JP6597336B2 - サンルーフ用パネル及びこれを備えた天井モジュール並びに天井構造 - Google Patents
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Description
また、車両10の内装天井材11の非意匠面側14aには、例えば、ルームランプ等の電源を要する電装品が取り付けられており、これを稼働させるために、複数の配線をコルゲート等を用いて被覆し、束ねたワイヤハーネス54が利用されている。このワイヤハーネス54は、内装天井材11の非意匠面11aに付設されている。
また、従来、多く使用されているガラス製パネル51は、重量があるため、内装天井材11と独立した部品とされ、ガラス製パネルが内装天井材に負荷を与えない構造とすることが当然のこととして車両設計されている。そして、そのために、ガラス製パネル51は、内装天井材11の内装開口部12の大きさよりもかなり大きく設計せざるを得なくなっている(図6参照)。これは、内装天井材11とガラス製パネル51との組付位置のばらつきを吸収し、内装天井材11とインナーフレーム33との間隙が乗員から見えないように見栄えを保つためである。しかしながら、ガラス製パネルは、元来、重量の嵩む部品であるため、燃費性能向上の要請から重量軽減が望まれる。
本発明のサンルーフ用パネルは、透光性樹脂によって形成された採光パネル部と、
前記透光性樹脂又は他の樹脂によって前記採光パネル部と一体成形されて、内装天井材の非意匠面に接合可能にされたブラケット部と、
前記ブラケット部内に埋設された導電体と、を備えることを要旨とする。
請求項2に記載のサンルーフ用パネルは、請求項1に記載のサンルーフ用パネルにおいて、前記導電体を前記ブラケット部の外部へと導出した導電性の導出部と、前記導出部の末端を電装品に接続するためのコネクタ部と、を備えることを要旨とする。
請求項3に記載のサンルーフ用パネルは、請求項1又は2に記載のサンルーフ用パネルにおいて、前記ブラケット部は、前記採光パネル部と前記内装天井材との間を繋ぐように前記採光パネル部から立設された立設部と、
前記立設部から延設されて、前記内装天井材の非意匠面に沿った形状にされた接合基部と、を備え、
前記導電体は、前記立設部及び/又は前記接合基部内に埋設されていることを要旨とする。
請求項4に記載のサンルーフ用パネルは、請求項1又は3のうちのいずれかに記載のサンルーフ用パネルにおいて、前記採光パネル部の全周に沿って前記ブラケット部が立設されて、全体として箱蓋形状をなしていることを要旨とする。
前記サンルーフ用パネルと前記内装天井材とは、各々の前記採光パネル部と前記内装開口部とが対応するように、前記ブラケット部と前記内装天井材の非意匠面とで接合されていることを要旨とする。
本発明の天井構造は、本発明の天井モジュールを備え、
前記採光パネル部の外表面が、車両ボディの天井部に設けられたサンルーフ用の開口であるボディ開口部から露出されるように、前記採光パネル部が車両内側から前記車両ボディに対して嵌挿されていることを要旨とする。
更に、この導電体は、サンルーフ用パネルと一体であるブラケット部内に配設され、ブラケット部内の一定位置に設けることができる。従って、サンルーフ用パネルと内装天井材との間で必要な位置合わせ行うことで、結果的に、内装天井材と導電体との位置合わせも一時期に完了させることができる。即ち、従来、ガラス製パネルと内装天井材との位置合わせと別途に内装天井材とワイヤハーネスとの位置合わせが必要であったが、この作業を不要化することができる。このため、内装天井材の非意匠面上の回路予定位置からのずれを防止でき、精度よく回路を付設でき、電装品等への接続においても有利である。
更に、サンルーフ用パネルには、通常、とりわけ耐衝撃性が高く割れ難い樹脂が採用されるが、万一の事故等の場合に、サンルーフ用パネルが破壊されたとしても、ブラケット部内の導電体が破片同士を繋ぎ止める補強材としても機能されるため、安全装備としての機能を併せ有することができる。
