すると、結晶部において、金属原子が三角形状または六角形状に配列していることを確認できる。しかしながら、異なる結晶部間で、金属原子の配列に規則性は見られない。
図15(a)は、CAAC−OS膜の断面の高分解能TEM像である。また、図15(b)は、図15(a)をさらに拡大した断面の高分解能TEM像であり、理解を容易にするために原子配列を強調表示している。
図15(c)は、図15(a)のA−O−A’間において、丸で囲んだ領域(直径約4nm)の局所的なフーリエ変換像である。図15(c)より、各領域においてc軸配向性が確認できる。また、A−O間とO−A’間とでは、c軸の向きが異なるため、異なるグレインであることが示唆される。また、A−O間では、c軸の角度が14.3°、16.6°、26.4°のように少しずつ連続的に変化していることがわかる。同様に、O−A’間では、c軸の角度が−18.3°、−17.6°、−15.9°と少しずつ連続的に変化していることがわかる。
なお、CAAC−OS膜に対し、電子回折を行うと、配向性を示すスポット(輝点)が観測される。例えば、CAAC−OS膜の上面に対し、例えば1nm以上30nm以下の電子線を用いる電子回折(ナノビーム電子回折ともいう。)を行うと、スポットが観測される(図16(A)参照。)。
断面の高分解能TEM像および平面の高分解能TEM像より、CAAC−OS膜の結晶部は配向性を有していることがわかる。
なお、CAAC−OS膜に含まれるほとんどの結晶部は、一辺が100nm未満の立方体内に収まる大きさである。従って、CAAC−OS膜に含まれる結晶部は、一辺が10nm未満、5nm未満または3nm未満の立方体内に収まる大きさの場合も含まれる。ただし、CAAC−OS膜に含まれる複数の結晶部が連結することで、一つの大きな結晶領域を形成する場合がある。例えば、平面の高分解能TEM像において、2500nm2以上、5μm2以上または1000μm2以上となる結晶領域が観察される場合がある。
CAAC−OS膜に対し、X線回折(XRD:X−Ray Diffraction)装置を用いて構造解析を行うと、例えばInGaZnO4の結晶を有するCAAC−OS膜のout−of−plane法による解析では、回折角(2θ)が31°近傍にピークが現れる場合がある。このピークは、InGaZnO4の結晶の(009)面に帰属されることから、CAAC−OS膜の結晶がc軸配向性を有し、c軸が被形成面または上面に概略垂直な方向を向いていることが確認できる。
一方、CAAC−OS膜に対し、c軸に概略垂直な方向からX線を入射させるin−plane法による解析では、2θが56°近傍にピークが現れる場合がある。このピークは、InGaZnO4の結晶の(110)面に帰属される。InGaZnO4の単結晶酸化物半導体膜であれば、2θを56°近傍に固定し、試料面の法線ベクトルを軸(φ軸)として試料を回転させながら分析(φスキャン)を行うと、(110)面と等価な結晶面に帰属されるピークが6本観察される。これに対し、CAAC−OS膜の場合は、2θを56°近傍に固定してφスキャンした場合でも、明瞭なピークが現れない。
以上のことから、CAAC−OS膜では、異なる結晶部間ではa軸およびb軸の配向は不規則であるが、c軸配向性を有し、かつc軸が被形成面または上面の法線ベクトルに平行な方向を向いていることがわかる。従って、前述の断面の高分解能TEM観察で確認された層状に配列した金属原子の各層は、結晶のab面に平行な面である。
なお、結晶部は、CAAC−OS膜を成膜した際、または加熱処理などの結晶化処理を行った際に形成される。上述したように、結晶のc軸は、CAAC−OS膜の被形成面または上面の法線ベクトルに平行な方向に配向する。従って、例えば、CAAC−OS膜の形状をエッチングなどによって変化させた場合、結晶のc軸がCAAC−OS膜の被形成面または上面の法線ベクトルと平行にならないこともある。
