JP6595455B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」とも称する)に関し、詳しくは、ゴム物品の補強用途に有用なゴム−繊維複合体を用いた空気入りラジアルタイヤに関する。
従来より、タイヤ等のゴム物品の補強材として、有機繊維や金属材料などが種々検討され、使用されてきている。有機繊維のうちでもポリプロピレン(PP)系樹脂等のポリオレフィン系樹脂からなるものは、通常のゴム物品においては使用されてきていない繊維材料であるが、本発明者の検討によれば、ゴムとの融着が可能であって、有機繊維とゴムとの接着に際して通常必要となる有機繊維側の接着剤組成物によるディップ処理の工程や、ディップ処理により形成された接着層との接着性が良好なコーティングゴムからなる層を設けることが不要となるので、接着性の確保を目的として中間に介在させる層を省略することができるものである。このため、ポリオレフィン系樹脂からなる補強材は、特に、タイヤ省資源のための薄ゲージ化の要請に適しているといえる。ここで、本発明においては、加熱により融点以上で融解する繊維樹脂とゴムとが界面の相互作用で密着することを、融着という。
しかし、ゴム物品の製造時には、ゴムを硫黄架橋させるとともに補強材を接着するための加硫工程が必要となり、硫黄架橋反応を生じさせるためには、通常、140℃以上の温度での加熱処理が必要である。また、工業的には、加硫反応の時間を短縮して加工コストを抑制するために、165〜190℃の温度で加硫を行うことが一般的となっている。PP系樹脂は比較的低融点であることから、PP系樹脂コードをゴム物品の補強に用いた場合、加硫時に補強する繊維材料が加熱によりゴム物品中で溶融した融体となることが想定される。よって、PP系樹脂のゴム物品への適用については、実際上、これまでほとんど検討されてこなかった。
また、有機繊維の一種として、断面構造が中心をなす芯部とその外周を被覆する鞘部とからなる、いわゆる芯鞘繊維を補強材として用いることについても、種々検討されてきている。例えば、特許文献1には、ポリエステル、ポリアミド、ポリビニルアルコ−ル、ポリアクリロニトリル、レ−ヨン、ヘテロ環含有ポリマ−の少なくとも一種から選ばれる樹脂を芯成分とし、ゴムに熱融着可能な熱可塑性樹脂を鞘成分とした芯鞘型繊維からなるコ−ドを未加硫ゴムに埋設し、加硫一体化してなるコ−ド・ゴム複合体が開示されている。
特開平10−6406号公報(特許請求の範囲等)
ところで、走行中のタイヤにおいて、さらに環境性に関して改善していきたい課題の一つとして、タイヤサイド部に振動が生じて、走行時騒音が発生する現象がある。これに対し、タイヤサイド部にインサート部材等の補強層を配設することで、タイヤサイド部の振動を抑制することはできるが、従来一般的なゴム引きコード層よりなる補強層では、ディップ処理や、ゴムコーティングが必要となるので、サイド部の厚さが増大してしまうことによるデメリットが発生する。
そこで本発明の目的は、かかるインサート部材等に適用可能な補強材であって、厚さの増大を抑制しつつ目的の補強性能が達成できる補強材を用いることで、厚さの増大を抑制しつつ性能の向上を図った空気入りタイヤを提供することにある。
前述したように、従来、PP系樹脂等のポリオレフィン系樹脂は、比較的低融点であることから、ゴム物品の補強材用途としては十分な検討がなされてこなかった。ゴム物品の補強材用途に芯鞘繊維を用いる場合の芯部を構成する樹脂についても同様であり、芯部にPP系樹脂のポリオレフィン系樹脂を用いた芯鞘繊維は、ゴム物品の加硫時に溶融することが想定されたため、これまで実際上、かかる芯鞘繊維をゴム物品に適用した例はなかった。
しかし、本発明者が実際に検討を行ったところ、PPコードを工業的に加硫工程の熱処理条件で温度150℃〜200℃、特には165〜190℃程度で加硫した場合においても、制限された加硫時間内であれば、PPコードはコード強度が若干低下するのみで、ゴム物品中で、コード溶融によるコード形状や強度の逸失には至らないことが見出された。よって、芯部が高融点のポリオレフィン系樹脂からなるとともに、鞘部が低融点のポリオレフィン系樹脂からなる芯鞘繊維であって、加硫後において所定のコード強度を有するものであれば、ゴム物品の補強材として有用であり、使用部材は特に限定されないが、好ましくはインサート部材として有用であると考えられる。かかる観点から本発明者はさらに検討した結果、下記構成とすることにより上記課題を解決できることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のタイヤは、一対のビード部と、該一対のビード部からそれぞれタイヤ半径方向外側に連なる一対のサイドウォール部と、該一対のサイドウォール部間に跨って延び接地部を形成するトレッド部とからなり、該一対のビード部にそれぞれ埋設されたビードコア間にトロイド状に跨って延在するカーカスプライの少なくとも1枚からなるカーカス層を骨格とする空気入りタイヤであって、
少なくとも前記ビードコアよりタイヤ半径方向外側に、芯部が融点150℃以上の高融点ポリオレフィン系樹脂(A)からなり、鞘部が融点80℃以上150℃未満の低融点ポリオレフィン系樹脂(B)からなる芯鞘型の複合繊維(C)よりなる補強材を用いた補強層が配設されてなり、
前記複合繊維(C)よりなる補強材の繊維集合体の形態が、モノフィラメント、または、10本以下のモノフィラメントを束ねてなるコードを、打込み数として幅5mmあたり0.5〜20本としたものであることを特徴とするものである。
本発明のタイヤにおいては、前記補強材の繊度が、100dtex以上5000dtex以下であることが好ましい。また、本発明のタイヤにおいて、前記複合繊維(C)をゴム被覆して加硫した後における引張破断強度は、好適には29N/mm以上である。さらに、本発明のタイヤにおいては、前記補強層が、前記補強材の配向方向がタイヤ半径方向に対し30°以上90°以下の範囲となるよう配設されてなることが好ましい。さらにまた、本発明のタイヤにおいては、前記一対のビード部間に延在する前記カーカスプライの本体部と、ビードフィラーとの間であってかつ、前記ビードコアのタイヤ半径方向外側端部からタイヤ最大幅位置までの領域に、前記補強層が配設されてなることが好ましい。また、本発明のタイヤにおいては、前記複合繊維(C)よりなる補強材は、一方向に配向されてゴム被覆されてなることが好ましい。
さらに、本発明のタイヤにおいては、前記複合繊維(C)よりなる補強材の繊維集合体の形態が、モノフィラメントを、打込み数として幅5mmあたり0.5〜20本としたものであることが好ましい。さらにまた、本発明のタイヤにおいては、前記補強層が、前記補強材の配向方向がタイヤ半径方向に対し45°以上90°以下の範囲となるよう配設されてなることが好ましく、90°となるよう配設されてなることがより好ましい。さらにまた、本発明のタイヤにおいては、前記補強層が、前記カーカス層と、ビードフィラーおよび前記ビードコアとの間に、フリッパーとして配置されているものとすることができ、前記補強層が、前記トレッド部から前記サイドウォール部までの範囲に、クラウン部補強層として配置されているものとすることもできる。
本発明によれば、上記構成としたことにより、インサート部材等に適用可能な補強材であって、厚さの増大を抑制しつつ目的の補強性能が達成できる補強材を用いることで、厚さの増大を抑制しつつ性能の向上を図った空気入りタイヤを実現することが可能となった。
