以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の一実施の形態である車両用電源装置10を備えた車両11の構成例を示す概略図である。図1に示すように、車両11には、エンジン12を備えたパワーユニット13が搭載されている。エンジン12のクランク軸14には、ベルト機構15を介してモータジェネレータ(発電機)16が連結されている。このように、エンジン12には、モータジェネレータ16が機械的に接続されている。また、エンジン12にはトルクコンバータ17を介して変速機構18が連結されており、変速機構18にはデファレンシャル機構19等を介して車輪20が連結されている。さらに、パワーユニット13には、クランク軸14を始動回転させるスタータモータ21が設けられている。
モータジェネレータ16は、所謂ISG(integrated starter generator)であり、クランク軸14に駆動されて発電する発電機として機能するだけでなく、クランク軸14を始動回転させる電動機として機能している。モータジェネレータ16は、ステータコイルを備えたステータ22と、フィールドコイルを備えたロータ23と、を有している。また、モータジェネレータ16には、ステータコイルやフィールドコイルの通電状態を制御するため、インバータ、レギュレータおよびマイクロコンピュータ等を備えたISGコントローラ24が設けられている。ISGコントローラ24には、モータジェネレータ16の発電電圧や発電電流を検出するセンサ24aが接続されている。
モータジェネレータ16を発電機として機能させる際には、ISGコントローラ24によってフィールドコイルの通電状態が制御される。フィールドコイルの通電状態を制御することにより、モータジェネレータ16の発電電圧を制御することができる。また、モータジェネレータ16を発電駆動する際に、ISGコントローラ24のインバータを制御することにより、モータジェネレータ16の発電電流を制御することが可能である。一方、モータジェネレータ16を電動機として機能させる際には、ISGコントローラ24によってステータコイルの通電状態が制御される。なお、ISGコントローラ24は、後述する制御ユニット50からの制御信号に基づいて、フィールドコイルやステータコイルの通電状態を制御する。
続いて、車両用電源装置10の構成について説明する。図2は車両用電源装置10の構成例を示すブロック図である。図3は車両用電源装置10の構成を簡単に示した回路図である。図1〜図3に示すように、車両用電源装置10は、第1蓄電体であるリチウムイオンバッテリ27と、第2蓄電体である鉛バッテリ28と、を備えている。リチウムイオンバッテリ27および鉛バッテリ28は、モータジェネレータ16に並列に接続されている。リチウムイオンバッテリ27の正極端子27aには、第1電源ライン29が接続されており、鉛バッテリ28の正極端子28aには、第2電源ライン30が接続されている。また、モータジェネレータ16の発電電流を出力する出力端子16aには、充電ライン31が接続されている。第1電源ライン29、第2電源ライン30および充電ライン31は、接続点であるノード32を介して互いに接続されている。すなわち、リチウムイオンバッテリ27と鉛バッテリ28との正極端子27a,28aは、第1電源ライン29、第2電源ライン30およびノード32からなる通電経路100を介して接続されている。
通電経路100を構成する第1電源ライン29には、開閉スイッチ(スイッチ)SW1が設けられている。また、第2電源ライン30には、開閉スイッチSW2が設けられている。これらの開閉スイッチSW1,SW2は、閉じられた状態つまり導通状態(ON状態)と、開かれた状態つまり遮断状態(OFF状態)とに動作可能である。すなわち、開閉スイッチSW1は、モータジェネレータ16とリチウムイオンバッテリ27とを電気的に接続するON状態と、モータジェネレータ16とリチウムイオンバッテリ27とを電気的に分離するOFF状態とに切り替えられる。同様に、開閉スイッチSW2は、モータジェネレータ16と鉛バッテリ28とを電気的に接続するON状態と、モータジェネレータ16と鉛バッテリ28とを電気的に分離するOFF状態とに切り替えられる。なお、開閉スイッチSW1は、非通電時にOFF状態に作動するノーマルオープン型のスイッチである。また、開閉スイッチSW2は、非通電時にON状態つまりオン状態に作動するノーマルクローズ型のスイッチである。
第2電源ライン30には、瞬低保護負荷33および車体負荷34等が接続されている。また、第2電源ライン30には、スタータリレー35を介してスタータモータ21が接続されており、ISGリレー36を介してISGコントローラ24が接続されている。さらに、第2電源ライン30には、瞬低保護負荷33、車体負荷34、スタータモータ21およびISGコントローラ24等を保護するヒューズ37が設けられている。また、図示する例では、第1電源ライン29に開閉スイッチSW1を設けているが、これに限られることはない。図3に一点鎖線で示すように、リチウムイオンバッテリ27の負極端子27bに接続される通電ライン38に、開閉スイッチSW1を設けても良い。すなわち、リチウムイオンバッテリ27と鉛バッテリ28との負極端子27b,28bは、通電ライン38,39からなる通電経路101を介して接続されている。この通電経路101を構成する通電ライン38に、開閉スイッチSW1を設けても良い。
