JP6598773B2 - 燃料カートリッジの再製方法 - Google Patents

Description

本発明は、封止境界に関する。特に、排他的にではなく、封止境界は、電気化学的な燃料電池装置のための気体燃料の生成及び／または貯蔵に使用されるものなど、燃料カートリッジに適用可能である。

電気化学的な燃料電池は、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、携帯電話などの可搬電子機器のための電力の小型可搬電源を含む多くの用途のために開発されている。電気化学的な燃料電池は、通常は燃料源としての水素及び酸化物質源としての空気を用いて燃料と酸化物質の反応から電力を供給する。水素などの燃料源を、燃料電池システムに対して容易に着脱できる再使用可能な燃料カートリッジの形態で燃料電池装置に供給できれば便利である。

燃料カートリッジには一般に燃料排出口を囲む封止境界が設けられ、それにより、封止境界は、燃料電池装置の受容部が接続される際にその受容部を封止することによって燃料電池装置との気密封止を与える。カートリッジの通常のまたは不注意な使用において、接続／分離サイクルが多く行われると、封止境界の封止面が損傷を受ける場合があることに潜在的な問題が存在する。更なる潜在的な問題は、燃料カートリッジが燃料電池装置に接続されていない場合、例えば、ユーザによって保護されない状態で持ち運ばれる場合に、封止面がごみ、異物及び損傷に曝され得ることにある。封止面上のごみ若しくは異物の存在または封止面の損傷によって、封止面の封止能力が著しく低下してしまう。

本発明の課題は、流体密封境界のための改善された封止面を与えることである。

一態様によると、本発明は、
第１の面及び第２の面並びに第１の面と第２の面の間に延在する開口と、
第１の面上で開口を囲む少なくとも２つの周回リッジと
を備えた弾性封止部材を提供する。

弾性封止部材は、内側周回リッジ及び少なくとも２つの連続的に大きくなる外側周回リッジを含む、開口を囲む少なくとも３つの周回リッジを備えることが好ましく、各外側周回リッジは内側周回リッジを囲む。弾性封止部材は、第２の面上で開口を囲む少なくとも２つの周回リッジを更に備えていてもよい。各隣接する対の周回リッジ間にチャネルが配置されることになる。第１の面上で周回リッジの周辺に平坦なシールが配置されていてもよい。平坦なシールは、周回リッジの頂線によって占有される平面とは異なる平面を占有し得る。少なくとも２つの周回リッジは、異なる平面を占有し得る。開口はテーパー化され得る。

他の態様によると、発明は、
第１の面及び第２の面並びに第１の面と第２の面の間に延在する開口と、
第１の面上で開口を囲む少なくとも１つの周回リッジ、及び少なくとも１つの周回リッジを囲み、少なくとも１つの周回リッジの頂線によって画定される平面とは異なる平面を画定する平坦な封止面と
を備えた弾性封止部材を提供する。

弾性封止部材は、内側周回リッジ及び少なくとも１つのより大きな外側周回リッジを含む、開口を囲む少なくとも２つの周回リッジを備え、各外側周回リッジは内側周回リッジを囲んでいることが好ましい。弾性封止部材は、第２の面上で開口を囲む少なくとも２つの周回リッジを更に備えていてもよい。弾性封止部材は、各隣接する対の周回リッジ間に配置されたチャネルを含むことになる。開口はテーパー化され得る。

他の態様によると、発明は、上述した弾性封止部材及びそれが内部に成形される剛性フレームを備えた境界シールアセンブリを提供する。剛性フレームは、１以上の湯口を含むことが好ましく、封止部材は、１以上の湯口内の弾性材料の保持によって剛性フレームと係合されている。剛性フレームは印刷回路基板を含み得る。剛性フレームは、１以上の電気接触端子を含み得る。弾性封止部材の第１の面は、剛性フレームの上面上に突出し得る。

