JP6596923B2 - 記録用紙、及び記録用紙の製造方法 - Google Patents
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Description
<1>に係る発明は、
第1の紙基材と、
前記第1の紙基材と貼り合わされた第2の紙基材と、
前記第1の紙基材と前記第2の紙基材との間に配置された磁性材料と、
を有し、
前記磁性材料が、前記第1の紙基材と前記第2の紙基材との貼り合わせ面に対して、前記第1の紙基材又は前記第2の紙基材の一方の側に入り込む割合が大きい記録用紙である。
前記磁性材料が、前記第1の紙基材の表面から前記磁性材料までの最短距離a、前記第2の紙基材の表面から前記磁性材料までの最短距離bとしたとき、前記最短距離a及び前記最短距離bのうち、最短距離の小さいほうを最短距離の大きいほうで除した値cが、0.5≦c≦0.9である<1>に記載の記録用紙である。
前記第1の紙基材及び前記第2の紙基材の密度がそれぞれ0.4g/cm3以上1.0g/cm3以下である<1>又は<2>に記載の記録用紙である。
第1の紙基材と、
前記第1の紙基材と貼り合わされた第2の紙基材と、
前記第1の紙基材と前記第2の紙基材との間に配置された磁性材料と、
を有し、
前記第1の紙基材と前記第2の紙基材との密度の差が0.1g/cm3以上0.4g/cm3以下である記録用紙である。
前記第1の紙基材及び前記第2の紙基材の密度がそれぞれ0.4g/cm3以上1.0g/cm3以下である<4>に記載の記録用紙である。
第1の紙基材、又は第2の紙基材のいずれか一方の紙基材上に、磁性材料を配置する磁性材料配置工程と、
前記磁性材料を挟み込むように、前記磁性材料が配置された一方の紙基材に、他方の紙基材を貼り合わせる貼合工程と、
を有し、
前記第1の紙基材と前記第2の紙基材との密度の差が0.1g/cm3以上0.4g/cm3以下である記録用紙の製造方法である。
前記第1の紙基材及び前記第2の紙基材の密度がそれぞれ0.4g/cm3以上1.0g/cm3以下である<6>に記載の記録用紙の製造方法である。
図1は、第1実施形態の記録用紙100を示す平面図である。図2は、第1実施形態の記録用紙100を示す断面図である。なお、図2は、図1のA−A断面図である。
第1実施形態の記録用紙100は、図1及び図2に示すように、第1の紙基材10Aと、第2の紙基材10Bとが、接着剤(不図示)を介して貼り合わされている。また、磁性材料12は、第1の紙基材10Aと第2の紙基材10Bとの間に挟み込まれるように配置されている。そして、記録用紙100では、第1の紙基材10Aと第2の紙基材10Bとの貼り合わせ面に対して、磁性材料12が、第1の紙基材10A側よりも第2の紙基材10B側に入り込む割合が大きくなるように構成されている。
しかしながら、この記録用紙の表面には、2枚の紙基材の間に配置されている磁性材料が存在する部分において、膨らみ(凸部)が発生し、この凸部による段差が発生し易い。そして、この記録用紙に、例えば、電子写真方式で画像を形成すると、この段差部において、転写不良による画質不良が発生し易くなる。
特に、記録用紙全体の厚みが薄くなると、凸部による段差が顕著に発生し易い。そして、全体の厚みが薄い記録用紙に、例えば、電子写真方式で画像を形成すると、転写不良による画質不良が発生し易くなる。
なお、第2の紙基材10Bの密度が、第1の紙基材10Aの密度よりも高い場合には、磁性材料12は、第2の紙基材10B側よりも第1の紙基材10A側に多く入り込むようになる。
一方で、第1実施形態の記録用紙100は、磁性材料12が、第1の紙基材10A側よりも、密度の低い第2の紙基材10B側に多く入り込んでいる。そして、密度の低い第2の紙基材10Bは第1の紙基材10Aよりも柔軟性を有するために、第2の紙基材10Bが変形することで、磁性材料12は、第2の紙基材10B側により多く埋め込まれるように入り込む。そのため、記録用紙100には、貼り合わせ面14における磁性材料12の両脇の位置に隙間が生じることがなく配置されると考えられる。