また、CAAC−OS膜中において、c軸配向した結晶部の分布が均一でなくてもよい。例えば、CAAC−OS膜の結晶部が、CAAC−OS膜の上面近傍からの結晶成長によって形成される場合、上面近傍の領域は、被形成面近傍の領域よりもc軸配向した結晶部の割合が高くなることがある。また、不純物の添加されたCAAC−OS膜は、不純物が添加された領域が変質し、部分的にc軸配向した結晶部の割合の異なる領域が形成されることもある。
なお、InGaZnO4の結晶を有するCAAC−OS膜のout−of−plane法による解析では、2θが31°近傍のピークの他に、2θが36°近傍にもピークが現れる場合がある。2θが36°近傍のピークは、CAAC−OS膜中の一部に、c軸配向性を有さない結晶が含まれることを示している。CAAC−OS膜は、2θが31°近傍にピークを示し、2θが36°近傍にピークを示さないことが好ましい。
CAAC−OS膜は、不純物濃度の低い酸化物半導体膜である。不純物は、水素、炭素、シリコン、遷移金属元素などの酸化物半導体膜の主成分以外の元素である。特に、シリコンなどの、酸化物半導体膜を構成する金属元素よりも酸素との結合力の強い元素は、酸化物半導体膜から酸素を奪うことで酸化物半導体膜の原子配列を乱し、結晶性を低下させる要因となる。また、鉄やニッケルなどの重金属、アルゴン、二酸化炭素などは、原子半径(または分子半径)が大きいため、酸化物半導体膜内部に含まれると、酸化物半導体膜の原子配列を乱し、結晶性を低下させる要因となる。なお、酸化物半導体膜に含まれる不純物は、キャリアトラップやキャリア発生源となる場合がある。
また、CAAC−OS膜は、欠陥準位密度の低い酸化物半導体膜である。例えば、酸化物半導体膜中の酸素欠損は、キャリアトラップとなることや、水素を捕獲することによってキャリア発生源となることがある。
不純物濃度が低く、欠陥準位密度が低い(酸素欠損の少ない)ことを、高純度真性または実質的に高純度真性と呼ぶ。高純度真性または実質的に高純度真性である酸化物半導体膜は、キャリア発生源が少ないため、キャリア密度を低くすることができる。従って、当該酸化物半導体膜を用いたトランジスタは、しきい値電圧がマイナスとなる電気特性(ノーマリーオンともいう。)になることが少ない。また、高純度真性または実質的に高純度真性である酸化物半導体膜は、キャリアトラップが少ない。そのため、当該酸化物半導体膜を用いたトランジスタは、電気特性の変動が小さく、信頼性の高いトランジスタとなる。なお、酸化物半導体膜のキャリアトラップに捕獲された電荷は、放出するまでに要する時間が長く、あたかも固定電荷のように振る舞うことがある。そのため、不純物濃度が高く、欠陥準位密度が高い酸化物半導体膜を用いたトランジスタは、電気特性が不安定となる場合がある。
また、CAAC−OS膜を用いたトランジスタは、可視光や紫外光の照射による電気特性の変動が小さい。
次に、微結晶酸化物半導体膜について説明する。
微結晶酸化物半導体膜は、高分解能TEM像において、結晶部を確認することのできる領域と、明確な結晶部を確認することのできない領域と、を有する。微結晶酸化物半導体膜に含まれる結晶部は、1nm以上100nm以下、または1nm以上10nm以下の大きさであることが多い。特に、1nm以上10nm以下、または1nm以上3nm以下の微結晶であるナノ結晶(nc:nanocrystal)を有する酸化物半導体膜を、nc−OS(nanocrystalline Oxide Semiconductor)膜と呼ぶ。また、nc−OS膜は、例えば、高分解能TEM像では、結晶粒界を明確に確認できない場合がある。
nc−OS膜は、微小な領域(例えば、1nm以上10nm以下の領域、特に1nm以上3nm以下の領域)において原子配列に周期性を有する。また、nc−OS膜は、異なる結晶部間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、膜全体で配向性が見られない。従って、nc−OS膜は、分析方法によっては、非晶質酸化物半導体膜と区別が付かない場合がある。例えば、nc−OS膜に対し、結晶部よりも大きい径のX線を用いるXRD装置を用いて構造解析を行うと、out−of−plane法による解析では、結晶面を示すピークが検出されない。また、nc−OS膜に対し、結晶部よりも大きいプローブ径(例えば50nm以上)の電子線を用いる電子回折(制限視野電子回折ともいう。)を行うと、ハローパターンのような回折パターンが観測される。一方、nc−OS膜に対し、結晶部の大きさと近いか結晶部より小さいプローブ径の電子線を用いるナノビーム電子回折を行うと、スポットが観測される。また、nc−OS膜に対しナノビーム電子回折を行うと、円を描くように(リング状に)輝度の高い領域が観測される場合がある。また、nc−OS膜に対しナノビーム電子回折を行うと、リング状の領域内に複数のスポットが観測される場合がある(図16(B)参照。)。