本発明の空気入りタイヤの一例を示す模式的断面図である。 本発明の空気入りタイヤの他の例を示す模式的断面図である。 本発明の空気入りタイヤのさらに他の例を示す模式的部分断面図である。 本発明の空気入りタイヤのさらに他の例を示す模式的部分断面図である。 本発明の空気入りタイヤのさらに他の例を示す模式的部分断面図である。 本発明の空気入りタイヤのさらに他の例を示す模式的部分断面図である。 本発明の空気入りタイヤのさらに他の例を示す模式的部分断面図である。 本発明の空気入りタイヤのさらに他の例を示す模式的部分断面図である。 本発明の空気入りタイヤのさらに他の例を示す模式的断面図である。 本発明の実施例の供試タイヤから取り出した複合体のゴム内の補強材の断面を蛍光顕微鏡により観察した写真図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1に、本発明の空気入りタイヤの一例を示す模式的断面図を示す。図示するタイヤは、一対のビード部11と、一対のビード部11からそれぞれタイヤ半径方向外側に連なる一対のサイドウォール部12と、一対のサイドウォール部12間に跨って延び接地部を形成するトレッド部13とからなる。また、図示するタイヤは、一対のビード部11にそれぞれ埋設されたビードコア1間にトロイド状に跨って延在するカーカスプライの少なくとも1枚からなるカーカス層2を骨格とし、そのクラウン部タイヤ半径方向外側に配置された、少なくとも2枚のベルトからなるベルト層3を備えている。また、図示はしないが、カーカス層2のタイヤ半径方向内側には、インナーライナーが配設されている。なお、図中の符号5はビードフィラーを示す。また、本発明の空気入りタイヤの他の好ましい例として、図1においてビードフィラー5が埋設されていない構成の、図2に示すタイヤを挙げることができる。
図示するように、本発明のタイヤにおいては、ビードコア1よりタイヤ半径方向外側に、芯部が融点150℃以上の高融点ポリオレフィン系樹脂(A)からなり、鞘部が融点80℃以上150℃未満の低融点ポリオレフィン系樹脂(B)からなる芯鞘型の複合繊維(C)よりなる補強材を用いた補強層4が配設されている点に特徴を有する。
少なくともビードコアよりタイヤ半径方向外側、例えば、ビード部11およびサイドウォール部12のうちの少なくとも一部に、かかる補強層4を配設したことで、タイヤサイド部における振動の発生を抑制して、走行時の騒音の発生を抑制することができる。走行時のタイヤにおいては、タイヤ壁が振動する振幅が大きいほど、タイヤサイド面で発生する空気振動、すなわち、走行音が大きくなるが、かかる補強層4を配置したことで、複合繊維(C)の引張張力によりタイヤサイド面の振動、特にタイヤ周方向の振動を抑制することができるので、タイヤサイド面などから発生する音が低減して、通過騒音などのノイズを低減することが可能となるのである。また、本発明に係る補強層4は、従来のゴム引きコード層よりなる補強層と比較して厚さが薄いので、サイド部の厚さが増大することによるデメリットもない。さらに、タイヤサイド部は、一般タイヤの走行時における温度が60℃程度であるので、比較的融点の低いポリオレフィン系繊維を用いた本発明に係る補強材を、ゴム部材として適用可能である。さらにまた、かかる補強層4を配設したことで、タイヤサイド部の剛性を高めて、操縦安定性を向上する効果も得ることができる。
また、芯鞘型の複合繊維(C)よりなる補強材を用いた補強層4の配設により、ビードフィラーを埋設せずに必要なタイヤサイド部の剛性が得られる場合には、タイヤ耐久走行時の耐疲労性が充分に得られるため、ビードフィラーを埋設しないタイヤ構造とすることも可能となる。
本発明において補強層4は、ビードコア1よりタイヤ半径方向外側に配設するものであればよく、これにより、補強層4内の複合繊維(C)による張力負担によって、タイヤ転動時の変位や歪分布を変えることで本発明の所期の騒音低減効果を得ることができ、また、操縦安定性の向上効果も得ることができる。本発明において補強層4は、例えば、図1に示すように、一対のビード部11間に延在するカーカスプライの本体部2Aと、ビードフィラー5との間であってかつ、ビードコア1のタイヤ半径方向外側端部1aからタイヤ最大幅位置Pまでの領域に、いわゆるインサート部材として配置することが好ましい。この範囲に補強層4を配設することで、走行時の騒音の低減に最も効果的である。
図3〜5に、本発明の空気入りタイヤの他の例を示す模式的部分断面図を示す。また、本発明の空気入りタイヤのさらに他の例として、図3〜5に示すタイヤにおいてビードフィラー5が埋設されていない構成の、図6〜8に示すタイヤを挙げることができる。
本発明において、上記複合繊維(C)を用いた補強層は、図3に示すように、カーカス層2と、ビードフィラー5およびビードコア1との間に、いわゆるフリッパー24として配置することもできる。フリッパー24は、ビードコア1の周りで折り返されて、タイヤ幅方向内側端24iおよびタイヤ幅方向外側端24oの双方が、ビードフィラー5のタイヤ半径方向外側端5eよりも、タイヤ半径方向外側に位置するように、配置することができる。この範囲にフリッパーとしての補強層24を配設することで、走行時の騒音低減および操縦安定性の向上の効果を得ることができる。
また、本発明において補強層は、図4に示すように、カーカスプライの本体部2A、および、ビードコア1の周りにタイヤ幅方向内側から外側に向かい折り返されて巻き上げられたカーカスプライの折返し部2Bのタイヤ幅方向外側に、折返し部2Bの端部2Beを包み込むように、カーカスプライの本体部2Aおよび折返し部2Bに沿って、いわゆるチッパー34として配置することもできる。チッパー34は、ビードコア1の近傍から、ビードフィラー5のタイヤ半径方向外側端5eよりも、タイヤ半径方向外側までの領域に、配置することができる。この範囲にチッパーとしての補強層34を配設することで、走行時の騒音低減および操縦安定性の向上の効果を得ることができる。
さらに、本発明において補強層は、図5に示すように、カーカス層2のタイヤ半径方向内側に、いわゆるチェーファー44として配置することもできる。チェーファー44は、ビードコア1の周りで折り返されて、タイヤ幅方向内側端44iが、ビードフィラー5のタイヤ半径方向外側端5eよりもタイヤ半径方向外側に位置し、かつ、タイヤ幅方向外側端44oが、ビードコア1のタイヤ半径方向外側端部1aよりもタイヤ半径方向外側であってビードフィラー5のタイヤ半径方向外側端5eよりもタイヤ半径方向内側に位置するように、配置することができる。この範囲にチェーファーとしての補強層44を配設することで、走行時の騒音低減および操縦安定性の向上の効果を得ることができる。
なお、本発明においては、上記複合繊維(C)を用いた補強層を、図6〜8に示すようなビードフィラー5が埋設されていないタイヤに、フリッパー、チッパーまたはチェーファーとして配置しても、走行時の騒音低減および操縦安定性の向上の効果を得ることができる。これは、本発明における補強層の複合繊維(C)がカーカスプライと交錯層をなすことにより、ビードフィラー5が埋設されていないタイヤでも、タイヤの、特にねじり方向の静的剛性を高く保持できるためである。
さらにまた、本発明において補強層は、図9に示すように、トレッド部13からサイドウォール部12までの範囲に、クラウン部補強層54として、配置することもできる。この場合、トレッド部13には、カーカス層2のクラウン部タイヤ半径方向外側に、ベルト層3と、ベルト層3の全幅を覆うキャップ層6と、ベルト層3のタイヤ幅方向端部を覆うレイヤー層7と、が順次配置されており、レイヤー層7のタイヤ半径方向外側に、トレッドゴム8内に埋設されるような状態で、クラウン部補強層54を配置する。クラウン部補強層54は、キャップ層6と同程度の幅とすることができ、例えば、上記芯鞘型の複合繊維(C)よりなる補強材の複数本を引き揃えてゴム中に埋設して形成されたストリップを、タイヤ幅方向に間隔をあけて、実質的にタイヤ周方向に、螺旋状に巻回することにより、設けることができる。この範囲にクラウン部補強層としての補強層54を配設することで、耐久性の向上効果を得ることができる。
また、本発明において補強層4は、補強材の繊維軸方向がいかなる方向となるよう配設するものであってもよいが、補強材の配向方向が実質的に、タイヤ半径方向に対し30°以上90°以下の範囲となるように、配設することが好ましく、45°以上90°以下の範囲となるように、配設することがさらに好ましい。特に好ましくは、補強材の配向方向が実質的にタイヤ半径方向に対し90°となるように、すなわち、タイヤ周方向となるように配設する。騒音の低減効果については、タイヤ周方向またはタイヤ半径方向のどちらの方向であっても、タイヤサイド部のタイヤ横方向の振動を補強材の引張張力で抑制できるので、高い効果が得られるが、両者の場合を比較すると、タイヤ周方向に配置した場合の効果が高い。この理由は、タイヤのカーカスプライコードはタイヤ半径方向に配設されるので、カーカスプライコード間が開くことによる変位を抑制するためには、タイヤ周方向の方が効果的であるためと考えられる。