上記の貼り合わせ面14から、第1の紙基材10Aの表面側(記録用紙100の表面における第1の紙基材10A側の表面)に向かって入り込んでいる磁性材料12の最大距離をh1、及び、貼り合わせ面14から、第2の紙基材10Bの表面側(記録用紙100の表面における第2の紙基材10B側の表面)に向かって入り込んでいる磁性材料12の最大距離をh2とした場合に(図1参照)、h1とh2のうち、小さいほうを大きいほうで除した値の比H(すなわち、h1/h2又はh2/h1)が0.55以上0.85以下であることがよく、0.60以上0.80以下であることが好ましい。この範囲であると、記録用紙100の表面は、段差の発生が抑制され易くなる。なお、最大距離h1及びh2は、すなわち、貼り合わせ面14と磁性材料12の外周面との長さ(厚み方向に沿った長さ)のうちの最大長さを表す。
ここで、上記の最大距離h1とh2との比H(h1/h2又はh2/h1)が0.9を超える場合には、磁性材料12が、第1の紙基材10Aと第2の紙基材10Bとの貼り合わせ面14に対して、第1の紙基材10Aと第2の紙基材10Bとの両方に同じ割合で入り込んでいる状態であることを表す。
なお、測定用試料は、走査電子顕微鏡(SEM)に限らず、光学顕微鏡、又は透過電子顕微鏡(TEM)等を用いて測定してもよい。
図3は、第2実施形態の記録用紙100を示す断面図である。第2実施形態の記録用紙100は、磁性材料12が、次の関係を満足するように配置されている。すなわち、図3に示すように、第1の紙基材10Aの表面(つまり、記録用紙100の表面における第1の紙基材10A側の表面)から、第1の紙基材10Aと第2の紙基材10Bとの間に配置されている磁性材料12までの最短距離a、第2の紙基材10Bの表面(つまり、記録用紙100の表面における第2の紙基材10B側の表面)から磁性材料12までの最短距離bとしたとき、最短距離aと最短距離bのうち、最短距離の小さいほうを最短距離の大きいほうで除した値cが、0.5≦c≦0.9である条件を満足するように磁性材料12を配置することがよい。cの値は、0.55≦c≦0.85であることが好ましく、0.6≦c≦0.8であることがより好ましい。
なお、第2の紙基材10Bの密度が、第1の紙基材10Aの密度よりも高い場合には、磁性材料12は、第2の紙基材10B側よりも第1の紙基材10A側に多く入り込むようになる。
一方で、第2実施形態の記録用紙100は、磁性材料12が、第1の紙基材10A側よりも、密度の低い第2の紙基材10B側に多く入り込んでいる。そして、密度の低い第2の紙基材10Bは第1の紙基材10Aよりも柔軟性を有するために、第2の紙基材10Bが変形することで、磁性材料12は、第2の紙基材10B側により多く埋め込まれるように入り込む。そのため、記録用紙100には、貼り合わせ面14における磁性材料12の両脇の位置に隙間が生じることがなく配置されると考えられる。
なお、測定用試料は、走査電子顕微鏡(SEM)に限らず、光学顕微鏡、又は透過電子顕微鏡(TEM)等を用いて測定してもよい。
第3実施形態の記録用紙100は、貼り合わせる前の第1の紙基材10A及び第2の紙基材10Bの密度の差が、0.1g/cm3以上0.4g/cm3以下である。第1の紙基材10A及び第2の紙基材10Bの密度の差は、0.15g/cm3以上0.4g/cm3以下であることが好ましく、0.2g/cm3以上0.4g/cm3以下であることがより好ましい。
なお、第2の紙基材10Bの密度が、第1の紙基材10Aの密度よりも高い場合には、磁性材料12は、第2の紙基材10B側よりも第1の紙基材10A側に多く入り込むようになる。
一方で、第3実施形態の記録用紙100は、磁性材料12が、第1の紙基材10A側よりも、密度の低い第2の紙基材10B側に多く入り込んでいる。そして、密度の低い第2の紙基材10Bは第1の紙基材10Aよりも柔軟性を有するために、第2の紙基材10Bが変形することで、磁性材料12は、第2の紙基材10B側により多く埋め込まれるように入り込む。そのため、記録用紙100には、貼り合わせ面14における磁性材料12の両脇の位置に隙間が生じることがなく配置されると考えられる。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態として、記録用紙100の製造方法について説明する。