他の態様によると、発明は、上記の境界シールアセンブリを備えた燃料カートリッジを提供する。燃料カートリッジは、カートリッジ内に含まれる流体燃料源及びそこからカートリッジの係合面まで延在する燃料流路を有することが好ましく、燃料流路は弾性封止部材における開口まで及び開口を通って延在し、弾性封止部材の第１の面がカートリッジの係合面の一部を形成する。係合面は、弾性封止部材を囲む剛性係合プレートを更に含んでいてもよい。弾性封止部材によって画定される係合面の一部分が、剛性係合プレートによって画定される係合面の一部分の下に凹設されていてもよい。燃料カートリッジは、燃料流路内に配置された一対のバルブを更に含むことが好ましく、バルブは、両バルブが作動されない限り燃料流路が遮断されるように構成される。バルブは、カートリッジの係合面から機械的に作動可能であればよい。バルブは、カートリッジにおける流体燃料源から弾性封止部材における開口までの、ポペットバルブチャンバ間に延在するブリッジチャンバを介した流体の流れを可能とするように双方がチャンバ内で軸方向に変位可能に構成されたポペットバルブであればよい。

他の態様によると、発明は、上記の境界シールアセンブリを備えた燃料電池装置を提供する。

他の態様によると、発明は、燃料カートリッジを再製する方法を提供する。
燃料カートリッジは、本体と、剛性フレーム上に成形された弾性封止部材を備えた境界シールアセンブリとを有し、弾性シールアセンブリが、第１の面及び第２の面並びに第１の面と第２の面の間に延在する開口を有し、開口が、カートリッジから第１の面によって画定される外部境界への燃料流路の一部を形成し、第２の面が燃料カートリッジの内部に対するシールを画定し、
この方法は、
カートリッジの本体からの剛性フレームの離脱によって境界シールアセンブリを取り外す工程、
新たな境界シールアセンブリをカートリッジの本体に取り付けることによって、弾性封止部材の第１の面及び第２の面によって画定される封止を回復する工程、及び
燃料カートリッジ内に燃料源を補充する工程
を備える。

剛性フレームは、電気接触部を有する回路基板部材を含むことが好ましく、境界シールアセンブリを取り外す工程が、そこに結合された電気接触部を同時に取り外すことを含み、新たな境界シールアセンブリを取り付ける工程が、新たな電気接触部を同時に取り付けることを含む。

本発明の実施形態を、例示として、添付図面を参照して説明する。

図１は、境界シールアセンブリを取り入れた燃料カートリッジの模式斜視図を、カートリッジ本体がカートリッジヘッダから分離された状態で示す。 図２は、図１のカートリッジヘッダの模式分解斜視図を示す。 図３は、図１のカートリッジヘッダの模式断面図を示す。 図４は、図１から３のカートリッジヘッダの境界シールアセンブリの模式斜視図を示す。 図５は、図４の境界シールアセンブリの模式断面図を示す。 図６は、燃料電池アセンブリの要素に結合された請求項３のカートリッジヘッダの模式断面図を示す。

本明細書を通じて、「上部」、「底」、「上」、「下」、「水平」、「垂直」、「左」、「右」、「上方」、「下方」、「前」、「後」、同様にこの形容詞及び副詞の派生語など、相対的な向き及び位置に関する記載は、図面中に存在する構成要素の向きの意味として使用される。しかし、そのような記載は、明細書に記載され、または特許請求の範囲に記載される発明の意図する使用に対するいかなる態様の限定としても意図されるものではない。

図１に、燃料電池装置での使用のための流体燃料の生成及び／または貯蔵に適した燃料カートリッジ１を示す。燃料カートリッジ１は、カートリッジ本体２及びカートリッジヘッダ３を有する。カートリッジ本体２は、任意の適切なタイプの水素生成器または水素貯槽を含んでいればよい。実施例は、金属水素化物または他の水素吸収媒体を水素貯蔵器として用いるものなどの再充填可能な水素貯槽、または要求に応じて反応によってアルカリ金属シリサイド及び水を用いて水素を生成するものなどの水素生成器を含む。ただし、任意の適切な流体燃料源、特に、燃料電池を供給するのに使用され得る気体燃料源も考えられる。

カートリッジヘッダ３は、燃料電池装置（不図示）との係合に適した上面４を有する。上面４は、燃料電池装置との機械的な及び流体の封止係合を与える係合面５を含む。係合面５は、弾性封止部材７の外（露出）面６及び剛性係合プレート９の外面８を含む。剛性係合プレート９は、好ましくは適切な金属、より好ましくは磁束をよく伝導する金属、例えば磁性材料から形成される。剛性係合プレート９は、ねじ孔１５を用いてねじまたは他の固定部材によってカートリッジヘッダ３に固定されることができる。