操縦安定性の向上については、ビードコア間にトロイド状に跨って延在するカーカスプライからなるゴム層に空気を充填した内圧で、膜に張力がかかり支持される空気膜からなるタイヤ構造においては、膜の面外方向への凹凸の変化や座屈などでタイヤサイド部のカーカスプライコード間が開く変位が抑制されて少なくなる方が、ビード部からトレッド部までを補強するカーカスプライコードの引き揃えの乱れが少なくなることが期待できる。このコードの引き揃えの乱れが少なくなると、車両操舵時の操舵力などが、ホイールから地面に接地するタイヤトレッド部へカーカスプライにより応力を伝達する過程で、カーカスプライコードの引き揃えの乱れにより応力が伝わりにくい状況がより改善されるので、操舵力などの操縦に関わる膜の面内方向の応力伝達が改善されることが期待でき、操舵応答性などの操縦安定性が向上されることが考えられる。また、カーカスプライコード間が開く変位を抑制する効果は、特に、補強層をタイヤ周方向に配置すると、効果的となるので好ましい。
本発明に係る補強材は、芯部が融点150℃以上の高融点ポリオレフィン系樹脂(A)からなり、鞘部が融点80℃以上150℃未満の低融点ポリオレフィン系樹脂(B)からなる芯鞘型の複合繊維(C)よりなる。なお、融点は、JIS−K−7121に準じてDSC法により測定される。
本発明において用いる芯鞘型の複合繊維(C)は、鞘部が低融点ポリオレフィン系樹脂(B)からなるので、ゴム物品の補強用途に適用する際に、ゴムと熱融着により直接密着することが可能であり、同時に、加硫工程における加熱下においても芯部の樹脂が溶融することなくコードの引張剛性が保持できるという、機能を両立できるメリットを有する。ポリオレフィン系樹脂からなる繊維などの補強材料が、本発明の芯鞘構造などの複合繊維ではない場合、例えば、単一組成のモノフィラメントコードの場合には、本発明の効果を得ることができない。
前述のように、従来の単一組成のポリオレフィン系樹脂からなるモノフィラメントコードでは、ゴム物品の補強用途に適用する際に、ゴムと熱融着により直接密着させることと同時に、加硫工程における加熱下においても樹脂が溶融することなくコードの引張剛性が保持できるという、背反する機能を両立させることが困難であった。しかしながら、本発明に係る補強材は、芯部が融点150℃以上の高融点ポリオレフィン系樹脂(A)からなり、鞘部が融点80℃以上150℃未満の低融点ポリオレフィン系樹脂(B)からなる芯鞘型の複合繊維(C)とすることで、鞘部の樹脂でゴムと熱融着により直接密着させることができ、かつ、コード芯部の樹脂が溶融しないことにより、補強材としての引張剛性の機能を両立させることができる。
本発明に係る補強材は、ゴム被覆されてゴム−繊維複合体を形成するが、かかるゴム−繊維複合体は、ゴムと複合するに際して、従来よりタイヤコードの接着に用いられているレゾルシン・ホルマリン・ラテックス(RFL)系接着剤等の接着剤組成物を付着させるディップ処理を行う必要がないので、接着加工工程を簡素化することができる。また、タイヤ等の補強用途において接着剤組成物を用いて有機繊維とゴムとを接着する際には、一般に、接着力を確保するために、有機繊維を繊維コーティング用ゴム(Skim Rubber)により被覆することが必要であったが、本発明に係る補強材によれば、サイドゴムやトレッドゴム等と、熱融着により、繊維コーティング用ゴムを介さずに直接強い密着力を得ることが可能である。有機繊維を繊維コーティング用ゴムにより被覆する場合、ゴム被覆が破れない程度の被覆厚みを確保する必要があるため、この被覆厚み分だけゴム質量が増加し、結果として、一般に経済性の向上に寄与するタイヤ軽量化の要請とは相反していたが、本発明においては、このような接着加工における制約がなくなるので、繊維コーティング用ゴムの質量増という副次的なマイナス効果なしで、例えば、サイドトレッドゴム等の、補強部位に応じたゴム種との複合体を提供することができるものである。
一方で、かかる芯鞘型の複合繊維(C)は、芯部が高融点ポリオレフィン系樹脂(A)からなるが、前述したように、この芯部はゴムの加硫工程においても溶融することはない。本発明者の検討によると、本発明の芯鞘型の複合繊維(C)について、通常の工業的な加硫条件より高温度の195℃で15分間の加硫を行い、加硫後のゴムに埋設されたコードの断面を観察したところ、鞘部の低融点ポリオレフィン系樹脂(B)は円形であった断面が溶融して変形したが、芯部の高融点ポリオレフィン系樹脂(A)は芯鞘複合紡糸後の円形の芯部の断面形状を保ち、完全に溶融した融体とならずに、繊維破断強度も150N/mm以上の強度を保持していた。
このように、本発明者は、コードの芯部の樹脂の融点が150℃以上であれば、ゴム物品の加硫時に195℃の加熱処理を受けても、コードが溶融して切断せずに、本発明におけるゴム補強材料が得られることを見出した。なお、このように樹脂固有の融点より高い加工温度でも材料強度を保って耐熱性がある理由は、ゴム中に埋設されることでコードが定長で加硫されるため、JIS−K7121などの樹脂形状を拘束しないで融点を測定する方法とは異なり、繊維を収縮しない定長拘束の条件となるため、樹脂固有の融点よりも高融点化したものと考えられる。このような繊維が収縮しない「定長拘束」の測定条件下では、繊維材料に特有の状況下の熱的現象として、高融点化する場合があることが開示されている(第2版 繊維便覧、平成6年3月25日発行、編者:社団法人 繊維学会、発行:丸善株式会社、207頁13行)。しかしながら、本発明のようなポリオレフィン系樹脂材料で、JIS法による樹脂融点以上で融体になると想定されていたコード材料で、ゴム加硫工程に相当する温度で検討し、かつ、ゴムと熱融着により直接密着させると同時に、加硫工程における加熱下においても芯部の樹脂が溶融するような、ゴム物品の補強に好適な樹脂材料に係る知見は、これまで知られていなかった。
また、上記芯鞘型の複合繊維(C)は、芯部と鞘部とがいずれもポリオレフィン系樹脂からなるので、芯部と鞘部とに異なる種類の樹脂を用いた場合と異なり、芯鞘重合体界面における接合力が高く、芯部/鞘部間での界面剥離に対して十分な耐剥離抗力を有するため、長期間にわたり十分に複合繊維としての特性を発揮することができるものである。さらに、本発明に係る補強材はディップ処理やゴムコーティングなしでゴムとの融着が可能であるので、特に、本発明に係るゴム−繊維複合体をタイヤの補強用途に用いた際には、薄ゲージ化により、タイヤ軽量化にも寄与することができる。
本発明に用いる高融点ポリオレフィン系樹脂(A)は、融点が150℃以上、好ましくは160℃以上のものであればよい。高融点ポリオレフィン系樹脂(A)の融点が150℃未満であると、ゴム物品の加硫時に、複合繊維(C)の芯部が溶融変形して細くなったり、繊維樹脂分子の配向性が低下するなどにより、十分に補強性能を有しないものとなる。また、本発明に用いる低融点ポリオレフィン系樹脂(B)は、融点の下限が80℃以上、好ましくは125℃以上で、さらに好ましくは130℃以上の範囲であるものであればよい。低融点ポリオレフィン系樹脂(B)の融点が80℃未満であると、溶融した樹脂の粘性が低くなりすぎて加硫時に熱流動性が大きくなり、加硫時の圧力により鞘部の厚みが薄くなる箇所が発生して、接着試験などにおける歪応力が、鞘部の樹脂が薄い箇所に集中し、この部位で破壊を起こしやすくなる場合があるため、低融点ポリオレフィン系樹脂(B)の融点は、80℃以上であることが必要である。また、低融点ポリオレフィン系樹脂(B)の融点が125℃以上であると、硫黄と加硫促進剤とを配合したゴム組成物で工業的に用いられる可能性がある加硫処理温度としての130℃以上において、ゴムと低融点ポリオレフィン系樹脂とが熱融着すると同時に、ゴム組成物の加硫架橋反応を行うことができるために好ましい。また、低融点ポリオレフィン系樹脂(B)の融点が130℃以上であると、低融点ポリオレフィン系樹脂(B)の鞘樹脂の強度が高くなり、ゴムと鞘部との複合体を剥離する場合に、鞘部の樹脂の破壊抗力が高くなり、ゴムと鞘部との複合体において密着する強度が高くなるため、より好ましい。なお、工業的に加硫時間を短くするために加硫温度を170℃とした場合には、低融点ポリオレフィン系樹脂(B)の融点の上限が150℃未満であると、加硫温度が175℃以上の高温で、低融点ポリオレフィン系樹脂(B)の熱流動性により、ゴム組成物との加硫初期での相溶性が得られる場合がある。また、低融点ポリオレフィン系樹脂(B)の融点が145℃未満であると、一般的な加硫温度で加硫初期の樹脂の相溶性が得られるので好ましい。なお、低融点ポリオレフィン系樹脂(B)は、融点が低い樹脂であって、軟化温度が高い樹脂であると好ましい。これは、融点が低くなるほど加工温度が低くなっても溶着しやすくなり、一方、高い温度でも軟化しにくいことを意味するので、好ましい特徴である。