図1および図2に示すように、車両用電源装置10には、リチウムイオンバッテリ27およびモータジェネレータ16を備えた第1電源回路41が設けられている。また、車両用電源装置10には、鉛バッテリ28、瞬低保護負荷33、車体負荷34およびスタータモータ21等を備えた第2電源回路42が設けられている。そして、第1電源回路41と第2電源回路42とは、開閉スイッチSW2を介して接続されている。開閉スイッチSW2をON状態に切り替えることにより、第1電源回路41と第2電源回路42とを電気的に接続することができる。一方、開閉スイッチSW2をOFF状態に切り替えることにより、第1電源回路41と第2電源回路42とを電気的に分離することができる。
車両用電源装置10には、モータジェネレータ16、鉛バッテリ28、瞬低保護負荷33、車体負荷34およびスタータモータ21等を備えた第3電源回路43が設けられている。つまり、車両用電源装置10には、モータジェネレータ16および鉛バッテリ28を備える第3電源回路43が設けられている。また、前述したように、第1電源ライン29には、開閉スイッチ(スイッチ)SW1が設けられている。この開閉スイッチSW1をON状態に切り替えることにより、第3電源回路(電源回路)43にリチウムイオンバッテリ27を電気的に接続することができる。一方、開閉スイッチSW1をOFF状態に切り替えることにより、第3電源回路43からリチウムイオンバッテリ27を電気的に分離することができる。なお、車両用電源装置10にはバッテリモジュール44が設けられており、このバッテリモジュール44にリチウムイオンバッテリ27および開閉スイッチSW1,SW2が組み込まれている。
図2に示すように、バッテリモジュール44には、リチウムイオンバッテリ27の充電状態、充放電電流、端子電圧、温度等を検出するバッテリセンサ45が設けられている。また、バッテリモジュール44には、駆動回路部やマイクロコンピュータ等を備えたバッテリコントローラ46が設けられている。このバッテリコントローラ46は、開閉スイッチSW1の制御電流を生成する駆動回路部46aと、開閉スイッチSW2の制御電流を生成する駆動回路部46bと、を有している。バッテリコントローラ46は、後述する制御ユニット50からの制御信号に基づいて、開閉スイッチSW1,SW2をON状態またはOFF状態に切り替える。また、バッテリコントローラ46は、リチウムイオンバッテリ27の過度な充放電電流や温度上昇が検出された場合に、開閉スイッチSW1をOFF状態に切り替えて車両用電源装置10からリチウムイオンバッテリ27を分離する。なお、図示していないが、バッテリコントローラ46は、前述したISGコントローラ24と同様に、第2電源ライン30に接続される。
前述したように、第2電源ライン30には、瞬低保護負荷33が接続されている。この瞬低保護負荷33は、後述するアイドリングストップ制御のエンジン再始動時に、作動状態を継続することが必要な電気機器である。瞬低保護負荷33として、エンジン補機類、ブレーキアクチュエータ、パワーステアリングアクチュエータ、インストルメントパネル、各種電子制御ユニット等が挙げられる。また、第2電源ライン30には、車体負荷34が接続されている。この車体負荷34は、アイドリングストップ制御のエンジン再始動時に、瞬間的な停止状態が許容される電気機器である。車体負荷34として、ドアミラーモータ、パワーウィンドウモータ、ラジエータファンモータ等が挙げられる。
図2に示すように、車両用電源装置10は、モータジェネレータ16やバッテリモジュール44等を制御する制御ユニット50を有している。制御ユニット50は、リチウムイオンバッテリ27の充放電を制御する充放電コントローラ51を有している。充放電コントローラ51は、他のコントローラやセンサからの入力信号に基づいて、リチウムイオンバッテリ27の充電状態や、アクセルペダルおよびブレーキペダルの操作状況等を判定する。そして、充放電コントローラ51は、リチウムイオンバッテリ27の充電状態等に基づいて、モータジェネレータ16の発電状態を制御することにより、リチウムイオンバッテリ27の充放電を制御する。なお、充放電コントローラ51は、CPU、ROM、RAM等によって構成されるマイクロコンピュータや、各種アクチュエータに対する制御電流を生成する駆動回路等を備えている。
制御ユニット50は、アイドリングストップ制御を実行するISSコントローラ52を有している。アイドリングストップ制御とは、所定条件に基づいてエンジン12を自動的に停止させ、所定条件に基づいてエンジン12を自動的に再始動させる制御である。ISSコントローラ52は、他のコントローラやセンサからの入力信号に基づいて、エンジン12の停止条件や始動条件を判定する。そして、ISSコントローラ52は、停止条件が成立した場合にエンジン12を自動的に停止する一方、始動条件が成立した場合にエンジン12を自動的に再始動する。