上面４はまた、側壁１１及び肩部１２を含むプロファイル化された部分１０を含み、カートリッジを燃料電池装置に係合する際の誘導及び位置決めを行うことができる。上面４はまた、必要であれば、カートリッジ内に電子部品との電気的通信のための一組の電気接触端子１３を含み得る。このような電子部品は、カートリッジ識別データ、充填データ及び使用量データを記憶するためのメモリを含み得る。他のカートリッジのタイプでは、電子部品は、バルブ及びアクチュエータなど、カートリッジの内部機能を動作させるための制御部品を含み得る。

ただし、本実施例では、燃料カートリッジ１は、開口１４に配置されてカートリッジの上面４から機械的に操作可能なポペットバルブを有し、電気的に操作されるアクチュエータ及びバルブは必要ではない。

図２は、選択部品を拡大した形式で、カートリッジヘッダ３をより詳細に示す。カートリッジヘッダ３は、ポペットバルブ開口１４を画定する上側マニフォールド２０と、カートリッジ本体２から支持プラットフォーム２２まで延在する燃料流路として作用するポート２１とを備える。支持プラットフォーム２２は、境界シールアセンブリ２３を受けて支持する。上側マニフォールド２０は、アルミニウムなどの耐久性のある材料から作製されていればよい。境界キャップ２４が、ヘッダ３の側壁１１及び肩部１２を含むプロファイル化部分１０を与える。境界キャップは剛性プラスチック材料から作製されていればよい。

印刷回路基板２５は、電気接触端子１３に結合されて留まり、それに集積されたメモリチップなどの他の電気部品を含むことができる。印刷回路基板２５は、境界シールアセンブリ２３が内部に受容される中央切欠き部を有する。境界シールアセンブリ２３は、ポペットバルブ開口１４及びより詳細を後述する弾性封止部材２７を有する剛性フレーム２６を含む。所望であれば、境界シールアセンブリ２３を、印刷回路基板２５に一体構造物として一体形成することもできる。

一対の磁石２８が、剛性係合プレート９付近に配置されて、カートリッジ１が燃料電池装置または他の燃料消費装置に結合される場合の保持機構として作用するようにしてもよい。この場合、剛性係合プレート９は、燃料消費装置上の隣接部品への磁束の通過を可能とする適切な材料から作製されることになる。代替的に、他の任意の適切な保持機構、例えば、機械的係止構成または摩擦嵌合が使用されてもよい。

より詳細を図４及び５に示すように、境界シールアセンブリ２３の弾性封止部材２７（図１の７で示される部分）は、上面４０（第１の面または外側／外部面ということもある）及び下面４１（第２の面または内側／内部面ということもある）を有する。開口４２は、上面４０と下面４１の間に延在する。開口４２は、好ましくはテーパー化されて、例えば円錐台形状を有し、弾性封止部材２７を介した燃料流路を与える。上面がカートリッジ１の外部の物体、例えば燃料電池装置または他の燃料消費装置などに封止面を与えるという意味で、上面４０は外部面である。下面４１は、それが燃料カートリッジ１内の他の部品に封止面を与えるという意味で内部面である。弾性封止部材２７の上面４０は、好ましくは剛性フレーム２６の上部に突出する。

弾性封止部材２７の上面４０は、平坦プロファイル領域５０、並びに開口４２の周りに周回的に延在して封止部材２７の平面内で開口４２を囲む３つの周回リッジ４３、４４及び４５を画定する。チャネル４６及び４７が、リッジ４３、４４及び４５の各隣接する対の間にある。最外周回リッジ４３と平坦プロファイル領域５０との間に画定されたチャネル４８もある。チャネル４６、４７及び４８は、図示するように、平坦プロファイル領域５０によって画定される平面よりも深い。

弾性封止部材２７の下面４１はまた、開口４２の周りに周回的に延在する一組の周回リッジ５１を画定する。周回リッジ５１は、周回リッジ４３、４４及び４５の下部にあってもよいし、ずれていてもよい。上面４０及び下面４１に画定される周回リッジ４３、４４、４５及び５１の数は、図面に示すものとは異なっていてもよい。

図５で最も良く分かるように、弾性封止部材２７は、好ましくは剛性フレーム２６上に重ね成形され、好ましくは剛性フレーム２６における湯口５２が弾性封止部材２７の射出成形材料を保持して弾性封止部材２７を適所に保持するのに役立つ。

