JP6598140B2 - エピタキシャルウェーハの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、エピタキシャルウェーハの製造方法に関する。
例えば、モバイル端末等に使用する半導体素子の基板にエピタキシャルウェーハが使用されている。このような半導体素子では、省電力化の要請からオン抵抗を下げることが求められている。オン抵抗を下げる具体的な方法として、半導体素子基板を薄膜化する方法と半導体素子基板の抵抗率を低下させる方法があるが、半導体素子のデバイスの特性上、半導体素子基板を薄膜化することには限界がある。そのため、高濃度にドーパントをドープした低抵抗率のシリコン単結晶基板にエピタキシャル層を成長させ、半導体素子基板としての低抵抗率のエピタキシャルウェーハが作製される。
このようなエピタキシャルウェーハの元になるシリコン単結晶基板は、高濃度のドーパントをドープして引き上げたインゴットを元に作製される。しかし、このドーパントにSb(アンチモン)、As(ヒ素)などのn型ドーパントを用いると、引き上げの際にドープしたドーパントが蒸発してしまう。そのため、エピタキシャル層を成長させるシリコン単結晶基板がn型ならば、揮発性が比較的低い赤燐の形でリンを単結晶引き上げの際にドーパントとしてドープしたシリコン単結晶基板が用いられる。そして、用意したシリコン単結晶基板の主表面上にエピタキシャル層を気相成長することにより、低抵抗率のエピタキシャルウェーハが製造される。
しかし、高濃度にリンがドープされた低抵抗率のシリコン単結晶基板にエピタキシャル層を成長すると、気相成長後のエピタキシャルウェーハの主表面に多くのスタッキングフォルト(積層欠陥)が発生する。この積層欠陥が発生したエピタキシャルウェーハを用いて半導体素子を作製すると、半導体素子(デバイス)の特性(主に耐圧特性)が低下する。そのため、積層欠陥の発生数をデバイスの特性に影響のない水準にまで低減する必要がある。
エピタキシャルウェーハの主表面で観察される積層欠陥は、低抵抗率のシリコン単結晶基板に発生した結晶欠陥等を起点として転位が発生し、この転位がエピタキシャルウェーハの主表面に伝搬することで観察される。このエピタキシャルウェーハの主表面で観察される積層欠陥は、シリコン単結晶基板の抵抗率が低下するとともに増加する傾向にあるため、積層欠陥の形成にはドーパントであるリンが関与すると考えられている。
そこで、低抵抗率のシリコン単結晶基板にエピタキシャル層を成長する前に1200℃以上の温度でアニール処理し、シリコン単結晶基板に発生した欠陥を溶体化するエピタキシャルウェーハの製造方法が特許文献1に開示されている。また、特許文献2には、低抵抗率のシリコン単結晶基板の主表面を研磨して基板の主表面を清浄化し、エピタキシャルウェーハに生じる積層欠陥を抑制することが開示されている。具体的には、リン及びゲルマニウムがドープされた低抵抗半導体基板に1110℃〜1200℃の範囲で30秒〜300秒の熱処理をし、その後、その低抵抗半導体基板に1μm以上、かつ、10μm以下の研磨を行うエピタキシャルウェーハの製造方法が開示されている。
特開2014−11293号公報 国際公開WO2011/007678号公報
しかし、これらの処理が施された低抵抗率のシリコン単結晶基板にエピタキシャル層を成長しても半導体素子の特性に悪影響を及ぼす濃度の積層欠陥がエピタキシャルウェーハに発生する場合がある。特に、ドーパント濃度が8×1019atоms/cm以上の低抵抗率の基板を用いる場合には、エピタキシャルウェーハ上に非常に多くの積層欠陥が発生する。
本発明の課題は、積層欠陥を抑制可能なエピタキシャルウェーハの製造方法を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明のエピタキシャルウェーハの製造方法は、
リンがドープされた低抵抗率のシリコン単結晶基板を準備する工程と、
シリコン単結晶基板をアルゴン雰囲気中において1000℃以上1200℃未満の温度で30分以上120分以下の時間、熱処理する工程と、
熱処理する工程後に、シリコン単結晶基板の主表面を塩化水素ガスにより0.025μm以上、気相エッチングする工程と、
気相エッチングする工程後に、シリコン単結晶基板にエピタキシャル層を成長する工程と、
を備えることを特徴とする。