エンジン12の停止条件としては、例えば、車速が所定車速以下であり、かつブレーキペダルが踏み込まれることが挙げられる。また、エンジン12の始動条件としては、例えば、ブレーキペダルの踏み込みが解除されることや、アクセルペダルが踏み込まれることが挙げられる。なお、ISSコントローラ52は、CPU、ROM、RAM等によって構成されるマイクロコンピュータや、各種アクチュエータに対する制御電流を生成する駆動回路等を備えている。また、ISSコントローラ52のISSとは、「idling stop system」である。
制御ユニット50は、開閉スイッチSW1,SW2の開閉制御を実行するスイッチコントローラ(スイッチ制御部)53を有している。スイッチコントローラ53は、他のコントローラやセンサ等からの入力信号に基づき開閉スイッチSW1,SW2の制御信号を生成し、この制御信号をバッテリコントローラ46に向けて出力する。そして、制御信号を受信したバッテリコントローラ46の駆動回路部46a,45bは、制御電流を生成して開閉スイッチSW1,SW2に向けて出力する。なお、スイッチコントローラ53は、CPU、ROM、RAM等によって構成されるマイクロコンピュータや、各種アクチュエータに対する制御電流を生成する駆動回路等を備えている。
制御ユニット50に接続されるセンサとして、鉛バッテリ28の充放電電流や充電状態等を検出するバッテリセンサ54、アクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセルセンサ55、ブレーキペダルの踏み込み量を検出するブレーキセンサ56がある。また、制御ユニット50に接続される他のセンサ類として、車両11の走行速度である車速を検出する車速センサ57、後述するエンジンフード71が開かれているか否かを検出するフードスイッチ58、乗員に手動操作されるスタートスイッチ59等がある。さらに、制御ユニット50には、車両用電源装置10の異常を乗員に通知する警告灯60が接続されている。
制御ユニット50に接続されるスタートスイッチ59は、車両の制御システムを起動する際やエンジン12を始動する際に、乗員によって手動操作されるスイッチである。例えば、スタートスイッチ59が押ボタン式である場合には、ブレーキペダルを踏まずにスタートスイッチ59を押し込むことにより、車両の制御システムの起動や停止を選択することができる。また、ブレーキペダルを踏み込みながらスタートスイッチ59を押し込むことにより、車両の制御システムを起動させてエンジン12を始動することができる。このように、図示するスタートスイッチ59は、押し込み操作によって起動側や起動停止側に操作されるスイッチとなっている。
また、制御ユニット50、モータジェネレータ16およびバッテリモジュール44等は、CANやLIN等の車載ネットワーク61を介して互いに接続されている。すなわち、ISGコントローラ24、バッテリコントローラ46、充放電コントローラ51、ISSコントローラ52、スイッチコントローラ53および各種センサは、車載ネットワーク61を介して通信自在に接続されている。この車載ネットワーク61を介して、制御ユニット50には、ISGコントローラ24からモータジェネレータ16の発電電圧や発電電流等が入力され、バッテリコントローラ46からリチウムイオンバッテリ27の充電状態や放電電流等が入力される。そして、制御ユニット50は、車両用電源装置10の作動状態や車両11の走行状況を判定し、ISGコントローラ24やバッテリコントローラ46に制御信号を出力する。
[バッテリの電圧特性]
続いて、リチウムイオンバッテリ27および鉛バッテリ28の電圧特性について説明する。図4はバッテリの端子電圧と充電状態SOCとの関係を示す線図である。なお、充電状態SOC(state of charge)とは、バッテリの充電度合を示す値であり、バッテリの設計容量に対する残存容量の比率である。また、図4に示される端子電圧V1,V2とは、電流が流れていないときのバッテリ電圧つまり開放端電圧である。また、図4に示される符号GHは、モータジェネレータ16の最大発電電圧を示している。
図4に示すように、リチウムイオンバッテリ27の端子電圧V1は、鉛バッテリ28の端子電圧V2よりも高く設定されている。すなわち、リチウムイオンバッテリ27の充放電範囲X1における下限電圧V1Lは、鉛バッテリ28の充放電範囲X2における上限電圧V2Hよりも高く設定されている。また、リチウムイオンバッテリ27の端子電圧V1は、鉛バッテリ28の充電電圧上限(例えば、16V)よりも低く設定されている。すなわち、リチウムイオンバッテリ27の充放電範囲X1における上限電圧V1Hは、鉛バッテリ28の充電電圧上限よりも低く設定されている。これにより、リチウムイオンバッテリ27と鉛バッテリ28とを並列接続した場合であっても、リチウムイオンバッテリ27による鉛バッテリ28の過充電を回避することができ、鉛バッテリ28の劣化を回避することができる。なお、充電電圧上限とは、蓄電体の劣化を抑制する観点から、蓄電体の種類毎に設定される充電電圧の上限値である。