高融点ポリオレフィン系樹脂(A)および低融点ポリオレフィン系樹脂(B)として使用可能なポリオレフィン系樹脂としては、具体的には例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ3−メチル−1−ブテン、ポリ1−ペンテン、ポリ1−ヘキセン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、ポリ1−オクテン、ポリ1−デセン、ポリ1−ドデセン、ポリ1−テトラデセン、ポリ1−ヘキサデセン、ポリ1−オクタデセン、ポリ1−エイコセン、ポリスチレン、ポリp−メチルスチレン、ポリイソプロピルスチレン、ポリt−ブチルスチレンなどを挙げることができる。中でも、高融点ポリオレフィン系樹脂(A)としては、融点が150℃以上の結晶性ポリプロピレンが好ましく、例えば、プロピレン単独重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−プロピレンブロック共重合体などが挙げられる。特に好ましくは、高結晶性のプロピレン単独重合体である。また、低融点ポリオレフィン系樹脂(B)としては、ポリプロピレンやポリエチレンなどの重合体あるいはこれらの混合物や、ポリプロピレンと共重合が可能な成分とポリプロピレンとの共重合によるポリプロピレン系共重合樹脂などを、好適に用いることができる。
なお、高融点ポリオレフィン系樹脂(A)と低融点ポリオレフィン系樹脂(B)との組合せは、芯部と鞘部との相溶性が良好である点から、芯部の高融点ポリオレフィン系樹脂(A)に、融点が150℃以上の結晶性のプロピレン単独重合体を用い、鞘部の低融点ポリオレフィン系樹脂(B)に、エチレン−プロピレン共重合体あるいはエチレン−ブテン−プロピレン三元共重合体などの、ポリプロピレンと共重合が可能な成分とポリプロピレンとの共重合によるポリプロピレン系共重合樹脂を用いることが好ましい。
ポリプロピレン系共重合樹脂でコモノマーとの共重合の形態としては、ランダムポリマー、ブロックコポリマーなどが挙げられ、ゴムとの界面の密着性が高くなるので、好ましい。
ポリプロピレンと共重合するコモノマーは、α−オレフィン、非共役ジエン、その他のポリプロピレンと共重合が可能なモノマーなどが挙げられる。コモノマーとして用いられるモノマーは1種類に限られず、ターポリマーのようにモノマーを2種類以上用いた多元系共重合体も好ましいものとして含まれる。
α−オレフィンとしては、炭素数2または4〜20のもの、具体的には、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ヘプテン、4−メチル−ペンテン−1、4−メチル−ヘキセン−1、4,4−ジメチルペンテン−1等を挙げることができる。非共役ジエンとしては、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン等を挙げることができる。特に、エチレンとプロピレンに第三成分として非共役ジエンを導入する場合は、エチレン−プロピレン−ジエン系共重合体(EPDM)の成分が含まれると、被着ゴムとの界面の密着性とともに硫黄による共加硫性をもつ成分が含まれるので、好ましい。
プロピレン系共重合体樹脂の製造方法としては、チーグラー系触媒、メタロセン系触媒などのオレフィン重合触媒を用いてのスラリー重合、気相重合あるいは液相塊状重合が挙げられ、重合方式としては、バッチ重合および連続重合のどちらの方式も採用することができる。
なお、低融点ポリオレフィン系樹脂(B)は、本発明で規定する融点範囲を有する樹脂組成物となる、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのホモポリマー、エチレン−プロピレンランダム共重合体などの、ポリオレフィン系樹脂の組成物であるが、これらは一般的に混合した樹脂組成物は相分離した構造となることが知られており、ソフトセグメントとハードセグメントとからなるブロック共重合体などを添加することで、相の界面の相溶化を促進するために、相容化剤を使用することができる。また、これらの相容化剤は、芯成分である高融点ポリオレフィン系樹脂(A)と鞘成分である低融点ポリオレフィン系樹脂(B)との界面の密着性や、鞘成分および被着ゴムに含まれるスチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、ブチルゴム(IIR)、ポリイソプレンの構造をもつ天然ゴム(IR)などの分子構造と相互作用をもつセグメントを有すると、被着ゴムとの密着性が向上するために好ましい。
これらの相容化剤としては、スチレン−ブタジエン系重合体、ポリスチレン−ポリ(エチレン/プロピレン)系ブロック共重合体、スチレン−イソプレン系のブロック重合体、および、これらスチレンとブタジエンとのブロックコポリマーの二重結合を水素添加して完全水添化または部分水添化したポリマーなどが挙げられる。スチレン−ブタジエン系重合体の具体例としては、スチレン−ブタジエン重合体(SBS)、スチレン−エチレン・ブタジエン共重合体(SEB)、スチレン−エチレン・ブタジエン−スチレン共重合体(SEBS)、スチレン−ブタジエン・ブチレン−スチレン共重合体(SBBS)、部分水添スチレン−イソプレン・ブタジエン−スチレン共重合体等を挙げることができる。ポリスチレン−ポリ(エチレン/プロピレン)系ブロック重合体としては、ポリスチレン−ポリ(エチレン/プロピレン)ブロック共重合体(SEP)、ポリスチレン−ポリ(エチレン/プロピレン)ブロック−ポリスチレン(SEPS)、ポリスチレン−ポリ(エチレン/ブチレン)ブロック−ポリスチレン(SEBS)、ポリスチレン−ポリ(エチレン−エチレン/プロピレン)ブロック−ポリスチレン(SEEPS)などが挙げられる。スチレン−イソプレン系ブロック重合体としては、ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレン共重合体(SIS)などが挙げられる。
低融点ポリオレフィン系樹脂(B)には、被着ゴム組成物との界面の密着性を高めるなどの目的のために、前述したソフトセグメントとハードセグメントとからなるブロック共重合体以外に、ポリプロピレン系共重合体に架橋された熱可塑性ゴム(TPV)、あるいは、JIS K6418に記載の熱可塑性エラストマーの分類における「その他の熱可塑性エラストマー(TPZ)」などを含有させることができる。これらは、部分的にまたは高度に架橋されたゴムを、低融点ポリオレフィン系樹脂(B)の熱可塑性樹脂組成物のマトリックスの連続相に細かく分散させることができる。架橋された熱可塑性ゴムとしては、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、天然ゴム、エポキシ化天然ゴム、ブチルゴム、エチレン・プロピレン・ジエンゴムなどが挙げられる。また、その他の熱可塑性エラストマー(TPZ)としては、シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン樹脂、あるいは、トランス−ポリイソプレン樹脂などが挙げられる。