本発明のエピタキシャルウェーハの製造方法では、熱処理する工程と、その熱処理する工程後に、気相エッチングする工程を備える。ここで、熱処理する工程においては、シリコン単結晶基板に発生した結晶欠陥等の積層欠陥核の分解が起こると同時に積層欠陥核のソース(発生源)であるリンが外方拡散し、リンの濃度が低下する。よって、熱処理する工程後に、積層欠陥核が再生成してもリン濃度が低下していることで、積層欠陥核が低濃度になる。そして、熱処理する工程後に、気相エッチングする工程を行うことで、シリコン単結晶基板の主表面にゲッタリングされて残存する一定数の積層欠陥核を除去することができる。そのため、熱処理する工程と気相エッチングする工程を経た後のシリコン単結晶基板にエピタキシャル層を成長することで、積層欠陥が抑制されたエピタキシャルウェーハを製造することができる。なお、熱処理する工程の温度範囲を上記の範囲外にすると積層欠陥核の分解速度が低下するため、積層欠陥の抑制効果が低下する。
本明細書において、「低抵抗率のシリコン単結晶基板」とは、例えば、リンが5×1019atоms/cm以上ドープされたシリコン単結晶基板でもよいし、リンが8×1019atоms/cm以上ドープされたシリコン単結晶基板でもよい。リンが8×1019atоms/cm以上ドープされたシリコン単結晶基板を用いる場合は、より効果的にエピタキシャルウェーハの積層欠陥を低減することができる。
本発明の実施態様では、気相エッチングする工程は、エッチング量が、1.000μm以下である。
これによれば、エピタキシャルウェーハの生産性を高めることができる。
本発明の一例のエピタキシャルウェーハの製造方法における各工程を説明する図。 図1の熱処理工程の熱処理の温度(℃)と、その熱処理工程を経て作製されたエピタキシャルウェーハの積層欠陥の密度(個/cm)との関係を示すグラフ。 図1のエッチング工程のエッチング量(μm)と、そのエッチング工程を経て作製されたエピタキシャルウェーハの積層欠陥の密度(個/cm)との関係を示すグラフ。 実施例及び比較例1〜3で作製したエピタキシャルウェーハに発生した積層欠陥の密度(個/cm)を示すグラフ。
以下、リンをドープしたシリコン単結晶基板にシリコンエピタキシャル層を成長するシリコンエピタキシャルウェーハの製造方法を説明する。以下においては、エピタキシャルウェーハを製造する周知の気相成長装置(以下、「気相成長装置」とする)を用いてエピタキシャルウェーハを製造する方法を説明する。
気相成長装置を用いてシリコンエピタキシャルウェーハを製造するためには、先ずは、エピタキシャル層を成長させる成長用基板となるシリコン単結晶基板を作製する。例えば、石英るつぼに多結晶シリコンと、抵抗率を調整するために赤燐の形でリンを入れて溶融させた溶融液の液面に種結晶シリコン棒を漬けて引き上げ、シリコン単結晶インゴットを作製する。このシリコン単結晶インゴットの作製時には、ドーパントとしてリンが5×1019atоms/cm以上添加される(例えば、リンが1×1020atоms/cm添加される)。そして、作製したシリコン単結晶インゴットに図1の工程S1を施す。
S1では、作製したシリコン単結晶インゴットを所定の厚さに切り出した後、ラッピング、液相エッチング、ドナーキラー熱処理などのCW工程を行い、CW工程が施されたCWウェーハを得る。
次に、S1のCW工程で得られたCWウェーハに粗研磨を施す(図1のS2)。
S2の粗研磨工程が終了した後、アルゴン雰囲気において、1000℃以上1200℃未満の温度で30分以上120分以下の時間、熱処理を施す(図1のS3)。
S3の熱処理工程が終了した後に鏡面研磨を施してPWウェーハを得る(図1のS4)。図1では、S3の熱処理工程後にS4の鏡面研磨工程を行っているが、この順序は熱処理を実施するアニール炉の置かれた場所と各工程の進捗との兼ね合いによるものであり、S4とS3の順序は逆でもよい。以下、S1〜S4の工程を経てリンがドーパントとして5×1019atоms/cm以上添加されたPWウェーハを基板Wとする。
作製された基板Wは、気相成長装置の反応炉に搬送され、図1のS5〜S8の工程が行われる。反応炉に搬送された基板Wは、雰囲気ガスに水素を用いた反応炉内に投入される。反応炉に投入された基板Wは、気相成長装置により、例えば、1000℃以上の温度で数十秒間、加熱されるベーク工程(S5)が施され、基板Wの表面の自然酸化膜が除去される。