図4に示すように、リチウムイオンバッテリ27はサイクル特性に優れることから、リチウムイオンバッテリ27には広い充放電範囲X1が設定されている。一方、鉛バッテリ28には、バッテリ劣化を防止する観点から、満充電付近の狭い充放電範囲X2が設定されている。また、リチウムイオンバッテリ27の内部抵抗は、鉛バッテリ28の内部抵抗よりも小さく設定される。つまり、鉛バッテリ28の内部抵抗は、リチウムイオンバッテリ27の内部抵抗よりも大きく設定される。
[モータジェネレータの発電制御]
続いて、モータジェネレータ16の発電制御について説明する。図5はモータジェネレータ16の発電制御の一例を示すタイミングチャートである。図5には、モータジェネレータ16の発電電圧VG、リチウムイオンバッテリ27の端子電圧V1および充電状態S1、鉛バッテリ28の端子電圧V2および充電状態S2が示されている。また、図5に示されるブレーキONとは、ブレーキペダルが踏み込まれた状態を意味し、ブレーキOFFとは、ブレーキペダルの踏み込みが解除された状態を意味している。
図5に示すように、リチウムイオンバッテリ27の充電状態S1は、充放電範囲X1内で制御されている。例えば、リチウムイオンバッテリ27の充電状態S1が、放電に伴って下限値SLまで低下した場合には、モータジェネレータ16が発電状態に制御されてリチウムイオンバッテリ27が充電される。ここで、モータジェネレータ16の発電状態として、燃焼発電状態と回生発電状態とがある。燃焼発電状態とは、エンジン動力によってモータジェネレータ16を発電させ、燃料のエネルギーを電気エネルギーに変換する発電状態である。また、回生発電状態とは、車両減速時にモータジェネレータ16を発電させ、車両11の運動エネルギーを電気エネルギーに変換する発電状態である。車両11のエネルギー効率を向上させて燃費性能を高めるためには、モータジェネレータ16の回生発電状態を増やすことにより、モータジェネレータ16の燃焼発電状態を減らしてエンジン12の燃料消費量を抑制することが望ましい。すなわち、モータジェネレータ16の回生電力をリチウムイオンバッテリ27に積極的に蓄え、この回生電力をリチウムイオンバッテリ27から車体負荷34等に放出することにより、モータジェネレータ16の燃焼発電状態を減らすことが望ましい。
モータジェネレータ16を燃焼発電状態に制御するか否かは、リチウムイオンバッテリ27の充電状態S1に基づいて決定される。すなわち、充放電コントローラ51は、充電状態S1が下限値SLまで低下したときに、モータジェネレータ16を燃焼発電状態に制御する。そして、充放電コントローラ51は、充電状態S1が第1上限値SH1に到達するまで、モータジェネレータ16の燃焼発電状態を継続する。一方、モータジェネレータ16を回生発電状態に制御するか否かは、アクセルペダルやブレーキペダルの操作状況に基づいて決定される。すなわち、充放電コントローラ51は、アクセルペダルの踏み込みが解除される車両減速時や、ブレーキペダルが踏み込まれる車両減速時に、モータジェネレータ16を回生発電状態に制御している。そして、充放電コントローラ51は、アクセルペダルが踏み込まれた場合や、ブレーキペダルの踏み込みが解除された場合に、モータジェネレータ16の回生発電状態を解除し、モータジェネレータ16を発電休止状態に制御している。なお、モータジェネレータ16が回生発電状態に制御された状態のもとで、充電状態S1が第2上限値SH2まで上昇した場合には、リチウムイオンバッテリ27の過充電を防止するため、モータジェネレータ16の回生発電状態は解除され、モータジェネレータ16は発電休止状態に制御される。
[車両用電源装置の電力供給状況]
続いて、車両用電源装置10の電力供給状況について説明する。図6および図7は車両用電源装置10の電力供給状況を示す説明図である。図6にはリチウムイオンバッテリ充電時の電力供給状況が示されており、図7にはリチウムイオンバッテリ放電時の電力供給状況が示されている。
まず、図5に示すように、リチウムイオンバッテリ27の充電状態S1が、下限値SLまで低下すると(符号A1)、充放電コントローラ51は、モータジェネレータ16を燃焼発電状態に制御する。この燃焼発電状態においては、モータジェネレータ16の発電電圧VGが、リチウムイオンバッテリ27の端子電圧V1よりも高い所定電圧Vaに引き上げられる(符号B1)。ここで、図6に示すように、モータジェネレータ16の発電電圧VGを、リチウムイオンバッテリ27の端子電圧V1よりも上げる際には、バッテリモジュール44内の開閉スイッチSW1,SW2は閉じられた状態に保持される。これにより、図6に矢印で示すように、モータジェネレータ16の発電電力は、リチウムイオンバッテリ27、鉛バッテリ28、瞬低保護負荷33、車体負荷34に供給される。
このように、モータジェネレータ16が燃焼発電状態に制御されると、リチウムイオンバッテリ27が充電されるため、リチウムイオンバッテリ27の充電状態S1は徐々に上昇する。そして、図5に示すように、充電状態S1が第1上限値SH1に到達すると(符号A2)、充放電コントローラ51は、モータジェネレータ16を発電休止状態に制御する。この発電休止状態においては、モータジェネレータ16の発電電圧VGが、リチウムイオンバッテリ27の端子電圧V1よりも低い「0」に引き下げられる(符号B2)。ここで、図7に示すように、モータジェネレータ16の発電電圧VGを、リチウムイオンバッテリ27の端子電圧V1よりも下げる際には、バッテリモジュール44内の開閉スイッチSW1,SW2は閉じられた状態に保持される。これにより、図7に矢印で示すように、リチウムイオンバッテリ27に蓄えられた電力が、瞬低保護負荷33、車体負荷34および鉛バッテリ28に供給される。