その他、本発明に係るポリオレフィン系樹脂においては、耐酸化性などの他の性質を付加させるために、本発明の効果や、紡糸時などにおける作業性を著しく損なわない範囲内で、通常ポリオレフィン系樹脂に添加される添加剤を配合することもできる。この付加的成分としては、ポリオレフィン樹脂用配合剤として使用される従来公知の核剤、酸化防止剤、中和剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤、充填剤、金属不活性剤、過酸化物、抗菌防黴剤、蛍光増白剤といった各種添加剤や、それ以外の添加物を使用することができる。
添加剤の具体例としては、核剤として、2,2−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)燐酸ナトリウム、タルク、1,3,2,4−ジ(p−メチルベンジリデン)ソルビトールなどのソルビトール系化合物、ヒドロキシ−ジ(t−ブチル安息香酸アルミニウムなどを挙げることができる。
酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤として、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレート、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリチル−テトラキス{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルペンジル)イソシアヌル酸などを挙げることができる。
燐系酸化防止剤としては、トリス(ミックスド、モノおよびジノニルフェニルホスファイト)、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ−トリデシル)ホスファイト、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ジ−トリデシルホスファイト−5−t−ブチルフェニル)ブタン、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチル−5−メチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイトなどを挙げることができる。硫黄系酸化防止剤としては、ジ−ステアリル−チオ−ジ−プロピオネート、ジ−ミリスチル−チオ−ジ−プロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス−(3−ラウリル−チオ−プロピオネート)などを挙げることができる。
中和剤としては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ハイドロタルサイトなどを挙げることができる。
ヒンダードアミン系の安定剤としては、琥珀酸ジメチルと1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの重縮合物、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、N,N−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン・2,4−ビス{N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ}−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル}イミノ]、ポリ[(6−モルホリノ−s−トリアジン−2,4−ジイル)[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]などを挙げることができる。
滑剤としては、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、エチレンビスステアロイドなどの高級脂肪酸アミド、シリコンオイル、高級脂肪酸エステルなどを挙げることができる。
帯電防止剤としては、高級脂肪酸グリセリンエステル、アルキルジエタノールアミン、アルキルジエタノールアミド、アルキルジエタノールアミド脂肪酸モノエステルなどを挙げることができる。
充填剤としては、アルミナ、シリカアルミナ、塩化マグネシウム、炭酸カルシウム、タルク、モンモリロナイト、ザコウナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイト、ベントナイト、テニオライトなどのスメクタイト族、バーミキュライト族、雲母族などの無機粒子状担体や、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンジビニルベンセン共重合体、アクリル酸系共重合体などの多孔質の有機担体などを挙げることができる。これら充填剤は、鞘部と被着ゴムとの接着において、鞘部の耐破壊抗力が充分でなく、鞘部の中で亀裂が生じて破壊する場合などにおいて、鞘部を補強するフィラーとして配合することができる。
紫外線吸収剤としては、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等の紫外線吸収剤等が挙げられる。
光安定剤としては、n−ヘキサデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、コハク酸ジメチル−2−(4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジル)エタノール縮合物、ポリ{[6−〔(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ〕−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル]〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕}、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス〔N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ〕−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物等を挙げることができる。
本発明において、より好適には、高融点ポリオレフィン系樹脂(A)および低融点ポリオレフィン系樹脂(B)として、いずれもポリプロピレン系樹脂を用いる。例えば、ポリプロピレン樹脂は比重が0.91であるので、この低比重により、タイヤ質量をより抑制できるメリットがある。また、芯部を構成する高融点ポリオレフィン系樹脂(A)としてPP系樹脂を用いた場合、PP系樹脂は従来よりタイヤコードに用いられているナイロンやポリエステル、アラミドなどの高弾性のコードよりモジュラスが低いものの、これら従来コードとゴムとの中間の弾性率になるので、これまでのタイヤコードではなし得なかった、タイヤ製造時にコードに引張を受けるゴム物品に配設することができる。例えば、タイヤなどのゴム物品では、ゴムや被覆したコード材料からなる部材を組み上げて、生タイヤなどの成型された加硫前の原形を金型に入れ、ブラダーというゴム風船状の圧縮装置で、内側から金型に向け、高温・高圧の蒸気で押し付ける工程があるが、この際に生タイヤなどの成型された加硫前の原形に配設されたコードのモジュラスが高すぎると、高温・高圧の蒸気で押し付ける工程に伴う材料の拡張率が大きくなる箇所では、コードが拡張されずに、いわゆる「切り糸」(粘土などの塊を切る糸など)となり、ゴムを切り離してしまうので、タイヤに配設することが困難になる。特に、タイヤサイド部にタイヤ周方向のコードを配置して、円環状にジョイントする場合には、自由端にならないため、高温・高圧の蒸気の押し付けでコードに大きな拡張力がかかりやすいので、PP系樹脂などの伸びやすい材料であることが好ましい。