図３に、組み立てられたカートリッジヘッダ３の断面図を示す。上側マニフォールド２０は、チャンバ３０、３１、３２、３３及び３４並びにポペットバルブ（不図示）によって画定される流体流路に続くポペットバルブ開口１４ａ及び１４ｂを画定する。カートリッジ本体２からの流体燃料は、チャンバ３０を上昇して通過し、ここで、開口１４ｂにおけるポペットバルブが作動された場合（例えば、カートリッジヘッダ３に押し込まれた場合）のみ、ブリッジチャンバ３１に入り、そうでない場合には遮断される。流体燃料はチャンバ３２までブリッジチャンバ３１に沿って通過し、ここで、開口１４ａにおけるポペットバルブが作動されない限り（例えば、カートリッジヘッダ３に押し込まれない限り）、遮断される。開口１４ａのポペットバルブが作動されると、流体燃料はチャンバ３１から、チャンバ３２を介して、ブリッジチャンバ３３へ流れ、そこからシール開口４２を通ってチャンバ３４を介して流れ出る。したがって、概略の態様において、この構成は、ポペットバルブチャンバ１４ａ及び３２と１４ｂ及び３０との間に延在するブリッジチャンバ３１を通じて、カートリッジにおける流体燃料源から弾性封止部材２７における開口４２への流体の流れを可能とするように、双方がチャンバ１４ａ及び３２並びに１４ｂ及び３０の中で軸方向に変位可能となるように構成されたポペットバルブを例示するものである。このように、単一のポペットバルブのみの操作による偶発的な解放が防止され、燃料の解放のためには両ポペットバルブが作動されなくてはならない。

図３にも示すように、境界キャップ２４は、上側マニフォールド２０上に装着される。境界シールアセンブリ２３は支持プラットフォーム２２上に装着され、印刷回路基板２５は上側マニフォールド２０上で境界シールアセンブリ２３の周りに装着される。ＰＣＢ２５及び境界シールアセンブリ２３の双方とも、ねじ孔１５へのねじを用いて固定される剛性係合プレート９によって適所に保持される。剛性係合プレート９は、好ましくは、それが弾性封止部材２７の露出面６よりも高くなるような厚さを有する。したがって、概略の態様において、弾性封止部材２７によって画定される係合面５の部分は、剛性係合プレートによって画定される係合面５の部分の下方に凹設される。

弾性封止部材２７の下面４１は、それにより流体流路チャンバ３４の周囲の流体密封シールを形成し、弾性封止部材２７の上面４０は、燃料電池アセンブリなどの燃料消費装置に結合するための露出封止面を与える。平坦または滑らかな露出封止面の潜在的な一般的問題は、平坦または滑らかであるはずの表面にある何らかのごみまたは異物が、結合される燃料消費装置への封止を阻害し得ることである。同様に、平坦または滑らかな露出封止面への何らかの損傷、例えば擦痕または窪みが、結合される燃料消費装置への封止を阻害し得る。これは、水素流体の封止では特に問題となる。

発明者らは、露出封止面、すなわち上面４０上の同心状周回リッジ４３、４４及び４５を設けることによって、損傷またはごみのために１つの封止リッジが損なわれたとしても、流体密封シールが他の周回リッジによって維持されるように一組の封止領域を与えられることを確認した。文言「周回的」リッジは、開口４２の周りの所定長の閉じた幾何的な直線または曲線を画定する任意のリッジを包含し、必ずしも円形である必要はない。リッジは湾曲した形状、長方形、直線で囲まれた形状、若しくは開口４２の周りの長さを画定する他の形状、または開口４２の周りの長さを画定する形状の組合せであればよい。文言「同心状」周回リッジは、共通の中心を有する周回リッジだけでなく、一方のリッジが他方に完全に含まれて双方が開口４２を囲むあらゆる周回リッジを含むものである。上面４０上の同心状周回リッジ４３、４４及び４５の好ましい数は、図示するように３であるが、少なくとも２つの周回リッジが好ましく、４以上のリッジが用いられてもよい。したがって、図面に示す好ましい構成では、内側周回リッジ４５及び少なくとも２つの連続的に大きくなる外側周回リッジが設けられ、各外側周回リッジが内側周回リッジを囲んでいる。

リッジ４３、４４及び４５の断面プロファイルは、上面４０との圧縮的係合にもたらされる燃料消費装置に対してリッジの頂線での局所化された封止を形成するのに適切な任意のプロファイルであればよい。例えば、リッジ頂線の断面は、湾曲されたプロファイルまたは長方形のプロファイルであればよく、リッジは全般に、弾性封止部材２７の長く狭い隆起面部分を画定する。