次いで、図5に示すように、ブレーキペダルが踏み込まれると(符号C1)、充放電コントローラ51は、モータジェネレータ16を回生発電状態に制御する。この回生発電状態においては、モータジェネレータ16の発電電圧VGが、リチウムイオンバッテリ27の端子電圧V1よりも高い所定電圧Vbに引き上げられる(符号B3)。ここで、図6に示すように、モータジェネレータ16の発電電圧VGを、リチウムイオンバッテリ27の端子電圧V1よりも上げる際には、バッテリモジュール44内の開閉スイッチSW1,SW2は閉じられた状態に保持される。これにより、図6に矢印で示すように、モータジェネレータ16の発電電力は、リチウムイオンバッテリ27、鉛バッテリ28、瞬低保護負荷33、車体負荷34に供給される。
その後、図5に示すように、ブレーキペダルの踏み込みが解除されると(符号C2)、充放電コントローラ51は、モータジェネレータ16を発電休止状態に制御する。この発電休止状態においては、モータジェネレータ16の発電電圧VGが、リチウムイオンバッテリ27の端子電圧V1よりも低い「0」に引き下げられる(符号B4)。ここで、図7に示すように、モータジェネレータ16の発電電圧VGを、リチウムイオンバッテリ27の端子電圧V1よりも下げる際には、バッテリモジュール44内の開閉スイッチSW1,SW2は閉じられた状態に保持される。これにより、図7に矢印で示すように、リチウムイオンバッテリ27に蓄えられた電力が、瞬低保護負荷33、車体負荷34および鉛バッテリ28に供給される。
これまで説明したように、モータジェネレータ16の発電電圧VGを制御することにより、リチウムイオンバッテリ27の充放電を制御することができる。すなわち、発電電圧VGを端子電圧V1よりも上げることにより、リチウムイオンバッテリ27を充電することができる。一方、発電電圧VGを端子電圧V1よりも下げることにより、リチウムイオンバッテリ27を放電させることができる。しかも、リチウムイオンバッテリ27の端子電圧V1を、鉛バッテリ28の端子電圧V2よりも高く設定したので、開閉スイッチSW1,SW2を閉じた状態に保持したまま、リチウムイオンバッテリ27を充放電させることができる。すなわち、リチウムイオンバッテリ27から鉛バッテリ28を切り離さずに、リチウムイオンバッテリ27を放電させることができるため、車両用電源装置10の回路構造やスイッチ制御を複雑にすることなく、リチウムイオンバッテリ27を積極的に充放電させることが可能である。これにより、車両11のエネルギー効率を向上させる車両用電源装置10のコストを下げることができる。
図6に示すように、モータジェネレータ16を発電させる際には、鉛バッテリ28の充電を抑制しつつ、リチウムイオンバッテリ27を積極的に充電することができる。すなわち、リチウムイオンバッテリ27の内部抵抗は、鉛バッテリ28の内部抵抗よりも小さいことから、鉛バッテリ28の充電を抑制しつつ、リチウムイオンバッテリ27に積極的に充電することが可能である。また、図7に示すように、モータジェネレータ16の発電を休止させる際には、鉛バッテリ28の放電を抑制しつつ、リチウムイオンバッテリ27を積極的に放電させることができる。すなわち、リチウムイオンバッテリ27の端子電圧V1は、鉛バッテリ28の端子電圧V2よりも高いことから、鉛バッテリ28の放電を抑制しつつ、リチウムイオンバッテリ27を積極的に放電させることが可能である。このように、鉛バッテリ28の充放電を抑制することができるため、鉛バッテリ28に求められる出力特性やサイクル特性を緩和することができ、鉛バッテリ28のコストを下げることが可能である。この点からも、車両用電源装置10のコストを下げることができる。
なお、前述の説明では、発電電圧VGを端子電圧V1よりも下げる際に、モータジェネレータ16を発電休止状態に制御しているが、これに限られることはない。モータジェネレータ16の発電状態を維持したまま、発電電圧VGを端子電圧V1よりも下げた場合であっても、リチウムイオンバッテリ27を放電させることが可能である。このとき、モータジェネレータ16の発電電流を調整することにより、リチウムイオンバッテリ27の放電電流を制御することが可能である。すなわち、モータジェネレータ16の発電電流を増加させることにより、リチウムイオンバッテリ27の放電電流を減少させることができる。一方、モータジェネレータ16の発電電流を減少させることにより、リチウムイオンバッテリ27の放電電流を増加させることができる。
[エンジン始動制御]
続いて、エンジン始動時における車両用電源装置10の電力供給状況について説明する。図8および図9は車両用電源装置10の電力供給状況を示す説明図である。図8にはスタートスイッチ操作によるエンジン初始動時の電力供給状況が示されており、図9にはアイドリングストップ制御によるエンジン再始動時の電力供給状況が示されている。