nc−OS膜は、非晶質酸化物半導体膜よりも規則性の高い酸化物半導体膜である。そのため、nc−OS膜は、非晶質酸化物半導体膜よりも欠陥準位密度が低くなる。ただし、nc−OS膜は、異なる結晶部間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、nc−OS膜は、CAAC−OS膜と比べて欠陥準位密度が高くなる。
次に、非晶質酸化物半導体膜について説明する。
非晶質酸化物半導体膜は、膜中における原子配列が不規則であり、結晶部を有さない酸化物半導体膜である。石英のような無定形状態を有する酸化物半導体膜が一例である。
非晶質酸化物半導体膜は、高分解能TEM像において結晶部を確認することができない。
非晶質酸化物半導体膜に対し、XRD装置を用いた構造解析を行うと、out−of−plane法による解析では、結晶面を示すピークが検出されない。また、非晶質酸化物半導体膜に対し、電子回折を行うと、ハローパターンが観測される。また、非晶質酸化物半導体膜に対し、ナノビーム電子回折を行うと、スポットが観測されず、ハローパターンが観測される。
なお、酸化物半導体膜は、nc−OS膜と非晶質酸化物半導体膜との間の物性を示す構造を有する場合がある。そのような構造を有する酸化物半導体膜を、特に非晶質ライク酸化物半導体(amorphous−like OS:amorphous−like Oxide Semiconductor)膜と呼ぶ。
amorphous−like OS膜は、高分解能TEM像において鬆(ボイドともいう。)が観察される場合がある。また、高分解能TEM像において、明確に結晶部を確認することのできる領域と、結晶部を確認することのできない領域と、を有する。amorphous−like OS膜は、TEMによる観察程度の微量な電子照射によって、結晶化が起こり、結晶部の成長が見られる場合がある。一方、良質なnc−OS膜であれば、TEMによる観察程度の微量な電子照射による結晶化はほとんど見られない。
なお、amorphous−like OS膜およびnc−OS膜の結晶部の大きさの計測は、高分解能TEM像を用いて行うことができる。例えば、InGaZnO4の結晶は層状構造を有し、In−O層の間に、Ga−Zn−O層を2層有する。InGaZnO4の結晶の単位格子は、In−O層を3層有し、またGa−Zn−O層を6層有する、計9層がc軸方向に層状に重なった構造を有する。よって、これらの近接する層同士の間隔は、(009)面の格子面間隔(d値ともいう。)と同程度であり、結晶構造解析からその値は0.29nmと求められている。そのため、高分解能TEM像における格子縞に着目し、格子縞の間隔が0.28nm以上0.30nm以下である箇所においては、それぞれの格子縞がInGaZnO4の結晶のa−b面に対応すると見なした。その格子縞の観察される領域のおける最大長を、amorphous−like OS膜およびnc−OS膜の結晶部の大きさとする。なお、結晶部の大きさは、0.8nm以上のものを選択的に評価する。
図17は、高分解能TEM像により、amorphous−like OS膜およびnc−OS膜の結晶部(20箇所から40箇所)の平均の大きさの変化を調査した例である。図17より、amorphous−like OS膜は、電子の累積照射量に応じて結晶部が大きくなっていくことがわかる。具体的には、TEMによる観察初期においては1.2nm程度の大きさだった結晶部が、累積照射量が4.2×108e−/nm2においては2.6nm程度の大きさまで成長していることがわかる。一方、良質なnc−OS膜は、電子照射開始時から電子の累積照射量が4.2×108e−/nm2になるまでの範囲で、電子の累積照射量によらず結晶部の大きさに変化が見られないことがわかる。