記録用紙100の製造方法は、第1の紙基材10A、又は第2の紙基材10Bのいずれか一方の紙基材上に、磁性材料12を配置する磁性材料配置工程と、磁性材料12を挟み込むように、磁性材料12が配置された一方の紙基材に、他方の紙基材を貼り合わせる貼合工程と、を有する。そして、第1の紙基材10Aと第2の紙基材10Bとの密度の差が、0.1g/cm3以上0.4g/cm3以下である。
例えば、第1の紙基材10A及び第2の紙基材10Bの密度の差が上記の範囲であり、第1の紙基材10Aと貼り合わせる第2の紙基材10Bの密度が、第1の紙基材10Aよりも密度が低い場合、貼合工程で貼り合わされた後の記録用紙100は、図2に示す記録用紙100のように、磁性材料12が、第1の紙基材10Aと第2の紙基材10Bとの貼り合わせ面に対して、第1の紙基材10Aよりも、第2の紙基材10B側に入り込んで配置される。
これは、貼合工程において、第1の紙基材10Aと第2の紙基材10Bとの間に磁性材料12が挟まれるように貼り合わせられるとともに、予め定められた厚さに加圧圧縮されることによって、磁性材料12が、密度の低い第2の紙基材10B側に押し込まれる。そのため、第2の紙基材10B側に多く入り込む割合が高くなり、磁性材料12による段差の発生が抑制される。また、第4実施形態の製造方法によれば、得られた記録用紙100全体の厚みが薄い場合であっても、段差の発生が抑制される。そして、例えば、第4実施形態の製造方法で得られた記録用紙100に、電子写真方式で画像を形成すると、記録用紙100の表面には、段差の発生が抑制されているため、転写不良等による画質不良が抑制されやすい。
なお、第2の紙基材10Bの密度が、第1の紙基材10Aの密度よりも高い場合には、磁性材料12は、第2の紙基材10B側よりも第1の紙基材10A側に多く入り込むようになる。
一方で、第4実施形態の製造方法によって得られた記録用紙100は、磁性材料12が、第1の紙基材10A側よりも、密度の低い第2の紙基材10B側に多く入り込んでいる。そして、密度の低い第2の紙基材10Bは第1の紙基材10Aよりも柔軟性を有するために、貼合工程において、第2の紙基材10Bが変形することで、磁性材料12は、第2の紙基材10B側により多く埋め込まれるように入り込む。そのため、記録用紙100には、貼り合わせ面14における磁性材料12の両脇の位置に隙間が生じることがなく配置されると考えられる。
以下、記録用紙100を製造する製造装置の各部について説明する。
図4では、接着剤塗布装置30は、予め準備されたロール状に巻き取られた第1の紙基材10Aの搬送方向に向かって下流側に設けられる。接着剤塗布装置30は、ロール状の第1の紙基材10Aから繰り出された第1の紙基材10Aの表面(貼り合わせ面14になる面)に接着剤16を塗布する装置である。
例えば、接着剤塗布ロール32の回転方向は、第1の紙基材10Aの搬送方向と反対方向に回転してもよい。また、例えば、接着剤吐出装置等の装置により、接着剤塗布ロール32に対して、接着剤16を直接付着させて、第1の紙基材10Aに塗布する装置でもよい。
また、ドクターロール34は、接着剤塗布ロール32に付着した接着剤16を規制するように配置されていればよい。さらに、接着剤塗布ロール32に付着した接着剤16を規制する規制部材であれば、これに限られず、例えば、ブレード状、バー状の規制部材であってもよい。
磁性材料配置装置40は、第1の紙基材10Aの搬送方向に向かって、接着剤塗布装置30の下流側に設けられる。磁性材料配置装置40は、接着剤塗布装置30によって、接着剤16が塗布された第1の紙基材10Aの接着剤塗布面に、磁性材料12を配置する装置である。