同心状周回リッジ４３、４４及び４５は、好ましくは、図面に示す共通平面を全て占有する。ただし、燃料消費装置上の相補的に段差付けられた対応する表面が適切な高さで各リッジと合わさることにより各同心状リッジと適切な封止を形成するように適合されることを条件に、全てのリッジが同じ平面を占有しないように構成を変形することも可能となる。

弾性封止部材２７の下面４１の同心状リッジ５１はあった方がよいが、この封止がカートリッジ１の内部にあるので損傷及び異物に影響され難いという意味で、あまり重要ではないこともある。したがって、所望であれば、平坦な封止面が下面４１において用いられてもよい。

弾性封止部材２７の平坦プロファイル領域５０は、好ましくは平坦なシールとなる更なる周辺封止領域を与える。代替的に、更なる周辺封止領域が、それが円錐台表面領域を与えるように、斜めに段差付けまたは配置されてもよい。

図６に示すように、燃料消費装置は、弾性封止部材２７との圧縮関係となる圧力プレート６０を有する。圧力プレート６０は、同心状周回リッジ４３、４４及び４５の頂線と当接することによって、リッジを圧縮して概ねリッジ頂線の平面において開口４２の周りに複数の同心状シールを形成する（小量の圧縮を可能とする）金属プレート部６１を備える。圧縮プレート６０はまた、平坦プロファイル領域５０に係合してそれを若干圧縮するプラスチックリム６２を含み、周回リッジ４３、４４及び４５の周辺にある更なる周回シールを形成する。これは概略として、リム６２によって、局所化されたわずかな圧縮を受ける平坦なシールとなり、図面において誇張される。この更なる周回／周囲シールは、圧縮シール全体に安定性を与えることができる。平坦プロファイル領域５０は、好ましくは、リッジ４３、４４及び４５の頂線の一平面または複数平面とは異なる平面を占有する。図６に示すように、平坦プロファイル領域５０の平面は、好ましくは、リッジの頂線の平面の下にあり、それにより２つの異なる平面において周回シールを有する圧縮シールを生成する。

図６に示すように、圧縮プレート６０はまた、好ましくは、２つの凸部６３、またはポペットバルブ開口１４ａ及び１４ｂ内に延在してポペットバルブを作動させることができる他の突出部を含む。

弾性封止部材２７は、弾性材料（例えば、ＥＰＤＭ）などの任意の適切な材料、好ましくは重ね成形及び／または射出成形に影響を受ける任意の材料から作製される。

上述した境界封止の構成のいくつかの大きな利点は顕著である。
弾性封止部材２７は、上面４０及び下面４１の上封止面及び下封止面の双方を設けた一体部品として形成可能である。それは製造の簡素化のために剛性フレーム２６内に配置されることが好ましく、カートリッジが再充填、再生成または再製造される場合に容易かつ迅速に交換可能である。これは、カートリッジの安価な補充または運用のために重要なことである。弾性封止部材２７をフレーム２６に重ね成形することによって、容易に交換される一体構造の境界シールアセンブリ２３が得られ、これは外側封止面のルーチン的な交換に関して、より便利かつ高い費用効率となり得る。境界シールアセンブリ２３は、印刷回路基板２５に容易に一体化され、これにより、ＰＣＢ２５／フレーム２６／弾性封止部材２７全体の交換によって、カートリッジが再充填、再生成、再製造またはリサイクルされる毎にメモリ部品及び電気接続部を容易に交換することが可能となる。文言「再製」は、ここでの便宜上、カートリッジの再充填、再生成、再製造またはリサイクルの全ての形態を包含するものとして用いられる。

したがって、一般的な態様において、燃料カートリッジを再製する方法は、（ｉ）カートリッジ本体からの剛性フレーム２６の離脱によって、例えば、剛性係合プレート９の解除によって境界シールアセンブリ２３を取り外す工程、（ｉｉ）新たな境界シールアセンブリ２３をカートリッジ本体２／ヘッダ３に取り付けることにより、弾性封止部材２７の上面４０及び下面４１によって画定される封止を回復する工程、及び（ｉｉｉ）燃料カートリッジ内に燃料源を補充する工程を含んでいればよい。剛性係合プレート９及び境界シールアセンブリがカートリッジヘッダから取り外されてもポペットバルブが固く閉じられたままとなるので、工程（ｉｉｉ）は、境界シールアセンブリ２３が交換された後に必ずしも行われなくてもよい。