次いで、基板Wに気相エッチングを施すエッチング工程を行う(S6)。エッチング工程では、反応炉内の基板Wの主表面上に塩化水素ガス(HClガス)を供給し、基板Wの主表面を気相エッチングする。具体的には、エッチング量が、0.025μm以上、かつ、1.000μm以下になるように塩化水素ガスの供給時間及び供給量が設定される。積層欠陥核は、基板Wの主表面から基板Wの深さ方向(厚さ方向)に0.025μm以上の領域に局在するため、エッチング量が0.025μm以上であることにより積層欠陥を効果的に抑制できる。一方、エッチング量が1.000μmを超えると、エピタキシャルウェーハを製造する生産性が低下するため、エッチング量は、0.025μm以上、かつ、1.000μm以下の範囲に設定される。なお、エッチング速度は、例えば、0.04μm/min以上、かつ、0.37μm/min以下となるように設定される。
S6のエッチング工程が終了すると、反応炉内の塩化水素ガスを反応炉の外に排出するパージ工程(S7)を行う。
S7のパージ工程が終了すると、基板Wにエピタキシャル層を成長する気相成長工程(S8)を行う。気相成長工程では、反応炉内の基板Wの主表面に原料ガスとなる、例えば、トリクロロシラン(TCS)と、そのトリクロロシランを希釈するキャリアガスとなる水素ガスを供給し、基板Wの主表面上にエピタキシャル層を気相成長する。具体的には、反応炉内(基板W)の温度を、例えば、1000℃以上にしてエピタキシャル層を成長する。このようにエピタキシャル層を基板Wに成長し、シリコンエピタキシャルウェーハが製造される。
以上、基板Wにエピタキシャル層を成長してエピタキシャルウェーハが製造される一連の流れを説明した。このようなエピタキシャルウェーハのもとになる基板Wは、シリコン単結晶インゴットの作製時にドーパントのリンが5×1019atоms/cm以上(例えば、1×1020atоms/cm)添加される。そのため、シリコン単結晶インゴットから切り出したシリコン単結晶基板の主表面には結晶欠陥等の積層欠陥核が多数、存在するため、この基板にエピタキシャル層を成長すると、積層欠陥核がエピタキシャルウェーハに積層欠陥を引き起こす。
そこで、本発明者は、CWウェーハを粗研磨した後に熱処理(図1のS3)する温度と、その温度で熱処理した基板Wに図1のS6のエッチング工程で0.02μmのエッチング量のエッチングを行った後にエピタキシャル層を成長したエピタキシャルウェーハに形成される積層欠陥の密度(個/cm)との関係について精査した。その精査した結果が図2に示される。図2では、抵抗率が0.74mΩ・cm(リンの濃度が1×1020atоms/cmに相当する抵抗率)のシリコン単結晶基板を使用して950℃から1200℃の範囲で選択した温度で90分、熱処理(図1のS3)した基板Wをもとにエピタキシャルウェーハを作製した。そして、作製したエピタキシャルウェーハの主表面に発生した積層欠陥の密度(個/cm)をパーティクルカウンタ(レーザーテック社製のMAGICS)を用いて計測した。図2において、横軸が図1のS3の熱処理温度(℃)を示し、縦軸が作製したエピタキシャルウェーハの主表面に発生した積層欠陥の密度(個/cm)を示す。図2に示すように熱処理温度が1000℃未満の場合には、積層欠陥の密度が1000(個/cm)以上となる。また、熱処理温度が1000℃から増加すると、積層欠陥の密度が低下する。熱処理温度が1200℃になると、積層欠陥の密度の改善効果がみられるものの、熱処理温度が1170℃の場合に比べて積層欠陥を抑制する効果は低くなる。このような熱処理工程を行うことで、シリコン単結晶基板に発生した結晶欠陥等の積層欠陥核の分解が起こると同時に積層欠陥核の発生源であるリンが外方拡散し、リン濃度が低下する。その結果、熱処理工程後に、積層欠陥核が再生成してもリン濃度が低下していることから再生成する積層欠陥核が低濃度になり、エピタキシャルウェーハの積層欠陥を抑制することができる。具体的には、アルゴン雰囲気下で、温度を1000℃以上1200℃未満にして30分以上120分以下(図2では90分)の時間、シリコン単結晶基板に熱処理をすることで、作製されるエピタキシャルウェーハの積層欠陥を抑制することが可能である。