図8に示すように、運転手のスタートスイッチ操作によるエンジン初始動時においては、スタータモータ21によってエンジン12が始動される。すなわち、スタートスイッチ操作によるエンジン初始動時には、バッテリモジュール44内の開閉スイッチSW2が閉じられた後に、スタータリレー35が閉じられる。これにより、鉛バッテリ28からスタータモータ21に電力が供給され、スタータモータ21のクランキング動作によってエンジン12が始動される。なお、バッテリモジュール44内の開閉スイッチSW1は、エンジン12が始動された後に閉じられる。前述の説明では、リチウムイオンバッテリ27の放電を抑制する観点から、開閉スイッチSW1は開かれているが、これに限られることはない。例えば、寒冷地等の低温環境下においては、開閉スイッチSW1,SW2を閉じることにより、鉛バッテリ28とリチウムイオンバッテリ27との双方から、スタータモータ21に対して電力を供給しても良い。
図9に示すように、アイドリングストップ制御によるエンジン再始動時においては、モータジェネレータ16によってエンジン12が始動される。すなわち、アイドリングストップ制御によるエンジン再始動時には、バッテリモジュール44内の開閉スイッチSW2が開かれた後に、モータジェネレータ16の目標駆動トルクが引き上げられる。これにより、リチウムイオンバッテリ27からモータジェネレータ16に電力が供給され、モータジェネレータ16のクランキング動作によってエンジン12が始動される。アイドリングストップ制御によるエンジン再始動時においては、開閉スイッチSW2を開いて第1電源回路41と第2電源回路42とを切り離すことにより、第2電源回路42の瞬低保護負荷33に対する瞬間的な電圧低下つまり瞬低を防止することができる。これにより、エンジン再始動時に瞬低保護負荷33の作動状態を継続することができるため、車両品質を向上させることができる。
[ブースターケーブルの接続状況]
続いて、ブースターケーブルを用いて車両間の電源回路を接続する際の状況について説明する。車両に搭載されるバッテリの電力が枯渇した場合には、エンジン始動用のスタータモータに電力を供給するため、ブースターケーブルを介して車両同士の電源回路を接続することが多い。以下、車両用電源装置10が備える鉛バッテリ28の車両搭載位置について説明した後に、車両同士の電源回路を接続する際の状況について説明する。なお、以下の説明においては、車両用電源装置10が搭載される車両11を「自車両」として記載し、この自車両11にブースターケーブルBC1,BC2を介して接続される他の車両200を「他車両」として記載する。
図10(a)および(b)は、車両用電源装置10が搭載された自車両11を示す側面図である。図10(a)に示すように、車両前部のエンジンルーム(収容室)70には、鉛バッテリ28が収容されている。また、車体にはエンジンフード71が開閉自在に装着されており、エンジンフード71によってエンジンルーム70が閉じられている。このため、図10(a)に示すように、エンジンフード71を閉じてエンジンルーム70を閉塞した場合には、エンジンルーム70内の鉛バッテリ28に外部から触れることができない。一方、図10(b)に示すように、エンジンフード71を開いてエンジンルーム70を開放した場合には、エンジンルーム70内の鉛バッテリ28に外部から触れることができる。つまり、鉛バッテリ28にブースターケーブルBC1,BC2を接続する際には、エンジンフード71を開いてエンジンルーム70が開放されることになる。なお、図示する例では、車両後部にリチウムイオンバッテリ27が搭載されているが、これに限られることはなく、車両中央や車両前部等にリチウムイオンバッテリ27を搭載しても良い。
図11は自車両11と他車両200との電源回路43,201の接続状況の一例を示す説明図である。図12は自車両11と他車両200との電源回路43,201の接続状況の一例を示す回路図である。まず、図11に示すように、自車両11と他車両200との電源回路を接続する際には、自車両11のエンジンフード71を開いて鉛バッテリ28を露出させ、他車両200のエンジンフード202を開いてバッテリ203を露出させる。そして、図12に示すように、ブースターケーブルBC1を用いて、自車両11の電源回路43の正極側と他車両200の電源回路201の正極側とが互いに接続される。また、ブースターケーブルBC2を用いて、自車両11の電源回路43の負極側と他車両200の電源回路201の負極側とが互いに接続される。このように、ブースターケーブルBC1,BC2を介して電源回路43,201を互いに接続することにより、電源回路43の鉛バッテリ28の電力が枯渇していた場合であっても、電源回路201から電源回路43に電力を供給することができる。同様に、電源回路201のバッテリ203の電力が枯渇していた場合であっても、電源回路43から電源回路201に電力を供給することができる。なお、図12に示すように、他車両200の電源回路201は、バッテリ203、車体負荷204、スタータモータ205、オルタネータ206等を備えている。
[フード連動制御]
