JP6597479B2 - 車両のドア装置 - Google Patents
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Description
以下、図1〜図14に基づいて本発明の実施形態1に係る車両のドア装置について説明する。本実施形態に係る車両のドア装置は、乗用車の側面に設けられたドア開口部を開閉する装置である。ここで、図中に示す前後左右、及び上下は、乗用車10の前後左右、及び上下に対応している。
乗用車10は、図1等に示すように、超小型車であり、車両ボディ12の中央から後部にかけて車室13が設けられている。車室13内には、図4に示すように、幅方向中央部に運転席13sが設けられており、運転席13sの後側が後部座席となっている。また、前記車両ボディ12の左右両側には、図3に示すように、ドア開口部14が形成されており、左右のドア開口部14を利用して運転手が乗用車10に乗降可能になる。左右のドア開口部14は、ドア装置20により開閉可能に構成されている。
乗用車10のドア装置20は、図1〜図3等に示すように、車両ボディ12のドア開口部14(左側)を開閉する前側の第1ドア22と後側の第2ドア25とを備えている。第1ドア22は、横向き台形状に形成された小型ドアであり、図5に示すように、台形の上底に相当する前端縁が複数のドアヒンジ23により前記車両ボディ12の前側面に水平回動可能な状態で連結されている。また、第1ドア22における台形の下底に相当する後端縁が複数の連結ヒンジ24を介して第2ドア25の前端縁に水平方向に相対回動可能な状態で連結されている。即ち、第1ドア22と第2ドア25とを連結する連結ヒンジ24のヒンジ軸と同軸位置がドア境界部となっている。第2ドア25は、車両ボディ12のドア開口部14の主要部分を開閉する大形ドアであり、ドア本体部25hと窓枠部25wとから構成されている。
ドア境界部係合機構30は、図5、図6に示すように、連結ヒンジ24と同軸位置で、第1ドア22と第2ドア25とから上方に突出可能に構成された上部係合ピン31と、同じく下方に突出可能に構成された下部係合ピン32とを備えている。上部係合ピン31は、軸状の部材であり、図6に示すように、第2ドア25の内側に設けられた軸受25jに支持された状態で軸方向に上下動可能に構成されている。そして、上部係合ピン31は保持バネ33のバネ力を受けて上限位置に保持されている。上部係合ピン31は上限位置で、先端部31t(上端部31t)が第2ドア25等の上端から一定寸法だけ上方に突出するように構成されている。下部係合ピン32は、図8等に示すように、上部係合ピン31とほぼ等しい構成で上下対称に形成されている。即ち、下部係合ピン32は、保持バネ33のバネ力を受けて下限位置に保持されており、下端部32tが第2ドア25等の下端から一定寸法だけ下方に突出している。
ドア後端下部係合機構40は、上記したように、第2ドア25の後端下部をドア開口部14の下辺に設けられたスライドレール50に係合可能、あるいは係合解除可能に構成されている。ドア後端下部係合機構40は、図5等に示すように、第2ドア25(ドア本体部25h)の後端部に縦向きに設けられたスライド部材43と、第2ドア25(ドア本体部25h)の表面側後部に設けられてスライド部材43を上下方向に一定寸法だけ変位させるスイング用ノブ45とを備えている。また、ドア後端下部係合機構40は、図5、図7〜図9に示すように、車両ボディ12のドア開口部14の下辺に設けられて、スライド部材43の下端部が係合可能に構成されたスライドレール50を備えている。
次に、乗用車10のドア装置20の動作について説明する。第1ドア22と第2ドア25とが閉じられている状態では、ドア境界部係合機構30の上部係合ピン31と下部係合ピン32とは、図5等に示すように、車両ボディ12のドア開口部14の上部挿入穴12xと下部挿入穴51と係合している。また、第2ドア25におけるドア後端下部係合機構40のスライド部材43の円板部43eが、図7に示すように、ドア開口部14に設けられたスライドレール50の直線溝52と段差54の位置で係合している。
本実施形態に係る乗用車10のドア装置20によると、第2ドア25の後端部(スライド部材43)がスライドレール50と係合しているときに、第1ドア22と第2ドア25とのドア境界部とドア開口部14の周縁部とがスライド用ノブ36の操作により係合解除可能となる。このため、前記ドア境界部とドア開口部14の周縁部との係合を解除することで、第1ドア22をドアヒンジ23の回りに水平回動させ、第2ドア25をスライドレール50に沿ってスライドさせることができる。即ち、第2ドア25をスライドドアとして使用することができる。このため、狭い場所での車両の乗り降りが可能になる。また、第1ドア22の前端部と第2ドア25の後端部とでドアを支えられるため、ドア荷重が一点に集中しない。
ここで、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、本実施形態では、ドア境界部係合機構30においてスライド用ノブ36の動作を上部係合ピン31、下部係合ピン32に伝達する第1伝達部材37、第2伝達部材38をワイヤー37w,38wとチューブ37t,38tとから構成する例を示した。しかし、第1伝達部材37、第2伝達部材38をリンク機構等により構成することも可能である。また、本実施形態では、第2ドア25の後端部に設けられたスイング用ノブ45とスライド部材43の軸体43jとを直接的に連結する例を示した。しかし、スライド部材43の軸体43jを短く成形し、前記軸体43jとスイング用ノブ45とを、例えば、ワイヤー等により接続する構成でも可能である。