また、本発明者は、図1のS3の1170℃の熱処理をした基板Wの主表面に対してエッチング(図1のS6)をするエッチング量と、そのエッチング量をエッチングした基板Wにエピタキシャル層を成長したエピタキシャルウェーハに形成された積層欠陥の密度(個/cm)の関係について精査した。その精査した結果が図3に示される。図3においては、基板Wの主表面から基板Wの厚さ方向に所定量(μm)、エッチングをした基板Wをもとにエピタキシャルウェーハを作製した。そして、作製したエピタキシャルウェーハの主表面に発生する積層欠陥の密度(個/cm)をパーティクルカウンタ(レーザーテック社製のMAGICS)を用いて計測した。図3では、基板Wのエッチング量が0.025μm以上であると、積層欠陥の密度が低減していることが分かる。これは、基板Wの表面にゲッタリングされて残存する積層欠陥核が、基板Wの主表面から深さ方向に0.025μm以内の領域に局所的に存在し、この残存する積層欠陥核が積層欠陥の発生原因になるからである。図3には示されていないが、エッチング量が1.000μmを超えると、エッチング時間が長くなるため、エピタキシャルウェーハの生産性が低下する。したがって、図1のS6のエッチング工程においては、エッチング量が0.025μm〜1.000μmの範囲に設定することで、作製するエピタキシャルウェーハの積層欠陥を抑制することが可能となるとともに、生産性を向上することができる。
以上から、図1のS3の熱処理工程と、図1のS6のエッチング工程を行った基板Wをもとにエピタキシャルウェーハを作製すると、積層欠陥を抑制したエピタキシャルウェーハを作製することが可能となる。具体的な熱処理工程としては、シリコン単結晶基板をアルゴン雰囲気中において1000℃以上1200℃未満の温度で30分以上120分以下の時間、熱処理すると、積層欠陥を抑制したエピタキシャルウェーハを作製できる。また、具体的なエッチング工程としては、基板Wの主表面を塩化水素ガスにより0.025μm以上、エッチングすると、積層欠陥を抑制したエピタキシャルウェーハを作製できる。
本発明の効果を確認するために以下に示す実験を行った。以下において、実施例と比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらは本発明を限定するものではない。
(比較例)
比較例1では、抵抗率が0.71mΩ・cmとなるようにリンをドープした直径200mmのシリコン単結晶インゴットを準備した。次に、このシリコン単結晶インゴットに図1に示すS1及びS2の工程を行った。その後、図1のS3の熱処理工程は行わずにS4の鏡面研磨工程を行い、厚さ735μm、抵抗率0.71mΩ・cmの基板Wを作製した。そして、基板Wを気相成長装置の反応炉に搬入し、図1のS5とS8の工程のみを行った(図1のS6、S7の工程は行わなかった)。S5のベーク工程では、反応炉内に水素ガスを流しながら、基板Wを1150℃にまで加熱した。S8の気相成長工程では、基板Wの温度を1150℃に保持してトリクロロシラン(SiHCl)を導入し、成長速度4.0μm/minにしてエピタキシャル層を3.0μm成長し、エピタキシャルウェーハを作製した。そして、作製したエピタキシャルウェーハの主表面に発生した積層欠陥の密度(個/cm)をパーティクルカウンタ(レーザーテック社製のMAGICS)を用いて計測した。
比較例2では、図1のS3の熱処理工程を行う以外は、比較例1と同様にエピタキシャルウェーハを作製し、作製したエピタキシャルウェーハの主表面に発生した積層欠陥の密度(個/cm)を計測した。なお、S3の熱処理条件としては、アルゴン雰囲気中で熱処理温度1170℃にして90分間、熱処理を行った。
比較例3では、図1のS6のエッチング工程とS7のパージ工程を行う以外は、比較例1と同様にエピタキシャルウェーハを作製し、作製したエピタキシャルウェーハの主表面に発生した積層欠陥の密度(個/cm)を計測した。なお、S6のエッチング工程では、エッチング速度を0.090μm/min、エッチング量を0.100μmに設定した。そして、S7のパージ工程では、塩化水素ガスの除去を目的として基板Wの温度を1150℃に保持したまま、水素ガスを30秒間流した。
(実施例)