また、図17に示す、amorphous−like OS膜およびnc−OS膜の結晶部の大きさの変化を線形近似して、電子の累積照射量0e−/nm2まで外挿すると、結晶部の平均の大きさが正の値をとることがわかる。そのため、amorphous−like OS膜およびnc−OS膜の結晶部が、TEMによる観察前から存在していることがわかる。
なお、酸化物半導体膜は、例えば、非晶質酸化物半導体膜、微結晶酸化物半導体膜、CAAC−OS膜のうち、二種以上を有する積層膜であってもよい。
酸化物半導体膜が複数の構造を有する場合、ナノビーム電子回折を用いることで構造解析が可能となる場合がある。
図16(C)に、電子銃室10と、電子銃室10の下の光学系12と、光学系12の下の試料室14と、試料室14の下の光学系16と、光学系16の下の観察室20と、観察室20に設置されたカメラ18と、観察室20の下のフィルム室22と、を有する透過電子回折測定装置を示す。カメラ18は、観察室20内部に向けて設置される。なお、フィルム室22を有さなくても構わない。
また、図16(D)に、図16(C)で示した透過電子回折測定装置内部の構造を示す。透過電子回折測定装置内部では、電子銃室10に設置された電子銃から放出された電子が、光学系12を介して試料室14に配置された物質28に照射される。物質28を通過した電子は、光学系16を介して観察室20内部に設置された蛍光板32に入射する。蛍光板32では、入射した電子の強度に応じたパターンが現れることで透過電子回折パターンを測定することができる。
カメラ18は、蛍光板32を向いて設置されており、蛍光板32に現れたパターンを撮影することが可能である。カメラ18のレンズの中央、および蛍光板32の中央を通る直線と、蛍光板32の上面と、の為す角度は、例えば、15°以上80°以下、30°以上75°以下、または45°以上70°以下とする。該角度が小さいほど、カメラ18で撮影される透過電子回折パターンは歪みが大きくなる。ただし、あらかじめ該角度がわかっていれば、得られた透過電子回折パターンの歪みを補正することも可能である。なお、カメラ18をフィルム室22に設置しても構わない場合がある。例えば、カメラ18をフィルム室22に、電子24の入射方向と対向するように設置してもよい。この場合、蛍光板32の裏面から歪みの少ない透過電子回折パターンを撮影することができる。
試料室14には、試料である物質28を固定するためのホルダが設置されている。ホルダは、物質28を通過する電子を透過するような構造をしている。ホルダは、例えば、物質28をX軸、Y軸、Z軸などに移動させる機能を有していてもよい。ホルダの移動機能は、例えば、1nm以上10nm以下、5nm以上50nm以下、10nm以上100nm以下、50nm以上500nm以下、100nm以上1μm以下などの範囲で移動させる精度を有すればよい。これらの範囲は、物質28の構造によって最適な範囲を設定すればよい。
次に、上述した透過電子回折測定装置を用いて、物質の透過電子回折パターンを測定する方法について説明する。
例えば、図16(D)に示すように物質におけるナノビームである電子24の照射位置を変化させる(スキャンする)ことで、物質の構造が変化していく様子を確認することができる。このとき、物質28がCAAC−OS膜であれば、図16(A)に示したような回折パターンが観測される。または、物質28がnc−OS膜であれば、図16(B)に示したような回折パターンが観測される。
ところで、物質28がCAAC−OS膜であったとしても、部分的にnc−OS膜などと同様の回折パターンが観測される場合がある。したがって、CAAC−OS膜の良否は、一定の範囲におけるCAAC−OS膜の回折パターンが観測される領域の割合(CAAC化率ともいう。)で表すことができる場合がある。例えば、良質なCAAC−OS膜であれば、CAAC化率は、50%以上、好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上となる。なお、CAAC−OS膜と異なる回折パターンが観測される領域の割合を非CAAC化率と表記する。