また、サンルーフ用パネルが、採光パネル部の全周に沿ってブラケット部が立設されて、全体として箱蓋形状をなしている場合は、サンルーフ用パネル全体の強度、剛性が大きくすることができ、より確実に変形を防止できる。
以下、本発明の実施形態を図に基づいて説明する。
図1乃至図5において、サンルーフ20は、車両10(尚、フロントウィンドウ50a、リアウィンドウ50bとする)の天井部に設けられている。そして、このサンルーフ20を有する車両ボディ31の天井部には天井モジュール1が固定されている。天井モジュール1は、サンルーフ用の開口である内装開口部12を有する内装天井材11と、内装天井材11に接合されたサンルーフ用パネル21と、を備えている。更に、サンルーフ用パネル21は、透光性樹脂によって形成された採光パネル部22と、透光性樹脂又は他の樹脂によって採光パネル部22と一体成形されて、内装天井材11の非意匠面11aに接合可能にされたブラケット部23と、を備える。以下、各部材について説明する。
内装天井材11としては、例えば、植物繊維、ガラスファイバー、グラスウール等の補強繊維を、多孔状態を維持しながら樹脂バインダで固め、所定の形状に賦形したものを採用できる。
内装天井材11は、利用される車両10の天井形状に応じて適宜の形状に賦形されるが、内装天井材11の内装開口部12の周縁を構成する周縁部13は、開口端に向かって曲面状にせり上がった形状とされたせり上がり部15を有することが好ましい。せり上がり部15を有することで、内装天井材11と、車両ボディ31のインナーフレーム33との隙間が乗員から見えないように乗員の視線を遮ることができる。
採光パネル部22は、透光性樹脂で形成されることによって、透光性が確保され、車両内から車両外を必要に応じて視認できるようにした部位である。一方、ブラケット部23は、採光パネル部22と内装天井材11の非意匠面11aとを一体に接合するための部位である。
これら採光パネル部22とブラケット部23とは、一体的に成形されている。即ち、その全体が透光性樹脂によって一体的に成形されているか、又は、採光パネル部22が透光性樹脂で形成され、ブラケット部が透光性樹脂と異なる他の樹脂によって形成されながら両者が一体的に成形されている。即ち、採光パネル部22とブラケット部23とは、ひと続きの樹脂成形体である。但し、採光パネル部22は、上述のように透光性樹脂で形成される一方、ブラケット部23は透光性であってもよく非透光性であってもよい。従って、ブラケット部23は、例えば、採光パネル部22を構成する透光性樹脂に顔料等の着色剤を配合して透光性を低下させた、又は、非透光性とした、着色樹脂を利用することによって、採光パネル部22とブラケット部23とを一体的に成形することもできる。
更に、図3乃至図5に例示されるように、ブラケット部23は、その内装天井材11の側において、立設部231から延設され、対応する内装天井材11の非意匠面11aに沿った形状にされた接合基部232を有することができる。また、車両の側方側(図1におけるB−B切断線における断面、図4参照)では、この接合基部232から、更に延設されて外方に延びる支持フレーム部233を備えることができる。
尚、後述するように、ブラケット部23は、採光パネル部22の全周に立設されてもよいが、必要な一部の箇所のみに立設されてもよい。
このうち、前方側の接合基部232aは、対応する内装天井材11の非意匠面11aに沿った形状に形成されて、接合基部232aと、内装天井材11の非意匠面11aと、で接合できるようになっている。接合基部232aと非意匠面11aとの接合方法は限定されず、面ファスナーを用いた接合、ホットメルト等の接着を利用した接合、クリップ、グロメット等の係合を利用した接合等を利用できる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
接続用突起26は、何箇所に(何個を)備えてもよいが、例えば、図2及び図5では、2箇所に配置された形態を例示している。接続用突起26は、必要に応じて、1箇所のみに備えてもよいし、2箇所以上に備えてもよい。