また、ポリプロピレン系樹脂は、従来よりタイヤコードに用いられているナイロンやポリエステル、アラミドなどと比較して、ゴム物品を製造する加硫工程での加熱下でコード方向に張力がかかる場合に、コード方向の張力歪が大きいとクリープして延伸しやすく、コード方向の歪が少ないとコード方向に熱収縮して、コードの弛みが生じにくい特性があるため、好ましい。具体的には、この特性により、金型により加硫後に製造されるゴム物品が設計する形状に対して、加硫前の原形の成型製造で、配設されるコードの弛みやズレがあっても、コード自体がタイヤ形状に合わせて伸縮するために、設計されたゴム物品の形状を製造することも容易になるので、好ましい。
さらに、ポリプロピレン系樹脂は、柔軟であって結晶性がそれほど高くないので、圧縮入力下の疲労劣化が比較的大きいとされているモノフィラメントコードであっても、強度の低下が抑制されるメリットもある。
本発明における複合繊維(C)における芯部と鞘部との比率としては、複合繊維(C)に占める芯部の比率が10〜95質量%であることが好ましい。芯部の比率が小さすぎると、複合繊維(C)の強度が低下して、十分な補強性能が得られないおそれがある。特には、芯部の比率が50質量%以上であると、補強性能を高くすることができるために好ましい。一方、芯部の比率が大きすぎると、鞘部の比率が少なすぎて、複合繊維(C)において芯部が露出しやすくなり、ゴムとの密着性が十分得られないおそれがある。
また、本発明において、高融点ポリオレフィン系樹脂(A)の溶融流動指数(メルトフローレート,MFR)(MFR1)および低融点ポリオレフィン系樹脂(B)の溶融流動指数(MFR2)は、紡糸可能な範囲であれば特に限定されることはないが、0.3〜100g/10minが好ましい。
高融点ポリオレフィン系樹脂(A)の溶融流動指数(メルトフローレート,MFR)(MFR1)は、好ましくは0.3〜15g/10min、より好ましくは0.5〜10g/10min、特に好ましくは1〜5g/10minの範囲のものから選ぶことができる。高融点ポリオレフィン系樹脂(A)のMFRが上記の範囲内にあることにより、紡糸引取性、延伸性が良好になり、また、ゴム物品を製造する加硫工程での加熱下で芯部の高融点ポリオレフィン系樹脂(A)の融体が流動せずに、コードの形態を保持することができるためである。
また、低融点ポリオレフィン系樹脂(B)の溶融流動指数(MFR2)は、好ましくは5g/10min以上、より好ましくは5〜70g/10min、特に好ましくは5〜30g/10minである。鞘部の低融点ポリオレフィン系樹脂(B)の熱融着性を上げるには、被着するゴムとの間隙に樹脂が流動して埋まりやすいため、MFRが大きな樹脂が好ましい。その反面、MFRが大きすぎると、複合繊維(C)が配置される近傍に他の補強部材、例えば、プライコードやビードコアなどがある場合には、複合繊維(C)を被覆するゴムに空隙があると、プライコードやビードコアの繊維材料の表面に、低融点ポリオレフィン系樹脂(B)の溶融した融体が濡れ広がってしまうことがあるため、特には70g/10min以下であることが好ましく、30g/10min以下であると、融着するゴムを剥離するときに鞘部分の樹脂の耐破壊抗力が高くなるために、ゴムと強固に密着するものとなり、さらに好ましい。
なお、MFR(g/10min)の値は、JIS−K−7210に準じて、ポリプロピレン系樹脂材料のメルトフローレートについては温度230℃、21.18N(2160g)荷重下で測定された値を用い、ポリエチレン系樹脂材料のメルトフローレートについては温度190℃、21.18N(2160g)荷重下で測定された値を用いることができる。
本発明において、複合繊維(C)について補強材の繊維集合体の形態は特に限定されないが、モノフィラメント、または、10本以下のモノフィラメントを束ねてなるコードであることが好ましく、更に好ましくは、モノフィラメントコードである。この理由は、本発明における複合繊維(C)の繊維集合体は、10本以上のモノフィラメントを束ねてなるコード、撚りコード、不織布、あるいは織物の繊維形態であると、ゴム中で繊維集合体を加硫したときに、鞘部を構成する低融点ポリオレフィン系樹脂(B)が溶融するため、互いのフィラメントが溶着し合って、融体が互いに浸透することで、ゴム物品中で塊状の異物を形成する場合があるためである。このような異物が生成すると、タイヤ使用時の転動による歪で、ゴム物品中の塊状の異物から亀裂が進展し、セパレーションが発生するおそれがある。このため、複合繊維(C)がゴム物品中で繊維集合体となるときには、フィラメントを束ねられる本数が多くなるほどコード間にゴムが浸透しにくくなって、塊状の異物が形成しやすくなるため、一般に束ねるフィラメントの本数は10本以下が好ましい。
また、複合繊維(C)は、モノフィラメントの繊維形態で、空気入りタイヤのフリッパーなどの補強材としてタイヤサイドウォール部に配設すると、タイヤサイド部のカーカスプライコード間が開くことによる変位を抑制する効果が大きくなり、操舵応答性などの操縦安定性が高くなるので好ましい。この理由は、タイヤサイド部のカーカスプライコードに交錯させる補強材は、無撚りのモノフィラメントにした方が、複数のフィラメントからなる撚りコードと較べると、マルチフィラメントの撚り構造が開閉する繊維内での形態変化がないので、カーカスプライコード間隔が開閉する変位が少ないためである。
また、本発明において、補強材の繊度、すなわち、繊維太さは、100dtex以上5000dtex以下の範囲が好ましい。補強材の繊維太さが100dtex未満であると、強度が低くなってコードが破断しやすい。特に、タイヤの場合、製造時の各種工程において加工時のコード切れを抑制するためには、補強材の繊維太さが500dtex以上であるとより好ましい。補強材の繊維太さは、タイヤ等のゴム物品の各部材に配設できるものであれば特に上限はないが、5000dtex以下、特には4000dtex以下とすることが好ましい。この理由は、モノフィラメントコードの場合、紡糸時に繊維太さが大きいと、紡糸速度を遅くするため加工時の経済性が低下するほか、糸の太さが太くなると、ボビンなどの巻き付け治具に巻き付けるときに曲がり難くなり、作業性が低下するためである。なお、本発明における繊維太さは、モノフィラメントの場合はモノフィラメント単独で、束ねたモノフィラメントの場合はモノフィラメントを束ねたコードで測定した、繊維サイズ(JIS L 0101に準拠)を意味する。
さらに、本発明に係るゴム−繊維複合体に用いる被覆ゴムとしては、補強するゴム物品およびその適用部位に応じたゴム種を適宜選択して使用することができ、特に制限されるものではない。好ましくは、主鎖に2重結合を含むジエン系ゴムを含んだゴム組成物であり、特に好ましくは、さらに硫黄系加硫剤を含むゴム組成物である。ジエン系のゴムとしては、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴムなどが挙げられるが、好ましくは、天然ゴム、ブタジエンゴムを含むゴム組成物である。
複合繊維(C)よりなる補強材の長さは、好適には10mm以上であり、長いほど好ましい。複合繊維(C)よりなる補強材の長さが10mm未満と短いと、ゴムと一体化するに際してはゴムに錬り込み押出しするなどの方法を用いることが必要となり、一方向に配向させてゴム被覆することが困難となってしまう。また、短繊維と長繊維との相違は、繊維の端が、自由端として作用するか固定端として作用するかの差となる。長繊維になるほど、長繊維の特徴である張力負担能力を向上できるので、ゴム−繊維複合体を適切に配置することで、タイヤ等のゴム物品において、目的の性能を得やすくなる。
本発明に係るゴム−繊維複合体において、複合繊維(C)よりなる補強材は、一方向に配向されてゴム被覆されていることが好ましい。複合繊維(C)よりなる補強材を一方向に配向させて用いることで、ゴムにかかる張力を補強材により負担させることができ、タイヤの補強用途に適用した場合における耐カット強度を向上する効果や、タイヤ内応力を分散させる効果等を得ることができる。このように繊維本来の特性である異方性を活かして張力を負担させることで、繊維軸方向の強度を活かして、ゴムの使用量を低減することができ、ひいては、タイヤの軽量化によりタイヤの燃費を向上する効果を得ることができる。