実施例では、図1のS3の熱処理工程を行う以外は、比較例3と同様にエピタキシャルウェーハを作製し、作製したエピタキシャルウェーハの主表面に発生した積層欠陥の密度(個/cm)を計測した。なお、S3の熱処理条件としては、比較例2の熱処理工程と同じ条件にした。
図4は、比較例1〜3及び実施例で作製したエピタキシャルウェーハに発生した積層欠陥の密度を示す。比較例1では積層欠陥の密度が1005(個/cm)であり、比較例2では積層欠陥の密度が260(個/cm)であり、比較例3では積層欠陥の密度が99(個/cm)となった。それに対して、実施例では積層欠陥の密度が55(個/cm)となった。
図4の比較例1のように熱処理工程とエッチング工程の両方を行わないと、積層欠陥数が十分に抑制されず、積層欠陥の密度が1000(個/cm)を超えることとなった。また、図4の比較例2のようにエッチング工程を行わずに熱処理工程を行うと、比較例1よりも積層欠陥数が抑制されるものの、積層欠陥の密度が260(個/cm)となった。そして、図4の比較例3のように熱処理工程を行わずにエッチング工程を行うと、比較例2よりも積層欠陥数が抑制されるものの、積層欠陥の密度が99(個/cm)となった。それに対し、図4の実施例のように熱処理工程とエッチング工程の両方を行うことで、積層欠陥数を大幅に低減することができ、積層欠陥の密度が55(個/cm)となった。よって、実施例では、積層欠陥を抑制したエピタキシャルウェーハを製造することができた。なお、発明を実施するための形態に開示した実験と、実施例に開示した実験とでは、リンの添加量が異なるため、両者の間で積層欠陥の絶対数は異なっている。
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明はその具体的な記載に限定されることなく、例示した構成等を技術的に矛盾のない範囲で適宜組み合わせて実施することも可能であるし、またある要素、処理を周知の形態に置き換えて実施することもできる。
W 基板(シリコン単結晶基板)

Claims (6)

  1. リンがドープされた低抵抗率のシリコン単結晶基板を準備する工程と、
    前記シリコン単結晶基板をアルゴン雰囲気中において1000℃以上1200℃未満の温度で30分以上120分以下の時間、熱処理する工程と、
    前記熱処理する工程後に、反応炉において前記シリコン単結晶基板の主表面を塩化水素ガスにより0.025μm以上、気相エッチングする工程と、
    前記気相エッチングする工程後に、前記反応炉から塩化水素ガスを排出するパージ工程と、
    前記パージ工程後に、前記シリコン単結晶基板にエピタキシャル層を成長する工程と、
    を備え
    前記準備する工程は、
    シリコン単結晶インゴットから切り出された前記シリコン単結晶基板に対して、ラッピング、液相エッチング、及びドナーキラー熱処理を行うCW工程と、
    前記CW工程後の前記シリコン単結晶基板に粗研磨を施す粗研磨工程と、
    前記粗研磨工程後の前記シリコン単結晶基板に鏡面研磨を施す鏡面研磨工程とを備え、
    前記熱処理する工程は、前記粗研磨工程後、前記鏡面研磨工程前に実施し、
    前記気相エッチングする工程は前記鏡面研磨工程後に実施することを特徴とするエピタキシャルウェーハの製造方法。
  2. 前記気相エッチングする工程は、エッチング量が、1.000μm以下である請求項1に記載のエピタキシャルウェーハの製造方法。
  3. 前記準備する工程は、前記リンが5×1019atoms/cm以上ドープされた前記シリコン単結晶基板を準備する請求項1又は2に記載のエピタキシャルウェーハの製造方法。
  4. 前記準備する工程は、前記リンが8×1019atoms/cm以上ドープされた前記シリコン単結晶基板を準備する請求項1ないし3のいずれか1項に記載のエピタキシャルウェーハの製造方法。
  5. 前記熱処理する工程の温度が1100℃以上1200℃未満である請求項1ないし4のいずれか1項に記載のエピタキシャルウェーハの製造方法。
  6. 前記熱処理する工程後に、前記反応炉内に水素ガスを流しながらシリコン単結晶基板を加熱するベーク工程を備え、
    前記気相エッチングする工程は、前記ベーク工程後に実施する請求項1ないし5のいずれか1項に記載のエピタキシャルウェーハの製造方法。
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