導電体40の埋設方法は特に限定されない。例えば、インサート成形により埋設することができる。また、複雑なパターン回路を要する場合等には、別途、樹脂板の表面に導電体40となる回路をプリント基板作成の要領で付設し、この回路が形成された樹脂板をサンルーフ用パネル21の成形時にブラケット部23となる部位の下面に貼り付けるように一体化させることで、導電体40をブラケット部23内に埋設することができる。
このため、本発明のサンルーフ用パネル21では、導電体40をブラケット部23の外部へと導出した導電性の導出部41と、導出部41の末端を電装品に接続するためのコネクタ部42と、を備えることが好ましい(図2及び図4参照)。これにより、サンルーフ用パネル21自体が、ワイヤハーネスに換わる電気回路を有することになる。従って、サンルーフ用パネル21と天井内装材11とを接合した際に、同時に回路付設もなされることとなる。そして、サンルーフ用パネル21から延設されたコネクタ部42を必要な電装品に接続することにより、極めて簡便且つ精度よく回路付設及び電気的接続を行うことができる。
尚、ポリイミドフィルムは耐熱性に優れているため、導電体40及び導出部41となる配線等を予め必要な配線形状にしてポリイミドフィルムで封止したフィルム封止回路を形成しておき、これをサンルーフ用パネル21の成形時にインサート成形して、サンルーフ用パネル21と回路とを一体的に成形することもできる。
ここで、電装品としては、図2に例示されるように、ルームランプ431(前席ルームランプ431a、後席ルームランプ431b)、サンバイザー432、アンテナ回路433等が挙げられる。上述のうち、前席ルームランプ431aとしては、オーバーヘッドコンソールのマップランプが含まれる。また、サンバイザー432はバニティミラーランプを備えることができる。この他にも、例えば、サングラス収納ボックス用ランプ、ハイマウントストップランプ等のランプ類の他、サンルーフ開閉スイッチ、サンルーフを含む窓部のクモリ取り用途の熱線、スピーカー等が挙げられる。
本発明の天井モジュール1は、本発明のサンルーフ用パネル21と、サンルーフ用の開口である内装開口部12を有する内装天井材11と、を備える。そして、サンルーフ用パネル21と内装天井材11とは、各々の採光パネル部22と内装開口部12とが対応するように、ブラケット部23と内装天井材11の非意匠面11aとで接合されている(図2乃至図4参照)。
本発明の天井構造30は、本発明の天井モジュール1を備え、採光パネル部22の外表面22aが、車両ボディ31の天井部に設けられたサンルーフ用の開口であるボディ開口部35から露出されるように、採光パネル部22が車両10内側から車両ボディ31に対して嵌挿されている(図3及び図4参照)。
サンルーフ用パネル21は、採光パネル部22の全周に沿ってブラケット部23が立設され、全体として箱蓋形状に形成されているので、全体として強度、剛性は大きく、変形しにくいものとなっている。このため、このように剛性の大きいサンルーフ用パネル21が内装天井材11の非意匠面に接合されたとき、ブラケット部23は内装天井材11の内装開口部12の部分における剛性を補強する補強材としても機能する。したがって、サンルーフ用パネル21の大型の型を使用することで、補強材として作用するブラケット部23も一体に成形することができるから、別途に補強材用の型を用意して補強材を成形する必要がないため、製造コストを低減できる。加えて、補強材を別途に取り付ける手間が省け、作業時間が短縮される。
10;車両、
11;内装天井材、11a;非意匠面(内装天井材の裏面)、11b;意匠面、
12;内装開口部、
13;周縁部、
15;せり上がり部、
20;サンルーフ、
21;サンルーフ用パネル、
22;採光パネル部、22a;外表面、
23;ブラケット部、
231;立設部、
232;接合基部、232a;前方側の接合基部、232b;後方側の接合基部、
233;支持フレーム部、
26;接続用突起(クリップ)、
27;接合手段、
30;天井構造、
31;車両ボディ、