貼合装置50は、第1の紙基材10Aの搬送方向に向かって、磁性材料配置装置40の下流側であり、且つ、第2の紙基材10Bの搬送方向に向かって下流側に設けられる。貼合装置50は、磁性材料12が配置された第1の紙基材10Aと第2の紙基材10Bとを、磁性材料12を第1の紙基材10A及び第2の紙基材10Bの間に挟み込むように貼り合わせ、予め定められた厚さに加圧圧縮する装置である。
例えば、貼合装置50は、ヒーターを備えた加熱装置と、ヒーターを備えていない加圧圧縮装置とがそれぞれ独立した装置であってもよい。これらの装置によって、加熱装置で加熱された記録用紙100を加圧装置で加圧圧縮してもよい。
また、例えば、貼合装置50は、ヒーターを備えていない加圧圧縮装置でもよい。この装置によって、磁性材料12が配置された第1の紙基材10A及び第2の紙基材10Bの貼り合わせと、記録用紙100の加圧圧縮とを同時に施してもよい。
さらに、例えば、貼合装置50は、ヒーターを備えず、単に貼り合わせのみを行う装置と、加圧圧縮を行う装置とがそれぞれ独立した装置であってもよい。これらの装置によって、磁性材料12が配置された第1の紙基材10A及び第2の紙基材10Bを貼り合わせた後、貼り合わせた後の記録用紙100に対し、加圧圧縮を行ってもよい。
すなわち、本実施形態の記録用紙100を製造する製造装置は、第1の紙基材10A、又は第2の紙基材10Bのいずれか一方の紙基材上に、磁性材料12を配置する手段、及び、磁性材料12を挟み込むように、磁性材料12が配置された一方の紙基材に、他方の紙基材を貼り合わせる手段、を有している装置であれば、特に限定されない。
図4に示す製造装置では、接着剤16が塗布された第1の紙基材10Aの接着剤塗布面に磁性材料12を配置する構成を示しているが、例えば、第1の紙基材10Aの上面に接着剤16を塗布し、接着剤16が塗布されていない第2の紙基材10Bの上面に磁性材料12を配置した後、第1の紙基材10Aと第2の紙基材10Bと貼り合わせる装置であってもよい。
図4では、接着剤塗布装置30と、磁性材料配置装置40とが、それぞれ設けられた構成を示しているが、例えば、第1の紙基材10A、又は第2の紙基材10Bの少なくとも一方の表面に、接着剤16に磁性材料12が分散された接着剤16によって、接着剤16とともに磁性材料12を塗布する装置であってもよい。
また、例えば、搬送方向に向かって、貼合装置50の下流側に図示しない乾燥機を備えていてもよい。
まず、ロール状に巻き取られた第1の紙基材10A及びロール状に巻き取られた第2の紙基材10Bを準備する。そして、図4に示す製造装置において、ロール状に巻き取られた第1の紙基材10Aは、第1の紙基材10Aを供給する位置として、製造装置における紙基材を搬送する方向の最も上流側に配置する。また、ロール状に巻き取られた第2の紙基材10Bは、第2の紙基材10Bを供給する位置として、磁性材料12が配置された第1の紙基材10Aと貼り合わせられるように、搬送方向に向かって、磁性材料配置装置40の下流側であり、貼合装置50よりも上流側の位置に配置する。なお、第1の紙基材10Aと第2の紙基材10Bとは入れ替えてもよい。
磁性材料12が配置された後の第1の紙基材10Aは、搬送方向に向かって、磁性材料配置装置40の下流側に設けられたテンションロール22Dにより張力が付与され、貼合装置50に向かって搬送される。一方、ロール状に巻き取られた第2の紙基材10Bは、搬送方向に向かって、磁性材料配置装置40の下流側であり、貼合装置50よりも上流側に予め配置されている。そして、ロール状に巻き取られた第2の紙基材10Bの一端から、第2の紙基材10Bが繰り出される。繰り出された第2の紙基材10Bは、テンションロール22E及び22Fによって張力が付与され、貼合装置50に向かって搬送される。磁性材料12が配置されている第1の紙基材10A及び第2の紙基材10Bが共に貼合装置50に搬送された後、貼合装置50によって、磁性材料12を挟み込むように、第1の紙基材10A及び第2の紙基材10Bが貼り合わせられる。そして、貼り合わせとともに加圧圧縮され、予め定められた厚みに調整された記録用紙100が得られる。