車両用電源装置10は、鉛バッテリ28を有するだけでなく、リチウムイオンバッテリ27を有している。このため、ブースターケーブルBC1,BC2を介して電源回路43,201を互いに接続する際には、車両用電源装置10の開閉スイッチSW1を適切に制御することが必要である。そこで、制御ユニット50の充放電コントローラ(消費電流推定部)51およびスイッチコントローラ(スイッチ制御部)53は、エンジンフード71に連動して開閉スイッチSW1を制御するフード連動制御を実行する。以下、開閉スイッチSW1のフード連動制御について説明する。図13はフード連動制御の実行手順の一例を示すフローチャートである。図14は自車両11から他車両200に対する電力供給状況を示す説明図である。なお、開閉スイッチSW1のフード連動制御において、開閉スイッチSW2はON状態に保持されている。
図13に示すように、ステップS10では、制御システムを起動するスタートスイッチ59が、起動側に操作(ON操作)されたか否かが判定される。ステップS10において、スタートスイッチ59のON操作が検出された場合には、ステップS11に進み、フードスイッチ58からの出力信号に基づいて、エンジンフード71が閉じられているか否かが判定される。ステップS11において、エンジンフード71が開かれていると判定された場合には、ステップS12に進み、開閉スイッチSW1がOFF状態に切り替えられる。このように、開閉スイッチSW1をOFF状態に切り替えることにより、車両用電源装置10の電源回路43からリチウムイオンバッテリ27が電気的に切り離される。
すなわち、エンジンフード71が開かれた状況とは、電源回路43の鉛バッテリ28が露出した状況であり、電源回路43にブースターケーブルBC1,BC2が接続され得る状況である。このため、エンジンフード71が開かれた場合には、電源回路43に対してブースターケーブルBC1,BC2が接続されることを想定し、事前に電源回路43からリチウムイオンバッテリ27を分離している。これにより、電源回路43にブースターケーブルBC1,BC2が接続された場合であっても、リチウムイオンバッテリ27の急速な充放電を防止することができ、リチウムイオンバッテリ27の劣化を抑制することができる。また、自車両11が他車両200から電力を受ける際に、リチウムイオンバッテリ27の充電状態SOCが低下していた場合であっても、リチウムイオンバッテリ27の急速な充電を防止することができるため、他車両200側の電圧低下に伴うシステムダウンを防ぐことができる。
特に、車両用電源装置10においては、鉛バッテリ28よりもリチウムイオンバッテリ27の端子電圧が高いことから、主にリチウムイオンバッテリ27が放電する特性を有している。また、車両用電源装置10においては、鉛バッテリ28よりもリチウムイオンバッテリ27の内部抵抗が小さいことから、主にリチウムイオンバッテリ27が充放電する特性を有している。このように、車両用電源装置10においては、リチウムイオンバッテリ27を急速に充放電させ易いという特性を有しているが、エンジンフード71の開放に伴って開閉スイッチSW1をOFF状態に切り替えることにより、リチウムイオンバッテリ27の急速な充放電を防止することができる。
一方、ステップS11において、エンジンフード71が閉じられていると判定された場合には、ステップS13に進み、モータジェネレータ16の発電電流i1と鉛バッテリ28の充放電電流i2とに基づいて、車両11の消費電流i3が推定される(i3=i1+i2)。続いて、ステップS14では、消費電流i3が所定の基準値(閾値)Xiを下回るか否かが判定される。ステップS14において、消費電流i3が基準値Xi以上であると判定された場合には、ステップS12に進み、開閉スイッチSW1がOFF状態に切り替えられる。一方、ステップS14において、消費電流i3が基準値Xiを下回ると判定された場合には、ステップS15に進み、開閉スイッチSW1をON状態に切り替えることが許可される。なお、充放電コントローラ51は、センサ24aが検出する発電電流i1と、バッテリセンサ54が検出する充放電電流i2とに基づいて、車両の消費電流i3を推定する。また、充放電電流i2は、鉛バッテリ28の放電時に正側に検出され、鉛バッテリ28の充電時に負側に検出される。
ここで、図14に示すように、ブースターケーブルBC1,BC2を介して電源回路43,201が互いに接続されている場合には、自車両の電源回路43から他車両の電源回路201に電流が供給される。このため、車両用電源装置10の負荷33,34が消費する本来の消費電流i3よりも、発電電流i1と充放電電流i2とを合算した電流値が大幅に増えることが想定される。したがって、推定された消費電流i3(i3=i1+i2)が、所定の基準値Xiよりも大きい場合には、エンジンフード71が閉じられたと判定されていたとしても、電源回路43からブースターケーブルBC1,BC2が外されていないと判断し、開閉スイッチSW1のOFF状態を維持している。