なお、本発明に係る複合体における補強材の打込み数としては、幅5mmあたり0.5〜20本とすることが好ましい。打込み数が少なすぎると十分な補強効果が得られないおそれがあり、多すぎるとコードの間隔が狭くなりコードが接触すると加熱時に鞘部の低融点ポリオレフィン系樹脂(B)が繊維間に濡れ広がり融着する現象が発生しやすくなるおそれがあるので、好ましくない。また、本発明に係る複合体は、補強対象となるゴム物品の製造上において問題が生じない範囲であれば、補強部位1箇所あたり1層で配設しても2層以上で配設してもよく、配設層数については特に制限はない。
前述したように、本発明に係るゴム−繊維複合体は、タイヤ等の各種ゴム物品の補強用途に好適に使用することができ、ゴム物品の厚さの増大を抑制しつつ、目的の補強性能を達成することができるものである。特に、本発明に係る複合体をタイヤの補強用途に用いる場合、タイヤ内圧を保持してタイヤの強度を負担する骨格材よりも、骨格材とともに用いて、タイヤの振動・音の抑制や耐カット性の改善、または、タイヤ変形時の歪の低減効果を向上することによるタイヤの操縦安定性の向上などの目的に用いられるインサート部材として有用である。
本発明に係る補強材をゴム被覆してなるゴム−繊維複合体の、加硫後における引張破断強度は、好適には29N/mm以上であり、より好適には90N/mm以上、さらに好適には150N/mm以上であって、高いほど好ましい。またタイヤからの掘り起しコードの場合の繊維強度は好適には1.0cN/dtex以上であり、さらに好適には1.7cN/dtex以上である。本発明に係る複合繊維(C)は、鞘部についてはゴムと融着するためにゴム加工時における加硫温度で熱変形するが、芯部については熱変形がほとんどなく、複合繊維(C)の繊維軸方向において溶断されることがない。よって、繊維軸方向に沿ってポリオレフィン系樹脂部分が連続して配設されるため、29N/mm以上の破断強度が得られるものである。これにより、かかる複合体は繊維軸方向に十分なゴム破断強度を持った異方性材料となるので、この複合体を配設したゴム物品においては、かかる特定方向の歪負担を担わせるなどの機能を得ることが可能となる。引張破断強度が29N/mm未満であると、加硫後のゴム物品において十分な補強性能が得られないおそれがある。本発明に係るゴム−繊維複合体は、補強対象となるゴム物品の所望の部位に配設した後、一般的な150℃〜200℃の加硫温度で加硫した場合でも、十分な補強性能を得ることができるものである。このため、タイヤ等のゴム物品の補強材として、例えば、前述したようなインサート、フリッパー、チッパー、チェーファー等のビード部およびサイドウォール部の補強用途、並びに、クラウン部補強層等のトレッド部の補強用途において、十分な補強性能を発揮することができるものとなる。
本発明のタイヤは、生タイヤの成形時において、上記本発明に係る複合体を、ビード部11、サイドウォール部12およびトレッド部13のうちの所望の補強領域に配置した後、常法に従い、150℃〜190℃の加硫温度で、3〜50分間加硫することにより、製造することができる。具体的には例えば、補強層4を、ビード部11またはサイドウォール部12において補強材の繊維軸方向がタイヤ周方向となるように配設する場合には、複合体を、タイヤ半径方向での渦巻状巻回構造となるように配設することができる。また、例えば、補強層4を、トレッド部13において補強材の繊維軸方向がタイヤ周方向となるように配設する場合には、複合体を、タイヤ周方向での渦巻状巻回構造となるように配設することができる。
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明する。
〔エチレン−プロピレン共重合体の製造〕
(1)固体触媒の前駆体混合物の合成
エチレン−プロピレン共重合体を製造するにあたり、まず、Ti−Mg固体触媒の前駆体の合成をするため、滴下ロートおよび撹拌機を備えた1リットルのフラスコを窒素で置換した後、ヘキサンを400ml、テトラエトキシシラン103gおよびテトラブトキシチタン11gを投入し、30℃で1時間撹拌した。次に、前記の混合物に、濃度が2.1mol/Lのブチルマグネシウムクロリドのジブチルエーテル溶液250mlを、滴下ロードを用いて、フラスコの温度を5℃に保ちながら3時間かけて滴下した。滴下が完了後に、5℃で1時間撹拌した後、20℃で1時間撹拌後に濾過を行い、生成した固形物について、まず、トルエン350mlでの洗浄を3回繰り返して行い、次に、トルエン300mlを加え、スラリー化した後に、減圧乾燥して溶媒を除去して、茶色の固体触媒成分の前駆体を得た。
(2)Ti−Mg固体触媒の合成
滴下ロートと攪拌機とを備えた100mlのフラスコを、窒素で置換した後、トルエンを35ml、テトラクロロシラン72g、フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)47.5gを投入し、前記(1)において合成した固体触媒成分の前駆体を7gフラスコに仕込み、105℃で3時間攪拌した。その後、攪拌混合物を濾過により固液分離し、濾過分離した固体について95℃にてトルエン500mlで3回洗浄した後、トルエンを300ml加えた。その後、70℃に昇温した後、四塩化チタンを65g投入し、105℃で1時間攪拌した。次いで、固液分離し、得られた固体について95℃にてトルエン500mlでの洗浄を6回繰り返した後、室温で500mlのヘキサンによる洗浄を2回行い、洗浄された固体を乾燥して、固体触媒成分71gを得た。
(3)エチレン−プロピレン共重合体の製造
1リットルの容積の撹拌機付きステンレス製オートクレーブに、塩化ナトリウム100gを秤量して、85℃でオートクレーブを減圧して真空乾燥した。その後、オートクレーブ内部をアルゴンで置換し常圧の60℃で安定させた後、プロピレンを0.25MPa、続いて、エチレン量が40質量%となるよう、0.84MPaになるまでエチレンを添加した。その後、ペンタンを6mL、トリエチルアルミニウムを1ミリモル、前記(2)で準備したTi−Mg固体触媒成分52.1mgを混合させた混合物を、アルゴンの加圧によりオートクレーブに投入して、重合を開始した。重合開始後、63℃にて、モノマー分圧が0.84MPaになるよう調整しつつ、エチレン量が40質量%でエチレンとプロピレンを混合したガスを供給して、4時間攪拌を続けて重合させた。重合の終了後、オートクレーブから生成物を取り出し、1リットルの水を添加して1時間攪拌後に、ろ過を行い真空乾燥して、エチレン−プロピレン共重合体30gを得た。得られたエチレン−プロピレン共重合体の230℃でのMFR値は13g/10minであり、融解ピーク温度(融点)は132℃であった。
〔芯鞘型の複合繊維のモノフィラメントとゴム被覆コードの製造〕
下記の表2中に示す芯鞘型の複合繊維のモノフィラメントを、一方向に配向してゴム被覆することにより、ゴム−繊維複合体を作製した。モノフィラメントの打込み条件としては、幅5mmあたり6本とした。
素材となる熱可塑性樹脂としては、真空乾燥機を用いて乾燥させた、下記の表1記載の樹脂(PP−1,PP−2)を用いた。芯材用および鞘材用の2台のφ50mm単軸押出機を使用し、口径1.5mmの芯鞘型複合紡糸口金を用いて、鞘芯比率が質量比で4:6となるように、芯成分の吐出量が19.5g/分、鞘成分の吐出量が13.0g/分で、紡糸速度は70m/分にて溶融紡糸し、98℃の熱水浴で4.0倍となるように延伸して、芯部の紡糸温度270℃、鞘部の紡糸温度240℃で溶融紡糸して、下記の表2中に示す繊度の芯鞘型複合モノフィラメントを得た。
<実施例1,5>
タイヤサイズ195/55R15にて、一対のビード部と、一対のビード部からそれぞれタイヤ半径方向外側に連なる一対のサイドウォール部と、一対のサイドウォール部間に跨って延び接地部を形成するトレッド部とからなる実施例1の空気入りタイヤを作製した。この供試タイヤは、1枚のカーカスプライからなるカーカス層を骨格とし、カーカス層のクラウン部タイヤ半径方向外側に配置された2枚のベルトからなるベルト層を備えていた。また、図1に示すように、この供試タイヤのカーカスプライの本体部とビードフィラーとの間には、サイドウォール部のうち、ビードコアのタイヤ半径方向外側端部からタイヤ最大幅位置Pまでの幅45mmの領域に、補強材の配向方向が実質的にタイヤ周方向となるように、上記ゴム−繊維複合体の芯鞘複合繊維として、下記の表2中に示す芯鞘モノフィラメントを、幅5mmあたり計6本の打込み数となるよう配設した。また、タイヤ製造時の加硫条件としては、加硫温度189℃で11分とした。