また、図4に示される製造装置に例に挙げて製造方法を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、ロール状に巻き取られた第1の紙基材10A及びロール状に巻き取られた第2の紙基材10Bの配置、接着剤の塗布、磁性材料の配置、貼合の各工程は、第4実施形態である記録用紙100の製造方法の範囲内において変更し得るものである。
例えば、表面サイズ液での表面処理、顔料塗工層を設ける塗工処理を施してもよい。また、樹脂フィルムをラミネートする後加工を行ってもよい。
さらに、第1の紙基材10A及び第2の紙基材10Bの少なくとも一方には、各種の機能を付与してもよい。例えば、粘着、磁性、難燃、耐熱、耐水、耐油、防滑、帯電防止等の各種後加工処理を施すことにより、各種機能が付与され、各用途に対する適性が付加されてもよい。
また、得られた記録用紙100は、上記の各種処理を行った後、又は行う前に、予め定められた大きさに裁断されて、使用に供される。
第1の紙基材及び第2の紙基材は、パルプ繊維と、必要に応じて、填料等その他添加剤と、を含んで構成されている。
また、例えば、木材やチップを機械的にパルプ化したグランドウッドパルプ、木材やチップに薬液を染み込ませた後に機械的にパルプ化したケミメカニカルパルプ、及び、チップを軟らかくなるまで蒸解した後にリファイナーでパルプ化したサーモメカニカルパルプ、木材やチップに薬液を染み込ませた後に蒸気で加熱し、リファイナーでパルプ化したケミサーモメカニカルパルプ等の機械パルプのパルプ繊維も挙げられる。
パルプ繊維は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を使用してもよい。
第1の紙基材及び第2の紙基材の内部へ、カチオン性樹脂の浸透を抑制するためには、カチオン性樹脂を塗布する前の各紙基材のサイズ度を10秒以上60秒未満とすることがよい。
表面サイズ液の塗工表面処理や、顔料塗工層形成用の塗工液の塗工は、例えば、サイズプレス塗工、シムサイズ塗工、ゲートロール塗工、ロール塗工、バー塗工、エアナイフ塗工、ロッドブレード塗工、ブレード塗工、カーテン塗工等の通常使用されている塗工方法によって、塗工すればよい。
また、天然接着剤として、酸化デンプン、エステル化デンプン、酵素変性デンプンや
それらをフラッシュドライして得られる冷水可溶性デンプン、カゼイン、大豆たんぱく等
の一般に知られた接着剤が挙げられる。
これらの接着剤は顔料100質量%あたり、5質量%以上50質量%以下であることがよく、10質量%以上30質量%以下が好ましい。
第1の紙基材及び第2の紙基材は、例えば、パルプ繊維とその他必要に応じて添加剤を含むパルプスラリーを用い、抄紙機において、ワイヤー部で脱水、プレス部で圧搾及び搾水、及びドライヤー部で乾燥等の過程を経て、ロール状又はシート状の紙基材を得る。また、必要に応じて、カレンダ等の平滑化処理を施してもよい。
なお、第1の紙基材及び第2の紙基材を得るための抄紙方法は、酸性抄紙法、中性抄紙法のいずれを利用してもよい。ただし、例えば、填料として炭酸カルシウムを主に用いる場合には、中性抄紙法を採用することが望ましい。
磁性材料は、大バルクハウゼン効果を起こす特性を有する磁性材料からなるものであることが好ましい。磁性材料は、その磁気的物性、組成、形状等は特に限定されるものではない。
ただし、磁性材料の磁気的物性としては、ヒステリシスループが長方形で、保持力(Hc)が比較的小さいことがよい。
なお、線状(ワイヤ状)とは、断面形状(磁性材料の長手方向に対して交差方向に沿って切断した形状)として円形状、楕円形状、矩形状又はその他形状のものが、直線状又は湾曲状に延びた形状を含む概念である。つまり、線状(ワイヤ状)とは、断面形状として、幅方向の長さに対して、厚さ(高さ)方向の長さが短い、いわゆる帯状(リボン状)の形状を含む概念である。
後述の各実施例、各比較例により各記録用紙を作製し、各例で得られた記録用紙を用いて、次の評価を行った。
各実施例及び各比較例において、画像評価を行った。