32;アウターボディ、33;インナーフレーム(インナーボディ)、
34;貫通孔、
35;ボディ開口部、
40;導電体、
41;導出部、
421;ルームランプ用コネクタ、422;バニティミラーランプ用コネクタ、
431;ルームランプ、431a;前席ルームランプ、431b;後席ルームランプ、
432;サンバイザー、
433;アンテナ回路、
50a;フロントウィンドウ、50b;リアウィンドウ、
51;ガラス製パネル、53;補強材、
58;シェード、
P;基準点、
DF:進行方向。
Claims (10)
- 透光性樹脂によって形成された採光パネル部と、
前記透光性樹脂又は他の樹脂によって前記採光パネル部と一体成形されて、内装天井材の非意匠面に接合可能にされたブラケット部と、
前記ブラケット部内に埋設された導電体と、を備え、
前記ブラケット部は、接続用突起を備え、
前記接続用突起は、車両ボディのインナーフレームに設けられた貫通孔に貫通させて、本サンルーフ用パネルを前記車両ボディに対して固定可能であることを特徴とするサンルーフ用パネル。 - 前記導電体を前記ブラケット部の外部へと導出した導電性の導出部と、前記導出部の末端を電装品に接続するためのコネクタ部と、を備える請求項1に記載のサンルーフ用パネル。
- 前記ブラケット部は、前記採光パネル部と前記内装天井材との間を繋ぐように前記採光パネル部から立設された立設部と、
前記立設部から延設されて、前記内装天井材の非意匠面に沿った形状にされた接合基部と、を備え、
前記導電体は、前記立設部及び/又は前記接合基部内に埋設されている請求項1又は2に記載のサンルーフ用パネル。 - 前記採光パネル部の全周に沿って前記ブラケット部が立設されて、全体として箱蓋形状をなしている請求項1乃至3のうちのいずれかに記載のサンルーフ用パネル。
- 請求項1乃至4のうちのいずれかに記載のサンルーフ用パネルと、サンルーフ用の開口である内装開口部を有する内装天井材と、を備え、
前記サンルーフ用パネルと前記内装天井材とは、各々の前記採光パネル部と前記内装開口部とが対応するように、前記ブラケット部と前記内装天井材の非意匠面とで接合されていることを特徴とする天井モジュール。 - 請求項5に記載の天井モジュールを備え、
前記採光パネル部の外表面が、車両ボディの天井部に設けられたサンルーフ用の開口であるボディ開口部から露出されるように、前記採光パネル部が車両内側から前記車両ボディに対して嵌挿されていることを特徴とする天井構造。 - 透光性樹脂によって形成された採光パネル部、
前記透光性樹脂又は他の樹脂によって前記採光パネル部と一体成形されて、内装天井材の非意匠面に接合可能にされたブラケット部、及び、
前記ブラケット部内に埋設された導電体、を備えたサンルーフ用パネルと、
サンルーフ用の開口である内装開口部を有する内装天井材と、を有し、
前記サンルーフ用パネルと前記内装天井材とは、各々の前記採光パネル部と前記内装開口部とが対応するように、前記ブラケット部と前記内装天井材の非意匠面とで接合された天井モジュールを備え、
前記採光パネル部の外表面が、車両ボディの天井部に設けられたサンルーフ用の開口であるボディ開口部から露出されるように、前記採光パネル部が車両内側から前記車両ボディに対して嵌挿されていることを特徴とする天井構造。 - 前記導電体を前記ブラケット部の外部へと導出した導電性の導出部と、前記導出部の末端を電装品に接続するためのコネクタ部と、を備える請求項7に記載の天井構造。
- 前記ブラケット部は、前記採光パネル部と前記内装天井材との間を繋ぐように前記採光パネル部から立設された立設部と、
前記立設部から延設されて、前記内装天井材の非意匠面に沿った形状にされた接合基部と、を備え、
前記導電体は、前記立設部及び/又は前記接合基部内に埋設されている請求項7又は8に記載の天井構造。 - 前記採光パネル部の全周に沿って前記ブラケット部が立設されて、全体として箱蓋形状をなしている請求項7乃至9のうちのいずれかに記載の天井構造。
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