前述したように、エンジンフード71の開閉状況だけでなく、推定された消費電流i3の大きさに基づいて、開閉スイッチSW1のON状態を許可するか否かを判定している。このように、ブースターケーブルBC1,BC2の接続状況を精度良く判定した上で、開閉スイッチSW1を制御するようにしたので、車両用電源装置10を適切に制御することができる。特に、図14に示した状況とは、他車両のスタータモータ205に大電流が供給される状況である。この状況下で、電源回路43にリチウムイオンバッテリ27を接続することは、第2電源ライン30の電流を増大させてヒューズ37を溶断させる要因であるが、このような状況を確実に回避することができる。
図13に示すように、ステップS15において、開閉スイッチSW1をON状態に切り替えることが許可された場合には、ステップS16に進み、スタートスイッチ59が起動停止側に操作(OFF操作)されたか否かが判定される。ステップS18において、スタートスイッチ59のOFF操作が検出されていない場合には、再びステップS11に進み、改めて開閉スイッチSW1をOFF状態に切り替えることや、ON状態への切り替えを許可することが判定される。
前述の説明では、モータジェネレータ16の発電電流i1と、鉛バッテリ28の充放電電流i2とに基づいて、車両11の消費電流i3を推定しているが、これに限られることはない。図14に示すように、自車両の電源回路43から他車両の電源回路201に電流を供給する際には、モータジェネレータ16の発電電流i1が、鉛バッテリ28の充放電電流i2に比べて大きいことが多い。このため、消費電流i3に占める割合の小さな充放電電流i2を用いることなく、消費電流i3に占める割合の大きな発電電流i1だけを用いて、車両の消費電流i3を推定しても良い。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。前述の説明では、車両前部のエンジンルーム70に、第2蓄電体である鉛バッテリ28を収容しているが、これに限られることはなく、例えば車両後部のトランクルームに鉛バッテリ28を収容しても良い。この場合には、トランクルームを覆うトランクリッドが開かれた場合に、開閉スイッチSW1がOFF状態に切り替えられる。
前述の説明では、スイッチコントローラ53をスイッチ制御部として機能させ、充放電コントローラ51を消費電流推定部として機能させているが、これに限られることはない。例えば、他のコントローラを、スイッチ制御部や消費電流推定部として機能させても良い。また、1つのコントローラを用いてスイッチ制御部および消費電流推定部を構成しても良く、複数のコントローラを用いてスイッチ制御部および消費電流推定部を構成しても良い。
前述の説明では、通電経路100を構成する第2電源ライン30に、開閉スイッチSW2を設けているが、これに限られることはなく、通電経路101を構成する通電ライン39に、開閉スイッチSW2を設けても良い。このように、通電経路101に開閉スイッチSW2を設けた場合であっても、電源回路に対する鉛バッテリ28の接続状態を制御することができる。また、開閉スイッチSW1,SW2としては、接触子を電磁力によって動作させる電磁式のスイッチであっても良く、半導体素子を用いて構成される半導体式のスイッチであっても良い。
前述したように、第1蓄電体としてリチウムイオンバッテリ27を採用し、第2蓄電体として鉛バッテリ28を採用しているが、これに限られることはなく、第1蓄電体や第2蓄電体として如何なる蓄電体を採用しても良い。例えば、第1蓄電体として、鉛バッテリ、ニッケル水素バッテリ、電気二重層キャパシタ等を採用しても良い。また、第2蓄電体として、リチウムイオンバッテリ、ニッケル水素バッテリ、電気二重層キャパシタ等を採用しても良い。さらに、第1蓄電体および第2蓄電体として、同種の蓄電体を採用しても良いことはいうまでもない。なお、リチウムイオンバッテリ27と鉛バッテリ28とを組み合わせる際には、リチウムイオンバッテリ27として、正極材料にリン酸鉄リチウムを適用したリン酸鉄リチウムイオンバッテリを採用することが望ましい。
前述の説明では、モータジェネレータ16を燃焼発電状態に制御する際には、発電電圧VGを所定電圧Vaに引き上げ、モータジェネレータ16を回生発電状態に制御する際には、発電電圧VGを所定電圧Vbに引き上げているが、これに限られることはない。例えば、モータジェネレータ16の目標発電電圧を、燃焼発電状態と回生発電状態とで一致させても良い。また、燃焼発電状態や回生発電状態において、モータジェネレータ16の目標発電電圧を、車速、アクセル操作量、ブレーキ操作量に基づき変化させても良い。また、前述の説明では、発電機および電動機として機能するモータジェネレータ16を用いているが、これに限られることはなく、電動機として機能しない発電機を用いても良い。なお、モータジェネレータ16としては、誘導発電機に限られることはなく、他の形式の発電機を採用しても良い。
前述の説明では、アイドリングストップ制御のエンジン再始動時に、モータジェネレータ16を電動機として駆動しているが、これに限られることはない。例えば、エンジン始動後の加速走行時に、モータジェネレータ16を電動機として駆動することにより、エンジン12の負荷を軽減しても良い。さらに、前述の説明では、第1電源回路41に車体負荷34を接続しているが、これに限られることはなく、第2電源回路42だけに車体負荷34を接続しても良く、第1電源回路41と第2電源回路42との双方に車体負荷34を接続しても良い。