一例として、成膜直後(as−sputteredと表記。)、または酸素を含む雰囲気における450℃加熱処理後のCAAC−OS膜を有する各試料の上面に対し、スキャンしながら透過電子回折パターンを取得した。ここでは、5nm/秒の速度で60秒間スキャンしながら回折パターンを観測し、観測された回折パターンを0.5秒ごとに静止画に変換することで、CAAC化率を導出した。なお、電子線としては、プローブ径が1nmのナノビーム電子線を用いた。なお、同様の測定は6試料に対して行った。そしてCAAC化率の算出には、6試料における平均値を用いた。
各試料におけるCAAC化率を図18(A)に示す。成膜直後のCAAC−OS膜のCAAC化率は75.7%(非CAAC化率は24.3%)であった。また、450℃加熱処理後のCAAC−OS膜のCAAC化率は85.3%(非CAAC化率は14.7%)であった。成膜直後と比べて、450℃加熱処理後のCAAC化率が高いことがわかる。即ち、高い温度(例えば400℃以上)における加熱処理によって、非CAAC化率が低くなる(CAAC化率が高くなる)ことがわかる。また、500℃未満の加熱処理においても高いCAAC化率を有するCAAC−OS膜が得られることがわかる。
ここで、CAAC−OS膜と異なる回折パターンのほとんどはnc−OS膜と同様の回折パターンであった。また、測定領域において非晶質酸化物半導体膜は、確認することができなかった。したがって、加熱処理によって、nc−OS膜と同様の構造を有する領域が、隣接する領域の構造の影響を受けて再配列し、CAAC化していることが示唆される。
図18(B)および図18(C)は、成膜直後および450℃加熱処理後のCAAC−OS膜の平面の高分解能TEM像である。図18(B)と図18(C)とを比較することにより、450℃加熱処理後のCAAC−OS膜は、膜質がより均質であることがわかる。即ち、高い温度における加熱処理によって、CAAC−OS膜の膜質が向上することがわかる。
このような測定方法を用いれば、複数の構造を有する酸化物半導体膜の構造解析が可能となる場合がある。
以上、本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態6)
本発明の一態様に係る半導体装置は、表示機器、パーソナルコンピュータ、記録媒体を備えた画像再生装置(代表的にはDVD:Digital Versatile Disc等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを有する装置)に用いることができる。その他に、本発明の一態様に係る半導体装置を用いることができる電子機器として、携帯電話、携帯型を含むゲーム機、携帯データ端末、電子書籍端末、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ等のカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、デジタルオーディオプレイヤー等)、複写機、ファクシミリ、プリンタ、プリンタ複合機、現金自動預け入れ払い機(ATM)、自動販売機などが挙げられる。これら電子機器の具体例を図19に示す。
図19(A)は携帯型ゲーム機であり、筐体901、筐体902、表示部903、表示部904、マイクロフォン905、スピーカー906、操作キー907、スタイラス908等を有する。なお、図19(A)に示した携帯型ゲーム機は、2つの表示部903と表示部904とを有しているが、携帯型ゲーム機が有する表示部の数は、これに限定されない。