剛性フレーム２６が、回路接触部を有する回路基板部品を含み、またはそれと一体化される場合、境界シールアセンブリを取り外す工程は、そこに結合された電気接触部を同時に取り外すことを含み、新たな境界シールアセンブリを取り付ける工程は、新たな電気接触部を同時に取り付けることを含む。回路基板部品がメモリチップまたは他の電子部品を含む場合、これらも同時に交換及び／または再プログラミングすることができる。

弾性封止部材２７は、容易に交換可能であるが、それでも露出圧縮面を有しつつ確実に嵌合され、多くのＯリング構成とは異なり、取り外されることに影響されない。フレーム２６（及びおそらくはＰＣＢ２５）に重ね成形された弾性封止部材２７の使用によって、設計寿命が５００再充填／再充電サイクルを超える燃料カートリッジにおいてさえも封止面の品質が容易に維持されるように、非常に安価な交換可能部品が得られる。

封止面としていくつかの同心状周回リッジを用いることによって、単一の封止境界における弾性を低減することができる。これは、同様に、弾性封止部材が硬くなることにより、単一のナイフエッジシールによる封止面よりも損傷し難くなることを意味する。代替的に、複数の同心状周回シールに軟らかい弾性材料が使用される場合、カートリッジ１を燃料消費装置に取り付けるのに必要な圧縮力を軽減することができる。

同心状周回リッジ４３、４４及び４５によって、カートリッジと燃料消費装置の間の摩擦力が増加し得る。またさらに、いくらか圧縮可能なリッジ間のチャネル４６、４７及び４８の存在は、燃料消費装置の圧力プレート６０への封止面の圧縮中に空気がチャネル４６、４７及び４８から排出される場合に、例えばガラスに付加される吸引カップの作用と同様に、吸引力を与え、これにより、保持力が更に向上するとともに、振動、曲げなどにおける封止の外乱に影響されなくなる。

可搬燃料電池タイプの用途では、同心状周回リッジの直径は３〜５ｍｍの範囲となるが、説明した構成を小型化することも大型化することもできる。

図１から６に示すカートリッジの設計は、水素貯蔵カートリッジに特に適する。
弾性封止部材２７を境界シールのカートリッジ側に配置して示したが、弾性封止部材２７は燃料消費装置上及び／またはカートリッジ１と燃料消費装置の間に位置する中間アダプタ上に配置されてもよいことが分かる。これに関して、カートリッジまたは燃料消費装置／燃料電池装置とは、それに結合される中間アダプタを含むものとなり得る。より一般的には、弾性封止部材２７は、流体流路を画定する２つの部材の分離が必要な流体流路における任意の地点で使用されることができる。またさらに、複数の流体流路が分離境界にわたって必要となる場合、複数の開口４２に単一の弾性封止部材２７が設けられればよい。各開口には、開口が別個の流路を保持しなければならない場合にはそれ自体の独立した同心状周回リッジの組が設けられればよく、開口が平行な接続流路を画定している場合には共通の独立した同心状周回リッジが設けられればよい。

他の実施形態は、付随する特許請求の範囲内のものである。

Claims (2)

1. 燃料カートリッジの再製方法であって、
   前記燃料カートリッジが、本体と、剛性フレーム上に成形された弾性封止部材を備えた境界シールアセンブリとを有し、前記境界シールアセンブリが、第１の面及び第２の面並びに前記第１の面と前記第２の面の間に延在する開口を有し、該開口が、前記カートリッジから前記第１の面によって画定される外部境界への燃料流路の一部を形成し、前記第２の面が前記燃料カートリッジの内部に対するシールを画定し、
   前記方法が、
   前記カートリッジの本体からの前記剛性フレームの離脱によって前記境界シールアセンブリを取り外す工程と、
   新たな境界シールアセンブリを前記カートリッジの本体に取り付けることによって、前記弾性封止部材の前記第１の面及び前記第２の面によって画定される封止を回復する工程と、
   前記燃料カートリッジ内に燃料源を補充する工程と
   を備える方法。
2. 請求項１に記載の方法において、前記剛性フレームが、電気接触部を有する回路基板部材を含み、前記境界シールアセンブリを取り外す工程が、そこに結合された電気接触部を同時に取り外すことを含み、前記新たな境界シールアセンブリを取り付ける工程が、新たな電気接触部を同時に取り付けることを含む、前記方法。

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