富士ゼロックス社製「Apeos Port C4300」を用いて、各例で得られた用紙に対して、画像(3次色 画像濃度100%ベタ部パッチ 25cm×25cm)を形成し、転写不良を評価した。評価基準は、以下の通りである。
A(○):画像パッチに濃度変化が見られない。
B(△):画像パッチに若干の濃度変化が見られる(問題にならない)
C(×):画像パッチに濃度変化が見られる。
各実施例及び各比較例において、第1の紙基材と第2の紙基材との貼り合わせ面から、第1の紙基材の表面側に向かって入り込んでいる磁性材料までの最大距離h1、この貼り合わせ面から、第2の紙基材の表面側に向かって入り込んでいる磁性材料までの最大距離h2は、及び、その比Hは、既述の方法で測定した。
実施例1−1〜比較例1−1において、第1の紙基材の表面から磁性材料までの最短距離a、第2の紙基材の表面から磁性材料までの最短距離b、及び、その比cは、既述の方法で測定した。
JIS P 8124(2011)、及び、JIS P 8118(2014)に準じて測定した。
LBKP(広葉樹晒クラフトパルプ、フリーネス(CSF)=420ml):85質量部、NBKP(針葉樹晒クラフトパルプ、フリーネス(CSF)=440ml):15質量部を混合したパルプスラリーに、紙力増強剤として、ポリアクリルアミド系樹脂(商品名:ポリストロン117、荒川化学工業社製):0.7質量部、填料として、炭酸カルシウム(商品名:Billiant−15、白石工業社製):10質量部、内添サイズ剤として(商品名:サイズパインSA−864、荒川化学工業社製):15質量部を添加し、これらの混合物を白水で希釈し、pH値6.5、固形分濃度0.4%の紙料を調製した。
実施例1−1で調製した紙料スラリーを用い、同様の方法で抄紙し、カレンダにより密度調整を行い、第2の紙基材として、基材1B−2(坪量44g/m2、密度0.63g/cm3)を得た他は、実施例1−1と同様にして、記録用紙(坪量86g/m2)を得た。
実施例1−1で調製した紙料スラリーを用い、同様の方法で抄紙し、カレンダにより密度調整を行い、第2の紙基材として、基材1B−3(坪量40g/m2、密度0.55g/cm3)を得た他は、実施例1−1と同様にして、記録用紙(坪量82g/m2)を得た。
実施例1−1で調製した紙料スラリーを用い、同様の方法で抄紙し、カレンダにより密度調整を行い、第1の紙基材として、基材1A−2(坪量32g/m2、密度0.85g/cm3)を、第2の紙基材として、基材1B−4(坪量33g/m2、密度0.61g/cm3)を得た他は、実施例1−1と同様にして、記録用紙(坪量65g/m2)を得た。
実施例1−1で調製した紙料スラリーを用い、同様の方法で抄紙し、カレンダにより密度調整を行い、第1の紙基材として、基材1A−3(坪量25g/m2、密度0.90g/cm3)を、第2の紙基材として、基材1B−5(坪量35g/m2、密度0.50g/cm3)を得た他は、実施例1−1と同様にして、記録用紙(坪量60g/m2)を得た。
第2の紙基材として、第1の紙基材と同じ基材である基材1A−1を用意した。
第1の紙基材としての基材1A−1の裏面に接着剤を塗布し、第2の紙基材としての基材1A−1の表面に磁性材料(組成:Fe−Si−B、長さ40mm、幅5.0mm、厚さ0.03mm)をA4サイズの面積中に2本配合されるように配置し、第1の紙基材としての基材1A−1の裏面と第2の紙基材としての基材1A−1の表面を重ね加圧圧縮により貼り合せることで記録用紙(坪量84g/m2)を得た。
LBKP(広葉樹晒クラフトパルプ、フリーネス(CSF)=420ml):85質量部、NBKP(針葉樹晒クラフトパルプ、フリーネス(CSF)=440ml):15質量部を混合したパルプスラリーに、紙力増強剤として、ポリアクリルアミド系樹脂(商品名:ポリストロン117、荒川化学工業社製):0.7質量部、填料として、炭酸カルシウム(商品名:Billiant−15、白石工業社製):10質量部、内添サイズ剤として(商品名:サイズパインSA−864、荒川化学工業社製):15質量部を添加し、これらの混合物を白水で希釈し、pH値6.5、固形分濃度0.4%の紙料を調製した。