12・・・・車両ボディ
14・・・・ドア開口部
12x・・・上部挿入穴(被係合部)
51・・・・下部挿入穴(被係合部)
12g・・・ガイド部
20・・・・ドア装置
22・・・・第1ドア
23・・・・ドアヒンジ
24・・・・連結ヒンジ
25・・・・第2ドア
29・・・・インナハンドル
30・・・・ドア境界部係合機構
31・・・・上部係合ピン(係合部材)
32・・・・下部係合ピン(係合部材)
33・・・・保持バネ(弾性体)
35・・・・係合解除機構
36・・・・スライド用ノブ
40・・・・ドア後端下部係合機構
43・・・・スライド部材
43e・・・円板部(鍔部)
45・・・・スイング用ノブ
50・・・・スライドレール
Claims (6)
- 車両ボディに形成された一つのドア開口部が第1ドアと第2ドアとによって開閉可能に構成されている車両のドア装置であって、
前記第1ドアの一端部がドアヒンジにより前記車両ボディに水平回動可能な状態で連結されており、
前記第1ドアの他端部と第2ドアの一端部とが連結ヒンジにより水平方向に相対回動可能な状態で連結されており、
前記第2ドアの回動自由端側が前記ドア開口部に沿って開閉方向に移動できるように、前記車両ボディに係合可能に構成されており、
前記第1ドアが前記ドア開口部の閉位置に保持されている状態で、前記第2ドアの回動自由端側と前記車両ボディとの係合が解除され、前記第2ドアが前記連結ヒンジを中心に水平回動して前記ドア開口部を開放可能なように構成されており、
前記第1ドアと第2ドアとを連結する前記連結ヒンジと同軸位置には、係合部材が設けられており、
前記ドア開口部には、前記第1ドアと第2ドアとの係合部材が係合可能、あるいは係合解除可能な被係合部が設けられており、
前記第2ドアの回動自由端側が前記ドア開口部に沿って前後方向に延びるスライドレールとスライド可能な状態で係合、あるいは係合解除可能に構成されており、
前記第2ドアの回動自由端側と前記スライドレールとが係合しているときに、前記係合部材と前記被係合部との係合が解除されて、前記第1ドアの一端部が前記ドアヒンジを中心に水平回動しつつ、前記第2ドアの回動自由端側が前記スライドレールに沿ってスライド可能となり、
前記係合部材と前記被係合部が係合しているときに、前記第2ドアの回動自由端側と前記スライドレールとの係合が解除されて、前記第2ドアが前記連結ヒンジを中心に水平回動可能となる車両のドア装置。 - 請求項1に記載された車両のドア装置であって、
前記第1ドアは、前記第2ドアよりも小さく形成されて、前記第2ドアの前側に設けられている車両のドア装置。 - 請求項1又は請求項2のいずれかに記載された車両のドア装置であって、
前記第2ドアには、スイング用ノブとスライド用ノブとが設けられており、
前記スイング用ノブが操作されると、前記係合部材と前記被係合部とが係合している状態で、前記第2ドアの回動自由端側と前記スライドレールと係合が解除され、
前記スライド用ノブが操作されると、前記第2ドアの回動自由端側と前記スライドレールとが係合している状態で、前記係合部材と前記被係合部との係合が解除される車両のドア装置。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載された車両のドア装置であって、
前記係合部材は、上方に突出可能な上部係合ピンと、下方に突出可能な下部係合ピンとからなり、両係合ピンが弾性体の弾性力で突出位置に保持されており、
前記被係合部は、上方に突出した前記上部係合ピンが挿入される上部挿入穴と、下方に突出した前記下部係合ピンが挿入される下部挿入穴からなり、
前記上部挿入穴と下部挿入穴との周囲には、前記第1ドアと第2ドアとを閉じる際、前記上部係合ピンと下部係合ピンとをそれぞれ前記上部挿入穴と下部挿入穴までガイドするガイド部が設けられている車両のドア装置。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載された車両のドア装置であって、
前記第2ドアの回動自由端側には、下端位置に鍔部を備える縦軸状のスライド部材が設けられており、
前記スライドレールは、前記スライド部材の鍔部がスライド可能に係合する溝状に形成されており、
前記第2ドアが前記ドア開口部の閉位置にある状態で、前記スライド部材の鍔部が一定寸法だけ上方に変位することで、前記スライド部材の鍔部と前記スライドレールとの係合が解除されるように構成されている車両のドア装置。 - 請求項1から請求項5のいずれかに記載された車両のドア装置であって、
前記第2ドアの室内側には、前記スイング用ノブとスライド用ノブとを動作させるインナハンドルが設けられている車両のドア装置。
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- 2016-05-24 JP JP2016103223A patent/JP6597479B2/ja active Active
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