実施例5については、鞘芯比率が質量比で4:6のまま吐出量を変更して、下記の表2中に示す繊度で得られた芯鞘型複合モノフィラメントを用いたゴム−繊維複合体を使用した以外は実施例1と同様にして、実施例5の空気入りタイヤを作製した。
<従来例>
上記ゴム−繊維複合体に代えて、同じ厚さであって補強材を含まないゴム部材を配置した以外は実施例1と同様にして、従来例の空気入りタイヤを作製した。
得られた各実施例の供試タイヤを解剖して、内部からゴム−繊維複合体を取り出し、その引張破断強度を測定した。また、得られた各供試タイヤを実車に装着して、テストコースを走行させ、通過騒音を測定した。これらの結果を、下記の表2中に併せて示す。
各実施例の供試タイヤから取り出した複合体からゴムをピーリングにより剥離した後の補強材表面のゴム付き状況について、下記の表3に従いランク付けを行って、ゴム付着率(ゴム付)を確認した。
また、得られた各供試タイヤを実車に装着して、テストコースを走行させ、ドライバーによるフィーリング評価により、操縦安定性を評価した。結果は、補強材を配置しない従来例を基準(±0)として、従来例との差を「+」、「−」の数値で示した。「+」の数値が大きい程、性能が優れていることを意味する。
*1)密度および繊度の測定は、JIS L 1013の化学繊維フイラメント糸試験法に準じて測定した。
上記表2中に示すように、少なくともビードコアよりタイヤ半径方向外側の領域に、所定の芯鞘型の複合繊維を用いたゴム−繊維複合体を補強材として配置した各実施例の供試タイヤにおいては、補強材を配置しなかった従来例の供試タイヤと比較して、走行時の騒音を低減するとともに、操縦安定性の向上効果が得られていることが確かめられた。また、実施例1,5はいずれもゴム付ランクA,Bであった。また、図10の写真図に示すように、蛍光顕微鏡により、実施例1の供試タイヤから取り出した複合体のゴム内の補強材の断面を観察したところ、鞘部は流動化したために変形していたが、芯部は溶融していなかった。
ここで、図10は、実施例の供試タイヤから取り出した複合体のゴム内の補強材の断面を、蛍光顕微鏡で観察した写真である。図10中、周囲の領域Gが複合体の加硫ゴムであり、中央部にある惰円形の領域Pが芯鞘繊維(C)の芯部の高融点ポリオレフィン系樹脂(A)の部分である。また、加硫ゴムにあたる周囲の領域Gと、芯部の樹脂部分である中央部にある惰円形の領域Pとの間にある領域Pが、鞘部の低融点ポリオレフィン系樹脂(B)の溶着層である。
この写真において、鞘部は本発明で規定する低融点ポリオレフィン系樹脂(B)であり、加硫時の金型とブラダーからなる加硫装置で、内側から金型に向け、高温・高圧の蒸気で押し付けることにより、熱によって鞘部の低融点ポリオレフィン系樹脂(B)が融体となり、金型に押し付ける圧縮の力で形態が潰れる変形をし、流動化した樹脂がゴムと繊維間の空隙を濡らして埋めることで、溶着により強い密着が得られていることがわかる。
また、鞘部が変形するのに比較して、芯部は楕円形の形態を維持しており、本発明で規定する高融点ポリオレフィン系樹脂(A)であるために、溶融した融体とならずに、本実施例に示すように、繊維破断強度を保持していることから、ゴム物品の補強材料として必要なコード剛性の機能を失っていないことが分かる。
従って、本発明で規定される芯鞘繊維(C)によれば、ゴム物品における加硫条件で、熱融着性とコード強度の保持とを両立できるため、これまでにない、ゴム物品を好適に補強できる手段を提供することができる。
1 ビードコア
1a ビードコアのタイヤ半径方向外側端部
2 カーカス層
2A カーカスプライの本体部
2B カーカスプライの折返し部
2Be カーカスプライの折返し部の端部
3 ベルト層
4 補強層
5 ビードフィラー
5e ビードフィラーのタイヤ半径方向外側端
6 キャップ層
7 レイヤー層
8 トレッドゴム
11 ビード部
12 サイドウォール部
13 トレッド部
24 フリッパー
24i フリッパーのタイヤ幅方向内側端
24o フリッパーのタイヤ幅方向外側端
34 チッパー
44 チェーファー
44i チェーファーのタイヤ幅方向内側端
44o チェーファーのタイヤ幅方向外側端
54 クラウン部補強層
G 複合体の加硫ゴム
芯部の高融点ポリオレフィン系樹脂
鞘部の低融点ポリオレフィン系樹脂

Claims (11)

  1. 一対のビード部と、該一対のビード部からそれぞれタイヤ半径方向外側に連なる一対のサイドウォール部と、該一対のサイドウォール部間に跨って延び接地部を形成するトレッド部とからなり、該一対のビード部にそれぞれ埋設されたビードコア間にトロイド状に跨って延在するカーカスプライの少なくとも1枚からなるカーカス層を骨格とする空気入りタイヤであって、
    少なくとも前記ビードコアよりタイヤ半径方向外側に、芯部が融点150℃以上の高融点ポリオレフィン系樹脂(A)からなり、鞘部が融点80℃以上150℃未満の低融点ポリオレフィン系樹脂(B)からなる芯鞘型の複合繊維(C)よりなる補強材を用いた補強層が配設されてなり、
    前記複合繊維(C)よりなる補強材の繊維集合体の形態が、モノフィラメント、または、10本以下のモノフィラメントを束ねてなるコードを、打込み数として幅5mmあたり0.5〜20本としたものであることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記補強材の繊度が、100dtex以上5000dtex以下である請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記複合繊維(C)をゴム被覆して加硫した後における引張破断強度が、29N/mm以上である請求項1記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記補強層が、前記補強材の配向方向がタイヤ半径方向に対し30°以上90°以下の範囲となるよう配設されてなる請求項1記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記一対のビード部間に延在する前記カーカスプライの本体部と、ビードフィラーとの間であってかつ、前記ビードコアのタイヤ半径方向外側端部からタイヤ最大幅位置までの領域に、前記補強層が配設されてなる請求項1記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記複合繊維(C)よりなる補強材は、一方向に配向されてゴム被覆されてなる請求項1記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記複合繊維(C)よりなる補強材の繊維集合体の形態が、モノフィラメントを、打込み数として幅5mmあたり0.5〜20本としたものである請求項1記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記補強層が、前記補強材の配向方向がタイヤ半径方向に対し45°以上90°以下の範囲となるよう配設されてなる請求項4記載の空気入りタイヤ。
  9. 前記補強層が、前記補強材の配向方向がタイヤ半径方向に対し90°となるよう配設されてなる請求項8記載の空気入りタイヤ。
  10. 前記補強層が、前記カーカス層と、ビードフィラーおよび前記ビードコアとの間に、フリッパーとして配置されている請求項1記載の空気入りタイヤ。
  11. 前記補強層が、前記トレッド部から前記サイドウォール部までの範囲に、クラウン部補強層として配置されている請求項1記載の空気入りタイヤ。
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