実施例2−1で調製した紙料スラリーを用い、同様の方法で抄紙し、カレンダにより密度調整を行い、第2の紙基材として、基材2B−2(坪量44g/m2、密度0.63g/cm3)を得た他は、実施例2−1と同様にして、記録用紙(坪量86g/m2)を得た。
実施例2−1で調製した紙料スラリーを用い、同様の方法で抄紙し、カレンダにより密度調整を行い、第2の紙基材として、基材2B−3(坪量40g/m2、密度0.55g/cm3)を得た他は、実施例2−1と同様にして、記録用紙(坪量82g/m2)を得た。
実施例2−1で調製した紙料スラリーを用い、同様の方法で抄紙し、カレンダにより密度調整を行い、第2の紙基材として、基材2B−4(坪量38g/m2、密度0.71g/cm3)を得た他は、実施例2−1と同様にして、記録用紙(坪量80g/m2)を得た。
実施例2−1で調製した紙料スラリーを用い、同様の方法で抄紙し、カレンダにより密度調整を行い、第2の紙基材として、基材2B−5(坪量48g/m2、密度0.34g/cm3)を得た他は、実施例2−1と同様にして、記録用紙(坪量90g/m2)を得た。
実施例2−1で調製した紙料スラリーを用い、同様の方法で抄紙し、カレンダにより密度調整を行い、第1の紙基材、及び第2の紙基材として、基材2A−2(坪量27g/m2、密度0.85g/cm3)を得た他は、実施例2−1と同様にして、記録用紙(坪量54g/m2)を得た。
Claims (7)
- 第1の紙基材と、
前記第1の紙基材と貼り合わされた第2の紙基材と、
前記第1の紙基材と前記第2の紙基材との間に配置された磁性材料と、
を有し、
前記磁性材料が、前記第1の紙基材と前記第2の紙基材の両方に入り込んでおり、前記第1の紙基材と前記第2の紙基材との貼り合わせ面に対して、前記第1の紙基材又は前記第2の紙基材の一方の側に入り込む割合が大きい記録用紙。 - 前記磁性材料が、前記第1の紙基材の表面から前記磁性材料までの最短距離a、前記第2の紙基材の表面から前記磁性材料までの最短距離bとしたとき、前記最短距離a及び前記最短距離bのうち、最短距離の小さいほうを最短距離の大きいほうで除した値cが、0.5≦c≦0.9である請求項1に記載の記録用紙。
- 前記第1の紙基材及び前記第2の紙基材の密度がそれぞれ0.4g/cm3以上1.0g/cm3以下である請求項1又は請求項2に記載の記録用紙。
- 第1の紙基材と、
前記第1の紙基材と貼り合わされた第2の紙基材と、
前記第1の紙基材と前記第2の紙基材との間に配置された磁性材料と、
を有し、
前記磁性材料が、前記第1の紙基材と前記第2の紙基材の両方に入り込んでおり、前記第1の紙基材と前記第2の紙基材との貼り合わせ面に対して、前記第1の紙基材又は前記第2の紙基材の一方の側に入り込む割合が大きく、
前記第1の紙基材と前記第2の紙基材との密度の差が0.1g/cm3以上0.4g/cm3以下である記録用紙。 - 前記第1の紙基材及び前記第2の紙基材の密度がそれぞれ0.4g/cm3以上1.0g/cm3以下である請求項4に記載の記録用紙。
- 第1の紙基材、又は第2の紙基材のいずれか一方の紙基材上に、磁性材料を配置する磁性材料配置工程と、
前記磁性材料を挟み込むように、前記磁性材料が配置された一方の紙基材に、他方の紙基材を貼り合わせる貼合工程と、
を有し、
前記第1の紙基材と前記第2の紙基材との密度の差が0.1g/cm3以上0.4g/cm3以下であり、
前記磁性材料が、前記第1の紙基材と前記第2の紙基材の両方に入り込んでおり、前記第1の紙基材と前記第2の紙基材との貼り合わせ面に対して、前記第1の紙基材又は前記第2の紙基材の一方の側に入り込む割合が大きい記録用紙の製造方法。 - 前記第1の紙基材及び前記第2の紙基材の密度がそれぞれ0.4g/cm3以上1.0g/cm3以下である請求項6に記載の記録用紙の製造方法。
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