図19(B)は携帯データ端末であり、第1筐体911、第2筐体912、第1表示部913、第2表示部914、接続部915、操作キー916等を有する。第1表示部913は第1筐体911に設けられており、第2表示部914は第2筐体912に設けられている。そして、第1筐体911と第2筐体912とは、接続部915により接続されており、第1筐体911と第2筐体912の間の角度は、接続部915により変更が可能である。第1表示部913における映像を、接続部915における第1筐体911と第2筐体912との間の角度に従って、切り替える構成としても良い。また、第1表示部913および第2表示部914の少なくとも一方に、位置入力装置としての機能が付加された表示装置を用いるようにしても良い。なお、位置入力装置としての機能は、表示装置にタッチパネルを設けることで付加することができる。或いは、位置入力装置としての機能は、フォトセンサとも呼ばれる光電変換素子を表示装置の画素部に設けることでも、付加することができる。
図19(C)はノート型パーソナルコンピュータであり、筐体921、表示部922、キーボード923、ポインティングデバイス924等を有する。
図19(D)は電気冷凍冷蔵庫であり、筐体931、冷蔵室用扉932、冷凍室用扉933等を有する。
図19(E)はビデオカメラであり、第1筐体941、第2筐体942、表示部943、操作キー944、レンズ945、接続部946等を有する。操作キー944およびレンズ945は第1筐体941に設けられており、表示部943は第2筐体942に設けられている。そして、第1筐体941と第2筐体942とは、接続部946により接続されており、第1筐体941と第2筐体942の間の角度は、接続部946により変更が可能である。表示部943における映像を、接続部946における第1筐体941と第2筐体942との間の角度に従って切り替える構成としても良い。
図19(F)は普通自動車であり、車体951、車輪952、ダッシュボード953、ライト954等を有する。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態7)
本実施の形態では、本発明の一態様に係るRFタグの使用例について図20を用いながら説明する。RFタグの用途は広範にわたるが、例えば、紙幣、硬貨、有価証券類、無記名債券類、証書類(運転免許証や住民票等、図20(A)参照)、記録媒体(DVDやビデオテープ等、図20(B)参照)、包装用容器類(包装紙やボトル等、図20(C)参照)、乗り物類(自転車等、図20(D)参照)、身の回り品(鞄や眼鏡等)、食品類、植物類、動物類、人体、衣類、生活用品類、薬品や薬剤を含む医療品、または電子機器(液晶表示装置、EL表示装置、テレビジョン装置、または携帯電話)等の物品、若しくは各物品に取り付ける荷札(図20(E)、図20(F)参照)等に設けて使用することができる。
本発明の一態様に係るRFタグ4000は、表面に貼る、または埋め込むことにより、物品に固定される。例えば、本であれば紙に埋め込み、有機樹脂からなるパッケージであれば当該有機樹脂の内部に埋め込み、各物品に固定される。本発明の一態様に係るRFタグ4000は、小型、薄型、軽量を実現するため、物品に固定した後もその物品自体のデザイン性を損なうことがない。また、紙幣、硬貨、有価証券類、無記名債券類、または証書類等に本発明の一態様に係るRFタグ4000を設けることにより、認証機能を設けることができ、この認証機能を活用すれば、偽造を防止することができる。また、包装用容器類、記録媒体、身の回り品、食品類、衣類、生活用品類、または電子機器等に本発明の一態様に係るRFタグを取り付けることにより、検品システム等のシステムの効率化を図ることができる。また、乗り物類であっても、本発明の一態様に係るRFタグを取り付けることにより、盗難などに対するセキュリティ性を高めることができる。
以上のように、本発明の一態様に係わるRFタグを本実施の形態に挙げた各用途に用いることにより、情報の書込みや読み出しを含む動作電力を低減できるため、最大通信距離を長くとることが可能となる。また、電力が遮断された状態であっても情報を極めて長い期間保持可能であるため、書き込みや読み出しの頻度が低い用途にも好適に用いることができる。
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。